Vtuber学パロダンガンロンパ風序盤ギャグガチンコミステリー小説   作:茶鹿秀太

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非日常編 第三章「マシンナリーズ・マーセナリーズ」2

テレビ画面が一つ、玉座の上に置いてある。

 

玉座から降りる階段の先には、証言台。証言台が計14個、円形に並び立っている。ここに立つ生徒たち。

 

そしてテレビに映るのは、学園長。

 

「それではあらためて、学級裁判のカンタンなせつめーをしておきましょう。ようしきびってやつだね。もうここまでやってるんだからいらないかもしれないけれど、ごしんきさんにもやさしいにんげんになりたいひとなつおもいです。ルールを理解していないおにいちゃんおねえちゃんもいるかもしれないからね。学級裁判では、「だれがはんにんか?」を話し合って、そのけっかは、おにいちゃんおねえちゃんの投票によってケッテーします。正しいクロをシテキできれば、クロだけがおしおき。もしまちがった人物をクロとした場合は、……クロいがいの全員がおしおきされ、いきのこったクロだけがこのアップグレネード学園の夏休みをおわらせる権利があたえられます!」

 

 

ひとなつ学園長の言葉が、証言台に立つ人間たちに、断頭台に立たせられていると錯覚させた。

 

「本当に、この中に犯人がいるのかな……」

 

「あっそうそう! そのことなんですが」

 

僕のつぶやきに学園長が反応する。……そのことなんですが?

 

「じつは、ていでんやかさいのえいきょうで、おれちゃんとじけんかくにんできてないんだよねぇ!」

 

「は?」

 

一瞬自分の考えがぐちゃぐちゃになってしまい、動きが止まってしまう。一体何を、それじゃ事件をどうすればいいんだ。

 

「いやね、これほんとーにもうしわけないんだけどさ。ちゃんと考えといたよ。はいどーんっ!」

 

ディスプレイに新たに別の画面が表示される。

 

……これは、コメント欄? 今現在生配信をしている中でコメント欄を表示しているのか?

 

「というわけで、今回のさいばんのようすを、全国生配信でおおくりしまーすっ! そして、さいばんをしているみんなと、コメント欄のみんなのいけんをまとめて、多数決でシンジツを決めちゃおうと思いますっ!」

 

「……は、はぁあああああああああああああああああああああ?」

 

うそだろ、そんな。多数決? それじゃあもう、学級裁判じゃない、これは……学級裁判を模した人狼ゲームじゃないか。

 

誰が犯人でも、犯人だと思った人間を吊るす、最悪のルールっ!? 

 

無実だとしても、ここにいる人間と、視聴者を丸め込んでしまえば……クロとして、死ぬってことかっ!

 

「じゃあそれって、もしかしたら真犯人が分からないじゃないですか」

 

小春が突っ込むと、ひとなつ学園長はにっこりする。

 

「ううん、みんながあやしいとおもった人が、しんはんにんなんだよ。くさったみかんがあるととりのぞきたくなるのが、にんげんなんだよなぁ。おれも分からないことあるけど、みんながんばってね!」

 

……ふざけてる。

 

でも、くそ、やるしかないのか。状況をまとめよう。

 

僕がまず亜酔昏殺人事件の容疑者だ。僕の無実を証明しないと、僕は間違いなく……死ぬ。亜酔昏を殺したという罪のレッテルを背負って。……亜酔昏さん……。ウンフェルスさん、クロカメさん……。……。肩に乗せていた黒光の亀が、のそのそと上ってきた。分かってる。分かってる……。くそ、絶対に生き残ってやるっ! 絶対に、絶対だ。

 

 

 

 

 

まずは岩手大好丸が斬りこんだ。

 

「手っ取り早えどごろがら言うど、秋冬ちゃんが亜酔昏ちゃんを殺した可能性があるよな」

 

「……僕はやってないよ。目の前で殺されたんだ」

 

風街が追い打ちをかける。

 

「でも、周囲に誰もいなかったことを考えると、一番怪しいのは秋冬さんなのは間違いないよ」

 

「……それは、否定できない」

 

威鳴が揶揄いながら指摘する。

 

