ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 ドットに頼まれたコットンキャンディを手に入れるため、バトルカフェにやってきたシンヤたちは、そこでマードックのかつてのパティシエ仲間であるミッチェルに出会った。リコの後押しと協力もあり、互いに過去の過ちを謝罪したマードックとミッチェルは、仲直りをして再び友達に戻った。すると、バトルカフェのテラスに座っていたジムリーダーのカブが声をかけてきた。



第20話『カブ登場!リコとロイのバトル修行!』

 

 エンジンシティ・バトルカフェ

 

 シンヤ「カブさん」

 

 カブ「久しぶりだね、シンヤくん。ところで、なんでサングラスをかけているんだい?」

 

 シンヤ「ハハハ、バレバレでしたか」

 

 スッ(サングラスを外す)

 

 「あっ!」

 「あの人、シンヤさんだ!」

 「本当だ!」

 「何でここに?」

 「キャーー!サインしてください!」

 

 シンヤがサングラスを外すと、テラスにいた人たちがシンヤとカブの周りに集まってきた。

 

 「シンヤさん!WCSでのバトル、とても素晴らしかったです!」

 

 シンヤ「ありがとうございます」

 

 「私、シンヤさんのファンなんです!握手してもらえませんか!」

 

 シンヤ「いいですよ」

 

 「一緒に写真を撮ってください!」

 シンヤ「もちろんいいですよ」

 

 「カブさん、休憩中ですか?」

 

 カブ「ランニングの途中なんだけど、ここのスイーツは素通りできなくてね」

 

 「今度、うちの店にも来てください!」 

 カブ「ありがとう」

 

 「後でスタジアムに行ってもいい?」

 カブ「もちろんだよ」

 

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 ロイ「シンヤとカブさん、すごい人気だね」

 

 マードック「シンヤは、今年のWCSの優勝者だからな」

 

 ミッチェル「それに、カブさんはエンジンスタジアムのジムリーダーだからね」

 

 リコ「……」

 ロイ「リコ?どうしたの?」

 リコ「……何でもない」

 

 シンヤの周りに女の人ばかりが集まっているのを見ると、リコはそれをジト目で見ていた。自分の彼氏が他の女の人と距離が近いのが嫌なのだろう。

 

 カブ「そこの君」

 リコ「えっ?私ですか?」

 

 カブ「ああ。さっきのバトル、見させてもらったよ。なかなかいい『このは』だったね。それに、ニャオハくんとの強い絆が伝わってきたよ」

 

 リコ「あ、ありがとうございます!」

 

 マードック「ロイ、黒いレックウザのことは聞かなくていいのか?」

 

 ロイ「あっ、そうだ!あの…」

 

 カブ「じゃあ、僕はランニングに戻るよ。それでは!」

 

 カブはそう言い残すと、ロイがレックウザのことを聞く前に、バトルカフェを出てランニングの続きに行ってしまった。

 

 ロイ「あぁ、ちょっと待って!」ダッ!

 リコ「あっ、私も行く!…シンヤは行かないの?」

 シンヤ「行くよ。それじゃあ皆さん、また…」

 

 「ありがとうございました!」

 「これからも頑張ってください!」

 

 シンヤ「じゃあマードック、俺たち行ってくるよ!」

 マードック「ああ。リコとロイをよろしくな」

 

 シンヤは握手と撮影を終えると、マードックにそう言って、リコと一緒にロイとカブを追いかけて行った。

 

 リコ「…ファンが《女の人ばかり》でよかったね」

 シンヤ「なんだ?もしかして妬いてるのか?」

 

 リコ「知らない!」プイッ

 

 シンヤ「ああ、悪い悪い。でも、サングラスをかけてた理由がよくわかったろ?」

 

 シンヤがサングラスをかけていた理由は、以前ポケモンWCSで優勝した後、故郷のシンオウ地方に帰ろうとした時、さっきのようにたくさんの人に囲まれたからなのだ。

 

 シンヤ「後でなんでも言うことを聞くから許してくれよ」

 

 リコ「…本当?なんでも言うこと聞いてくれるの?」

 

 シンヤ「ああ」

 リコ「…なら許してあげる」

 

 シンヤ(…もしかして、リコって嫉妬深いのかな?まぁ、そんなところもかわいいんだけど)

 

 エンジンスタジアムの前

  

 ロイ「ハァハァ」

 

 シンヤとリコがロイとカブの後を追っている頃、カブの後を追っていたロイはエンジンスタジアムの前に来ていた。すると、ロイのいる所にシンヤとリコとピカチュウが走ってきた。

 

 シンヤ「お〜い!ロイ〜!」

 ロイ「シンヤ、リコ」

 リコ「やっと追いついた。ハァ…、ハァ…」

 

 シンヤ「ハァ、ハァ、カブさんはどこに行ったんだ?」

 ピカチュウ「ピカ、ピカ」

 ロイ「それが…」

 

 ???「カブさんなら中にいるっす!」

 

 シンヤ・リコ・ロイ「「「ん?」」」

 

 ロイがシンヤの質問に答えるより早く、エンジンスタジアムの入り口からやってきた人物がシンヤの質問に答えた。その人物は、シンヤたちと同い年位に見える赤いユニフォームを着ている女の子だった。

 

 ワカバ「ども。自分はジムトレーナー見習いの《ワカバ》っていいます。カブさんに何か用っすか?」

 

 リコ「あっ、はい」

 

 ロイ「僕たち、カブさんに聞きたいことがあるんです!」

 

