ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 ドットと合流する場所である、パルデア地方の《セルクルタウン》にやってきたシンヤたちは、そこでドットと一緒にやってきたリュウガとミコと、ムクロジで働いているマードックと再会すると、ラクアにラクリウムが残っていることや、自分たちがライジングボルテッカーズを再結成し、ラクリウムを取り込んだストロングスフィアという道具を広めようとしているエクスプローラーズの野望を阻止し、ライジングボルテッカーズの真実を取り戻す旅をしていることをマードックに話した。それを聞いたマードックは、子供だけでそんなことをするのは危険だと反対したが、シンヤたちのバトルする姿を見たマードックは、今のシンヤたちなら大丈夫だと思い、何も言わずにシンヤたちを信じることにした。そのあとシンヤたちは、エクスプローラーズの悪事の証拠を早く集めるために《ブレイブアサギ号》に乗って冒険しようと話し合うと、今ブレイブアサギ号がどこにあるのかをマードックに聞いた。するとマードックから、自分がブレイブアサギ号を降りるときに、ブレイブアサギ号のメカニックである《オリオ》が船を解体すると言っていたと教えてもらったので、ブレイブアサギ号に代わる新しい船を造ってもらうために、シンヤたちはオリオに会いに行くことを決めた。そのあとマードックから、今オリオは、以前ガラル地方で出会った、モンスターボール職人の《カーナ》が経営している《モンスターボール工場》で働いてることを教えてもらったので、シンヤたちはオリオに会いにガラル地方に出発した。



第110話『オリオの心』

 

 ガラル地方

 

 

 シンヤ「やっとガラル地方に着いたぜ」

 

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 ウルト「あ〜、気持ちわりぃ…(-_-lll)」

 

 

 オリオに会うため、セルクルタウンを後にしたシンヤたちは、フェリーに乗ってガラル地方へとやってきたのだが、乗り物酔いのウルトは、フェリーに乗ってパルデア地方にやってきたときのように酷い船酔いをしており、気持ち悪そうにしていた。

 

 

 リコ「オリオ、元気にしてるかな?」

 

 ロイ「まさか、カーナさんの所で働いてるなんてね」

 

 シンヤ「でもカーナさん、一緒に働かないってオリオをスカウトしてたから、オリオにとってはいい転職先だと思うぜ」

 

 リコ「確かに」

 

 

 カーナが経営しているモンスターボール工場にある、モンスターボールを製造する機械をオリオが直したのが縁で、カーナとオリオはすぐに打ち解けて仲良くなり、カーナはオリオに、自分が経営しているモンスターボール工場で一緒に働かないかと誘ったことがあった。しかし、オリオはブレイブアサギ号に乗って冒険してる方が楽しいからとカーナの誘いを断り、また会おうとカーナと約束したのだ。

 

 

 リュウガ「っで、そのモンスターボール工場ってどこにあるんだ?」

 

 ミコ「ここから近いの?」

 

 ドット「いや、バスと電車を乗り継ぐ必要があるから、2時間はかかる」

 

 シンヤ「ここからは、ポケモンたちに乗って行こう」

 

 

 バスや電車を乗り継いで行くとなると、お金や時間がかかるので、シンヤとリュウガとミコはモンスターボールを取り出し、モンスターボールからひこうタイプのポケモンたちを出すと、背中にリコたちを乗せてモンスターボール工場に向かった。

 

 

 モンスターボール工場・工場内

 

 

 オリオ「カーナ、明日納品する分が出来たよ!」

 

 カーナ「ありがとう!あとはそれを外に出しておけば終わりだね」

 

 

 シンヤたちが手持ちポケモンに乗ってモンスターボール工場に向かっている頃、モンスターボール工場の中ではオリオとカーナが働いていた。カーナが経営しているモンスターボール工場はモンスターボールを作る工場なのだが、今、オリオとカーナはある会社から発注するように頼まれた、ポケモンが入っていないモンスターボールのようなアイテムのガワだけ作る仕事をしており、オリオとカーナのポケモンであるエレキッドとブビィは2人の仕事を手伝っていた。

 

 

 カーナ「よいしょっと」

 

 オリオ「あっ、あたしが持ってくよ」

 

 カーナ「大丈夫。オリオは自分の作業を続けてて」

 

 

 作ったアイテムを納期する日が明日なので、カーナは会社から発注するように頼まれたアイテムの数を数えながら水色のプラスチックコンテナの中に入れると、明日の昼頃にアイテムを受け取りに来る人たちにすぐ渡せるように外に運ぼうとしたのだが、外に向かう途中、足元に転がっているモンスターボールを踏んで転んでしまう。

 

 

 オリオ「ちょっと、大丈夫?」

 

 ブビィ「ブゥビッ?」

 

 エレキッド「ビビィ?」

 

 カーナ「平気平気。いつものことだし」

 

 

 カーナはそう言って立ち上がると、両手で持っているプラスチックコンテナを近くにあるテーブルの上に置いた。

 

 

 オリオ「それにしても、これを何に使うつもりなんだろ?」

 

 カーナ「さぁ?私はモンスターボールを作るのが専門なのに、いきなり工場にやってきて、こんな何のアイテムかもわからないものを作ってほしいなんて、意味がわからないよ」

 

 オリオ「仕事だって割り切ればいいんじゃない?」

 

 カーナ「…」

 

 

 ボソッ(オリオに聞こえないようにカーナが呟く)

 

 

 カーナ『オリオ、変わったね』

 

 オリオ「えっ?」

 

 カーナ「ううん、何でもない。それよりありがとう。オリオが仕事を手伝ってくれて、本当に助かってる」

 

 オリオ「ううん。1年前、急にここに来たあたしを雇ってくれて、カーナには本当に感謝してる」

 

 カーナ「突然オリオが来たことには驚いたけど、前に、一緒に働かない?っって誘ったのは私だから、一緒に働けてよかったって思ってるよ」

 

 オリオ「そう言ってくれると…」

 

 