「とりあえず、あれはボーガンの矢だったことを考えると、【自分で用意したボーガン】で目の前で殺したんちゃうんか?」

 

「【それは違うよ】。ボーガンなんて、自分で用意できない。そもそも島に用意なんてなかったし、自作なんてできない。ましてや、ボーガンを構えて、目の前で亜酔昏さんを殺すなんて、そんなの無理だよ」

 

「【それはお天道様が見逃さないよっ!】」

 

「!?」

 

小春そらが鋭い眼光で、勢いよく推理をあまねく降り注ぐ。……ここをきちんとしのぎ切らないと、僕が危ない。絶対に乗り越える。

 

「そんなのいくらでも理由を作れるよ。例えば、物陰に隠れた隙に事前に準備して狙うこともできたよね?」

 

「亜酔昏さんと僕は一緒に発電機に向かったし、一緒に行動してた。みんなもそこは見てたはずだよ。一体何が言いたいのさ」

 

「じゃあ他にも隙を作れるよ。【亜酔昏さんがミニゲームをしていた】隙を狙えば、チャンスはあるもんね」

 

「【それは違うよ】。ミニゲームをやってたのは僕だよ。ゲームの内容も言おうと思えば全部言えるよ」

 

「【それはお天道様が見逃さないよっ!】じゃあ、手に入れた情報について言える? 私たちもミニゲームをクリアしたら情報を手に入れた。秋冬ちゃんも情報を手に入れたはずだよね?」

 

「それは……」

 

 

 

『クリア報酬:運営の内通者の情報  遂に発覚! あの天才博士が、犯人だった!』

しまった、という感情と、外れか、という感情が同時に襲い掛かった。僕は既にこの情報を知っていて、亜酔昏に……上手く説明しなければいけない。

 

 

 

しまった、どう説明すればいいだろう。僕が手に入れた情報は、……入間るいに関するものだ。この情報を公開しなければ、僕が疑われる。

 

僕が公開すれば……おそらく、入間るいが犯人、もしくは共犯という論調になってしまいかねない。

 

今この情報を出すべきか、出さざるべきか……僕は……。

 

「情報は、手に入れてるよ」

 

「じゃあ、教えてくれる? どんな情報だったの?」

 

「言えない」

 

「……え?」

 

小春が首をかしげる。

 

「言えない。開示は絶対するけど、今は言えない」

 

「な。なんでっ? 意図的に情報を隠すのは、ひどいよ!」

 

「うん。ごめん。でも、……これは、後で出す。今じゃない。亜酔昏さんの事件に関係のない情報だし、今言うことであらぬ疑いも出てしまうかもしれない。それはダメだ。だから……まず僕の疑いに決着を付けよう。僕が無実であることをこの学級裁判で証明する。クロだと思うならクロにすればいい。けど僕は絶対に僕を信じる。僕は絶対に人を殺さない。僕はどんな過去があろうと、絶対に自分を信じる。僕を信じてくれた亜酔昏さんの為にも、僕は絶対に諦めないっ」

 

乗り切ってやる。秋冬ハル犯人説。全て否定しつくす。

 

 

 

まずは風街から切り出す。

 

「分かった。じゃあ……秋冬さんを信じるために、僕はきちんと君を疑うよ。亜酔昏さん、ウンフェルスさん、クロカメくん、3人が死亡していることで考えるのは、共犯の可能性だよ。1人につき2人を殺すことが出来るというルールがある以上、最低でも2人が事件に関わっていることになるね。威鳴くんは共犯関係にあったんじゃないかい?」

 

「え、僕ぅ?」

 

威鳴音月が動き出す。せやなぁ、と一言呟いてほがらかに笑った。

 

「つまり、僕がウンフェルスさんを殺害しつつ、亜酔昏の事件にも関わってるんちゃうかって話やんな。まぁ距離的には可能やけど、僕はウンフェルスさんを殺していないし、亜酔昏が死んだのを知ったのも、死体発見アナウンスからやで」

 

僕も追随するように発言していく。

 

「更に言うと、クロカメさんの死体を見たと思うけど、あれは全身を殴られたような打撲からくるショック死なんじゃないかな。僕と威鳴さんにそれが出来るの?」

 

