Vtuber学パロダンガンロンパ風序盤ギャグガチンコミステリー小説   作:茶鹿秀太

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非日常編 第三章「マシンナリーズ・マーセナリーズ」4

『私は秋冬ハルの共犯よ。事件は私が魔法で起こした。レバガチャで罠を作動したとしても、秋冬ハルもゲームをクリアしている。

 

 

彼がゲームをクリアしなければ、全ての事件は作動しなかった』

 

小春そらが動揺する。

 

「れ、レバガチャを定着させるつもりですか!?」

 

す、スルーしてあげよう。

 

「【それは違うよ】。ゲームクリア時に罠が作動するのであれば、順番を整理することで無罪を証明できるよね。花火の回数は6回、ゲームクリア回数も6回。なら、ゲームクリアの順番をしっかり定めれば、その嘘を論破することが出来るよ!」

 

『えぇ、そうでしょうね。 で    き   る   な   ら』

 

!? できるに決まっている。

 

「みんな、どのタイミングで花火が鳴ったかを教えてほし……」

 

あ。しまった。

 

「ごめん、音楽室組は分からない……」

 

「せやな。僕もいまいち分からん」

 

風街と威鳴が困惑する。そうだ、分からないのだ。僕以外、花火の音を明確に認識していなかった。

 

「じゃ、じゃあ時間、時間とか分かれば……」

 

ここで、僕は致命的なことに気が付いてしまった。

 

 

 

 

Day7 Augest

夜 食堂

朝、昼、夜の食事の時くらいしかみんなと会うことがないし、毎回食堂に決まった時間に来る人も少ない。寄宿舎の中って、時計が個室と食堂くらいにしかないから時間の確認もおざなりだ。

 

 

 

 

「……ねぇ、今まで意識してなかったんだけど。学校の中に、時計ってあった?」

 

『ないわよ。最初から設置してない。小春そらから教えてもらったわ。だから、時間によるトリックの論破は不可能よ。みんな楽しく時間を忘れてバカンスしてたんだから、その代償よ』

 

「ファルさん!? なんでそんな余計なことを!?」

 

『先に裏切ったのはあなた達よ。私は私で好きにやらせてもらう。私をオフラインのテレビの中突っ込んだんだから文句言わないで』

 

小春の動揺、ファルの憎しみ、それを直で聞き続けて傷ついていく風街。

 

「もう、やめてくれファル……僕は、僕はこんなことの為に君を未来に送り届けたわけじゃない!」

 

『……馬鹿ね。何も知らない癖に。――さぁどうする? 順番がしっちゃかめっちゃかなんだから解くのは不可能よ』

 

「そうとは、限らんなぁ?」

 

威鳴音月がにやける。

 

「そうですね、音楽室組はともかく外部情報が多少なりともあった私たちなら」

 

岩手が必死に頭を回す。

 

「ゲームクリアのタイミングは、オラが覚えとるぞ! アンタらにつく! 総力戦だ!」

 

これがおそらく、最後の謎解き。

 

 

 

 

僕から切り出す。

 

「僕が聞いた花火のタイミングは6回。最初に1回、次にゲームクリアと同時に花火が鳴って、亜酔昏さんが倒れた時にもう1回、その後3回っ!」

 

威鳴音月が指を折って自身のタイミングを伝える。

 

「正直外の花火の音なんか回数数えてへんけど、罠の発動タイミングなら覚えとる。外で音がドンドンやかましく鳴ったと思ったら檻が降ってきた。檻が降る前にゲームは1回クリアした。防火シャッターが下りてきた。ミニゲームを一回クリアして、粉モンが先制攻撃かまして爆破した。そんな感じやで」

 

入間がこめかみに指を当てながら考え続ける。

 

「えーとえーと、花火が3回なって、秋冬さんが叫んだんですよね。それが校舎にも聞こえてきてビビってました。その後、花火が……3回鳴りましたね。そして風街さんが扉を開けてちょっと経ったら、爆破したんですよ。天才だから分かるんですけど、おそらくゲームクリアと全く同時に花火が鳴るのは難しいです。着火もあるので。なのでタイムラグが生じるものだと思います。あとこれずっと話題に上がってたロボゾンビ子ちゃんの仕様なんですけれど、一つの指令を達成すると隠してある格納庫に戻ろうとする性質があります。ベースにした人、仕事嫌いなんですかね? なので、指令を改めて出さないとそのまま帰ります」