 ワカバ「聞きたいこと?わかりました。中に案内するっす!」

 

 ワカバはそう言うと、エンジンスタジアムの中にいるカブのもとにシンヤたちを案内した。

 

 ロイ「ねぇ、カブさんってどんな人なの?」

 

 ワカバ「カブさんはですね、一言で言うと、熱くて強くて優しくて、頼れるジムリーダー。どんな時でも自分を高め続ける孤高のトレーナーっす」

 

 シンヤ・リコ((一言で言えてない…))

 

 ロイ「へぇ、かっこいいなぁ!」

 

 ワカバ「そうなんすよ!自分もそんなカブさんみたいになりたくて、ジムトレーナーを目指してるっす」

 

 ロイ「うんうん」

 

 リコ「ロイとワカバさんって、なんか似てるね」

 シンヤ「熱いところがな」

 

 出会って間もないというのに、互いに性格が似ていることもあってか、ロイとワカバはすっかり意気投合し、楽しくお喋りをしていた。そして、スタジアムの中を歩いてしばらくすると、シンヤたちはカブがトレーニングをしているバトルフィールドにやってきた。

 

 エンジンスタジアム・バトルフィールド

 

 ワカバ「カブさん、お客さんっす!」

 カブ「んっ?やぁ、シンヤくん。それに君たちも」

 

 ロイ「ロイです。こっちはホゲータ」

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 リコ「リコです。こっちはニャオハ」

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 

 シンヤ「カブさん。俺たち、カブさんに聞きたいことがあってここに来たんですけど」

 

 カブ「聞きたいこと?何かな?」

 

 シンヤ「ほら、ロイ」

 

 ロイ「うん。あの、《黒いレックウザ》を知りませんか?」

 

 カブ「っ⁉︎」

 ワカバ「レックウザ⁉︎伝説の⁉︎」

 

 シンヤ「実は俺たち、今、黒いレックウザを追ってるんです。カブさんはホウエン地方の出身なんですよね?だったら、黒いレックウザのことを何か知ってるんじゃないかと思って」

 

 カブ「黒いレックウザ……心当たりはあるけど、なぜレックウザを追っているんだい?」

 

 ロイ「これを見てください」

 

 スッ(古のモンスターボールを取り出す)

 

 カブ「それはモンスターボールかい?初めて見るな」

 

 ロイ「黒いレックウザは、このボールに入ってたんです。でも、急に飛び出してどこかへ行っちゃって…だから、もう一度レックウザに会って、今度はレックウザをゲットしたいんです!」

 

 カブ「…君もそうなのかい?」

 

 レックウザを追っている理由をロイから聞いたカブは、今度は視線をリコに向けると、レックウザを追っている理由をリコに訪ねた。

 

 リコ「わ…私は、その、レックウザが特別で、仲間と出会ったこととか、私がここにいることとか、全部繋がってる気がしてて、だから、レックウザのことを聞きたいんです!」

 

 カブ「…」

 

 ロイと比べると、リコがレックウザを探している理由は少々わかりづらいが、リコがレックウザを探しているのは、何か特別な理由があるからだということをカブは見抜いたようだ。

 

 シンヤ「カブさん。黒いレックウザのことで知ってることがあるなら、なんでもいいから教えてくれませんか?俺たちは、黒いレックウザを追わなきゃならない理由があるんです!」

 

 カブ「…なるほど。君たちの熱い思い、確かに伝わったよ。ただ、ゲットするとなると、レックウザとのバトルは避けて通れない。ロイくん、君はレックウザに勝つ自信はあるのかい?」

 

 ロイ「絶対に勝ってゲットします!レックウザに勝つまで、何度でも挑戦して!なっ、ホゲータ!」

 

 ホゲータ「ホゲゲッ!」

 

 カブ「うん。いい答えだ。若いトレーナーの背中を押して、成長させるのもジムリーダーの勤めだからね。君たちのバトルの腕が向上するよう、僕も協力しよう」

 

 リコ「それって…」

 

 ロイ「カブさんがバトルの相手をしてくれるってことですか?」

 

 カブ「フッw、ついてくればわかるさ」

 

 カブはそう言うと、シンヤたちをある場所に案内した。そこは周りが柵に囲まれている所で、フィールドの3箇所に草むらがある部屋だった。そして、部屋の真ん中にある赤いサークルにシンヤたちがやってくると、草むらから20匹のヒトモシたちがやってきた。

 

 ヒトモシx20「「「モシモシ、モシモシ、モシモシ」」」

 

 リコ「わぁ!」

 ロイ「おお!」

 シンヤ「ヒトモシか」

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 リコ「かわいい!ヒトモシっていうんだ!」

 シンヤ「かわいいけど、怖いポケモンでもあるぞ」

 

 リコ「えっ?」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 ヒトモシ ろうそくポケモン ゴースト・ほのおタイプ

 

 頭の炎は普段消えているが、人やポケモンの生命エネルギーを吸い取ると、燃えると言われている。

 

 ロイ「こわっ!」

 

 シンヤ「だから言ったろ。まあ、カブさんが連れてきたヒトモシたちなら安全だと思うが」

 

 ゴーストタイプのポケモンには、人間やポケモンの命を脅かすものが多いので、遭遇した時には注意が必要なのだ。

 

 ワカバ「カブさん、準備完了っす!」

 カブ「ありがとう」

 

 シンヤ「カブさん。ヒトモシの中に、頭の炎が燃えてないのも混じってますけど、一体、何をするつもりなんですか?」

 

