ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 通りすがりのポケモントレーナーです。

 リコがヒロインのポケモンの小説を書きたくなったから始めました。

 1話ずつ書けたら投稿していきます。

 この話だけは、1話と2話のセットになります。


新シリーズ『ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり《シンヤの新たな冒険/リコとロイの旅立ち編》』
第1話『シンヤとリコの出会い!』『第2話・嵐の中の激戦!ピカチュウVSソウブレイズ!』


 

 《ポケットモンスター》。縮めて、"ポケモン"

 

 この星の、不思議な不思議な生き物。その種類は、1000以上と言われ、空に、海に、森に、山に、街に、この世界の至る所で、その姿を見ることができる。人とポケモンの多くは、友として、仲間として、家族として、様々な絆を結び、この世界で、仲良く暮らしている。ポケモンの数だけの出会いがあり、ポケモンの数だけの、冒険が待っている。

 

 これは、そんなポケモンと、ポケモントレーナーたちの、物語である。

 

 

 

 カントー地方・どこかの森の中

 

 

 シンヤ「さて、これからどうするかな?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 シンヤ「《ポケモンWCS》で優勝したあと、母さんの勧めで行った《パルデア地方》での冒険も終わって、カントー地方にまで来たけど、これからどこに行こうかなって」

 

 

 この少年の名前は《シンヤ》。この物語の主人公の一人。《シンオウ地方》の出身で、シンオウ地方の《フタバタウン》という町に住んでいる。《シンオウ地方》、《カントー地方》、《ジョウト地方》、《ホウエン地方》、《イッシュ地方》、《カロス地方》、《アローラ地方》、《ガラル地方》、《パルデア地方》の順番に各地方を冒険し、パルデア地方を除く8つの地方にあるポケモンリーグを全て優勝したあと、ポケモンWCSファイナルで、世界最強のポケモントレーナーである《ダンデ》を倒し、世界最強のポケモントレーナーの称号を手に入れた。ポケモンWCSで優勝したあと、母に行くように勧められたパルデア地方へと旅立ち、パルデア地方での冒険が終わったあと、このカントー地方にやってきたのだが、今は特に目的のない旅を続けていて、自分の手持ちポケモンのピカチュウと一緒にカントー地方を冒険していた。

 

 

 シンヤ「わざわざカントーにまで来たんだし、オーキド博士の所にでも寄って行くか。なっ?ピカチュウ」

 

 ピカチュウ「ピカッピカッ!」

 

 シンヤ「ん?ついてこいって?」

 

 

 ピカチュウについてこいと呼ばれたので、シンヤはピカチュウと一緒に森の中を走って行った。森の中を走ってしばらくすると、シンヤとピカチュウは目の前に立派な建物が建っている場所にやってきた。その建物の中や周辺をよく見ると、学生服を着ている少年や少女たちがポケモンたちと一緒にいた。

 

 

 シンヤ「ここって、もしかして学校か…?」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 

 ???「危ない!」

 

 

 シンヤ「えっ?」

 

 

 ダンッ!(何かがシンヤの顔を踏む)

 

 

 シンヤ「ゔおっ⁉︎」

 

 ピカチュウ「ピカッ!?」

 

 

 シンヤがピカチュウと建物の前に立っていると、体の色が薄緑色のポケモンがシンヤの真上に飛んできた。そして、そのポケモンはシンヤの顔を踏み台の代わりにすると、そのままシンヤの顔からジャンプして森の中に走って行った。

 

 

 シンヤ「びっくりした⁉︎何だ⁉︎今のポケモンは⁉︎」

 

 ???「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?」

 

 

 突然の出来事に驚いたシンヤが尻餅をつくと、そこに一人の女の子が走ってきた。その女の子は、黒髪の内側が青色のセミロングで、前髪に不思議な形をした緑色のヘアピンを付けている、水色の瞳をした綺麗な女の子だった。

 

 

 シンヤ「ああ。一応、大丈夫」

 

 ???(あれ?この人、学校の制服を着てない。ってことは、もしかしてこの人、部外者の人⁉︎)

 

 シンヤ「ん?どうした?俺の顔に何か付いてる?」

 

 ???「あっ…えっと…あの、あなたは?」

 

 シンヤ「ああ、そっか。まずは自己紹介をしないとな。俺はフタバタウンのシンヤ。今は旅をしている途中で、偶然ここに立ち寄ったんだ。こいつは俺のピカチュウ」

 

 ピカチュウ「ピカビィカッ!」

 

 シンヤ「えっと、君の名前は?」

 

 リコ「あっ、私は《リコ》です!」

 

 

 この《リコ》という少女が、この物語のヒロインであり、シンヤと同じ主人公の一人だ。

 

 

 シンヤがリコに自己紹介すると、リコもシンヤに自己紹介をした。

 

 

 シンヤ「リコさんね。一つ聞きたいんだけど、ここって学校?」

 

 リコ「は、はい!ここは《セキエイ学園》です!」

 

 シンヤ「セキエイ学園か…(そういえば母さんが、昔セキエイ学園に交換留学したことがあるって言ってたような…)ところで、リコさんは何でここに?」

 

 リコ「えっと、実は、さっきシンヤさんの顔を踏んだポケモン、私のポケモンの《ニャオハ》なんですけど、急にどこかに行っちゃって。それで、ニャオハの後を追いかけてたら…」

 

 シンヤ「ここに来たってことか」

 

 リコ「はい。あの、ニャオハがどこに行ったか知ってますか?」

 

 

 スッ(シンヤが森の中を指差す)

 

 

 シンヤ「そこの森の中を歩いて行ったけど」

 

 リコ「ありがとうございます!じゃあ、私はニャオハを捜しに行くので、これで失礼します」

 

 

 ペコッ(リコが頭を下げる)

 

 

 シンヤ「…ピカチュウ、俺たちもニャオハを捜そうぜ」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「えっ!いいんですか?」

 

 シンヤ「3人で捜せば早く見つかるだろう?」

 

 リコ「あ、ありがとうございます!シンヤさん!」

 

 シンヤ「シンヤでいいよ。俺もリコって呼んでいいかな?」

 

 リコ「う、うん。…シ、シンヤ」

 

 

 こうして、シンヤとピカチュウとリコは、ニャオハを捜すために一緒に森の中に入って行った。しばらく森の中を歩いて前に進んでいくと、シンヤたちは大きな湖がある場所にやってきた。

 

 

 森の中の湖

 

 

 シンヤ「おぉ〜〜っ、すげぇ〜!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リコ「学校の近くに、こんな場所があったんだ」

 

 

 今シンヤたちが見ている景色は、湖の水が夕日の赤い光に照らされて赤く染まっている綺麗な景色だった。シンヤたちはニャオハを捜すのをすっかり忘れていて、目の前の綺麗な景色に目を奪われていた。すると、後ろの茂みの中からリコのニャオハが歩きながら出てきた。どうやらいつの間にか、シンヤたちはニャオハを追い越していたようだ。

 

 

 リコ「ニャオハ!よかった~!」

 

 ニャオハ「ニャァァッ?」

 

 

 リコは自分の近くに歩いてきたニャオハを抱っこすると、ニャオハに頬を擦りつけて喜んでいた。

 

 

 リコ「いい香り」

 

 ニャオハ「ニャッ!」

 

 リコ「あいたっ!」

 

 

 ニャオハに頬を擦りつけていたリコは、続いてニャオハの匂いを嗅ぎ始めた。すると、いきなりニャオハに両目を猫パンチされてしまい、ニャオハはリコの手から離れて地面に降りると、そのまま森の方に歩いて行った。

 

 

 リコ「なんでぇ…」

 

 シンヤ「時間はかかると思うけど、ニャオハとはこれから仲良くなれるよ」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」コクッ(頷く)

 

 リコ「どうすれば、ニャオハと仲良くなれるんだろう?」

 

 シンヤ「じゃあ、先輩トレーナーとしてのアドバイスだけど、まずはニャオハの観察をしたらどうかな?」

 

 リコ「ニャオハの観察?」

 

 シンヤ「そっ。まずはニャオハの観察をして、ちゃんとニャオハのことを知ってから、自分のことをニャオハに伝えたらいいんじゃないか」

 

 リコ(…難しいな)

 

 シンヤ「もしかして、難しいとか思ってる?」

 

 リコ「っ⁉︎嘘⁉︎私、口に出してた⁉︎」

 

 シンヤ「そう顔に書いてあるよ。リコってわかりやすいな」

 

 リコ(わかりやすい。そんなこと言われたの、初めてだ)

 

 シンヤ「?どうした?」

 

 リコ「えっ?…ううん、何でもない」

 

 シンヤ「そうか。まぁとにかく、ニャオハと仲良くなる時間はたくさんあるんだから、これからゆっくりやっていけばいいよ」

 

 リコ「うん。…あっ!そろそろ寮に戻らないと!」

 

 

 タッ(リコが走ろうとする)

 

 

 シンヤ「ちょっと待った!」

 

 リコ「えっ?なに?」

 

 シンヤ「右手の甲を怪我してるだろ?見せてくれ」

 

 リコ「え?どうしてわかったの?」

 

 シンヤ「リコがニャオハを抱っこしたときに見えたんだよ。その傷どうしたんだ?」

 

 リコ「教室でニャオハに触ろうとしたときに、ニャオハに引っ掻かれちゃって」

 

 シンヤ「そうか」

 

 

 リコが右手の甲を前に突き出すと、シンヤは背負っているリュックの中から消毒液と絆創膏を取り出し、傷がある右手の甲を消毒すると、最後に絆創膏を貼った。

 

  

 シンヤ「ほい、これで終わり」

 

 リコ「あ、ありがとう」

 

 シンヤ「どういたしまして。俺たちはしばらくこの辺りにいるから、じゃあまたな」

 

 リコ「うん。またね」

 

 

 リコはシンヤにそう言うと、セキエイ学園の寮に戻って行った。そして、シンヤはこの湖の近くでテントを張って、当分はそのテントの中で寝ることにした。

 

 

 セキエイ学園・寮の部屋の中

 

 

 リコ(今日は、初めてばかりの一日だったなぁ。ニャオハを貰ったあとに、初めて男の人と親しくなれたし。…シンヤ、優しかったな。…だけど、また何考えてるのかわからないって、言われないようにしないと)