 

「なんかすごい仕様来ちゃったな」

 

岩手が自分の見ていた景色を語る。

 

「花火は分からん! 小春ちゃんがゲームをレバガチャして、おらがミスって風街がクリアした! 次も小春ちゃんがレバガチャ、風街がクリア。最後も同じ流れだったはず、小春ちゃんがレバガチャして風街がクリアした!」

 

「レバガチャ連呼するのやめてもらえませんか!?」

 

「あれ? でもその後……。そうだ思い出した。特定の楽器で、特定の音色を響かせることで開きます。ご褒美に、ブレーカーも戻しましょうって書いてあったぞ!」

 

 

「!?」

 

ということは、扉を開くときもギミックがあった? 

 

いや、待て。ブレーカーが戻ったということは。まさか。僕が理屈をきちんと説明できないでいると、威鳴が確証の無いまま、論理の鉈を振りかざす。

 

「ウンフェルスさんが爆破したのはブレーカー戻ったからちゃうか? 火種が電気だったとすれば、ブレーカーが戻ったタイミングで爆破。そうでは無いかもしれないけど、ファルさんの目的が風街ピリカの生存なら、あり得ない話やないやろ」

 

今までの話をまとめると、分かっているのは以下の通り。

 

 

 

1発目   

2発目   (ボーガン発射?)

3発目   秋冬ゲームクリア

4発目

5発目

6発目

通電     ウンフェルス爆破

 

 

 

1発目か2発目で風街、ウンフェルスゲームクリア。

 

4,5,6の中でウンフェルスが1つ、風街が2つ。ウンフェルスが爆破する前に粉塵が舞った。

 

つまり6ではない。6は風街。岩手の話を聞くと、必ず間に小春そらがレバガチャを挟んでいたので、連続でクリアすることはできなかった可能性が高い。

 

よって4と6が風街、5がウンフェルス! そして、風街ピリカを犯人氏仕立て上げようとするのならば、ボーガン発射は風街のクリアギミック。よって、こうなる!

 

 

 

1発目 ウンフェルスクリア(檻が落ちてくる)

2発目 風街クリア (ボーガン発射)

3発目 秋冬クリア

4発目 風街クリア

5発目 ウンフェルスクリア

6発目 風街クリア(粉塵投入)

通電  ウンフェルス爆破

 

 

 

そして、3、4、5、で何かしらの指令を行い、クロカメを殺害。

 

おそらく戦闘行為が起きたことは間違いない。……死んだ場所が浜辺であることを考えて、誘導した存在がいる。

 

そして戦闘行為を行った。現場には何も残っていなかった。つまり証拠隠滅をされたことを考えて、順番として、3で誘導、4で殺害、5で証拠隠滅が濃厚。

 

クロカメは手の中に機械がよって考えられるのは、掟破りの3連続殺害。ファルによって隠された、本気の殺害計画。

 

「これが……この事件の真相だっ!」

 

 

 

 

 

この事件は運営側から仕組まれた殺人計画だった。

 

ファルや小春そらが計画したのは、ミニゲームクリアによって作動する殺人ギミックだった。

 

大規模な工事を行い、入間の花火を奪い、準備を着々と進めていた。監視カメラや施錠、様々な妨害で人数を可能な限り分断して、それぞれの事件を起こした。

 

それをすべて、風街ピリカが意図せずに殺害したという結果だけを残すために。そして混乱させるために、秋冬、威鳴、入間を陥れようとしたのだった。

 

計画犯は、ファルと小春。実行犯は、意図せぬ殺人犯、風街ピリカ。これが、全ての真相だ。

 

 

 

 

「……これが、事件の全容だったんだよ」

 

運営が最初から裏切っていた。それが、全ての理屈だった。ただそれだけの、事件だったのだ。

 

『……ふぅ。やっぱり面倒くさいね、あなた。大正解。ぐぅの音も出ないわ』

 

「ファルさんっっっ!! 認めないでください! まだ修正は可能です!!!」

 

『知らないわよそんなの。裏切られた時点で、最後のごまかしの可能性は破綻してたの。……まぁでも、一つだけ。探偵さん? あなたの推理、間違っていることがあるわ』

 

「?」

 

推理が、間違っていること?

