元俳優、タヌキVtuberに転生する   作:桜 寧音

71 / 126
『オーバーステッド』公式大会・RRR視点

 一方、『フラクティス』側でのボイスチャットではチームリーダーであるRRR(ルルル)が頭を抱えていた。彼らのチームは配信をしているのはRRRだけであり、他のメンバーはあくまでプロ選手というだけで配信を主にする人でもなかったので、配信環境がない人が多かった。

 慣れていない状況で配信画面を映してもコメントなどが気になって集中力が削れるだけだと考えて、彼らが所属するチームの運営事務所である企業はRRRだけの画面を映すことにした。

 今まで炎上などに無縁なまま気ままに練習配信をするだけのアカウントだったので、視聴数もコメント数も過去最大だが、全く嬉しくない。炎上しているためにコメントでも罵詈雑言が溢れている上に、『フラクティス』で唯一配信をしているため彼らのチームを確認したい人間は全員この枠に来ていた。

 RRR自体はプレミもしていないし、発言も問題ないものだけだ。ただそれは配信上だけのこと。コメント欄の内容なんて見る気も起きず、所属事務所からのメッセージを見てこの短い時間で話すべきことがある。

 これからは事務所の規約などの話もするのでボイスアプリのチャットで話すことを伝えた。全員の音声をミュートにしたことを確認して、話し始める。

 

「……キャラ交代は、あちらがOKと言っていたんだ。責められるのは試合時間に間に合わなかったことだけとはいえ、公表されているルールに明記されていなかったらしい」

 

「いや、時間に間に合わなかったのはこっちのミスだけど、明記されてなかったのか⁉︎」

 

「それで俺の配信画面は炎上しているらしい。これは事務所側から抗議の連絡をする。で、次の試合はキャラ変更なしだ。俺以外はセットアップを完了させておいてくれ」

 

「フィールドやルールごとにキャラを変えるなんて他の大会だったら普通のことなのに、マジかよ……。遅れたのは、悪い。まさか入り直すのにルーム番号とパスワードとわけのわからない認証をさせられるなんて思わなくて……」

 

「他人とのマッチでこんなことになるとは想定してなかった。次は試合に集中しよう。勝てば本大会のシード枠が約束されているんだ。実力で勝つぞ」

 

 このゲームが製品版になったらアメリカで大々的に世界大会を開くことになっている。これはまだ公式で発表があったわけではなく、そういう密約をプロチームは交わしているわけで、今日の公式大会はそのシード枠を貰える貴重な大会だ。

 FPSの世界大会となれば国代表になるのも難しい。プロ以外でも参加できるので予選こそが一番難しいと言われるレベルだ。これを毎度勝ち上がって世界大会に出ているハピハピは化け物と言っていい。学生からアマチュア、そしてシードをもらえなかったプロを薙ぎ倒して枠を奪い取る。

 試合数が増えればちょっとしたミスで勝ち上がれなくなる。RRRもシードを貰えないのはかなり厳しいと考えている。だからこそ次の『ゼムキルオール』ではハピハピを最大限警戒しなければならない。

 世界大会の本戦に出ればそれだけでスポンサーに付く企業が増える。それはつまり給料に直結する。要するに新しい仕事を得るために今回の案件を受けて、次に活かそうとしているところだった。

 先行配信版をプレイできるのは他のプレイヤーよりも操作感などに触れることができるので有利になり、製品版もリリース次第回して貰えることになっている。案件自体のギャラも貰えて一石三鳥となるような案件のはずだった。

 炎上商法なんて狙っておらず、純粋にFPSプレイヤーとして真っ当に参加したつもりだった。

 だが、気付けば予選敗退の崖っぷちにおり、視聴者からの評価は最悪だ。この悪印象から脱却するにはかなり労力を使うだろう。

 

 エクリプスとの2戦目だが、これについては『フラクティス』からしても言い分はあるのだ。遅れてしまったのでルームに復帰できた時点ですぐに試合を始めようとして、始めたら向こうが全く動かなかったのだ。向こうもセットアップを開始していたので準備万端だろうと思っていた。

