それと現在、第1話と2話を新造しています。さすがに中学の頃書いたやつをいつまでも出せないので。(読み返して思わず(キモッ)と声が出ましたw)
突然だが、読者の皆様は覚えているだろうか?
第三話にて総理の浜口拓海の説明にて、
[自衛隊員の数が昨年度に比べ2倍になった]
という文を。
これ以降自衛隊は給料や手当等色々な所が改善され、しっかり人が集まるようになったのだが、一つだけ注意して頂きたい点がある。
それは陸自だけは、志願者の増加が2032年から急激に増えたのである。
何故か?
それはある兵器の採用が決定したからである。
その兵器の名はFrame Fighter(FF)、所謂人型兵器である。
では何故日本が現代戦において役に立たないと評判の人型兵器の配備・採用を決定したのか。それは、この世界では意外にも有用性が証明されてしまったためである。
そもそも、一番最初に人型兵器を作ったのはロシアだ。北海道侵攻を画策していたロシアにとって一番のネックは戦闘車両の大量投入が、揚陸艦が少ない為できない事だった。そこで考え出されたのがFFだった。詳細は設定集を見て頂けると幸いなのだが、これが案外厄介なものだった。ヘリ以上のスピードで飛ぶことができ、マニュピレーターで戦闘車両とかを積んだコンテナを運ぶこともできるし、揚陸艦にとって一番スペースを取る戦車の肩代わりが出来る点も評価された。
一方、当時そこまでFFを警戒していなかった西側諸国。しかしアメリカが設計図を入手し、各国合同で実証機を製造すると、大いに慌てることとなった。既存兵器に対する防御力が自分達の想定の遥か上を行っていたのだ。これはまずい、となったアメリカと日本は合同でFFを開発、標的にされている日本ではかなりのスピードで製造と配備が進められた。かなりの数の配備が決定された人型兵器。これにガノタやAC民等多くのロボットファンが自衛隊に入隊することとなる。
さて、なぜこんな話をしたのか。
今回のロウリア侵攻開始後で、陸自部隊で最も早く現地入りしたのがこのFF部隊である。
派遣されたのは美保分屯地の第三人型兵器連隊。機材や人員はC-2によりクワトイネ国際空港に輸送され、FFは自力でクワトイネまで飛行した。
FF用の機材は元々野外でもサクッと使えるようになっているのと、有事の際使用できるよう設計されていたため、わずか一日で設営が完了、そこで補給を受けた第三人型兵器連隊は一個中隊を残し、二個中隊はエジェイ郊外にある第7師団の仮設駐屯地への移動を開始した。
夕日を背に、第三人型兵器連隊のFF-1が次々と仮設飛行場に着陸し、仮設ハンガーに向け歩き出す。
一番先頭のFF-1のコックピットハッチが開く。
伊隅「…お前はこれからどうなるんだろうな、陽炎。」
殆ど沈んだ太陽の光がコックピットに差し込む中、第三人型兵器連隊隊長、伊隅みちるは呟いた。
中央歴1639年4月16日17時14分 Task force241 エジェイ仮設駐屯地に到着
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中央歴1639年5月21日11時39分 ギム北東部
ギムからの完全撤退が完了したことを受け、ロウリアが一時的に戦線を押し上げた事により、迎撃地点であるエジェイまでにある町村も避難をしたのだが、エルフの村は如何せん外界との交流が少なく、避難勧告が遅れに遅れた。
大急ぎで避難を開始したエルフ達だったが、既に付近にはクワトイネ陸軍はおらず、もうそこまでロウリア軍が来ている状況だった。
必死の逃走劇が始まった。
短い草が広がる草原。いつもなら日向ぼっこでもしたいと思えるような光景すら、今のエルフ達には息の詰まる様な、地獄のような場所だった。何も無いが故に見通しがよく、どれだけ近い林でも400mは離れている。
少年は、妹の手を引き、いそいそと歩く。
彼らの母は数年前には病気出なくなり、父は予備役招集を受け、エジェイに出向いていた。
アーシャ「お兄ちゃん、お腹空いた…」
パルン「エジェイまであと2日だから、それまでは我慢。」
アーシャ「えぇー」
パルン「駄々こねないの!」
そう言うと、妹は口を尖ら、少し不機嫌になる。
どうしたものかと考えていると、突然後ろから叫び声が聞こえてきた。
エルフの若者「ロウリア軍の騎馬隊だ!」
後ろを見ると、たくさんのロウリアの騎馬兵がこちらに向かって来ていた。
悲鳴をあげ、全力で逃げ出す村人たち。
しかし、ロウリアの騎馬兵たちはどんどん近づいてくる。
ジョーヴ「見つけたァ……!!」
そう言ってホーク騎士団第15騎馬隊の隊長、巷では赤目のジョーヴと呼ばれる男は、満面の笑みで呟いた。
今回の侵攻では敵の民間人は好きなようにしていいと上から許可が出ている。
男は苦痛を与えた上で殺し、女は犯してから殺す。上玉を犯ろうとする部下がいたらその部下を殺す。殺した味方は戦死扱いにすればいい。
荒くれで外道の集まり、第15騎馬隊とはそんな部隊だった。
ジョーヴ「テメェら!行くぞぉぉぉぉ!!」
一同「しゃァァァァァァ!!!」
第15騎馬隊は、自分たちの欲望のまま、走り出した。
少年は妹の手を引き、全力で疾走する。
パルン「大丈夫だからな!お兄ちゃんが絶対守ってやるからな!」
パルン(なんで僕達がこんな目に遭わなきゃ行けないんだ?何も悪いことをしてないのになんで?
