学校一のアイドルに告白した俺は何故かそのアイドルの彼女になっていた。 作:ああ
結局放課後までは、いつも通り。特に関わることも無く、何にも無かった。比較的いつも通り。何も変わらなかった。
「草履野君、そろそろ」
授業が終わり、生徒達は蜘蛛の子を散らす様に消えていった。遊びに部活、各々が消えていく中教室に残ったのは俺達だけ。……いやもう一人いた。陰っぽい女子。名前は知らない。だが、いつもヘッドホンを付けて机に突っ伏して寝ている。白夢さんは俺に話しかけた後、その子にも話しかける。
「サイバー、起きて」
『不理解、限界。good-by』
「部活が始まる、今日は新入りも来るんだから」
『……元気不十分、出席不可。my home』
「貴方の家じゃないよ」
『求ム。イツもの』
「はぁ……アレを?」
『早急』
「はぁ、分かった、ヘッドホン取るよ。んんっ……!」
白夢さんはしゃがんで彼女の耳元の近くでボソッと何かを呟いた様だった。数分するとヘッドホン女子は立ち上がって、伸びをした。
『やはりオールドの生ASMRは至高、そして恥ずかしがるその顔も最高。いつまでもウブでいて欲しい。』
顔が真っ赤な白夢さんに向かって彼女はそう言った。
「良いから行くよサイバー!ほら草鞋野君も」
彼女は凄い勢いで教室を飛び出していった。それを追う様に俺達は出ていった。
二階のとある教室の扉の前で彼女は止まった。どうやら此処らしい。
「あっ」
白夢さんはそう大きな声を出して振り返った。どうかしたんだろうか。
「草鞋野君、今日渡したアレ待ってます?」
アレとはきっとアレだろう。今俺が警察に職質を掛けられたら終わりな物だ。
「一応持ってるけど……」
「じゃあ着替えてください。此処、一応男子禁制なんで」
きっと抵抗しても無駄だろうから、トイレへと向かう。その後ろで声が聞こえた。
『確蟹、男嫌いが多い。何で此処に草鞋野を連れてきた?』
「彼の為です。女の子の気持ちが分かる為には多くの女子と関わる必要がある。ココはそれにうってつけでしょ」
『リスクの方が多イ様な』
「ノーリスクハイリターンなら如何にも怪しいでしょ。少しのリスクを背負ってでも」
『草鞋野ガ可哀想。こんな性悪女ニ騙されて』
「社会に出て取り返しのつかない事になるよりはマシじゃないですか?」
マジでこれ着るのか。トイレの個室で、俺は制服を持って悩んでいた。出来れば着たくない。確かに俺の顔は中性的で子供の頃は女の子とよく間違えられた。けど、それは子供の頃だ。今は違う。
「悩んでても仕方が無いか」
何処かで読んだ、バレなきゃ犯罪じゃない。そう、バレなきゃ良いんだ。俺が男でこの格好で学校内を彷徨いていると。
俺は
性格を明るくしたら辛い。演じる事が多くなるから今の俺とは変えず、俺が性転換した形で良い。難しく考えるな。