 戦略的に自陣をあまり取らず、前線で戦うような戦略だと思って、エリア制圧のポップアップが出ないことを気にも留めなかった。こちら側の編成的にサポートキャラもいなかったので索敵もできずに相手の位置を把握できなかったのも大きい。

 それで試合を進めていたら事務所のマネージャーから相手が抗議のための電話をしてスタート地点から動いてなかったという。不手際があったのだから再スタートをかければ良かったのだが、ゲーム運営から試合は続行という判断が出た。試合中何も言われなかったために続行して、終わったらこの有様だ。RRRとしてもどうしろという話ではある。

 『フラクティス』の方が落ち度は大きいが、抗議を続けて2分も試合をしなかったエクリプスも悪いと感じているのが『フラクティス』メンバーの総意だ。最も一番悪いのは確実にゲーム運営だが。

 

 彼らも教えられたルールの内容でゲームに臨んだだけではある。遅刻はまずいが、世界大会で時間にルーズな国の選手も多い。むしろそちらがグローバルスタンダードになっている現状、世界大会に多く出場している『フラクティス』のメンバーからすればちょっとぐらいの遅刻ならむしろ時間を割と守っていた方ではある。

 日本人は電車から何から、時間に正確すぎる。これは日本での公式大会なので時間を守れと言われたらぐうの音も出ない事態ではあるが、彼らにも言い分はあった。

 さっきの勝利にケチがついたために、次の『ゼムキルオール』で完璧な勝利を求めなくてはならなかった。

 後から2試合目の推移と、試合のたびのキャラ変更については他のチームに通告されておらず、それどころか一部の選手にはキャラ縛りの制限もあったと知って不自然に整えられた状況に、腑に落ちなかった諸々に得心がいくのと同時にふざけるなと彼らも声を挙げることになるのは少し後のこと。

 ハピハピが何も特徴のない、真っ平らなステータスとスキルを持ったキャラを使っているなんておかしいのだ。彼女の得意なスタイルならば速度重視の手数で攻めるキャラが得意なはずで、そういうキャラは実際にいる。なのにそのキャラをピックしなかった理由がわからなかったのだ。

 準備時間はかなり短かったので、チーム内での会話はそこまで。飲み物を取ってくると言って離席していたテイにしたので「戻りました」と声をかけて全員分の声を配信に載せる。

 とやかく言われていることは後回しだ。もう試合が始まってしまう。遅刻については2人に音声で配信上で謝らせて証拠を残しつつ、作戦立案に入る。

 

「次は流石に新フィールドじゃないな。キルされたら即終了の一発勝負だ。警戒するのはもちろんハピハピ選手だが、絹田選手にも注意しろよ。スナイパーとしてエイムは正確だし、あの特大デメリット付きのロマン砲スキルを持ったキャラを選んでいるんだ。あれでやられたら承知しないからな」

 

「索敵スキルなしのサポートなしなのに無茶を言うぜ。でもあのキャラなあ、対物ライフルとスナイパーライフルを持ち替えられるメリット以上に、あのロマン砲でスキルが1つ潰れるのは割に合わないよなあ。ネタキャラだろって速攻選択肢から外したのに、使う人がいるなんて」

 

「彼の対処はスナイパーの俺たちがやる。彼を倒せたら随分楽になるだろ」

 

 サポート付きのスナイパーというのは連携が上手く行ってる相手だとこうも厄介かと舌を巻いていた。サポートをするような人種はおらず、彼らはFPSプレイヤーなので援護となると援護射撃というエイム力がモノを言うゲームばかりだった。こうもRPGチックなサポートが実装されるというのは予想していなかった。

 使ってみてもしっくり来なかったのでフルアタック編成にした。FPSで食べている人間なのだから長所を活かそうと思っていた結果が今なのだが、バフデバフの高い効果と索敵という厄介さはNPCと戦っていてはわからないものだった。そもそもNPCはバカみたいな難易度になっていたので早々に投げて、訓練場で操作を覚えた程度だ。

 

