ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 コルサからの情報で、シンヤたちは黒いレックウザと関係があるオリーヴァを探しに森の中にやってきた。そこでシンヤたちは、古のモンスターボールを身につけている巨大なオリーヴァと遭遇する。そのあと、シンヤたちはオリーヴァとポケモンバトルを始めるが、モリーが治療したウパーがオリーヴァを説得してくれたので、シンヤたちはオリーヴァとのバトルを中断した。すると、オリーヴァは自分の腕にシンヤとリコとロイの3人を乗せて上へとあげると、高い場所から焼け野原となった森全体を見せた。それを見たシンヤは、森の再生をしてみるかと言い出した。


第12話『リコが選ぶ未来!新しい旅立ち!』

 

 森の中

 

 

 モリー「森を再生するって…」

 

 リコ「そんなことできるの?」

 

 シンヤ「時間はかかるけど、上手くいけば今日中に森は復活するだろうな」

 

 ロイ「ホントに⁉︎」

 

 シンヤ「ああ。まずは、この森にあるきのみを多く集めるんだ。色々な種類があったほうがいいな。その仕事はリコとモリーに頼んでいいかな?俺のジュカイン、ゲッコウガ、リザードンと一緒にやれば捗るはずだから。ロイとホゲータは、俺とピカチュウ、ルカリオ、エンペルトと一緒に土を耕す。それでいいな?」

 

 リコ・ロイ「「わかった!」」

 

 モリー「だけど、肝心の水はどうするの?この時期のパルデアに雨が降ることはほとんどないよ」

 

 シンヤ「それは大丈夫。俺のゲッコウガは『あまごい』が使えるから」

 

 モリー「なら問題ないか。…このポケモン、《ミライドン》っていったっけ?こんな機械みたいなポケモン初めて見たんだけど、どこでゲットしたの?」

 

 リコ「私も聞きたい。ミライドンのこと!」

 

 ロイ「僕も知りたい!」

 

 シンヤ「その話は、あとでちゃんとするから。今はとりあえず、各自やることをやろう。じゃないと日が暮れる」

 

 

 リコたちはミライドンのことが気になっているようだが、それはあとで話すからとシンヤに言われると、リコたちは納得して森の再生のために動き出した。リコとモリーはラッキーとニャオハを連れて、シンヤのジュカイン、ゲッコウガ、リザードンと一緒に森に実っているきのみを集め始め、シンヤはロイとホゲータ、エンペルト、ルカリオ、ピカチュウと一緒に土を耕し始めた。

 

 

 ブレイブアサギ号・ドットの部屋

 

 

 ぐるみん『よっす!ポケモントレーナーのみんな!ぐる〜びんしてる?ぐるみんの動画だぜぃ!ポケモンは技の他に特性と呼ばれる能力を持っている。ピンチの時にパワーを上げたり、攻撃してきた相手にダメージを与えたり、発揮される能力はポケモンによって様々だ。同じポケモンでも特性が違ったりするから、ポケモンの特性を理解することはバトルに勝つ大事なポイントだ。自分のポケモンの特性を、トレーナーの君たちがちゃんと生かしてあげなきゃな!』

 

 クワッス『クワッスゥゥッ!』

 

 

 カタカタカタカタッ(キーボードを押す)

 

 

 ドット「よし、動画チェック完了。アップロードっと……ん?」

 

 

 シンヤたちが森の再生を始めた頃、ライジングボルテッカーズの一員のドットは、自分の部屋でぐるみんの動画チェックをしていた。動画のチェックが終わり、動画をネットにアップロードしようとした時、ドットは電波の調子が悪いことに気づいた。

 

 

 ブレイブアサギ号・ミーティングルーム

 

 

 マードック「なぁ、やっぱり連絡が遅くないか?」

 

 オリオ「だから、シンヤとモリーも一緒だから大丈夫だって」

 

 マードック「だけどよ」

 

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…(スマホロトムに着信が入る)

 

 

 フリード「おっ、連絡が来たじゃないか」

 

 

 ピッ(電話に出る)

 

 

 フリード「ドットからだ」

 

 オリオ「珍しいね」

 

 マードック「付近一帯で通信障害が発生中⁉︎」

 

 オリオ「もしかして、そのせいでリコたちと連絡が取れないんじゃないの?」

 

 

 スッ(フリードが椅子から立つ)

 

 

 フリード「マードック、オリオ、2人は船を頼む!」

 