 カブ「もちろん、リコくんとロイくんのトレーニングだよ」

 

 ロイ「えっ?ポケモンバトルじゃないんですか?」

 

 カブ「強くなるために大事なのは《基本》だからね。基本となるわざを磨き、パワーを上げれば、おのずとバトルのレベルも上がるんだ」

 

 シンヤ「となると、ニャオハは『このは』、ホゲータなら『ひのこ』だな」

 

 カブ「なら、『このは』と『ひのこ』を鍛えよう」

 

 リコ・ロイ「「はい!」」

 

 カブ「じゃあルールを説明するよ。赤いサークルの中から、ホゲータくんは『ひのこ』、ニャオハくんは『このは』を使って、ヒトモシくんたちの頭の炎を狙うんだ。『ひのこ』で全てのヒトモシくんの頭の炎を灯せばロイくんの勝ち。反対に、『このは』で全てのヒトモシくんの頭の炎を消せばリコくんの勝ちだ」

 

 シンヤ「だから、ヒトモシの頭に炎が燃えてるのと燃えてないのが混じってたのか」

 

 ピカチュウ「ピィカチュ」

 

 カブ「シンヤくん、ワカバくん。リコくんとロイくんの邪魔にならないよう、僕たちは柵の外から見守ろうか」

 

 シンヤ「はい」

 ワカバ「了解っす!」

 

 カブの言う通り、自分たちがサークル内にいてはリコたちがやりづらいので、シンヤたちは柵の外に出てリコたちの勝負を見学することにした。

 

 カブ「では、始め!」

 

 カブの開始の合図とともにビィィィというブザー音が鳴ると、先に20匹のヒトモシの頭の炎を灯すか消すかのリコとロイの競争が始まり、ニャオハとホゲータがヒトモシを狙い始める。

 

 ロイ「ホゲータ!『ひのこ』!」

 リコ「ニャオハ!『このは』!」

 

 ニャオハ「ニャオハ!」

 ホゲータ「ホォォゲッ!」

 

 リコ「『このは』!『このは』!『このは』!」

 ロイ「『ひのこ』!『ひのこ』!『ひのこ』!」

 

 ニャオハ「ハッ!ハッ!ハッ!」

 ホゲータ「ゲッ!ゲッ!ゲッ!」

 

 シンヤ「全然当たってないぞ…」

 ピカチュウ「ピィカァ…」

 

 ヒトモシ「モシ」

 ロイ「ホゲータ!『ひのこ』!」

 ホゲータ「ホォォゲェェッ!」

 ヒトモシ「モシッ!」

 

 開始早々、リコとロイはニャオハとホゲータに「このは」と「ひのこ」を指示してヒトモシの頭の炎を狙うが、それはヒトモシたちには当たらなかった。しかし、ホゲータが次に「ひのこ」を放つと、1匹のヒトモシの頭の炎を灯すことができた。

 

 ロイ「いいぞホゲータ!この調子でどんどんいこう!」

 ホゲータ「ホゲゲッ!」

 

 リコ「ニャオハ!『このは』!」

 ニャオハ「ニャ…ニャオハッ!」

 ヒトモシ「モシ!」

 リコ「うまいよ、ニャオハ!」

 ニャオハ「ニャァァッ!」

 

 リコ「あっ、あそこにもヒトモシ!『このは』!」

 ニャオハ「ニャオハァァッ!」

 

 リコもロイに負けじとニャオハに「このは」の指示を出し、ヒトモシの頭の炎を消していった。そして、今度は2匹目のヒトモシの頭の炎を消そうとするが、「このは」の威力が弱かったため、ヒトモシの頭の炎を消すことができなかった。

 

 リコ「なら、ニャオハ!『このは』い〜っぱい!」

 ニャオハ「ニャオ、ニャァァオハァァァッ!」

 

 ヒトモシ「モシ?」

 シンヤ「ほう、やり方を変えて炎を消したか」

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 リコはニャオハに、「このは」の威力が足りない時は威力を上げて撃つように指示をして、素早いヒトモシの頭の炎を消す時は、「このは」をかたまりで鋭く撃つように指示を出した。すると、リコの的確な指示を聞いたニャオハは、どんどんヒトモシの頭の炎を消していった。

 

 リコ「ニャオハ、その調子だよ」

 ニャオハ「ニャオハァァッ!」

 カブ「うん。いいコンビネーションだ」

 

 リコ「『このは』いっぱい!次は小さく素早く!次は威力強めで!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!ハッ!ハッ!ハッ!」

 

 ロイ「あっ、ヤバい!ホゲータ、『ひのこ』!」

 ホゲータ「ホゲッ!ホゲッ!」

 

 リコの的確な指示を聞いたニャオハがどんどんヒトモシの頭の炎を消していくと、得点はリコが14、ロイが6になり、それを見て焦ったロイはホゲータに「ひのこ」を指示するが、ヒトモシの頭に「ひのこ」は当たらなかった。

 

 ロイ「当たんない…もっと『ひのこ』!」

 

 ホゲータ「ホゲッ!ホゲッ!ホゲッ…」バタンッ

 

 ロイ「あっ、ホゲータ!」

 ホゲータ「ホ…ゲ…」

 

 グウウウウ~〜(腹の虫が鳴る)

 

 リコ・ロイ「「えっ?」」

 

 シンヤ「あれだけ『ひのこ』を撃ちまくたっから、腹が減ったみたいだな」

 

 カブ「少し休憩しようか」

 