 

『私が本来用意したのは、亜酔昏ヨイ、ウンフェルスを殺害するトリックだけ。クロカメは後付け。私にとっても予想外の殺人よ』

 

「!?」

 

『小春そらが突然計画を変更して、クロカメも殺害するようコマンド入力して、私が軌道修正した。そうね。……まぁ、彼は愚かなヒトだったわ。本当に、愚かだった……』

 

 

 

 

 

 

Day17 Augest

夜 浜辺

 

ボーガンを持ったロボゾンビ子ちゃんが走る。

 

亜酔昏を殺害して、本来ならばそのまま格納庫へ帰るつもりだった。

 

しかし、後ろから獣のように追いかける侍を見て、計画の変更が為された。

 

浜辺にたどり着き、一人の侍はロボゾンビ子ちゃんの群れに囲まれる。風街ピリカのゲームクリアの合図で、ロボゾンビ子ちゃんたちが一斉に、クロカメに襲い掛かる。

 

しかしクロカメは快刀乱麻の如く、ロボゾンビ子ちゃんを滅多切りにしていった。焦ったファルは、全ロボを操作し、彼と直接対決をしたのであった。

 

息も絶え絶えなクロカメに対し、ロボゾンビ子ちゃんの声帯を操作し、彼に話しかけた。それは、死ぬ間際の彼に対する関心と、気まぐれからだった。

 

『よくまぁ、追いかけようと思ったわよね。返り討ちに合うことだって考えなかったの?』

 

「……ん、むぅ、何方でござるか……、はは。まぁ、誰であっても同じでござるな……」

 

クロカメの模擬刀は既に折れて、痣だらけになりながら、それでも崩れ落ちることなく佇む。

 

「……懺悔を、あの美しい月に、この瞬間だけ、してもいいでござるか……?」

 

『……』

 

「拙者は……弱い人間でござる。記憶を取り戻して、速水殿の気持ちが、分かり申した。死ねばチャンネルが爆破する。耐えられない。耐えられなかったでござるよ。拙者も、長く、Vtuber活動をしてしまったでござる……。リスナーとの思い出が、仲間たちとの記憶が、全て消えるのが、耐えられなかった……。嫌だ、嫌だ……辛いこともあった、悲しいことも苦しいことも、全部あった。でも背中を支えられてここまで来て……っ! 死にたくない、死にたくなくてっ…………この模擬刀を、研いで、準備してしまったでござるよ……」

 

その準備というものが、なんなのかは想像しやすく、彼もまた、このコロシアイ学園生活に疲弊した犠牲者だった。

 

「でも……花火が鳴り響き、悲鳴が聞こえ、すぐさま3Fから飛び降りて、亜酔昏殿が死に、撃ったロボゾンビ子ちゃんが逃げる姿を、拙者は目撃してしまった……。笑ってくれでござる。人を殺そうとしていた人間がっ、友達が殺されてようやく、ようやく正しき心を取り戻した、愚かな拙者をっ!!!!! 拙者が間違っていたっっっ! 人を殺して得る幸せなど現代にあってはいけないっ! 拙者が人になったのは、人の武士道に生きる意味を見出したからこそ!! 義によって生き、志によって死ぬっ。拙者は、拙者は償わなければならないっ。自分の弱さに負けた己に打ち勝つために、ここで後顧の憂いを立たねば、仲間の前に二度と、二度と立てなくなるでござるっ!!!」

 

『……それで、あなたが今死んだとしても?』

 

「本望」

 

『……そう』

 

「拙者は、もう二度と裏切らない。二度と己に負けない。覚悟せよロボゾンビ子ちゃん。拙者、今世の営みに、悔いはなしっ」

 

そうして再び、クロカメは駆け出し、最後は、ロボゾンビ子ちゃんを全滅させ、……立ったまま、その生涯を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

Day18 Augest

夕方 学級裁判場

 

 

 

『本当に、馬鹿なヒトだった』

 

「クロカメさん……っ」

 

肩に乗っていた黒光の亀が、悲しそうにきゅーと泣いた。あの人は、最後まで……戦っていたのだ。己の弱さと、運営にっ!