 マードック「あ…あぁ」

 

 フリード「リザードンで出る。行くぞキャップ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピッカ!」

 

 

 ドットからメールで、ここら辺に通信障害が発生していると連絡が来ると、フリードは急に椅子から立ち上がり、マードックとオリオに船のことを任せると、キャップ一緒にリザードンに乗って外に出ていった。

 

 

 オリオ「なんか、フリードも…」

 

 マードック「俺より心配症になってるな」

 

 

 街の上空

 

 

 フリード「シンヤもいるから大丈夫だと思うが……クッソー、この辺りも圏外か…」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカチュー!」

 

 フリード「どうしたキャップ?…ん?アイツは…」

 

 

 リザードンに乗ったフリードは、急いでシンヤたちがいる森に向かおうとしたが、シンヤたちがいる詳しい場所がわからないので、取り出したスマホロトムを使ってシンヤたちのいる場所を調べようとした。しかし、ここでもスマホロトムが圏外になっているので、フリードがどうしようかと考えていると、何かを見つけたキャップがその方向に向かって指を差した。するとそこには、磁気嵐を発生させている1匹のレアコイルがいた。

 

 

 レアコイル「レァァァッ」

 

 

 フリード「レアコイル?…そうか!アイツが原因か。キャップ、脅かしてやれ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピッカ!チュ〜!」

 

 

 バァァァン!

 

 

 レアコイル「シビビビ〜⁉︎」

 

 

 キャップが放った電撃がレアコイルに当たると、それに驚いたレアコイルはフラフラ飛びながらどこかへと飛んでいってしまった。

 

 

 フリード「ありがとう、キャップ!これで連絡できるはずだ」

 

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…(スマホロトムに着信が入る)

 

 ピッ(電話に出る)

 

 

 モリー『フリード』

 

 フリード「どうしたモリー?何かあったのか?」

 

 モリー『実はね…』

 

 

 モリーは連絡の取れたフリードに、森で山火事があったことや、さっき出会った巨大オリーヴァのこと、今シンヤたちと森の再生をしていることなどを詳しく説明した。

 

 

 フリード「そういうことか…わかった。俺はこれから船に戻って、マードックたちを連れてくる」

 

 モリー『…フリード、《ミライドン》ってポケモンを知ってる?』

 

 フリード「ミライドン?聞いたことないぞ、そんなポケモン」

 

 モリー『アンタでも知らないか』

 

 フリード「そのミライドンってポケモンがどうかしたのか?」

 

 モリー『実はシンヤが、そのミライドンをモンスターボールから出すところをリコが見たらしくてね。フリードなら何か知ってると思ったんだけど』

 

 フリード「何⁉︎シンヤが‼︎」

 

 モリー『声がでかい‼︎』

 

 フリード「あっ、悪い。…っで、今、そのミライドンってポケモンと一緒なのか?」

 

 モリー『一緒にきのみを集めてるよ。見たいなら早く来れば』

 

 フリード「よし!待ってろ!すぐに行く!」

 

 

 ピッ(通話を切る)

 

 

 キャプテンピカチュウ「ピカ?」

 

 フリード「ミライドンか。聞いたことのないポケモンだ。こりゃ、シンヤからいろいろ聞き出さないとな!リザードン、急いで船に戻ってくれ!」

 

 リザードン「リザァァァッ!」

 

 

 森の中

 

 

 シンヤ「早く終わってよかったな」

 

 リコ「うん。集めたきのみも耕した土に全部埋めたし」

 

 ロイ「これでいいんだよね?」

 

 シンヤ「ああ」

 

 

 シンヤたちは、ポケモンたちにきのみ集めを手伝ってもらい、技を使って土を耕してもらったあと、集めたきのみを全て耕した土の中に植えたので、もうやることはなかった。

 

 

 モリー「結局、フリードたちが来る前に全部終わったね」

 

 シンヤ「あとは『あまごい』で終わりだな。じゃあ、早速ゲッコウガに…」

 

 

 バサッ(リザードンが翼を羽ばたかせる音)

 

 

 フリード「みんな!待たせたな!」

 

 

 リコ「フリード!」

 

 ロイ「こっちこっち!」

 

 

 シンヤがゲッコウガをボールから出して「あまごい」を頼もうとすると、リザードンに乗ったフリードとキャップがメタグロスに乗っているオリオとランドウと一緒にやってきた。