 ホゲータが倒れてしまったので、リコたちは少し休憩をすることになり、シンヤとワカバがオレンのみとオボンのみが入った段ボール箱を持ってくると、ニャオハたちはきのみを食べ始めた。

 

 ロイ「ごめんなホゲータ。僕、失敗ばかりだ」

 

 シンヤ「だったら、失敗を活かして次に繋げればいいんだ」

 

 ロイ「えっ?失敗を活かす?」

 シンヤ「そっ、失敗は成功のもとって言うからな」

 

 カブ「シンヤくんの言う通りだ。失敗は成功より、多くの学びを与えてくれる。僕も多くの失敗を繰り返して、少しずつ強くなっていったよ。シンヤくんだってそうだろ?」

 

 シンヤ「もちろんですよ」

 リコ「えっ、シンヤも?」

 

 シンヤ「そりゃあそうだよ。俺だって最初から強かったわけじゃない。最初はリコやロイと同じレベルだった。失敗したり、間違ったりを繰り返したり、バトルで何回も負けたこともあったけど、その度に学んで強くなった。それだけだ」

 

 リコ「シンヤでもバトルに負けたことあるんだ」

 シンヤ「意外か?」

 

 リコ「うん。シンヤが負けたとこなんて見たことないし、想像できないから」

 

 シンヤ「最近は負けてないけど、いずれは負けるかもしれない。でもその時は、また学んで強くなるさ」

 

 ロイ「シンヤとカブさんもそうなんだ」

 

 カブ「ああ、《人生死ぬまで修行》。だからこそ、学び続けるんだ」

 

 ワカバ「くぅ〜、感動的なお言葉っす!」

 ロイ「そっか…よし!ホゲータ、頑張ろう!」

 ホゲータ「ホゲッ!」

 

 カブ「それじゃ、トレーニング再開だ!」

 リコ・ロイ「「はい!」」

 

 少し休憩を取ったリコたちが赤いサークルに入ると、再びビィィィというブザー音が鳴り響き、トレーニングが再開した。

 

 リコ「ニャオハ、さっきの調子で『このは』鋭く!」

 ニャオハ「ニャ〜オ、ハッ!」

 

 リコ「少しずつだけど、コツが掴めてきたかも」

 

 ロイ「よし、じゃあこっちも!もっと!……いや、それじゃさっきと同じだ。シンヤとカブさんに言われた通り、失敗を活かして、失敗から学ぶんだ」

 

 ホゲータ「ホゲ!」

 

 ロイ「ホゲータ……そうだ!ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!」

 

 シンヤ「えっ?なんでここで歌なんだ?」

 ピカチュウ「ピィカァッ?」

 

 ロイ・ホゲータ「『ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!』」

 

 リコは前半でコツを掴んだようで、後半が始まるとすぐにヒトモシたちの頭の炎を消すことができた。ロイは前半の失敗から学んで焦らず冷静になると、ホゲータと一緒に歌を歌い始めた。すると、ホゲータの頭の毛が光り出して、ホゲータは空中に「ひのこ」を撃ち放った。

 

 ロイ「それだよ!ホゲータ、歌いながら『ひのこ』だ!」

 

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!」

 

 ヒトモシ「モシ!」

 

 ロイ「やった!もう1回『ひのこ』!」

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!」

 

 ホゲータはロイと歌いながら息を合わせて「ひのこ」を放つと、次々とヒトモシたちの頭に炎を灯していった。ニャオハも「このは」を撃ち続けてヒトモシの頭の炎を消していき、互いに火を灯しては消し、消しては灯すを繰り返した。そんな状況がしばらく続いたが、気つけば点差は逆転しており、ロイの得点は18、リコの得点は2となっていた。

 

 ワカバ「ロイさんが追い越してきたっす!」

 

 シンヤ「ロイとホゲータすごいな。…リコも頑張れよ!」

 

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 リコ(このままじゃ…あっ)

 

 リコは自分の得点を見て焦ったが、草陰の一箇所にヒトモシたちが大量に集まっているのを見つけた。そこにニャオハが「このは」を撃てば、勝負の流れを掴めるだろう。

 

 リコ(あそこを狙えば!)…「ニャオハ!」

 ロイ「頑張れホゲータ!」

 

 リコ「んっ?」

 

 ロイ・ホゲータ「『ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!』」

 

 リコ(ホゲータ…)

 

 ニャオハに「このは」を撃つようリコが指示しようとすると、リコの目に頑張っているロイとホゲータの姿が映った。それを見たリコは、急に動かなくなってしまう。

 

 カブ「…」

 シンヤ(リコ…)

 

 ニャオハ「ニャ〜ッ!」

 リコ「あっ、ごめん!ニャオハ!『このは』するど…」

 

 ニャオハの大きな声を聞いたリコは我に返ると、慌ててニャオハに指示を出そうとしたが、その時にはホゲータが最後のヒトモシに「ひのこ」を放って頭の炎を灯した。すると、終了のブザー音が鳴り響き、ロイとホゲータの勝利となった。

 

 ロイ「やった〜!」

 ホゲータ「ホゲ〜!」

 

 リコ「負けた。ごめん、ニャオハ」

 ニャオハ「…ニャ〜」

 

 シンヤ・カブ「「…」」

 

 リコとロイのトレーニングを見ていたシンヤとカブは、少し思うところがあったが、敢えて何も言わずにワカバと一緒に赤いサークルの中にいるリコたちのもとに向かった。

 

 ワカバ「惜しかったっすね、リコさん!でも凄かったっす!」

 

 シンヤ「残念だったな。後もう少しだったのに」

 

