元俳優、タヌキVtuberに転生する   作:桜 寧音

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朝活~V事甲についても話そうかな~

 ドロッセル先輩がエクリプス学院を完成させた。スケジュール的に彼女が忙しかったこともあるが、彼女の育成が遅くなった原因は公式戦を勝ち過ぎたからだ。

 『ウルプロ』は公式戦に負ければその時点で育成は終了。ともすれば試合数が少ないチームが育成を早く終わらせて、勝ち進むチームは長丁場となる。早い段階でコンスタントに配信をしていた人もいるが、強いチームこそ育成最終日まで配信は長引いていた。

 ドロッセル先輩なんてラストは3日連続5時間配信という、よく集中力が保てるなというようなとんでも強行スケジュールだったし。似たようなスケジュールになっていたチームが3つもあったことに俺は驚いたけど。

 ドロッセル先輩の何がいけなかったって、参加できる公式戦全てに参加したこと。地区大会はもちろん、神宮大会と甲子園に全部参加して、練習試合を引けていたらそれもやっていれば時間がかかる。甲子園の1戦は50分くらいかかるために、配信がどんどん延びていった。

 延びるたびに俺たちアドバイザーチャットが動いて、このスケジュールなら行けそうだと話し合った。育成については最初に教えたこと以外はほぼ教えず、彼女の味を出すために各選手の能力を上げる方針などは何も伝えていない。

 

 結果として最後もちゃんと春夏連覇したドロッセル先輩は名将としか言いようがない。秋の神宮大会も制覇しているので全国大会3連覇で幕を下ろしたのは俺だってあまりやっていないこと。スタートで転生選手が2人いたからってこれは凄すぎる結果だ。

 最後なんて4万人に見られながら優勝してたからなあ。深夜2時すぎまで起きてたから今日の朝配信は眠かった。『ソラソラ』のデイリーミッションやイベントクエストをやりながら雑談をするのが精一杯だった。

 エースの唄上先輩が参加チームの中でも屈指の化け物に育ったのはもちろん、全国大会に全部出場しているせいで他の選手もやばいくらいの成長をしている。

 『ソラソラ』のスタミナがなくなった時点で、ドロッセル先輩の育成を振り返る配信に切り替えた。配信のスクリーンショットで選手の能力を撮ってきたのでその能力を見ていく。

 

「はい。エースの唄上先輩ですね。篠原選手が基となっています。星954とか化け物ですよ、これ」

 

『カンストまで惜しかった〜!』

『球速165km/h、コントロールスタミナS、フォーク7縦カーブ5、カットボール4。金特で『強心臓』と『怪童』の2つ持ち。その他にも『奪三振』とかの強い能力たくさん……』

『野手能力もミートDパワーB走力C肩力B守備Dとか、普通に他のチームのクリーンナップレベルとかやばすぎ』

『野手能力って何も育てようとしなくてもここまで伸びるんだ(白目)。FDDCEだったのに』

『初年度からエースで全国大会全部出場ってそういうことだから。投手の野手能力の上昇値って野手と比べて抑えられてるはずなんだけどなあ』

『誇れ、オーちゃん。君がエースだ』

 

 強い。いや、他の事務所の方もめちゃくちゃ上振れて金特を持っているために割と良い試合になりそうなのが驚きだけど、これでも1強と呼ばれない環境が怖すぎる。

 エースというか投手能力だけなら迫れる選手が他にもいるんだよな。野手能力も合わせて唄上先輩が星総数でトップなだけで。

 

「続いてコウスケ先輩ですね。星403なのに3番手投手なのか……」

 

『スタミナCだから先発は厳しくても、能力値的には全然戦える。球速144km/hで止めて『対エース○』の発動条件を避けたのが偉い』

『明らかな変化球育成。他の2人との差別化もあって変化球メインにしてたけど、こんなのが3番手で出てきたら発狂する』

『だって、てんてぇが強すぎるんだもの……』

 

