元俳優、タヌキVtuberに転生する   作:桜 寧音

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13章 2025/1~
あけましておめでとうございます。誕生日です。


 2024年が終わって2025年。

 年末年始として社会人も学生もほとんどがゆっくりとした生活をしている中、祐悟は絹田狸々として配信を朝から行おうとしていた。人によったら初詣のために電車や車に乗っているような時間帯だ。

 初詣の時間潰しになればいいと、配信者としては割と特別な誕生日配信を新年から行なっていた。

 

「皆さん、あけましておめでとうございます。絹田狸々です。今日は年明けだからか、随分と視聴者が多いですね。皆さんやっぱり暇でした?」

 

『おはよー、リリ』

『そりゃ三が日なんて暇よ。テレビも毎年おんなじようなことしかやってねえし』

『というか、お前の誕生日だからだろ!』

『三が日が誕生日って、なんか色んなことが一気に駆け寄る感じあるよな』

『クリスマスが誕生日の奴に似てる』

『リリ誕生日おめでとう!』

 

 誕生日だからとそこまで肩肘張った配信をするつもりがなく、雑談配信を実施していた。リリがいつもやる、ゲームをやりながらの雑談配信ではなく、今回は雑談オンリーの配信にする予定だった。

 誕生日と年明け初配信だからか、お年玉や誕生日プレゼントとしてスパチャが飛ぶ。配信者は周年記念や誕生日のような特別な日にはスパチャが飛びやすい傾向がある。年明けから散財させるわけにはいかないと、リリはリスナーに嗜める。

 

「皆さん、誕生日のお祝いは嬉しいんですが、こんな1月の初めからお金を使わないでください。お年玉を親戚の子にあげたり、初売りの福袋を買いに行ったり、お金の使い道はたくさんあるでしょう?」

 

『お年玉あげる親戚なんていねーよ……』

『実家に帰省しても家族しかおらん。親戚で集まったりはしないなぁ』

『初売りはもう行ってきた。2日はラインナップが割と微妙』

『売りたい奴は元旦の目玉にされるから、もう今日の奴は売れ残りの詰め合わせなんよ』

『誕生日くらい祝ってもいいだろ‼︎』

 

 反論と一緒にスパチャが飛ぶ。ええー、と思いつつも、彼らは止まりそうにないので今日の趣旨について話す。

 誕生日配信は凸待ちをしたり逆凸をするような配信者が多かったり、何か縛りをつけてゲームをプレイしたりするが、リリは年末年始にやっていたことを話したり、届いている無記名制のお便りツールで届けられたコメントを読んだり、今年やってほしいゲームについてリスナーに聞いたり、という配信にする予定だった。

 年末に夏目宗谷のコンサートに行ったことはプラモ作成の日にも伝えたが、その配信を見ていなかったリスナーのためにコンサートで感じたことを伝えていた。2回目ということもあってリリは緊張していなかったが、エリサと水瀬は緊張していたと話す。

 

「ドレスとか、着る機会ないでしょうから。僕は2回目だったのでタキシードも慣れていましたけど。そういう、ルールに則って正装をして厳粛な場でコンサートを観たり、お高い劇とか観に行くとすっごく知能が上がった気がしません?僕はバカ寄りですけど」

 

『なんか高給取りになった気がするんよな。わかるわかる』

『そんな経験したことねーよ……』

『まだ学生なんでわかんないです……』

『なっちゃんも高校生でそういう体験したのは今後の人生にとっても大きいだろ』

『上司にキャバクラ連れていかれるようなもんだよな!』

『↑それは違う』

 

 コンサート自体も圧巻で、生の音が身体の芯に届くような、これが世界に認められるピアニストかと感動したことを伝える。エリサも水瀬もえらく感動しており、水瀬については作曲に目覚めていた。まだまだ知識を吸収するところだが、作詞は経験があるので覚えてしまったらすぐだろうとも話す。

