ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 仲間たちに背中を押された六英雄のラプラスは、ルシアスとの約束を果たすため、シンヤたちと一緒にラクアを目指す冒険の旅についてくることになった。そして、六英雄の半分が仲間になったことを喜んでいるシンヤたちの前に、上空を飛んでいる黒いレックウザが現れる。


第33話『黒き雷の目覚め!ゼクロム咆哮!』

 

 ここは、シンヤたちのいる場所から少し離れた海域の深海。

 

 潜水艦内

 

 ピピッ‼︎ピピッ‼︎(反応音)

 

 ジル「アメジオ様!反応しました!」

 

 アメジオ「やっと姿を現したか」

 

 コニア「こちらも確認できました。レックウザです!」

 

 アメジオ「船をこのまま浮上させろ。お前たち2人はここで待機だ」

 

 ジル・コニア「「はっ!」」

 

 アメジオ「お前にもここにいてもらう。レックウザは俺が捕まえる」

 

 ???「勝手にしろ。俺はレックウザに興味はない。興味があるのは、シンヤを倒すことだけだ」

 

 シンヤたちの目の前にレックウザが現れたタイミングで、アメジオたちエクスプローラーズは、レーダーで黒いレックウザを見つけていた。そして、潜水艦が浮上すると、ハッチを開けて出てきたアメジオはモンスターボールからアーマーガアを出すと、アーマーガアの背中に乗って黒いレックウザの元に向かった。

 

 

 

 黒いレックウザ「グオオオオッ!」

 

 シンヤ「まさか、あっちから出向いてくるとはな…」

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 タッタッタッ(ロイが前に走る)

 

 ロイの「お〜〜い!レックウザ!あれからずっと、お前を捜してたんだ!僕とバトルしてくれ〜‼︎」

 

 ホゲータ「ホォォゲー!」

 

 シンヤ「オリーヴァ・ガラルファイヤー・ラプラス、やっぱりレックウザは、同じ六英雄の仲間に会うために、ここに来たのか…」

 

 フリード「なるほど、六英雄が呼びあったのか」

 

 ダイアナ「ああ、その可能性が高いかもしれない。そして、あの黒いレックウザこそ、ルシアスの最強の相棒だよ」

 

 シンヤ「ルシアスの相棒…レックウザが」

 

 テラパゴス「パーゴ!パーゴ!」

 ロイ「レックウザ!ここだってば!」

 

 リコ「(お願い、みんなの思い。レックウザに伝わって)

 

 ピカァァァン(六英雄のボールが光る)

 

 黒いレックウザ「グオオオオッッ‼︎」

 

 ブレイブアサギ号

 

 マードック「おいおい、いきなり攻撃してこないだろうな?」

 

 ランドウ「ふむ。争う気はないように見えるが…」

 オリオ「見てるだけで、威圧を感じるよ」

 

 

 

 

 「見つけたぞ‼︎」

 

 

 黒いレックウザ「グオァッ…⁉︎」

 

 シンヤ「ん?……あれは!」

 

 ようやく捜し求めていた黒いレックウザに会えたロイは、早速レックウザにバトルを申し込んだ。しかし、レックウザは辺りをチラチラと見ていて、まるで何かを捜しているようだった。その時、ルシアスのベルトのケースに入っている古のモンスターボールが光ると、レックウザはそれに反応するかのように雄叫びを上げた。シンヤたちはレックウザを見て静観していたが、その時、アーマーガアに乗ってレックウザに向かっている1人のトレーナーの姿を見つけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アメジオ「今度こそ!お前を捕まえてみせる!」

 

 

 シンヤ(アメジオ!何でここに⁉︎)

 

 シンヤたちの目の前に現れたのは、シンヤにとっても因縁のある、エクスプローラーズの幹部の1人の《アメジオ》だった。アメジオがアーマーガアに乗りながらレックウザに近づいて行くと、レックウザは「りゅうのはどう」を発動してアメジオとアーマーガアを攻撃するが、アーマーガアは素早く「りゅうのはどう」をかわすと、アメジオはアーマーガアから飛び降りて近くの岩場に着地した。

 

 アメジオ「出てこい!ソウブレイズ!」

 

 ポーーン

 

 ソウブレイズ「ソウ!」

 

 アメジオ「ソウブレイズ!『サイコカッター!』、アーマーガアは『エアスラッシュ!』」

 

 ソウブレイズ「ソォォーブレイッ‼︎」

 アーマーガア「アァーマァー‼︎」

 

 岩場に降りたアメジオは、レックウザをゲットするためにソウブレイズを繰り出した。そして、ソウブレイズに「サイコカッター」を、アーマーガアに「エアスラッシュ」を指示して同時にレックウザを攻撃させた。

 

 黒いレックウザ「グオオオオッ‼︎」

 

 ソウブレイズとアーマーガアの技が飛んでくると、レックウザは大きな咆哮を上げた。その衝撃で海に波が発生し、「サイコカッター」と「エアスラッシュ」はレックウザの咆哮で粉砕されてしまう。

 

 アメジオ「クッ‼︎」

 

 

 リコ「ううっ!」

 ニャオハ「ニャア!」

 

 ホゲータ「ホゲ!」

 ロイ「何が起きたの⁉︎」

 

 シンヤ「あの岩場を見てみろ」

 フリード「…アメジオ!アイツ、なんでここに?」

 

 シンヤ「大方、レックウザをゲットするためにここに来たんだろう。そのためにガラル鉱山にも来てたしな」

 

 ピカチュウ「ピカッ!」

 

 ロイ「レックウザを!」

 

 シンヤ「それより、今のソウブレイズたちの攻撃で、レックウザは完全に怒ってるぞ」

 

 黒いレックウザ「グオアッ…」

 

 

 

 アメジオ「遠距離攻撃は無駄か。ソウブレイズ、アーマーガアに乗れ!接近して奴に攻撃する!」

 

 アーマーガア「アーマーッ!」

 ソウブレイズ「ブレイッ!」

 

 アメジオ「ソウブレイズ!『サイコカッター!』」

 ソウブレイズ「ソォーブレイッ!」

 

 レックウザに遠距離ではダメージを与えられないと判断したアメジオは、アーマーガアに乗るようソウブレイズに指示をした。アーマーガアはソウブレイズの立っている岩場にまで飛んできて、ソウブレイズはタイミングをよくアーマーガアに飛び移り、そのままレックウザに向かって真っ直ぐに突撃して行く。アメジオはレックウザに至近距離からダメージを与えようとしてソウブレイズに「サイコカッター」の指示を出すと、ソウブレイズはレックウザに「サイコカッター」を放った。しかし、レックウザが「りゅうのはどう」を放つと、ソウブレイズの放った「サイコカッター」が消し飛び、そのままアーマーガアとソウブレイズに衝撃波が飛んで行った。アーマーガアはアメジオの指示で「りゅうのはどう」をかわしたが、レックウザの「りゅうのはどう」が海にぶつかると大きな波を起こし、海の近くに立っているロイの方に押し寄せてきた。

 

 シンヤ「ピカチュウ!『10まんボルト』で波を吹き飛ばすんだ!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ、チュゥゥゥッ‼︎」

 

 ドオオオーン‼︎

 

 フリード「ロイ、大丈夫か?」

 ロイ「レックウザは僕たちが先にあったんだ!」ダッ

 

 ガシッ(腕を掴む)

 

 フリード「待てロイ!今はダメだ!」

 キャプテンピカチュウ「ピカチュー」

 

 ロイ「離してよフリード!レックウザが目の前にいるんだよ!」

 

 マードック「フリード!早く船に戻れ!このままじゃ巻き添えを喰らうぞ!」

 

 フリード「ああ!ロイ、船に戻るんだ」

 ロイ「離してよフリード!」

 

 ダイアナ「リコ、アンタも下がるんだ」

 

 リコ「でも、テラパゴスがここにいるんだから、レックウザと話をしなきゃ!」

 

 シンヤ「いや、レックウザはソウブレイズたちに攻撃されたせいで気が立ってる。おそらく聞く耳を持たないだろう」

 

 リコ「そんな…」

 ロイ「せっかくレックウザに会えたのに!」

 

 シンヤ(ロイ……こうなったらリザードンで)

 

 ガサッガサッ(シンヤのリュックが動く)

 

 シンヤ(んっ?リュックが動いた………まさか!)