 ブーーーー‼︎(チャイムの音)

 

 

 オリオ「この音って…」

 

 カーナ「誰か来たみたい」

 

 オリオ「納品は明日だよね?」

 

 カーナ「うん。まぁ、もう出来たから渡せないことはないけど」

 

 

 オリオとカーナが話をしていると、突然チャイムの音が鳴ったので、もしかしたら、アイテムを発注してくれるように頼んできた会社の人間が納品するアイテムを受け取りに来たのではないかと思ったカーナは、急いで入り口のシャッターを開けた。するとそこには、オリオに会いにモンスターボール工場にやってきたリコたちが立っていた。

 

 

 リコ「カーナさん!」

 

 ロイ「お久しぶりです!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカッ!」

 

 マスカーニャ「ニャァァ〜!」

 

 アチゲータ「アッチゲェェェッ!」

 

 

 カーナ「リコ!ロイ!キャップ!久しぶり!ニャオハもホゲータも進化したんだ!あれ?シンヤ⁉︎」

 

 シンヤ「どうも」

 

 

 1年ぶりにリコとロイと会えたことをカーナが喜ぶと、リコとロイもカーナに会えたことを喜んだ。そして、リコとロイのそれぞれのパートナーであるマスカーニャとアチゲータに目を向けたカーナは、マスカーニャの隣にシンヤが立っていることに気づくと、驚いて大きな声を上げた。

 

 

 カーナ「話はオリオから聞いたよ。無事だったんだね。ピカチュウも久しぶり!」

 

 ピカチュウ「ピィカァァッ!」

 

 カーナ「えっと、あなたたちは?」

 

 ドット「初めまして、ドットです。こっちは相棒のウェルカモ」

 

 ウェルカモ「ウェェルッ!」

 

 リュウガ「俺はリュウガです」

 

 ミコ「私はミコです」

 

 シンヤ「一緒に旅をしてる友達なんです」

 

 カーナ「そうだったんだ。…後ろの木に隠れてるその子も?」

 

 シンヤ「ええ、一応。ウルト、ちゃんと挨拶しろよ」

 

 

 ウルト「っ…ウルトだ。こっちはヤミラミ…」

 

 ヤミラミ「ヤァァミラァァッ!」

 

 

 カーナと初めて会うドットとリュウガとミコが挨拶すると、ウルトは後ろにある小さな木の後ろに隠れてカーナに挨拶した。すると、カーナの後ろからエレキッドとブビィが出てきて、1年ぶりにピカチュウやマスカーニャたちに会えたことを喜ぶと、ピカチュウやマスカーニャたちもエレキッドとブビィに会えたことを喜んでいた。

 

 

 シンヤ「あいつ、女の人が苦手なんです。だから気にしないでください」

 

 カーナ「あ、そうなんだ。オリオに会いに来たの?」

 

 シンヤ「ええ、話したいことがあって」

 

 カーナ「そうなんだ。オリオ!リコたちが来てるよ!」

 

 

 カーナが後ろに振り向いて工場の中にいるオリオを呼ぶと、工場の中から作業着を着たオリオがやってきた。

 

 

 オリオ「久しぶりだね、あんたたち。元気にして…あっ」

 

 シンヤ「よっ、久しぶり」

 

 

 ダッ(オリオが駆け出す)

 

 ギュッ(シンヤに抱きつく)

 

 

 シンヤ「えっ…?」

 

 シンヤ・オリオ以外の全員「「「ええっ!?」」」

 

 

 工場の中から出てきたオリオがリコたちに挨拶しようとすると、シンヤがいることに気づき、シンヤがオリオに久しぶりと声をかけると、突然オリオがその場から駆け出してシンヤに抱きついた。その突然の出来事に、シンヤの頭の中はクエスチョンマークでいっぱいになり、シンヤとオリオ以外の全員は驚いていた。

 

 

 シンヤ「あの…オリオ、どうした?」

 

 オリオ「どうした?じゃないでしょ!ラクアに残ったあんたのことを、あたしたちがどれだけ心配したと思ってるの!無事だったんなら連絡ぐらいしてよ!」

 

 シンヤ「あっ、悪い。その件はリコにも言ったんだけど、生死不明の扱いを受けてる方が都合が良かったから……その、心配かけてごめん」

 

 オリオ「…あんたが無事でよかったよ」

 

 シンヤ「あ、ありがとう。……あのさ、オリオ。ハグしてくれるのは嬉しいんだけど、俺、一応リコと付き合ってるわけだし。その、さっきからみんなが見てるんだけど…」

 

 オリオ「えっ?」

 

 

 シンヤにそう言われると、オリオは周りにいるリコたちに目を向けた。

 

 

 リコ「オ、オリオ…?」

 

 オリオ「ご、ごめんリコ!それにみんなも!」

 

 

 オリオはそう言うと、勢いよくシンヤから離れて後ろに下がった。

 

 

 リュウガ「いや…」

 

 ロイ「別にいいんだけど…」

 

 ミコ「でも、シンヤはリコの彼氏なんだから、いきなり抱きつくっていうのは…」

 

 ドット「うん、リコがダメージを受けると思う」

 

 カーナ「まぁまぁ、オリオもシンヤのことが心配だったんだし、無事だってわかってホッとしての行動だったんだよ。ね?オリオ」

 

 オリオ「う、うん。リコ、本当にごめんね」

 

 リコ「ううん。私もシンヤと再会したときに同じことしたし、オリオがシンヤのことをそういう目で見てないってわかってるから」

 

 オリオ「あはは、ありがとう。ほんと久しぶりだね。リコもミコも大人っぽくなって綺麗になったしw」

 

 リコ「えへへ」

 

 ミコ「女子力を上げたからね」

 

 オリオ「シンヤもリュウガもロイも背が伸びたね〜w!」

 

 シンヤ「そうか?」

 

 リュウガ「俺たちより、ロイが一番伸びたと思うけどな」

 

 ロイ「エッヘヘヘw!」

 

