シロコとシロッコ   作:メイショウミテイ

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お待たせしました。

色々考える事が多かったです。

大まかなストーリーは同じですけど、前後編分割・自分なりに構成し直しています。ご了承を。


アビドス編 4

 アビドス砂漠の夜はそれなりに冷える。

 

 昼間の太陽が照っている間は、季節にも左右されるが凡そ30~40度の間で推移している。酷いときはそこのラインを容易に超えてくる程に暑い地域である。容赦なく照り付けてくる太陽光に晒されながら歩く砂漠は、文字通りこの世の地獄と言って差し支えない。

 

 しかし、砂漠の恐ろしい点は夜にも存在していた。

 

 夜間の砂漠は太陽が出ていないのならそれなりに過ごしやすい気候になっているのでは、そう考える人間もいるだろうがそれは全く違う。砂漠の夜間を甘く見ていると昼との寒暖差で体が異常を来してしまう事も少なくない。夜のアビドス砂漠は昼間に比べて涼しい……を通り越して寒すぎる。タイミングによっては氷点下を割る時もある位には寒い。対策をしていなければ簡単に人の命が絶たれてしまうレベルで寒い。

 人間の身体は難儀なモノで暑すぎると熱中症で死ぬが、寒すぎると低体温症になって死ぬ。どうあっても対策はしておかなければならない、それはアビドスに住むものであれば常識であった。

 

 

 

 

 ──しかし、今回ばかりはそんなことを考えている余裕は、彼女たちには無かった。

 

 

 

「シロコちゃん、セリカちゃんはもう廃線になった鉄道の車両保管庫に居るんだね?」

 

「間違いない、確実に何処かには居る。信じられないかもしれないけど……」

 

「──信じるよ。でも、なんで分かったのか、後で聞かせて欲しいな?」

 

「……」

 

 

 先生が急遽用意してくれた連邦生徒会の紋章の付いた車を運転しながら、ホシノはシロコに問いかけた。そもそも、今回の話はすべてが急だった。

 

 

 

 シロッコの話を聞いたシロコは、セリカの家と距離の近いアヤネに連絡を取った。確認してもらった所、やはり家には帰っていない事が分かってしまい、シロッコの話に信憑性が出てくる。彼女の携帯端末に着信を入れても一向に反応がないし、モモトークにも既読が付かない。

 最初に連絡を入れたアヤネから対策委員会全体に情報は広がっていき、各メンバーは迅速に戦闘準備を済ませて高校へと集合していた。先生にもこの件は報告済みであり、セリカの反応が消えた地点を炙り出してみると、すぐさまレスポンスが帰って来た。

 

 先生がシッテムの箱を使ってセリカの携帯端末の反応が消えた最終地点を探知した結果、住民が殆どいなくなって治安も頗る悪いエリアであった。先生はセリカの家を教えてもらって、バイト先である紫関ラーメンとの道を繋いでみれば、それは最短距離で家へと帰れるルートだった事が分かった。いつもそのルートを使って帰宅しているのかは不明だが、兎にも角にもセリカの身に何かが起こっているのはほぼ確定とみても良い。

 残念だが、そう判断できる状況証拠は出揃っていた。

 

 更に良くない情報として、事件のあった一帯は事前調査によってカタカタヘルメット団の溜まり場が近くにある事も分かっていた。つまり、一番容疑者として可能性が高いのは当然。

 

 

「ヘルメット団に拉致されたんじゃ……!?」

 

「その可能性が一番高いねー……、人質を取って学園を奪おうって魂胆かな」

 

「ん、何はともあれ早く助けに行かないと」

 

「今は目的なんて考えても仕方ないですよ! 急ぎましょう!」

 

「あ、でも先生は……」

 

 

 先生もシロコから連絡を受けて急いで準備して向かうと言っていたのが一時間前の話だった。先生は付いていく気満々だったが、キヴォトスの住人ではない先生では長距離の移動には耐えられないし、速度にも大きな違いが出てしまう事は考えなくても分かる。確かに先生の指揮があれば百人力だが、それでもこの状況では時間こそが命である。

 

 

「……何よりも今は時間が惜しい、仕方ないけど先生は──」

 

 

 置いていこう。そう言って教室を後にしようとしたホシノは直後、けたたましいクラクションの音に驚かされる事になる。

 

 音の正体は先生──が乗って来た、世間にも広く普及している一般的な乗用車であった。先生はセリカの一件を聞いてから咄嗟の判断でホテルの人間から車を拝借して、ここまで駆けつけて来たという訳だった。シッテムの箱の力を抜きにしても、先生の慧眼はやはり本物であった。先生はこの状況では時間こそが命であり、その為には何よりも足が重要だと判断していた。

 

 

“みんな、お待たせ!”