 

 フワッ(ダークストーンが浮かぶ)

 

 シンヤ「やっぱり《ダークストーン》か」…(目覚めるのか。このタイミングで)

 

 ピカチュウ「ピカッ」

 

 バチバチッ(ダークストーンから電気が放出する音)

 

 アメジオがレックウザをゲットしようと知ったロイは、レックウザの元に行こうとするが、それをフリードに止められる。そして、フリードはリコたちを連れて一刻も早くこの場から脱出しようとした。すると、シンヤはアメジオを止めに行こうとして、ベルトについているリザードンのモンスターボールを取ろうとした。するとその時、背中に背負ってるリュックが動いたので、シンヤはリュックの中を開けた。すると、リュックの中から3つの凹みがある黒い石、シンヤが《ダークストーン》と呼ぶ石が、青い電気をバチバチさせながら浮かび上がり、シンヤたちのいるところから少し離れたところに飛んで行くとピタリと止まり、その場で回転するとより強く電気を放出した。そして、中から青い球体が出現すると、その中には黒いレックウザと同じように体の全身が黒く、とても大きな体をしたポケモンが目を閉じていて、体を丸めていた状態で姿を現した。

 

 パチッ(目を開ける)

 

 ゼクロム「グオオオオオッッ‼︎」

 

 シンヤ「目覚めたか!《ゼクロム》!」

 ピカチュウ「ピカッ!」

 

 全員「「「えっ⁉︎」」」

 

 マードック「おいおい!あれって!」

 

 フリード「あれは《ゼクロム》⁉︎なんでシンヤがゼクロムを⁉︎」

 

 ロイ「ゼクロム?」

 

 リコ「ゼクロムって、確か六竜の…」

 

 ダイアナ「ああ、リュウセイが従えていた、イッシュ地方に伝わる伝説のドラゴンポケモンだ」

 

 フリード「理想を求める英雄が現れた時、ダークストーンより復活し、その者に従うと言われている、イッシュ地方の伝説のドラゴンポケモン」

 

 モリー「ダークストーンって、さっきシンヤのリュックから出てきた、黒い石みたいみたいなやつだよね?」

 

 オリオ「じゃあゼクロムは、シンヤのポケモンなの?」

 

 いきなりゼクロムがダークストーンから覚醒し、ゼクロムが雄叫びを上げて登場すると、この場にいる誰もが驚いて混乱していた。それは、アメジオとレックウザも同じだった。

 

 アメジオ「あれは…」

 黒いレックウザ「グオァッ…」チラッ

 

 アメジオ「クッ!お前の相手は俺たちだ!」

 ソウブレイズ「ソウッ!」

 アーマーガア「アーマーッ!」

 

 レックウザがシンヤとゼクロムの方を見ると、アメジオはレックウザが目を背けたことに腹が立ち、レックウザとのバトルを続けた。

 

 

 シンヤ「ゼクロム!目覚めたばかりで悪いんだが、お前の力を貸してくれ!アメジオとレックウザを止めたいんだ!」

 

 ピカチュウ「ピーカッ!」

 

 ゼクロム「…」コクッ

 

 シンヤ「よし!じゃあ早速行くか!……ロイ」

 ロイ「えっ、何?」

 

 シンヤ「レックウザは俺が助けるから、フリードたちの言うことをちゃんと聞いて待ってろよ」

 

 ロイ「…シンヤ」

 

 シンヤ「フッ、ゼクロム、俺とピカチュウを乗せ…」

 フリード「待てシンヤ!」

 

 シンヤ「ん?何だよフリード?」

 

 フリード「なんでいきなりゼクロムが出てきた?ゼクロムはお前のポケモンなのか?」

 

 シンヤ「その説明は後だ。とりあえず、俺はアメジオとレックウザのところに行くから、フリードたちは早く避難してくれ。ゼクロム、俺とピカチュウを乗せてくれ」

 

 ゼクロム「グオオオオッ」

 

 スッ(体を屈める)

 

 シンヤ「よし!行くぞピカチュウ!」

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「シンヤ!待って!」

 シンヤ「リコ…」

 

 リコ「…」

 

 シンヤ「…そんな顔をするな。レックウザを助けたらすぐに戻る。ダイアナさん、フリード、後を頼みます」 

 

 ダイアナ「た、頼むって…」

 フリード「シンヤ!」

 

 シンヤ「ゼクロム!」

 ゼクロム「グオオオオオッッ‼︎」

 

 シンヤはピカチュウと一緒にゼクロムの背中に乗ると、リコとロイのことをフリードとダイアナに任せて、ゼクロムにアメジオとレックウザのいる場所に向かうように頼み、ゼクロムはレックウザとアメジオのいる場所にに向かって行った。

 

 ブレイブアサギ号

 

 モリー「フリード、どうするの?」

 

 フリード「このままシンヤを放っておくわけにはいかない。ギリギリまでレックザに近づく‼︎」

 

 リコ「うん!」…(シンヤ、待ってて!)

 

 海の上空

 

 シンヤ(…今回のアメジオのやり方は気にいらねぇな)

 

 シンヤは、ロイが誰よりも黒いレックウザと再会するのを楽しみにしていて、レックウザをゲットするために、自分たちと特訓して努力していたことを知っていた。だからこそ、レックウザを助けるために動いたのだ。それに、今回のアメジオの妨害みたいなやり方は、シンヤには気に入らなかった。

 

 ドォォォォン‼︎ドォォォォン‼︎(りゅうのはどうが海に当たる)

 

 海の岩場

 

 アメジオ「叩きこめ!ソウブレイズ!『むねんのつるぎ!』」

 

 海の上空

 

 ソウブレイズ「ブレーーイッ‼︎」

 

 シュン‼︎(ゼクロムが目の前に現れる)

 

 ゼクロム「グオオオオッッ‼︎」

 

 ソウブレイズ「ブレイ⁉︎」

 アーマーガア「ガァッ⁉︎」

 

 アメジオ「何!」

 シンヤ「そこまでだ!」

 ピカチュウ「ピカッ‼︎」

 

 

 アメジオ「なっ⁉︎お前はシンヤ!」

 

 アーマーガアに乗ったソウブレイズはレックウザに近づくと、「むねんのつるぎ」し、至近距離で攻撃しようとした。すると、ソウブレイズとアーマーガアの目の前にゼクロムが現れた。いきなりゼクロムが目の前に現れたので、ソウブレイズはレックウザへの攻撃をストップした。シンヤがゼクロムに下の岩場に降ろしてくれと頼むとゼクロムは下に降りていき、シンヤを岩場に降ろすと再び空に飛び上がった。

 

 アメジオ「…ミライドンといい、キズナゲッコウガといい、ゼクロムといい。お前は、次から次へと俺を驚かせてくれるな」

 

 シンヤ「あれ?キズナゲッコウガのことは言ったことなかったか?」

 

 アメジオ「お前がここに来ているということは…」チラッ(リコたちのいる所を見る)

 

 ブレイブアサギ号

 

 アメジオ「やはり、ライジングボルテッカーズもいたか。…何故、俺の邪魔をする?」

 

 シンヤ「それはこっちのセリフだ。お前たちの目的はテラパゴスのはずだろう?それとも、レックウザに狙いを変えたのか?」

 

 アメジオ「お前に答える必要はない。そこを退け!」

 シンヤ「…断ると言ったら?」

 

 アメジオ「力づくでどかしてやる!」

 

 シンヤ「俺のピカチュウやエンペルトを倒せないヤツが、ゼクロムに勝てるのか?」

 

 アメジオ「クッ!」

 

 シンヤ「ポケモンをゲットしようとしているトレーナーの邪魔をするのは気が引けるが、お前たちエクスプローラーズに、レックウザを渡すわけにはいかないんでね」

 

 黒いレックウザ「グオオオオッッ‼︎」

 

 シンヤ・アメジオ「「ッ⁉︎」」

 

 シンヤ「リザードン、出てこい!」

 

 ポーーン

 

 リザードン「リザァァァ!」

 

 シンヤ「ゼクロム!お前はレックウザを止めてくれ!リザードンはピカチュウを乗せて、一緒にソウブレイズたちを止めるんだ!」

 

 ゼクロム「グオオオオッッ‼︎」

 ピカチュウ「ピカッ!」

 リザードン「リザァァァ!」

 

 シンヤとアメジオは一触即発の雰囲気になるが、レックウザはそんなことなどお構いなしに、シンヤたちを攻撃をしようとしてきた。そして、シンヤはゼクロムにレックウザの相手を任せると、モンスターボールからリザードンを繰り出し、ピカチュウにリザードンと一緒に戦うように指示を出した。

 

 アメジオ「ソウブレイズ!アーマーガア!レックウザを攻撃しろ!」

 

 ソウブレイズ「ソォォーブレイッ‼︎」

 アーマーガア「アァーマァー‼︎」

 

 シンヤ「あのレックウザはロイがゲットするポケモンだ。ピカチュウ!リザードン!ゼクロム!頼むぞ!」

 

 ゼクロム「グオオオオッッ‼︎」

 ピカチュウ「ピカッピカチュウ‼︎」

 リザードン「リザァァァッッ‼︎」

 

 アメジオのソウブレイズとアーマーガアが再びレックウザに攻撃しようとすると、ピカチュウは「10まんボルト」を、リザードンは「かえんほうしゃ」を発動してソウブレイズとアーマーガアを攻撃するが、ソウブレイズは「サイコカッター」を放ち、アーマーガアは「ぼうふう」を使ってピカチュウとリザードンの攻撃をガードした。……そして、レックウザとバトルしているゼクロムは、「ドラゴンクロー」を発動すると、レックウザの「りゅうのはどう」などの攻撃をガードして防いでいた。

 

 …その頃、フリードは全員がブレイブアサギ号に乗ったのを確認した後、アメジオとレックウザのいるところに向かったシンヤを助けるため、ブレイブアサギ号でシンヤたちのいる場所に近づいていて、リコたちは空を飛んでいるブレイブアサギ号の中からシンヤの戦いを見ていた。

 

 ブレイブアサギ号・上空

 

 リコ(シンヤ…無事でいて!)