 オリオ「ドット、そのイメチェン良いじゃんw!髪を切って目を出すようにしたんだw」

 

 ドット「左目だけだけどね」

 

 

 オリオが1年前と変わらないノリで、1年ぶりに会うシンヤたちの変わったところを褒めると、シンヤたちの後ろにいるウルトとヤミラミに気づいた。

 

 

 オリオ「それで、後ろにいる君は?リコたちの友達なの?」

 

 

 ウルト「ウルトとヤミラミだ!2回も言わせるな!」

 

 ヤミラミ「ヤァァミラァァッ!」

 

 

 オリオ「どうしてそんなに離れた所にいるの?」

 

 カーナ「ウルトくん、女の子が苦手なんだって」

 

 オリオ「あ、そうなんだ。ところで、みんな揃ってどうしてここに?」

 

 リコ「マードックに、オリオがここで働いてるって聞いたの」

 

 オリオ「マードックに?」

 

 シンヤ「ああ、オリオに頼みたいことがあって」

 

 オリオ「あたしに?」

 

 カーナ「だったら中で話せば?立ち話もなんだし、お茶でも出すよ」

 

 オリオ「いいね!」

 

 シンヤ「じゃあ、そうするか」

 

 

 ウルト「待て待て!お茶を飲む前に、先にここに来た要件を伝えろよ!」

 

 

 シンヤたちとオリオが、1年ぶりに再会できたことを喜び、ウルトがオリオに挨拶すると、シンヤたちはここに来た理由をオリオに伝えようとした。するとカーナが、話はお茶でも飲みながら工場の中ですればと言ってくれたので、シンヤたちは工場の中に入ろうとしたのだが、ウルトの大声で足を止めた。

 

 

 ロイ「ウルト!」

 

 リュウガ「気持ちはわかるが、こういうことには順序ってものが…」

 

 シンヤ「まあいいよ、すぐ終わる話だし」

 

 オリオ「じゃあここで聞こうか。っで、あんたたちの話って?」

 

 リコ「あ、えっと…」

 

 ロイ「実は僕たち、ライジングボルテッカーズを再結成したんだ!」

 

 オリオ「えっ?ライジングボルテッカーズを?」

 

 ロイ「うん」

 

 リュウガ「今、世界の各地方で暴れてるポケモンたちが目撃されてるだろ?実はそのポケモンたちは、ラクリウムの影響を受けてるポケモンたちなんだ」

 

 オリオ「えっ⁉︎でも、ラクリウムはラクアで消えたって…」

 

 シンヤ「そのことなんだが…」

 

 

 ロイがオリオにライジングボルテッカーズを再結成したことを伝えると、シンヤはこの前マードックに話したように、自分がラクアに残ったあと、エクスプローラーズがラクアの地中からラクリウムを掘り起こしているのを見たことを話し、再びエクスプローラーズと戦うために、1年間、身を隠しながら各地方を回って修行し、修行を終えたあとに向かったセキエイ学園でリコやロイたちと再会し、一緒に冒険の旅に出発したあとにウルトが仲間に加わったことを話した。そして、リコたちと冒険をしているうちに、各地方で暴れている野生のポケモンたちがラクリウムの影響を受けていて、それにはエクスプローラーズとエクシード社が関わっていること、エクスプローラーズがエクシード社の技術を使い、ラクリウムを取り込んだ《ストロングスフィア》という道具を開発し、それを世界中に広めようとしていることを知ったので、それを阻止し、ストロングスフィアが危険なものだということや、今までエクスプローラーズがやってきた悪事の数々を暴き出し、その証拠を手に入れたあと、それを世界中の人たちに見てもらい、ライジングボルテッカーズの真実を取り戻そうとしていることをオリオに話した。

 

 

 オリオ「そうだったんだ。けど、それとあんたたちがここに来た理由に何の関係があるの?」

 

 シンヤ「それは、オリオに新しい飛行船を造ってほしいからだ」

 

 オリオ「新しい飛行船?」

 

 ミコ「マードックから、自分が船を降りるときに、オリオがブレイブアサギ号を“解体”するって言ってたことを聞いたの。だから、もうブレイブアサギ号がないなら、オリオに代わりの船を造ってもらって、エクスプローラーズの悪事の証拠を早く集めようって話になって…」

 

 シンヤ「だから、オリオに新しい船を造ってほしいんだ」

 

 オリオ「…なるほどね…」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「お願いします!」」」

 

 オリオ「…」

 

 シンヤ「やっぱり、飛行船の元となる釣り船が必要か?ブレイブアサギ号は、ランドウのじっちゃんの釣り船を改造したものだし…」

 

 オリオ「…ブレイブアサギ号…」

 

 シンヤ「オリオ?」

 

 リコ「どうしたの?」

 

 

 シンヤたちは、ここに来た理由をオリオに説明すると、解体したブレイブアサギ号に代わる新しい船を造ってほしいとオリオに頼み、リコとロイとドットはオリオに頭を下げた。すると、その場が静寂に包まれたのだが、しばらくしてシンヤが口を開くと、オリオは何か考え込んでいて、シンヤの声が聞こえていない様子だった。

 

 

 オリオ「……ごめん、他を当たって」

 

 

 しばらく黙っていたオリオはやっと口を開くと、シンヤたちにそう言って工場の中に入って行った。

 

 

 カーナ「ちょ、ちょっと、オリオ!ごめん、ちょっと待ってて!」

 

 

 カーナはシンヤたちにそう言うと、工場の中に入ったオリオの後を慌てて追って行った。

 

 

 ロイ「オリオ、どうしたんだろ?」

 

 ドット「もしかして、もう飛行船を造りたくないのかな?」

 

 リコ「でも、どうして?」

 

 ミコ「それは…」

 

 リュウガ「恐らく、あの時のことが原因だろ」

 

 リコ「あの時?」

 

 リュウガ「ほら、ラクアを脱出しようとしたときに、フリ…」

 