 

「やるね~先生、助かっちゃうなー」

 

「流石です、先生☆」

 

 

 裏門に付けられた車の運転席には先生が座っており、当然運転も自分が行うものと思っていたが。

 駆けよって来たホシノは先生が座っている運転席側のドアを開け、「私が運転するから、後ろに乗ってもらってもいいかな?」と宣告した。

 

 先生の住んでいた世界では車を運転するには免許というものが必要で、それは18歳を超えていなければ取得する事が出来ない。が、キヴォトスではまぁ、そのシステムは形骸化していた。誰も彼も好き勝手に車を、バイクを、スクーターを乗り回しているという、世紀末GP*1もびっくりな環境なのだ。

 

 ここまで運転して来た先生は、確かに教習所で講習を受け正規の手順を踏んで運転免許を獲得したが、それ以降車を運転した事は一切なかった。俗にいうペーパードライバーというヤツであり、もし万が一拝借した車がATではなくMTだった場合、先生は運転できなかった。先生の免許はなんと、AT限定の免許だからだ。ここまで運転してきたのも、心の大部分を内心不安な気持ちに支配されながらであったし。

 大人としては余り褒められる行いではないのは重々承知の上だが、きっと運転はホシノの方が上手いのだろう。だからまっすぐに運転席にやって来て、そこを譲るように言ったのだ。

 

 先生は後部座席の真ん中に座りその両側をノノミとアヤネで挟み込む。運転はホシノが、シロコは助手席に陣取った。先生は銃弾の一発が致命傷になる事もあり、間違っても窓際には座らせることは出来なかった。

 運転席に収まったホシノは足がアクセル・ブレーキ両方に届くことを確認してから。

 

 

「車の運転はおじさんも久しぶりだから、()()()()()()()()揺れるかもしれないけど、許してね~」

 

 

 車内に対してアナウンスを掛けた。先生とアヤネは急に何を言っているのかと不思議に思ったが、シロコとノノミの表情は明らかに覚悟を決めたモノであった。

 

 

「今回は急がないといけないし、飛ばしちゃおうかー」

 

 

 しかし運転席に収まったホシノは久しぶりに運転するとは思えない程の、いつも委員会で見ているそれと然程変わった様子の無いにこやかスマイルを浮かべていた。そんな表情のホシノは次の瞬間、キッと目線鋭くアクセルを思い切り踏み込んだ。

 

 

 その時にノノミは、どういう訳かある一つの事を思い出した。

 

 ──小さい頃に親に連れて行ってもらったユートピア(スランピア)*2。それの大人気アトラクションだった『ウェーブキャットのぐねぐねコースター』*3が大好きだった事に。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 住民の迷惑にならないように気を付けながらもほぼほぼブレーキを踏むことなく市街地を脱出し、現在は既に廃線になっている鉄道の車両保管庫へと到着した対策委員会と先生。一人以外は俄かに体調が悪そうだが、そのお陰もあって常識では考えられない程迅速に現場へと到着する事が出来た。まぁ、一種のコラテラルダメージというヤツだろう。

 

 

「うへ……、飛ばし過ぎた、かなぁー」

 

「……いや、時間が惜しいのは確かだったし」

 

「そうですけど~……」

 

 

 ホシノ達の背後には、がっくりと土下座のような体勢で体をプルプルと振るわせている先生とアヤネが居た*4。何の事前説明もなかった事で心の準備が出来なかった二人は、停車した瞬間車外へと脱出し現在の体勢へと落ち着いたようだった。*5

 

 

“ううっ……”

 

「頭が、ぐらぐらします……」

 

 

 そんな様子が改善するまで少し待機してから。

 

 

「こんな広い場所のどこにセリカちゃんは居るんでしょうか……?」

 

「一個一個手当たり次第に車両を開けてみるしかないかなー、先生の方で何か出来そう?」

 

“難しいかな、駅全体をスキャンしてみたけど反応がいくつも出てるんだ。戦車とかそこまで大きければある程度判別できるけど、スキャン機能もそこまで便利じゃないみたい”

 

 