 ロイ「……シンヤはすごいよ」

 

 リコ「ロイ?」

 

 ロイ「シンヤは、僕やリコと同じ10歳でポケモントレーナーになったはずなのに、僕たちよりもずっと強い」

 

 リコ「ッ⁉︎」

 

 ロイ「シンヤは、世界チャンピオンになるくらい強くて、レックウザと同じ伝説のポケモンのゼクロムと一緒に戦ってる。シンヤのゲッコウガは、グラードンだって倒せるくらい強いし……僕も、シンヤと同じくらい強くなりたい!レックウザに向き合ってもらえるようなトレーナーになりたい!」

 

 リコ「ロイ…」

 

 ダイアナ「……そうだね。シンヤはリコとロイと年は同じだ。だけど、シンヤはリコとロイと違って、たくさんの経験をしてきた。だからこそ、あんなに強くなれたんだ」

 

 リコ「おばあちゃん…」

 ロイ「…たくさんの経験」

 

 ダイアナ「けど、強くなれるのはリコもロイも同じだ。これからたくさんの経験をしていけば、きっと強くなれるさ」

 

 リコ・ロイ「「はい!」」

 

 リコたちがブレイブアサギ号で話をしている間も、シンヤとアメジオと黒いレックウザの三つ巴のバトルは続いていた。そして、アメジオはレックウザを捕獲するために、一気に勝負に出ようとする。

 

 アメジオ「ソウブレイズ!『むねんのつるぎ!』」

 ソウブレイズ「ソォーブレイッ!」

 

 黒いレックウザ「…」

 

 ドォォォォン‼︎

 

 アメジオ「やったか!」

 

 シンヤ「……いや」

 

 黒いレックウザ「グオオオオッッ‼︎」

 

 バンッ‼︎

 

 ダァァァァン(岩に叩きつけられる)

 

 ソウブレイズ「ブレィッ…」

 

 アメジオ「ソウブレイズ!」

 

 ソウブレイズを乗せたアーマーガアは、リザードンとピカチュウを振り切りると、ゼクロムとレックウザのバトルに乱入した。アーマーガアはレックウザの頭の上の方に向かって行くと、ソウブレイズはアーマーガアからジャンプし、両手で「むねんのつるぎ」を発動すると、両手をクロスさせてレックウザの頭に攻撃した。しかし、レックウザにはほとんどダメージがなかった。そして、レックウザがソウブレイズに手を振り下ろすと、ソウブレイズは近くの岩に叩きつけられた。すると、レックウザは「りゅうのはどう」を連射してソウブレイズを倒すと、ゼクロムのことをじっと見つめていた。

 

 黒いレックウザ「……」

 ゼクロム「……」

 

 シンヤ「…アメジオ。アーマーガアに乗って、ソウブレイズをボールに戻しに行け」

 

 アメジオ「な、なんだと。何故、俺がお前の言うことを聞かねばならない…」

 

 シンヤ「お前のソウブレイズはレックウザに負けた。それが今のお前の実力ってことだ。それに、バトルに負けたポケモンを回復させるのは、トレーナーの義務だ」

 

 アメジオ「ッ‼︎……クッ!」

 

 シンヤ「ピカチュウ、リザードン、お前たちはこっちに来てくれ。ゼクロムとレックウザのバトルに巻き込まれるかもしれない」

 

 ピカチュウ「ピカッ!」

 リザードン「リザァァァ!」

 

 シンヤ「これで1対1のバトルができるな。行くぞゼクロム!」

 

 ゼクロム「グオオオオオッッ‼︎」

 黒いレックウザ「グオオオオオッッ‼︎」

 

 潜水艦内

 

 ジル「アメジオ様のソウブレイズが!」

 

 コニア「それにあのポケモンは、イッシュ地方の伝説のドラゴンポケモンのゼクロム!なんでアイツと?」

 

 ???「ほぉ、シンヤがいるのか!なら俺は出るぜ!」

 

 コニア「えっ?」 

 ジル「アンタが出るのか?」

 

 ???「アメジオがやられちまったんなら、シンヤを倒した後に、レックウザを捕獲するやつがいるだろう。ギベオンとの約束もあるしな。それに、俺もゲットしたコイツの力を試してみたいんでな」

 

 スッ(モンスターボール)

 

 シンヤ「ゼクロム!『クロスサンダー!』」

 ゼクロム「グオオオオッッ‼︎」

 

 ドオオオオオーーン‼︎

 

 アメジオがアーマーガアに乗ってソウブレイズを回収しに行くと、ゼクロムとレックウザは1対1のバトルを始めた。シンヤが「クロスサンダー」というゼクロムの専用技を指示すると、ゼクロムは雄叫びを上げて体を青い電気の球体に包み込んでレックウザに突撃した。すると、レックウザは「りゅうのはどう」で攻撃してきたが、ゼクロムはそのまま突っ込んで「りゅうのはどう」を粉砕すると、レックウザに激突してダメージを与えることに成功した。そして、ゼクロムがレックウザにぶつかると、離れているブレイブアサギ号にも揺れが伝わるほどの衝撃が発生した。

 

 

 ブレイブアサギ号

 

 フリード「みんな!船にしっかりつかまってろよ!」

 モリー「バトルの衝撃がこっちにまで届くなんて!」

 マードック「流石、伝説のポケモン同士のバトルだ」

 

 岩礁

 

 アメジオ「レックウザを相手に互角だと…」

 

 ルシアスの最強の相棒といわれるレックウザを相手に、ゼクロムは互角のバトルをしていて、パワーもスピードも負けないほどだった。そんなすごいバトルを繰り広げている伝説のポケモン同士のバトルを見ていたアメジオは、岩場にいるシンヤに目を向けた。

 

 アメジオ(ラティオスとラティアスに加えて、不思議なゲッコウガや、ミライドンという未知のポケモンまで連れていて、そして今は、伝説のポケモンのゼクロムと一緒にレックウザとバトルをしている。…どこまで底が知れないんだ、アイツは!)

 

 シンヤ「次だ!『らいげき!』」

 

 ゼクロム「グオオオオオオオッッ‼︎」

 

 シンヤがゼクロムの最強の専用技の「らいげき」を指示すると、ゼクロムは先程とは比べ程にならないほどの青く輝く電気を発生させると、それを身に纏ってレックウザに突撃して行った。そして、そのままレックウザにゼクロムの「らいげき」が命中した。……すると!

 

 ズキッ!

 

 シンヤ(またか!)

 

 

 …流石だな。レックウザ……

 

 シンヤ「えっ?」

 

 お前はルシアスの最強の相棒だ。俺の六竜にも負けないくらい強いぜ‼︎

 

 黒いレックウザ『グオァッ……』

 

 ………ハハ、お前は強いし優しいな。レックウザ。

 

 

 シンヤ「まさか、この男は!」

 

 ゼクロムの「らいげき」がレックウザに命中した時、またシンヤの頭に痛みが走り、シンヤの脳裏にある光景が映った。場所は森の中で、花がたくさん咲いている場所だった。そこには2人の男がいた。1人は、さっきのテラパゴスの記憶で見たルシアスで、もう1人は、光輝く白のマントを羽織っている男だった。そして、男とルシアスの近くには、ルシアスの六英雄のポケモンたちとテラパゴス、リュウセイの六竜と呼ばれるポケモンたちと、ピカチュウとキズナゲッコウガがいた。そして、黒髪の男がルシアスと楽しそうに話していて、黒いレックウザを褒めていた。

 

 シンヤ(青と水色のツートンカラーの髪はルシアスだよな。それに、六竜とピカチュウ、キズナゲッコウガを連れてるってことは、この黒髪の男がリュウセイってことか!)

 

 

 

 

 

 

 「カイオーガ!『こんげんのはどう‼︎』」

 

 バッシャーーーーーン!(水飛沫の音)

 

 ピンク色カイオーガ「カァァァイッッ‼︎」

 

 シンヤ「何⁉︎」

 

 ドドドーン‼︎ドドドーン‼︎

 

 ゼクロム「グオオッ‼︎」

 レックウザ「グオッァ⁉︎」

 

 シンヤ「《色違いのカイオーガ》⁉︎それに、今のこの声は…まさか⁉︎」

 

 ???「そのまさかだぜ!」

 

 シンヤが脳裏に流れてきた景色に混乱していると、突然海から色違いのカイオーガが水飛沫をあげて飛んできた。そして、誰かが「こんげんのはどう」というカイオーガの最強専用技を指示すると、カイオーガは両方のヒレの先の部分に青色の小さい球体を発生させて、そこから水のビームをゼクロムとレックウザに発射して攻撃してきた。カイオーガの攻撃をゼクロムは咄嗟にかわしたが、レックウザはかわすことができず、ダメージを受けて海の中に落ちてしまう。いきなりのカイオーガの登場にシンヤが海の周りを見渡すと、アメジオが乗ってきた潜水艦を見つけた。その潜水艦の上には、キーストーンが嵌め込まれているメガイカリを首にかけた男が立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 アオギリ「よぉシンヤ!島でやりやったとき以来だな!」

 

 シンヤ「やっぱり《アオギリ》か!まさか、色違いのカイオーガまでゲットしてるとはな」

 

 アオギリ「テメェの相手はこの俺だ‼︎」

 

 シンヤ「レックウザの相手でも大変だっていうのに、カイオーガまで!」

 

 ブレイブアサギ号

 

 リコ「あの人は!」

 ロイ「確か、アオギリってヤツだ!」

 

 マードック「それに、あれってカイオーガだよな!」

 

 フリード「レックウザにカイオーガ、状況が悪くなってきたな」

 

 海の岩場

 

 アメジオ「潜水艦の中にいろと言ったはずだ」

 

 アオギリ「お前は負けたんだろ。それに、俺の狙いはシンヤだ」

 

 アメジオ「クッ⁉︎」

 

 アオギリ「巻き添えを喰らいたくないなら、早く潜水艦の中に戻るんだな。なにせ、俺は今からカイオーガの真の姿を解放するんだからな」

 

 アメジオ「真の姿だと?」

 アオギリ「早くしろ!」

 アメジオ「…チッ!」

 

 アオギリがそう言うと、ソウブレイズを回収したアメジオはアーマーガアに乗ると、潜水艦の方に戻って行った。

 