 

 

 フリード「でっ、ミライドンってポケモンはどこにいるんだ?」

 

 シンヤ「こいつだけど」

 

 ミライドン「アギャアアッ」

 

 フリード「おおーーっ‼︎これがミライドンか!初めて見るポケモンだ!シンヤ、なんでミライドンのことを黙ってたんだよ!早く教えてくれればよかったじゃねえか!」

 

 シンヤ「それより、今は森の再生をすることが優先だろ。ミライドンのことはちゃんとあとで説明するから、少し待ってくれ」

 

 フリード「約束だぞ。あとでミライドンのことを教えてもらうからな」

 

 シンヤ「わかったよ。じゃあ、早速『あまごい』を…」

 

 ランドウ「それはワシがやろう」

 

 シンヤ「えっ?ランドウのじっちゃん?」

 

 ランドウ「枯れ木も山の賑わいと言うからの。わしも久しぶりに、なまくら刀を振るうとするか」

 

 

 ランドウは胸元に手を入れると、そこからダイブボールを取り出し、そのダイブボールをランドウが投げると、中からみずうおポケモンの《ヌオー》が出てきた。

 

 

 ヌオー「ヌォォッ!」

 

 ランドウ「大いなる恵みをもたらすのじゃ。ヌオー!『あまごい』!」

 

 ヌオー「ヌォォォォッ‼︎」

 

 

 ヌオーが空に向かって両腕を広げて叫ぶと、森の上空に雨雲が出現し、そこから雨が降り始めた。雨が降ったことで、あっという間に地面が潤いを取り戻し、オリーヴァも喜びの声を上げる。すると、リコはポケモン図鑑でヌオーのことを調べ始めた。

 

 

 ヌオー みずうおポケモン みず・じめんタイプ

 

 船底や川の岩に頭をぶつけまくっても気にせず、気ままに泳いでいるのんきな性格。

 

 

 リコ「ランドウのおじいさん、こんなポケモンを持ってたんだ」

 

 モリー「私たちも知らなかった」

 

 リコ「シンヤ、これからどうやって森を再生するの?」

 

 シンヤ「ちょっと待ってくれ。今ナナカマド博士に連絡して、森を再生できるポケモンを送ってもらうから」

 

 巨大オリーヴァ「リィィヴァァァ!」

 

 

 「あまごい」のおかげで森全体の土が潤いを取り戻したので、シンヤはナナカマド博士に連絡して、森を再生できるポケモンを送ってもらおうとした。その時、オリーヴァは両手から緑色の光の粒のようなものを放出し、焼け野原となった森全体に降り注いだ。すると、さきほど植えたばかりのきのみの種が芽を出し、その芽がさらにどんどん大きくなると一本の木になった。他の植えたきのみも同じように芽を出すと、さっきまで焼け野原だった森は一瞬で以前のような緑いっぱいの美しさを取り戻したのだった。

 

 

 シンヤ「オリーヴァの特性《こぼれダネ》か」

 

 フリード「ああ。ヌオーの『あまごい』のおかげで、オリーヴァの力も戻ったんだろうな」

 

 リコ「みんなが力を貸してくれたから、オリーヴァも応えてくれたんだね」

 

 ロイ「見て!ポケモンたちも戻ってきた!」

 

 

 オリーヴァの“こぼれダネ”のおかげで焼け野原だった森は緑がいっぱいの森に戻ると、野生のポケモンたちは元に戻った森に集まってきて、とても嬉しそう顔をしていた。

 

 

 巨大オリーヴァ「リィィィヴァッ…」

 

 

 ピカァァァン‼︎(ペンダントが光る)

 

 

 リコ「あっ、ペンダントが!」

 

 ロイ「レックウザの時と同じだ!」

 

 シンヤ「いや、これは!」

 

 

 野生のポケモンたちが森に戻ってきた時、オリーヴァが大きな声を出すと、リコの持っていたペンダントが輝きを放ち始めた。すると、リコのペンダントの形が大きく変わり始め、亀のような姿をしたポケモンに姿を変えた。

 

 

 ???「パァァァァゴォォォォッ!」

 

 オリーヴァ「クゥゥゥゥッ!」

 

 

 リコのペンダントが亀のようなポケモンの姿に変わり、そのポケモンを見たオリーヴァは両手からエネルギーを凝縮させた光の球体を作り出すと、それをリコとロイと亀のようなポケモンに被せるように包み込んだ。