 先生は突入する前に駅全体を対象として、シッテムの箱を使ったスキャンを掛けていた。旧時代的なタブレットのどこにそんな機能が内蔵されているのか甚だ疑問ではあるが、とにかく得られた結果は細かい人間の見分けは付けられないという残念な結果であった。

 

 

「うへ、そこは仕方ないよね~。でも、そうなるといよいよ総当たりで探すしかないかー」

 

「私もドローンを回して空中から探してみますか?」

 

「いや、ドローンの音で侵入者が居る事がばれるかもしれない」

 

「迷っている暇はありませんね、手分けして探してみましょう!」

 

 

 方針が固まりつつある中、シロコは出発前に交わしたシロッコとの会話を思い出していた。

 

 

 

 

「シロッコも来て。セリカを探すのを手伝って欲しい」

 

『……それをするのは簡単だが、それでは君の成長に繋がらない』

 

 

 度々助けてくれるシロッコの事だから、きっと今回も力を貸してくれると思っていたシロコは驚いた。まさか拒否されるとは思わなかったし、その理由も捉え方によってはシロコの為だと言う。溜まらずシロコは口調を荒げてシロッコに詰め寄る。

 

 

「そんな事言ってる場合じゃ……!」

 

『私が同行を拒否したのは私が邪魔になる可能性があるからだ。ドローンの音を敵に勘付かれれば敵の警戒はより一層厳になるだろう。最悪の場合を考えれば私は動くべきではない』

 

「それは……!」

 

 

 シロッコの言っている事は理に適っている……ように聞こえるが実際の所は嘘である。シロッコは自らの身体であるドローンを動かす際に電力を消費せず活動している。ドローン自体の駆動系を使用せずに機動している為、プロペラの音などは一切発生しない。

 

 彼はシロコの成長の機会として今回の一件を利用しようとしているのだ。

 

 

『それに、私など居なくても君ならセリカを感じる事が出来るはずだ』

 

「感じるって言っても──」

 

『先ほどは出来ていただろう? それと同じだ、今の君の力があればきっと成功する』

 

 

 

 

 ここにシロッコは居ない。私が探すしかない。

 

 

 

 そう思って、シロコは目を閉じ。

 

 

「……ふぅ……」

 

 

 セリカを探そうと、意識を深い所に落としていった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 次の瞬間、シロコは懐かしい光景を目にする。

 

 

 

 見渡す限りの、宇宙。

 

 

 その中にぽつんと一人、漂っているシロコ。

 

 

 不思議に思う事だろう、先程までは廃駅にいた筈。

 

 

「──えっ」

 

 

 何も聞こえない、何も感じない、何も存在しない。

 

 ただ無限に広がる、宇宙の中で一人。

 

 

「一人……?」

 

 

 孤独感だけはそこにはあった。

 

 シロコはその感覚に恐怖を感じた。かつて自分も味わった事のある感覚。

 

 自分の事を誰一人知らない、自分の味方が誰一人存在しない、そんな世界を知っていた。

 

 きっと彼女はその感覚を味わって、助けを求めているはずだ。

 

 

「独りぼっちは、怖い……。けど」

 

 

 そんな世界にも、自分を支えてくれた人がいた事を知っている。

 

 そして、こちらの世界にも自分を支えてくれる仲間が居る。

 

 その仲間が、きっと助けを求めている。

 

 

「セリカ……どこに居るの!」

 

 

 かけがえのない仲間なんだ、失いたくない。

 私には、私達には、彼女が必要で。

 

 彼女が居ないと、五人じゃないと、アビドスじゃない。

 

 思いを走らせ、走らせ、走らせ。    そして、見つける。

 

 

「見つけた! セリカ!」

 

 

 

 

 

 

 

「シロコちゃん、見つけたってどういう事~、 ──ッ!」

 

「わわっ、先輩!」

 

 

 何度声を掛けても全く反応が返ってこなかったシロコが、突如として駆けだしていく。セリカを見つけたと言い放って。

 

 一歩遅れたが、慌てて追い掛けるホシノとノノミ。いつものダラダラとした雰囲気からは想像もつかないスピードで追いかけるホシノと、重そうな得物を両手で抱えながら懸命に走るノノミ。

 

 

「あっ、ホシノ先輩! ノノミ先輩!」

 

「アヤネちゃんは先生をお願いね~」

 

 

 遠ざかっていくホシノはそう言い残して、先行したシロコが曲がった箇所を鋭角に抉り込みながら、最短距離で曲がっていく。続いてノノミも機敏とは言えない動きだが、何とかなんとかホシノに追従しようと曲がっていく。

 

 

“奥空さん、車の運転は出来る?”

