【本編一旦完結】たすてけ勇者一行がくぁwせdrftgyふじこlp【原作更新待ち】   作:丹羽にわか

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ようやくフリーレンVSナーリンです
と言っても最初はデンケンから、その後お約束のレスバで戦闘は次回




葬送のフリーレンVS狡智の大魔ナーリン①

 

 クラウが狡智の大魔ナーリンの分身だと伝えられた時、デンケンの胸を占めたのは"寂寥感"だった。

 

 ショックは受けた。二次試験の零落の王墓攻略以降はラオフェンと並んで孫娘のように可愛がっていた。若いながらも優秀な、将来が楽しみな魔法使いだと期待していた。

 

 だが、同時に"何故判別出来なかったのか"、"何が目的だったのか"等と冷静に思考していた。

 歳を重ね、場数を踏んだ。宮廷における人間同士の権力闘争を勝ち抜き宮廷魔法使いの地位についた。

 故に、多少の動揺こそあれ調子を崩すようなことは無く、黄金郷へとやって来た。

 

 デンケンにとって、クラウは最早ただの"敵"だ。

 

 すんなりそう割り切ってしまえる自分と、そんな自分を形作ったこれまでの人生が、彼は寂しかった。

 

 

 


 

 

 

 デンケンとマハトの戦闘は、マハトが優勢ではあるがデンケンがそこに食らいつく形で膠着していた。

 

 

「師が魔法を使うタイミングくらい分かる」

 

 

 マハトが予兆なく放つ万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を、デンケンは『師』の癖から見抜き、一級魔法使いの特権で得た呪い返しの魔法(ミスティルジーラ)で的確に反射し防御する。

 

 

「私が万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を使う瞬間が分かるというのなら、貴方の魔力が尽きるまで使い続けましょう」

 

 

 だが、それに対してマハトが選んだのは万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を使い続けること。

 

 

「……まずいな」

 

 

 視線をチラリと後方に向け、呟いたデンケンはマハトに背を向け飛び出す。

 

 

「範囲外に出るおつもりですか? 無駄な行為です。貴方が逃げる速度よりも、黄金が広がる速度の方が早い」

 

 

 そう言ってマハトはその場に佇んだまま、追撃はしてこない。

 

 

(違う……!! フリーレンを助けなければ……!!)

 

 

 デンケンは最大速度で黄金と化した世界を飛ぶ。

 

 

(ゼンゼ達は探知範囲外、戦況は不明……尚更、フリーレンを黄金に変えられる訳にはいかん)

 

 

 ソリテールはフェルン達の奮闘とユーベルの一撃によって負傷し、妨害してくる事は無い。

 

 だが。

 

 

(くっ!? ごく僅か、あとほんの少し、間に合わんか……!!)

 

 

 彼我の位置と自身の速度から結果を予測したデンケンは歯噛みする。

 

 

(嗚呼、クソッ、フリーレンから離れすぎたッ。こんな初歩的なミスを……!!)

 

 

 避難は順調に進んでいた。魔族達が仕掛けてくるまで時間があった。迎撃に出て戦闘が始まり、それらの結果、互いの位置はある世界線(原作)よりも離れていた。

 

 

(儂が、巻き込んでしまった。この負け戦に等しい戦いに。老いぼれのつまらない意地に)

 

 

 フリーレンが居る筈の避難民の集団が見えてくる。

 

 

(駄目、か)

 

 

 全てが黄金と化している。

 最愛の妻の時もそうだった。デンケンはまた、間に合わなかった。

 

 地上に降り、よたよたと歩み寄る。

 

 

「すまない、みんな」

 

 

 デンケンは絶望に膝をつき、そのまま黄金へと変わった──。

 

 

 

 

 

 

 

 

「──」

 

 

 声がした。

 

 

(身体が、動く?)