 

 

 シンヤ「リコ!ロイ!」

 

 

 リコとロイがエネルギーの球体の中に包み込まれると、光の球体の中が霧のようになり、後ろから誰かの声が聞こえてきたので2人は後ろに振り向いた。すると、霧の奥に誰かが立っていることに気づいた。

 

 

 ???『見つけてほしい』

 

 ロイ「誰?」

 

 ???『見つけてほしい。この世界の…』

 

 リコ「え?」

 

 

 霧の奥に立っていた人物は、リコとロイにそう告げると、霧の中に姿を消してしまう。そして霧が晴れると、謎のポケモンは再びペンダントの姿に戻り、球体に包み込まれたリコとロイが姿を現した。

 

 

 シンヤ「2人とも、無事か?」

 

 リコ「う、うん」

 

 ロイ「大丈夫」

 

 シンヤ「球体の中で何があった?」

 

 リコ「霧の中に人がいて…ロイは見えた?」

 

 ロイ「うん。見えた」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 巨大オリーヴァ「クゥゥゥッ!」

 

 

 どうやらリコとロイは、さっきの球体の中で何かを見たらしいので、シンヤはリコとロイに、球体の中で何を見たのか2人に聞こうとした。その時、突然オリーヴァが大声を上げた。すると、オリーヴァの身につけている古のモンスターボールが光りを放ち、オリーヴァがその中に吸い込まれるように入っていくと、地面に落ちた古のモンスターボールはシンヤの足元に落ちてきた。

 

 

 リコ「私たちと一緒に来てくれるってことかな?」

 

 シンヤ「おそらくな。一つ気になるのは、古のモンスターボールがロイの持ってるもの以外にも存在してたってことだ」

 

 

 レックウザとオリーヴァが共鳴したのは、この古のモンスターボールが関係しているとシンヤは考えていた。そして古のモンスターボールは、ロイの持っているボール以外にも存在したということだが…

 

 

 シンヤ「まだ謎が全部解けたわけじゃないけど、オリーヴァには何か考えがあるんだろう。それに、オリーヴァがお前たちのことを認めてくれたのは間違いない」

 

 

 オリーヴァが自ら古のモンスターボールに入ったのは、リコとロイを認めてくれたということで間違いないだろう。そうすると、このボールはリコとロイが持つべきだとシンヤは思っていた。

 

 

 シンヤ「リコ、ロイ、このオリーヴァの入ってるボールは、お前たち2人で預かってくれ」

 

 

 シンヤはそう言うと、オリーヴァの入っている古のモンスターボールをリコとロイの前に差し出した。

 

 

 ロイ「でも、オリーヴァを押さえることができたのも、森を再生させることができたのだって、シンヤのおかげなんだよ」

 

 リコ「そうだよ!そのボールは、私たちよりシンヤが持ってるほうが絶対にいいよ!」

 

 シンヤ「いや、これはリコとロイが持つべきだ。さっきオリーヴァは、リコとロイを球体の中に入れて何かを見せた。それに、ペンダントを持つリコと、古のモンスターボールを持っているロイ。俺にはこの2つの繋がりが、何か特別な意味があるように思えてならないんだ。だから、これは2人が管理してくれ。それに、オリーヴァを押さえられたのは、リコとロイの協力があってこそだったし、森を再生したのもオリーヴァだからな」

 

 

 シンヤはそう言ってリコの手を掴むと、オリーヴァの入った古のモンスターボールを渡した。

 

 

 リコ「…本当にいいの?私たちが預かって?」

 

 シンヤ「各地方を旅したことで、俺が経験して学んだことだけど。ポケモンも古のモンスターボールのような特別なアイテムも、相応しい者が持ってこそ、初めて価値があると思うんだ。そして、それは俺が持つべきものじゃない。それだけだ」

 

  フリード「いいこと言うな、シンヤ」

 

 シンヤ「いや、当たり前のことを言っただけなんだけど」

 

 フリード「…なんにせよ、凄いものを見ちまったな。…さぁ、とりあえず船に戻ろう」

 

 

 なぜオリーヴァが、自ら古のモンスターボールの中に入ったのかはわからないが、それはあとで考えることにして、シンヤたちはブレイブアサギ号に戻っていった。…すると、シンヤたちの様子を見ていた不穏な影が現れる…

 

 

 スッ(木の影から現れる)

 

 

 ???「オ〜〜ベッ」

 

 

 ???