 総変化量15、球速144km/hでコントロールとスタミナCは十分強い選手なんだけどな。まあ、コウスケ先輩の面白いところは合宿という特殊能力を低確率で手に入れられるイベントで悉く野手用の特殊能力を手に入れてドロッセル先輩を発狂させていたことだけど。

 

「続いてネムリア先輩。こちらが2年生ですけど2番手投手ですね。現役選手の白石選手の転生です。おかしいなあ、2番手投手で野手のサブポジションも付いてないのに何で星が521もあるんだ……?」

 

『あまりにも輝く160km/h』

『あのビジュアルから160km/hぶち込むの想像できんwww』

『コントロールCはしょうがないとして、スタミナAあるからロングリリーフ楽勝なんだよなあ』

『あのー、こんな本格派投手にリリーフ最強能力の『威圧感』が見えますが?』

『なんか特訓で付いた』

『なんか、で付けていい能力じゃねえんだよなあ』

 

 ネムリア先輩は能力が高いことはもちろんなんだけど、注目すべきはリリーフ登板をした時に相手の打者能力を落とす『威圧感』を持っていること。野手投手限らず、この能力を最優先で付けたいと思うめちゃくちゃ便利能力で、要するに相手にデバフを撒くことができる。

 ただでさえ強いのにデバフはヤバすぎる。唄上先輩を倒した後にネムリア先輩とか倒せる気がしないんだけど。

 

「4番手投手はケイン先輩ですね。星316は本当に強いんですよ?こちらもコウスケ先輩のように軟投派投手ですね。球速138km/hながらこのスローカーブ7とSFF4にシンキング2シーム2は見事としか」

 

『盤石だな、投手陣は』

『ケイン出番あるかなあ?ぶっちゃけ他の3人が強すぎて出番なさそう』

『ベンチメンバー全員出場は無理だろ。特に野手は使いきれないだろうからな』

『コウスケとリリとの試合に期待しようぜ』

 

 投手陣がしっかりしすぎていて今大会では出番がなさそうなケイン先輩。俺とコウスケ先輩と戦うエキシビジョンマッチで活躍してくれることを祈る。

 投手陣はここまでで、ここからは捕手だ。

 

「キャッチャーのゴートン先輩です。いやあ、守備型にしたんですね。結構珍しいというか。いやでもミートもパワーもCあればそこまで守備型とも言えないかな?」

 

『CCCSB。まさかの肩S』

『ドロッセル、マジでオーちゃんの『クイック×』気にしてたから……』

『プロOBのおかげで赤特全部消えたからそう簡単に走られないけどな!』

『これ、『盗塁◎』でもAI的に走らないだろ。投手の球速も速くて肩がこれならまず走ってもアウトだし』

 

 投手の能力にバフを付ける『キャッチャー◎』も持っているためにキャッチャーとしてはかなり良い。盗塁をさせないために肩を上げるのもありだけど、正直3年育成でここまで基礎能力は上げづらい。野良の選手なのにすっごく頑張ったなと思う。

 控え捕手は実のところ、エクリプス学院にはいない。全員コンバートをして捕手もできるがメインは違う場所なことが多い。

 

「こちらメインポジションが捕手になっているのでここにいますが、サードのレギュラーの宗方先輩です。『送球○』を活かしてサードにコンバートしています。守備と肩がBで走力Cは本当に守備のチームにしていますね」

 

『ミートはAでパワーもBだぞ』

『元が星200超えてたんだっけ?にしてもここまで強くするとか』

『ドロッセルってバランス型の守備寄りのチームだよな。打撃能力は特殊能力で補ってる感じ?』

『実際育成中、エラーがほとんどなかったし。この投手陣にこの守備能力は鉄壁だよ』

『かといって打撃が弱いわけでもなく。甲子園で2桁得点してたし』

『これで2年生?まだ強くなるってこと?』

『こんな栄光がやりたかった……』

 

 ちなみにサードに宗方先輩を置いたのは、投手としてのネムリア先輩のことを見やすいだろうからという発言があった。あの人も大概関係性オタクなところがある。

 元捕手というのも最初はネムリア先輩のキャッチャーを務めていたとかならエモいとか言ってた。そんな感じで結構な妄想を溢していたからか、エクリプス学院IFという二次創作が流行っているらしい。

