11月も上旬がもうすぐ終わる頃。
今月は大きなコラボというか、配信者のお祭りのようなものがあるために通常配信は少なめになるだろう。その前に動くことがあったり、案件があったり、年末に向けてやっておかなければならないことなどがある。
最近は頻度も減っていたので朝配信をやっていく。昨日陽菜ちゃんの重大発表があった関係で話すことも多いので、雑談枠だ。
まあ、【ソラソラ】のデイリー消化をしつつではあるけど。
諸々準備を完了させて、配信を始める。
「皆さん、おはようございます。絹田狸々です。今日はちょっといつもより人数が多いですかね?」
『リリおはよー』
『朝しか見れない勢もいるねん』
『通勤の準備とか通勤中に聞くラジオみたいなもん』
『今日多いのは昨日のなっちゃんの件だろ』
『とうとう俺たちのリリが全国区か……』
『作曲家って別にそこまで調べられなくね?』
『昨日の放送でも立ち絵とか出てないし、あの放送見てないとVtuberだってわからない人ばっかだろ』
『アニメ事前放送から来ました。初見です』
『初見いるんか』
昨日、【濃煙満ちゆく迷宮都市】というアニメの放送直前特番があった。そこでOPの発表があったわけだが、歌っているのが陽菜ちゃん、作曲が俺ということで少しSNSで話題に上がった。
陽菜ちゃんのメジャーデビューに比べれば小さな話だ。俺がレーベルに所属するわけでもないし、権利関係で何枚か書類にサインを書いただけ。エクリプスのアルバムが出る時点で全国流通にはなっているし、発売のタイミング的にエクリプスの方が先だ。
もちろん、自分の作った曲がアニメの主題歌に起用されるというのは本当に光栄なことだ。いくら社長がそっち方向にコネがあったとはいえ、そんな話が回ってくるなんて。
陽菜ちゃんのメジャーデビューも話自体は結構早かったし、今回のアニメのOP曲を担当するという話も夏前には知っていた。これについてスタッフさん以外で知っていたライバーはドロッセル先輩とFORだけという機密情報。
ドロッセル先輩は音楽レーベルでメジャーデビューしている先達ということで色々とアドバイスを貰うために話が通されたようだ。実際陽菜ちゃんはだいぶ助かったらしい。
そもそもとして、FORの辺りで歌とか音楽系で強い人を募集したらしい。そこで歌唱で自己アピールした陽菜ちゃんが目に留まり、その陽菜ちゃんと相性の良さそうな人物で、できればフォローのできる歳上の女性ということで加点された真紀さんが受かったらしい。
そこに作曲経験がある俺は渡りに船だったとか。俳優だったこともあって演技スキルも申し分ないということでいっそ同期にしてしまえとなったようだ。だから作曲系については社長と結構プランを考えていた。
通年計画で用意していたものがやっと表に出てきたというだけのこと。だから別にスピードが速いとかってわけではない。
とりあえず作曲のことになったら俺にぶん投げればいいと社長も雑に思っているのか、ゴートン先輩の企画などにも巻き込まれるからプランは結構ボロボロだったりする。
「昨日の水瀬さんの件が皆さん気になる様子。凄いですよね、音楽でのメジャーデビューとアニメのOPが任されるって。僕が作曲したのは水瀬さんの指名という名のお願いだったので、要するにコネですよ。僕の実力が求められてってことではないのでご承知おきください」
『そうなん?そういう契約周りのことはわからん』
『アニメのOPって良い宣伝だと思うんだけどな』
『なっちゃんの宣伝に比べれば地味だと思うぞ』
『いやでもさあ。あのアニメやってる時はCMでなっちゃんのCDの宣伝が流れるわけだろ?リリの曲が流れるってことじゃん』
『それはそう』
『コネは仕事の上ではめっちゃ大事だぞー。活かしていけー』
詳しくは陽菜ちゃんが個人配信で話すだろうということで、情報公開はそこそこに留めておいた。【手乗りドラゴン】が2曲目に選ばれた理由とか、3曲目はどんな曲かを俺が話してしまったら陽菜ちゃんが話すことがなくなってしまう。
今日の夜に雑談枠を立てる予定らしいので、邪魔をしちゃ悪いだろう。
昨日のことを話し終わったので、【ソラソラ】のゲームを開始する。もう手慣れた作業なので、スタミナとデイリーチケットを消費していく。
【ソラソラ】自体を画面に映すのが久しぶりだったこともあり、メインストーリーやイベントを進めたかとか、キャラを引いたかなども話していく。ネタバレにならない程度に語っていく。
ソーシャルゲームなので、季節の行事は積極的にイベントなどでやっている。10月末はどのソシャゲでもハロウィンイベント一色だ。コスプレ衣装を着た限定キャラを出しやすく、かぼちゃを集めるイベントなど方向性を決めやすいのもあるのだろう。
一部のゲームでは長年運営をしてきてネタが切れたのか、もしくは元々ふざける気質だったのかわからないが、何も関係ないネタをやってきたり、それこそ水着を実装するという季節感どうした、となるようなゲームもあるのだとか。
そういうのはゲームの運営の手腕と意向次第だろう。
【ソラソラ】は真っ当にハロウィンイベント。去年のイベントと地続きだったようで、直前までやっていた復刻イベントとリンクする内容が多々あった。
今年のハロウィンイベントも完走したことを伝えて、あと話すことはなんだろうと思って、大型のコラボに参加することを伝える。
「そうそう。今年は配信者のお祭りの【配信者祭GTA7】に僕も参加することになりました。エクリプスでも結構参加するようで、結構な人数が参加の意思表明をしていましたよ」