 リコ「ありがとう。シンヤが応援してくれたから元気出たよ」

 

 カブ「2人とも、いいトレーニングになったようだね」

 

 リコ・ロイ「「はい!」」

 

 カブ「じゃあ、早速その成果を試してみよう。僕とのポケモンバトルでね」

 

 リコ・ロイ「「えっ?」」

 

 カブ「じゃあワカバくん、僕とタッグを組んでくれるかい?」

 

 ワカバ「えっ?自分がですか?…はい!喜んで!」

 シンヤ「へぇ〜、面白いバトルになりそうだな」

 

 こうして、トレーニングの成果を試すため、リコとロイはカブとワカバとタッグバトルを行うことになった。そして、ダブルバトルをするために、カブがジム戦の時に使うエンジンスタジアムのバトルフィールドに移動すると、シンヤとピカチュウは観客席に移動し、リコたちはトレーナーゾーンに移動した。

 

 観客席

 

 シンヤ「頑張れよ!リコ!ロイ!」

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 バトルフィールド

 

 ワカバ「タンドン、ガンバっす!」

 カブ「燃え盛れ、マルヤクデ!」

 

 ポーーン

 

 タンドン「タンドッ」

 マルヤクデ「ヤクデッ!」

 

 カブが繰り出したポケモンは、自分の相棒ポケモンである、はつねつポケモンの《マルヤクデ》。ワカバが繰り出したのは、せきたんポケモンの《タンドン》だった。

 

 リコ「強そう」

 ロイ「よ〜し。ホゲータ!マルヤクデに『ひのこ』!」

 ホゲータ「ホ〜ゲ〜ッ‼︎」

 

 バトルが始まると、ホゲータはマルヤクデに「ひのこ」を放つが、ホゲータの放った「ひのこ」をマルヤクデが吸収してしまったので、ダメージを与えられなかった。

 

 ロイ「あれ?効いてない?」

 

 シンヤ「ロイ!カブさんのマルヤクデの特性は《もらいび》だから、ほのおタイプの技はマルヤクデには効かないんだ!」

 

 ロイ「ええっ!せっかく特訓したのに!」

 リコ「なら、ニャオハ!『このは』鋭く!」

 ニャオハ「ニャ〜オ、ハッ‼︎」

 

 ドォォォン!

 

 リコ「効いてない!」

 

 シンヤ「ほのお・むしタイプのマルヤクデに、くさタイプの技はあまり効果はないからな」

 

 カブ「今度はこっちからいくよ。『かえんぐるま』!」

 マルヤクデ「ヤァァクッ!」

 

 ホゲータの放った「ひのこ」が吸収されると、ニャオハが「このは」をマルヤクデに放つが、マルヤクデには全く効いていなかった。そして、カブがマルヤクデに「かえんぐるま」を指示すると、マルヤクデは体を丸めて炎を身に纏うと、体を回転させてニャオハとホゲータに突っ込んできた。

 

 ニャオハ「ニャ〜⁉︎」

 ホゲータ「ホゲェ⁉︎」

 

 カブ「『むしくい』!」

 マルヤクデ「ヤクデッ!」

 

 リコ・ロイ「「危ない!」」

 ニャオハ「ニャ〜ッ!」

 ホゲータ「ホゲッ!」

 

 ニャオハとホゲータに「かえんぐるま」のダメージを与えると、マルヤクデは「むしくい」を発動してニャオハとホゲータを攻撃してきた。ニャオハとホゲータはなんとか「むしくい」をかわしたが、マルヤクデが攻撃した場所の地面は割れていた。

 

 ワカバ「凄すぎて入っていけないっす」

 

 シンヤ「カブさんのマルヤクデ。前に戦った時より、パワーもスピードも大きく上がってるな」

 

 ピカチュウ「ピィカァッ」コクッ

 

 カブ「どうした?僕のマルヤクデを倒せないようでは、レックウザをゲットするなど、とても無理だよ!」

 

 ロイ「リコ、連携プレイでいこう!」

 

 リコ「うん!ニャオハ!『このは』いっぱい!目隠し!」

 

 ニャオハ「ニャァァァァオ、ハ〜ッ‼︎」

 マルヤクデ「マル⁉︎」

 

 ロイ「ホゲータ!『たいあたり』!」

 リコ「ニャオハ!『でんこうせっか』!」

 ニャオハ「ニャオッ!」

 ホゲータ「ホォゲッ!」

 

 カブ「マルヤクデ!真っ直ぐ『かえんほうしゃ』!」

 マルヤクデ「マァァァルゥゥゥッ‼︎」

 

 リコとロイは、カブとマルヤクデに連携プレーで立ち向かおうとした。まず、ニャオハがたいりょうの「このは」をマルヤクデの目にぶつけて視界を奪うと、「たいあたり」を発動したホゲータがマルヤクデに突っ込み、ニャオハは「でんこうせっか」を発動してマルヤクデに攻撃を仕掛けるが、カブの指示を聞いたマルヤクデが真っ直ぐに「かえんほうしゃ」を放つと、ニャオハとホゲータを吹き飛ばしてダメージを与える。

 

 シンヤ「悪くない戦略だったが、カブさんの方が一枚上手だったな」

 

 ピカチュウ「ピィカッチュ」コクッ

 

 リコ(どうしよう?このままじゃ、ニャオハが!)