 エクリプス学院に通うライバーはどんな感じでエクリプス学院に来たのか。そんな創作がファンアートやテキストでSNSや二次創作用のアプリで大量に流れている。こういうのファンって好きだよね。FORのタグがあった奴は目にしている。

 

「控え選手で、キャッチャーのチェリーさんです。1年生なので仕方がないですね。これはドロッセル先輩の癖なのか肩だけ上げています。1年生なのにBありますよ」

 

『守備固め、なのか?』

『育成時間が足りなすぎる。サードのサブポジを最初から持ってたから最悪サードでの守備固めでワンチャン』

『守備Dは初期からだからな。守れなくはない。ただレギュラー陣が強すぎてわざわざ代えるかって問題が』

 

 チェリーさんは最終年度に入ってきた選手なので、一芸特化にしているようだ。肩を上げているのは出番を考えてか、俺たちとのエキシビションマッチを見据えてか。

 初期の能力が悪くなかったから使えなくはないくらいに能力が整っている。ミートEパワーE走力E肩力B守備Dは1年生としては破格の能力だ。

 レギュラーのゴートン先輩も宗方先輩も強すぎるのでおそらく出番はない。『キャッチャー○』の特殊能力もないので優先する理由がない。

 この辺りはほぼデビュー順なので最終年度のライバーは仕方がない部分がある。

 

「続いてファーストの真崎先輩。走力Dの肩Eなのに守備BのミートSとパワーAはやりたい放題しているなと」

 

『これで打順としては3番なんだぜ?』

『4番がエリーだからな。初年度転生はべらぼうに強い。特殊能力もやばいし』

『これも2年生なんだよな。まさしく黄金世代』

『初年度の転生2枚抜きばっかり取り沙汰されてるけど、正直他チームと比べてこの2年生の引きが戦力の決定的な差を産んだと思ってる。ぶっちゃけ弱い選手いなかったんだもん……』

『戦力にならない選手が多くて、2人くらい当たりがいればいいってくらいなのに、ほぼ全員強かったもんなあ。さすが強豪バフ』

『いかに初年度で評判を上げるかだよなあ』

 

 打撃能力も高いのに守備をしっかりと上げているのが凄い育成頑張ったんだなということが見て取れる。投手を除いて内野全員守備B以上は堅すぎる。

 

「こちらは控え、代打要員と思われる宗馬先輩です。ミートパワーAで守備もCなので代打の後にそのまま起用もできそうですね。これで控えですか」

 

『『代打○』をしっかり付けてるのすこ』

『控え?クリーンナップでもいけるだろ』

『走力と肩が低かったからサブポジも付けてないんだよな。マジでファーストか代打専用』

『守備要員は他にもいるし』

 

 走力と肩がEなのでレギュラー陣と比べたら守備は劣るものの、守備固めの選手は他にもいる。それに投手のほとんどの選手よりは打てるのでいざという場面であれば代打で活躍するだろう。

 正直他のチームの4番よりも強い可能性がある。他の事務所のチームは詳しく見ていないのでエースの能力くらいしか見ていない。大会当日になったらわかるだろうし、大会は色々な人と同時視聴するつもりだからその時に分かればいい。

 選手能力を比較しても、強い選手だから勝てるというわけでもない。能力が高ければ活躍しやすいが、あくまでしやすい程度の指標でしかない。色々な要員の組み合わせで試合は動くので、強い選手が全く活躍しなかったり、弱い選手が活躍したりする。

 

「続いてセカンドのレギュラー。僕です。守備Sかぁ。走力もBで肩がC。ミートBのパワーEという、なんか好守巧打のセカンドっぽくてすごく好みな選手ですね」

 