 ウルト「おい!何やってんだよ!あいつに飛行船を造ってほしいって頼みにここに来たんだろ!」

 

 

 リュウガとミコは、さっきのオリオの様子に心当たりがあるようで、その理由をリコたちに説明しようとした。すると、さっきから隠れていたウルトが近くにやってきて、大声でリュウガの言葉を遮った。

 

 

 シンヤ「ウルト、少し落ち着け。さっきのオリオの様子を見て、船を造ってくれって頼める空気じゃなかったろ。それより、リュウガ、ミコ、お前ら2人とも、さっきのオリオの様子に心当たりがあるみたいだが…」

 

 リュウガ「ああ…」

 

 ミコ「私とリュウガの勘なんだけど、たぶん…」

 

 ピカチュウ「ピッ?」

 

 シンヤ「ん?ピカチュウ?」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカッ?」

 

 ロイ「キャップ、どうしたの?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ、ピカチュウ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピィカッ、ピカピカッ!」

 

 シンヤ「ついてこいってことか…?」

 

 ロイ「行ってみよう!」

 

 

 リュウガとミコは、さっきのオリオの様子に心当たりがあるみたいなので、シンヤはリュウガとミコから、オリオの様子が変だった理由を聞こうとした。すると、シンヤの肩に乗っていたピカチュウと、ロイの肩に乗っていたキャップが2人の肩から飛び降り、そのまま森の方に走って行くと、シンヤたちについてこいと声をかけたので、シンヤたちはピカチュウとキャップの後を追って森の奥に走って行った。

 

 

 森の中

 

 

 リコ「ああっ…」

 

 ロイ「これって…」

 

 ドット「間違いない…」

 

 シンヤ「ブレイブアサギ号!」

 

 ウルト「えっ!?これが!?」

 

 ヤミラミ「ヤァァミラァァッ!?」

 

 

 ピカチュウとキャップに案内されて森の奥深くにやってきたシンヤたちは、深い森の中を進んで行くと、そこである飛行船を発見した。それは、1年前まで自分たちライジングボルテッカーズが乗っていた飛行船《ブレイブアサギ》号だった。

 

 

 ウルト「すげぇ、これをさっきのオリオって女が1人で造ったのかよ…?」

 

 シンヤ「ああ。俺たちはこれに乗って、世界中を冒険してたんだ」

 

 リュウガ「なんだ、解体してねぇじゃねぇか」

 

 ミコ「まだ残っててよかったわね」

 

 

 もうブレイブアサギ号はオリオが解体したものだと思っていたので、ブレイブアサギ号が残っていることにシンヤたちは安心していた。すると、ブレイブアサギ号の甲板から船に住み着いてるポケモンたちが出てきた。

 

 

 パモ「パモッ?」

 

 ユキワラシ「ユキッ?」

 

 ベトベトン(アローラの姿)「ベェェェトッ?」

 

 ツボツボ「ツボツボッ?」

 

 ヨルノズク「ホォォォッ?」

 

 ノズパス「ノッパッ?」

 

 ヤバチャ「チャバッ?」

 

 ポットデス「ポォォォッ?」

 

 

 リコ「パモ!ユキワラシ!」

 

 ドット「ベトベトンにツボツボ!」

 

 シンヤ「みんなここにいたのか」

 

 

 キャプテンピカチュウ「ピカァァァッ!」

 

 ピカチュウ「ピィカァァッ!」

 

 マスカーニャ「マァァァニャァ〜!」

 

 アチゲータ「アァァチゲェェッ!」

 

 ウェルカモ「ウェェェルッ!」

 

 

 パモ「パァァッw!」

 

 ユキワラシ「ユキィィッw!」

 

 ベトベトン(アローラの姿)「ベェェェトォォッw!」

 

 ツボツボ「ツボツボォッw!」

 

 ヨルノズク「ホォォォッw!」

 

 ノズパス「ノォォォパァァッw!」

 

 ヤバチャ「チャバァァッw!」

 

 ポットデス「ポォォォォッw!」

 

 

 船に住み着いてるパモたちが出てくると、ピカチュウやキャップたちはパモたちに久しぶりと挨拶した。すると、パモたちは船から降りてきて、ピカチュウやキャップたちと1年ぶりに再会できたことを喜び、ピカチュウやキャップたちもパモたちと再会できたことを喜ぶと、森の中からきのみを集めに出かけていたマグマッグとトロッゴンがやってきて、キャップたちが来てることを知ると、1年ぶりにキャップたちと再会できたことを喜んだ。

 

 

 シンヤ「みんな元気そうだな」

 

 リコ「うん。でも、どうしてブレイブアサギ号がここにあるんだろ?」

 

 

 カーナ「それは私から説明するわ」

 

 

 シンヤ「あ、カーナさん」

 

 

 ピカチュウやパモたちが仲良くお喋りをしたり楽しく遊んでいるのをシンヤたちが見ていると、後ろからシンヤたちを追ってきたカーナが現れ、ブレイブアサギ号がここにある理由を話してくれるというので、シンヤたちはピカチュウたちから少し離れた所でカーナから話を聞くことにした。

 

 

 カーナ「今からちょうど1年前に、オリオがポケモンたちを乗せたブレイブアサギ号に乗ってここにやってきて、工場で働かせてほしいって頼んできたの。世間では、ライジングボルテッカーズは犯罪者扱いになってるけど、私はライジングボルテッカーズがどういう人たちか知ってるし、前にオリオに、一緒に工場で働かないかって誘ったことがあったから、私はオリオに何も聞かないで、仕事を手伝ってもらうことにしたの。それから少し経った頃、クムリ山で起きたことや、ライジングボルテッカーズが解散したことをオリオは話してくれた」

 

 リコ「そうだったんですか…」

 

 カーナ「最初はブレイブアサギ号を解体しようと思ってたオリオだったけど、船はパモたちの住みかにしようって決めて、解体するのをやめたの」

 

 シンヤ「それで、今に至るというわけですね?」

 

