ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
霧の中で迷った船を導く不思議なラプラスが、六英雄のラプラスかもしれないと考えたシンヤたちは、早速ラプラスが現れるという海域に向かった。だが、その海域で、リコたちは驚きの真実を知ることになった。船が霧に包まれた原因は、ラプラスが「しろいきり」を発生させていたからだった。そして、ついにシンヤたちの目の前に、六英雄のラプラスが現れた。
ブレイブアサギ号・ランドウの釣り場
シンヤ(なんで急に頭に痛みが⁉︎六英雄のラプラスに会ったからか?でも、オリーヴァの時も、ガラルファイヤーの時もこんなことはなかった。それに、光景がぼやけて、リュウセイの顔がよく見えない…)
リコ「シンヤ、大丈夫?」
シンヤ「ああ、少し頭に痛みが走っただけだから、もう大丈夫だ」
リコ「さっきからどうしたの?」
シンヤ「俺にも分からない。さっき、ラプラスの歌を聞いた時に、頭に景色が映ったんだ。おそらく…」
テラパゴス「パーゴ!パーゴ!」
六英雄のラプラス「ホーー…」
ピカァァァン‼︎(テラパゴスとラプラスの体が光る)
リコ「あっ」
シンヤ「テラパゴスとラプラスが共鳴してるってことは、やっぱりこのラプラスは、ルシアス六英雄の4人目ってことか…」
六英雄のラプラス「プラァ…」
ホエルオー「ホエーーッ!」
六英雄のラプラス「ッ、プラァァッ!」
リコがシンヤを心配している中、リコの抱いているテラパゴスがラプラスに呼びかけると、テラパゴスとラプラスの体が小さく光り輝いた。そしてシンヤは、このラプラスが六英雄の4人目だと確信した。そして、テラパゴスはもう一度ラプラスに呼びかけるが、ラプラスはテラパゴスから顔を背け、ホエルオーがラプラスに呼びかけると、ラプラスはホエルオーの元に向かい、ホエルオーの背中に乗っているポケモンたちが、甲板に出ているポケモンフーズの入った箱を奪おうと船に乗り込んできた。
モリー「ラッキー!」
マードック「イワンコ!」
ポーーン
ラッキー「ラッキッ!」
イワンコ「ワン!」
ランドウの釣り場
シンヤ「ピカチュウ、頼めるか?」
ピカチュウ「ピッカッ!」
リコ「ニャオハ、私たちもいくよ!」
ニャオハ「ニャオハッ!」
ロイ「僕たちも戦うよ!」
ホゲータ「ホンゲェ!」
ブリッジ
シンヤ「ピカチュウ!「アイアンテール!」」
ピカチュウ「チューウ!ピッカッ!」
リコ「ニャオハ!「このは!」」
ニャオハ「ニャオハーッ!」
ロイ「ホゲータ!「ひのこ!」」
ホゲータ「ホーゲッ!」
ラプラスの仲間のポケモンたちが、ポケモンフーズを奪おうと船に上がってきたが、そこにダイアナとウインディ、フリードとリザードンが加勢にくると、そのタイミングでバトルが始まり、エテボースたちも簡単にはポケモンフーズを奪うことは出来なくなった。すると、仲間のバトルを見ていたラプラスは、全員にホエルオーの背中に乗るよう指示を出すと、仲間のポケモンたちは一斉にホエルオーの背中に乗り込み、ラプラスを先頭に、ホエルオーたちはブレイブアサギ号から離れていく。
リコ「待ってラプラス!」
シンヤ「ミライドン!」
ポーーン
ミライドン「アギャアア!」
シンヤ「ミライドン、俺を乗せてラプラスを追ってくれ。ピカチュウも一緒に来い」
ピカチュウ「ピカッ!」
ミライドン「アギャアア!」
フリード「追うって?ミライドンは水の中を泳げるのか?」
シンヤ「泳ぐんじゃなくて、《フロートモード》っていうのになれば、水の中を移動できるんだ」
シンヤはラプラスを追うためにミライドンを繰り出すと、そのままミライドンに乗り込み、ミライドンはシンヤを乗せたまま海の中に飛び込むと、タイヤのようなリングを回転させ、脚部にある噴射口からエネルギーをジェット噴射させると、海の上を走りながら前に進んで行った。
ミライドン(フロートモード)「アギャアアア!」
フリード「よし、俺たちもラプラスの後を追うぞ!」
シンヤ以外の全員「「「おう!」」」
このまま六英雄のラプラスを逃すわけにはいかないため、シンヤはミライドンに乗り込み、海の上からラプラスを追いかけ、フリードたちはブレイブアサギ号でラプラスの後を追いかけ始めた。すると、フリードはスマホロトムで、ミライドンに乗っているシンヤに連絡を入れた。
ブレイブアサギ号・操舵室
フリード「まんまとラプラスにやられたな」
シンヤ『ああ、やっぱり思った通りの結果だったな』
リコ「じゃあ、やっぱりシンヤの言ってた通り」