『惚れ惚れする美しいステータスだ……。こういうセカンド俺も大好き』

『ミートは高いけど、打撃能力ほぼないのがな。そのせいでずっと育成中は9番だった』

『リリが出て上位打線に繋がるからこれはこれでアリ』

『守備Sに『守備職人』持ちのセカンドは本当に鉄壁。育成中にどれだけファインプレーを見てきたか』

『守備範囲広すぎるんよ。オーちゃんの完封祭りの要因にはなってるな』

 

 よくあの初期値でここまで育ててくれたと思う。通算打率も3割乗ってるし、これならきっと本戦でも活躍してくれるだろう。

 初年度の野手って2年目の新入生に良い選手がいたら控えになりやすいんだけど、ドロッセル先輩のチームでは誰1人控えになっていない。それだけ育成が上手くいった証拠だ。

 

「セカンドの控えですけど、内野守備のエキスパートですね。ジョン先輩です。ショートとサードも守れるので宗馬先輩の後に守備固めで出てきそうです。ちゃんと守備Aの走力Bあるのが偉すぎる」

 

『守りまで完璧とかやべーよ』

『その代わり打撃能力が悲惨だな』

『一点つっぱの方が強いし、レギュラーになれない選手なら何かの特化にする方がいい』

『なのになんでか『広角打法』ついてるんだよなあ……w』

『合宿で狙ってないのに付いた』

『あるある』

 

 合宿で能力を付けようとする選手はランダムで選ばれるから、予想していない選手に強い噛み合わない能力が付いたりする。足の遅い選手に走塁系の能力が付いたり、ジョン先輩のようにおそらく打席には立たないのに打撃の能力が付いたり。

 

「そしてショート。元々は大田原選手の転生ですね。同期の霜月さんです。……野手で星576とか見えるなあ」

 

『バ ケ モ ノ 2 人 目』

『2年目でオーちゃんと一緒に世界大会行った天才』

『『魔術師』とかいう『守備職人』の上位互換金特持って帰ってきたのはマジで珍しい。打撃成績で世界大会行ったのに守備系の評価をされるというおかしさ』

『通算打率0.487、通算本塁打15本、通算打点58。まごうことなき化け物です』

『ずっと打ってる印象しかない。ほぼ2回に1回ヒット打ってるんだからそりゃそうか』

『ミートSパワーS走力S肩A守備Sとかいけるんだ……。守備はカンストしてるし』

『間違いなく今大会最強野手。他のチームの天才より強いのどういうこっちゃねん』

『天才は基礎能力伸びやすいけど特殊能力が転生と比べて少ないから……』

『勝利数による暴力』

 

 育ち切ったなあ。俺も灘さんで似たような能力にはできたから、あれだけ勝ち続けたらこうもなる。それにドロッセル先輩の場合、初期にグラウンドレベルとか練習機材を導入してたから普通にやるより能力が伸びやすいんだよな。

 最上級生が弱すぎることを避けるためのルールだったんだろうけど、それってつまり最初の1年生が強かったら手の付けられない化け物になるってことで。

 その成果が唄上先輩と霜月さんだ。

 

「ショートの控え、遅れてきた天才型のハピハピ先輩です。まさか最終年度に天才が来るなんて……。ショートで来ましたが、外野のサブポジションを付けているので運用としては外野での守備固めか代打でしょうね」

 

『オールCの走力だけBはこれはこれで美しい』

『たった4ヶ月でここまで強くなったの?やっぱり天才型っておかしいな』

『走力Aまでもうちょいだった。でもレギュラーにはなれない悲しみ』

『ハピハピの加入が他チームにとっては絶望の一手だったらしい。喉から手が出るほど欲しい選手を必要としていないドロッセルが引くんだもん……』

『それもこれもリリが悪い。何でこやつ、低確率ぶち抜きまくるの?』

『それはそう。お前がいた新入生ガチャ見返してみろよ。おかしいだろ』

 

 何でか引いてしまった天才。最終年度に転生選手はいなかったものの、ほぼオールDくらいの天才を引いてしまったのがドロッセル先輩を困らせていた。強いのにレギュラーにできないジレンマもありながら平均的に能力を伸ばしたらしい。