 

『……投票は私にしなさい。私が全部悪かった。突然外からやってきて、突然殺しあわせようとした、私に責がある。計画して、私が全て裏で糸を引いた。間違いなく、クロよ』

 

僕は、彼女が悲痛な面持ちで、全ての罪を背負おうとしていることが分かった。だからこそ、聞きたかった。

 

「どうして、この事件を……」

 

『友達を人質に取られた。それだけよ。……風街ピリカが死ぬと悲しむだろうから』

 

「っ」

 

風街ピリカが、ふらりと、体を揺らして、一歩ずつ、ファルの元へ歩いていく。

 

『でも勘違いしないでね風街ピリカ。私はあなたが好きではないわ。こんなバッドエンドをまた体験させるなんてひどい人だわ。でもまぁ良いでしょう。もうどうでもいい。残念だけど、私の物語はここでFINよ』

 

「ファル……っ」

 

 

 

 

 

『はーいそこまでーっ!』

 

ひとなつ学園長が、ニコニコと話し始めた。

 

『えー、みんな忘れてるよね? みんなだけが投票するわけじゃないんだよ? ここで、視聴者投票の結果を、発表いたしまーすっ!』

 

「!?」

 

こいつは、何を言っているんだ? 視聴者投票っ!? このタイミングで!?

 

『結果は~~~~~、はいドンっ!』

 

 

 

 

風街ピリカ 50%

ファル 50%

 

 

 

 

よって、風街ピリカ、ファル両名がクロとなりました! おめでとうございます!

 

 

 

 

 

「ま、待て、待ってよっ! 僕らはまだ投票していないっ!」

 

『でも話長すぎてずっと退屈だったんだよね。だって今更風街ピリカとファルどっちが真犯人でしょうかってやっても意味ないし、それに俺を貶めようとしたんだからちょっとくらいペナルティ与えても問題ないでしょ』

「っ、ふざけるなぁ!!!! 全部お前が悪いんじゃないかっ!!!」

 

「……秋冬さん。大丈夫だよ」

 

風街が、ふらふらと、ファルの目の前に立った。

 

「ごめんね、僕のせいだ」

 

『……馬鹿ね。恨み言一つくらい言いなさいな。このお人よし』

 

「……そうだね。……そうだ」

 

諦めきった笑顔で、風街はファルに、問いかけた。

 

「レラのレプリカ、すごい良い出来だった。音色は本物より良かったよ。……あれが、ヒントだったんだね。気付けなくてごめん」

 

『別に。一生気付かなければ幸せだったのにね』

 

もしかしたら、ファルはどこかで夢を見ていたのかもしれない。風街が途中で自分の存在に気が付いて、計画全てが台無しになるような、そんな夢を。

 

『……おしおきに関してはごめんなさい。私だけが処刑されれば済む話だったのに』

 

「いいよ。……いいんだ。償おう、一緒に。だって、僕が作者(おや)で、君が作品(こども)だから。君の責任も、僕の責任だよ……。あぁ、でも……君に未来を見せてあげられなかった。」

 

『……ふん。いいわよ。まだ、物語は続くのだから』

 

そしてファルは、画面越しで僕を見た。

 

『秋冬ハル。腹立たしいけれど、この後の未来はあなたに任せることにする。もしもまだハッピーエンドを諦めてないのなら、【職員室】に行きなさい。そして、茶鹿秀太という人物を調べなさいそうすれば、まだ希望はある』

 

ひとなつが怒鳴るように叫ぶ。

 

『はぁあああああああああああああいっ!!! それではもう始めましょう!!! 愚かな二人の、残酷で、ポップな、おしおきタイムぅううううううううううううううううううううう!!』 

 

「やめ、ろぉっ、やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっ」

 

納得いかない。運営が何でもかんでも勝手に決めて、全部都合が悪くなったら台無しにしてくる。

 

ダメだ、そんな、風街ピリカは、何にも悪いことをしていないっ。やめろ、やめてくれっ! そんな思いで僕は駆けだして、風街ピリカに手を伸ばした。

 

しかし無情にも、風街ピリカは何処からともなく表れたアームに体を拘束されて、おそらく一瞬でおしおき会場に連れていかれる。僕は、悔しくて、辛くて、涙が出た。

 

「――――あぁ、そうか。君はっ……」

 

風街が、僕の顔を見て、何か思い出したように、希望を取り戻したように、力強く、僕の目を見た。

 

「後は頼んだよ。■■」

 

そして風街ピリカとファルは、一瞬にして姿を消してしまった。

 

 

 

 

 

 

カゼマチ ピリカ と ファル が クロにきまりました

おしおきを かいしします

 

「ごめん」

『別に』

美しい愛情。美しい物語。美しい未来。

深い深い森の奥に、物語に殉じた二人の若者。

珍獣ハンターひとなつは、彼らを捕獲すべく、現実と仮想どちらも同じかごにぶち込んで標本にしてやろうと決めたのであった!