「エクリプスはめちゃくちゃ練習配信をやってたから連携とかも上手いんだろうな。よし、行くぞ!」

 

 試合が始まり、索敵がないのでスナイパー2人に索敵を任せるところはある。位置はなんとなく読めるのと、射線もフィールドから推察できる。まっすぐにごん太のレーザー砲が飛んでくるとはいえ、味方を巻き込まないような射線は少ない。

 一直線になったらダブルキルもあり得るので、全員で散開して各個撃破の形を取る。ロマン砲のスキルを使わせれば対物ライフルもなくなり、スナイパーの距離という意味では勝てる。ロマン砲も弾速はそこまで速くないので位置次第では見てからでも避けられる。

 ロマン砲を警戒していたものの、一向に撃たれることはない。相手は索敵スキルを持っているので狙おうと思えば狙えるはずだ。それでも放たれないために、ロマン砲に警戒していることは相手に筒抜けのようだった。

 

「ロマン砲は来ないな。スナイパー2人、狙われるのはそっちのはずだ!索敵しつつ音にも警戒しろよ!」

 

「オーライ!こっちエリアD-22辺りを警戒してるが見当たらず。捜索範囲を変えるぜ」

 

「D-18~20辺りにも居ないな。中央突破か?RRR、そっちは人影はなしか?」

 

「いないな。籠城作戦?くそ、割と広い上に廃墟の障害物が多いエリアだと索敵できないのはキツイな。スナイパー2人はEFに篭ってるように。絶対にDには来るなよ、狙われる」

 

「芋スナに徹するぜ」

 

 試合が始まってから割と時間が経っているが、静けさを保ったままだ。前衛組がDの衝突エリアに集まりつつあるのに敵影が全く見えないのだ。これ以上進んだら奥のエリアに籠っているスナイパーの餌食になる。相手を削るには無理にでも中央から奥に行かなければならないが、相手が待っていたらそこは虎の穴だったりするわけだ。

 RRRはリーダーとして思考を巡らせる。相手が配信者だということも考えて、いくらこちらに怒りを覚えているからといって短絡的な作戦を取るかと言われたらそれはNoだ。

 こっちは基礎に忠実なオーソドックスな戦法。シンプルなものが一番強いというのは地力があり自信もあるからだ。相手はFPSプレイヤーと呼べるのはハピハピだけ。他のゲームは慣れているだろうし、FPS自体は触れているのだろうが、プロの目からすれば素人に毛が生えた程度。

 そんな実力でもこの短期間の詰め込みで勝てる戦術を立てて実行してくるのだから侮れないのだが。

 そして、事態は一変する。

 前衛の1人がやられたのだ。

 

「悪い、スナイパーだ!視界内に誰もいなかった!」

 

「リロードですぐには撃ってこないぞ!最大弾数は5発、それを避ければ当分ハラスメントはない!今いる場所から離れろ、索敵スキルでバレてる可能性がある!スナイパーはDのエリアだ!D-50~60番台にいないか⁉︎」

 

「そこは範囲外だ!俺がDに入る!パターン5な!」

 

「え、うおっ!ヤバい、スピードスターとバッファーが来てる!エリア内にまで侵入されてたのかよ⁉︎」

 

 リリにやられて次善策を打とうとしたが、その前にFに居たスナイパーがジョンとユークリムに接近されて至近距離による銃撃戦を強制されていた。だがスナイパーは寝そべらなければ弾を撃てないタイプなのでそこまで接近された時点で割と詰みだ。

 意地でユークリムと相討ちにしたが、これで4-5。数の不利は変わらない。

 時間をかけていたのは索敵もそうだが、スナイパーを確実に潰せる距離まで接近するためだった。スナイパー2人はかなり警戒をしていたつもりだったが、遠くばかり見てスナイパーのリリを探すことに注力してしまい、自分たちを探している前衛に気付けなかった。