 

 

 はっと顔を上げる。

 

 

「──どう? ちゃんと解除出来てると思うけど」

 

 

 かつて憧れたお伽噺の英雄(勇者一行の魔法使い)が、そこに居た。

 

 

「おはよう、デンケン」

 

 

 葬送のフリーレンが。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 時は遡り、大魔族三名による会談にて。

 

 

「ねえ、マハト。君は断頭台のアウラを覚えてる?」

 

 

 ソリテールに訊ねられ、マハトは一つ瞬きをしている間に記憶を掘り起こした。最後に会ったのは、アウラが勇者ヒンメル一行に敗北した後の事だ。

 

 

「アウラ? あのアンデッド使いがどうかしたのか」

「アウラは死んだわ。殺されたの、フリーレンによってつい最近ね」

「それが? アレを殺す事なんて、そう難しくは無い。デンケン様や、他の一級魔法使いとやらでも勝ち筋はある」

 

 

 アウラの訃報を聞いたマハトは微塵も動揺した様子無く答える。

 

 

「それなりの魔力と服従させる魔法(アゼリューゼ)しか取り柄のない奴だ。八〇年前、勇者ヒンメル一行に討たれなかったのは運が良かっただけだろう」

 

 

 アウラの『不死の軍勢』はヒンメル達を一時は窮地に追い込む程のものだが、マハトにとっては元がどんなに卓越した武人であろうと自身の魔法の前には有象無象に変わりない。その評価は辛辣だった。

 

 

「私はアウラとフリーレンの戦いを覗き見していたの。そうしたらね? 驚くべきことにフリーレンは服従させる魔法(アゼリューゼ)の解除に成功していた。そして、アウラは過去に勇者ヒンメル達とも戦っていて、その時に魔法を見られている」

 

 

 そこで微かにマハトの気配に揺らぎが生じた。

 

 

「それは……信じがたい話だ。フリーレンがアウラの──七崩賢の魔法を解析し、原理を解明し、対処法を確立したとでも言いたいのか?」

「ううん。それは違う。七崩賢の魔法は人智も世の理も超えたモノ。それは揺るがない事実」

 

 

 七崩賢とは、ただ魔王軍において強大な力を持つ魔族に与えられる席ではない。

 その魔法の独自性や希少性が重要視され、評価される。実力だけでなら、アウラはマハトはおろかソリテールにも敵わない。

 

 

「まず、魔族の魔法の多くは身体や脳、精神構造などの生物的な違いから、人類にはほとんど扱えない。まあ、元の術式構成の簡潔さと人類に与えた恐怖故に解析され尽くして人類の魔法体系に"一般攻撃魔法"として組み込まれた人を殺す魔法(ゾルトラーク)や、術式をほぼそのまま転用された飛行魔法とか例外はあるけれど」

 

 

 その人を殺す魔法(ゾルトラーク)の研究解析に大きく貢献したのがフリーレンであることは、ソリテールもマハトも知っている。

 

 

「そして、人類はおろか術者以外の魔族にだって扱えない理外の魔法、それが七崩賢の魔法。君の万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)もその一つ。かの“腐敗の賢老”があれだけの力を持ちながら七崩賢に名を連ねなかったのは、その魔法があくまで"理の内側"にあったからなのかもね」

 

 

 クスクスとソリテールは笑った。

 

 

「話を戻すわ。魔法の原理が分からないからといって、決して解除が出来ないというわけではないの」

「それは、どういう事だ? いくら魔法がイメージの世界とはいえ、そのイメージの構築には様々な理論や原理が含まれているだろう?」

「それは過程の話。その結果、起こった事象への対処法なんてものは本来、いくらでもあるでしょう? 過程や原理がわからなくとも、対処することは出来るの」

「……」

「浮力の原理を知らずとも船を浮かべ、風が起こる原理が分からないまま帆を張って大海を渡り、波が起こる原理も理解しないまま堤防を築き上げた。 ──人類はね、未知を未知のまま扱う能力を持っている。それは、最も原始的で論理的な行為──“観測”の積み重ねによって生み出される」

 

 

 それは魔族の持ちえない能力。

 

 

「ねえ、マハト。君はこの百年で何度万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を使った?」

 