 

 

 ???『ミライドン。そして、ペンダントがポケモンに姿を変える現象。非常に興味深い』

 

 ???『作戦は決まりましたか?スピネルさん』

 

 スピネル『ええ。ですが、作戦を成功させるには、あなたの協力が必要です。ゲーチスさん』

 

 ゲーチス『構いませんよ。彼を葬り去るためには、協力を惜しまないつもりですから』

 

 

 アメジオに代わり、ライジングボルテッカーズを追うスピネル。そして、シンヤと因縁があるゲーチス。どうやらこの2人が手を組み、何か作戦を立てているようだった。その頃、シンヤとフリードは…

 

 

 パルデア地方・ボウルタウンの図書館

 

 

 フリード「ああ〜、もう全然わからん!」

 キャプテンピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 リコたちをブレイブアサギ号へと送ったフリードは、一度みんなと別れたあと、シンヤと一緒にボウルタウンにある図書館にやってきて、古のモンスターボールのことを調べていた。

 

 

 シンヤ「大変だね、ポケモン博士は」

 

 ピカチュウ「ピッカッ」

 

 ミライドン「アギャアアッ」

 

 フリード「スマホロトムを触る暇があるなら、シンヤも古のモンスターボールのことを調べてくれよ。大体、なんで俺についてきたんだ?」

 

 シンヤ「フリードはさ、リコのお母さんからリコのボディガードを引き受けたんだよな?」

 

 フリード「前にそう言ったろ」

 

 シンヤ「そして、今は連絡も取れない」

 

 フリード「…だから?」

 

 シンヤ「フリードについてくれば、リコのお母さんが姿を現すと思ってね」

 

 フリード「いや、だったら自分から連絡すればいいだけだろ」

 

 シンヤ「自分から娘のボディガード頼んどいて、こっちから連絡してるのに電話に出ない母親がいるか?何か事情があると考えるだろう。だから依頼主のリコのお母さんが、直接フリードを尋ねてくる。そう先読みしたんだ」

 

 フリード「そんな簡単に…」

 

 

 スッ(後ろから突然現れる)

 

 

 ???「2人とも。図書館でお喋りはマナー違反よ」

 

 

 シンヤ・フリード「「え?」」

 

 

 シンヤとフリードが話をしていると、後ろから2人に声をかけてきた一人の女性がいた。その人物は、長い藍色の髪を後ろで束ね、肩に体の色が黄色のとりポケモンを乗せている女性だった。

 

 

 ???「久しぶりね、フリードくん。それにシンヤくんも」

 

 フリード「《ルッカ先生》!?どうしてここに?っていうか、シンヤを知ってるんですか?」

 

 ルッカ「ええ。一ヶ月前に、シンヤくんがオレンジアカデミーに来た時にね」

 

 シンヤ「お久しぶりです、ルッカ先生。でも、どうしてここにルッカ先生が?」

 

 ルッカ「夫から、フリードくんがボウルタウンに向かったって連絡をもらってね。フリードくんなら図書館にいると思って来てみたの。まさかシンヤくんも一緒だったなんてね。キャップ、元気にしてた?」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカチュー」

 

 ルッカ「シンヤくんのピカチュウも、ミライドンも元気そうね」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 ミライドン「アギャアア!」

 

 フリード「えっ!ルッカ先生、ミライドンのことを知ってるんですか!」

 

 ルッカ先生「シンヤくんがパルデアに来た時、ちょっと色々あってね。その時に出会ったの」

 

 フリード「それより、何度も連絡したじゃないですか。今までどこに?」

 

 ルッカ「ごめんごめん。母のこともあったから、連絡を入れるのは危険だと思ったの」

 

 フリード「危険って…」

 

 イキリンコ(イエローフェザー)「キケン!キケン!キケン!」

 

 フリード「な、何だ⁉︎」

 

 ルッカ「イキリンコ、シーッ」

 

 

 図書館の店員「こっほん!(咳払い)」

 

 

 シンヤ「あっ、すいません」

 

 ルッカ「2人とも、話は外でしましょうか」

 

 シンヤ・フリード「「はい」」

 

 

 ブレイブアサギ・ミーティングルーム

 

 

 リコ「よし、これで持ってきた本は全部」

 

 