 

 

 リコの回想…

 

 

 シンヤ『難しいとか思ってる?』

 

 シンヤ『リコってわかりやすいな』

 

 

 リコの回想が終わる。

 

 

 リコ(男の人に自分のことをわかってもらえたのって、お父さん以外で初めてだったな)

 

 

 引っ込み思案な自分のことを家族以外の人に初めて理解してもらえたことに、リコは心の中で嬉しさを感じていた。そして、シンヤとリコが知り合ってから何日か経ったある日の夜…

 

 

 湖がある近くの森の中

 

 

 シンヤ「ふぁ〜〜(-o-)、そろそろ寝るか」

 

 ピカチュウ「…ピッ!ピッカッ!」

 

 

 ダッ!(ピカチュウがその場から走る)

 

 

 シンヤ「あっ!ピカチュウ!どこに行くんだ?」

 

 

 もう夜遅い時間になったので、シンヤが湖の近くに張ったテントの中に入って寝ようとしたら、急にピカチュウが湖の方に走って行ったので、シンヤはピカチュウの後を追いかけた。すると、湖の近くで「このは」の特訓をしているリコとニャオハを見つけた。

 

  

 リコ「ニャオハ!『このは』!」

 

 ニャオハ「ニャァァ〜!」

 

 

 ニャオハが「このは」を放とうとすると、ニャオハの首元の緑の葉が少し光を放つが、首元の光はすぐに消えてしまい、ニャオハの「このは」は不発に終わってしまう。

 

 

 リコ「ダメか~」

 

 ニャオハ「ニャァァ〜」

 

 

 草陰

 

 

 シンヤ「ニャオハがちゃんと指示を聞いてるってことは、リコ、ニャオハと仲良くなれたみたいだな」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 シンヤ「でも、まだニャオハとの息が合ってないな」

 

 

 リコ「シンヤにもらったアドバイスのおかげで、ニャオハのことが少しわかって仲良くはなれたけど、『このは』がうまくいかないな…」

 

 

 スッ(シンヤがリコの背後に立つ)

 

 

 シンヤ「アドバイスが役に立ってよかったよ」

 

 リコ「わっ⁉︎びっくりした⁉︎」

 

 

 リコとニャオハが「このは」の特訓を続けていると、その様子を後ろの草陰から見ていたシンヤとピカチュウがリコとニャオハの近くに歩いていき、シンヤが後ろから声をかけるとリコは驚いて飛び跳ねてしまう。

 

 

 シンヤ「悪い悪い。びっくりしたか?」

 

 リコ「シンヤ?どうしてここに?」

 

 シンヤ「さっき、湖の近くに張ってるテントの中で寝ようとしたら、急にピカチュウが湖の方に走って行くから後を追いかけたんだ。そしたら偶然、ここで『このは』の特訓をしてるリコとニャオハを見つけたってわけ」

 

 リコ「ああ、そっか。シンヤは旅をしてる途中なんだっけ?」

 

 シンヤ「ああ。ってか、夜中に特訓してたのか?」

 

 リコ「うん。勝手に寮を抜けてここに来てるんだけどね」

 

 シンヤ「リコって真面目な優等生かと思ってたけど、そうでもないんだな」

 

 リコ「私は優等生なんかじゃないよ」

 

 シンヤ「そっか。…っで、さっきしてた特訓は『このは』だよな?」

 

 リコ「うん。だけど、全然『このは』ができなくて、ニャオハも飽きちゃったみたい」

 

 

 シンヤがリコと話をしていると、「このは」の特訓に飽きてしまったニャオハは近くの岩で爪を研いでいた。

 

 

 シンヤ「ふ〜ん」

 

 

 スチャ(シンヤがモンスターボールを取り出す)

 

 

 シンヤ「なら、ニャオハが特訓したくなるポケモンを出そうか」

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「出てこい、《オーガポン》!」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 オーガポン「ぽにおっ!」

 

 

 リコの話を聞いたシンヤはポケットからモンスターボールを取り出すと、それを宙に向かって投げて一体のポケモンを繰り出した。モンスターボールの中から出てきたのは、緑色の半纏を羽織った童のような姿をしており、鬼のような厳しい形相をしていて、綺麗な碧色のお面を顔に被っているポケモンだった。

 

 

 リコ「このポケモンは…?」

 

 

 スッ(リコがスマホロトムのポケモン図鑑を開く)

 

 

 リコのスマホロトム「データなし」

 

 リコ「え?データなしって…?」

 

 シンヤ「データがないのは当然かな。この《オーガポン》は、俺が3週間前に、パルデア地方から《キタカミの里》って場所に行ったときにゲットした、新種のポケモンだからな」

 

 リコ「えっ⁉︎私、パルデア地方から来たんだけど、キタカミの里なんて聞いたことないよ」

 

 シンヤ「えっ?リコはパルデア地方の出身なのか?」

 

 リコ「うん」

 

 シンヤ「それなら、なんでパルデア地方にある《オレンジアカデミー》じゃなくて、わざわざカントー地方のセキエイ学園に来たんだ?パルデアの出身なら、オレンジアカデミーに通えばよかったんじゃないのか?どっちも学校なのは変わらないし、パルデア地方からここまでの距離を考えれば、オレンジアカデミーに通った方が絶対にいいだろ?」

 

 リコ「確かにそうなんだけど。実は、私のお母さんとお父さんがセキエイ学園の卒業生で、私がどこの学校に入学したらいいって相談したら、2人がセキエイ学園のことを教えてくれたの。それで、私はセキエイ学園に入学しようって決めたんだ」

 

 シンヤ「ああ、そういうことだったのか。…話を戻すけど、『このは』の特訓をするなら、このオーガポンが適任なんだ。オーガポンはくさタイプだから、『このは』の特訓にピッタリの相手だからな」

 

 リコ「へぇ〜、オーガポンはくさタイプなんだ」

 

 シンヤ「ああ。リコ、ニャオハ、よく見てろよ。オーガポン!湖に『リーフストーム』!」

 

 オーガポン「ぽにおぉぉぉぉっ‼︎」

 

 

 オーガポンが湖に「リーフストーム」を放つと、さっきニャオハが不発した「このは」とは比べ物にならないほどの威力のあるたくさんの葉が湖に向かって飛んでいき、湖の水が割れて大量の水飛沫が飛び散った。

 

 

 リコ「オーガポン、こんなにすごい技が使えるんだ…!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ…」

 

 シンヤ「この『リーフストーム』は、『このは』が強力になった技だと思ってくれればいい」

 

 リコ「じゃあ、いつかニャオハも『リーフストーム』を使えるようになれるのかな?」

 

 シンヤ「もちろん!どうだニャオハ、お前も『リーフストーム』を使えるようになりたくないか?」

 

 ニャオハ「ニャッ!ニャッ!」

 

 

 シンヤの質問に、ニャオハはその場でピョンピョン飛び跳ねて、自分も「リーフストーム」を使えるようになりたいとリコにアピールを始めた。

 

 

 シンヤ「リコ、ニャオハも『リーフストーム』を覚えたいって」

 

 リコ(そっか。シンヤはこのためにオーガポンを…「ニャオハ、『リーフストーム』を使えるようになりたいの?」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 リコ「じゃあ、もう少し特訓しよっか」

 

 ニャオハ「ニャァァッ!」

 

 

 こうして、リコとニャオハは「このは」の特訓を再開した。今度はシンヤにアドバイスをもらいながら教えてもらったり、オーガポンに「リーフストーム」を見せてもらいながら特訓したので、ニャオハは速いスピードでコツを覚えていった。それから数分後…

 

 

 リコ「ニャオハ!『このは』!」

 

 ニャオハ「ニャァァァオッ、ハァァァッ‼︎」

 

 

 リコがニャオハに「このは」の指示を出すと、ニャオハの首元の緑の葉が光を放ち、そこから複数の葉が空に舞い上がると、ニャオハの放った「このは」が的に決めた岩に命中した。

 

 

 リコ「やったぁ!『このは』ができたよ!ニャオハ!」

 

 ニャオハ「ニャァァァァッw!」

 

 

 ずっと特訓していた「このは」が成功すると、リコとニャオハはお互いを抱きしめ合って喜んでいた。

 

 

 シンヤ「よかったな。ニャオハが『このは』を使えるようになって」

 

 オーガポン「ぽにおっ!」

 

 リコ「うん!シンヤとオーガポンのおかげだよ!シンヤ!オーガポン!本当にありがとう!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 シンヤ「リコたちが頑張ったからだよ。なっ、オーガポン」

 

 オーガポン「ぽにおっ!」

 

 

 それからしばらく、リコとニャオハが「このは」の特訓を続けていると、いつの間にか自分のピカチュウがベンチで寝ていることに気づいたシンヤは、ニャオハが「このは」を撃てるようになったから今日の特訓はもう終わりにしようとリコに言い出した。リコもそれに納得してくれたので、特訓の続きはまた今度ということになり、シンヤはピカチュウとオーガポンをモンスターボールに戻すと、テントを張った所に歩いていき、リコは見回りをしている警備員の目を掻い潜りながらセキエイ学園の寮に戻ると、寮の中にある自室に向かった。部屋に戻ってきたリコはジャージに着替えると、入学式の日にベッドの下に入れた箱を取り出し、箱を開けて中に入っているペンダントを眺めていた。

 

 

 セキエイ学園・寮の部屋の中

 

 

 リコ「ふふっw」

 

 

 スッ(背後から現れる)

 

 

 アン「どしたの?」

 

 リコ「うわっ!」

 

 

 リコがペンダントを眺めていると、さっき部屋に入ってくるときに起こしてしまったのか、リコのルームメイトのアンが背後から話しかけてきた。

 

 

 リコ「あ、起こしちゃった?」

 

 アン「何それ?」

 

 リコ「えっと…お守り」

 

 アン「お守り?」

 

 リコ「おばあちゃんから貰ったんだ。私のこと、守ってくれてるんだって」

 

 アン「へぇ~、触ってもいい?」

 

 リコ「うん」

 

 

 アンはペンダントを箱から取り出すと、リコの首元から垂らしつけた。

 

 

 アン「なんでしまっとくの?似合うのに」

 

 リコ「うん…私には、まだ早いかなって…」

 

 アン「そう?…そういえば、さっきどこかに行ってたよね?何してたの?」

 