 

 ロイ「ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!ホッ、ホッ、ホッ、ホゲーッ!」

 

 リコ「ロイ…」

 シンヤ(なるほどな。あれがロイの十八番ってわけか)

 

 ロイ「た、ち、あがれ〜負けるなホゲータ頑張れ、お、も、いだせ〜、負けるな、ホゲータ頑張れ、た、ち、あがれ〜、負けるなホゲータ頑張れ」

 

 ホゲータ「ホゲッ、ホッ、ホッ、ホゲッ」

 

 カブとマルヤクデに追い込まれているリコが頭の中でどうするか作戦を考えていると、ロイはいつもホゲータと歌っている歌を歌い始めた。すると、歌を聞いたホゲータは立ち上がり、ホゲータの頭の毛が光り始めた。

 

 カブ「フッ、マルヤクデ!『かえんほうしゃ』!」

 マルヤクデ「マァァァルゥゥゥッ‼︎」

 

 ロイ「お、も、いだせ〜、特訓ホゲータ!『ひのこ』だ〜〜!」

 

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホォォォゲーーッ‼︎」

 

 ドォォォォォン!

 

 ロイ「これって!」

 ワカバ「『かえんほうしゃ』?」

 

 シンヤ「この土壇場で、新しい技を覚えたのか!すごいぞホゲータ!」

 

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 

 ロイの歌のおかげでパワーを溜めたホゲータは、土壇場で「かえんほうしゃ」を覚えてマルヤクデの「かえんほうしゃ」を食い止めた。そして、マルヤクデとホゲータは「かえんほうしゃ」の鍔迫り合いを続けた。しかし、徐々にホゲータの「かえんほうしゃ」が押されていき、ホゲータはロイのところまで吹き飛ばされた。ロイが慌ててホゲータに駆け寄ると、ホゲータは目を回して意識を失っていた。

 

 ロイ「ホゲータ!大丈夫?」

 ホゲータ「ホッ…ホゲッ…」

 

 ロイ「すごいよホゲータ!『かえんほうしゃ』を覚えるなんて!」

 

 ホゲータ「ゲッ〜」

 

 シンヤ「ホゲータは負けたか…でも、土壇場で『かえんほうしゃ』を覚えたんだ。それだけでも特訓の成果はあったな」

 

 ピカチュウ「ピッカチュゥゥッ」コクッ

 

 カブ「ホゲータくんは戦闘不能か。じゃあワカバくん、リコくんとのバトルは任せたよ」

 

 ワカバ「えっ?」

 

 カブ「ジムトレーナーの試験として、頑張ってくれ」

 ワカバ「ッ、はい!承知したっす!」

 

 リコ「ワカバさんと、1対1のバトル」

 ワカバ「リコさん、勝負っすよ!」

 

 リコ「う…うん!」

 

 ホゲータが戦闘不能になったことで、カブはワカバにリコとのバトルを任せた。さすがに今のリコにカブを倒せる力はないが、ワカバとの実力を考えると、リコが勝てるとシンヤは考えていた。

 

 シンヤ「マルヤクデは無理だったけど、タンドンが相手なら、リコとニャオハに勝ち目があるな」

 

 ピカチュウ「ピカッ!」

 

 ワカバ「いくっす!タンドン!『うちおとす』!」

 タンドン「タァァンッ!」

 

 リコ「『うちおとす』を撃ち落とす!『このは』!」

 ニャオハ「ニャ〜オ、ハ〜ッ‼︎」

 

 ワカバがタンドンに「うちおとす」の指示を出すと、それをニャオハが発動した「このは」で撃ち落とし、そのままタンドンにダメージを与える。

 

 ワカバ「なら、『こうそくスピン』!」

 タンドン「タァァンッ‼︎」

 

 リコ「かわして『このは』鋭く!」

 ニャオハ「ニャァァァオ、ハァァァッ!」

 

 タンドンが体を回転させて攻撃してくると、ニャオハは「このは」を鋭く尖らせてタンドンに放った。その攻撃が体を回転させて向かってくるタンドンに命中すると、タンドンは後ろに吹き飛ばされた。

 

 タンドン「タン⁉︎」

 ワカバ「タンドン!大丈夫っすか?」

 

 リコ「よし!ニャオハ、もう一度…」

 ワカバ「負けられないっす!」

 リコ「えっ?」

 ワカバ「必ず勝って、ジムトレーナーになるっす!」

 リコ「ワカバさん…」

 

 タンドンがニャオハの「このは」でダメージを受けると、リコは畳み掛けるように攻撃をしようとするが、ワカバの決意の言葉を聞くと動きを止めてしまう。

 

 ニャオハ「ニャオハァァッ!ニャーッ!」

 

 ワカバ「いくっすよ!タンドン、こうそく…」

 

 リコ「待って!……私の負け」

 

 ロイ・ワカバ「「えっ?」」

 

 シンヤ「…やっぱりか」

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 ワカバがタンドンに「こうそくスピン」を指示しようとすると、突然リコが降参の宣言をしてしまう。すると、ワカバとロイは戸惑ってしまい、こうなることがわかっていたシンヤはやっぱりかと口に出した。

 

 ワカバ「あの、どういうことっすか?」

 

 リコ「えっと、ニャオハもさっきのトレーニングで疲れてるだろうし、このままバトルを続けても…」

 

 ワカバ「わざと負けるってことっすか?」

 リコ「えっ?」

 

 ワカバ「最後までバトルを続けず、相手にわざと勝ちを譲るってことっすか?」

 

 リコ「ッ⁉︎そんなつもりじゃ!」

 

 ワカバ「そんなんでジムトレーナーになっても、嬉しくないっす!夢は自分の力で叶えなきゃ、意味ないっす!」ダッ!

