眠たげ最強幼女は、人気ダンジョン配信者に見つかる   作:雪狐@ただのキツネ好き

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とりあえずここまでが描ききれてる話です…!
次からは他のサイトと並行して進めるので、一気に投稿はここまでで終わりです!


二十話

「…行くよ」

 

「どこからでも来るがいいですわ!」

 

「…くらえ…!」

 

「流石に見え見えですわよ?

【第六戒結界】」

 

わたしは、とりあえず先程までと同じように、一息で一華の傍まで行き、そこから全力で蹴り飛ばす。

一華は、さっきみたいにわざと後ろに飛んだりせずに結界で防いできた。

 

でも、ここまでは当然読み通り。

使ってきたのは【第六戒結界】。

さっき剣を防ぐ時に使ったのが【第四戒結界】だから、グレードは落としてるね。

 

身体強化をしっかりすれば一撃で壊せるんだけど、流石に素じゃ一撃ではこわせない程度には固い。

だから、ぶっ壊しに行く。

 

「第六でいいの?

簡単に壊すよ?

【氷撃魔法】アイシクルスピア・撃」

 

「ッ!?

【第四戒結界】!

【符術・炎雷】!」

 

「危ない…」

 

【氷撃魔法】の一撃で、簡単に【第六戒結界】を破壊すると、元々用意していたのか即座に新たな結界を張ってふせがれた。

流石に簡単には倒れてくれない…

 

しかも、ただ防ぐ訳じゃなくてきちんと反撃も織り込まれてるせいで追撃が出来ない。

いや、できないことも無いけど、短期決戦を急ぐ必要も無いと思ったから行かなかった。

 

「止まって考え事ですの?

終わる前に考え事なんて寂しいじゃないですの。

【符術・爆雷】【符術・縛】」

 

「おちおちと考え事もできない…

ふっ…!」

 

辺りに降り注ぐ雷と、雷が着弾した場所に起きる爆発を全て避けながら、不意打ち気味に飛んできた束縛用の御札を一息で叩き切り、そのまま即座にまた距離を詰める。

 

「…っ!」

 

「ちょっ、近いですわ!

【煉獄魔法】フレイムエリア…ですわ!」

 

一瞬でまた距離を詰めると、距離を開けるためか範囲魔法を使ってきた。

だけど…

 

「【氷撃魔法】アイシクルゾーン…!

【エンチャント・鋭】!」

 

相手の【煉獄魔法】に【氷撃魔法】を合わせて相殺する。

相殺した後すぐに【エンチャント】――まぁ付与のこと――をして鋭さを上げた剣を振り切り、【第四戒結界】を消し飛ばす。

 

勿論それで終わらずにそのまま振り切った勢いを殺さずに回し蹴りを一撃胴体にお見舞いする。

でも一華も当然されっぱなしじゃない。

 

「ッ!?

ぐ…!【エンチャント・爆炎】【符術・爆】!」

 

「くっ、…」

 

エンチャントで爆発の威力を強めた御札を自分の真下に置いて自爆をする一華。

当然本人には対したダメージもなく、わたしの回し蹴りのダメージが少し見える程度だ。

 

「武器、使わないの?」

 

「近接戦であなたに勝てるわけないじゃないですの。」

 

近接戦をしたいわたしはそう聞くが、一言でバッサリいかれた。

むぅ…斬り合い楽しいのに。

 

「じゃあ次」

 

「急ですわ〜!?!?

【アイテムボックス】!」

 

わたしは不意打ち気味に距離を詰める。

だが一華は驚きながらも即座に反応し、【アイテムボックス】から自分の武器を取り出して応戦した。

 

「なんだ、近接戦してくれるんだね。」

 

「まぁわたくしも…!

簡単には負けるつもりは無いのですわ!」

 

話しながらもお互い全力で切り結んでいる。

わたしがほんの少しでも隙を出したらそこを突いてくるし、一華が隙を出したらそこを突いて仕留めに行く。

 

仲間だから殺意とかは無いけど、それでも手加減なんてお互いにしない。

だって死なないってわかってるから。

 

わたしは、一瞬だけ距離を開ける。

 

「そこ…!」

 

「これは誘ったんですのよ?