 大晦日はゆっくりしていたと伝え、元旦はFORで初詣と初売りに行ったことを伝える。リリは元旦の初詣は初めて行ったのだが、人が多くて大変だったと話した。

 東京に来てから長いが、年末年始なんて短期バイトで割が良い仕事がたくさんあるために常勤のバイト次第ではハシゴして受けに行ったことがあるくらいに仕事に勤しんでいた。去年はデビュー前ということもあって準備などをしたり、実家に帰っていたりしたので元旦には初詣に行けなかった。

 実際に元旦の朝に行ってみた感想としては、皆熱心だなということ。

 

「初詣って昔からの慣習じゃなくて、言わば鉄道会社のキャンペーンで始まったことですよね。だから別に三が日に行く必要もないんですけど、その風習にすっかり飲み込まれているというか……」

 

『そうなの⁉︎』

『まだ国鉄時代の話じゃなかったっけ?』

『戦前には全くない風習だぞ』

『割と神様信仰はある日本だけど、ぶっちゃけ他の宗教に比べれば日本人の感覚としては神様が近すぎるんだよな。数もたくさんいるし、神社なんてすぐある。有名な神社も多い。それにほら、英雄をすぐに神に祀りあげるし』

『ぶっちゃけ初詣ってお祭りよね』

 

 初売りなどと同じで商売の好機だからと作られた風習だ。それで屋台を出したりお賽銭がたんまり入ったり、だるまやお守りなどが売れて神社に収益が入り、周辺のお土産屋さんも儲かり、駐車場を提供した人や電車を使ってもらった鉄道会社が儲かる。

 国民性を利用した、一大イベントとなっていた。

 リリとしては初詣を済ませたので、あとは初売りセールだけだ。昨日もエリサや水瀬にくっついて欲しい福袋を購入したが、元旦は営業せずに今日から初売りをするお店もある。

 そういう場所にリリも今日行くつもりだった。

 

「もう待機場所もあるので言いますが、明日の夜は唄上先輩主導のカードゲーム福袋開封配信があります。今日この後、全員でカードショップに行くんですよね」

 

『今日⁉︎』

『全員同じ店で行くのか?』

『そっちの方が、まあブレは少ないか?』

『もしかしてアキバ?』

『特定しようとすんな。場所は伝えるはずないだろ』

 

 カードショップやホビー関連では秋葉原が最大手だろうが、他の人も同じことを考えるだろうからと秋葉原はパス。様々な配信者も来る上に、そもそも人が多いので身バレをしやすい。特に配信者なんて高額福袋を集団で買うので注目を浴びやすいのだ。

 既に穴場のカードショップということで千葉県のカードショップが選ばれている。唄上とゴートンが選んだ場所だ。そこに配信に出る人やカードに興味がある人が一緒に行く。

 FORは全員行くものの、配信に出るのはリリだけだ。

 福袋開封をお楽しみに、と伝えて、届いていたお便りについて答えていく。今年の作曲数の目標とか、新曲はいつ出るのか、リリ自身の歌ってみたはいつ出るのかなど。

 新曲ではないが、この後リリのチャンネルで出る予定のある告知が1個あったのでそれを伝える。

 

「3Dお披露目で歌った『Clown.Crown』の歌だけパートの切り抜きが今夜投稿されます。やっぱりお披露目配信でもあそこだけ見直す方も多かったので、見直しやすいように歌パートだけで投稿します。18時予定ですね」

 

『マジ⁉︎クラクラ、リピートするわ!』

『有能オブ有能』

『熱望していただけのことはあった』

『良い曲だよね、クラクラ。で、新曲は?』

『カバーでもいいよ』

『先日後輩に布教して3Dお披露目でファンになった奴いるからタイムリーだわ』

 

 お便りはそんなところで、次はリスナーのおすすめのゲームについてだ。

 年末にかけて各ゲーム会社から販売予定について色々と発表されている。新作だったり過去作のリマスター作品、もしくは完全リメイク作品など。新作はまだPVくらいでしか判断ができないが、有名IPのものだったり、制作会社が有名だったりすれば期待が持てるだろう。