 アオギリ「グラードンを使ったのに、マツブサはもお前に勝てなかったようだが、俺は違うぜ」

 

 シンヤ「それはどうかな?今回はゼクロムがいるんだ。相性ではこっちが有利だぜ」

 

 アオギリ「俺にはこれがあるんだよ」

 

 スッ(ある物を取り出す)

 

 シンヤ「それは、《あいいろのたま》!まさか!」

 

 アオギリ「そうだ!これこそ、カイオーガを真の姿に覚醒させる宝玉だ!さぁカイオーガ!あいいろのたまに秘めたる力を吸収し、ゲンシの姿にカイキしろッ‼︎超古代ポケモンの更なる進化の可能性を見せてみろ‼︎」

 

 シンヤ「やはり、カイオーガを《ゲンシカイキ》させる気か‼︎」

 

 ビュン‼︎(あいいろのたまを投げる)

 

 ピンク色カイオーガ「カァァァイッッ‼︎」

 

 アオギリは、あいいろのたまと呼ばれる青い石を懐から取り出すと、それをカイオーガに向かって投げた。すると、カイオーガの体が青く輝き出し、カイオーガは青い大きな石に身を包みこんだ。その姿は、まるでトレーナーにテラスタルオーブを投げられ、ポケモンがテラスタルする時に無数の結晶石に身を包み込む姿と似ていた。しかし次の瞬間、カイオーガを包んだ青い大きな石にαの紋章が浮き出てきて、カイオーガを包んでいた青い石が崩れ落ちると、中からカイオーガが姿を現した。しかし、カイオーガの姿はさっきと異なり、ゲンシカイキしたことで体が大きくなっていて、両手のさきの部分はピンク色に変化し、ピンク色で濃かった体全体は黒と薄黄色のツートン色に変わり、体の中は透き通って黄色い発光体が見えていて、頭にはアオギリのバンダナのAの文字と似たような紋章が浮き出ており、とても神々しく神秘的な姿になっていた。

 

 

 

 

 

 

 黒色ゲンシカイオーガ「カァァァァァイッッ‼︎」

 

 シンヤ「《ゲンシカイオーガ》!」

 

 ザァァァァァァ‼︎(大雨が降る)

 

 シンヤ「《はじまりのうみ》か!」 

 

 アオギリ「そうだ!あの時はゲンシカイオーガをコントロールすることが出来なかったが、今回は違う!今のゲンシカイオーガは、今や俺の思いのままだ‼︎」

 

 ブレイブアサギ号

 

 モリー「カイオーガの姿が変わった⁉︎」

 

 オリオ『それに、いきなり雨雲まで出てきて、大雨が降ってきたんだけど⁉︎』

 

 フリード「あれはまさか、ゲンシカイオーガ‼︎」

 

 マードック「ゲンシカイオーガって、ホウエン地方で語られている、カイオーガの本当の姿だよな?」

 

 フリード「ああ、カイオーガはその姿で大雨を降らせ、海を広げたと言われている」

 

 ダイアナ「どうするんだい?」

 

 フリード「…なんとかギリギリまで船を近づけます!」

 リコ(…シンヤ…お願い!怪我しないで!無事でいて!)

 

 カイオーガがゲンシカイオーガにゲンシカイキしたことで、ゲンシカイオーガの特性はじまりのうみが発生し、シンヤたちのいる上空の空が雨雲に変わり始めると、そこから雨雲が広がっていくと大量の雨が降ってきた。そして、海は大きく荒れて波が発生し、シンヤたちの近くを飛んでいるブレイブアサギ号も揺れていた。このままでは自分の立っている場所も危なくなると判断したシンヤは、ピカチュウと一緒にリザードンに乗って上空に避難した。その時、さっき海に落ちたレックウザが海の中から飛んできた。

 

 黒いレックウザ「グオオオオッッ‼︎」

 シンヤ「レックウザ!」

 

 アオギリ「カイオーガ!『こんげんのはどう!』」

 黒色ゲンシカイオーガ「カァァァイッッ!‼︎」

 

 アオギリがカイオーガに「こんげんのはどう」を指示すると、カイオーガはさっきと同じように自分の両手の周りに青色の小さい球体を発生させると、そこから水のビームを発射してゼクロムとレックウザを攻撃してきた。しかし、カイオーガが二度目に放った「こんげんのはどう」の威力は、さっきとは比べほどにならないほど上がっていた。その理由は、ゲンシカイキしたカイオーガの特性《はじまりのうみ》が原因だった。はじまりのうみには2つの効果がある。1つは、ほのおのタイプの技を無効化させる効果。そして二つ目は、雨状態の時と同じで、みずタイプのわざの威力が上がるというもの。だからこそ、カイオーガが二度目に放った「こんげんのはどう」の威力が上がっていたのだ。

 

 シンヤ「ゼクロム!かわして『らいげき』だ!」

 ゼクロム「グオオオオッッ‼︎」

 

 ドオオオオーーーン!!!

 

 黒色ゲンシカイオーガ「カァァァイッ⁉︎」

 アオギリ「カイオーガ!」

 

 シンヤ「ゲンシカイキしても、相性が有利なのは変わらない‼︎」

 

 潜水艦内

 

 グググッ(拳を強く握る)

 

 アメジオ(…何故、あそこにいるのが俺ではないんだ‼︎同じ伝説のポケモンのゼクロムが戦っているとはいえ、ゼクロムはゲンシカイオーガとレックウザ、2体の伝説のポケモンを相手に互角以上に戦っている。それに今のレックウザは、明らかに俺と戦っている時より強い。しかし、それ以上にシンヤたちがレックウザを押している。……力が欲しい。シンヤにも、レックウザにも負けないくらいの力が!) 

 

 潜水艦の中からシンヤたちのバトルを見ていたアメジオは、六英雄のレックウザと、ゲンシカイオーガと互角以上に戦っているシンヤの姿を見ていると、心の底から力が欲しいと思っていた。そして、レックウザとゼクロムは「こんげんのはどう」をかわすと、ゼクロムは再び「らいげき」を使ってゲンシカイオーガにダメージを与えた。そして、ゼクロムの「らいげき」を2度受けたゲンシカイオーガは、そのまま吹っ飛んで海の中に沈んでいった。

 

 シンヤ「ゼクロム!レックウザに『ドラゴンクロー!』」

 

 ゼクロム「グオオオオッッ‼︎」

 

 ダァァァァァン‼︎

 

 黒いレックウザ「クオオァッ⁉︎」

 

 ゲンシカイオーガが海の中に沈んでいくと、上空に広がっていた雨雲も消えたので、シンヤはレックウザに対象を変えると、ゼクロムに「ドラゴンクロー」を指示した。そして、ゼクロムの「ドラゴンクロー」を受けたレックウザは少し後ろに飛ばされると、動きを止めてシンヤとゼクロムを見つめていた。

 

 黒いレックウザ「………」

 

 シンヤ「ゼクロム、もう攻撃しなくていい」

 ゼクロム「グオオッ」

 

 シンヤ「レックウザ、俺たちはお前と話がしたいだけだ」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 リザードン「リザァァァ」

 

 ズキッ‼︎

 

 シンヤ「またか‼︎」

 

 黒いレックウザ「ッ⁉︎」

 

 ……レックウザ…………………エクスプローラーズ……

 

 シンヤ(何⁉︎エクスプローラーズだと⁉︎エクスプローラーズは、昔からある組織なのか⁉︎)

 

 ……レックウザ、………俺がいなくなっても……………

 

 

 

 黒いレックウザ「グォォォァッ〜〜!」

 

 

 シンヤ「レックウザ……泣いてるのか?」

 ピカチュウ「ピカッ?」

 リザードン「リザァァァ?」

 

 シンヤがレックウザに話をしたいと伝えると、シンヤの脳裏にまた景色が流れ出した。途切れ途切れでよく分からなかったが、その景色の中では、リュウセイが黒いレックウザとエクスプローラーズのことを言っていた。それを聞いたシンヤは、エクスプローラーズという組織が昔から存在していたのかと考えていると、突然レックウザが空に向かって鳴き声を上げた。シンヤには、そのレックウザの鳴き声が悲しみの鳴き声に聞こえていた。すると、レックウザはシンヤたちのいる方に近づいてきた。ピカチュウは戦闘体制に入ろうとするが、シンヤに大丈夫だと言われて警戒を解いた。

 

 

 黒いレックウザ「グオオッ…」

 

 シンヤ「アメジオたちに攻撃をされて、我を忘れていただけなんだよな。怒りを静めてくれ…」

 

 黒いレックウザ「………」

 

 

 ブレイブアサギ号

 

 マードック「レックウザがおとなしくなったぞ」

 

 フリード「よし、このままシンヤたちのいる方に近づくぞ」

 

 上空

 

 シンヤ「…レックウザ、話を聞いてくれ」

 

 黒いレックウザ「グオァッ…」

 

 バッシャーーーーーン!(水飛沫の音)

 

 黒色ゲンシカイオーガ「カァァァイッッ‼︎」

 

 シンヤ「カイオーガ!『らいげき』を喰らったのに、まだ戦えるのか!」

 

 アオギリ「舐めるな!伝説のポケモンの体力と力はこんなもんじゃないことくらい、テメェだって分かってることだろう!カイオーガ!『こんげんのはどう!』」

 

 黒色ゲンシカイオーガ「カァァァイッッ‼︎」

 

 ドドドーン‼︎ドドドーン‼︎

 

 シンヤ「うわぁ‼︎」

 ピカチュウ「ピカッ‼︎」

 リザードン「リザァ‼︎」

 ゼクロム「グオオオッ」ビュン

 

