学校一のアイドルに告白した俺は何故かそのアイドルの彼女になっていた。 作:ああ
翌日。
……朝が来た、アラームを止めてゆっくりと体を起こす。ぼんやりとした頭の中には無意識に昨日の事が蘇った。
そっかぁ俺、あの白夢さんと付き合ったんだ。結局条件が何だったかも聞いてないし、何となく嫌な予感がするけど。そう思いながらゆっくりと身体を動かして布団から出る。
顔洗って学校行かなきゃか。パパッと洗って支度をすると学校へ向かう事にした。昨日の今日で色々心配だったから憂鬱だった。例えば噂になっていないかとか。
ぼんやりと考えながらドアを開けると眩しい太陽と──
「おはよう。草鞋野君」
そう輝かんばかりの笑顔で俺に話しかけてくるのは白夢さんだ。キョウモキレイダナァ。いや違う、何で此処にいるんだ?いや確かに付き合ったら恋人と一緒に待ち合わせして一緒に登校したりとかしたいなぁとは思ったけど。
それは叶わない事な筈だ。何故なら俺は友達がいない。から住所を知っている人はいない。もしかしたら同じ中学の奴なら知ってるかもしれないが、あの高校に俺の知り合いはいない。だからそれも無い。
再び目を合わせると、彼女はニコッと笑う。可愛い。駄目だ、堂々巡りをしてしまう。
「おはよう、ございます。白夢さん。あの、なんでウチの前に?」
俺は恐る恐る彼女にそう挨拶をする。夢なんじゃないかと未だ疑う。と言うか何で俺の家の住所知ってんだ。夢であれ。
「ああ、通りかかったのとほら私達付き合ってるんだったら、一緒に行った方が良いのかと思って。渡したい物もありますし」
「あっ、いやごめん。何で俺の家の場所を知ってるのかって話。ウチの場所先生ぐらいしか知らないだろうから。白夢さんにも言ってない筈だから」
「ああ、
「えっと?」
「まあ、細かい事は良いじゃないですか。そろそろ学校行かないと遅刻しますよ」
そう言って走り出したので俺も慌てて追いかけた。
恋人とは言え、ほぼ他人の家の住所を調べる為に教師のパソコンのデータを盗み見するのがそんな事か。
白夢さんはちょっとヤバい人なのかもしれない。
走ったお陰で割と余裕を残したまま、俺達は学校に着いた。長い階段を登り、間に合って良かったと思っていたら何か袋を渡された。
開けて良いか聞くと微妙そうな顔をされた。トイレで見て欲しいと言われたので、教室近くのトイレで見る事にした。
弁当かなぁ?と思って見てみたら、全然違った。
開けて中身を出してみると何かが出てきた。よく分からなかったので全体を出してみるとスカートが入っていた。
「何これ」
「何って私のスペア制服ですが?」
何か?と首をコテンと傾ける仕草はやめて欲しい。いちいち可愛いのが腹立ってきた。
「いや何でそのスペアを俺に渡すの?」
「言った筈ですよ、条件付きで付き合うと。そして最初にタイプじゃないとそれには理由がありまして。私には深い訳があって女の子が好きなんです」
「……だから俺に女の子の格好をさせる。だから白夢さんの彼女って事?」
「それにそれだったら女の子の気持ちも分かるでしょ?天才じゃないですか?」
変態か天災の間違いだと思う。でも、確かに女の子の気持ちは分かるかもしれない。でも。
「これ、今着なきゃ駄目?」
流石にアレで授業受けるのはクレイジーだろう。即三者面談が始まると思う。
「いえ、そんな鬼畜な事私は言いません。放課後、私と一緒に付いて来てくれれば分かりますよ」
話は終わったとばかりに彼女は先に教室に向かってしまった。俺はトイレへ行ってから行くか。
白夢さんはちょっと所か、かなりヤバいかもしれない。放課後の事は一旦忘れる事にした。
学校は授業を受ける場所だから。勉強しないと。