 リスナーに聞いていくと、リリも気になる作品があった。

 

「えっ、『デジクリ』のアニメ25周年記念作品?今ちょうど初代のアニメをリブート放送してますよね。この布石だった?」

 

『そうそう。最近『デジクリ』って過去作を結構振り返りしてるのよ。やっぱアニメ25周年となるとクォーターセンチュリーで特別だから』

『息の長い作品だよなぁ』

『昔の劇場版3DCGアニメとかも最近動画配信してくれたし。4月から新規アニメも決まったし。波に乗ってますよ』

『それこそエリーに当たった昔のおもちゃのリバイバル商品とかも売り上げ好調らしいし。カードも最近は海外で売り上げが良いんだったかな?』

『『デジクリ』は日本産なのに海外人気が半端ない。国によっては『ポケクリ』より売り上げあるし』

『そういう作品、たまにあるよな。日本のラノベなのに海外アニメ会社が作って、向こうが先行配信とか。『ズァーク』もプラモデル人気は海外の方がやばいんだっけ?』

『それは正式ライセンスを持たない国が海賊版を売ってるって話だから別問題』

 

 『デジクリ』の最新作は気になったので配信でやることを決めるリリ。他にも有名な低予算ゲームを作る人の最新作や、リリにやってほしいゲームなどを色々とお勧めされた。

 その推薦されたゲームの名前を配信画面に白字で書き出して、これだけあれば配信のネタに困らないだろうと満足。

 スパチャへのお礼を告げて配信を終わらせて、真紀と一緒に出掛ける準備をする。今日は男女比を考えて女装で来るようにと唄上に言われてしまったのでメイクもガッツリやって女装で千葉へ向かう。陽菜と合流して見た目だけなら女子3人のお出掛けに装い、カードショップの最寄駅で他の人を待つ。

 唄上とゴートンを除いて駅で集合だ。既に待っていたポラリスとコウスケに、女装姿についてまた笑われた。

 

「おまっ、本当に女子にしか見えないな……!流石だぜ、キヌ」

 

「マジで似合ってんのがムカつく……!クリスマスでも笑わせてきやがって!」

 

「あ、やっぱりあれ、女装で笑ってたのか。これがキヌですってやってきたら、そりゃ笑うよなー。よく他の3人は笑わなかったもんだ」

 

「事前に知ってたんだって。酷くね?ポラさん」

 

 事務所などでオフとして会わない限り、この女装姿の祐悟を見ることがなかったので耐性がない人間はこんな感じで笑う。FORの2人や、女性ライバーは真紀と付き合っていることを誤魔化すためというのも知っているため基本的には受け入れているが、男性陣はあまり受け入れられていない。

 男性陣だけで遊ぶ時は普通に男の格好をしていて、事務所で会うことは企画などがなければまず会わないので女装姿のまま会うことが少なかった。

 それに祐悟の女装のパターンが複数あるのも原因だ。同じ服ばかりではバレてしまうと、女性ライバーがノリノリになって真紀へコーデのパターンを送り、それを参考に祐悟が服を選んでいるために系統が異なる姿がいくつもある。

 ウィッグも日によって変えているので、茶髪のセミロングの時もあれば、黒髪ロングの時もある。今日は明るめの茶色のサイドテールにしていた。

 その姿なので陽菜は遠慮なく祐悟の左腕に抱き着いていた。

 

「ユウお姉ちゃん可愛いでしょ。こうしていててもバレないくらい」

 

「クックック。ああ、こうしているとただの姉妹のようだとも。良かったな、キヌ。可愛い妹ができて」

 

「ぶっちゃけそれって普段の自分たちと変わらないんですけどね」

 

「確かに?」

 

 そんな戯れをしつつ、宗馬にケインとユークリム、KP7と一鉄、但馬も揃って、祐悟の姿を見て写真を撮りつつカードショップに向かった。残りの2人はゴートンの車で来る。買ったものをそれぞれ分類して事務所に置いていくためだ。