 リコ「えっ⁉︎えっと、ニャオハを貰ったあとに知り合った男の人がいて、その人にさっきまで、ニャオハの『このは』の特訓を手伝ってもらってたんだ」

 

 アン「男の人か〜w。セキエイ学園以外の男子と仲良くなるなんて、リコも隅に置けないねw」

 

 リコ「えっ⁉︎///そ、そんなんじゃないよ!///ただ、ニャオハが『このは』を出せるように、特訓に付き合ってもらってただけで…///」

 

 アン「リコ、顔が赤いよ。その人のことが好きなんじゃないの?」

 

 リコ「そ、そんなんじゃないってば!///初めての男の人の友達ってだけで…それだけ…だよ…///」

 

 アン(あからさまに顔が赤いし、そんなわかりやすい反応してたら、リコがその人のことを好きになってるのがバレバレなんだけどな。「いつかその人のこと、私にも紹介してね」

 

 リコ「ぁ、うん。いつかアンにも紹介するね」

 

 

 ニャオハが「このは」を使えるようになった次の日の放課後、リコはシンヤに会いに湖に行くと、シンヤのピカチュウを相手に技の特訓やバトルをしていた。リコがセキエイ学園でそうやって過ごしているうちに、初めての大型連休の日が近づいていた。

 

 

 ???「…ここか」

 

 

 シンヤとリコが湖で特訓していると、スーツを着た一人の少年がセキエイ学園にやってきた。彼との出会いを皮切りに、シンヤとリコは、予想もできない冒険と戦いの渦の中に身を投じることになるのだった。

 

 

 To be continued

 

 

 

 第1話はこれで終わりで、ここから2話になります。

 

 

 第2話『嵐の中の激戦!ピカチュウVSソウブレイズ!』

 

 

 

 森の中の湖・夜

 

 

 シンヤ「大型連休?」

 

 リコ「うん。セキエイ学園に入学してるみんなが、1週間だけ実家に帰るの」

 

 

 いつものように夜中に寮を抜け出したリコは、セキエイ学園の近くにある湖にやってくると、そこでシンヤのピカチュウを相手にバトルの特訓をしていた。バトルを数分続けていると、ピカチュウとニャオハが疲れてきたので、シンヤとリコは休憩をすることにして、特訓は明日やろうとシンヤが言い出すと、リコはシンヤに、明日からセキエイ学園に入学してる生徒たち全員が、1週間だけそれぞれの実家に帰る大型連休が始まることを伝えた。

 

 

 シンヤ「じゃあ、リコもパルデアに帰るのか?」

 

 リコ「ううん。お母さんもお父さんも仕事で忙しいと思うから、私はここに残るんだ」

 

 シンヤ「そっか。でも、それじゃあ退屈だな」

 

 リコ「シンヤはどうするの?」

 

 シンヤ「う〜ん、カントー地方に来たばかりだから、オーキド博士の所にでも行こうかなと考えてる」

 

 リコ「オーキド博士?もしかして、テレビで《ポケモン川柳》っていうのをやってる、あの《ポケモン博士》のこと?」

 

 シンヤ「ああ。オーキド博士とは、《ナナカマド研究所》に寄った時に知り合ったんだ」

 

 リコ「ナナカマド研究所?」

 

 シンヤ「《ナナカマド博士》がポケモンのことを研究しながら働いてる場所だよ。ナナカマド博士はシンオウ地方のポケモン博士で、俺に相棒ポケモンをくれた人でもあるんだ」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 シンヤ「ああ。ナナカマド研究所でオーキド博士に出会った時、カントー地方に来ないかって誘われたから、そのままオーキド博士とカントー地方に行って、オーキド博士の住んでいる《オーキド研究所》に行く途中に、俺はこのピカチュウをゲットしたんだ」

 

 ピカチュウ「ピカッピカチュウ!」

 

 リコ「シンヤの相棒ポケモンって、ピカチュウじゃなかったんだ」

 

 シンヤ「このピカチュウは、オーキド研究所の近くにいたのをゲットしただけで、俺の相棒は別にいるんだ」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リコ「そうだったんだ。てっきり、ピカチュウがシンヤの相棒ポケモンかと思ってた」

 

 シンヤ「そうだ!リコさえ良ければ、一緒にオーキド研究所に行かないか?」

 

 リコ「え?私も一緒に?」

 

 シンヤ「1人でここに残ってもつまらないだろう?もちろん、リコさえ良ければだけど」

 

 リコ「…じゃあせっかくだから、一緒に行こうかな。オーキド研究所を見てみたいし」

 

 シンヤ「なら、明日の夜は近くのポケモンセンターに泊まって、朝になったらオーキド研究所に行こうぜ」

 

 リコ「うん!あっ、そうだ。シンヤの連絡先を教えてもらってもいい?はぐれたりしたら困ると思うから」

 

 シンヤ「そうだな。じゃあ、リコの連絡先も教えてくれ」

 

 

 こうして、シンヤとリコはお互いの連絡先をスマホロトムに登録し、大型連休が始まったら一緒にオーキド研究所に行くことを約束した。

 

 

 セキエイ学園の近くにあるバス停

 

 

 アン「久しぶりの実家だ〜。ゴロゴロしよっと!あと、ミジュマルを紹介しないと」

 

 ミジュマル「ミジュ!」

 

 

 セキエイ学園の生徒たちは、大型連休に入る前日の昨日の夜に自分たちがまとめた荷物を持ってバスに乗ると、それぞれの実家に帰ろうとしていた。みんな久しぶりに我が家に帰るので、とても嬉しそうな顔をしていた。リコは帰省せずに学園に残ることが決定していたが、ルームメイトのアンを見送るためにバス停に来ていた。ミジュマルはアンの両親に会うのを楽しみにしているようで、アンの背負ってるリュックの上で元気に返事をした。

 

 

 アン「せっかくの休みなのに、リコは実家に帰らないの?」

 

 リコ「うん。シンヤにも言ったけど、お母さんとお父さんも仕事が忙しいと思うし。それに、シンヤとオーキド研究所に行くって約束したから」

 

 アン「そっか。じゃあ、もしトキワシティに来ることがあったら、トキワシティに寄ってね」

 

 リコ「うん。じゃあね」

 

 アン「それと、シンヤって人とどこまで関係が進展したか、後でちゃんと教えてね!」

 

 リコ「ッ⁉︎も〜っ!///アン〜!///」

 

 アン「ふふっw、じゃあまたね」

 

 

 アンはそう言って、リコが抱っこしてるニャオハと握手をすると、ミジュマルと一緒にバスに乗って実家へと帰って行った。アンが帰って行くのを見送ったリコは、明日シンヤとオーキド研究所に行くため、部屋に戻って荷物を整理しようとしていた。

 

 

 セキエイ学園・寮の中

 

 

 ???「すみません」

 

 寮母「はい」

 

 ???「人を訪ねてきました。こちら、許可証になります」

 

 寮母「はいはい。ちょっと待っててくださいね」

 

 

 ガチャ(リコが扉を開ける)

 

 

 リコ「戻りました」

 

 

 寮母「あっ、リコさん!お客さんが来てますよ」

 

 リコ「え?」

 

 

 リコが扉を開けてニャオハと寮の中に戻ると、寮の中にいる寮母さんに話しかけられた。寮母さんの隣には、特徴的な白と黒のツートンカラーの髪をして、リコより年上に見えるスーツ姿の少年が立っていた。

 

 

 ???「初めまして、リコさんですね?」

 

 リコ「は、はい。あの、どちら様ですか?」

 

 アメジオ「失礼しました。自分は《アメジオ》といいます。お祖母様の代理人で、こちら、お祖母様から預かってきた手紙になります」

 

 

 アメジオはそう言いながらスーツの内側のポケットから一枚の手紙を取り出すと、それをリコに渡した。

 

 

 リコ(手紙?えっ、おばあちゃんの手紙って何?っていうか、この人。「あの、これって?」

 

 アメジオ「事情は後程。大切なペンダントを、くれぐれも忘れずに持ってきてほしいとのことです」

 

 ニャオハ「ニャァァッ‼︎」

 

 

 アメジオがリコにそう言うと、突然ニャオハがアメジオを威嚇した。ポケモンの持つ本能が、アメジオの何かを警戒しているようだ。

 

 

 リコ「ニャオハ、失礼よ。準備してきます。待っててください」

 

 

 ニャオハを注意したリコはアメジオをこの場に待たせて部屋に戻ると、すぐに部屋のドアを閉めた。

 

 

 寮の中・リコとアンの部屋

 

 

 リコ(いや…いやいやいやいや!なにあの人!うちのおばあちゃんが手紙なんて…ニャオハだって警戒してたし!それに、ペンダントを持ってこいなんて、絶対怪しい!)