 

 ソリテールは瞳を細めてマハトを見た。その瞳を見つめ返し、マハトは淡々と答える。

 

 

「さあな。お前は今まで殺した人間の数を覚えているのか?」

「うーん、いっぱい? でも、実験に使った分はしっかり記録に残してあるわよ? 昨日までで九八二二人ね」

「……気味の悪い奴だ」

「そっちから訊いておいてその反応は酷くないかしら?」

 

 

 唇をとがらせて機嫌を損ねたように見せるソリテールを視界の端に映しながら、マハトは考える。

 

 

(フリーレンは俺の記憶を解析している筈だが……観測、それだけで対処法を編み出すと? あり得ないな)

 

 

 その断定には、マハト自身にとって気に食わない相手であるソリテールと、その上位者であるナーリンへの反発があった事を、彼はついぞ自覚しなかった。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「して、フリーレン。今儂らを覆っているコレが例の?」

「そう。対万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)の防護魔法だよ。これで私とデンケンにマハトの魔法は通用しない。ただ、集落の人達を戻すのは……今はやめておいた方がよさそうだね」

「……そうだな。しかし、本当に作り上げてしまうとは」

 

 

 デンケンは自身の手を見ながら呟く。

 

 

「信じてなかったの?」

「あの状況だ。間に合うかは半信半疑だった」

「そ。まあいいよ。それで、現状をどう思う」

「……良くはないな。マハト達には確実に捕捉されている」

 

 

 彼らの魔力探知は、二体の大魔族の反応が接近していることを告げていた。

 

 

「そうだね。頭の痛いことに、ナーリンもマハトも相当な手練だ。ソリテールが居ないけど、倒したのか撤退したのか……そうだ、フェルン達は?」

「……分からない。皆、儂の魔力探知の範囲外で戦っていた」

「それぞれの相手は分かる?」

「儂はマハト、ゼンゼとユーベルがソリテール、フェルンとシュタルクは待機させていた筈だが、この場に居ないとなると……」

「ナーリン、もしくは分身(クラウ)。最悪、その両方かもしれない、か」

 

 

 二人の脳裏に最悪の想定が過った。デンケンの眉間には皴が寄り、フリーレンは目を伏せる。

 

 

「有難くないことに、知ってそうな奴らが来たね」

 

 

 フリーレンはそう言い振り返る。

 

 

「……魔力探知の結果から分かってはいたが、本当に俺の万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を解除し、無効化しているとはな、フリーレン。もう、生かして帰すわけには行かない」

「端からそんなつもりなんて無かったでしょ」

 

 

 黄金郷のマハト。争いを嫌い、人魔共存の為、悪意と罪悪感を知ろうと人間に仕え、デンケンに魔法を教え、ヴァイゼを黄金に変えた七崩賢最強の大魔族。

 

 

「久しいな、フリーレン」

「……オイサーストで分身越しに見てたんだよね? 白々しいよ、ナーリン」

「この姿で顔を合わせるのは八〇年ぶりだろう? 今は互いに息災である事を喜ぼう」

「……」

 

 

 そして、狡知の大魔ナーリン。人類を深く理解し、統一王朝や辺境の街ヴォーボ、オイサースト等で暗躍していた異端の大魔族。

 

 フリーレンはじっと相手を観察する。

 

 

(私やマハトを超える魔力。だけど、死臭がしない。このナーリンは分身……?)