 レンタカーというわけではなく、ゴートンが持っている車で、唄上を回収してからこちらに向かうという。そんな先輩たちの行動を聞き、但馬がカプ厨を発揮して同期のコウスケに確認をしていた。

 

「車で迎えに行くってことは、オーちゃん先輩の家をご存知ということですよね?やっぱりお2人って付き合ってるんですか⁉︎」

 

「あー、マジな話わかんね。昔馴染みとは聞いてるけど、今がどうかってのは本当に知らない。ただ初対面の時にオーフェリアがゴートンを見て、何でここにいるんだって叫んだのは事実だな」

 

「こういうのはアレだが、彼女は良いところのお嬢様だろう?となるとゴートン君も良いところのお坊ちゃんなのかな?」

 

「そうだぜ、一鉄さん。ゴートンは今では普通に会社員として働いてるけど、それも実家の関連企業って話だし。でもオーフェリアみたいに一般常識とか金銭感覚が狂ってるとかはないから、まあマシだけど」

 

「昔馴染みとはいえ異性ですもんね。私たちが幼馴染だったとして、あそこまで仲良いの想像できる?ケー君」

 

「ないな。ハピともそこまで仲良くやれる自信はない。むしろ昔の弱みを握られていそうで怖い」

 

「あはは!それはそうだ!」

 

 ゴートンと唄上が昔馴染みとは知らなかった者が納得しつつ、ユークリムとKP7が例え話をしたものの、考えられないとバッサリ切る。

 そう言いつつ、逆に接点はこの1年くらいのはずのFORがとても仲良くなっていることに驚いているメンバーもいた。どこもかしこも基本は異性の同期だが、末っ子系甘え歳下女子がいるからとまるで家族のような雰囲気を構築できるかどうか。

 両親と子供という関係性が本当に安定して築けているということはVtuberの同期としてはかなり異常だ。1個先輩のKP7たちも仲は良いがプライベートは割とドライであり、それは他の先輩たちも同じ。後輩は同性しかいないためにそんな関係性になることもなく。

 大晦日と元旦も一緒に過ごし、初詣なども済ませている。そんな異性の同期なんているものかと。一般的な会社の同僚で考えてもそこまで仲が良いのは同性でグループを作っていてあり得るかどうかだろう。

 不思議なメンバーだなと思いながらカードショップの近くの有料駐車場でゴートンたちと合流。今回はお店のお昼休憩の時間にお邪魔することになるため、店員の方にお礼を言いながら入店した。

 配信をやるメンバーは福袋を見る。『ウィザーズ&モンスターズ』と『デュエキング』の福袋だ。その値段を見て驚く後輩たちだが、唄上は即座に注文をした。

 

「この250万の福袋をください」

 

「一番高い奴いった⁉︎」

 

「今年は節制するって約束は⁉︎」

 

「止めないでください!ヴィンテージ福袋と言われたらおそらく初期の頃の備品のはず!わたくしの家にも初期の頃のものまではないのです!」

 

 同期が止めるものの、唄上はカードで一括購入。車が買える値段の福袋ということで後輩たちは寒気がして、そこまでの物は買えないと他の福袋を見ていく。

 お店がかなり高級志向なために、どの福袋も高い。店舗オリジナルパック、通称オリパだって1袋2万のものなどがショーケースにあって、これは金銭感覚が狂うなと慄いていた。

 次に買ったのはゴートン。100万の福袋を購入。それにはすかさずコウスケが突っ込んだ。

 

「さっきオーフェリアのこと止めてたよな⁉︎」

 

「配信映えを考えたら、唄上並みのものも1つは必要だ……。あと純粋に気になる」

 

「やっぱこいつら似た者同士だ⁉︎」

 

 明日の配信に出る者はこのお店では安めの福袋、それでも本人たち的にはかなり高い買い物だが、それを買って間違わないように名札をテープで貼っておく。ちゃんと領収書を切ってもらうことを忘れない。