 

「は、はい。免許は車は勿論、ヘリコプターの免許も取ってありますが……」

 

“この車、運転してもらっても良いかな? 私は小鳥遊さんたちの居場所を追跡するよ”

 

「お任せください!」

 

 

 先生たちを乗せた車も再度イグニッションを掛け、エンジンの音を高鳴らせながら急発進する。そんな車の駆動音に気付かないハズがなく、ヘルメット団には誰かが廃駅の近くにやって来ている事は露見してしまうだろう。しかし、この状況下においては寧ろ好都合というものだ。

 

 

“奥空さん! 私たちはこの車でヘルメット団を引き付けよう!”

 

「でもそれじゃあ先生が危険に……!」

 

“私を信じて! 大丈夫だから!”

 

「……了解しました! 何とか乗りこなして見せます!」

 

 

 廃駅と保管庫に侵入したシロコ達に注意が向かないように、駅の外で爆音を立てながら車を走らせる事で陽動を行う腹積もりの先生とアヤネ。その目論見通り、音に引き寄せられて続々とヘルメット団が駅の外へと顔を出し始める。そして──

 

 

「オラオラ来やがったなぁアビドスめ!」

 

「今日で決着をつけてやるぜ~!」

 

 

 車の駆動音に負けない程の大きな声でガンを付けて発砲してくるヘルメット団。練度は相変わらず低いようで、目標としては大きな車であっても直撃弾はそこまで多くはない。だが、それは当たっていないという訳でも無い。

 運転しているアヤネは正直気が気でなかった。

 

 

「先生! 車体に被弾してます! これ以上は……!」

 

“大丈夫! お願い、アロナ!”

 

 

 アロナ、とはどういった意味なのか。不思議に思うアヤネ。先生は掛け声のように誰かの名前を叫ぶと同時に、車を包み込むように薄い青色のバリアが展開された。今度は被弾しても外側のバリアが受け止め、車体にまでダメージが通る事は無くなっている。

 

 これであれば、安全に陽動を熟すことが可能だと判断したアヤネは、再び車体を敵中ど真ん中へと向けていくのだった。

 

 

 

 

 そんなドンパチの様子の裏では、シロコに追いついたホシノとノノミがセリカの下へと急行していた。

 

 

「シロコちゃん! どういう事なんですか、セリカちゃんが見つかったって!」

 

「詳しく説明するのは難しい。けど、私を信じて付いてきて欲しい」

 

 

 走りながらもシロコは二人にそう言い切った。ホシノとノノミにとってはどういう訳か分からないが、シロコにはセリカの居る場所がハッキリと分かっているようだった。

 理屈はどうあれ、場所が分かっていると自信を持って言うのであれば、ホシノとしては彼女の事を信じてみたいと感じていた。

 

 

「……おじさんは、シロコちゃんを信じるよ」

 

「わ、私もシロコちゃんを信じます! 同じ委員会の仲間なんですから!」

 

「……ん、ありがとう」

 

 

 二人の返答を聞いたシロコは照れくさそうに、そして嬉しそうに頷いた。そして、その高揚した気分のままシロコは走る速度を上昇させていく。

 

 

「ちょ、ちょっと~! 早すぎだよシロコちゃ~ん!」

 

「はぁ……、はぁ……! は、早すぎですよ~!」

 

「あ、ごめん……」

 

 

 ホシノはまだまだ余裕がありそうな感じだが、ノノミは抱えているブツがブツなので相当に苦しそうだ。ノノミも平均的な生徒と同じ位には動けるが、普段から運動ばかりしているシロコと比べるのは可哀想というものだ。

 それで言えばいつも横になってぐうたら三昧のホシノがここまで動けているのも、また違った意味で不思議な事だと言えるだろう。

 

 

 

 そうした一幕がありながら、シロコ達は迷うことなく一両の廃棄された青いコンテナを発見した。これまで車庫の中でヘルメット団と出会う事はなかった、特段バレないように細心の注意を払っている訳でも無いというのに。

 しかしこのコンテナの前にだけ、数人のヘルメット団が周囲を警戒していた。さもここに何かがありますよと言っているようなものだと、ホシノ達は当然考え付くだろう。

 

 

「シロコちゃん」

 

「うん、あそこに居ると思う」

 

「まぁ、あのコンテナの前にだけヘルメット団が巡回しているので、そうとしか考えられませんよね……」

 