 黒いレックウザ「グオッァ⁉︎」

 

 ゼクロムの「らいげき」によって倒されたように思われていたゲンシカイオーガだったが、再び海から姿を現すと「こんげんのはどう」で攻撃してきた。シンヤとピカチュウとリザードンは、「ドラゴンクロー」を発動したゼクロムが自分たちの前に移動し、「こんげんのはどう」から守ってくれたおかげでなんとか無事だった。しかし、カイオーガの攻撃を受けたレックウザは、さっきまでの穏やかな表情が消えており、その顔は怒りに満ちていた。

 

 黒いレックウザ「グオオオオオオッッ‼︎」

 

 シンヤ「レックウザ…チッ、アオギリといいアメジオといい、余計なことを!」

 

 怒りに満ちたレックウザには、もはや誰の声も届きはしなかった。そして、突然レックウザが凄まじい咆哮を上げると、レックウザは体のエネルギーを口元に集中させて、溜め込んだエネルギーを空に向かって打ち上げた。打ち上げられたエネルギーは空で分散して、敵味方を問わず、シンヤたちの元に降り注いできた。

 

 シンヤ「『りゅうせいぐん』か!」

 

 ドオオオーーン‼︎

 

 黒色ゲンシカイオーガ「カァァァイッッ⁉︎」

 

 アオギリ「チッ、戻れカイオーガ‼︎」

 

 シュルルーーン

 

 シンヤ「このままじゃ、『りゅうせいぐん』がブレイブアサギ号に当たる可能性がある。一旦船に戻るぞ!」

 

 ピカチュウ「ピカッ!」

 リザードン「リザァァァ!」

 ゼクロム「グオオオッ!」

 

 レックウザが放った技は、ドラゴンタイプの最強技の「りゅうせいぐん」だった。「りゅうせいぐん」は、たった一撃当たるだけでもかなりのダメージになるほど威力の高い技だ。それが伝説のポケモン、ましてや古の冒険者と呼ばれるほどの人のポケモンなら、威力はケタ違いだろう。そして、レックウザの放った「りゅうせいぐん」がゲンシカイオーガに直撃すると、アオギリはカイオーガをモンスターボールに戻し、シンヤは急いでブレイブアサギ号に向かった。

 

 ブレイブアサギ号・ウイングデッキ

 

 フリード「リザードン!『かえんほうしゃ!』」

 

 ダイアナ「ウインディ!こっちも『かえんほうしゃ!』」

 

 フリードのリザードン「リィザァァァ〜‼︎」

 ウインディ「ウィン〜〜‼︎」

 

 シンヤを助けるために近くに来ていたリコたちは、ブレイブアサギ号に落ちてくる「りゅうせいぐん」を防ぐために、ポケモンたちの力を借りて隕石を撃ち落としていた。しかし、降ってきた「りゅうせいぐん」の数が多いため、全てを撃ち落とすことは難しかった。そして、隕石の一つがブレイブアサギ号に直撃すると思われたその時!

 

 シンヤ「ゼクロム!『ドラゴンクロー!』」

 ゼクロム「グオオオオッ!」

 

 ダァァァァァン‼︎

 

 リコ「あっ!」

 シンヤ「悪い。遅くなったな」

 

 リコ「シンヤ!」

 

 テラパゴス「パーゴ!パーゴ!」

 

 ゼクロム「グオオッッ…」

 シンヤ「ゼクロム、どうした?」

 

 ブレイブアサギ号に隕石が直撃する直前、「ドラゴンクロー」を発動したゼクロムが隕石を粉々にしてくれたおかげで船は無事だった。リコが顔を上にあげると、そこにはリザードンに乗ったシンヤとピカチュウがやってきて、その後ろにはゼクロムもいた。そして、シンヤたちがウイングデッキに降りてくると、テラパゴスがゼクロムに声をかけてきた。

 

 

 フリード「シンヤ、戻ったか!」

 ダイアナ「大丈夫かい?」

 

 シンヤ「えぇ、レックウザの『りゅうせいぐん』がカイオーガに命中したおかげで、アオギリたちも撤収していきましたからね」

 

 フリード「なら、俺たちもすぐにこの場から離れ…」

 

 黒いレックウザ「グオオオオオオッッ‼︎」

 

 シンヤ「レックウザ!」

 

 シンヤたちがブレイブアサギ号に戻ると、フリードは操舵室にいるマードックに連絡を取り、急いでこの場を離れようとした。すると、黒いレックウザが船の方にやってきて、再び「りゅうせいぐん」を発動した。…するとその時!

 

 テラパゴス「パーーーゴーーーーッ‼︎」

 

 ピカァァァァン(テラパゴスの体が光る)

 

 レックウザの放った「りゅうせいぐん」が船に直撃する瞬間、テラパゴスが大声で叫ぶと、突然テラパゴスの体が光りだした。そして、テラパゴスはリコの腕の中から空に浮かぶと姿を変え始めた。尻尾と両手両足と首に付いているリングのような物からふさふさの毛が生えてきて、背中の甲羅が大きくなってクリスタルのように変化すると、そのクリスタルは、ポケモン18タイプのアイコン柄のように見える五角形に構成され、額の突起物が少し突き出て変化した。シンヤたちは改めてテラパゴスを見たが、テラパゴスの姿はさっきとまるで違っていた。

 

 リコ「テラパゴス?」

 

 シンヤ「あれは、以前ダイアナさんに見せてもらった、ルシアスの手記に描いてあったテラパゴスの姿…」

 

 ???フォルムテラパゴス「パーゴー‼︎」

 

 姿を変えたテラパゴスは、エネルギーを背中のクリスタルに集めると、クリスタルから巨大な光の柱を出現させ、その光の柱から無数の星の形をした弾を発射すると、全ての隕石にぶつけて見事に相殺させた。

 

 リコ「綺麗」

 

 潜水艦内

 

 ジル「あの輝きは、一体?」

 コニア「あの小さいのが進化したの?」

 

 アメジオ「いや、違う」

 

 アオギリ(なるほど。ギベオンがテラパゴスを求めたのはこれが理由か)

 

 

 

 黒いレックウザ「グォォォッ!」

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 リコたちを守るために姿の変わったテラパゴスは、シンヤたちが見たことがない技を使って「りゅうせいぐん」を止めると、レックウザを見ていた。そして、レックウザもテラパゴスのことをじっと見ていた。

 

 シンヤ(テラパゴスの姿が変わってから、レックウザの様子が変わった)

 

 ピカチュウ「ピカァァッ…」

 リザードン「リザァァァ…」

 ゼクロム「グオオオッ…」

 

 ???フォルムテラパゴス「パーゴ…」

 

 パリン‼︎(元の姿に戻る)

 

 テラパゴス「パゴォ…」

 

 リコ「あっ!テラパゴス!」

 

 黒いレックウザ「グオオオッ」

 

 シンヤ「あっ!」

 

 ロイ「レックウザが…」

 

 テラパゴスが気を失ってノーマルフォルムに姿を変えると、リコはテラパゴスを抱きかかえた。その時、レックウザは何かを喋ると、ブレイブアサギ号に背を向けてどこかへと飛び去ってしまった。

 

 救護室

 

 テラパゴス「zzz…」

 

 モリー「怪我はないよ。多分、力を使い過ぎて疲れただけだよ」

 シンヤ「そっか。よかった」

 

 リコ「うん。…シンヤは大丈夫?」

 

 シンヤ「えっ?俺?」

 

 リコ「だって、あんなにすごいところにいて、バトルだって…その…」

 

 シンヤ「今まで見たことのないほどの、ものすごい迫力のあったバトルだったから…だろ?」

 

 リコ「…うん」

 シンヤ「俺は大丈夫だ、ゼクロムが一緒だったし」

 

 モリー「そのことだけど、ピカチュウとリザードンの診察が終わった後、一応アンタも診察して、それが終わったら、アンタとゼクロムがどこで知り合ったか教えてもらうよ」

 

 シンヤ「やっぱり、話さなきゃダメか?」

 モリー「…シンヤ、私たちの関係は?」

 

 シンヤ「…仲間だろ」

 モリー「その仲間に、隠しごとをする気?」

 

 シンヤ「…まあ、そうだな。一緒に冒険してるし、なによりゼクロムのことを知った以上は、みんなにも話さないとな」

 

 モリー「こっちの聞きたいことには、可能な限り全部答えてもらうよ。フリードみたいに、言ってなかった?って言うのはなしだからね」

 

 リコ「そうだよ。シンヤはいつも隠しことばっかりだよ。パルデアの大穴で何があったのか教えてくれないし。私はシンヤの彼女なのに、その私に何も話してくれないし」

 

 シンヤ「いや、俺は聞かれてないことは、なるべく自分から話さないようにしてるだけだよ」

 

 リコ「こっちが聞いても何も教えてくれないことがあるじゃん」

 

 シンヤ「うっ……分かったよ。後で聞かれたことは、話せる範囲なら答えるからさ」

 

 リコ「私に隠し事をしないってことも約束して」

 シンヤ「…わ、分かった。リコに隠しごとはしないよ」

 

 リコ「本当に約束してくれる?」

 シンヤ「あぁ、約束だ」

 

 パンパン(手を叩く)

 

 モリー「はいはい。救護室でイチャつかない」

 シンヤ「いや、イチャついてないんだけど」

 リコ「うぅ〜〜///」

 