貰いましたわ…!!

【薙刀術】仙花…ですの!

…ッ!?!?」

 

「…惜しい、それは氷の分身だよ。

【剣術】戦禍」

 

一華が隙をわざと作って誘ってきてる事は見抜いていたわたし。

だけど距離を開けた瞬間に入れ替わった氷の分身を突っ込ませて、カウンターを決められてるうちに死角から飛び出し、距離を一瞬で詰める。

 

一華の驚愕の表情を見ながらスキルを発動して、首に剣の先端を突きつける。

わたしは、一華に完全に勝利したのだ。

 

…身長差から首に剣をかけるのが少し大変だから剣を突きつける形にしたけど、そんなの気付かれたら恥ずかしいから絶対表情には出さない…

 

「んぐっ…!?

やられましたの……悔しいですわー!!」

 

「……ぶい。」

 

正直に言うとずっと遠距離で戦われてたなら勝敗は分からなかったと思う。

なんならわたしが負けてた可能性の方が高い。

 

でも結果は結果。

わたしの勝ちだから少し嬉しくて、凛に向かってVサインをする。

 

 

 

――――――

 

正直何も見えてなくて、やばいな〜ってぼーっと見てたらいつの間にか終わってた。

いやほんと、いつ決着ついたの?

 

「ん〜、いや〜、リル凄く強い〜。

一華も相当強いんだけど〜近接じゃ流石に勝てないか〜」

 

「え、カスミちゃんあれ見えてたの?

私全く見えなかったんだけど」

 

「ま〜今の凛ちゃんじゃ見えないと思うよ〜?

私はよゆーだよ〜」

 

こういう所からも実力差が垣間見えるなぁ…

追いつけるのかなぁ?

無理な気がしてきた。

 

…いやいや、そこは、こう…気合いで頑張るんだよ!

よし、頑張るかぁ!

 

「ん、凛、きちんとみえた?」

 

「凛さん見えてましたか?」

 

「あー…言い難いけど、ほとんど見えてなかったかなぁ…」

 

「…そう」

 

「そうですのね…」

 

少し言いにくかったけど、嘘をつくのはあれなのできちんと言う。

すると見るからに落ち込むのが分かって、私はどうすればいいのか分からず慌てる。

 

あわあわしてると、それを見てたカスミちゃんが吹き出して笑い、それに釣られて落ち込んでた二人も笑い始める。

それを見て私は、うん。

自分でも分かるくらい不思議そうな顔をしてたと思う。

 

あとから考えたら、からかわれてたのかなぁ?

なんて思うけど、多分落ち込んでたのは本当。

リルちゃんに演技ができるとは思わないし…多分。

 

「もう!

皆私も混ぜてよ〜?」

 

みんなだけで楽しそうに笑ってるので、私も寂しくなって皆の輪の中に入り、みんなと一緒に笑う。

うん、よくよく考えなくてもダンジョンでする事じゃないよね。

 

でもいいんだもん!

ここはセーフティエリアだからね!

私たち以外もいるもんね!

 

「…ん?

私たち以外もいる?

ひぇっ!?」

 

ここはいつものアビスなんかじゃなくて、中層のセーフティエリアなのだ。

私たち以外も沢山いる。

 

いくら音がしないようにしてて、周りに被害がないとはいえ使ってるのは爆発や雷だ。

光や地面の振動で気付くだろう。

 

そう、気付くのだ。

そしてここは何度も言うが中層セーフティエリア。

周りには沢山の人が居て、全員私たち四人を見ていた。

 

誰も話しかけては来ないけど、たくさんの人がいる。

いつもの配信の時よりは少ないけど、あれは配信画面を通してだからいいのだ。

 

少なくとも現実でこんなにたくさんの人に見られた経験は無い。

正直に言おう、怖い。

 

だけど、ほかの三人よりはマシだと思うから、なんとかしないと…

 

「ん、邪魔だから離れて」

 

「観るだけならいいのですがあまり囲まないでくださいまし!