『GTA参加するんだ?』
『もうそんな時期かぁ。時間が流れるの早くね?前回がそんなに昔のことに思えないんだが?』
『去年もコウスケとか数人参加してたよな』
『GTA?ゲーム?』
『狂ったギャングになれるなりきりゲームだよ』
正式名称【Go To Aberration】略称GTAはとある外国の一都市に住み着いて住人になりきるゲームだ。かなり自由度が高いゲームでギャングになって思いつく限りの悪を成しても良ければ、一般市民として飲食店を開いたり医者になったりもできるゲームだ。
基本的には無法者プレイが王道だと思う。現実ではできないことがかなりできる過激なゲームでもあるので、配信者のほとんどはギャングになるようだ。
普通のゲームとして、ミッションをこなしたりなどもできるようだが、今回やるのは特定のサーバーを立ててそこでプレイするカスタム仕様。街の建物や道路をカスタムできたり、設定で色々と弄れるらしい。
参加費はかかるものの、他の事務所のVtuberや顔出し配信者とも接点を持てるので良い機会だと思って参加することにする。
「そのGTAがあと3日後なので、そこからは毎日GTA配信になると思います。なんか深夜3時くらいまでやってるみたいなので、その間は朝配信ができないと思います」
『夜の20時くらいから3時くらいまでやってる印象』
『サーバーはもっと開いてるんだっけか?』
『朝配信ないのか。残念』
『GTAやってる時はお昼配信とかダメなんですか?』
『案件とか撮影とか作曲とか色々あるだろうから、お昼配信なんて望むとか鬼畜か?』
夜の時間帯で長時間配信となると朝に眠ってお昼に起きて、雑事を済ませてからまた夜配信ってなると思うから、他に配信をやっている余裕はないと思う。
スケジュール管理だけはしっかりとしておいて、身体は壊さないようにしないと。
今やってる【ソラソラ】のデイリーだってできるかどうか。あんまりソシャゲを兼任していないから大丈夫だと思うけど。
「GTAにエクリプスからも結構参加するみたいですね。ただ折角の機会なのでエクリプス以外の方と交流する予定です。いつものメンバーで参加するのも良いと思いますが、それだと普段のコラボと変わらない気がするので」
『別に良いんじゃない?そういう場だし』
『そういう化学反応を待ってるのよ』
『リリって外とそんなに交流なかったっけ?』
『レインボードロップスの仔鹿くらいじゃね?』
『外部コラボはしない方か』
GTAの話もして、デイリークエストとかも全部済ませて。一旦ゲーム画面を閉じて雑談用のホーム画面に戻す。
あとは純粋に雑談配信をする。先輩がどんなことをしてたとか、公式番組で面白いことがあったとか、あとは今後のスケジュールとかだ。
「今月もコラボがいくつかありますが、それはまた時期が近付いてきたら発表しますね。箱内での大きなイベントや大会もないので、今月は静かかもですね。その代わり来月はとても忙しいですよ」
『今月はGTAばっかだろうな』
『【スマバス】やったばっかだし、そんなもんでしょ』
『12月は仕事納めをしないといけないから、社会人は基本忙しいのよ』
『今月の内にやれることはやっておかないとね』
『来月はアルバムの発売とエクリプス2周年と、クリスマスと年末くらい?』
『盛り沢山だねえ!』
配信者なのだからイベントとか大事だけど、今月は本当にGTAぐらいしか話題がないと思う。
それから雑談配信では先月末に出ていた【ウィザーズ&モンスターズ】の新弾で当たったカードを画像で見せたりとか、もう発表されている新弾で出てくるぶっ壊れカードのことについて話したりした。
それとオススメのゲームの話も聞いて、配信でやるかは検討するとしてメモで出てきたゲームを残しておく。
それと【SoF】の話も。次はノーマルモードをやるわけだが、ノーマルモードは趣味スキルのカスタムがかなり豊富で、それが楽しいと一鉄さんが教えてくれたことを伝える。ハードだと趣味スキルの開拓は全然せず、フォイルにはずっと料理を作ってもらっていただけだった。
ノーマルモードは全モードの中で一番パーティーメンバーが多く、ギフトと趣味スキルの選択肢が膨大なので寄り道がかなりできるらしい。冒険者という立場上、全部の依頼をこなそうとするとそれだけで時間が溶けていくとのこと。
パーティーメンバーの能力の伸び値に個性はあるものの、誰をどのように育成するのかは割と自由らしいので最終パーティーは人それぞれの個性が出るらしい。ハードとイージーは最初のギフトが優秀だったのでその方向性に伸ばして、上位のギフトがあれば乗り換えるくらいだったので、あまりカスタムの自由さはなかった。
唯一色々と遊べたのはフォイルだけだろう。彼女の場合はギフトを手に入れれば手にするだけ強化されていくぶっ壊れ仕様だったけど。そのぶっ壊れに追随してくるパーティーメンバーの化け物級の強さにも驚いた。
イージーをクリアした後にハードとパーティーキャラのステータス比較をしたけど、ハードモードのメンバーの圧勝だった。そういうステータス面でもしっかりと差を見せてくるのは良かった。
あとはスパチャが溜まっていたので、それの名前呼びとお礼を告げて雑談配信を終わらせた。【SoF】がスパチャ禁止だったために他の配信で送ってくれたリスナーが多かった。【SoF】クリアおめでとうのスパチャもある。
最後に夜配信の話をして、夜には【SoF】のノーマルモードを始めていくことを伝えて配信を終わらせた。
さーて、今日も作曲をしていくか。