 テラパゴスが気を失った後、シンヤとリコはテラパゴスを連れて、救護室にいるモリーの所にやってきた。モリーはテラパゴスの診察を終えると、ピカチュウとリザードン、シンヤの診察を始めた。シンヤはピカチュウとリザードンだけ診察してくれればいいと言ったのだが、船のメンバー全員とリコとダイアナから、危ない所でバトルしてたんだから、モリーの診察を受けるよう強く言われたので、シンヤは渋々モリーの診察を受けていて、リコはシンヤを見張るために救護室に残った。

 

 モリー「ピカチュウとリザードンはかすり傷があるけど、シンヤはどこにも怪我はないね」

 

 リコ「よかった」

 シンヤ「だから大丈夫だって言ったろ」

 

 モリー「あのね。こっちはハラハラしながらアンタたちのバトルを見てたんだよ。ゼクロムにレックウザにカイオーガ、伝説のポケモンが3体いるような場所でバトルして、怪我が一つもないなんて奇跡だからね。一歩間違えてたら、アンタ、死んでたかも知れないんだよ」

 

 シンヤ「それぐらい分かってるよ。…じゃあ診察が終わったから、俺はウイングデッキにいるゼクロムのところに行ってくるよ。ゼクロムにどうするか答えを聞かないと」

 

 モリー「もし疲れてるなら、話は明日でもいいけど」

 

 シンヤ「いや、今日で大丈夫。じゃあ、後でミーティングルームに来てくれ」

 

 リコ「シンヤ、私も行く」

 シンヤ「OK。じゃあ行こう」

 

 ブレイブアサギ号・ウイングデッキ 

 

 ゼクロム「…」

 

 フリード「まさか、ゼクロムをこんな間近で見られるとはな…」

 

 キャプテンピカチュウ「ピィカッ…」

 

 マードック「レックウザもすごかったけど、ゼクロムも威圧感があるな」

 

 オリオ「でも、シンヤの指示を聞いてたんなら、シンヤの味方なのは確かでしょ?」

 

 ロイ「ゼクロムって、レックウザと同じ伝説のポケモンなんだよね?」

 

 ランドウ「うむ。イッシュ地方に伝わる、伝説のドラゴンポケモンじゃ…」

 

 シンヤがモリーの診察を受けている頃。フリードたちはウイングデッキに立っているゼクロムを見ていた。イッシュ地方に語られ、自分が認めた人間に力を貸すドラゴンポケモン。その威風堂々の姿に、フリードたちは個人の感想を呟いていた。

 

 ギュイーン(展望室の扉を開ける音)

 

 シンヤ「なんだ?みんなゼクロムを見てたのか?」

 ピカチュウ「ピカッ」

 

 ダイアナ「診察は終えたのかい?」

 

 シンヤ「はい。ピカチュウとリザードンはかすり傷があったけど、ちゃんとモリーの治療を受けましたよ」

 

 マードック「シンヤは治療を受けたのか?」

 

 シンヤ「受けたよ。フリードたちがあんまりうるさく言うから」

 

 オリオ「あのねぇ〜、こっちは…」

 

 シンヤ「はいはい、モリーから言われたよ。心配してくれてありがとう」

 

 フリード「さて、本当は今から話を聞きたいところなんだが、お前もさっきのドタバタで疲れてるだろうから、話は明日でも…」

 

 シンヤ「いや大丈夫、後で話すよ。俺がここに来たのは、ゼクロムの気持ちを聞くためだからな」

 

 ゼクロム「…」

 

 シンヤ「ゼクロム、久しぶりだな」

 ピカチュウ「ピカッ」

 

 ゼクロム「グオオオッ」

 

 シンヤ「ゼクロム、お前はこれからどうする?野生に戻るのか?」

 

 ゼクロム「…」

 

 シンヤ「お前は俺に力を貸してくれたけど、お前は一応、野生のポケモンだからな。これからどうするのかは、お前が自分で決めていいぞ」

 

 ゼクロム「…」

 

 スッ(手を差し出す)

 

 シンヤ「ん?……俺たちと一緒に来てくれるのか?」

 

 ゼクロム「…」コクッ

 

 シンヤ「そっか。これからよろしくな。ゼクロム」

 

 スッ(モンスターボールを取り出す)

 

 コンッ(モンスターボールにタッチする)

 

 シュルルーーン 

 

 ポワン…ポワン…ポワン…ポンッ!

 

 シンヤ「ゼクロムゲット」

 

 ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

 

 リコ(伝説のポケモンが自分から望んでゲットされるなんて…こんなゲットもあるんだ)

 

 ロイ「すごい!伝説のポケモンをゲットしちゃった!」

 マードック「よかったな!シンヤ」

 シンヤ「ああ、ありがとう」

 

 シュン‼︎(モンスターボールが消える)

 

 リコ「えっ?なんでモンスターボールが消えたの?」

 

 シンヤ「俺の手持ちポケモンはちょうど6体だから、ゼクロムをゲットしたら7体になる。だから、ゼクロムのモンスターボールはナナカマド研究所に送られたんだ」

 

 リコ「えっ?どういうこと?」

 

 ダイアナ「トレーナーが手持ちに持てるポケモンの数は、1人6体までっていうのがルールなのさ」

 

 ロイ「えっ?そうだったの?」

 

 リコ「そう言えば、前に学校の授業で先生が言ってたような」

 

 フリード「手持ちポケモンが6体いる時に7体目のポケモンをゲットすると、そのモンスターボールは使えなくなる。ゲットしたポケモンを使いたいなら、手持ちのポケモンの1体を預けて、6体にする必要があるんだ」

 

 シンヤ「今の俺の手持ちポケモンは、ピカチュウ、エンペルト、ゲッコウガ、リザードン、ジュカイン、ルカリオだからな」

 

 リコ「でも、シンヤのモンスターボールが消えたのは?」

 

 シンヤ「俺にポケモンをくれたのはナナカマド博士だから、ボールがナナカマド研究所に送られたんだ」

 

 ロイ「そういうことだったんだ」

 リコ「あれ?じゃあミライドンは?」

 

 シンヤ「ミライドンはライドポケモンだから、コンプリートモードにならなければ、手持ちの数に含まれないんだ」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 シンヤ「それでどうする?話をするなら、一回ミーティングルームに移動するか?」

 

 マードック「その前に飯にしよう。話は飯を食ってからでも遅くないからな」

 

 フリード「そうだな。シンヤ、お前も疲れてるだろう?」

 

 シンヤ「そうだな。あんなバトルをやったから、俺もクタクタだし。ゆっくり休…」

 

 ダイアナ「その前に、シンヤ、フリード、アンタたち2人に話がある」

 

 フリード「えっ?」

 シンヤ「話…ですか?」

 

 ダイアナ「ああ、さっきあんなことがあった後で申し訳ないんだが…」 

 

 シンヤ「いえ、構いませんよ」

 

 フリード「じゃあ、俺たちはダイアナさんと話をするから、みんなは中に戻っててくれ」

 

 オリオ「OK」

 ランドウ「では、中に戻るとするかの」

 

 こうして、シンヤ、フリード、ダイアナ・ピカチュウとキャプテンピカチュウを残して、他のメンバーは船の中に戻って行った。そして、シンヤたちは話をするために展望室に移動した。

 

 ブレイブアサギ号・展望室

 

 フリード「ダイアナさん。さっきのテラパゴスの姿は、ルシアスの手記に描かれていた姿と同じだったんですね」

 

 ダイアナ「ああ、六英雄と同じ力を感じたよ」

 

 シンヤ「でも、さっきの甲羅の大きい姿になったのは一瞬だけだったし、力を使った後、また元の姿に戻った。それに、レックウザも姿の変わったテラパゴスを少し見ていたけど、すぐに去って行った」

 

 フリード「まるで、戻った姿のテラパゴスに興味がないみたいだったな」

 

 ダイアナ「もしかしたら、レックウザはテラパゴスの力を試したのかもしれない」

 

 シンヤ「オリーヴァ、ガラルファイヤー、そしてラプラスと出会ったからこそ、テラパゴスはペンダントから目覚め、力を手に入れた。…もしかして、残りの六英雄に会えば…」

 

 ダイアナ「ああ、レックウザを除いた残りの六英雄の2体。バサギリとエンテイに出会えば、テラパゴスは力を完全に取り戻せる」

 

 シンヤ「もし、テラパゴスがバサギリとエンテイに出会い、テラパゴスが力を取り戻したその時こそ…」

 

 ダイアナ「ああ。私たちも辿り着けるはずだ。かつて、ルシアスが辿り着いた、幻の楽園《ラクア》にね」

 

 フリード「…よし、俺たちが目指す目的もはっきりした!必ずバサギリとエンテイを見つけて、必ずラクアに辿り着くぞ」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカピカ!」

 

 シンヤ「ああ、俺もワクワクしてきた。こんなにも胸がドキドキする冒険は初めてだ。なっ、ピカチュウ!」

 

 ピカチュウ「ピカッチューウ!」

 

 ダイアナ「そうかい、冒険者はこうでなくちゃね」

 フリード「ダイアナさんには感謝しています」

 

 ダイアナ「ん?どうしたんだい、急に改まって」

 

 フリード「俺が博士を目指していた時に望んでいたこと。まだ見ぬポケモンたちを巡る冒険と向き合っているって、そう実感したというか」

 

 ダイアナ「分かるよ、その気持ち。私も30年前に諦めたことに、もう一度向かい合うつもりさ。後は……シンヤ、フリード。リコのこと、よろしく頼みます」

 

 ペコッ(頭を下げる)

 

 フリード「はい。……えっ⁉︎」

 

 シンヤ「それってどういうことですか?それじゃあまるで、ダイアナさんが船から降りるみたいに聞こえるんですけど…」

 