フリード『ああ。迷った船を導く、心優しきラプラス。俺たちはそう思いこんでいた。だけど今までの霧は、あのラプラスが発生せていたんだ』
ダイアナ「ラプラスの「しろいきり」でね」
シンヤ『えぇ、しかもラプラスが意図的に狙って。アイツは、今まで通りかかってきた船に「しろいきり」を発生させて、わざと船を迷わせてたんだ」
ロイ「じゃあ、僕たちを歌で助けてくれた理由は?」
シンヤ『それこそラプラスの考えた作戦さ。さっきの霧の中で、ラプラスが歌で俺たちの注意を引きつけてる間に、ホエルオーの背中に乗ったエテボースたちが船に乗り込んで、食糧を奪うってわけだ。後は船の食糧を奪ったら、またホエルオーに乗り込んで撤収するだけ』
リコ「それが白い霧の歌声の正体だったんだ」
ロイ「狙いは食べ物だったのか」
シンヤ『さっきの貨物船の船長さんも、いや、今までラプラスに助けてもらった船乗りの人たち全員、まんまとラプラスに騙されてたってわけだ。船に積んであった食糧の入った貨物が海に落ちたのも、ラプラスたちが奪った時に落としたということに気づかずにな』
マードック「フリードもシンヤも、よくそれを見抜いたな」
フリード「この辺りにいないはずの、しかも泳げないポケモンたちが大きなヒントになった」
シンヤ『ああ、《ガメノデス》みたいに、陸でも水の中でも生活できるポケモンが来たなら不思議に思わなかったけど。さっきのドットの見せてくれた海の上を移動する影を見た時に、あれがホエルオーだってすぐに分かった。仲間を何人も乗せて海の上を移動するポケモンなんて、ホエルオーぐらいしかいないからな。そして、船長さんが言ってた船が大きく揺れたって話も、ホエルオーが船に近づいてきた時に波が発生して、それで船が揺れたんだ」
モリー「なるほどね…」
シンヤ『でも、ラプラスもよくあれだけのポケモンを仲間にしたな。みんな出身地方はバラバラなのに』
ダイアナ「おそらくラプラスは、色んな地方の海を旅して回っている時に、仲間を集めたのかもしれないね。さしずめ、《ラプラス海賊団》ってところだね」
ロイ「か、海賊」
リコ「ううぅ…」ブルブル
モリー「でも、野生のポケモン同士でチームを組むなんて」
マードック「ああ。ラプラスは高い知能を持っていると聞くが、ここまで賢いとはな…」
フリード「モリーとマードックには、本当に食糧を取りにくるのか確かめてもらうために、甲板にポケモンフーズを用意してもらった」
モリー「だから、そう言うことは先に言えって!エテボースたちが乗り込んできた時、こっちは焦ったんだから!」
フリード「悪い悪い」
マードック「もしかして、シンヤもエテボースたちが来るって分かってたのか?」
シンヤ『ああ。餌がなきゃ、エテボースたちが来るか分からないからな』
マードック「シンヤも知ってたんなら、先に言っといてくれよ」
シンヤ『わりぃわりぃ』
リコ「だけど、なんでラプラスたちはそんなことを?」
ロイ「ホントだよ。食糧を奪おうと考えるなんて…」
ダイアナ「悪いことだと思うかい?」
リコ「えっ?」
ロイ「違うんですか?」
ダイアナ「確かにロイの言ってることは正しい。私たちから見たら、確かにそうかもしれない。けど、ラプラスたちからしてみたらどうだろうね」
ロイ「ラプラスたちから?う〜ん」
シンヤ『ポケモンは、理由もなしに攻撃してこない』
リコ・ロイ「「えっ?」」
シンヤ『リコもロイも、今回のラプラスたちの行動で少し学べるはずだ。ポケモンと人間の関係がな』
リコ・ロイ「「ポケモンと人間の関係?」」
キャプテンピカチュウ「ピカッ!」
シンヤ『ホエルオーが見えてきたぞ!』
ロイ「じっちゃんすげぇ!」
フリード「元はじっちゃんの船だからな。海の上なら、これほど頼りになる仲間はいない」
ランドウ「ほっほっ、水を得たギャラドスのようじゃろ?」
フリード「オリオ、一気に追いつくぞ!全速力で頼む!」
オリオ『OK!リザードン、お願い!』
フリードのリザードン『リザァァァ!』
ラプラスたちの後を追いかけてしばらくすると、ミライドンとブレイブアサギ号は、ようやくホエルオーたちの姿が見える距離までやってきた。ミライドンの《フロートモード》の速さもだが、ランドウの操舵技術はラプラスたちに引けを取らない程だった。そして、フリードは機関室にいたオリオに連絡をすると、船のスピードを上げるよう頼んだ。オリオは船のスピードを上げるために、フリードのリザードンに「かえんほうしゃ」を頼むと、リザードンは釜の中にいるマグマッグに「かえんほうしゃ」を放った。すると、船は蒸気を上げ、プロペラの回転速度は早くなり、ブレイブアサギ号は一気にラプラスたちに迫ろうとしていた。
