三雲修と兄(幽霊)のワールドトリガー   作:影後

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三雲修と兄と家族と

「手な訳で、この子をホームステイさせたいんだ。母さん」

 

「いや、どういう訳よ」

 

「……修、お兄さんなのか?」

 

「知らない、なんでこんな事に」

 

今、修の目の前ではプラスチックの玩具のカエル。

しかもヤドクガエルがまるで生きているように動いて話している。

 

「あの……兄さんだよね?」

 

「◯」

 

前足で頭の上で◯を作り、ゲコっと鳴く。

どんなカエル何か知っているため、修は手の甲に乗られそうになる時つい、近くの雑誌ではたき落としでしまう。

 

「……俺、プラスチックよ?

毒あるわけ無いやん。あと、弟に打たれるの苦しい」

 

「え?いや、ごめんって……なんでカエルの中に」

 

「パンパカパーン!三雲始は幽霊レベルが上がった。

ポルターガイストレベルが1上がった。

無機物に取り付ける様になった。

実態化までもう少し」

 

「始…そうなの?」

 

「うん、僕。幽霊さん。PG(ポルターガイスト)レベルとは

僕が勝手に名付けた僕の僕による現世に生きる者達へ干渉する能力の事である」

 

「兄さん、気持ち悪いぞ」

 

「ちなみに…母さん。鏡を」

 

「えっ…えぇ……」

 

置き鏡を修の前に置くと、鏡の中の修は自由自在に動き回る。

 

「ーーーーーーー」

 

「ホラー映画でよくあるやつね」

 

「?」

 

反応がないことに鏡の中の修がおかしがる。

そして、何度も口を開けて話しているが何も聞こえない。

 

「兄さん、何も聞こえないぞ」

 

修がそう言うと鏡は普通に修達を映し、ヤドクガエルが動き出す。

 

「鏡の中から話せるかと思ったけど駄目だな。

声は聞こえないや」

 

「……始、カエルじゃなくて他の人形は駄目なの?」 

 

「だって母さん、人形がテトテト歩くの怖いじゃん。

チャッキーだよ、アナベルだよ?特に、アナベルなんて

前にテレビで見た時から分かったね。僕は勝てないや。

母さん、修の守護霊のつもりだよ。

決めたんだ、母さんが死ぬまで守護霊する!

成仏なんてしない!それなのに、ホラー特番で見たアナベル。

アレの怨念は酷い、守護霊も消される。

あれは………悪魔だよ」

 

「……守護霊してくれるのは良いけど、実体化って?」

 

「気付いたら後ろに居るとか、気配がするとか。

笑い声が聞こえるとか、そんな奴」

 

「……お兄さん、ママさんの前だと子供っぽいな」

 

「お?判る?母さん程良い女性は居ないよ!

修も恋人にするなら母さんみたいな人にしないと!

他にも母さんは」

 

「兄さん!空閑が混乱してるから!」

 

普段と違うマシンガントークに空閑は頭が揺れる。

 

「…だって、母さんは信じてくれてるんだ。

俺が始だって……親不孝者の俺をだぞ?」

 

「もう……始は気にしなくて良いの。

こうして此処に居るじゃない」

 

香澄はヤドクガエルを優しく撫でる。

ヤドクガエルは気持ちよさそうにゲコっと鳴いた。

 

「それで、空閑遊真君。ホームステイさせたいのよね?」

 

「BORDERも怪しいし、ソレに修の良い友人になると思うんだ」

 

「……修のね」  

 

「ソレに、強いからさ。修のもう一人の師匠になれる」

 

「兄さん?!」

 

「修はそれなりだろ?教える必要あるのか?」

 

空閑の疑問も当たり前だ。

少なくとも修はそれなりの実力は有している。

ネイバーフットでも一兵卒程度の力はある筈だ。

 

「空閑、戦わなければ生き残れない。

弱ければ守れない。守れなければ意味が無い。

修は、常に俺がいると思ってるだろ」

 

「そんな……」

 

「でも!オレにも意思がある。お前を虐めた奴等なんて助けたくは無かった。それなのに、お前は無意味な正義感で戦い、

敗北したんだ」

 

「そんな……言い方」

 

「事実だ、力なくして自分の意思を貫くことはできない。

修、お前は無敵のヒーローなんかじゃないんだよ」

 

「……お兄さん、良いのか?」

 

「事実だ、俺以外にも鍛えてほしいし、

俺自身も何かあればお前を助けられる位置に居たい」

 

「……お金とかは」

 

「ソレはコレだけ」

 

香澄の言葉で空閑は万札の束を出してくる。

軽く見積もっても100万近くあるだろう。

 

「……始」

 

「うす、空閑。教えてやる、百万じゃ何着あった時足りん」

 

「嘘、言ってないね」

 

「レプリカ先生、母さん。俺の口座から使おう 

 

「あぁ……あの秒単位で増えている奴ね。

アレのせいで税金が」

 

「母さんの名義だしね。でも、たくさん入ってるでしょ?」

 

「まぁ、車とか、色々と使ってるけど」

 

修は知らないようで質問した。

 