 船に戻ってきたリコは、家から持ってきた本をミーティングルームで整理していた。すると、ロイが扉を開けてミーティングルームに入ってきた。

 

 

 ロイ「リコ、シンヤとフリード知らない?」

 

 リコ「シンヤとフリードなら、さっき図書館に出かけたよ」

 

 ロイ「そっか。ん?何コレ?」

 

 リコ「ロイに渡してほしいって、お父さんから頼まれた本だよ」

 

 ロイ「本当!今読んでもいい?」

 

 リコ「もちろん」

 

 

 リコから本を読む許可をもらうと、ロイはテーブルに置いてある本を漁り始めた。すると、突然ロイが大声を上げる。

 

 

 ロイ「うわ〜〜っ!」

 

 リコ「ど、どうしたの?」

 

 ロイ「こっ、こっ、この本は⁉︎」

 

 リコ「その本がどうかしたの?」

 

 ロイ「これだよ!これなんだ!僕が爺ちゃんに読んでもらった、《古の冒険者》の話は!」

 

 リコ「ええっ⁉︎」

 

 

 ボウルタウン・近くの丘

 

 

 ルッカ「それにしてもフリードくん、君はポケモン博士って感じには見えないわね」

 

 フリード「いいんです。俺はこのほうが気が楽ですから」

 

 ルッカ「そっか。シンヤくんもありがとう。ここまでリコを守ってくれて」

 

 シンヤ「いえ、別にそんな大したことはしてませんから」

 

 ルッカ「フフッw。それでフリードくん。君の調べていたモンスターボール、何かわかった?」

 

 フリード「素材や状態からして、かなり古い物だと思っています」

 

 シンヤ「ルッカ先生は、このボールのことを知ってるんですか?」

 

 ルッカ「ええ。それは100年前、《六英雄》と呼ばれるポケモンたちを連れて楽園に辿り着いた、《古の冒険者ルシアス》が持っていたものなの」

 

 フリード「古の冒険者…」

 シンヤ「ルシアス…」

 

 

 ブレイブアサギ号・ミーティングルーム

 

 

 ロイ「小さい頃、何度も爺ちゃんが読んでくれたんだ。その表紙を覚えてるから、間違いないよ」

 

 

 リコは古の冒険者の絵本を開くと、絵本を読んでいった。

 

 「・昔むかし、100年もの昔、黒いレックウザを従えた、1人の冒険者がおりました。彼はあらゆる地方を旅して、強きポケモンたちと出会い、深い絆を結びました。まだ見ぬ景色を夢みて、仲間になったポケモンたちと、世界の果てを目指した。みんなは力を合わせました。『大地を走り』、『壁を砕き』、『空を駆け』、『傷を癒やし』、『海を渡り』、冒険を続けるうちに、彼らが辿り着いたのは、とても豊かで美しい、光り輝く楽園でした。冒険者と黒いレックウザ、そして仲間のポケモンたちは、その楽園で、いつまでも仲良く幸せに暮らしました。その勇気と飽くなき探究心を讃えて、いつしか彼は、こう呼ばれるようになりました。《古の冒険者ルシアス》と」

 

 これで絵本の物語は終わり、最後のページにはリコのお父さん、アレックスの写真があった。

 

 

 ロイ「リコのお父さんだ」

 

 リコ「まさか、お父さんが古の冒険者の話を描いてたなんて。じゃあ、この絵本に描いてあるレックウザって、ロイと出会った島で見たレックウザかな?」

 

 ロイ「じゃあ、『傷を癒やし』っていうのは、オリーヴァのことかな?」

 

 リコ「かもしれない。古のモンスターボールに入っているポケモンは、このルシアスって人のポケモンで…」

 

 ロイ「レックウザとオリーヴァの他に、あと4匹いるってことか!」

 

 

 ボウルタウン・近くの丘

 

 

 フリード「じゃあ、このボールから現れた、黒いレックウザとオリーヴァは…」

 

 ルッカ「ルシアスの六英雄と呼ばれるポケモンに違いないわ」

 

 シンヤ「六英雄か…もう一つ気になることがあります。六英雄と呼ばれるポケモンが入っていたボールと共鳴する、リコのペンダントは何なんですか?」

 

 ルッカ「ペンダント…」

 

 シンヤ「俺たちは見たんです。リコの持つペンダントが、ポケモンの姿になるところを」

 

 ルッカ「そう。あの子にそんなことが」

 