岩手が怒鳴る。

 

「じゃあ誰がやったって言うんだってっ!」

 

「模擬刀を持ってるクロカメさんを全身打撲でぼっこぼこにできるのは種族鬼の君くらいだよ出来るのは!」

 

「うそおおおおおおおおオラまだ容疑者枠ぅ!?」

 

岩手が崩れ落ちたところで、入間が呟く。

 

「でも実際、威鳴さんには犯行が可能だったんですよね? だってブレーカー室は開放されているんですから」

 

「いや、それは違うんだ。威鳴音月が言ってたんだけど……」

 

僕は威鳴の言葉を思い出した。

 

 

地下へ向かう階段を下りていくと、……牢屋? 一瞬牢屋かと思ってしまう。なにせ、爆発したから消し飛んだ形跡はあるものの、柵……いや檻があった。それも、部屋の中全体を覆う様に。

「僕らがミニゲームやってる時に、急に落ちてきてたんよね。……んで僕だけウンフェルスさんに押されて、無事生き延びたってわけ」

「今は無いけれど、この地下階段からブレーカー室の間に防火シャッターみたいなものが上から降ってきた。だからこの部屋で檻に閉じ込められつつ、密室状態で、僕とウンフェルスさんは分断された。 んでそのまんまウンフェルスさんはミニゲームを続行して……報酬を二つ手に入れた」

 

 

「ウンフェルスさんが庇って……この人を守った?」

 

入間が信じられなそうな声で抗議する。

 

「あんまり信じられないです……」

 

疑いの声を小春も上げるが、威鳴もしおらしく笑った。

 

「まぁ僕が一番信じられないけれどね。なにせあのウンフェルスさんだ。僕を救うだとか庇うだとかするはずがない。そんな先入観でいたけれど、……まさかだったよ。ウンフェルスさんのファインプレーだね!」

 

「……」

 

不快な煽り方をして、周囲の信頼を落とすやり方……。くそ、本当にコイツは……っ!

 

「ウンフェルスさんは」

 

風街が斬りこんだ。

 

「ウンフェルスさんは、どんな最後だったの?」

 

「……なんで知りたいん」

 

威鳴が真顔になって、その真意を聞き出そうとする。

 

「大きな理由はないよ。これは、僕のエゴだ。あの人の最後が、辛いものではなかったと思いたいだけだよ」

 

「……」

 

威鳴はゆっくり、息を吐いて目をつむった。まるで夢でも見るように。

 

「……いや。言ったところで納得しないやろ。だから僕から言えることはない。でもあの人がミニゲームをクリアして、報酬を手に入れたことだけは教えられる。マーダーミステリーのシナリオだよ」

 

彼はその情報について共有していく。第一、第二、そして今回の第三の事件について、既にシナリオが完成しているというものだ。

 

「ただ、最初に読んだウンフェルスさんは、そのシナリオの存在を知らなかった。これが非常に大きいと思うんやけどね。なにせ、小春そらが言ってた、全ての事件はすべて計画されていたという反証につながるからや」

 

「?」

 

「『こんなもの知らない』や。当たり前やけど、第二事件は速水らいむが起こした突発的な殺人を、ウンフェルスさんがフォローして、僕が荒らした。すべてが即興で、後付けの事件だった。それを頭からシナリオに落とし込むことなんてできひんやんなぁ」

 

小春そらは納得できない表情を浮かべているが、実際あの事件は多くの人間が手を入れていた。間違いなく偶発的に生まれた事件なのだ。

 

「……ひょっとしてさ」

 

僕は思ったことを指摘する。

 

「元々さ、ウンフェルスさんがシナリオを最初に読むことを想定してなかったんじゃないかな。事件の当事者じゃない人間がこれを読んだら、この島で起きた出来事が全部仕組まれたものに見えるよね? それを狙った証拠品だったんじゃないかな。そもそも、ミニゲームで得られた情報が僕の目線だと、みんなの仲をかく乱させるようなものばかりだよ」

「一般配信者……」

 

ずばりと、切り捨てられる。誰が言ったかはわからない。ぼそりと、小さな音だった。

 