「口座?」

 

「母さん名義で作られた俺の口座、毎秒で百万稼いでます。

税金やばいです。家の建て替え、車の保険料、税金、ガス、水道、電気、修のお小遣い。全部出てます」

 

「私の普通の口座にも月20万移しても余るのよね」

 

「えぇ……」

 

「だけら空閑の分は大丈夫です。むしろ、家が全損したら+保険で黒字です」

 

「……お兄さん、凄いね」

 

「イエス、俺は凄い!と、母さんは納得してもらえましたか?」

 

「良いわよ、始が認めたんだもの。部屋はあるしね」

 

「よし、空閑。お前には一般常識及び座学及びその他諸々を学んでもらう。安心しろ、寝ている間に取り憑いて無理矢理教える」

 

「お兄さん、気持ち悪いぞ」

 

同時刻、迅の指揮で小型ネイバーの駆除が行われていたらしい。

三雲の方に連絡は来なかった。と言うより、始が来ないようにさせていたのが正しい。

実際、迅から報告を受けたのは翌日だ。

 

「…なぁ、メガネくん。なんでヤドクガエルが」

 

修は虫籠に入ったヤドクガエルを迅に見せる。

ご丁寧に水、苔、流木、土手と住める環境が整えられており、

ペットに見える。

 

「あっ、出る?わかった」

 

ペタペタと壁をよじ登り、虫籠の蓋を開けさせる。

そして、ヤドクガエルは迅の顔にジャンピング!

 

「うわぁ?!」

 

ペシッ!

 

地面には泣き落とされそうになった瞬間、ヤドクガエルは迅の腕にへばりついて『ゲコッ』と鳴いた。

 

「落ちない…毒ガエル?!」

 

「迅、俺だ」

 

「きゃーー!?!!喋ったぁぁぁぁ?!!!!」

 

まるでギャグ漫画のノリで慌てる迅。

少し落ち着くと空閑も現れる。

 

「お兄さん、いじめたのか?」

 

「失礼だな、動物愛護の精神を持たぬ」

 

「いや、毒ガエルがジャンピングしたら誰だって!」

 

始からネタバラシされてもビビり続ける迅。

 

「ゲコ……笑えるね」

 

「此方は笑えねぇよ!」

 

「パンパカパーン!

ポルターガイストレベルが上がった!

相手に取り憑いて呪えるようになった!」

 

「怖いって!始さん!!」

 

「お遊びはおしまい、所で、この手柄どうなる?」

 

「ん……ユウマ君につけとくかい?ほら、

BORDERじゃないけどさ。BORDER入れば色々と」

 

「……なら、オサムにつけといてよ。

いつか返して貰うから」

 

「確かに、メガネくんに昇進の話が上がらないのは………」

 

「はいはい、俺のせいだよ。仕方ねぇだろ、あの小娘。

ムカつくんだから」

 

「二重人格扱いされててさ。

まぁコレだけの功績あれば問題無いでしょ」

 

そして、なんだかんだあり翌日。

修は知り合いのガールフレンドと話す為、何処かに出かけ、

始はマネキンに憑依していた。

 

「……母さん、これどこで?」

 

「知り合いからよ」

 

ソレはシリコンで作られたマネキン。

実験などでボロボロにされるアレだ。

何故か顔も作られており、口が有れば話せる事も分かったので

サングラス、フロックコート、ハット。ジーンズとブーツ。

と言う、不審者装備が出来上がった。

 

「おぉ、お兄さん。じゃあ自転車頼むぞ」

 

「まぁ、教えるが」

 

〘マネキンin始〙と空閑が自転車の練習をしている時、

知り合いの少女が姿を見せた。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

「あっ…今、知り合いの自転車を」

 

「お兄さん危ない!」

 

「oh....」

 

空閑に突撃されバラバラになる身体。

シリコンのくせに間接はアレだ、パーツなのだ。

 

「あ〜〜〜、はじめまして。人体模型のジンタくんです」

 

「キャぁぁぁぁぁぁ」

 

うん、初めて見ればそうなるよね。

と言う気持ちとともに、始は会話を始めた。

現在は生首である。

空閑と自転車の突撃で幾つかが川に落ち、服とかしか無い。

 

「え…じゃあ、修君のお兄さんなんですか?」

 

「え?じゃあ、修のガールフレンドちゃん?

マジ?俺、修のそっち方面知らないのよねぇ―」

 

「……幽霊と友達になれるというか、肝が太いな」

 

「あ…私、雨取千佳です」

 

マネキンの頭部を膝に乗せ、喋る。

端から見れば異常者にしか見えないのだが。

そんな雑談の中で自己紹介を終えた3人。

グダグダトしていると近界民警報が響いた。

 

「マジっ…俺、頭だけなんだけど」

 

「駄目……私が……」

 

「チカチャン?!」

 

そっと頭を地面に置くと千佳は警戒区域の中に走る。

 

「……どうすっぺ」

 

「俺がやる?」

 

「………頼むわ」

 

空閑と始は千佳を追いかけ、警戒区域に走った。

 

 

 

 

 

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