それになんで神様は助けてくれないの?毎日あれだけお祈りしてたのに?なんで?)
少年は完全にパニックになっていた。だか、そんな中でも奴らに追いつかれればろくな死に方はしないのと、妹はもっと酷い死に方をする事だけは明確にわかった。
不意に昔母から聞いた昔話が脳裏をよぎる。
遠い昔、エルフと魔族が戦っていた時代、エルフの神である緑の神が住まう森の殲滅を開始した。歴戦の戦士や強者が次々と散りゆく中、緑の神は自分たちの創造神且つ最高神の太陽神に祈った。
すると太陽神は空を駆け回る神の船や鋼鉄の地龍を召喚し、雷鳴の様な音が出る程の魔法を持って魔族を殲滅した。
主力がやられた魔族は撤退し、それに感謝したエルフ達はお礼の宝の山を渡そうとしたが、太陽神の使いはそれを決して受け取らず、去っていった。
そして、クワトイネ公国のリーン・ノウにある祠の中に、故障し、置いていかれた神の船が時空遅延式保管魔法をかけられ、今でも大切に保管されているという。
母はそれを実際にあった話だと言った。
少年は必死に走りながら祈る。
パルン(神様!太陽神様!助けてください!
僕を生け贄にしてもいい!ですから妹だけは助けてください!僕たちをロウリア軍からお救いください!)
しかし、何かが起きるはずもなく。
ロウリアが迫ってくる。その距離は既に500mを切っていた。
中にはの農具をもって抵抗しようとする者や、諦めてへたり込むの者もで出した。
誰もが諦めかけたその時、少年が叫ぶ。
パルン「神様ァァァ!助けて下さァァァァァァァい!!!」
刹那。
村人とロウリア兵らの間に巨人が降り立った。
蛮族との距離がかなり近くなってきた。彼らの顔は恐怖に染まりきり、死にものぐるいで逃げている。エルフは美形が多い。見える中にも必ず上玉の女がいるハズ。ジョーヴは今から始まる悲劇のパーティーを思い浮かべ、ニヤつく。
その時
横から何かが飛んできて、エルフと自分たちの間に割り込む。
ジョーヴ「な、なんだァ、コイツは………」
彼らの目の前には灰色の鎧に身を包んだ巨人達が立っていた。
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どこまでも続いていそうな草原を4機のFFが飛翔する。
ヴァルキリー2「隊長、2時の方向に人の集団を探知しました。」
伊隅「ロウリアか?」
ヴァルキリー2「いえ、恐らく民間人です。」
伊隅「了解した。HQへ、こちらヴァルキリー1。僚機が避難民の集団を探知、輸送のためCH-47等をこちらに寄越してくれ。」
ヴァルキリー2「……?! 隊長、もう一つ集団を探知しました!」
伊隅「また避難民か?」
ヴァルキリー2「いえ、恐らくロウリアの騎馬部隊です!数およそ500!」
伊隅「わかった。HQへ、こちらヴァルキリー1。避難民の集団に接近する敵と思わしき集団を探知した。」
HQ「了解しました。」
4機のFFは速度をあげる。
ヴァルキリー4「到着次第攻撃を開始しますか?」
伊隅「まず降伏勧告をする。攻撃はそれからだ。」
ヴァルキリー4「了解。」
ヴァルキリー3「…ッ!隊長ヤバいっす、ロ軍騎馬隊がスピード上げ始めました!」
ヴァルキリー2「避難民たちも走り出しました。」
伊隅「時間が無い、急ぐぞ!」
ヴァルキリー2 3 4「了解!」
やがて、小さくも避難する人々と、それを追うロウリア軍が見え始める。
ヴァルキリー3「避難民とロウリア軍との距離約600!」
伊隅「ヴァルキリー4は避難民の集団の中心部かつ人がいないところに着地、全周警戒!その他全機は避難民とロウリア軍の間に入る!」
ヴァルキリー2 3 4「了解!」
ヴァルキリー4はスピードを落とし、それ以外の機体はロウリアと避難民の集団の間に割って入るように着地する。
伊隅は素早くマイクのスイッチを入れ、第15騎馬隊に最初で最期のチャンスを与える。
伊隅「ロウリア軍に次ぐ、武器を捨て直ちに投降せよ。繰り返す。武器を捨て直ちに投降せよ。」