「はっはっはっ! Vtuberでもなんでもない秋冬ハルに言われるなんてこれも皮肉やなぁ! 自分の肉を裂いたんや。せっかくだから一個だけちゃんとした情報あげたるわ」

 

威鳴が悪魔のように口を開いた。

 

「最後の瞬間、ウンフェルスさんは、むせて咳き込んでいた。そして、咳をしながら『逃げろ』と言った。その後、爆発した」

 

「それは……っ」

 

「突然、粉が降ってきたらしい。どう考えても防火シャッターで密室にさせられて、爆破したなら。ブレーカー室にも空調が1個だけあり酸素が十分に供給されていたとしたら。粉塵爆発やろなぁ!」

 

粉塵爆発……。素人の僕でも知っている。そうか、それが原因で火災も発生したのか。まさかこの場所でその名を聞くなんて。

 

「ちょっと待づべ! 今話聞いでで思ったんだげどよぉ! 結局犯人は誰なんだ? 全ぐ話が分がらん! 誰が怪しくて誰がやったんだって! もう誰が運営の内通者どがどうでもいいがら分がりやすくしてぐれ三行で!」

 

……。確かに。あまりにも議論が進んでいない気がする。結局クロが誰か分からない。実際、誰がやったのか、僕らは一切見当もつかない。風街が全員を一瞥する。

 

「みんな、他に気になることはない? どんな些細なことでもいいんだ。何か糸口になれば……」

 

威鳴がそういえばと、疑問を浮かべる。

 

「そういや、あのドッカンドッカン鳴ってた音はなんやったん?」

 

入間が手を叩いた。

 

「そうだ、あの銃声なんだったんですか? パンッってなったから、大砲でも打たれたとか、誰かハチの巣になってるんだとばかり」

 

……? 何を言っているんだろう。

 

「あれは花火だよ。何度も打ち上げられてたんだ」

 

「花火?」

 

風街がクエスチョンマークを浮かべている。そうか、誰も見ていなかったのか。

 

「分からないけれど、花火がたくさん打ちあがったんだ。それこそ、亜酔昏さんが亡くなった時も……」

 

「その花火って誰のです?」

 

小春の言葉に、全員が思い当たる節があった。そう、この島で一人、花火を作っていた人間が、一人だけいるのである。

 

「第二の事件の時に……」

 

 

「あのぉ、ほんと、ほんと一回でいいので、ほんの先っちょだけでいいのでっ、……花火作っちゃっていいっすか? どでかいやつ」

 

 

 

「入間さんの作った花火なのか……?」

 

「っ、私は……っ。やってないですよ!」

 

入間が苦虫をかんだような表情を浮かべる。無理もない。花火の所持を疑われれば、真っ先に彼女がやり玉にあがるに決まっている。

 

「私は、花火に関しては理科室で保管していて、……取り出してはないですよ」

 

彼女はそういうが、彼女以外取り出す人間も考えづらい。むしろ彼女も理科室に常駐していたので、彼女の隙をつかなければ回収は不可能だろう。

 

むしろ花火を保管しているなんて初めて知った。ということは……。保管を知っていて、取り出す隙を見つけ出せた人間がいた……?

 

「でも隙はあった。工事中のあのタイミングだよ。あのタイミングだったら、ごちゃごちゃしてたし、ロボゾンビ子ちゃんが校内で沢山群がって作業していたから、隙をつくれたかも‥‥‥」

 

岩手が納得したように叫んだ。

 

「入間ちゃん以外さ花火の回収が出来るのは、工事のタイミング知ってでなおがづ保管場所知ってらった人間……。もしかして運営の内通者じゃねぇが!」

 

そうか、シンプルに運営の内通者が犯人……。

 

おそらく、入間以外のもう一人の内通者か。でもその存在をみんなは知らない。くそ、結局分からないことだらけだ。

 

どうして亜酔昏は撃たれた? あんな綺麗に胸を撃てる人間は誰だ……? どうしてウンフェルスは粉塵爆発で死んだ? 

 

どうしてクロカメは全身に青あざをつけて死んだ? 分からない。分からない。でも今までの会話でおかしかった点はないか? 