 

 

 部屋に戻ったリコは、アメジオから渡された祖母からの手紙を変だと思い、さらにペンダントを持ってこいと言われたことで、さっきのアメジオという少年が怪しいと思っていた。リコはいろいろ悩んで考えたあと、祖母から貰ったペンダントが入っている箱をベッドの下から取り出し、箱を開けて中に入っているペンダントを確認した。

 

 

 コンコンッ(扉をノックする音)

 

 

 リコ「っ⁉︎」

 

 

 リコがペンダントを見ていると、外から部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。すると、リコはペンダントの入った箱を思わず落としてしまった。もしかしたら、さっきのアメジオという男が部屋の前に来たのではないかと思ったリコは、落としたペンダントを拾って首にかけた。そして、持っていく荷物を鞄の中に急いでまとめると、それを持ってニャオハと一緒に部屋の窓から外に出た。

 

 

 部屋の外

 

 

 アメジオ「…失礼!」

 

 

 部屋の外で待っていたアメジオは、ドアをノックしてもリコから返事が返ってこないことに疑問を抱くと、急いで部屋のドアを開けた。だが、部屋の中にリコの姿はなかった。

 

 

 アメジオ「大人しくついて来ればいいものを!」

 

 

 ピッ(スマホロトムで連絡を取る)

 

 

 ???『どうされましたか?』

 

 アメジオ「ターゲットが逃げた。周辺を固めろ」

 

 ???『はっ!』

 

 

 セキエイ学園の外

 

 

 シンヤ「リコ、遅いな。いつも特訓の時間に遅れたことなかったのに。何やってるんだろう?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…(スマホロトムに着信が入る)

 

 

 シンヤ「おっ、リコからだ」

 

 

 ピッ(電話に出る)

 

 

 リコ『シンヤ!』

 

 シンヤ「どうした?今どこ…」

 

 リコ『助けて!』

 

 シンヤ「ッ!」

 

 

 リコからの電話に出た途端、いきなり助けを求められたシンヤは、電話越しのリコの声と、画面に映っている焦った様子のリコを見て、リコに只事ではない事態が起きていることを察した。

 

 

 シンヤ「どうした⁉︎何があった⁉︎」

 

 リコ『さっき寮に戻ったら、おばあちゃんから手紙を預かってるって人が来たの。だけど、その人なんか怪しくて!それで!』

 

 シンヤ「リコ、少し落ち着け。今どこにいる?」

 

 リコ『怪しい人が部屋の前に来たから、すぐにニャオハと一緒に窓から外に出て校舎の屋根の上に登ったから、そのまま校舎の屋根の上にいるけど』

 

 シンヤ「わかった。すぐに助けに行くから、ニャオハと一緒にそこに隠れてろ!」

 

 

 ピッ(通話を切る)

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!行くぞ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 

 シンヤはスマホロトムの通話を切ると、リコを助けるためにピカチュウと一緒にセキエイ学園の中に走って行った。

 

 

 校舎の屋根の上

 

 

 リコ「シンヤ…」

 

 ニャオハ「ニャァァッ…」

 

 

 アメジオから逃れたリコとニャオハは、さっき電話でシンヤに言われた通り、校舎の屋根の上に隠れてシンヤが来るのを待っていた。すると、誰かがこっちに歩いてくる足音が聞こえてきたので、リコは屋根の上から顔を出して下を覗いた。すると、リコとニャオハが隠れている建物の下の方に、アメジオと似た服を着ている女性が自分のスマホロトムで誰かと話しながら歩いてきた。

 

 

 アメジオ『コニア、見つかったか?』

 

 コニア「いいえ。ジルも捜していますが、どこかに隠れているかと」

 

 アメジオ『厄介だな…』

 

 

 リコ「あの人もしかして。さっき寮で会った、あのアメジオって人の仲間?」

 

 

 コニア「ぁっ!見つけました!」

 

 

 リコ「ヤ、ヤバッ!」

 

 

 アメジオとコニアの会話を聞くのに夢中になって屋根の上から身を乗り出したリコは、不意に屋根の上を見たコニアに見つかってしまったので、すぐに屋根から降りて逃げようとした。ニャオハは難なく屋根から飛び降りたが、リコは屋根から降りた時に尻餅をついてしまう。すると、リコとニャオハのいる所に、アメジオたちと同じ黒のスーツを着ている一人の男がやってきた。

 

 

 ???「そこか!いけ、サイドン!」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 サイドン「サァァァァイッ!」

 

 

 リコ「サイドン⁉︎」

 

 ニャオハ「ニャアッ!」

 

 

 男はリコを見つけると、モンスターボールを投げてサイドンを繰り出し、リコのペンダントを奪おうとサイドンに指示を出そうとした。…するとその時!

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!『アイアンテール』!」

 

 ピカチュウ「チュゥゥゥッ!ピッカァァッ‼︎」

 

 

 ドォォォン‼︎

 

 

 サイドン「サィィィッ!?」

 

 ???「サイドン!」

 

 

 リコ「あっ!」

 

 ニャオハ「ニャァァッw!」

 

 

 

 シンヤ「遅くなっちまって悪い!リコ、ニャオハ、無事か?」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「シンヤ!ピカチュウ!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 

 リコから助けの連絡を受けてセキエイ学園の中にやってきたシンヤは、サイドンに襲われているリコとニャオハを見つけると、ピカチュウに「アイアンテール」の指示を出した。すると、ピカチュウは「アイアンテール」を発動し、鋼のように固くなった尻尾をサイドンの頭に叩きつけて効果抜群のダメージを与えた。

 

  

 パシッ(シンヤがリコの手を掴む)

 

 

 シンヤ「今のうちに逃げるぞ!」

 

 リコ「うん!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 ニャオハ「ニャァッ!」

 

 

 「アイアンテール」を発動したピカチュウがサイドンを吹っ飛ばすと、シンヤはリコの手を引っ張り、そのまま時計台の近くにある校舎の屋根の上まで登って行った。

 

 

 校舎の屋根の上

 

 

 シンヤ「リコ、ニャオハ、怪我はないか?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 リコ「うん!助けに来てくれてありがとう!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 

 スッ(突然現れる)

 

 

 アメジオ「お前か?ジルのサイドンを攻撃し、我々の邪魔をしたトレーナーとは?」

 

 

 シンヤ「ん?」

 

 リコ「あっ!あの人!」

 

 シンヤ「リコ、アイツを知ってるのか?」

 

 リコ「さっきシンヤに電話した時に話した人だよ!」

 

 シンヤ「アイツが?」

 

 アメジオ「質問に答えろ」

 

 

 シンヤとリコが校舎の屋根の上に登ってから少しすると、リコの持つペンダントを狙っているアメジオが、部下のジルとコニアと一緒にシンヤたちの目の前に現れた。

 

 

 シンヤ「邪魔をしたんじゃなくて、リコを守っただけだ。それで、お前たちは何者だ?なぜリコを狙う?」

 

 アメジオ「その子に用はない。我々の目的は、その子の持つ《ペンダント》だ」

 

 シンヤ「ペンダントだと?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 

 シンヤがリコに目を向けると、リコが首にペンダントをかけていることに気づく。

 

 

 シンヤ(綺麗なペンダントだな。「どうしてこのペンダントが欲しいんだ?」

 

 アメジオ「お前に答える必要はない。素直にそれを渡せば、お前にも危害を加える気はない」

 

 シンヤ「上から目線で随分と言いたい放題だな」

 

 

 シンヤがアメジオと会話をしている間も、リコはペンダントを右手で握りしめていて、シンヤはそんなリコの姿を横目で見ていた。

 

 

 シンヤ「リコ、そのペンダントは大事な物なのか?」

 

 リコ「ぁ、うん。おばあちゃんから貰った、大切なお守りだから」

 

 シンヤ「そうかw」

 

 

 リコの言葉を聞いたシンヤは、ペンダントがリコにとってどれだけ大切な物かを理解すると、アメジオの方を向いた。

 

 

 シンヤ「悪いな。ペンダントを渡す気はない」

 

 アメジオ「ならば力づくで手に入れるまでだ。いけ!」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 ソウブレイズ「ブレイズッ!」

 

 

 アメジオはポケットからモンスターボールを取り出すと、それを宙に投げて一体のポケモンを繰り出した。アメジオが投げたモンスターボールから出てきたのは、頭と両手の剣から紫の炎を出し、黒紫色の鎧に身を包んでいる騎士のような姿をした《ソウブレイズ》だった。

 

 

 シンヤ(あのソウブレイズ、かなりレベルが高いな。…さて、どうやってリコを逃そうか…)

 

 

 シンヤは、アメジオとのバトルでなるべく時間を稼いで、リコとニャオハを逃す時間を作ろうとしていた。しかし、リコとニャオハを逃すことが出来たとしても、ジルとコニアがリコとニャオハを追うだろうから、確実にリコとニャオハを逃すいい方法はないかと考えていた。…するとその時!

 

 

 ???「見い〜つけた!」

 

 リザードン「グォォォォォッ!」

 

 

 シンヤとアメジオが一触即発の状態になっていると、ムートンフライトジャケットを着た白髪の男性を背中に乗せているリザードンが空の上から現れ、シンヤとアメジオの間に飛び込んできた。

 

 

 リコ(はぁ!なに?また増えた!)

 

 シンヤ(誰だ?)

 

 アメジオ「何者だ?」

 

 ???「それはこっちのセリフ。俺らは、その女の子に用があるんだ」

 

 アメジオ「我々も同じだ。では、ポケモンバトルで決める」

 

 ???「望むところだ」

 

 

 いきなりの第三者の登場に、シンヤたちは驚きを隠せなかった。リザードンに乗っている男もリコを狙っているような発言をしたので、シンヤは目の前の男を警戒していた。…がしかし、その心配はすぐになくなった。

 

 

 ???「そこの君、その女の子を守ってやってくれ!」

 

  シンヤ「えっ?…あなたは?」

 

 ???「俺はこいつとバトルする。後で会おうぜ!」

 

 

 白髪の男がそう言うと、ジルとコニアは白髪の男とバトルしようとしているアメジオを加勢しようとするが、アメジオは横に手を伸ばして2人を制止した。

 

 

 アメジオ「手出しはするな。ソウブレイズ!『むねんのつるぎ』!」

 

 ソウブレイズ「ブゥゥゥレェェイッ‼︎」

 

 

 ???「リザードン!『かえんほうしゃ』!」

 

 リザードン「リザァァァァァッ‼︎」

 

 

 いきなりリザードンとソウブレイズのバトルが始まり、リザードンが口から「かえんほうしゃ」を放つと、ソウブレイズは両手の剣をクロスさせて受け止めた。しかし、その衝撃で校舎の窓にひびが入ってしまう。

 

 

 アメジオ「『つじぎり』!」

 

 ソウブレイズ「ブゥゥレイッ‼︎」

 

 

 ???「『ドラゴンクロー』!」

 

 リザードン「グォォォォッ‼︎」

 

 

 シンヤ「リコ、今のうちに行くぞ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「う、うん!」

 

 ニャオハ「ニャァァッ!」

 

 

 シンヤとリコはバトルをしている2人に背を向けると、目の前にある時計台に登ろうとしたのだが、ジルとコニアの2人がシンヤたちの背後に回り込んできた。

 

 

 コニア「待ちなさい!」

 

 ジル「逃すか!」

 

 シンヤ「しつこい奴らだな」

 

 ジル・コニア「「いけ!エアームド!」」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 エアームドx2「「エアァァァーーッ!」」

 

 

 ジルとコニアは、モンスターボールからよろいどりポケモンの《エアームド》を繰り出すと、シンヤたちの行く手を塞ごうとしてきた。

 

 

 シンヤ「リコ、こいつらの相手は俺がするから、お前はニャオハと先に行け」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「シンヤ…だけど!」