静まり返った草原に、少しノイズの混じった伊隅の声後響く。
ジョーヴは目の前の巨人にただただ恐怖していた。
空から巨人が飛んできたのだ。
それも20m程のサイズのが。
しかしジョーヴは腐っても手練だった。すぐさま巨人の弱点に気づいた。
ジョーヴ「おい!野郎ども!」
騎兵「なんでしょうか、お頭ァ?」
ジョーヴ「突撃だ」
騎兵「はい?」
ジョーヴ「突撃するぞ!」
恐らく普通の騎兵ならジョーヴのことを正気かと疑うだろう。だが、ここに居るものは全員ジョーヴに長年着いてきたものたちだ。
騎兵「…了解!」
騎兵「やってやるぜぇぇぇぇぇ!」
第15騎馬隊が湧く。皆気づいていた。ジョーヴは決して無意味な攻勢はしないと。だからこそ、ジョーヴがなにか決定的な敵の弱点に気づいたこともわかっていた。
ジョーヴ「行くぞお前ら…突撃ィ!!」
ジョーヴ(あれ巨人ではなく恐らくあの鈍足なゴーレム系統のものだ。空は飛べても動きは鈍いに違いない。それにゴーレムと言えば、大きな手か大質量の物体で対象を叩き潰すのが主な攻撃手段なのに対し、あのゴーレムは大きさに見合わず、手は小さく武器と思われるものも小さく、使い物になりそうにない。つまり、脅威とはなり得ないのだ。
そして、こうやって突撃をかけても、さっきのように空を飛んでこっちに来ないのは、きっと連続で飛べないからだ!)
エルフの集団との距離が350mを切る。
勝ちを確信したジョーヴには、またあの薄汚い笑みが浮かぶ。
あのゴーレムはハリボテなのかもしれない、
そう考えた矢先、突然ゴーレムが持っていた武器と思われる物をこちらに向け、轟音がなる。
ジョーヴの意識はそこで途切れた。
ヴァルキリー3「隊長、敵騎馬部隊こっちに向かって来るっす!」
伊隅「ヴァルキリー2、3、敵は何を考えてか此方に突撃してくる!ロ軍の大バカ野郎共に鉛玉をぶち込んで差し上げろ!」
ヴァルキリー2 3「了解!!」
返事と共にFF-1の持つ32式機関砲の銃口を向ける。
FCSが先頭の騎兵を初めとした多くの騎兵をロックする。
迷わず引き金を引く。
瞬間、FF-1の持つ32式機関砲が轟音と共に連続して鈍く光る弾丸を放ち始める。
FFの高度なデータリンクにより、決して目標が重ならない様に放たれた弾丸たちは、次々と敵騎兵に吸い込まれていく。
辺りには低くとても腹に響く大きな音と、何かが弾ける音、そして、悲鳴が響き渡る。
中には、馬を降りて盾にしようとする者もいたが、あっさり馬ごと弾け飛んだ。
吸い込まれる36mm弾は、体のほぼ全てを消滅させ、先端の手や足が飛び散り、血の霧が当たりを発生する。
それが500人分+その人数分の馬である。
1分と少しで、第15騎馬隊のいた辺りは血の霧がたちこめていた。
一瞬の出来事だった。突如降り立った巨大なゴーレムが来たかと思えば、忽ち轟音と共にロウリア軍を消し去った。
へたりと地面に座り込む少年。後ろからは沢山の歓声が聞こえてくる。
不意に妹が抱きついてくる。その目は涙で濡れていた。
アーシャ「……怖かったよぉ………」
自分の胸に顔を埋め、静かになく。その様子を見て、少年も泣き出した。
パルン(神様、ありがとうございます…おかげて妹が死なずに済みました。ありがとうございます……本当に…………)
不意にゴーレムが振り向く。その肩には大きな太陽のシンボルが書いてあった。
不意に誰かが呟く。
避難民「太陽神の使いだ…太陽神の使いが我々を助けてくれたんだ!!」
それを聞き、避難民たちは忽ちひれ伏す。
ヴァルキリー3「……えーっと、隊長?なんか僕ら崇められてますけど…………」
伊隅「そんなわけないだろう、馬鹿者が。」
ヴァルキリー2「いやでも隊長、これどう見てもそうなんじゃ…」
伊隅「…………」
突然崇められ始めた事により、隊は軽く混乱に陥った。
この後、チヌークが到着し、乗ってきた誘導隊員がかなり長い時間をかけて色々と説明する事となる。