 カーナ「うん。けど、あの子たちのあんな楽しそうな顔、初めて見る。やっぱりあの子たちも、オリオやあなたたちと冒険する方が楽しいんだと思う」

 

 ウルト「だったら、グダグダ悩んでねぇで、さっさと冒険に行けばいいじゃねぇか!」

 

 カーナ「そうなんだけど。オリオは…もう船を動かすつもりも、冒険するつもりないって言ってたの…」

 

 リコ「…そうなんですか…」

 

 

 ブレイブアサギ号がここにある理由と、オリオがここにいる理由をカーナからから聞いたシンヤたちは、さっきのオリオの様子を見た限り、もうオリオは冒険する気がないのだろうと悟り、無理に冒険に誘うわけにも連れて行くわけにもいかないと思った。

 

 

 カーナ「でも、私はこう思う。きっとオリオも、みんなと一緒に冒険に出たいんだって。…ただ、《フリード》のことがあったから…」

 

 リコ・ロイ・ドット・リュウガ・ミコ「「「「「っ!」」」」」

 

 ウルト「フリード?誰だそれ?」

 

 シンヤ「オリオの幼馴染で、ライジングボルテッカーズのリーダーだ。オリオにブレイブアサギ号を造ってくれるように頼んだ人物でもある」

 

 ウルト「だったらそいつをここに連れてきて、あのオリオって女を説得してくれるように頼めばいいじゃねぇか?」

 

 ロイ「ウルト!そんな簡単に言うなよ‼︎」

 

 ウルト「な、何だよ!?俺、何か変なことを言ったか!?」

 

 リュウガ「ロイ、落ち着け。ウルトはクムリ山で何があったか知らないんだ」

 

 ミコ「ウルト、フリードはね…」

 

 

 ウルトの無神経な発言にカチンときたロイは、大声を出してウルトを怒鳴ったが、1年前にクムリ山で何があったのか、フリードに何が起こったのかをウルトは知らないので、ミコはウルトに、1年前、自分たちライジングボルテッカーズがエクスプローラーズとクムリ山で戦ったあとに起こったことを話すと、そこからライジングボルテッカーズが解散するまでの出来事をウルトに説明した。

 

 

 ウルト「そう…だったのか。…わりぃ…」

 

 リコ「仕方ないよ、その時ウルトはいなかったんだもん」

 

 ドット「うん」

 

 ウルト「でも、どうすんだよ?あいつに頼まなきゃ、船は使えねぇんだろ?」

 

 シンヤ「ああ。仮に船だけ借りられたとしても、オリオがいなければ船は動かせない」

 

 

 オリオと出会ったときから一緒に冒険していたから、もうシンヤたちは理解しているが、船の中にある全ての機械類に計器類、冷蔵庫にエレベーター、船の中にあるもの全てに何かのトラブルが起きたとき、いつもオリオが率先して見たり直したりしてくれてたので、オリオがいなくてはブレイブアサギ号に何かあったときどうすることもできない。要するに、オリオがいなければブレイブアサギ号はただのデカい鉄の塊も同然なのだ。

 

 

 ロイ「明日、もう一度オリオを説得してみよう」

 

 リコ「そうだね」

 

 ウルト「それはお前らに任せる」

 

 リュウガ「ああ」

 

 カーナ「だったら、裏にある小屋に泊まっていけばいいよ」

 

 シンヤ「ありがとうございます」

 

 

 もうすぐ太陽が沈んで夜になるので、オリオに会って話をするのは明日にしようと決めたシンヤたちは、カーナに使っていいと言われたモンスターボール工場の裏にある小屋に向かうと、そこで一晩過ごした。

 

 

 そして翌朝…

 

 

 モンスターボール工場・工場内

 

 

 オリオ「…」

 

 カーナ「これからどうするの?」

 

 オリオ「カーナ」

 

 

 朝早くに起きたオリオが工場で仕事をしていると、そこにカーナがやってきてオリオに声をかけた。

 

 

 オリオ「どうするって…ずっとここで仕事するよ」

 

 カーナ「…昨日リコたちが、森の中に隠してあるブレイブアサギ号を見つけたよ」

 

 オリオ「っ!」

 

 カーナ「オリオ、本当はリコたちと一緒に冒険したいんでしょ?」

 

 オリオ「…冒険は…もうしないって決めたの。もう、大切なものを失いたくないから…」

 

 カーナ「オリオ…。…リコたち、今ブレイブアサギの所にいると思うから、会ってきたら?」

 

 オリオ「えっ?」

 

 カーナ「せっかくオリオに会いに来てるんだし。それに、このまま逃げても何にもならないんじゃない?」

 

 オリオ「っ……うん」

 

 

 カーナに言われた通り、いつまでも逃げてるわけにいかないと思ったオリオは、ちゃんとシンヤたちと話をするために、エレキッドと一緒にブレイブアサギ号が置いてある森の奥に向かった。

 

 

 森の中

 

 

 オリオ「…」

 

 エレキッド「ビィィッ?」

 

 オリオ「暗い顔ばかりでごめんね、エレキッド」

 

 

 ブレイブアサギ号が置いてある森の奥に向かって歩いているオリオは、フリードが自分の元にやってきて、ランドウの《アサギ号》を世界一の飛行船に改造してほしいと頼みに来たときのことや、ライジングボルテッカーズを結成した日のこと、ラクアを脱出するときにフリードが船から落ちたときのことを思い出していた。

 

 

 オリオ「おかしいよね、忘れたいはずなのに。船だって解体しようと思ってたのに、いつまでも残して…」

 

 

 ずっと忘れようと思っていても、フリードのことを忘れられず、カーナの工場で働いてるときも、オリオはフリードのことを忘れられずにいた。ブレイブアサギ号も解散しようと思っていたはずなのに、それもできなかった。しかし、それが当然のことだった。大切な人を忘れることなど簡単にできるわけがなく、ましてやその大切な人から頼まれ、自分が手塩にかけて造った大切な船で、その船があったから作れたたくさんの思い出があるのだから、簡単に解体などできるわけがなかった。

