頂点キヴォトスお嬢様   作:ちゅーに菌

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感想などは極力全て返信させて頂きますわよ!

あっ、申し訳ないですが、最初に投稿した時と前話の内容がちょっと変わってますわ。





ラーメンお嬢様

 

 

 

 

 

『お腹がすきましたわね』

 

 まさか、カタカタヘルメット団様方の根城が、アビドス高等学校から30km近くも離れていたとは予想外でしたわ。

 

 全く……こんなことなら先生の為にシャーレから走って来ないで、家のバイクを持って来るべきでしたわ。行きは皆様方をぶっ飛ばす意欲で苦もありませんでしたが、帰りはアビドスにマトモな公共機関があるわけもないという事に気付き、軽く絶望しましたの。

 

 まあ、ヘルメット団員様の誰かのおチャリを拝借したのでいいですわ。結局、遅くなってしまったので、アビドス校には戻らず、シャーレに戻るハメになっていますが……。

 

 というか、なんなんですのあのシャーレに溜まっていた仕事量……? 日毎に増える量も尋常じゃありませんし、私がどの学園に在籍していた時より比べ物にならないレベルですわよアレ。ぜってぇ個人でやらせていいレベルの量と質じゃありませんわ。

 

 まあ、理由は考えるまでもなくわかります、ええ。そもそもシャーレは全キヴォトスの生徒の為にある先生という役職の為にある組織。ですが、普通に考えてトップにそんなことをやらせるだなんて控え目に言って頭おかしいですわ。お◯ァックですわ。

 

 例えば普通、上の者が一番下の末端構成員の装備を整え、スケジュールを管理し、メンタルケアまでするでしょうか? 学園の生徒会長が1年生にそこまでしますか? 10万人いたら10万人の人間にトップが同じ個別対応をするでしょうか? するわけねーですのよそんなこと。その為に幾つも下の役職を作り、下が下をケアすることで組織とは運営されているのです。だというのにおバカですわ。死にますわそんなことしてたら。それをしようとしやがってるのがシャーレですもの。そりゃ、無限仕事編になりますわよ……。掘り出したら終わるわけねーですもの……。

 

 まあ、最低限度のことは最初に仕事を先生にして貰ったので、後は私がやればある程度は処理できます。これで先生も気兼ねなく生徒の下へ直接出向けることでしょう。

 

 最初にSRTに居た頃から両手の指で足りないほど連邦生徒会宛の嘆願書を黙殺するのを見て来たアビドスに先生を送り込めたのは、長年の胸のつかえが取れたような思いですし。後はSRTの公園の娘たちも……いや、それは高望みですわね。

 

 それはそれとして、ということはアビドスに先生が滞在している限り私に仕事が全部来ているじゃありませんのおクソが……! シャーレとアビドスが地味に距離がありやがるのもおクソでございますの、今日も徹夜ですわ。私やヒナちゃんさんでなければ死んでますわよ全く……。

 

 まあ、私は聖人バルバラですし? カヤさんに言わせれば超人ですし? 一ヶ月ぐらいなら不眠不休でもそんなに問題ありませんけど。まあ、ちょっとキレやすくなったり、対応にトゲが出たり、喧嘩っ早くなったり、シラフの時に思い出すとなんであんなことしたんだろうと考えてしまうのはご愛嬌ですわ。

 

 まあ、それよりも連邦生徒会……。こうやって離れて見てみるとなんというか、その――。

 

『連邦生徒会ぶっ壊してやりましょうか……?』

 

 部隊送り込んで爆弾でちょっと驚かすぐらいしたいものですわね。3フロアぐらい丸々吹き飛ばしてやりたいですわ。まだ、やるほどフラストレーションは溜まっていませんけど。

 

 まあ、リンちゃん様が会長代理で大変なのはわかりますし、会長すきすきリンちゃん様が、ぽっと出の先生に好感度が持てないのはわかります。しかし、最低限の事しかやらず、木端人員の一人すら寄越さないのは流石にリンちゃん様の頬に拳を叩き込んで眼鏡を割らず、頬をツンツンしただけで済ませたことを讃えられて然るべきですわ。

 

 せめてモモカさんぐらいの人員を……いや、別にいりませんわ。多分、彼女が仕事を渋々し始める前に私のぐーが出ますし、お菓子棚が明太ポテトまみれになるぐらいですわね。はぁ……カヤさんでいいから欲しいですわ……彼女どうせ何か企てているでしょうから居ない方が生徒会の為になるでしょうし、私の前では大人しいですし、彼女をイジると反応が面白いですし。まあ、勝手に拉致して行ったらリンちゃん様に怒られるのでまだしませんけれど。彼女、マコトと似たような匂いがするんですわよねぇ。

 

 全く……会長の頼みでなければ、とっくに投げ捨てているところですのに……。どうして会長は私にこんな苦行を残して去って行ったのですの? 出て来たらとりあえず拳で――。