海の上
シンヤ「おぉ、ブレイブアサギ号のスピードが上がったか!」
ピカチュウ「ピカッ!」
シンヤ「ん?…あれは!」
操舵室
フリード「よし!尻尾は捕まえた!」
キャプテンピカチュウ「ピーカ!」
ダイアナ「どうやら、捕まったのは私たちのようだね」
フリード「えっ?」
シンヤ『みんな!前のホエルオーたちを見ろ!』
ブレイブアサギ号がラプラスたちに追いつくと、フリードたちは喜んでいた。だがダイアナは、捕まったのは私たちだと言ってきた。すると、フリードのスマホロトムから、シンヤの声が聞こえてきた。そして、シンヤに前にいるホエルオーたちを見ろと言われたので、リコたちは前を向いてホエルオーたちを見てみると、ホエルオーの背中に乗っていたエテボースたちが、戦闘体勢に入ってるのが見えた。
フリード「ヘッ、やる気満々かよ」
ロイ「うわぁ!」
リコ「大変!」
シンヤ『面白い。バトルなら受けて立つぜ!』
ピカチュウ『ピカッ!』
ランドウ「シンヤ、お主はミライドンと一緒に船に戻るのじゃ」
シンヤ『えっ?船に?』
フリード「シンヤ、じっちゃんの言う通りにするんだ」
シンヤ『分かった。…でも、どうするんだ?』
ランドウ「抜かりはない。ワシのヌオーを信じるのじゃ」
ヌオー「ヌオーーッ!」
ドンッ!(ミライドンが船に着地する)
シンヤ「あれ?なんでヌオーがここに?」
ピカチュウ「ピカッ?」
ミライドン「アギャアア?」
エテボースたちが戦闘体勢に入っていたことに気づくと、慌てふためくリコとロイ。その時ランドウが、シンヤにミライドンと一緒に船に戻るよう伝えると、自分のヌオーを信じろと言ってきた。そして、海の上にいるミライドンがジャンプをして、ランドウがいつも釣りをしている場所の後ろに着地すると、目の前にランドウのヌオーが立っているのを見つける。
ランドウ「よし、シンヤも船に戻ったな。みんな、しっかりつかまっておれ。ヌオーの「なみのり」は少々荒っぽいぞい!」
ヌオー「ヌオ!ヌッオー!」
ドォォォーン
キラーン(ランドウの目が光る)
ランドウ「面舵いっぱ〜い!」
操舵室にいる全員「「「うわっ!」」」
シンヤ「おっと!ミライドン、しっかり船に爪を立てて、倒れないようにバランスを取ってくれ!」
ミライドン「アギャアア!」
ヌオー「ヌオッ、ヌオッ!」
ランドウ「取り舵!」
ヌオー「ヌオーーッ!」
ランドウ「いい波じゃヌオー!」
シンヤ「俺はミライドンに乗ってバランスが取れてるから大丈夫だけど…」
操舵室にいる全員『『『うわっ!』』』
シンヤ「操舵室にいるみんなは大変だな」
ピカチュウ「ピカチュウ…」コクッ
ラプラスの仲間の水タイプのポケモンたちが、「みずでっぽう」や「ハイドロポンプ」などで船を攻撃してきた時、ヌオーが「なみのり」を発動した。すると、ブレイブアサギ号の真下に巨大な波が発生し、「みずでっぽう」や「ハイドロポンプ」の攻撃を巨大な波が全て受け止めた。そして、船もヌオーの「なみのり」によってバランスを失いかけるが、ランドウの絶妙な操舵技術によってバランスを保っていた。しばらくの間攻撃は続いたが、その度にヌオーが「なみのり」で防御しながら、ランドウが船のバランスを保っていたから船は無事だったが、船が右へ左へと大きく揺れたため、中にいたリコたちは大変だったようだ。
ロイ「じっちゃんすげぇ!」
ホゲータ「ホゲー」
ランドウ「ほっほっ、造作もない」
六英雄のラプラス「プラァァァッ!」
エテボースたちが攻撃を続けていると、これ以上は意味がないと判断したのか、ラプラスが声を上げて、仲間のポケモンたちに攻撃をやめさせた。
シンヤ『おい、攻撃が止んだぞ』
フリード「よし、このままホエルオーの横を抜けてラプラスに…」
シンヤ『いや、その必要はないみたいだ』
全員「「「えっ?」」」
エテボースたちの攻撃が止まったことで、フリードたちはホエルオーの横を抜けて、そのままラプラスに追いつこうとするが、ホエルオーは仲間を乗せたまま横にそれ始め、六英雄のラプラスがシンヤたちに姿を見せてきた。ラプラスはホエルオーたちを先に逃がし、シンヤたちの相手を自分がするために、この場に残ったのだった。そして、ラプラスは体の向きを変えて、シンヤたちのいる方に向きを変えると、鳴きを上げると同時に、ブレイブアサギ号目掛けて突撃してきた。
六英雄のラプラス「プラァァァァッ!」
操舵室
フリード「まずい!船に突撃してくるぞ!みんなふせ…」
シンヤ「 エンペルト!「アクアジェット!」」
ポーーン
エンペルト「ペルッ!ペーールッ!」
ドォォォォン!