 ダイアナ「ああ、その通りだよ。私も私のやり方で、冒険に出ようと思ってね。ラプラスの捜索や、今回のレックウザの一件を見て、私は安心したよ。アンタたちライジングボルテッカーズになら、リコを任せられる。それにシンヤ、アンタの実力を、今日この目でしっかり見せてもらったからね。…ただ、1つだけ心配なことがあるんだ」

 

 フリード「心配?」

 シンヤ「何ですか?」

 

 ダイアナ「前に、ガラルの古城で古い友人と再会したって話をしただろ?彼はエクスプローラーズのメンバーだったんだよ。私は、彼がどうしてエクスプローラーズと行動してるのかを、それを調べてみようと思ってね」

 

 フリード「えっ?」

 

 シンヤ「そう言えば、彼が現れた時、裏で何かの組織が動いてると。ダイアナさん、そう言ってましたね」

 

 ダイアナ「それがエクスプローラーズだったのさ」

 

 フリード「だったら、俺たちと行動しながらでも調べられるでしょう」

 

 シンヤ「そうですよ。それに、ダイアナさんもラクアを目指してるのは同じだし、またエクスプローラーズに狙われる可能性もある。俺たちと一緒の方が…」

 

 ダイアナ「いや、こういう時は身軽に動ける方がいいのさ。それに、私はどうにも団体行動が性に合ってなくてね」

 

 フリード「ダイアナさん…」

 

 シンヤ(…まあ、知り合いが悪党と一緒にいるなんてことが分かれば、調べたくなるのは当然か)

 

 ダイアナ「アンタたちは、バサギリとエンテイを捜して、それからラクアを目指すんだ。私は、何故エクスプローラーズがテラパゴスを狙うのかを調べる。それが、リコやアンタたちを巻き込んだ、私の冒険家としてのケジメだ。…このことは、アンタたち2人の胸の中にしまっといてくれ。リコたちに心配をかけたくないからね」

 

 シンヤ「分かりました。リコのことは任せてください」

 フリード「でも、何かあればすぐに連絡をください」

 

 シンヤ「…あれ?でもダイアナさんは、スマホロトムを持ってないんじゃ?」

 

 ダイアナ「機械は苦手でね。その時はイキリンコに頼むよ」

 

 フリード「よし、じゃあ俺は、操舵室に行ってくる」

 

 フリードはそう言うと、キャプテンピカチュウと一緒に操舵室に向かって行った。

 

 ダイアナ「さて、私らも戻ろうとするか。すまなかったね。長話になっちまって」

 

 シンヤ「いえ……あの、ダイアナさん。俺から2つほど聞きたいことがあるんですけど構いませんか?実は、フリードたちに聞かれると混乱することだと思うから、後でこっそりダイアナさんに聞こうと思ってたんですけど」

 

 ダイアナ「ん?何だい?」

 

 シンヤ「実は、さっきラプラスの歌を聞いた時と、レックウザとバトルをした時、俺の脳裏に、リュウセイの声とある景色が映ったんです。俺が聞きたいことは、リュウセイの言ってたことの謎と、俺が見た景色のことなんです」

 

 ダイアナ「リュウセイの言っていた謎と、アンタが見た景色かい?」

 

 シンヤ「はい。俺が見た景色の中には、リュウセイやルシアス、六英雄や六竜、ピカチュウにキズナゲッコウガもいて、みんな楽しそうにしていました。その後リュウセイの声が聞こえてきて、レックウザにこう言ってたんです。エクスプローラーズと」

 

 ダイアナ「ッ⁉︎」

 

 シンヤ「やっぱり知ってるですね。エクスプローラーズって、リコのペンダントを…いえ、テラパゴスを狙っている連中のことですよね?そして、リュウセイがエクスプローラーズと言っていた。これって、エクスプローラーズという組織が、100年前から存在してるということになると思うんですけど…」

 

 ダイアナ「…分かった。アンタには話しておくよ。エクスプローラーズは、ルシアスの仲間なんだよ」

 

 シンヤ「ッ⁉︎エクスプローラーズがルシアスの仲間⁉︎でも…」

 

 ダイアナ「本当なら、全部話してもいいんだけど、今はなにも聞かないでくれないかい。いずれ時が来たら、全てを話すよ」

 

 シンヤ「…分かりました。それだけ聞ければ充分です」

 ダイアナ「すまないね。アンタを巻き込んでるのに、隠しごとなんて…」

 

 シンヤ「いえ、誰にでも話せないことはありますから。それに、俺もリコたちには色々隠しごとをしてますしね。…それと、もう1つの方を聞きたいんですけど…」

 

 ダイアナ「残念ながら、アンタの見た景色のことは、私にも分からないんだ」

 

 シンヤ「そうですか。ラプラスとレックウザに会った時、急に脳裏に景色が流れてきたから、ダイアナさんなら何か知ってると思ったんですけど」

 

 ダイアナ「だとすれば、六英雄のバサギリとエンテイに出会った時に、また同じことが起きるかもしれないね」

 

 シンヤ「そう考えるのが妥当ですよね。すいません、俺の方も長話になってしまって…」

 

 ダイアナ「いや、こっちこそ、いろいろ混乱させてすまないね。それと、ルシアスとエクスプローラーズの関係は、アンタだけの胸にしまっといてくれ」

 

 シンヤ「分かりました。この話は、いずれ話せる時が来たら、リコたちに話しましょう」

  

 ダイアナ「そうだね。…さて、私も船を降りる前に、やらなきゃいけないことがあるね」

 

 そして、話を終えたシンヤとダイアナは、マードックから夕食ができたと連絡をもらうと、ミーティングルームに移動して、マードックの作ってくれた夕食を食べた。その後シンヤは、さっきモリーたちと約束した通り、ゼクロムとどうやって出会ったかを話し、自分がイッシュ地方を冒険してから、ゼクロムと出会う前に起きた全てのことを話した。

 

 フリード「なるほどな。あのゲーチスって奴は、《プラズマ団》っていう、イッシュ地方で暗躍していた組織のボスで…」

 

 モリー「そいつらは、ポケモンを解放するなんて良いことを言ってたけど、結局は、自分たちだけがポケモンを使えればいいと思っていた悪党だったと…」

 

 オリオ「そしてゲーチスは、《N》っていうポケモンと話せる人を使って、ゼクロムと同じ、イッシュ地方の伝説のポケモン《レシラム》を目覚めさせて、自分たちだけがポケモンを使えるっていう世界を作る世界征服を企んでいて…」

 

 マードック「それに対抗するために、シンヤがイッシュ地方のジムリーダーや、イッシュ地方の元チャンピオンのアデクさんに頼まれて、プラズマ団に対抗するため、ダークストーンの状態だったゼクロムを貰って、レシラムと闘う時にゼクロムは目覚めて…」

 

 ロイ「そのNって人とシンヤが、ゼクロムとレシラムをそれぞれ手持ちに入れて、プラズマ団のアジトでフルバトルをして、勝ったのはシンヤだけど、バトルが終わったら、ゼクロムはダークストーンになっちゃって、その後ゲーチスは…」

 

 リコ「Nって人がシンヤに負けた事実を消すために、シンヤにバトルを挑んだけど…」

 

 ドット『結局シンヤに負けて、ジュンサーに逮捕された…と』

 

 シンヤ「まあ、ざっくり言えばな」

 ピカチュウ「ピカッ、ピカチュウ」

 

 リコ(シンヤ、そんな大変なことをやってたんだ。シンヤがバトルに強いのも、さっきあんな場所に真っ先に向かって行った理由も、今なんとなく分かったような)

 

 フリード「シンヤ、話してくれてありがとな」

 

 オリオ「ねぇ、ゼクロムはレシラムと戦った時、シンヤの指示を聞いてくれたの?」

 

 シンヤ「もちろん聞いてくれたよ。おかげでレシラムに勝ってたわけだし」

 

 マードック「ゲットしたわけでもないのに、よく言うことを聞いてくれたな」

 

 シンヤ「ゼクロムが俺を認めてくれたって、Nはそう言ってたけど」

 

 モリー「そのNって人は、ジュンサーに逮捕されなかったの?」

 

 シンヤ「アイツは逮捕されるような悪いことをしてないからな。アイツは、ポケモンのことを大切に思ってる、優しいやつだから」

 

 ロイ「へぇ〜、会ってみたいな」

 

 シンヤ「旅をしてる時に会えたらな。さて、もう寝よう」

 フリード「そうだな。話が長くなって、もう寝る時間を過ぎちまった」

 

 シンヤはリコたちに、自分がイッシュ地方でどんな冒険をしてきて、ゲーチスたちプラズマ団と戦ってきたか、どうやってゼクロムと出会うことになったのか、その全てを詳しく説明した。シンヤの話を黙って聞いていたリコたちは、シンヤの話してくれた内容に驚いていた。シンヤの話が終わると、みんなはそれぞれ自分の部屋に戻って眠りについた。そして次の日の朝、ダイアナがリコとロイにポケモンバトルをしようと提案してきた。

 

 ブレイブアサギ号・ウイングデッキ

 

 ロイ「僕たち2人で…」

 リコ「おばあちゃんとバトルを?」

 

 ダイアナ「昨日あんなことがあった後だし、いろいろ考えることや、思うところもあっただろうさ。だけど、アンタたち二人は、もう立派なポケモントレーナーなんだ。そんなウジウジモヤモヤした気持ちを吹き飛ばすには、ポケモンバトルに限るのさ!」

 

 リコ「…」

 