「ひぃ、ふぅ、みぃ……、ざっと7~8人くらい、これなら何とでもなるよね~」

 

「外でヘルメット団を引き付けてくれている先生たちも心配ですし、手早く片づけてしまいましょう♪」

 

 

 敵の襲撃を想定していなかったのか、ヘルメット団の抵抗らしい抵抗はほぼ皆無であった。今更ヘルメット団如きに後れを取るアビドスではないが、それにしてもヘルメット団が弱すぎるのもまた事実。不自然な程に良い武器を使っているのに、相も変わらず狙いも絞れておらず協調性もない。どうしてヘルメット団がここまで良質な装備を使っているのか、そこだけがホシノはずっと気がかりだった。

 

 日銭を稼ぐ事で精一杯なのはアビドスとて同じだが、ヘルメット団も寄る辺なき生徒たちが集まってできただけの有り合わせ集団だ。そんな奴らが組織的行動一つ取れない癖に持っているチャカは不相応な程に性能が良く、それを使ってアビドスを襲撃しに来る。

 

 

「(……もしかして)」

 

 

 ──ヘルメット団の後ろに何か支援している組織が居るのではないか。

 そういった考えが頭を過る。そうであれば、毎度毎度奴らが良い装備を見せびらかしに来るのも頷ける。

 

 しかし、借金まみれのアビドスを奪ったところで利益などは何もないハズ。一体どういう……

 

 

「「先輩!」」

 

「ぅへっ!?」

 

 

 深い所まで考えを巡らせている途中で、可愛い後輩たちの声によって現実に呼び戻されたホシノ。すっかり考え込んでしまっていたらしかった。

 

 

「ごめんねー、今は考えている時じゃなかったね」

 

 

 いきなり立ち止まって固まってしまったホシノを見た二人は、先程の戦闘で何かしら重い手傷を負わされていたのではないかと心配していた。が、ホシノから返って来た反応はいつも通りの緩い反応だった為、すぐに思い違いだと気づいたらしい。

 ホシノはそういった自分の事を隠すのがとても上手な事を知っているノノミは──()()()()()()()()()で一番ホシノと付き合いが長いのはノノミである──また何か抱え込んでいるのではと思っていたが、今回に限ってはそういった訳でもないらしい。本当にただ考え事をしていたに過ぎないのだが、日頃の行いが良くなかったのか。

 

 

 まぁ、そんなことはホシノが言っていたように重要な事ではない。

 

 折角周りにうろついていたヘルメット団を無力化したのだ。セリカが捕らえられていると思われるコンテナに付けられた安っぽい南京錠を、銃のストックで叩き壊したホシノはいよいよその扉を開け放つと。

 

 

「……うぅ……」

 

 

 気を失った状態で手足を縛られた状態のセリカが横たわっていた。

 

 

 とりあえず今のところは、手遅れにはならずに済んだらしい。

 

 

 

 

 

*1
神拳ROADで会おう。

*2
モモグループが運営していた遊園地。モモグループの経営が悪化した際に廃業に追い込まれており、現在はかつての面影を残した廃墟へと変わっている。時折変な音が聞こえる、通電していないのにアトラクションが勝手に動く、肝試しに行った生徒が帰ってこない、などの出どころ不明の噂が流れている曰くつきの場所。

*3
常に体をぐねぐねとウェーブさせて踊っている、モモフレンズの人気キャラであるウェーブキャットを題材にしたアトラクション。妙な鳴き声と共にダンスホールを模したコースを急上昇・急降下・急旋回・急停止しながら進行する、とんでもなくスリリングすぎるアトラクションだったが、世界観を重視した小道具や会場の造形などがとても人気であった。なお独自設定。

*4
orzって感じの体勢。

*5
ノノミとシロコは対策委員会が三人しかいなかった頃に一度だけ、ホシノの運転を味わった事がありトラウマではないが心の奥底に深く刻み込まれている。なお、ホシノの運転が荒い設定は独自設定です。




SEED FREEDOM見て来たんですよ。

面白かったですね~。えぇ、とても、はい。

感想語りみたいなのをもしかしたら活動報告で流すかもしれません。


本編は次でセリカ奪還を終わらせます。ちょっとのんびり書き過ぎかも、ペース配分結構間違っているような気もする。まだ戦車とか出してないし。

今回はちょっとアンケートっぽいのがあるので、良ければお答えいただければと思います。
読んで頂き、誠に感謝申し上げます。
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