 

 タンドン「タンッ!」

 

 リコ「あっ…ワカバさん!」

 

 ワカバは拳を強く握りしめると激しく怒り出し、タンドンを置いてバトルフィールドから出て行ってしまう。ワカバの言葉と行動にリコが戸惑っていると、カブはワカバのタンドンを抱えてリコの前に歩いてきて、シンヤも観客席からリコたちの前に歩いてきた。

 

 カブ「リコくん、さっきのロイくんとのトレーニングの時も、ためらいがあったよね」

 

 リコ「それは…」

 

 シンヤ「リコ、カブさんはジムリーダーなんだ。隠しごとをしてもバレバレだぞ」

 

 ロイ「シンヤも気づいてたの?」

 

 シンヤ「ああ。途中でリコの動きが止まってたし、ニャオハと息が合ってなかったからな」

 

 リコ「私が?……あっ!」

 

 シンヤの言葉を聞いたリコは、さっきロイとトレーニングしている時と、ワカバとバトルしていることを思い出し、途中からニャオハと息が合っていないことに気がつく。

 

 カブ「自分が勝つことより、ロイくんやワカバくんの気持ちを大切にしたくなった…そうだね?君は思いやりのある優しい子だ。ただ、バトルにおいては、その優しさが正解とはならないんだ。対戦相手のトレーナーだって、勝つために努力をしている。それを、わざと負けるようなバトルをされたら、相手はどう思うだろう?」

 

 リコ「それは…」

 

 カブ「それに、君と一緒に戦っていた、ニャオハくんの気持ちは?」

 

 リコ「あっ!ニャオハ、ごめん!ごめんね!」

 ニャオハ「……ニャ〜」

 

 リコ「私、ワカバさんに謝ってくる!」

 シンヤ「ああ。そうした方がいいな」

 リコ「うん!」

 

 カブに言われて、ワカバとニャオハの気持ちを考えてなかったことを反省したリコは、ニャオハに謝ると、今度はワカバに謝るために通路に向かっていく。

 

 ジムの通路

 

 リコ「ワカバさん!あの…」

 ワカバ「すみませんでした!」

 

 リコ「えっ?」

 

 ワカバ「自分が未熟なのに、リコさんにあたってしまって」

 

 リコ「ううん。私こそワカバさんの気持ちを考えられなくて、ごめんなさい!」

 

 リコ・ワカバ「「あっ……ふふっ」」

 

 ワカバ「自分、もう一回修行しなおして、出直しっす!リコさんも頑張ってください!」

 

 リコ「ありがとう!ワカバさんも頑張ってください!」

 ワカバ「ありがとうっす!」

 

 こうして、リコはワカバに謝ることができて、無事に仲直りすることができた。

 

 バトルフィールド

 

 カブ「みんな、思った以上の成果をあげられて良かった。リコくんもロイくんも、きっといいトレーナーになるよ」

 

 リコ・ロイ「「ありがとうございます!」」

 

 カブ「それで、黒いレックウザについてだったね?」

 

 ロイ「はい!カブさんが言ってた、心当たりっていうのは?」

 

 カブ「数日前に見たのさ。僕がいつものように早朝ランニングをしていたら、誰もいないエンジンシティの上空に、いきなり黒いレックウザが現れたんだ」

 

 シンヤ「突然?」

 

 カブ「ああ。夢でも見たのかと思ったよ。だから、君たちから黒いレックウザのことを聞かれた時、あれは現実だったのかってね」

 

 シンヤ「それで、レックウザはどこに行きましたか?」

 

 カブ「ここから、西の空に飛んで行ったよ」

 

 シンヤ「ここから西っていうと、《ガラル鉱山》あたりか」

 

 リコ「ガラル鉱山」

 ロイ「そこにレックウザは向かったんだ」

 

 カブからレックウザのことを聞いたシンヤたちは、カブとワカバにお礼を伝えるとブレイブアサギ号に戻り、レックウザがガラル鉱山に向かったことをフリードたちに知らせた。

 

 ブレイブアサギ号

 

 フリード「ガラル鉱山か」

 オリオ「レックウザが鉱山になんの用なの?」

 マードック「それは行ってみないとわからんだろ」

 

 ロイ「だったら、すぐに鉱山に行きたい!」

 シンヤ「どうするフリード?」

 

 フリード「ナックルシティに行く前に、先にガラル鉱山を調べるか。そのあとナックルシティに行って、リコのお婆さんに会いに行く。リコ、それでいいか?」

 

 リコ「えっ?…うん。わかった」

 

 こうして、シンヤたちはナックルシティに行く前に、明日ガラル鉱山へ向かうことになった。そしてその夜、リコは展望室にやってくると、展望室の扉を開けて入り口の前にある階段に座っていた。

 

 ブレイブアサギ号・展望室の目の前の階段

 

 リコ「…」

 

 リコは階段に座ると、傍で眠るニャオハの隣で星空を眺めていた。すると、展望室からシンヤがやってくる。

 

 シンヤ「ぉっ、リコ?」

 リコ「あっ、シンヤ」

 

 シンヤ「どうした?明日の朝ガラル鉱山に向かうんだから、早く寝ないと」

 

 リコ「うん。…さっき、カブさんに聞いたことを思い出してたんだ」

 

 シンヤ「カブさんに聞いたこと?」

 

 リコ「バトルに勝つだけがトレーナーの道じゃない。トレーナーの数だけ道はあっていい。私が信じられる、私だけの道を見つければいいって」

 