 これは相手チームが発狂しても仕方がない。

 

「サードの控え、ユークリム先輩です。代打特化でミートがB。うん、強い。守備面は全然育ってないので投手への代打として、ですかね」

 

『1年生としては本当に強い。ミートしか上げてないから代打でしか出番がないけど』

『まあ、ここからの選手よ』

『守備要員も代走要員もいるからユークリムはとにかくヒット打ってもろて』

『甲子園で勝ちまくるのって凄いんだな。ここまで上がるんだ』

『能力値が低いと一瞬試合に出ただけで能力値が4上がったりするからな。弱い選手の下駄履かせって意味ではかなり優良』

 

 控え選手の能力を見ても、下手したら他のチームのレギュラーより強い可能性があるのが恐ろしい。2年目の夏甲子園で準優勝をして以降負けなしのチームだと試合経験点がハンパないことになる。

 宮下選手を作成した時も控え選手の能力値がおかしかったもんな。やっぱり勝つって正義だ。

 

「ここからは外野手ですね。同期の水瀬さんです。センターを本番でも守るでしょう。……覚醒してたなあ」

 

『まさかのなちゅが覚醒とはな。しかも2年目秋大会前に』

『世界大会終わった直後だったか。あの覚醒でセンターのレギュラーを不動のものにした』

『ミートSパワーB走力S肩力C守備S。あの、スタート凡才ですよね?』

『一応準天才の、性格ごくふつうだからな。全能力が伸びやすいからこうなった』

『凡才でS3つはやばすぎ。甲子園最後の試合でミートもSに乗ったのはすげえや』

『打撃の特殊能力も良いの持ってるから1番打者として完璧』

 

 覚醒という、選手の誰かが能力値を一気に伸ばすイベントがある。それを水瀬さんが引いた形だ。全能力が伸びるのでできたら野手より投手の方が良かったが、唄上先輩が強くなるより野手が強くなる方がチームの総合力としては厚みを増しただろう。

 結果として能力が上がりまくって水瀬さんは外野手として最強の名前を手にしている。転生選手や天才選手に引けを取らない。

 

「おそらくライトでの起用ですかね。亜麻井先輩です。打順は2番かな?走力A肩力B守備Bは本当に強い。これ犠牲フライも結構減りますよ」

 

『ミートとパワーもBだからな。初期値高い2年生のスカウト組は本当に化ける』

『バランスめっちゃ良い……。好きだ』

『これがセンターじゃなくてライトという選手層の厚さ。他のチームだったらセンターで4番にできる』

『特殊能力の問題でクリーンナップが精々じゃない?それでもべらぼうに強いけど』

 

 2年生が2年生の強さをしていない。本当は3年生が10人いるんじゃないかと思うほど能力値が高い。栄光ナインを数年に渡ってプレイすれば名門校となって新入生を10人確保できるが、ドロッセル先輩は3年縛りでここまで強いチームを作り上げている。

 最後の方、栄光ナインでは珍しく自分のチームの評価がAになってたもんな。俺もAまで上げられたことは数少ない。控え選手も参照されてしまうために評価が高くなりにくい。投手の野手能力も換算されてしまうために打撃・守備・機動力がほぼMAX評価にならない。

 控え選手込みでAランクのチームを作ったドロッセル先輩は本当に自慢をしていい。

 

「レフトでの起用になりますかね。ポラリス先輩です。走力はS、守備もB。ミートはAですがパワーと肩力がDですね。育成中は7番を打っていましたが、唄上先輩の打順によっては繰り上がりそうです」

 

『足上げまくってたもんな』

『グラブを渡されて守備Bにした人』

『それ言ったら他のライバーも野球道具渡されてドーピングしてるし』

『最後は皆ミート上げてたな。それでこうなるんだから育成的には成功なわけよ』

 

 投手以外レギュラー全員守備B以上という、まさしく鉄壁。外野は全員足も速いのでポテンヒットなども滅多に起きないだろう。この投手陣と野手陣。ホームラン以外で得点をするのは難しそうだ。