 

『あらあら……? ここは……』

 

 なんてことですの……。

 

 空腹で色々と思案しているうちにアビドスで私のイチオシのラーメン屋の柴関ラーメンに辿り着いてしまいましたわ。どうやら私の身体は自然に快楽を求めていたようですわね。

 

「あっ、ヒカリ先輩……!?」

 

 その上、丁度店の外に出て来た看板娘バイトの黒見セリカさんに鉢合わせてしまいましたわ。彼女はアビドス高等学校の生徒――というか、今朝いましたわね。忘れてましたわ。私、ここのラーメン屋にそこそこの頻度で来ているので、必然的にアビドス生でホシノを除けば、唯一交流のある方がセリカさんですの。

 

 さてさて、これはもうラーメン屋に入るしかありませんわね、仕方がないですわ。というか、ラーメンのお腹になってしまいましたの。

 

『こんばんは。今朝方振りですわね、セリカさん。耳を触ってもよろしいですか? 代わりに羽根あげますわよ?』

 

「ダメです! じゃない! なんで今日、学校に来てホシノ先輩を攻撃したんですか!? 友達だって言っていたのに!?」

 

『その時のテンションですわ。後、ホシノとは河川敷で殴り合ったり、バイクに乗って鉄パイプでぶん殴るタイプの友達(ダチ)ですわ』

 

「聞いてた話と全然違う!?」

 

 人生そんなもんの連続ですわ。

 

 シャーレ稼働前からある程度処理していた結果、既に連日徹夜のストレスを発散しようとしたらホシノには拒否られますし散々ですわね。あれぐらい頑丈な方でなければ私の相手にはなりませんし、"1年時の件"もありますから卒業前に話は付けておきたいですわ。

 

 全く……"私ならユメさんを治せる"というのにあの強情で人の話を聞かない上に野良猫並みに他人を信用しないホシノには困りますわよ。ユメさんの維持費も馬鹿にならないでしょうに……。

 

 とりあえず、店内に入り、大将と話してからカウンターで注文だけ済ませますわ。

 

『セリカさん、柴関ラーメンバカ豚極盛りヤサイマシマシカラメマシアブラマシでお願い致しますわ』

 

「うわ……また、それですか」

 

 店員が客に対して露骨に嫌そうな反応をするんじゃありませんの。流石に翌日も仕事ですのでニンニクを入れないエチケットぐらいはまだありますし、こんなのアカリさんならオヤツにもなりませんわ。

 

 食事なのでガスマスクを脱ぐと、ぷりぷり怒っていたセリカさんは目を見開いて止まり、少し言葉を選ぶように目配せしてから口を開きました。

 

「す、すごいクマですよ大丈夫ですか……?」

 

「先生にはナイショですことよ?」

 

 先生が来る前から先生が来ることを見越して仕事してたせいで10徹ですからね、まあ先生のSOSのお陰で11徹になりそうですが、私は聖人バルバラなのでまだ行けますわ。

 

 とは言え、目の下のクマがちょっとすごいことになっているので、まあ……先生の前でガスマスク取れませんわねぇ……絶対根掘り葉掘り聞かれて気にするでしょうし。

 

「先生って……先輩にとってそこまでする人なんですか……?」

 

「さあ? それはまだわかりませんわ。けれど会長が……私が一番信頼していた人が頼んで来たことですし、キヴォトス全ての為になるというのなら協力を惜しむ理由にはなり得ませんわ。何よりまあ……誰かを助けるために理由を求めないだなんて損な方を放ってはおけません」

 

 他人の為に頑張れる人間が報われないだなんて、あってはならねぇですことよ。

 

「そう……ですか」

 

 その後、借りて来た猫のようにシュンとしたセリカさんの耳を触り、威嚇されるなどの一幕がありつつ、シャーレに戻りました。

 

 ラーメンはそれはそれはもうみゃあでしたわ。身体によくさなそうなものほど美味しいというのは、この世の摂理ですわね。

 

 色々な学園、あるいは世界と定義してもいいでしょう。それらには様々な特色があり、悪さもある一方良さもありますわ。

 

 要するに私はアビドスの柴関ラーメンが気に入ってますの。もし、仮に今のテンションでここが吹き飛ばされるようなことでもあれば、私は主犯と実行犯をブチ殺しますわね。

 

 まあ、業を煮やしたカイザーコーポレーションが暴挙にでも走らない限り、万に一つにでもそんなことは起きないでしょうけどね、オホホホホ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 蛇足ですが、翌日、セリカさんを先生とストーキングした後にまたラーメンを食べる流れになりましたわ。

 

 先生! 連日のラーメンは聖人的には兎も角、女子的には色々と来ますのよ!? 悔しい……でも箸が止まりませんわ!?

 

 

 

 

 

 

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