 

 

 魔族は人を殺し食らう。当然、その身に纏っているはずの死臭がナーリンからはしなかった。

 

 

(いや、ヴォーボの時だって死臭はしなかった。"人間の狩人は獲物を狩る時、態々香水をつけるのか?"だっけか。精神魔法か何かで誤魔化しているんだろうね。人間を言葉で欺くのが魔族だけど、こいつは群を抜いてタチが悪い)

 

 

 かつての失態を思い返しながらもフリーレンはまだ杖を構えない。魔族とは、魔法使い相手には律儀な相手だ。己の魔法に絶対の自信がある故に、相手に魔法を使わせない事をまず良しとしない。勿論、例外は存在するが。

 

 

「一応訊いておくけど、今のお前は本体?」

「クハッ。そのようなリスクを此方が冒すとでも?」

「そうだろうね。まあ、いいよ。何度分身が出てきても、全部倒すだけだから」

「それはそれは……ハァ、此方のような魔族など捨て置けばいいだろうに。其方等の旅路には不要な事柄だ」

「ヒンメルなら、絶対に諦めないよ」

「……ふむ。存外面倒な女だな、其方は」

 

 

 ナーリンは呆れたように肩をすくめて見せる。

 

 

「そうだ、フリーレン。マハトが其方に訊きたい事があるそうだ。少々時間を頂戴しても?」

「話すこともお前達にくれてやる時間もないよ」

「ナーリン……貴様、ふざけているのか」

「マハト、此奴がどのような方法で其方の魔法に対処したのか興味が無いとは言うまいな? そしてフリーレン、其方には時間が必要だろう? この結界や、生きている“かも”しれない仲間達を元に戻すために周辺を解析する時間がな」

「……チッ」

「研究熱心だね。それに慈悲深い。有り難すぎて涙が出そうだ」

 

 

 マハトは苦々しげに舌打ちし、フリーレンは皮肉を込めて言う。

 

 

「ああ、デンケン。少し待っていて貰えるかな?」

「……儂は構わん」

「感謝しよう。さて、マハト」

 

 

 場を支配しているのはナーリンだった。その表情や振る舞いはどこまでも人間のようで、それが途轍もない違和感と嫌悪感をフリーレンに齎す。

 

 

「……フリーレン。お前は何故俺の魔法に対処できた? それも、たったの二カ月でだ」

「私は、お前と六〇〇年前に戦って万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を実際に受けている。その時は右腕が黄金になって、元に戻すだけで一〇〇年も掛かった」

「だ、そうだが。マハト」

「記憶にない」

「だろうね。私はお前にとって、戦いに負けて逃げ出した有象無象の魔法使いの一人だ」

 

 

 フリーレンは続けて淡々と語った。

 右腕を元に戻した経験から、自分の身体だけは戻せる自信があった事。

 話し合いの場(時間の無駄遣い)でわざと喧嘩を売ったのは、実際に魔法を使う所を見たかったからだという事。

 結果として、呪い返しの魔法(ミスティルジーラ)のような切り札を警戒しマハトは魔法を使わなかったが、それが万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)が完全無欠で無い事を証明していた事。

 故に、解析した記憶とそれらを合わせる事で、解除魔法を完成させるための理論構築、そして“イメージ”が十分に可能になった事。

 

 

万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)は、呪いではなくなった」

 

 

 最後にそう言ってフリーレン、そしてデンケンは杖を手に取ろうとし──。

 

 

 ──パチ、パチ、パチ。

 

 

「大したものだ、フリーレン」

 

 

 ナーリンの拍手と賛辞の声にその動きを止めた。

 

 

「七崩賢が生み出した万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)を“ただの魔法”にまで貶めるとは、流石は魔王を討伐した勇者一行の魔法使いだ」

「そう。お前に言われても別に嬉しくないかな」

「逸るな、フリーレン。時間は其方に味方しているというのに」

 

 

 杖こそ手には無いが、戦意と集中を高めるフリーレン達を嗜めるようにナーリンは言った。

 

 

「さて、此方からも訊きたい事がある。フリーレン、そしてデンケン」

 

 

 深紅の瞳がじっと二人を見据える。

 

 

(ナーリンの目的は何だ? 時間稼ぎ? でも今、戦力的に優勢なのはあっちだ。そうなると本当に質問? それとも伏兵、ソリテールなり分身なりを動かしているのか)

 

「マハトが真に人類との共存を望む魔族である事は、記憶を解析した其方らならば理解しているだろう。だと言うのに、何故殺そうとする?」

 

 