六英雄のラプラス「プラァ⁉︎」
ラプラスが船に突撃してくるのを見たフリードは、みんなにふせろと言おうとするが、それより早く、シンヤがモンスターボールからエンペルトを繰り出した。そして、エンペルトに「アクアジェット」の指示をすると、エンペルトは体から水を噴き出して身に纏うと、突撃してくるラプラスとぶつかり、ラプラスから船を守った。
シンヤ「ギリギリセーフ」
ピカチュウ「ピカッ」
フリード「ふぅ、助かったぜシンヤ」
六英雄のラプラス「プラァァァァ」
フリード「いっ!「れいとうビーム」を撃つきか⁉︎」
ニッ!
シンヤ「その「れいとうビーム」貰った!いけぇエンペルト!回転しながら「アクアジェット!」」
エンペルト「ペーールッ!」
ラプラスが「れいとうビーム」を放とうとすると、エンペルトは再び体から水を噴き出し身に纏うと、回転しながらラプラスに突撃していく。すると、ラプラスは「れいとうビーム」を放った。そして、「れいとうビーム」がエンペルトに直撃するが、その時、エンペルトが纏っている水が凍っていき、エンペルトは回転しながらラプラスに向かって行った。
シンヤ「《こおりのアクアジェット》の完成だぜ!」
ドォォォォン‼︎
六英雄のラプラス「プラァァッ⁉︎」
リコ・ロイ「「こおりのアクアジェット⁉︎」」
ダイアナ「面白いものを見せてくれるね」
フリード「ええ。ラプラスの「れいとうビーム」を利用して、こおりのアクアジェットとは、面白い発想です」
リコ「シンヤすごい…」
シンヤ「ラプラス、俺たちはお前と話がしたいだけだ。争う気はない」
ピカチュウ「ピカッ!」
六英雄のラプラス「ッ……プラァァァァ…」
シンヤ「分からずやだな。エンペルト!「アクアジェット!」」
エンペルト「ペーールッ‼︎」
ラプラスの「れいとうビーム」を利用して、「こおりのアクアジェット」状態になったエンペルトは、回転しながらラプラスに激突してダメージを与えた。シンヤはラプラスに話をしたいと呼びかけるが、ラプラスは聞く耳を持たず、すぐに体勢を立て直し、また「れいとうビーム」を放とうとする。すると、シンヤもまた、エンペルトに「アクアジェット」を指示して、「こおりのアクアジェット」をやろうとした。そして、エンペルトが「アクアジェット」で突撃していくと、ラプラスの放った「れいとうビーム」は軌道を変えて、ブレイブアサギ号に直撃してしまい、船の真下のところからプロペラのところまで凍りついてしまった。
シンヤ「ブレイブアサギ号が⁉︎」
ピカチュウ「ピカッ⁉︎」
ミライドン「アギャア⁉︎」
エンペルト「ペルッ⁉︎」
そして、ラプラスはシンヤたちがブレイブアサギ号に目を向けている隙に、「しろいきり」を発動して姿を隠した。シンヤはエンペルトに「きりばらい」の指示を出すが、霧が晴れると、そこにラプラスの姿はなかった。
シンヤ「海の上での戦いは、ラプラスが一枚上手だったな」
エンペルト「ペルッ」
ピカチュウ「ピカッ」
ブレイブアサギ号・操舵室
リコ「ラプラス…」
テラパゴス「パーゴ」
ランドウ「舵が動かん」
ダイアナ「まるで霧みたいなヤツだね。追っても追っても姿を消すとは」
モリー「多分、もうあっちから現れることはないだろうね」
リコ「そんな…」
マードック「フリード、どうすんだ!」
オリオ「このまま諦めるわけじゃないよね?」
フリード「当たり前だ。ようやく六英雄のラプラスに出会えたんだ。それに、ラプラスは海の上にいるんだ。必ず見つけられるさ」
モリー「それはそうだけど…」
ロイ「こんなに広い海にいるラプラスを、どうやって探すの?」
リコ「ねぇシンヤ」
シンヤ『ん?どうしたリコ?』
リコ「さっきラプラスがテラパゴスを見た時、何か迷っていた感じに見えなかった?」
シンヤ『そう言われれば、テラパゴスを見た時に、ラプラスは顔を背けてたな』
リコ「うん。きっとラプラスも何か思いを抱えてる。だから私、ラプラスのことを知りたい」