邪魔ですわ!」

 

「ん〜…」

 

リルちゃんと一華さんが当たり前のように話しかけてる!?

しかもド直球に邪魔って言ってるし…!?

 

あ、でも皆離れていった…

な、なるほど、素直に言えば良かったんだ…

でもなぁ…きちんとしてる人だけじゃないし…怖いものは怖いよね〜…

 

カスミちゃんは寝てるね。

うん、この状況で寝れるのは凄いね…

まぁカスミちゃんなら寝れるか。

 

…なんか疲れた。

今日は寝ようかな。

 

「ね、四人で一緒に寝よ?」

 

「ん〜、ボクは賛成だよ〜」

「…わたしは、寝る必要ないから見張っとく。」

 

「わ、わたくしも同じですわ!」

 

確かにモンスターだから寝る必要は無いのかもしれないね。

でも私の家の時に皆寝てるのしってるから、今日は絶対四人で寝てやるもん…!

 

「二人とも寝なくてもいいかもしれないけど、寝れるんでしょ?

なら一緒に寝よ?」

 

「わたしは、遠慮しておく」

 

「わ、わたくしも少し、遠慮しますわ?」

 

「四人で寝れないかもって思ってるなら、ほら見て!

これ!外見より中広いんだよ!

四人で並んでも寝れるよ!?

だから一緒に寝よーよ!」

 

「……や、やめとく」

 

「そこまで言うなら…わたくしは寝てもいいですわ…」

 

リルちゃんは多分恥ずかしがってるんだね?

顔が少しだけ赤くなってるから分かる!

…ふっふっふ、なら無理やり連れ込めばいいはず…!

 

いや考えヤバいね?

でも今日は四人で寝るって決めたから!

 

「よし!

四人で寝るよ!

カスミちゃん!リルちゃんを連れて中に入るのです!」

 

「らじゃ〜だよ〜」

 

「…ま、マスター、わたしを離すべき…!

恥ずかしいとかじゃ無いけど離して欲しい…!」

 

リルちゃんの方が単純な膂力では上なんだろうね。

でもカスミちゃん相手なら強く抵抗できないだろうって言う考えは正しかったね。

 

そのまま中に連れ込むのを見た後に、私は一華ちゃんの方に向く。

 

「ね、お願いがあるけど、いい?」

 

「お願い、ですの?

まぁ普段してもらってばかりなので、何でもばっちこい!ですわ!」

 

「よかったぁ、流石に見張りを置かないのは危ないからさ?

そこそこ強めの結界を張って欲しいなって…いい?」

 

いくら人が多いとはいえ安全では無いので、結界を張ってもらおうと思って頼む。

 

「なんだ、そんなことですの?

そんな程度ならいいですわよ?

【第三戒結界】

…ふーむ、これだけじゃ心配ですわね。

よし…!」

 

結界を張ってくれたのは見えたけど、その後何かしていたのは見えなくて、首を傾げながら見つめる。

すると作業が終わったようで、こちらに振り返って中に戻ろうと言われたので、頷いてから二人で中に戻る。

 

そして中に入った時に目に入ったのは…

 

「た、たすけて…」

 

「んにゅ〜…」

 

寝ているカスミちゃんに抱きつかれて全く動けないリルちゃんであった。

ヤバい、凄く可愛いんですけど!?

 

「一華さん、行きますよ?」

 

「え!?

な、なんですの!?」

 

「えいっ!」

 

「んきゃっ!?」

 

私は一華さんに抱きついて、そのままリルちゃんの隣に倒れ込んだ。

丁度私がリルちゃんと一華さんに挟まれる位置だね。

 

「ふふ、じゃあ皆おやすみ!」

 

「お、おやすみなさいですの…」

 

「…おやすみ、わたしも諦めて寝よう…」

 

「ん〜…にゅ…」

 

最後に耳に入ったのは恥ずかしそうな一華さんの声と、諦めたような声でつぶやくリルちゃん。

更にリルちゃんに抱きついているカスミちゃんの寝息が少し聞こえた。

 

ふふ、みんなで寝れるの幸せだね。

皆、いい夢を。

 

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