学校一のアイドルに告白した俺は何故かそのアイドルの彼女になっていた。 作:ああ
校舎の外、人が少ない場所で顔を真っ赤にしながら俺は目の前の彼女に想いを伝えた。心臓がはち切れそうなぐらい震えた。緊張して何度も噛みまくった。それでも彼女は何も聞かず、黙って微笑みながら聞いてくれた。
そして最後に彼女の名前を呼び、俺は──
「
言った。自分の思いを伝え切った。もうこれで満足だ。どうせ答えは分かっている。白夢さんはこの学校のアイドルに相応しい存在だ。流れる川の様なロングの黒髪、透き通る様な肌。そしてスタイルも良い。身長は彼女の為に触れないで置くけど、それを引いても彼女は美しい。
学校に入学する前の試験やその前の体験授業でナンパや結婚を前提のガチ告白される程彼女は綺麗で美しく、そして……。
「ごめんなさい」
ああ、終わった。思えば、初恋だったかもしれない。気づければ彼女の事を目で追っていた。彼女が何かをこなす度に嬉しくなるし、彼女と同じクラスになった時には人生のピークは此処なんだと悟った。
彼女の隣の席になった時には、俺は明日死ぬんだなと確信した程だ。思えば彼女の好みが分からない。彼女が友達に聞かれていたのを聞いただけだが、サッカー部で人気者なイケメンの先輩の告白を断り、頭が良すぎて高校生で大学の知識を持っている山林にもそっぽを向く。一体彼女を落とせる事なんて出来るのか?
それにもう一つ謎がある。普通、こう異性に人気がある女子は同性に嫌われやすいと言う偏見が俺にはあった。と言うかそう言うのが無い訳では無い。彼女の悪口も聞いた事があるが僅かだった。小さなほつれ程度で、目を凝らさなきゃ分からない程度だった。むしろ女子からも好感度が高い気がする。と言うかたまに女子の白夢さんを見る様な目がアレな気もするが、きっと気のせいだろう。
「ごめんなさい、ちゃんと理由を説明しないとね。
そう言って彼女は理由を語ってくれるらしい。もしかしたら何か俺にもチャンスがあるかもしれない。いや、次の機会で為になるかもしれない。そう思って俺は耳を傾けた。
「まず、タイプじゃない、貴方の事を良く知らない。私と目が良くあったから、好きなのかなぁとは思ったけど確信は持てなかった。女の子の気持ちを分かってみたいだから言っておくけどね?ちゃんとアピールしなきゃダメ。まぁ、私の場合はアピールされても断るんだけど」
だから別の子に告白する時に使ってねと言われる。が最初のタイプじゃない発言が割と刺さってあまり聞こえなかった。
「それからタイプじゃないって言うのは顔の事じゃないわ。顔は寧ろ……イケる」
イケる?何が?何だか分からないけれど少しゾクっとした。彼女の目が獲物を狙う猛獣になった様な気がする。
「……う〜ん。早めに決断を出し過ぎたかもしれないわね。条件付きで付き合っても良いかも」
「条件付き?」
俺はうっすら見えた光を逃すまいと、食いつく。
「そう。でも貴方にとって良い条件では無いし、辛い思いをするかもしれない。それでも良いのなら……」
俺の心配をしてくれているみたいだ。やはり彼女は優しい。俺は気にせず、それで良いと承諾した。
その時に俺は気づくべきだった、彼女が見せた歪んだ笑みの正体を。だがそれは無理難題だろう。
「ありがとう、これからよろしくね。私の
「は?」
……ん?今、あれ?聞き間違いだよな。彼女?あ!そうか白夢さんが俺の彼女になるって事を言いたかったんだよな、日本語は難しいなぁ。
「あの、俺は白夢さんにとって何なの?」
なんか重い彼女みたいな発言になってしまったが、そんな事を言ってる場合じゃない。これをはっきりさせないと今後に関わる。
「彼女よ?ああ、ごめんなさい。今丁度手持ちが無いのよ。だから明日で良いかしら」
そう微笑んでウインクする彼女に俺は頷いてしまった。いや、手持ちって何だ?話せば話す程謎は増えるが、触れるのも怖いので明日に後回しにする事にする。きっと明日には分かるだろう。
楽しそうな彼女を見て、俺はそう思う事にした。明日には明日の風が吹くって言うしな。