 フリード「ルッカ先生なら、何か知ってるんじゃないですか?リコの母親のあなたなら」

 

 シンヤ(やっぱり、リコのお母さんはルッカ先生だったのか)

 

 ルッカ「…ペンダントについては、私もよく知らない。あれは元々、母が持っていたものだったから」

 

 イキリンコ「モノダカラー!モノダカラー!」

 

 ルッカ「リコがセキエイ学園に入学すると決まった時に、お守りとして、母がリコに渡したの」

 

 シンヤ「…リコがペンダントを持つことで、何かが動き出したのか?」

 

 ルッカ「古の冒険者と六英雄の話を私が知ってるのも、昔、母から聞かされただけだから。もっと詳しく知りたいなら、母に直接会って聞くしかないわね」

 

 イキリンコ「ガラル、コジョー!ガラル、コジョー!」

 

 シンヤ「ガラル、コジョー……!《ガラルの古城》か!」

 

 

 

 

 アレックス『あぁ、その絵本はね、おばちゃんから聞いた話をもとに、僕が考えて描いたものなんだ』

 

 リコ「そうだったんだ」

 

 アレックス『それはそうと、シンヤくんとは仲良くやれてるのかい?』

 

 リコ「えっ?もちろん。ありがとう。また連絡するね」

 

 

 ピッ(電話を切る)

 

 

 ロイ「シンヤが帰ってきたら、シンヤの意見も聞いてみようよ」

 

 リコ「そうだね。そろそろ帰ってくるだろうし」

 

 

 ボウルタウン・近くの丘

 

 

 ルッカ「さて、そろそろ帰るわ」

 

 シンヤ「え?リコに会わないんですか?せっかくパルデアに帰ってきてるのに?」

 

 ルッカ「本当は、リコからペンダントを預かるつもりだったけど、この先どうするかは、リコ自身に決めてもらいましょう」

 

 フリード「リコに決めさせると」

 

 ルッカ「今あの子に会えば、母親としてあれこれ言ってしまいそうだから。リコがこれからどんな未来を選ぶのか、あの子に選ばせてあげたいの。それが私の教育方針」

 

 フリード「自分で選ぶ未来…か。学校の先生らしいですね」

 

 ルッカ「君にもそう教えたはずでしょ」

 

 フリード「ぁっ、そうでしたね」

 

 ルッカ「それと、シンヤくん」

 

 シンヤ「はい?」

 

 ルッカ「ごめんなさい。君を巻き込んでしまって。君には以前、この『パルデア地方を救って』もらったのに、リコまで守ってもらって」

 

 フリード(ん?)

 

 シンヤ「別に気にしてませんよ。パルデア地方での冒険を終えてカントー地方に行った時、偶然リコと知り合ってここまで来ましたけど、俺もこの冒険を楽しんでますから」

 

 ルッカ「そう言ってもらえると、とても助かるわ」

 

 フリード「…ルッカ先生。シンヤにパルデアを救ってもらったって、一体どういう意味ですか?」

 

 シンヤ「ぁっ…」

 

 ルッカ「それは……今度フリードくんたちがパルデアに来た時に話しましょうか」

 

 フリード「はぁ、わかりました」

 

 ルッカ「うん。シンヤくん、リコのことをよろしくね。リコの《恋人》として」

 

 シンヤ「あっ、そうだ!そのことを伝えるのを忘れてた。すいません。今リコと交際してます」

 

 ルッカ「うん。リコからシンヤくんと付き合ってるってメールが来た時、同じ名前の別人のシンヤくんと思ってたけど、君ならいいの。なにより、夫も君のことを気に入ったみたいだからね」

 

 シンヤ「そうなんですか?」

 

 ルッカ「リコから恋人ができたって連絡が来た時、あの人、顔が凍ってたから」

 

 シンヤ「ああ、それは簡単に想像ができますね」

 

 ルッカ「それと、ペパーくんとボタンさんとネモさんには会えた?」

 

 シンヤ「ネモには会いましたけど、ペパーとボタンには会えませんでした。ネモには、2人が元気だと聞きましたけど」

 

 ルッカ「ええ。ボタンさんもスター団だった子たちも、今は学校に馴染んでいるわ。ペパーくんも、あんなことがあったあとだけど、元気にしてる」

 

 シンヤ「そうですか。ペパーとボタンに会うことが会ったら、よろしくと言っておいてください」

 

 ルッカ「ええ。じゃあ、本当にそろそろ行くわ」

 

 フリード「ええ」

 

 ルッカ「フリードくんとシンヤくんが一緒なら、リコを安心して任せられるわ。行ってらっしゃい」

 

 

 ルッカはそう言うと、今度こそ家へと帰っていった。すると、フリードはさっきのシンヤとルッカの話していた内容を頭の中で考えていた。

 

 

 フリード(俺には話の内容がわからなかったが、ルッカ先生は知ってるみたいだったな。シンヤがパルデアを救ったっていうのは、一体どういう意味だ?)