 

 

 オリオ「ぁっ…」

 

 

 リコ「あっ、オリオ!」

 

 シンヤ「よっ」

 

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 リュウガ「オッス」

 

 ロイ・ドット・ミコ「「「「おはよう!」」」」

 

 キャップ「ピカァァッ!」

 

 オリオ「あんたたち…」

 

 

 ブレイブアサギ号が置いてある所にオリオがやってくると、そこにはカーナの言ってた通りシンヤたちがいたが、ウルトの姿はなかった。

 

 

 オリオ「船を造ってほしいって話なら断ったはずだよ。ブレイブアサギ号を貸してほしいて言われても、それも無理だからね」

 

 リュウガ「ブレイブアサギ号があるのに、新しい船を造ってほしいなんて頼まねえよ」

 

 シンヤ「それに、ブレイブアサギ号を借りる気もないよ。オリオがいなきゃ、船で何か起こっても解決できないからな」

 

 オリオ「だったら諦めて。あたしは、もう冒険に行く気はないの」

 

 リュウガ「じゃあなんで、船の中を整備してるんだ?」

 

 オリオ「えっ?」

 

 リコ「ごめんなさい!さっき、勝手に船の中に入って、あっちこっち見て回ったの」

 

 ミコ「床とかは埃が多かったけど、機械や計器類はバッチリ整備されてた」

 

 ロイ「オリオがメンテナンスしてくれたんでしょ?」

 

 オリオ「当然でしょ、機械は放っておけばすぐ錆びてダメになるから、メンテナンスは絶対に欠かせない」

 

 ミコ「解体しようとしてたブレイブアサギ号をわざわざメンテナンスしてるってことは、またみんなと空を飛んで冒険したいって、オリオがそう思ってるからじゃないの?」

 

 リコ「私たち、オリオの本当の気持ちが聞きたい!」

 

 ドット「もし、オリオが冒険に行く気があるなら、僕たちと一緒に…」

 

 

 オリオ「もういい加減にして‼︎」

 

 

 シンヤ・リュウガ・ミコ・リコ・ロイ・ドット「「「「「「っ!」」」」」」

 

 オリオ「ブレイブアサギ号は、フリードに頼まれたから造ったの!だけど、フリードはもういない、帰ってこない。フリードは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オリオ「死んだの…」

 

 リュウガ・ミコ・リコ・ロイ・ドット「「「「「っ!」」」」」

 

 オリオ「だから、もう冒険は終わったの!」

 

 シンヤ「…」

 

 

 オリオの言葉に、シンヤを除くリコたち子供組は、ブレイブアサギ号に乗ってラクアから脱出するとき、フリードが自分のリザードンと一緒に船から落ちたときのことを思い出していて、その場が静寂に包まれたのだが、しばらくするとキャップが船の中に走って行った。

 

 

 リコ「…今のオリオの気持ち、私にはよくわかる。私もそうだったから。セキエイ学園にいるとき、ラクアに残ったシンヤが怪我をして、それが原因で死んじゃうんじゃないかって不安で、毎日そう思ってたから。でも、セキエイ学園でシンヤと再会したあと、ロイやリュウガ、ドットとミコと再会して、みんなとライジングボルテッカーズを再結成してからここまで一緒に冒険して、一つ思ったことがあった!もしかしたら、シンヤと同じようにフリードは生きてて、今も冒険を続けてるって!」

 

 オリオ「リコ…」

 

 ロイ「僕もリコと同じ気持ちだよ!フリードは絶対に生きてる!ルシアスさんとの約束を守るために、ラクリウムを消滅させて、ライジングボルテッカーズの真実を取り戻す旅をすることをきっと選ぶはずだよ!」

 

 ドット「うん!」

 

 リュウガ「ああ、フリードがそう簡単にくたばるなんて思えねぇ!」

 

 ミコ「ええ、フリードは絶対に生きてる!」

 

 オリオ「あんたたち……あっ…」

 

 

 ブレイブアサギ号・操舵室

 

 

 キャップ「…」

 

 

 

 オリオ「キャップ…」

 

 

 オリオはフリードが死んだと思っているようだが、リコたちはフリードが死んだとは思っておらず、フリードがどこかで生きていると信じていた。そんなリコたちの熱い言葉を聞いたオリオは、不意にブレイブアサギ号の操舵室に目を向けた。そこには、さっき船の中に向かったキャップがいて、腕を組んだ状態で舵の上に乗っていた。それを見たオリオは、キャップもフリードがどこかで生きていると思っているのだと悟った。

 

 

 オリオ(あの日から、あたしの時間は止まった。それは、フリードが死んだって、あたしがそう思っていたから…?フリードが生きてるなんて、考えたことなかったから…?…あたしの、本当の気持ちは…)

 

 シンヤ「……ハァε-(ーдー)、もう見てらんないから、ここで言っといた方がいいか」

 

 リコ「えっ?」

 

 リュウガ「シンヤ?」

 

 シンヤ「オリオ」

 

 オリオ「え?なに?」

 

 シンヤ「実は、フリ…」

 

 

 ドォォォォォォンッ‼︎

 

 

 全員「「「ぁっ!」」」

 

 

 オリオの悲しんでる顔を見ていたシンヤは、その場で軽く息を吐くと、オリオにある事実を言おうと口を開いた。すると、突然モンスターボール工場の方から謎の爆発音が聞こえてきた。

 

 

 リコ「なに、今の?」

 

 リュウガ「工場の方から聞こえてきたな」

 

 ロイ「様子を見に行こう!」

 

 シンヤ「ああ。オリオ、話は後で!」

 

 

 シンヤはオリオにそう言うと、肩に乗せているピカチュウと一緒にモンスターボール工場へと向かった。すると、操舵室にいたキャップがやってきて、リコたちと一緒にモンスターボール工場の方に向かって走って行ったのだが、オリオはその場から動けずにいた。