 シンヤ「そんなことを話してたのか」

 リコ「でも、まだ私だけの道が見えなくて」

 

 シンヤ「リコはまだポケモントレーナーになって日が浅いんだから、これから見つければいいよ。自分だけの道をな」

 

 リコ「うん。…あっ、思い出した!」

 シンヤ「んっ?何を?」

 

 リコ「シンヤ、後でなんでも言うことを聞くて言ったよね?」

 

 シンヤ「えっ?…ああ、言ったな、そんなこと」

 

 ボソッ(小声で呟く)

 

 シンヤ『忘れてくれればよかったのに』

 

 リコ「んっ?何か言った?」

 

 シンヤ「いや、別になにも。…それで、何を頼むんだ?」

 

 リコ「ん〜〜、じゃあ、ぎゅうって抱きしめて///」

 シンヤ「んっ?そんなことでいいのか?」

 

 リコ「うん。私たち、付き合ってから長く経つけど、まだ恋人らしいことをなにもしたことないから」

 

 シンヤ「んっ?それって、《キス》したりとかか?」

 

 リコ「///そうだよ。大体、シンヤは男の子なんだから、そういうのは男の子からしてくれないと!///」

 

 シンヤ「いや、無茶言うなよ!男でも恥ずかしいし」

 

 リコ「私だって恥ずかしいよ!だから、最初はぎゅうって抱きしめてもらって、少しずつそういうことをしていこうと思ってるんだよ」

 

 シンヤ「…だったら、抱きしめるのをやめてキスしようか?」

 

 リコ「えっ⁉︎キス⁉︎///」

 シンヤ「どうする?ハグにしようか?」

 

 リコ「…じゃあ、キスでいいよ。私たち付き合ってるんだし」

 

 シンヤ「じゃあ目を瞑ってくれ」

 リコ「う、うん///」

 

 シンヤに目を瞑ってくれと言われると、リコは目を閉じた。シンヤは冗談のつもりで言ったのだが、本気にするとは思ってなかったので少し困惑していた。

 

 シンヤ(う〜ん…あっ!そうだ!)

 

 なにかよからぬことを思いついたシンヤは、両手をリコの両頬に添えると、ゆっくりと自分の顔をリコに近づけた。

 

 シンヤ「リコ、目を開けて」

 リコ「えっ?…わっ⁉︎///」

 

 シンヤがリコに目を開けてくれと言うと、リコは閉じていた両目を開いた。すると、リコはシンヤの顔を至近距離で見てしまい、あと数センチで自分とシンヤの唇が重なり合おうとしていたので、リコは顔を赤くするとシンヤから勢いよく離れた。

 

 シンヤ「ハハハッw!やっぱり、キスするのはもうちょい先かな」

 

 リコ「も〜〜う!私、真剣なのに!シンヤなんてもう知らない!」

 

 シンヤ「フッ、悪かったよ」

 

 ぎゅうっ(リコを後ろから抱きしめる)

 

 リコ「ひゃあ⁉︎///」

 

 シンヤ「やっぱり、リコはふいうちに弱いな」

 リコ「うぅ〜、シンヤ、ずるいよ…///」

 

 シンヤに揶揄われると、リコは怒って後ろを向いてしまう。するとシンヤは、後ろを向いたリコの首に両手を回して抱きしめ、シンヤに抱きしめられたリコは顔を赤くしてしまう。

 

 シンヤ「じゃあ、1つオマケしとくか」

 リコ「えっ?オマケ?」

 

 シンヤ「そっ」

 

 チュッ

 

 リコ「はぇっ⁉︎///シ、シンヤ⁉︎///」

 

 シンヤはリコを後ろから抱きしめている状態で、リコの頬左にキスをした。すると、リコの顔はさらに真っ赤になった。ふいうちで抱きしめられ、その上キスまでされたので、リコはシンヤにドキドキしっぱなしだった。

 

 シンヤ「リコさ、さっき恋人らしいことなにもしたことないって言ってたけど、俺がリコの部屋で寝てる時に、俺の頬にキスしたことあったよな?」

 

 リコ「ッ⁉︎シンヤ、私が頬にキスした時、起きてたの⁉︎」

 

 シンヤ「う〜ん、どうだろうね?」

 

 リコ「私がキスしたの覚えてるってことは、起きてたんでしょ!」

 

 シンヤ「まあいいじゃねえか。それに、リコも俺の頬にキスしたんだから、これでおあいこだろ」

 

 リコ「うぅ〜〜っ///」

 

 シンヤ「じゃあ、俺は部屋に戻って寝るから。おやすみ」

 

 リコ「お、おやすみ///」

 

 シンヤはリコの耳元でおやすみと呟くと、両手をリコの首から離して部屋に戻って行った。リコは顔を赤くしながらしばらくその場に立ち尽くしていたが、少し時間が経った後に我に帰ると、ニャオハを抱っこして部屋に戻ると眠りについた。

 

 To be continued

 

 次回予告

 

 ナックルシティに行く前に、ガラル鉱山に向かったシンヤたちは、その途中に弱っている野生のミブリムを見つけると、一旦ブレイブアサギ号に戻ったのだが、リコがそのミブリムの面倒を見ることになった。

 

 次回「リコの初ゲット!野生のミブリム!」

 





 今週の木曜日にDLCの番外編が配信されたら、青の円盤の時と同様にやり込む予定なので、小説の投稿が遅れます。番外編が終わったら投稿しますので、お楽しみに!
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