 ジョンとユークリムは最短距離でエリアFに向かい、接近と同時にリリが前衛の1人を落とす。その混乱に乗じてスナイパーを狩るという考えだ。

 そして彼らは、最初の前衛が7発も当てられて(・・・・・・・・)倒された事実を共有できなかったことが一番の問題ではあった。当たる場所によってはダメージが違うことを把握していたからこそ、HPの減りかたについて疑問を覚えることはなかった。

 戦況は一気に動く。中央でハピハピを中心とした前衛集団がRRRたちを襲う。KP7がデバフをかけて、ポラリスがハピハピを守るように牽制を仕掛ける。そこに、RRRは視界外からの攻撃を受ける。スナイパーのリリに攻撃されたというのはわかるが、それにしては威力が低い。

 前衛を遠距離から排除されたというのに、威力は低く彼からは視認できない。そして避けながら対物ライフルではあり得ない弾数の多さに、リリが何をしているのかわかった。

 

「対物ライフルじゃない、スナイパーライフルだ!弾数が多いぞ!」

 

 RRRがそれを忠告しても、それで注意を引かれた人間はハピハピにキルを取られる。

 そしてもう1人のスナイパーもリリのロマン砲の餌食になり、残り2人。ポラリスとリリがやられるが、スナイパーを倒したジョンが接近してRRRをハピハピと挟撃して倒しきる。

 人数差も、そしてハピハピのスタンダードなキャラなのにしっかり練習したであろう動きでRRRたちよりも凄い動きをしていたことと、チームの連携力では全く勝てていないなとコントローラーを投げ出す。

 最後の1人もハピハピによって倒され、完璧な形で負けていた。

 

「うん、ナイスゲーム。エクリプスの皆さん、すっごく強かった。完敗ですね、ありがとうございました。これで『フラクティス』は敗退です。遅刻した2人、すぐに遅刻のことSNSで謝って。あと2試合目については続行の判断を下した運営にちょっと確認を取ります。ではまた次回」

 

 RRRは配信を終わらせてすぐにSNSでリーダーとして遅刻に謝りつつ、事務所のスタッフに状況を詳しく聞いてゲーム会社へ抗議の文章を送る。

 彼らも練習が全くできなかったことと新フィールドについてなんて全く知らなかったのだ。プロとはいえ必要なものはアドリブ力ではなく、徹底した練習の成果を本番で見せつけることだ。彼らだってフィールドやルールごとに作戦を考えるが、それができなかったのは運営のせいだ。

 炎上はしばらく続いたが、事務所から正式な状況説明の文と、メンバーそれぞれの謝罪が出たことで『フラクティス』への誹謗中傷はだいぶ減った。

 それに比例するように『オーバーステッド』の運営会社は炎上に晒されることになる。

 

──────────

 

「勝った!勝った‼︎勝ったよ、みんなー!」

 

「おらあああ!プロチームにだって勝てるんじゃい!」

 

「ふーーーーー。最後オレとハピちゃんだけだったじゃん!キツイってー!」

 

「でもジョン先輩、ナイスアシストでしたよ?私と一緒にスナイパー倒してくれますし」

 

「決勝が決まったんだから休むぞ。1時間しっかりと休んでベストコンディションにするべきだ」

 

「そうですね、休みましょう。あー、疲れた」

 

 ハピハピ先輩、強すぎやしないだろうか。ジョン先輩が1、俺が2キルなのにハピハピ先輩は3キルだ。それもほとんど本人の腕によって成した結果。

 純粋にFPSが強すぎる。

 

「じゃあとりあえずこの枠は解散にするね。1時間に決勝戦用の枠を各自で取ります。ご飯食べよーっと」

 

「賛成。エネルギーを使いすぎた」

 

「糖分糖分!チョコ食いてー!」

 

「それじゃあ皆さん、一旦お疲れ様です」

 

『マジで勝っちゃうのはすげえよ!』

『次のプロにも勝って大会優勝しちゃおうぜ!』

『あ、向こうはプロ勝ったんだ。配信者チームは全滅か』

『今の内にトイレ行っとこ』

『SNSがヤバイな……。エクリプスがトレンドに上がってるけど、ほぼほぼ炎上ありきのピックアップだし』

『霜月エリサ:決勝だー!2キルグッジョブ!』

『水瀬夏希:あれ?もしかしてリリちゃんって凄い……?』

『スナイパーとしては大会屈指のサポート力、キル数だぞ』

『同期だからこそ凄さに気付いてないのか……?リリのスナイパー、結構随所で褒められてるぞ?』

『お疲れー。また次の枠で』

 