 

 シンヤ「大丈夫、すぐに追いつく」

 

 リコ「…怪我しないでね!」

 

 

 リコはシンヤにそう言うと、ニャオハと一緒に時計台に登り始めた。

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!『10まんボルト』!」

 

 ピカチュウ「ピカァァァッ!チュゥゥゥゥッ‼︎」

 

 エアームドx2「「エアァァァッ!?」」

 

 

 シンヤとピカチュウが時間を稼いでる間に、リコとニャオハはハシゴを登っていき、時計台の下の屋根に降りた。その前には、勢いよくジャンプすれば届く別校舎の屋上があった。

 

 

 屋根の上

 

 

 リコ「で、これを飛ばなきゃいけないってことなんだけど」

 

 ニャオハ「ニャッニャッ!」

 

 リコ「わ、わかってるって!踏み出さなきゃ、見つからない!」

  

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!『アイアンテール』!」

 

 ピカチュウ「チュゥゥゥッ!ピッカァァッ‼︎」

 

 

 バァァァァン‼︎

 

 

 エアームドx2「「エアァァァァッ!?」」

 

 

 ピカチュウの「アイアンテール」が2体のエアームドに直撃すると、2体のエアームドは地面に叩きつけられて戦闘不能になったので、シンヤはリコとニャオハがどこにいるのか捜し始めた。すると、時計台の屋根の下にリコとニャオハがいることに気づく。

 

 

 シンヤ「リコ…っ!まさか、あそこから飛ぶ気か⁉︎」

 

 

 リコ「せ〜のっ!」ダッ!

 ニャオハ「ニャァァッ!」ダッ!

 

 

 シンヤが屋根の上にいるリコを見つけると、リコはニャオハと一緒に今立っている屋上の屋根の上から反対の建物の屋根の上にジャンプしようと少し後ろに下がると、そこから助走をつけて反対の建物にジャンプした。

 

 

 シンヤ「届くのか…⁉︎」

 

 

 ソウブレイブ「ブゥゥゥゥレイッ!」

 

 リザードン「リザァァァッ!」

 

 

 バシンッ!(弾く)

 

 

 リコ「あっ!」

 

 

 シンヤ「まずい!」

 

 

 リコがニャオハと屋根の上から飛んだ時、リザードンとバトルしていたソウブレイズが「サイコカッター」を放つと、それをリザードンが尻尾で弾いた。すると、「サイコカッター」は軌道を変えて屋根の上からジャンプしたリコとニャオハの元に向かっていき、そのまま2人にぶつかろうとしていた。しかしその時!

 

 

 ピカァァァァン‼︎(ペンダントが光る)

 

 

 アメジオ「何っ⁉︎」

 フリード「何だ⁉︎」

 

 

 シンヤ「あの光は⁉︎」

 ピカチュウ「ピィカッ⁉︎」

 

 

 「サイコカッター」がリコとニャオハにぶつかる瞬間、リコが首にかけていたペンダントが光を放つと、バリアとなってリコとニャオハを守った。

 

 

 バリアの中

 

 

 ニャオハ「ニャァァッォ?」

 リコ「ぅっ…」

 

 

 謎のバリアに守られたおかげで、リコとニャオハは無事だった。そして、リコが閉じていた目を開けて前を向くと、そこには目を瞑っている亀のような姿をしたポケモンがいた。

 

 

 リコ「えっ?」

 

 ???「パコッ?」

 

 

 リコが目の前のポケモンをジッと見ていると、亀のような姿をしたポケモンは閉じていた目を開けて、リコをジッと見つめ始めた。そして、お互いのことをずっと見ていると、急にバリアが消えてしまい、リコの目の前にいたポケモンが元のペンダントの形に戻ると、リコは慌ててペンダントをキャッチするが、そのままニャオハと一緒に地面に落ちていった。

 

 

 リコ「あ〜〜〜っ!(涙)」

 

 ニャオハ「ニャァァァッ〜!」

 

 

 このまま地面に落ちれば、怪我だけでは済まないだろう。だが、地面に落ちる擦れ擦れのところで、突然リコとニャオハの体が浮かび上がると、2人はゆっくり地面に着地した。

 

 

 シンヤ「リコ、ニャオハ、大丈夫か?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 リコ「えっ?」

 

 ニャオハ「ニャ?」

 

 

 シンヤに声をかけられると、リコとニャオハは閉じていた目をゆっくり開けて前の方を確認した。2人の目の前にはシンヤとピカチュウがいたが、2人は青と白色のボディをしているポケモンの背に乗っており、そのポケモンの持つ大きな赤色の瞳はリコとニャオハをジッと見つめていた。

 

 

 ???「ティオス」

 

 リコ「このポケモンは?」

 

 シンヤ「俺の手持ちポケモンの《ラティオス》だ。ちなみに、落ちていったリコとニャオハを助けたのも、このラティオスだ」

 

 リコ「えっ?ラティオスが私とニャオハを?」

 

 シンヤ「ああ。お前らが地面に落ちる前に、ラティオスが『サイコキネシス』を発動して、お前らの体を浮かせて助けたんだ」

 

 ラティオス「ティオス」

 

 

 リコが首にかけているペンダントが光った時、シンヤはむげんポケモンのラティオスをモンスターボールから出すと、ピカチュウと一緒にラティオスに乗り込んでリコとニャオハの近くに来ていたのだ。

 

 

 リコ「そうだったんだ。…シンヤ、助けてくれてありがとう」

 

 シンヤ「礼ならラティオスに言ってくれ」

 

 リコ「助けてくれてありがとう、ラティオス」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 ラティオス「しゅわーん!」

 

 

 ???「よぉ、随分と無茶したな」

 

 

 リコがラティオスに助けてくれたお礼を言うと、シンヤたちの近くにリザードンに乗った白髪の男がやってきた。

 

 

 ???「だが、度胸は気に入った。それに、まさかラティオスを見られるとはな」

 

 シンヤ「あの、あなたは何者なんですか?」

 

 フリード「俺は《フリード》だ。とりあえず、詳しい話は後でしよう。これから安全な場所まで連れてってやるから、とりあえずリザードンに乗ってくれ」

 

 

 シンヤたちの目の前にやってきた白髪の男は、自らをフリードと名乗った。そして、フリードはシンヤとリコに安全な場所に連れて行くと伝えると、2人に向かって手を伸ばしてきた。

 

 

 リコ「シンヤ、どうしよう?」

 

 

 次々にいきなりなことが起こってくるため、リコは自分で判断ができず、シンヤに判断を任せた。

 

 

 シンヤ「俺は…この人が嘘を言ってるようには思えないから、信じてもいいと思う」

 

 リコ「大丈夫かな?」

 

 シンヤ「少なくとも、アイツら3人よりは信用できる」

 

 

 屋根の上から自分たちを見ているアメジオたちよりは、目の前にいるフリードの方が信用できると、シンヤは直感的にそう感じ取っていた。

 

 

 フリード「決まったか?それじゃあこっちに…」

 

 シンヤ「いえ。俺のラティオスなら、子供を2人乗せて飛ぶくらいなら問題ないので、俺たちはラティオスに乗っていきます。リコ、ニャオハ、俺の後ろに乗って」

 

 リコ「う、うん」

 ニャオハ「ニャ~ン」

 

 シンヤ「しっかり掴まってろよ」

 

 リコ「は、はい!」

 

 

 リコはラティオスに乗ると、シンヤと自分の体の間にニャオハを挟み、シンヤのお腹に両手を回してしっかり掴まった。

 

 

 リコ(心臓がすごくドキドキする///心臓の音、シンヤにバレてないかな?)

 

 シンヤ(なんか、リコの顔が赤くなってたような…)

 

 

 リコはシンヤの体に両手を回すと、顔の赤みが増すと同時に、自分の心臓の鼓動が早くなるのを感じていたが、シンヤは特に何も感じていなかったようだ。

 

 

 シンヤ「それじゃあフリードさん、安全な場所に案内してください」

 

 フリード「よし!じゃあ行こうぜ!っと、その前に…」

 

 

 チラッ(アメジオたちを見る)

 

 

 フリード「悪りぃな!お前との勝負はまた次の機会だ!リザードン!」

 

 リザードン「リザァァァッ!」

 

 

 フリードの指示を受けると、リザードンは空高く飛んでいき、ラティオスもリザードンに続いて空に飛び上がると、リザードンの後を追って飛んで行った。

 

 

 時計台付近

 

 

 アメジオ「あのペンダントの輝き…それにラティオスとはな」

 

 コニア「アメジオ様、いかがしますか?ラティオスは伝説のポケモン。それをゲットしてるとなれば、相当なレベルのトレーナーということになりますが?」

 

 アメジオ「…ソウブレイズ、戻れ」

 

 

 シュルルーーン

 

 

 アメジオ「奴らを追うぞ。ラティオスがいようがいまいが、我々の目的はペンダントを手に入れることだ」

 

 ジル・コニア「「はっ!」」

 

 アメジオ「アーマーガア!」

 

 ジル・コニア「「エアームド!」」  

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 アーマーガア「アァァマッ‼︎」

 

 エアームドx2「「エアァァァーーッ!」」

 

 

 シンヤたちに逃げられたアメジオは、ジルとコニアと合流すると、左手首につけている時計型のアイテムに右手で触れた。すると、スーツ姿の服は私服用のスーツに変わり、アメジオはアーマーガアを、コニアとジルはエアームドをモンスターボールから繰り出した。そして、アメジオたちはアーマーガアたちの背中に乗ると、シンヤたちの追跡を開始した。

 

 

 空の上

 

 

 シンヤ(あの人、俺たちをどこに連れて行く気だ?)