 ナーリンの思惑を推察するフリーレンに対してそんな問いかけがされた。フリーレンは周辺に警戒を向けながら思考を回し口を開く。

 

 

「私の知る限り、共存を望み、人類にここまで歩み寄った魔族はマハトで二人目だ。一人目は魔王。あれも共存を願っていたけれど、その結果があの戦争だ。人類の勢力圏が最盛期の三分の一にまで減り、多くの国と民族が滅びた。お前達(魔族)が悪意と罪悪感を理解し、その行き着く先に人魔共存はあるのかも知れない。だけど、それまでにどれだけ殺される? それを許容出来るほど、人類はお人好しじゃない」

「そういえば、魔王はそのような奴だったか。相互理解こそ共存に必要だと考え、動いた。そしてフリーレン。其方も、異種族の共存には相互理解が必要と考えているな? 人間を知る為の旅路の最中なのだから」

「……」

「だが、奇妙ではないか? 人間と相互理解の出来ていないエルフの其方が、勇者ヒンメルやフェルン等と共に旅が出来た。つまり共存していた訳だ。いや、ヒンメル達は其方を理解していたか? まあ、つまりだ」

 

 

「相互理解は共存の条件足りえない」

 

 

 ナーリンは真に迫る表情で言った。それを聞いて、フリーレンは言葉の中に含まれている意味に気付いて顔を僅かに歪める。

 

 

「私はエルフだ。お前たち魔族(化け物)とは違う」

「クハッ、変わらんよ。人間より永く生き、膨大な魔力を持ち、強大な力を振るえる。魔族は人を殺す習性があるが、抗えぬ衝動という訳では無い。メリット、デメリットを考え殺さないという判断も行える。デンケン、其方の師をしていたかつてのマハトはどのような振る舞いをしていた?」

「……マハトは、人間関係の立ち回りが上手かった。社交的だった。領民からは慕われ、他の貴族等からは信頼されていた」

「そうだろうな。魔族には人を信頼させ欺く能力がある。マハト、其方は黄金郷(ここ)を離れた後はどうする?」

「……俺の事を誰も知らないような僻地の集落にでも潜り込む。そして人間を言葉で欺き踊らせ信頼を得て、まずは共存を成し平穏を手に入れる。三世代ほどかければ十分だろう。その間、殺しは控える必要がある。理解はその後でいい」

「ふむ、妥当な案ではあるな。して、フリーレン。これでもマハトを殺すか?」

「殺すよ」

 

 

 フリーレンは即答した。

 

 

「ほう?」

「これは"報い"だ。マハトがこれまで成してきた罪のね」

「報い、か。言葉で飾るな。それは復讐ではないのか?」

 

 

 ニィ、と吊り上がるナーリンの口角。

 

 

「なあ、フリーレン。かつて玉座のバザルトを打ち倒し、あの集落で唯一生き残ったエルフよ」

 

 

 フリーレンの眉がピクリと動く。

 

 

「──あの時、お前は居なかった筈だけど」

「知っているだけだ。フランメなど相手にしていたら命がいくつあっても足りない故な」

「ナーリン、いい加減長話が過ぎる。どの道、フリーレン達は生かしておけない。それに、俺が"悪"として裁かれ"報い"を受けるというのなら、これほど光栄な事はない」

 

 

 しびれを切らしたマハトが会話に割り込んでくる。それを聞いてデンケンも杖を手に一歩前に歩み出た。

 

 

「……フリーレン。頼む。マハトの相手は、その役割は儂にやらせてくれ」

「勝てるの?」

「──」

「そう」

 

 

 フリーレンは杖を取り出し構える。

 

 

「それじゃあ、私はナーリンを叩き潰す」

「──クハッ」

 

 

 

 

 




読了謝謝茄子!

いつの間にか一か月くらい経ってて驚いた。
次回こそナーリン戦。レスバ中のナーリンは内心ヤケクソテンパり状態で無自覚に煽って地雷踏んだ。そのまま吹っ飛べ。

感想評価お気に入りここすきクレメンス〜

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