血戦!大東亜戦争   作:親衛突撃兵

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第5話

1940(昭和15)年 7月に行われたインドシナ半島全域への侵攻作戦は翌月にはドイツからの圧力を受けた、ヴィシー・フランス政府がインドシナ半島の武装解除に応じた事により終結した。。

しかし帝国陸海軍は予想外の被害を被ることになった。

帝国海軍は仏極東艦隊の監視を行っていた南遣艦隊の扶桑型、伊勢型戦艦4隻を大破させられ、残った艦隊もその日の夜戦で損害を受けていた。

帝国陸軍も元々平和裏に北部インドシナへの進駐する事を目指していたため、初期の偶発的戦闘から本格的な戦闘へ移行する間に各所で苦戦を強いられ、また進駐部隊に帯同していた戦車第四連隊がメコンデルタで、仏陸軍戦車部隊と交戦した結果、装備していた九七式中戦車では太刀打ちできず壊滅してしまったのである。

この被害の大きさには、政府内でも予想外なものであった。

更にこのインドシナ半島侵攻の結果、米英両国から遂に経済制裁を受けた事により、帝国臣民は同年8月に行われた選挙により立憲政友会政権は敗北し、民政党が政権を担う事となった。

これを受け、民政党政権は親米派である米内光政を首班とする米内内閣が組閣された。

政権交代が起きた後、日本政府は日米関係の修復に躍起になっていた。

既に中国南部からの撤退、中国南北戦争の停戦を条件に仏領インドシナ半島からの進駐軍撤退も提案している。

だがアメリカのウォレス政権は中国南部政権への軍事援助を強める一方で、日本へインドシナ半島からの即時撤退を求め、日米交渉は平行線を辿っていた。

 

某日 とある料亭に海軍の高官が集まっていた。

「米内さんは大分頑張っているが、アメリカはテコでも動かんだろうな・・・・」

 

「駐米大使に山梨さんを任命したそうだが、山梨さんの頑張り次第だろうな」

 

「其れよりも、インドシナで大破した扶桑型と伊勢型はやはり廃艦だろうか」

 

「使い勝手が悪かったからこの際廃艦にすべきだという意見も多く出ているが、どうも山本中将が勿体ないからと言って大神造船所で改装空母にするそうだ」

 

「まぁあの御仁は、戦艦より空母が好きだからな」

 

「しかしこう言っては戦死した者達に申し訳ないが、扱いづらい艦ではあったからな」

 

「それで例の軍備充実計画、あれはどうなっている?」

 

「既にB65型大型巡洋艦が4隻、艤装作業を終えたため、試験航海の後、聯合艦隊に編入されます」

 

「また既存艦艇も順次ドック入り後、航空本部製の艦載電探の艤装工事に入ります」

 

「航空本部の武部中将に先見の明があって助かったよ。艦政本部の連中、自分たちが電探は闇夜に提灯だ等と言っておきながら・・・」

 

「しかしそれを鵜呑みにした我々にも責任はあるかと・・・・我々も実際科学技術を軽視していた節があります」

 

「それに関しては同意せざるを得ないだろう」

 

「過ぎたことはもうよそう。今はできることを粛々と進めていかねばならん」

 

「・・・しかし米英を相手に開戦したとして、我が国ははたして勝てるのでしょうか・・・?」

年若い士官の発言に、場の空気は少しばかり重くなった。

「・・・総力研究所は今年行われた机上演習の結果では、勝てるのは半年から一年の間との結論を出している。つまり日本必敗だ。これは覆しようのない事実だ・・・だからこそ米内閣下は戦争回避を主眼に置かれているのだ。無論陸軍もそれを理解しているから、陸相に親米英派である永田鉄山中将を就任させたのだ。だがもし外交交渉が上手くいかず、開戦になった場合は死力を尽くし戦い、有利な講和条件を引き出す他ないだろう」

 

「そうなれば、ここにいるメンバーの悉くは靖国でしょうな」

 

「確かにそうだろうな。まぁ、我々の命で日本が残るのであればそれも本望と言えるだろう」

 




【メモ】
軍備充実計画(第一次)
戦艦:4隻(後の大和型戦艦)

大型巡洋艦:4隻(雲仙型大型巡洋艦)

艦隊型航空母艦:4隻(翔鶴型)

乙型巡洋艦:6隻(阿賀野型)

甲型駆逐艦:20隻(陽炎型)

戦闘補給艦:4隻

海防艦:20隻

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