シンヤ『……フッ、だったら、もう一度ラプラスに会わないとな』
リコ「うん!」
海の上
ピカチュウ「ピカッ!」
シンヤ「んっ?あれはさっきの空箱」
リコはシンヤに、さっきラプラスがテラパゴスを見た時、ラプラスが何か迷っていたように見えなかったかと聞いてみると、ラプラスがテラパゴスを見た時に、ラプラスは顔を背けてたなと言った。その真実を確かめるためにも、シンヤとリコは、もう一度ラプラスに会うことを決意する。すると、ピカチュウが海の上に浮いている何かを発見した。それはさっき、この海域に入る前にピカチュウが見つけた、トロピウスと木の実の絵柄の入った空の木箱だった。
ロイ「ここに来る前にも、あれと同じ箱が流れてたよね」
シンヤ『あれは、港で会った船長さんの船に運ばれていた、貨物と同じ箱だ。木の実だけ奪って、ラプラスが空箱を捨てて流れてきた……流れて……!』
リコ「流れて。……そうか。それなら」
ロイ「どうしたの?シンヤ、リコ」
シンヤ『ラプラスに会う方法を思いついたぞ』
フリード「本当かシンヤ!」
シンヤ『ああ、おそらくリコも同じことを考えてるよ』
リコ「うん。シンヤも同じことを考えてたんだね」
ダイアナ「んっ?どういうことだい?2人とも」
シンヤ「俺たちがラプラスを追いかけるんじゃなくて」
リコ「今度は、私たちがラプラスを待ってみようよ」
全員「「「えっ?」」」
フリード「待ってみるって…」
シンヤ『行けば分かるさ』
リコの部屋
カチャ(ルシアスのベルト)
シンヤ「やっぱり、それを持っていくのか?」
リコ「うん。ラプラスも仲間に会えれば、きっと話を聞いてくれると思うから」
シンヤ「…じゃあ、ラプラスのいる所に行くとするか」
ピカチュウ「ピカッ」
リコ「うん!」
その頃、六英雄のラプラスは、先に逃したホエルオーたちの後を追って、岩礁に囲まれている場所までやってきた。恐らくこの辺りの近くで、ラプラスたちは生活しているのだろう。そして、ラプラスはそのまま岩礁に囲まれている道を進んで行き、中央にある大きな岩の前にくるとそこで止まり、岩の中にいる仲間に声をかけた。いつもなら返事が返ってくるはずだが、仲間からの返事が来ないことを不思議に思ったラプラスは、大きな岩の中を進んで行った。すると、そこでラプラスが見たのは、自分を待っていたシンヤたちの姿だった。
ロイ「あっ!」
シンヤ「待ってたぜ。ラプラス」
ピカチュウ「ピカッ」
リコ「お、お邪魔してます」
六英雄のラプラス「プラァッ…」
フリード「驚いたろ。リコとシンヤがお前たちのいるアジトを割り出して、コイツらでひとっ飛びしたってわけだ」
シンヤとフリードのリザードン「「リザァァァッ!」」
シンヤ「お前たちの捨てたたくさんの木の実の空箱が、海のあっちこっちに浮いてたからな」
リコ「それで、ラプラスたちはここら辺にいるのかなって」
六英雄のラプラス「クゥゥッ!」
シンヤ「話を聞けって、俺たちはお前とバトルする気はない。リコ」
リコ「うん。ラプラス、私は、テラパゴスとあなたを会わせたかっただけなの」」
六英雄のラプラス「…」チラッ
テラパゴス「パーゴパーゴ」
シンヤとリコは海に浮いていた空箱を見て、おそらくこの近くにラプラスたちのアジトがあるのだろうと考え、リザードンに乗ると、空箱が流れてきたところを辿って、ラプラスたちのアジトを見つけると、ラプラスが来るのを待っていたのだ。しかし、ラプラスはシンヤたちに対して警戒心があった。シンヤはラプラスに戦う気はないと伝えると、リコはラプラスに、テラパゴスに会ってほしかったと伝えた。そして、ラプラスがテラパゴスの方を見ると、テラパゴスはラプラスの仲間のポケモンたちの輪の真ん中に立っていて、楽しそうに喋っていた。
シンヤ「テラパゴス、もうエテボースたちと仲良くなっちまった」
ロイ「うん」
リコ(この子、ちょっとすごいかも)
テラパゴス「パーゴ!」
ニャオハ「ニャオハッ!」
シンヤ「リコ」