 

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 

 リコ『大丈夫かな?あの人に付いて行って?』

 

 シンヤ『あの人から悪意を感じないから、俺としては、あの人を信用していいと思ってる。…けど、行き先ぐらいは聞いておくか』…「あの、すいません。さっきからどこに向かってるんですか?」

 

 フリード「前を見てみろ。着いたぜ!」

 

 リコ「えっ?…何あれ!?」

 

 ニャオハ「ニャアッ⁉︎」

 

 ピカチュウ「ピィカッ⁉︎」

 

 シンヤ「マジかよ⁉︎」

 

 

 前を飛んでいるフリードのリザードンの後に続いて、上空を飛び続けてしばらくすると、少し離れた前方に巨大な飛行船が飛んでいたので、それを見たシンヤたちは驚いて大声を出してしまう。

 

 

 フリード「これが俺たちの船、飛行船《ブレイブアサギ号》だ!」

 

 シンヤ「ブレイブアサギ号?」

 

 フリード「戻ったぞ。ウイングデッキ展開!」

 

 

 フリードはスマホロトムを取り出すと、船にいる誰かと連絡を取った。すると、ブレイブアサギ号の羽のような部分が動き出して変形していき、変形後はバトルフィールドに変形した。

 

 

 フリード「着陸するぞ!付いてこい!」

 

 

 リザードンがバトルフィールドに着陸すると、ラティオスもリザードンに続いてバトルフィールドに着陸し、シンヤとリコはラティオスの背中から降りた。

 

 

 リコ「ラティオス、ここまで運んでくれてありがとう」

 

 ラティオス「ティオス!」

 

 シンヤ「ありがとな、ラティオス。戻って休んでくれ」

 

 

 シュルルーーン

 

 

 ???「おかえり」

 ???「随分手こずったな」

 

 

 シンヤがラティオスをモンスターボールの中に戻すと、飛行船の船内から、ピンク色の髪をしている女性と肌が黒い筋肉質の男性が現れた。その2人の足元には、彼らのポケモンと思われる《イワンコ》がいた。肌が黒い男性がフリードの前に歩いてくると、互いに手を前に突き出してグータッチし、手をパーにしてまたグーにすると、2人は最後に手を軽く振り上げた。

 

 

 ???「あなたがリコね?」

 

 リコ「は、はい」

 

 ???「あなたは?リコの友達なの?」

 

 シンヤ「あっ、はい。シンヤといいます」

 

 リコ「あの、どうして私のことを?それに、皆さんはいったい?」

 

 ???「っ!まさかアンタ!この子たちに何も説明してないんじゃ!?」

 

 フリード「あれ?言ってなかったか?」

 

 シンヤ「何も聞いてませんよ」

 

 リコ「うん」

 

 ???「おいおい、どうやって連れてきたんだ?」

 

 ???「フリード!」

 

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 

 シンヤ『フリードって名前は本当みたいだな』

 

 リコ『うん』

 

 

 ホゲータ「ホォォゲェ!」

 

 パモ「パモパモ!」

 

 

 フリードたちに聞こえないよう、シンヤとリコが小声で話をしていると、船の船内から《ホゲータ》と《パモ》が走ってきて、ホゲータはフリードのリザードンの目の前にやってきた。

 

 

 リコ「ホゲータ!パモまで!」

 

 シンヤ(滅多に出会えない御三家のホゲータがいるとは、少し驚いたな)

 

 リコ「あの、どうしてパルデア地方の子たちがここに?」

 

 ???「ああ、ホゲータとパモは、前にパルデア地方を旅してる時に船に住み着いちまったんだ。パルデアのポケモン以外にもたくさんいるぞ、ほら」

 

 

 肌が黒い男性が指を向けた船の後方には、ヨルノズク、ユキワラシ、ツボツボという様々な地方のポケモンたちがいた。

 

 

 シンヤ(ポケモンたちがこんなにリラックスしてるなら、この人たちは信用してもいいかもしれないな)

 

 モリー「自己紹介が遅くなった。私は《モリー》だ」

 

 マードック「俺は《マードック》。そしてあいつが、相棒のイワンコ」

 

 

 シンヤたちが自己紹介をしている間に、ポケモンたちはすっかり仲良くなったようで、イワンコとニャオハが戯れあっていると、その様子を見ていたホゲータとパモも加わり、ニャオハたちは仲良く遊び始めた。

 

 

 リコ(みんなかわいい!…っ!いやいやいや、そうじゃなくて、ちゃんと聞かなきゃ!)

 

 

 ピクッ!(ピカチュウが何かを感じる)

 

 

 ピカチュウ「ピカッ!」

 

 シンヤ「ピカチュウ、どうした?」

 

 

 リコがフリードたちに話を聞こうとすると、シンヤの肩に乗っているピカチュウが何かの気配を感じ取った。すると、フリードのスマホロトムからアラームが鳴り始めた。

 

 

 フリード「ちょっとごめん。1…2…3…まさか、さっきの」

 

 シンヤ「ピカチュウ。もしかして、さっきの奴らの気配を感じたのか?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」コクッ(頷く)

 

 モリー「何?どうしたの?」

 

 フリード「俺は操舵室に行く。船を出すぞ。ヨルノズクは周囲の警戒を頼む!奴らはまだ諦めちゃいない」

 

 マードック「フリード、奴らってなんだ?学校で何があった?」

 

 フリード「詳しい話は後だ。マードックは下を見てくれ!モリーはポケモンたちと、その2人を頼む!」

 

 モリー「進路に嵐が発生してるって、《オリオ》から連絡が来たけど」

 

 フリード「嵐か…ちょうどいいな。目眩しに使えそうだ」

 

 シンヤ・リコ・マードック・モリー「「「「えっ?」」」」

 

 シンヤ(まさか!)

 

 リコ(この人!)

 

 マードック「フリード、お前まさか」

 

 モリー「変なこと考えついたんじゃないよね?」

 

 フリード「奴らを撒くために、嵐に突っ込むぞ!」

 

 シンヤ・リコ・モリー・マードック((((やっぱり!))))

 

 

 モリーがオリオというこの場にはいない人物から、スマホロトムで進路に嵐が発生しているという連絡を聞くと、それを聞いたフリードが嵐を目眩しに使えると呟いたので、シンヤたちは嫌な予感がした。そして案の定、フリードがエクスプローラーズを撒くために嵐の中に突っ込むと言い出したので、シンヤたち4人は心の中でツッコミを入れた。

 

 

 フリード「そうでもしないと、アイツら帰ってくれないだろう」

 

 シンヤ「それはそうですけど、一体何をするつもりなんですか?考えもなしに嵐に突っ込めば、船が壊れますよ?」

 

 フリード「もちろん考えはあるぜ。この船の動力は《マグマッグ》と《トロッゴン》の2体で、その2体が出している熱でこの船は動いているんだ。つまり…」

 

 シンヤ「船の速度を上げるために火力を上げて、嵐を突っ切るってことですか?」

 

 フリード「そういうことだ。頼むぞリザードン!」

 

 リザードン「リザァァァッ!」

 

 シンヤ「そういうことなら、出てこいバシャーモ!」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 バシャーモ「バシャァァァァッ!」

 

 

 シンヤはベルトについているモンスターボールを取って宙に投げると、もうかポケモンの《バシャーモ》を繰り出した。

 

 

 シンヤ「俺、今ほのおタイプのポケモンはバシャーモしか持ってないんですけど、船の速度を上げるのに役に立ちますか?」

 

 フリード「ああ、助かるぜ」

 

 

 フリードはそう言うと、オリオのいる所にリザードンとバシャーモを連れて行き、モリ―はシンヤとリコを連れて展望室に向かったが、シンヤたちが展望室にやってくると停電が起きてしまう。

 

 

 見張り台

 

 

 ヨルノズク「ホォォォッ!ホォォォッ!」

 

 

 展望室

 

 

 シンヤ(さっきの奴らが来たのか!)

 

 

 見張りをしているヨルノズクの鳴き声が聞こえてきたので、モリーが展望室にある望遠鏡を覗いて船の後方を確認すると、アーマーガアとエアームドに乗ったアメジオたちがこの船に向かっていることに気づいた。

 

 

 モリー「っ!アイツら、《エクスプローラーズ》じゃん!」

 

 シンヤ「エクスプローラーズ?アイツらのことを知ってるんですか?」

 

 モリー「詳しいことは知らないけど、悪名高き犯罪者組織って呼ばれてる連中だよ」

 

 シンヤ「リコ、聞いたことあるか?」

 

 リコ「ううん、聞いたことないよ」

 

 シンヤ(リコが知らないなら、エクスプローラーズはパルデアの悪の組織じゃないのか?)

 

 

 シンヤは、各地方に暗躍していた悪の組織のことならは知っているが、エクスプローラーズという組織のことは初耳だった。

 

 

 操舵室

 

 

 フリード「待たせたな、キャップ。代わるぜ」

 

 

 エクスプローラーズが船に向かっている頃、フリードは操舵室に来ており、操縦席の椅子には誰かが座っていた。椅子に座っているのは、体のほとんどが黄色で、両頬が赤く、ギザギザな形の大きなしっぽをしていて、トレードマークのキャプテン帽子を被ったポケモンだった。そのポケモンの名は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キャプテンピカチュウ「ピカァァッ!」

 

 フリード「オリオ!嵐の中に突入するから頼むぞ!」

 

 

 機関室

 

 

 オリオ「了解!リザードン!バシャーモ!頼むわよ!」

 

 リザードン「リィザァァァァ!」

 

 バシャーモ「バッシャァァァァ!」

 

 ホゲータ「ホゲッ!ホォォゲェ〜!」

 

 オリオ「ホゲータもありがとね!」

 

 

 バシャーモとリザードンは船の速度を上げるために、機関室で「かえんほうしゃ」を放ってオリオたちを手伝っていた。ホゲータはまだ「かえんほうしゃ」を使えないが、「かえんほうしゃ」を放つ真似をすると、その気持ちを汲んだオリオがホゲータにありがとうと伝える。そして、バシャーモとリザードンのおかげでマグマッグのパワーが上がり、それがトロッゴンにも伝わると、ブレイブアサギ号のエンジンが加速した。

 

 

 上空

 

 

 コニア「まさか奴ら、あの嵐の中に突っ込むつもり⁉︎」

 

 ジル「無茶しやがる!アメジオ様、どうしますか?」

 

 アメジオ「ここで引くわけにはいかない!飛行船を盾に風をかわしながら接近する!続け!」

 

 ジル・コニア「「はっ!」」

 

 

 ブレイブアサギ号のエンジンが加速すると、船は嵐の中に入って行った。展望室の窓には積乱雲が広がっており、そこから大量の雨水が降っていて、リコは窓から見える外の様子を不安げに見ていた。すると、いつの間にか船の後方にアメジオたちを乗せているアーマーガアとエアームドが来ていて、「エアスラッシュ」を放って船のバリアに攻撃しているのを発見した。