 配信を一旦閉じて、次の枠を用意してトイレに行ったり冷蔵庫からアイスを持ってきて食べる。

 その後にFORで電話をして、チームメンバーと会話をしながら1時間の休憩を謳歌した。

 SNSが酷い状況になっているけど、そのことについて話し合う。『フラクティス』からもハピハピ先輩に直接謝罪のメッセージが来たようだ。

 

「なんかキャラピック変更しちゃいけないって向こうは知らなかったっぽい?遅刻については謝ってるね」

 

「明文化しなかった運営の落ち度か?ファクトチェックとかしないわけ?」

 

「こういうの、格ゲー大会でやったってボコボコにされるよ……。明文化されてないことは基本禁止が常識だし」

 

「向こうのチームは運営にキャラチェンジしていいか確認取ってたんですかね?それ次第かも」

 

「公式放送の方でマッチ中のキャラチェンジは禁止って出たな。遅すぎるだろ」

 

「これ、ウチが勝ってなかったら面倒なことになってましたね……」

 

 運営側の対応が杜撰すぎる。これでウチが負けていたら2試合目が有効試合にならずに再戦とかも有り得た。

 決勝ではこんなことにならないようにと、改めて運営側から暫定ルールの再確認の場を設けられたのでそこのボイスチャットに参加してくれと言われた。試合の開始時間も後ろ倒しにして、不安点を聞いてくれと言われたのでそれについて両チームから色々と質問が出た。

 運営の大元であるアメリカの会社に確認しつつ、不安点は潰しつつ、一番納得いかなかった回答が1つあった。

 

「はぁ⁉︎また新フィールドを増やすんですか⁉︎」

 

「この2つのエリアをこの大会で初お披露目するようにと本社側から言われておりまして……。す、すぐにミニマップを配りますので!」

 

「いや、だってこの会議が終わったらすぐ試合をするつもりなんでしょう?マップを見ている暇はありませんよ!もう出しちゃった方は仕方がないとしても、更に新しいのはやめてくれませんか?」

 

「こちらとしても新フィールドは辞めてほしい。そんな公式大会、聞いたことがないぞ?いくらテスト版とはいえ、あくまでネットワーク接続のテストでありフィールド検証のテスターではないはずだ。予習した結果を見せるのが本番なのは勉強だろうと変わらないだろう?」

 

「本社の決定には逆らえないんです!以上で会議を打ち切らせてもらいますね!」

 

「あ、ちょっと──!」

 

 ハピハピ先輩と相手チームのリーダーが新フィールドについて拒否したのに、ボイスチャットの会議室を開催者権限で閉じられてしまい、これ以上の確認はできないようだ。

 逃げたなあ。

 エクリプスのボイスルームに戻って、お話にならないと溜息をつくハピハピ先輩の声が。

 

「私、『オーバーステッド』の大会には出ない。製品を提供されても絶対にやらないや」

 

「全員そう思ってるぞ、ハピハピ。日本の会社はあくまで子会社というか支社でアメリカの本社には逆らえないのかもしれないが、それにしたって雑だ」

 

「新フィールドが何試合目かもなかったし。ふー……。最後のマッチ、配信者としてがんばろっか」

 

 そんなハピハピ先輩の声は、好きなゲームのジャンルをやっている人の声ではなかった。

 だからか、KP7先輩が彼女を慰める。

 

「これが終わったら飲むぞ。飲まなきゃやってられない」

 

「さんせー!私も飲むー!」

 

「この6人で飲みに行くか。それも配信しようぜ」

 

「ジョンはただ女の子侍らせたいだけだろ」

 

 俺も強いお酒を飲みたい気分だ。それだけを楽しみに次のマッチを頑張るか。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。