リコ「うん。ラプラス、聞いてほしいの。テラパゴスはラクアに行きたがってる」
六英雄のラプラス「ッ⁉︎」
リコ「ルシアスと、あなたたち六英雄が一緒にたどり着いた楽園。それがどんなところで、どこにあるのか分からないけど。私は、テラパゴスの願いを叶えてあげたい。だから私は、あなたに会いにきたの!ルシアスの六英雄のあなたに」
六英雄のラプラス「プラァッ…」
テラパゴス「パーゴ」
六英雄のラプラス「クォゥッ…」
リコ「お願いラプラス。テラパゴスの力になってあげて」
六英雄のラプラス「……」
テラパゴス「パーー!」
ピカァァァァン‼︎(古のモンスターボールが光る)
リコ「あっ!」
シンヤ「オリーヴァとガラルファイヤーの入ってるボールが…」
ポーーン‼︎
オリーヴァ「リィーヴァァーー!」
ガラルファイヤー「クエーーー」
六英雄のラプラス「………」
テラパゴス「パーゴ、パゴ」
六英雄のラプラス「プラァ………ホーーーー!」
シンヤ「これって、オリーヴァとガラルファイヤーの時と同じ!」
ピカチュウ「ピカッ」
リコはラプラスに、ラクアに行くためにテラパゴスの力になってほしいと頼んだ。すると、テラパゴスが大きな鳴き声を上げながら光り輝くと、リコの腰に巻かれているベルトのケースに入っていた、二つの古のモンスターボールがテラパゴスと共鳴するように光ると、オリーヴァとガラルファイヤーが古のモンスターボールから出てきた。そして、ラプラスがしばらく、同じ六英雄の仲間たちとリコを見つめていると、テラパゴスがラプラスに話しかけた。テラパゴスの思いを聞き入れたラプラスは大きな声を上げると、口からエネルギーを凝縮させた球体を作り上げてシンヤたちを包み込んだ。すると、シンヤたちの周りの景色の空間が変わったのだった。これは以前の、オリーヴァとガラルファイヤーの時と同じ、テラパゴスの記憶の一部を映したものだった。その時、いきなり地震のような揺れが起きると同時に、周りの岩の壁が動き始めたのだ。
シンヤ「これは、テラパゴスの記憶か?」
ロイ「これがテラパゴスの記憶」
テラパゴスの記憶の一部が映し出されると同時に、シンヤたちの前に誰かが立っていた。その人物は、青と水色のツートンカラーの髪に、フードがついているマントを着ていた。その後ろ姿は、シンヤとリコには見覚えがある姿だった。
リコ「ルシアス!」
シンヤ(これはもしかして、ルシアスがラクアに辿りついた記憶なのか…)
ルシアス『みんな、ありがとう。ここは俺に任せてくれ。俺は死なない。約束だ。ラクアとともに生きて、必ずお前たちと…』
シンヤ(ラクアとともに生きて……)
ルシアス『リュウセイ。君が俺たちを助けてくれたから、俺たちはラクアに辿り着くことができた。君がラクアに来るのを待ってるぞ。我が友よ』
シンヤ「…………」
ルシアスのその言葉を最後に、周りの景色は元に戻った。あまり詳しくは分からなかったが、シンヤはさっきのルシアスの言葉『ラクアとともに生きて』の部分が妙に引っかかっていた。そんな中、テラパゴスはとても嬉しそうな声を上げて踊っていた。
テラパゴス「パー、パゴ、パーゴ!」
ロイ「パワーをもらえたのかな?」
リコ「うん。きっとそうだよ」
六英雄のラプラス「…クゥゥッ…クォォーン‼︎(涙)」
オリーヴァ「リィーヴァァァ‼︎」
ガラルファイヤー「クエーーー‼︎」
フリード「ルシアスと約束したんだな」
ロイ「それでテラパゴスはラクアに……」
リコ(約束。だから、オリーヴァもガラルファイヤーも、テラパゴスに、私たちについてきてくれたんだ)
テラパゴスの記憶の一部、そこに映ったルシアスの姿を見て、ルシアスとの約束を思い出したラプラスは涙を流し、オリーヴァ・ガラルファイヤーも、共に雄叫びを上げた。その雄叫びは、もう一度ルシアスに会いたいという、自分たちの心の叫び声を表しているように見える。そんな中、シンヤはラプラスたちにある質問をする。