 

 

 リコ「あの、来てます!」

 

 シンヤ(嵐の中に突っ込んでくるとは、なんて執念だ)

 

 モリー「くっ!フリード、エクスプローラーズがウィングデッキに来てる!」

 

 フリード『何だと⁉︎ウイングデッキを畳めるか?』

 

 モリー「電源が死んでる。…仕方ない。アンタたちはここにいて!」

 

 リコ「えっ、どこに行くつもりですか??」

 

 モリー「手動で畳む」

 

 シンヤ(いや、手動で畳むより、先に奴らが入ってくる可能性が高い)

 

 

 モリーは展望室の扉を開けると、ウイングデッキを畳むために外に向かったが、エクスプローラーズは既にそこまで来ていて、先ほどからアーマーガアたちがバリアに攻撃を続けているため、あと少しでバリアが破られるとシンヤは読んでいた。

 

 

 バァァンッ‼︎(バリアが破られる)

 

 

 シンヤの予想通りにバリアが破られると、アメジオたちエクスプローラーズの3人がウィングデッキに乗り込んできた。

 

 

 リコ「入ってきた…」

 

 シンヤ「…リコ、お前はニャオハとここで待ってろ。ピカチュウ、行くぞ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 

 ピカチュウがシンヤの肩に飛び乗ると、シンヤは展望室の扉を開けてウイングデッキに向かおうとした。

 

 

 リコ「シンヤ、何をする気なの?」

 

 シンヤ「アイツら3人を船から追い出すために、これからバトルしてくる」

 

 リコ「えっ⁉︎ダメだよ!危ないよ!」

 

 シンヤ「…フッw、安心しろ」

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「必ず勝って、守るって約束する。リコもニャオハも、ペンダントも全部な。だからリコは、ここでポケモンたちを見ててくれ」

 

 

 不安そうにニャオハを抱きしめているリコにそう言ったシンヤは、右手でリコとニャオハの頭を順番に優しく撫でると、ピカチュウと一緒にウイングデッキに向かった。

 

 

 リコ(シンヤ……あれ?…ちょっと待って!この展開…ペンダントを巡って追い回されて…そんなピンチの状況でシンヤに守られるなんて…私…私…物語のヒロインですか~~!?///」

 

 

 リコは心の中でそう叫ぶと、顔を赤くしながらウィングデッキまで降りていくシンヤとピカチュウを黙って見ていた。そして、ウイングデッキにやってきたシンヤとピカチュウは、アメジオたちと対面していた。

 

 

 ウイングデッキ

 

 

 シンヤ「ペンダントを手に入れるために、ここまで追ってくるとはな」

 

 ピカチュウ「ピッカァッ!」

 

 コニア「お前は!」

 

 ジル「さっきのガキ!」

 

 シンヤ「よっ。しかし、ピカチュウの『10まんボルト』と『アイアンテール』を食らったばっかなのに、2匹のエアームドも、ここまでアンタらを運ぶのは大変だったろうな」

 

 ジル「黙れ!」

 

 コニア「今ここで決着をつけて…」

 

 アメジオ「ジル、コニア、お前たちは下がれ」

 

 ジル・コニア「「えっ?」」

 

 アメジオ「ラティオスをゲットしているなら、こいつはレベルの高いトレーナーのはずだ。お前たちが勝てる相手ではない」

 

 ジル・コニア「「はっ!」」

 

 

 ジルとコニアがモンスターボールを構えてシンヤとバトルをしようとすると、それをアメジオが止めてシンヤの前に歩いてきた。

 

 

 アメジオ「またお前か」

 

 シンヤ「それはお互い様だろ」

 

 アメジオ「お前に用はない。さっきの少女はどこだ?」

 

 

 さっきまでペンダントを狙っていたアメジオがリコのことを気にする発言をすると、シンヤは妙な違和感を覚えた。

 

 

 シンヤ「リコだと?お前らの目的はペンダントのはずだろ?」

 

 アメジオ「最初はペンダントだけが目的だった。だが、どうやらあのペンダントには秘密があるようだ。そして、その秘密は彼女と関係がある。だから予定を変更して、彼女にも一緒に来てもらうことにした」

 

 シンヤ「だったら尚更、お前ら《エクスプローラーズ》の人間に、リコもペンダントも渡すわけにはいかねぇな」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 アメジオ「ほぅ、我々のことを知っていたのか?」

 

 シンヤ「さっきこの船の人たちに聞いて知ったんだ。お前ら3人が悪名高き犯罪者組織、エクスプローラーズの人間だってことをな」

 

 アメジオ「…アメジオだ」

 

 シンヤ「俺はシンヤ」

 

 アメジオ「シンヤか。お前は、あの少女と何か繋がりがあるのか?」

 

 シンヤ「ん?どうしてそんなことを聞く?」

 

 アメジオ「お前が俺たちの邪魔をする理由を聞きたいだけだ」

 

 シンヤ「…俺とリコは少し前に知り合ったってだけで、特になんの繋がりもないな。ただ友達ってだけだ」

 

 アメジオ「それだけか?それだけの理由で、我々の邪魔をするのか?」

 

 シンヤ「女の子の友達が犯罪者組織に狙われているのに、守らない理由がいるのか?」

 

 アメジオ「…くだらないことを聞いた」

 

 シンヤ「お前にとってはくだらなくても、俺にはそれだけで戦う理由になるんだがな」

 

 アメジオ「そこを退け。少女とペンダントを確保すれば、すぐにこの船から出ていく」

 

 シンヤ「そいつは無理な相談だ。それに、俺が素直にここを通すと思うか?」

 

 アメジオ「ならば、さっきの男の代わりにポケモンバトルで決着をつけるか?」

 

 シンヤ「だったら、ポケモンバトルのルールを決めようぜ。負けた時の言い訳に、ポケモンの数を決めてないって言われたくないからな」

 

 アメジオ「ならば1対1でどうだ?あまり時間をかけなくて済むからな」

 

 シンヤ「いいだろう。ピカチュウ、頼む!」

 

 ピカチュウ「ピカチュウッ!」

 

 

 バッ!(ピカチュウがシンヤの肩から飛び降りる)

 

 

 ピカチュウ「ピッカァッ!」

 

 

 ピクッ(アメジオの眉が少し動く)

 

 

 アメジオ「ラティオスではなくピカチュウだと…舐められたものだな」

 

 シンヤ「それはどうかな?それに、俺のピカチュウを舐めてるのはお前の方だと思うがな」

 

 ピカチュウ「ピカピカ!」

 

 アメジオ「ならば手加減なしだ。ソウブレイズ!」

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 ソウブレイズ「ブレイッ!」

 

 

 アメジオがポケットからモンスターボールを取り出して宙に投げると、モンスターボールの中からソウブレイズが現れた。そして、シンヤとアメジオがバトルフィールドの中央からトレーナーゾーンに移動すると、ピカチュウとソウブレイズのバトルが始まった。

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!『アイアンテール』!」

 

 ピカチュウ「チュゥゥゥッ!ピッカァッ!」

 

 

 ガンッ‼︎

 

 

 バトルが始まると、先にシンヤとピカチュウが攻撃を仕掛けた。ピカチュウは「アイアンテール」を発動すると、ソウブレイズに尻尾を振り下ろして攻撃するが、ソウブレイズは両手の剣をクロスさせてピカチュウの攻撃を防いだ。

 

 

 アメジオ「その程度の攻撃、俺のソウブレイズには効かん」

 

 シンヤ「だったら次だ!『かげぶんしん』!」

 

 ピカチュウ「ピカッ、ピカッ、ピカッ、ピカッ」

 

 

 ピカチュウの「アイアンテール」が防がれると、シンヤはピカチュウに「かげぶんしん」の指示を出し、ピカチュウはたくさんの分身を作ると、その分身と一緒にソウブレイズに突撃した。

 

 

 アメジオ「ソウブレイズ!『サイコカッター』!」

 

 ソウブレイズ「ブゥゥゥレェェイッ‼︎」

 

 

 ピカチュウたちが突撃してくると、ソウブレイズは両手の剣から複数の小型の「サイコカッター」を飛ばし、突撃してきた全てのピカチュウたちに攻撃した。しかし、その中に本物のピカチュウはいなかったので、ソウブレイズはピカチュウがどこにいるのか探し始めた。すると、ピカチュウはいつの間にかソウブレイズの背後に回っており、後ろからソウブレイズを攻撃しようと「アイアンテール」を発動した。

 

 

 アメジオ「『むねんのつるぎ』!」

 

 ソウブレイズ「ブゥゥゥレェェイッ!」

 

 

 バァン‼︎(ピカチュウを切る)

 

 

 「アイアンテール」を発動したピカチュウが背後からソウブレイズを攻撃しようとすると、ソウブレイズの両目が一瞬だけ燃え上がった。そして、ソウブレイズは左手の剣に紫色の炎を纏わせると、勢いよく振り返ってピカチュウを攻撃するが、そのピカチュウも本物ではなかった。

 

 

 ソウブレイズ「⁉︎」

 

 アメジオ「何っ⁉︎」

 

 シンヤ「…フッw、ピカチュウ!空に向かって『10まんボルト』!」

 

 

 ピカチュウ「ピッカァァァッ!チュゥゥゥッ!」

 

 

 本物のピカチュウは、いつの間にかバトルフィールドから離れていて、展望室の屋根の上に登っていた。そして、そこから空に向かって「10まんボルト」を放つと、空から大量の電撃がピカチュウに降り注ぎ、ピカチュウは大量の電撃を身に纏った。

 

 

 ピカチュウ「ピッカッチューウ!」

 

 

 シンヤ「そろそろ決めるぜ!いっけーピカチュウ!『ボルテッカー』!」

 

 

 ピカチュウ「ピッカッ!ピカピカピカピカピカピカピカピカッ‼︎ピカピッカァァァァッ‼︎」

 

 

 大量の電撃を身に纏ったピカチュウが「ボルテッカー」を発動してソウブレイズに突っ込むと、ソウブレイズは両手の剣をクロスし、なんとかピカチュウの「ボルテッカー」を耐えていたが、シンヤはソウブレイズがピカチュウの攻撃を防御してできた隙を逃さなかった。

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!そのまま『10まんボルト』!」

 