 

 

 オリオ「何で動けないの…?前だったらすぐに動けたのに!」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 メタグロス「メッタッ‼︎」

 

 オリオ「メタグロス」

 

 

 自分でも気づいていないようだが、やはりフリードのことが原因で、また大切なものを失うという恐怖から、オリオは足を動かせずにいた。それでも、オリオは必死に足を動かして工場に行こうとするが、足を動かせずにいた。すると、オリオのモンスターボールからメタグロスが出てきた。

 

 

 エレキッド「ビビッ!」

 

 

 モンスターボールから出てきたメタグロスは「サイコキネシス」を発動し、オリオを自分の頭の上に乗せると、エレキッドはジャンプしてメタグロスの頭の上に飛び乗り、オリオに力になると伝えた。

 

 

 オリオ「エレキッド…ありがとう、あんたたち!行こう!」

 

 

 オリオがエレキッドとメタグロスにお礼を言うと、メタグロスは宙に浮かび上がり、工場に向かったシンヤたちの後を追いかけた。

 

 

 モンスターボール工場の前

 

 

 ウルト「しつけぇな、怪我をしたくなかったらとっとと帰れよ!」

 

 ヤミラミ「ヤァァァミラッ!」

 

 

 ロイ「ウルト!」

 

 リュウガ「何があった…!」

 

 

 シンヤたちがモンスターボール工場の前にやってくると、カーナの目の前にウルトとヤミラミが立っていて、ウルトとヤミラミの目の前にはスーツ姿の2人の男が立っていたのだが、シンヤたちは何が起こっているのかわからなかった。

 

 

 シンヤ「カーナさん、ウルトは何をやってるんですか?それにこの人たちは?」

 

 カーナ「この人たちは、私とオリオが作ったアイテムを受け取りに来たの」

 

 シンヤ「カーナさんとオリオが作ったアイテム?」

 

 カーナ「うん。この前、この人たちがここに来て、あるアイテムを作ってもらえないかって頼んできたの。それで、私とオリオは昨日まで、この人たちに頼まれた数のアイテムを作ってたの。そのアイテムを納品する日が今日で、納品するアイテムがこのコンテナの中に入ってるから、納品するアイテムの数がちゃんと合ってるかどうか、さっきこの人たちに確認してもらってたの。そしたら、コンテナの中に入ってるアイテムを見たウルトくんが、これを絶対に渡しちゃダメだって言ったら…」

 

 ウルト「コイツらが強引に持って行こうとしたから、コイツらを追い返すようヤミラミに頼んだんだ!」

 

 ヤミラミ「ヤァァミラァァッ!」

 

 リュウガ「さっきの爆発音はヤミラミの技だったのか…」

 

 シンヤ「!カーナさん、ちょっと失礼します!」

 

 

 スッ(シンヤがコンテナのフタを開ける)

 

 

 シンヤ「っ、やっぱ思った通りだ」

 

 リコ「えっ?…ッ⁉︎」

 

 ロイ「これって…!」

 

 リュウガ「マジかよ…」

 

 ミコ「ウルトがこれを渡さなかった理由に納得だわ」

 

 

 カーナが言った、ウルトが“渡してはダメ”だと言った言葉で、カーナが納品しようとしたアイテムの正体に気づいたシンヤはまさかと思い、目の前にある水色のプラスチックコンテナのフタを開けて中に入っているのを確認した。すると、中にはシンヤの思っていたものが入っており、リコたちもプラスチックコンテナの中に入っているものを見ると、驚いて目を見開いた。なぜなら、プラスチックコンテナの中に入っていたアイテムが《ストロングスフィア》だったからだ。

 

 

 ドット「ストロングスフィア!」

 

 カーナ「えっ!?これが!?」

 

 

 自分が納品しようとしていたアイテムが、昨日シンヤたちから聞いたストロングスフィアだと知ると、カーナはその事実に驚いていた。すると、オリオとエレキッドを乗せたメタグロスがシンヤたちの元にやってきた。

 

 

 オリオ「みんな、どうしたの?」

 

 リコ「オリオ!」

 

 カーナ「オリオ!私たちの作ってたこのアイテムが、昨日シンヤたちが言ってたストロングスフィアなんだって!」

 

 オリオ「えっ!?これが、ストロングスフィア…!?」

 

 シンヤ「まさか、2人とも《エクシード社》の人間なんじゃ?」

 

 エクシード社の社員A「え、ええ…」

 

 エクシード社の社員B「確かに、私たちはエクシード社の社員ですが…」

 

  シンヤ・リュウガ・ミコ・リコ・ロイ・ドット「「「「「「っ!」」」」」」

 

 オリオ「そんな…じゃああたしたち、ずっとエクスプローラーズのために、ポケモンたちを傷つけるストロングスフィアを作ってたってこと…?」

 

 

 知らなかったとはいえ、自分がポケモンたちを傷つけるアイテムをエクスプローラーズに作らされていたことに、オリオはショックを受けていた。

 

 

 リュウガ「カーナさんも、この2人がエクシード社の人間だって知らなかったんですか?」

 

 カーナ「うん。ポケモンとトレーナーのためになるものだから作ってほしいって、そう頼まれたから作ってただけで、どこの会社の人たちかまでは聞かなかったの。まさか、この2人がエクシード社の人間で、これがあなたたちの言ってたストロングスフィアだったなんて…」

 

 シンヤ「こんな危ないものを騙して作らせるとは、いかにもスピネルらしい姑息なやり方だな」

 

 エクシード社の社員A「ストロングスフィアの安全テストはちゃんと行っていますから、何も問題ありません」

 

 エクシード社の社員B「それに、我々が頼んだのは外側のパーツを作る仕事だけで…」

 

 カーナ「申し訳ないですけど、これはお渡しできません!私もオリオも、これがトレーナーとポケモンのためになるものだと思ったから、一生懸命作ったんです。だけど、これがポケモンたちを傷つけるものだとわかった以上、これは全て処分します!」