 

おかしいことがあるはずなんだ。分からない、分からない。

 

花火、花火か。花火になにか関係はないのか? どうして花火が打ち上げられた? 

 

ミニゲームのクリア後の花火の演出と関わりがあるのか? 花火、花火……。花火?

 

「あっ」

 

あれ? おかしい。なんで、どうして? 疑問が、吹き上がっていく。それが、突破口になるかは分からない。それでも。

 

「……1人だけ、怪しい人がいるんだ」

 

「え?」

 

風街が反応する。でもこれは、か細い糸の一本だ。手繰った先に希望があるのかも、分からない。でも、それでもだ。それが、真実に近づく手段ならば。

 

「思い出して欲しいんだよ」

 

 

 

それに……よく見たらこれ、防音素材の壁だ。当たり前か。音楽室だし

 

 

 

音楽室は、防音。

 

「あ……ああああああ?! 嘘だべそんな、そんなっ」

 

岩手が気付いたが、小春は気付かない。

 

「どういうこと? それが一体……っ」

 

「音楽室は防音で、外の音は聞こえてなかったなら。なのに、1人だけこう言ったんだ」

 

 

 

 

「だって、こんなに規模の大きい工事をして、閉じ込められて、花火とかも、ゲームとかも、メカゾンビ子ちゃんとかも……おかしいじゃん。まるでこれもトリックの一部みたいで、……最初から計画されてたみたい」

 

 

 

「小春さん。君だよ。君だけが花火の存在をあの時に知っていた。外の音は聞こえないはずだし、黒いカーテンが使われたから外の様子も見えなかったはずなんだ」

 

「!?」

 

「どうしてあの時、花火なんて口にしたの?」

 

「そ、それはっ! ゲームクリアをした時に出た花火の画面を見てっ、ほら、なんか外に出たら妙に火薬っぽいにおいとかしたし、それで!」

 

風街が、焦ったように指摘する。

 

「でも入間さんはこう言ったんだよ」

 

 

 

「ぁ、ぁあ、だ、め、あぁ、だめ。やばい、です……やばいんですっ! みんなが、銃声がっ、秋冬さんとクロカメさんがっ!?」

 

 

 

「あの瞬間、あのタイミングで火薬の匂いがしたなら銃を疑うんだ。花火なんて発想にはならないよ」

 

「う、うぅっ、しらない、知らないよぉ!」

 

「小春さん、君は……事件に関わりがあるのか!!?」

 

風街の絶叫に、小春は、青ざめた顔で、首を横に振り……。

 

 

 

「ち、違う……。違うよぉ! わ、私は、わたし、は、わたしはぁ!!! ピーーーーーーー、エラーが発生しました。これより再起動を開始します。エラー、マニュアルモードに切り替えます。ナウローディング、コンプリート。

あはははは、やだなぁ秋冬さん。私の揚げ足取りよりももっと大事なことがあるじゃないですかぁ?」

 

「……は?」

 

え、なんだ今の。は? 風街と一緒に僕はフリーズする。

 

「今の話の流れで言うとぉ? むしろ入間さんの方が怪しいですよねぇ? だってクロカメさんを無視して扉に張り付いてへたり込んでたのってぇ、何か意図があったからなんじゃないですかぁ??? 花火だってこの人が作ってたじゃないですかぁ!!!!!!! どう考えてもコイツが犯人じゃないですかああああああああああああどうして私を疑うのかさっぱり分からないで―っす♡」

 

「こ、小春さん?」

 

「え、なに。どういうこと?」

 

入間が目を開いて動揺する。入間にはこの現象が、心当たりがあるような反応だった。

 

「まさか、うそ、貴方……っ、私のっ!!?」

 

「それじゃあ入間さぁん。私ぃ、役目をきちんと果たして……貴方を合理的にお仕置きしますね! 【それは違うよ】」

 

 

 

 

空気が割れ、展開が再び変わる。

 

小春そらの様子が、あまりにもおかしい。

 

何かある、ダメだ、このまま彼女の空気にしてはいけない。

 

直感がそう告げている。全力で抗え、でないと、僕らが死ぬっ。

 

 

 

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