 ピカチュウ「ピッカァァァッ、チュゥゥゥゥゥッ‼︎」

 

 ソウブレイズ「ブレィィィィッ⁉︎」

 

 

 「ボルテッカー」を両手の剣で防いでるソウブレイズにはピカチュウの「10まんボルト」を防ぐ手段がないので、ソウブレイズはピカチュウの「10まんボルト」をまともに食らってダメージを受けてしまう。

 

 

 シンヤ「まだだ!ピカチュウ!『アイアンテール』!」

 

 ピカチュウ「チュゥゥゥッ!ピッカァァァッ‼︎」

 

 

 バァァァァン‼︎

 

 

 ソウブレイズ「ブレイッ⁉︎」

 

 

 ピカチュウは「ボルテッカー」を発動している状態から体を捻ると、電撃を纏った尻尾をソウブレイズの顎に打ちつけて空中に吹っ飛ばした。

 

 

 アメジオ「ソウブレイズ!」

 

 シンヤ「これでトドメだ!もう一度『アイアンテール』!」

 

 ピカチュウ「チュゥゥゥッ!ピッカァァァッ!」

 

 

 空中に吹っ飛ばされたソウブレイズに逃げ場はないため、ピカチュウは「アイアンテール」を発動すると、一気に勝負を決めにいった。

 

 

 アメジオ「まだだ!ソウブレイズ!『サイコカッター』!」

 

 ソウブレイズ「ブゥゥレイッ!」

 

 

 空中に吹っ飛ばされたソウブレイズは、ピカチュウの「アイアンテール」が当たる前に、片腕の剣から小型の「サイコカッター」を一枚だけピカチュウに投げ飛ばした。すると、ピカチュウは攻撃をかわすため、咄嗟に「アイアンテール」で「サイコカッター」を弾いたが、「サイコカッター」はシンヤのいる後方に飛んでいくと、そのままリコたちのいる展望室へと飛んでいってしまった。

 

 

 シンヤ「まずい!」

 

 

 「サイコカッター」が展望室に飛んでいくと、シンヤは咄嗟に後ろを振り返ったが、「サイコカッター」はギリギリ展望室に当たらず、そのまま光となって消えていった。それを見てホッとしたシンヤがバトルフィールドに視線を戻すと、ソウブレイズは体勢を戻して両腕の剣を構えていた。

 

 

 アメジオ「自らチャンスを逃したな。『サイコカッター』の行き先など気にせずソウブレイズを攻撃をしていれば、お前たちが勝っていたかもしれないものを」

 

 シンヤ「それはどうかな?ピカチュウが受けたダメージは『ボルテッカー』の反動によるダメージだけだが、ソウブレイズはピカチュウの攻撃を連続で食らってるから、だいぶ息が上がってるぞ」

 

 

 シンヤの言う通り、ピカチュウの攻撃を受け続けたソウブレイズはかなりのダメージを負っているが、ピカチュウはほとんど無傷だ。それを見れば、ピカチュウが優勢なのは明らかだろう。

 

 

 アメジオ「お前たちが強いのは認めてやる。だが、俺も負ける気はない。ソウブレイズ!」

 

 ソウブレイズ「ブレイッ!」

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!」

 

 ピカチュウ「ピッカァッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リコ「もうやめて‼︎」

 

 

 ピカチュウ・ソウブレイズ「「っ!」」

 

 シンヤ・アメジオ「「っ!」」

 

 

 ピカチュウとソウブレイズが再びバトルフィールドの中央でぶつかろうとすると、展望室から出てきたリコの突然の叫び声により、ピカチュウとソウブレイズは動きを止めて、その場にいる全ての者がリコに視線を集めていた。すると、ニャオハを抱えているリコがウィングデッキに向かって歩いてきた。

 

 

 モリー「リコ!アンタ何してるの!」

 

 

 リコが展望室からウイングデッキに向かって歩いて行くのを見たモリーは、ウイングデッキに歩いていくリコを必死に止めようとするが、リコは足を止めようとしなかった。

 

 

 リコ「これ以上、シンヤとピカチュウに…皆さんに迷惑かけたくない。これ以上、みんなに傷ついてほしくない…」

 

 シンヤ「…」

 

 アメジオ「聞いたか?余計な手出しは無用だそうだ」

 

 リコ「ニャオハだって、きっとそう思って…」

 

 ニャオハ「ニャオ!ニャオニャオ!」

 

 リコ「あっ!」

 

 

 リコがウイングデッキにやってくると、突然ニャオハがリコの腕の中で暴れ出し、リコの手から飛び降りた。その反動で、リコは後ろに倒れて尻餅をついてしまうが、目の前にいるニャオハを見ると、ニャオハは決意を固めた表情でリコに何かを伝え始めた。

 

 

 ニャオハ「ニャオ!ニャオニャオ!」

 

 リコ(何なに?どうしたの?二ャオハ。何をそんなに…)

 

 シンヤ「ニャオハは気づいてるんだよ。リコが自分の気持ちを誤魔化してるってことを」

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「リコ、俺とピカチュウに迷惑をかけてるなんて思わなくていい!お前は本当にそれでいいのか?」

 

 リコ(…そっか。私が自分の気持ちに嘘をついてるって、ニャオハとシンヤは気づいてたんだ)

 

 シンヤ「リコ!ニャオハと一緒に、新しい一歩を踏み出せ!」

 

 リコ「シンヤ。……うん!」

 

 

 シンヤの言葉を聞いたリコは立ち上がると、ニャオハと一緒にアメジオとソウブレイズの前に移動した。

 

 

 リコ「行くよ、ニャオハ!『このは』〜!」

 

 ニャオハ「ニャァァオッハァァァッ‼︎」

 

 

 リコはお腹に力を込めて、大きな声で「このは」を叫んだ。すると、ニャオハの首元が光を放ち、シンヤとの特訓でも見せたことのないほどの威力を持つ「このは」を放った。

 

 

 ソウブレイズ「ブレイッ!」ダッ!

 

 

 ニャオハの放った「このは」がアメジオにぶつかる瞬間、ソウブレイズはアメジオの前に移動すると、両腕の剣をクロスして「このは」からアメジオを守った。

 

 

 リコ「できた。ニャオハ、できたよ!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 シンヤ「すげぇ〜、こんなに威力のある『このは』は、俺でさえ見たことない」

 

 ピカチュウ「ピィィカッ!」

 

 

 バァァンッ‼︎(バリアが壊れる)

 

 

 ニャオハがウィングデッキ全体を包み込むほどの「このは」を放つと、今までこれほど威力の高い「このは」を見たことがなかったシンヤとピカチュウは驚いていた。しかし、その威力の高い「このは」が裏目に出てしまい、ニャオハの放った「このは」によってウイングデッキのバリアが壊れると、ウィングデッキに突風が吹いてきた。

 

 

 リコ「きゃあっ⁉︎」

 

 シンヤ「リコ!」

 

 

 ウィングデッキに突風が吹いてくると、リコとニャオハはバランスを崩して倒れてしまい、そのままウイングデッキの外に吹き飛ばされそうになった。その時、シンヤが咄嗟にリコの体を支えたことで、リコは飛ばされずに済んだ。しかし、ニャオハが風に流されてウイングデッキの外に落ちそうになったので、シンヤはリコを支えたまま左足を伸ばすと、風に流されているニャオハを助けようとした。

 

 

 ニャオハ「ニャア!」

 

 シンヤ「クソッ!」

 リコ「ニャオハ!」

 

 

 ニャオハはシンヤが伸ばした左足を掴もうとしたが、ギリギリのところで間に合わず、そのままウィングデッキの外に落ちてしまう。しかし、ニャオハが落ちる瞬間、アメジオがモンスターボールから出したアーマーガアによってニャオハは助けられた。…いや、助けたのではなく、人質…ポケ質として確保されたと言うのが正しいだろう。

 

 

 ジル「アメジオ様!」

 

 コニア「このままでは、我々も嵐に飲みこまれます!」

 

 アメジオ「…シンヤ、お前との勝負は預ける!撤退だ!」

 

 コニア・ジル「「はっ!」」

 

 

 ニャオハを抱えているアメジオはそう言い残すと、 ジルのエアームドが両足で掴んでいるソウブレイズをモンスターボールの中に戻し、それぞれ自分のエアームドに乗っているジルとコニアと共にその場から離脱した。

 

 

 リコ「ニャオハ!ニャオハ~~!(涙)」

 

 

 アメジオたちがニャオハを連れ去ると、リコは泣きながらニャオハの名前を叫ぶことしかできなかった。しかし、シンヤはニャオハを助けるために動いた。

 

 

 シンヤ「リコ、お前はここで待ってろ!

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「ピカチュウ!俺の肩に乗れ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 シンヤ「ラティオス!力を貸してくれ!」 

 

 

 ポーーン‼︎

 

 

 ラティオス「しゅわーん!」

 

 

 ピカチュウが肩に乗ると、シンヤはウイングデッキの外に走っていき、そのまま空に向かってジャンプすると、モンスターボールから出したラティオスの背中に飛び移った。

 

 

 シンヤ「ニャオハは俺たちが助けてくるから、お前はここで待ってろ!」

 

 リコ「シンヤ!」

 

 シンヤ「心配するな。ラティオス!奴らを追ってくれ!」

 

 ラティオス「しゅわーーん!」

 

 

 こうして、シンヤはニャオハを助けるために、アメジオたちエクスプローラーズの追跡を始めた。すると、操舵室にいたフリードがウイングデッキにやってきた。

 

 

 フリード「悪い、遅くなった!…って、シンヤとエクスプローラーズは?」 

 

 モリー「…シンヤは、ニャオハを助けるためにエクスプローラーズを追いかけってたよ」

 

 フリード「何⁉︎どういうことだ…⁉︎」

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 

 エクスプローラーズに攫われたニャオハを助けるため、行動を開始するシンヤたち。しかし、ニャオハを助けようとするシンヤたちの前に、再びアメジオが現れる。そしてここから、シンヤとリコの新たな冒険の物語が動き出す。

 

 

 次回「ニャオハを救え!シンヤVSアメジオ」

 





 早速のお気に入り登録ありがとうございます。

 シンヤの手持ちポケモン
 ピカチュウ
 オーガポン
 ラティオス
 バジャーモ
 ???
 ???
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