 ポラリス先輩も助言をしていたということで強い選手を割り振られた。アドバイザーチャットでレギュラーじゃないのはコウスケ先輩だけ。まあ、初年度の誰かを控え投手にしないといけないので仕方がない部分はあるだろう。

 

「ここからは外野の控えですね。イソラ先輩はミートも走力もA。ただ他の能力がそこそこなので代走、代打要員ですね」

 

『十分強いんだがなあ』

『これが控えにいるってマジ?』

『能力値的には普通にやってたらレギュラーなんだけど。あとイソラに『意外性』が付いてるの本人っぽい』

『意外というか、そこまで意外か?見た目通り変だろ』

 

 代走要員にするにはあまりにもミートが高かったようで打撃能力も上げていた。代打の層も厚いとかどうなってるんだ。代打を出されるとしたら俺だろうな。打力は一番ない。

 

「KP7先輩です。先輩は外野の他にセカンドを守れますが、完全に足特化。走力Bで守備Dなのでセカンドも守れなくはないですが、ジョン先輩が優先されますかね」

 

『新入生の中では強かったんだけどなあ。特殊能力も多いし』

『1年生は天才とか転生でもないとレギュラーにはなれないだろ。エクリプス学院だとそれでも厳しかったけど』

『ずっと走らされてたから走力は頭抜けたけど。誰に代走出すよ?正直レギュラー陣結構足速いぞ?』

 

 そうなんだよなあ。レギュラーは守備を高めるために攻守どちらでも使える走力も伸ばされていた。栄光ナインはエラーが多いので足があればセーフになる確率が上がる。走力特化のチームが一番勝ちやすいとまで言われている。

 攻撃にも守備にも適用される上に調子で能力が下がらないので腐ることがなく、よっぽどの打撃過多のチームでも作らない限り足は必ず鍛える。ドロッセル先輩はバランス型のチームを目指したため平均が高く、代走の機会は少ないかもしれない。

 

「最後、但馬さんですね。バランスの良い選手だったのか、パワーと肩力だけEですがそれ以外はDと将来性のあるチームです。こんなチームで続ける栄光は楽しいだろうなあ……」

 

『そりゃそうだろ』

『こんな有望な選手がたんまりいる栄光なんて何年だって続けてえよ』

『外野は結構若いからこの但馬でも新チームからはレギュラーじゃないのか。層厚いな』

 

 今日終わったばかりで将来の話もなんだが、絶対続けたら楽しい。そう思えるチームだ。

 俺はオリンピックに合わせて選手作成という目標があったためにチームは基本作って終わりだけど、長年プレイする栄光ナインも面白いだろう。それこそ100年分プレイしている人もいるし、3年縛りなんてかなり特殊だ。

 10年くらいプレイして名門を目指すゲームなのに、どうして3年縛りがこんなに流行っているのか。割と配信者のせいだというのは知っている。新入生ガチャで特定の選手を狙って引くことが難しく、なら初年度にリセマラして育てようとなるわけだ。

 設備が揃っておらず評判も低いためにスカウトなどで良い選手も引けず、かなり苦境に追い込まれる。それが難しさというスパイスになってゲーマーのやる気を出す、のかもしれない。

 

「いやいや、本当にとんでもないチームを作り上げましたよ。ドロッセル先輩、お疲れ様です。本番を楽しみにしていますね。いやー、選手の情報を見てたら結構良い時間になりましたね。今日の朝配信は終わりたいと思います。お仕事の方は行ってらっしゃいませ。夜配信はお休みをいただく予定です」

 

『うお、1時間くらい選手のデータ見てた?』

『りょ、乙〜』

『リリの行ってらっしゃいがねえと1日が始まらねえぜ!行ってきます‼︎』

『夜はお休みかー。『ウルプロ』見てて眠いだろうし仕方がない』

 

 締めの挨拶をして配信を終わらせる。

 軽い朝食を食べて、軽くランニングに行き、シャワーを浴びてお布団へ。

 おやすみなさい。

 

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