シンヤ「オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラス、お前たちは100年経った今でも、もし叶うなら、ルシアスに会いたいか?」
オリーヴァ「…」コクッ
ガラルファイヤー「…」コクッ
六英雄のラプラス「…」コクッ
シンヤ「そうだよな。お前たちにとってルシアスは、今まで一緒に冒険してきた大事なトレーナーだもんな。大事なトレーナーがいなくなってたら、そりゃショックだよな」
オリーヴァ「…」
ガラルファイヤー「…」
六英雄のラプラス……」
シンヤ「お前たちがルシアスに会いたいと思っているように、テラパゴスもルシアスに会いたがってる。だからこそ、お前の力が必要なんだ。ラプラス」
六英雄のラプラス「…」チラッ
オリーヴァ「…」コクッ
ガラルファイヤー「…」コクッ
シュルルーーン
六英雄のラプラス「プラァァァ!」
シンヤの言葉を聞いたラプラスは、オリーヴァとガラルファイヤーに目を向け、オリーヴァとガラルファイヤーはラプラスの気持ちを悟ると、古のモンスターボールの中に戻った。そして、ラプラスが鳴き声を上げると、ヤルキモノとガメノデスが木の実の入った箱を持ってきてくれて、シンヤたちの目の前に置いた。
ニャオハ「ニャオハ!」
ホゲータ「ホンゲェ」
ロイ「食べていいってこと?」
ラプラス「ホーー!」
シンヤ「ラプラスも、俺たちのことを歓迎してくれてるみたいだな」
ピカチュウ「ピカッ」
ラプラスとその仲間たちの行為に甘えて、シンヤたちは木箱の中にある木の実を取り、自分のポケモンたちや、ラプラスたちと一緒に木の実を食べ始めた。そしてしばらくすると、ブレイブアサギ号がラプラスたちのアジトにやってきた。
ブレイブアサギ号
ロイ「氷はどうしたの?」
ダイアナ「ウインディの「かえんほうしゃ」で溶かしたのさ」
ウインディ「ウイン!」
オリオ「そっちもうまくいったみたいだね」
マードック「じゃあ、特製ドーナツを食べるか。いっぱい作ったから、ラプラスたちも腹いっぱい食べてくれ!」
こうして、みんなでマードックの特製ドーナツを食べることになり、シンヤたちはマードックが大皿に入れてくれたドーナツをラプラスたちに渡すと、ラプラスやエテボースたちはおいしそうにドーナツを食べ始め、シンヤたちもドーナツを食べ始めた。
シンヤ「みんな、すっかり打ち解けたな」
ピカチュウ「ピカッ」
リコ「うん。…ラプラスたちは、ずっとこうして生きてきたのかな?」
ダイアナ「協力しあって食べ物を手に入れ、仲間同士で分かち合う。私たちの考える、良い悪いじゃない。それがラプラスたちの生き方なんだ。自然における、一つのあり方なのさ」
リコ「おばあちゃん…」
ダイアナ「ポケモンと人間は、この世界で様々な形で共存している。一緒にいるだけが全てじゃない。けどね、ポケモンと人間と繋ぐ者。それが、私たち《ポケモントレーナー》なんだよ」
リコ「ッ…」
ダイアナ「シンヤも、それは分かってるんだろう」
シンヤ「えぇ、もちろん」
リコ「そっか。さっきのシンヤの言ってた、ポケモンと人間の関係って、こういうことだったんだ」
シンヤ「ああ。確かに食べ物を奪うのは悪いことだけど、でも、今までラプラスたちは、人を襲ったりしてまで食べ物を強引に手に入れようとはしなかった。食べ物が欲しいなら、それこそ力づくで奪えばいいだけのことだからな」
リコ「さっきシンヤが言ってた、ポケモンは理由もなく攻撃しないってこと?」
シンヤ「そういうことだ」
それから、みんなでドーナツを食べて楽しんでいて、気がつけば既に夕暮れ時になっていた。マードックたちは片付けをしていたが、シンヤとリコは、ラプラスのところに歩いて行った。
リコ「ラプラス、お願い。私たちと一緒に、ルシアスとの約束を果たしに、一緒にラクアに行こう」
六英雄のラプラス「………」
エテボース「エボエボッ!」
シンヤ「エテボース、その手に持ってるのは…」