 

 シンヤ「フリード。そろそろ船に戻ろう」

 

 フリード「え?…ああ、そうだな」

 

 

 ルッカが家に帰ったのを確認したシンヤとフリードは、さっきルッカから聞いたことをリコたちに伝えるため、ブレイブアサギ号に戻っていった。

 

 

 ブレイブアサギ号・ミーティングルーム

 

 

 フリード「というわけだ」

 

 シンヤ「これからどうするかは、リコの判断に任せるよ」

 

 

 シンヤとフリードはブレイブアサギ号に戻ってくると、全員をミーティングルームに集め、ルッカに聞いた話をみんなに説明した。

 

 

 リコ「私、おばあちゃんに会いに行く。おばあちゃんに会えば、この子のこと、何かわかるかもしれないから」

 

 シンヤ「じゃあ決まりだな。リコのおばあさんに会いに行こう」

 

 ロイ「僕も行きたい!」

 

 リコ「シンヤ、ロイ」

 

 ロイ「リコのおばあちゃんに会えば、古のモンスターボールのことや黒いレックウザのこと、なにかわかるかもしれないし!」

 

 シンヤ「確かに。そのペンダントは、元々リコのおばあさんが持っていたものだから、六英雄のことを知っていてもおかしくないからな」

 

 ロイ「それに、リコのおばあちゃんがどんな人なのか、会って確かめてみたい!」

 

 リコ「すっごい人だよ。世界中を冒険してて、どこにいるのか、いつもわからないんだよね(^ ‿ ^٥)」

 

 ロイ「えぇ、それじゃあ会えないよ」

 

 シンヤ「それなら大丈夫。ルッカ先生の肩に乗ってたイキリンコが、ガラル、コジョーって言ってた。それはおそらく、《ガラル地方》にあるガラルの古城のことだろう」

 

 リコ「ガラル地方…」

 ロイ「また知らない所だ…」

 

 マードック「確かシンヤが、世界最強のポケモントレーナーのダンデを倒して、世界チャンピオンになった地方だよな?」

 

 シンヤ「ああ」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 フリード「リコ、ロイ、2人の意思は固いようだな?」

 

 リコ・ロイ「「うん!」」

 

  フリード「目の前にある謎は、解けるまで追い求めるのが俺たちのモットーだが。この航路、みんなは乗ってくれるか?」

 

 マードック「ああ、面白そうだ」

 

 ランドウ「うむ」

 

 オリオ「私がいなきゃ、この船どうするっての!」

 

 モリー「困ってるポケモンもきっといる。なら行くしかない」

 

 フリード「シンヤは?」

 

 シンヤ「もちろん行くに決まってるだろ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピッカァッ!」

 

 フリード「決まりだな。行くぞ、ガラル地方に!」

 

 全員「「「お〜っ!」」」

 

 

 リコの決断により、ライジングボルテッカーズの次の目的地がリコの祖母がいるガラル地方に決まると、ガラル地方にいるリコの祖母から、リコの持つペンダントのことや、ルシアスや六英雄のことを聞くことに決まった。その頃、エクスプローラーズたちは…

 

 

 ???

 

 

 スピネル「船のシステム、通信手段、トレーナーたちの実力、全ての分析が終わりました」

 

 ブラッキー「ブラッキィッ!」

 

 スピネル「ペンダントをめぐるあなたたちの冒険は、ここで終わりです」

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 

 ガラル地方にいるリコの祖母に会いに行くと決めた次の日、早速ガラル地方に出発かと思ったが、ブレイブアサギ号は自動点検をしているため、空を飛ぶことはできなかった。そこでリフレッシュも兼ねて、みんなでピクニックに行こうとフリードから提案された。

 

 

 次回「ピクニックでリフレッシュ!」

 





 悪夢の蜃気楼解禁さん、星9評価ありがとうございます。
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