 他のメンバーも別の配信枠で『ポケクリ』のカードを開封する企画をやるため、その福袋を見ている。真紀や陽菜、ユークリムに但馬はこっちだ。

 

「ドロッセル様のはどちらにします?予算の上限は聞いていますが」

 

「これで良いだろう。あとはあの個人ショーケースの奴。面白枠をくれって言ってたから、アレなんて博打で良いはずだ」

 

「祐悟くん、個人ショーケースって?」

 

「お店の人ではなく、一般人があそこの棚を借りて売りに出している商品ですね。個人制作なので中の良し悪しを店舗が保証してくれない、かなりギャンブルな商品です。ネットオークションよりは実物が見れるので、大きさなどから判定できますが、正直あまり信用できない商品ですね……」

 

 祐悟の説明を聞いて、個人ショーケースを見るものの誰も買おうとはしなかった。だというのにゴートンと唄上は個人ショーケースの中でも最高値の5万の物を購入してしまう。ドロッセルのものを代理で買いに来たとはいえ、こんなことが許されるのだろうか。

 福袋を買った後はオリパの当たり商品を見たり、ショーケースにあるカードを見ていく。陽菜は大会で使っていたデッキのキーカードである『楽園騎士 リラ』のカードが500万と書いてあって驚く。

 

「いくらレアでも数字1桁間違えてない⁉︎」

 

「これ、世界に100枚もないカードなんだよ。この型番は世界大会のファイナリストしか持っていなくて、しかもこれ鑑定で最高品質だって保証されてるから、これでも結構お店は頑張ってる方だと思う。前はもうちょっと高かった覚えがあるし」

 

「こ、こわー……。これって枚数が少ないからこんな値段なの?それとも可愛いから?世界大会関連のカードだから?」

 

「全部だね。世界大会のカードでもまだマシなカードはあるし、これは原作アニメで登場したカードだから。純粋にカード人気もある」

 

 全員買い物を済ませて、お店を出る前に特別対応をしていただいたこともあってお礼を再度言ってから退店。各々分けて車に搬入。後部座席もいっぱいになるまで買ってゴートンたちは車で帰った。他の面々は駅に向かうが、このままご飯を食べに行こうとファミレスに向かった。お正月は個人店のほとんどが休みで、かつこの大人数が一気に入れるのはファミレスくらいしかなかった。

 今回コウスケは明日の配信に出ずに純粋に福袋が欲しくて買っていた。とはいえ彼も大学生なこともあって無理な出費はできず、配信のためとはいえ何十万もする福袋を買ったと言えば親に怒られるということ。

 だから親にバレないように買うしかなく、配信には出ない。そして冬休み中に卒論を仕上げてしまいたいということで配信のペースはかなり落としているということだ。

 卒論と聞いて遠い目をする大学卒業組。そんな物を経験していないFORやまだ学生の面々は卒論ってそんなに大変なんだと周りの反応で察した。

 

「専門学校って卒論とかないの?霜月さん」

 

「わたしは卒業制作はありましたけど、あくまで授業の延長でしたから。論文と睨めっこして、ということはなかったですね。短大とか専門はそんな感じです」

 

「大学は研究機関だからな。卒論がない私学もあるそうだが、やはり基本は卒論ありきの卒業だろう」

 

「まあ、もうほとんどできてて教授の修正くらいなもんなんだけど。発表会がなぁ、面倒なんだよな」

 

 そんなコウスケの愚痴を聞きつつ、食べ終わったら解散。

 FORの3人は祐悟の家に集まって配信ができない【SoF】の最終ルートを全員で見た。夜に1回中断を挟んで睡眠を取って合計10時間ほどの最終章をクリアしたら陽菜がびえんびえんと大泣きするほど感動してしまい、公式のグッズや関連書籍などあれば買おうとするほど。

 この年末年始は陽菜の感受性をかなり高めたようで、それが後々の作詞・作曲に活きるようになる。その結果が現れるのはもう少し未来のこと。

 

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