リコはラプラスに、ルシアスとの約束を果たすために、一緒にラクアに行こうと誘うが、ラプラスは仲間のエテボースたちを置いて行くことができない、そんな顔をしていた。すると、ラプラスの仲間のポケモンたちが、ラプラスに何かを伝えているようだった。そして、エテボースはアジトの中から何かを持ってきて、ラプラスにそれを見せた。
スチャ(古のモンスターボール)
エテボース「エボッ」
六英雄のラプラス「クォ…」
ロイ「古のモンスターボール」
シンヤ「古のモンスターボールがラプラスの体に付いてなかったのは、そういうことだったのか
リコ「大切にとってあったんだ」
シンヤ「ラプラス、俺たちとラクアを目指すか。ここに残って仲間と海賊をやっていいくか。好きな道を選んでくれ。決める権利はお前にある」
六英雄のラプラス「プラァッ…」
カプッ(古のモンスターボールを咥える)
六英雄のラプラス「ホーー!」
シュルルーーン
コトン(ボールが地面に落ちる)
シンヤ「一緒にラクアを目指してくれるみたいだな」スッ(ラプラスが入ったボールを拾う)
ピカチュウ「ピカッ」
エテボース「エボッエボッ」
シンヤ「ああ。ラプラスを絶対にラクアに送り届ける。約束だ」
ピカチュウ「ピカッピカチュウ!」
エテボースがアジトの中から持ってきた物は、ラプラスの古のモンスターボールだった。エテボースや他の仲間たちも、ラプラスの思いが分かっているからこそ、シンヤたちと一緒に、ルシアスとの約束を果たしに行ってほしいのだった。そんな仲間たちの気持ちを感じ、シンヤに好きな道を選んでくれと言われると、ラプラスは目を瞑った。そして、ラプラスは目を開けると、エテボースの持っている古のモンスターボールを咥えて上に投げると、自分からボールの中に吸い込まれていった。そして、地面に落ちた古のモンスターボールをシンヤが拾うと、エテボースはシンヤたちにラプラスをよろしくと頼む。そして、シンヤもラプラスをラクアに送り届けると、ラプラスの仲間たちに約束をした。
ホエルオー「ホーーーーッ!」
シンヤのその言葉を聞くと、エテボースたちはホエルオーに乗り込み、ホエルオーが雄叫びを上げて海の向こうに出発した。その時、ホエルオーはラプラスが使っていた《しろいきり》を使い、自分たちの姿を隠して海を進んで行った。
リコ「続けていくんだ。こうやって」
ダイアナ「あの子たちは大丈夫。ラプラスが教えてくれたことを活かして、たくましく生きていくさ」
リコ「これで六英雄の半分」
ロイ「黒いレックウザにも近づけたのかな」
シンヤ「リコ、ほら」スッ(ラプラスの入ったボールを渡す)
リコ「えっ、うん」
シンヤがリコにラプラスの入っている古のモンスターボールを渡すと、リコはラプラスの入ったボールをルシアスのベルトのケースに収めた。
シンヤ「残る六英雄は、バサギリ、エンテイ、黒いレックウザか」
ピクッ!
テラパゴス「パ?パーゴ!」
全員「「「んっ?」」」
黒いレックウザ「グオオオオッ!」
ラプラスがついてきてくれることになり、残る六英雄は、バサギリ・エンテイ・黒いレックウザの3体になり、シンヤたちが喜んでいると、眠っていたテラパゴスが何かの気配に気づき、上空に目を向けて鳴き声を上げた。そして、シンヤたちが上空に目を向けると、そこにいたのは、ロイの追い求めていた六英雄の黒いレックウザだった。
ロイ「レックウザ!」
リコ「う、嘘⁉︎」
フリード「向こうからお出ましとはな」
キャプテンピカチュウ「ピーカチュ!」
シンヤ(…やはり、レックウザがここに来たのは…)
テラパゴス「パー、パーゴ!」
To be continued
次回予告
突然シンヤたちの前に現れた、六英雄の黒いレックウザ。シンヤたちが静かにレックウザを見ていると、そこへレックウザを捕まえようとしているアメジオがやってきた。そして、シンヤがレックウザの元に向かおうとすると、かつてシンヤと一緒に戦った黒き竜が、ダークストーンから復活した。
次回「黒き雷の目覚め!ゼクロム咆哮!」