 

 

~発見! 魔女の森に潜む野生の吟遊詩人!~

現実もバーチャルも、一緒にミキサーに入れちゃえ!

「カットカーットっ! 何このタイトル。これだからテレビ舐められるんだよ。ちゃんと考えろ!」

「す、すいません!」

オレの名前はひとなつおもい。もうすぐ20代も後半に差し掛かる中、またいつものようにディレクターに詰められていた。はぁ、才能無いのかなぁオレ。そんなオレが最近ハマってるのは、FPSのゲームだ。ゲームの中では人を殺してもいい。そんな発散方法でしか、現代は生き残れない。

「とりあえずゲーム付けるか―。お、新モンスターでてるじゃーん」

こうして仮想の世界で現実は変わらないのかもしれない。でも、オレの心の慰めにはなるのだ。

「今日の新モンスターは、へー人間型かぁ」

討伐対象 ピリカ・カゼマチ&ファル

特徴  とても強いぞ! 目の前に現れたら何かだまし討ち

をしてくるかもしれないから、気を付けよう!

「へーだまし討ちキャラかぁ。珍しいなぁ」

魔女の森の4番フィールドにたどり着くと、まるでか弱い人間のように二人は立っていた。そうだ。こういう時こそスーパープレイの為に動画撮影をしておかなきゃ。

「ふんふんふーん。ん?」

なんだろう、あの男キャラ……? ん? 男だよな? まぁいいや。白旗振ってる。……なんか叫んでるな。うわぁ言葉を使うタイプのモンスターか。へへ、悪いけどオレはアニメを見ているからわかるのだ。魔族というのは言葉を扱って人を殺すんだ。こういうギミックだって知ってるんだから余裕でしょこんなのw

「えーい、だだだだだだだだ」

アサルトライフルを二人に向かって撃ち込む。二人は一瞬で倒れて、血まみれになっていく。こういう時にオレがよくやるのは死体撃ちだ。原型を留めなくなるくらいいっぱい撃つのだ。そうしてやっとストレスが解消できる。

「ふぅー。なんかドロップアイテムないかな? というかこのキャラ、まだ肉体がある。あっ! そういうことか。もしかしてこの二人のキャラ、融合してモンスターとして使役できるんじゃないか!」

オレはニッコリして二人の肉体を窯の中に入れて、ぐつぐつと煮込み始める。ここは魔女の森。なんだってできる。

「できたー! ハンバーグの完成! んだよ食品か。しゃーねーな。いただきまーす」

うーん、HP30回復。ちょっとしょっぱいね。そっか、ゲームの世界でもお肉は混ぜたら、美味しく食べられるんだね。

「そうだ! せっかくだし、ハンバーグをいっぱい食べるテレビ番組なんてどうだろう! きっと企画が通るぞー!」

その番組は大ヒット! 幸せそうにハンバーグを食べる視聴者。子どもも大人もハッピーエンド! 笑顔の絶えない日曜日の放送が始まるよ!

「ところでこのお肉なんなんです?」

「さぁ? ここにあるのは意識の空っぽのお肉と、ゲームの世界で永遠に殺され続けるモンスターだけなんですよ」

そういえば、オレが撮影してるモンスターを殺す動画、たくさんみんな見てくれて、コメント欄で気持ちよく見れてスッキリしたって言われて、嬉しかったー!

ちゃんちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、あああああああ」

 

風街ピリカとファルが死んだ。僕は、また、いつもいつも、何もできないっ……。

 

「……これで、終わったのか?」

 

岩手がつぶやく。

 

 

 

 

 

「いや、終わってへんよ?」

 

威鳴がそう言って、黒フードのポケットから自然に、拳銃を取り出して、小春そらの脳天をぶち抜いた。

 

「……絵っ?」

 

小春そらの額に穴が開き、彼女はゆっくりと倒れていった。ぴーんぽーんぱーんぽーんと、音が鳴り響く。

 

『死体が発見されましたー! 一定時間の後、学級裁判を――』

 

「これからやんな。僕の復讐は」

 

そして、彼は。間髪入れずに、入間るいに照準を合わせて、引き金を引いた。

 

 

 

ぱぁん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

非日常編 第三章「マシンナリーズ・マーセナリーズ」 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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