 

 エクシード社の社員A「いや、しかし…!」

 

 カーナ「私がモンスターボール職人になったのは、トレーナーとポケモンを繋ぐ大切なモンスターボールを、真心を込めて作りたいと思ったからです!だからこそ、自分の作ったものがポケモンを傷つけることに使われるなんて、絶対に許せない!」

 

 オリオ「カーナ」

 

 

 「それは聞き捨てなりませんね」

 

 

 カーナは2人のエクシード社の社員の男の前に歩いて行くと、ストロングスフィアのパーツを渡す気はないことをはっきり伝えた。それを聞いた2人は戸惑っており、どうしようとかと互いに顔を見合わせた。すると、2人の後ろから女性の声が聞こえてきたので、この場にいる全員が後ろに振り向いた。するとそこには、エクスプローラーズのメンバーの証であるΣっぽいマークが入った服を着ている、黒髪に赤いメッシュが入った女性と、黒髪に青いメッシュが入った男性が立っていた。

 

 

 リュウガ「お前ら、エクスプローラーズの人間か?」

 

 インディ「ええ。私は《インディ》」

 

 ルーベラ「私は《ルーベラ》。スピネル様に仕えている者です」

 

 シンヤ「っ、スピネルの飼い犬ってことか」

 

 カーナ「これを渡す気はないので、今すぐお引き取りください!」

 

 インディ「そうはいきません」

 

 ルーベラ「ストロングスフィアは、トレーナーとポケモンの未来のために必要なものですので」

 

 リュウガ「必要?不必要の間違いだろ?」

 

 エクシード社の社員B「あの…」

 

 ルーベラ「ここは私たちに任せてください」

 

 エクシード社の社員A「は、はい…」

 

 インディ「我々エクスプローラーズは、世界の秩序を守るもの。その我々が必要だと言えば、必要なものになるのです」

 

 ウルト「ロイたちライジングボルテッカーズを悪者にした卑怯もんのくせに、ヒーロー気取りなんてメガ気に入らねえな!」

 

 インディ「ライジングボルテッカーズだと!」

 

 ルーベラ「我らエクスプローラーズの邪魔をするとは、噂通りの悪党たちだ」

 

 ミコ「クムリ山をめちゃくちゃにしたのはスピネルでしょ!その罪を私たちに被せただけじゃない!」

 

 リュウガ「ミコ、落ち着け」

 

 ミコ「でも!」

 

 

 スチャ(ルーベラとインディがモンスターボールを取り出す)

 

 

 ルーベラ「お前たちライジングボルテッカーズがいるとわかった以上、このまま見過ごすわけにはいかない」

 

 インディ「ストロングスフィアの製造パーツを回収する前に、先にお前たちを始末させてもらう」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 ケンタロス(パルデアの姿・ブレイズ種)「ブォォォンッ!」

 

 ケンタロス(パルデアの姿・ウォーター種)「ブォォォンッ!」

 

 

 ルーベラとインディは、シンヤたちがライジングボルテッカーズだと知ると、それぞれモンスターボールを取り出し、それを宙に投げてポケモンを繰り出した。ルーベラが投げたモンスターボールからは、ほのお・かくとうタイプを持つパルデアの姿のケンタロスが出てきて、インディが投げたモンスターボールからは、みず・かくとうタイプを持つパルデアの姿のケンタロスが出てきた。

 

 

 ウルト「黒いケンタロスだと⁉︎」

 

 シンヤ「あの2体は、パルデアの姿のケンタロスだ!」

 

 リュウガ「リージョンフォームのケンタロスってことか!」

 

 ミコ「リコ、あのケンタロスのタイプはわかる?」

 

 リコ「うん。確か、赤い方がほのおとかくとうタイプで、青い方はみずとかくとうタイプだったと思う」

 

 ロイ「カーナさん、ここは僕たちに任せてください。アチゲータ、いくよ」

 

 アチゲータ「アッチゲェェェッ!」

 

 

 リコ「マスカーニャ!」

 

 マスカーニャ「マァァァニャァッ!」

 

 

 ドット「ウェルカモ!」

 

 ウェルカモ「ウェェルッ!」

 

 

 ウルト「ヤミラミ!」

 

 ヤミラミ「ヤァァミッ!」

 

 

 ルーベラ「インディ」

 

 インディ「わかっている」

 

 

 スチャ(ルーベラとインディがストロングスフィアを構える)

 

 

 マスカーニャとアチゲータとウェルカモとヤミラミが、ブレイズ種とウォーター種のケンタロスの前に出ると、インディとルーベラはストロングスフィアを取り出し、自分がモンスターボールから出したパルデアの姿のケンタロスの頭上に投げた。すると、ストロングスフィアの鼠色の蓋が開き、中からピンクのモヤがブレイズ種とウォーター種のケンタロスに向かって放出されると、ブレイズ種とウォーター種のケンタロスはピンクのモヤに包み込まれた。そして、ブレイズ種とウォーター種のケンタロスを包んだピンクのモヤが晴れていくと、目つきが鋭くなり、体にピンクのモヤを纏ったブレイズ種とウォーター種のケンタロスが現れた。

 

 

 ケンタロス(パルデアの姿・ブレイズ種)「ブォォォンッ‼︎」

 

 ケンタロス(パルデアの姿・ウォーター種)「ブォォォンッ‼︎」

 

 

 カーナ「ケンタロスの目つきが変わった…!?」

 

 オリオ「これが、ストロングスフィアがポケモンに与える影響…!」

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 

 エクスプローラーズのメンバーである《ルーベラ》と《インディ》とバトルすることになったリコたちは、ストロングスフィアの影響を受けた2体のケンタロスに苦戦するが、力を合わせてなんとか勝利することができた。そして、リコたちのバトルを見ていたオリオは、このままでいいのかと思い始めた。

 

 

 次回「復活!ライジングボルテッカーズ‼︎」

 





 すはらかなやさん、星9評価ありがとうございます。
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