 シンヤ「リコ、やってみろよ。自分の力がどこまでダイアナさんに通じるのか、それを試してみろ」

 

 リコ「シンヤ…」

 

 シンヤ「ロイもレックウザとバトルするつもりなら、少しトレーニングをしといた方がいいだろ。俺やフリードとばかりバトルしても、マンネリになるからな」

 

 ロイ「そうだね。リコ、やろうよ!」

 リコ「うん!」

 

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 ホゲータ「ホンゲ!」

 

 ダイアナ「よし、決まりだね!」

 ウインディ「ウィン!」

 

 ダイアナ「じゃあシンヤ、バトルの審判をお願いできるかい?」

 

 シンヤ「えっ?俺がですか?…分かりました」

 

 こうして、リコとロイVSダイアナのポケモンバトルが行われることになり、このバトルの審判はシンヤがすることになった。そのバトルを見届けるために、モリーとドットを除く船のメンバーが全員がウイングデッキにやってきた。ドットは部屋からライブ映像でバトルを見るために、スマホロトムをウイングデッキに向かわせた。

 

 シンヤ「ゴホン。これより、リコとロイのチームVSダイアナさんによる、ポケモンバトルを始めます。使用ポケモンは各自一体。そして、ニャオハとホゲータの攻撃が一回でもウインディに当たった場合、リコとロイの勝利になります!」

 

 リコ「このルールって…」

 ロイ「前に、キャップとバトルした時と同じルールだ」

 

 ダイアナ「アンタたちの力を見せてみな!」

 ウインディ「ウィーン‼︎」

 

 リコ「分かった!」

 シンヤ「じゃあ始めるぞ。バトル開始!」

 

 リコ「いくよニャオハ!『このは!』」

 ニャオハ「ニャオハ!」

 

 ダイアナ「ウインディ!『しんそく』だ!」

 ウインディ「ウィーーンッ!」ダッ‼︎

 

 ダァァァン‼︎

 

 ニャオハ「ニャー⁉︎」

 

 シンヤ(ダイアナさんのウインディはよく育てられるな。ここまで強くて早いウインディは、俺も見たことがない。…ジュンサーさんのウインディも、あれだけ強ければな)

 

 シンヤから見ても、ダイアナのウインディは素早かった。恐らくダイアナのウインディは、ジムリーダーや四天王のポケモンにも匹敵する程だとシンヤは思っていた。

 

 リコ「ニャオハ、大丈夫?」

 ロイ「ホゲータ!『かえんほうしゃ!』」

 

 ホゲータ「ホンゲェェ‼︎」

 

 ダイアナ「ウインディ!こっちも『かえんほうしゃ!』」

 

 ウインディ「ウィィーーンッ!」

 

 ウインディの「しんそく」がニャオハに直撃すると、ロイはホゲータに「かえんほうしゃ」を指示をした。すると、ダイアナもウインディに「かえんほうしゃ」の指示をした。ホゲータとウインディの「かえんほうしゃ」が勢いよくぶつかり合うが、力の差は火を見るより明らかだった。ウインディの「かえんほうしゃ」はホゲータの「かえんほうしゃ」を押し返し、そのままホゲータを飲み込んでダメージを与えた。

 

 ロイ「ホゲータ!」

 ホゲータ「ホゲゲ…」

 

 シンヤ(ダイアナさん、容赦ねぇな)

 ピカチュウ「ピカッ…」

 

 ダイアナ「まだまだいくよ!ウインディ!『にほんばれ!』」

 

 ウインディ「ワオォォッーーン!」

 

 ニャオハとホゲータが倒れると、ウインディは青空に雄叫びを上げて「にほんばれ」を発動した。すると、空の雲が流れていき、太陽の日差しがより強くなった。

 

 シンヤ(畳み掛けてきたな)

 

 ロイ「こっちだって負けない!ホゲータ!『じだんだ!』」

 

 ホゲータ「ホンゲェッ!」

 

 フリード「ウインディに『じだんだ』は効果抜群。いいぞ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカピカ!」

 

 ホゲータがその場で足踏みをすると、ホゲータの足元から、バトルフィールドの一部の破片がウインディに向かって飛んでいくが、ウインディはそれをジャンプしてかわした。

 

 ロイ「惜しい!後ちょっとだったのに」

 リコ「ニャオハ!『このは』いっぱい!」

 

 ニャオハ「ニャオハ!」

 ダイアナ「ウィンディ!『かえんほうしゃ!』」

 

 ウインディ「ウィィーーンッ!」

 

 ウインディが「じだんだ」をかわすと、ニャオハが「このは」でウインディを攻撃するが、ウインディは「かえんほうしゃ」を放ち、全ての「このは」を焼き払うと、そのままニャオハにダメージを与えた。

 

 フリード「『にほんばれ』の影響で、『かえんほうしゃ』の威力が上がってるな」

 

 シンヤ(技を使うタイミングがとても絶妙だ。やっぱりダイアナさんは強いぜ)

 

 ダイアナ「ほらほらどうした?こっちは準備運動にもなってないよ。アンタたちの力はこんなもんなのかい?」

 

 ロイ「ダイアナさん、やっぱり強い」

 リコ「どうしたら…」

 

 シンヤ「リコ、ロイ、ニャオハとホゲータを見てみろ」

 

 リコ・ロイ「「えっ?」」

 

 リコとロイは、さっきからダイアナとウインディに苦戦して、なかなか攻撃を当てられずにいた。どうすればウィンディに攻撃を当てられるのかを考えていると、審判をしているシンヤに、ニャオハとホゲータを見るように言われたので、リコとロイはニャオハとホゲータを見た。すると、ニャオハの体から緑色の光が出て、ホゲータは頭の黄色いトサカが輝いていた。

 

 リコ「ニャオハ?」

 ロイホゲータ?」

 

 リコ「これって、『にほんばれ』の影響なのかな?」

 ニャオハ「ニャオハッ!」

 ホゲータ「ホンゲッ!」

 

 リコ「ニャオハ……分かった!」

 ロイ「まだまだいけるよな、ホゲータ!」

 

 ニャオハ「ニャオハ!」

 ホゲータ「ホンゲ!」

 

 オリオ「盛り上がってきたじゃん!」

 マードック「二人とも、ここから大逆転だ!」

 

 リコ「ロイ。私たちなりの戦い方で、おばあちゃんとウインディを攻略しよう!」

 

 ロイ「僕たちなり………そっか…ホッホッ‼︎ホッホッゲ‼︎ホッホッ‼︎ホッホッゲ‼︎」

 

 ホゲータ「ホッホッ‼︎ホッホッゲ‼︎ホッホッ‼︎ホッホッゲ‼︎」

 

 ダイアナ「どうしたんだい2人とも?いきなり歌いだして」

 ウインディ「ウィン?」

 

 シンヤ「ハハッ。ロイの十八番が出たか」

 ピカチュウ「ピカッ」

 

 リコ「ニャオハ!『このは!』」

 ニャオハ「ニャオハ!」

 

 ダイアナ「そんな手を使って気を引こうたって無駄だよ。ウインディ!『しんそく!』」

 

 ウインディ「ウィィーン‼︎」ダッ‼︎

 

 リコ「ニャオハ!」

 ロイ「ホゲータ!」

 

 リコ・ロイ「「滑りこんで!」」

 

 リコがニャオハに「このは」の指示をすると、ニャオハが「このは」でウインディを攻撃するが、ウインディは「しんそく」を使って「このは」をかわし、そのままニャオハとホゲータに向かってまっすぐ走ってきた。ウィンディの攻撃がニャオハとホゲータに当たりそうになるが、リコとロイがニャオハとホゲータにウインディの下に滑り込むよう指示を出すと、ニャオハとホゲータはウィンディの足元に滑り込んで攻撃をかわした。

 

 リコ「ニャオハ!『このは!』」

 ホゲータ「ホゲータ!『かえんほうしゃ!』」

 

 ニャオハ「ニャオハー!」

 ホゲータ「ホォォゲーッ!」

 

 ダイアナ「ウインディ!『かえんほうしゃ』だ!」

 ウインディ「ウィィーーンッ!」

 

 ニャオハとホゲータがウインディの下に滑り込んで「しんそく」をかわすと、ニャオハは「このは」で、ホゲータは「かえんほうしゃ」を放ってウインディを攻撃するが、ウインディは「かえんほうしゃ」を放って「このは」を消し飛ばすと、さっきと同じようにホゲータと「かえんほうしゃ」のぶつけ合いをした。

 

 ダイアナ「ほう、なかなかやるね」

 

 ロイ「負けるなホゲータ!頑張れ〜〜!」

 ホゲータ「ホンゲ〜〜!」

 

 シンヤ(2人とも、なかなか考えたな。……あれ?ニャオハの姿が見えない?)

 

 リコ「今だよニャオハ!『ひっかく!』」

 ニャオハ「ニャオハァァーッ!」

 

 ダァン‼︎

 

 全員「「「あっ‼︎」」」

 

 ウインディ「ウィン?」

 

 リコ「ロイ!ウインディに攻撃が当たったよ!」

 ロイ「うん!やったね!作戦成功だよ!」

 

 シンヤ「フッw、ダイアナさんのウインディに攻撃が当たったので、このバトル、リコとロイのチームの勝ち!」

 

 リコ・ロイ「「やったぁ!」」

 

 ニャオハ「ニャオハ!」

 ホゲータ「ホゲゲ!」

 

 ダイアナ「まさか、撃ち落とした「このは」の白い煙に紛れて、ニャオハが姿を隠し、ホゲータが囮になっている隙に、ニャオハが煙に紛れてウインディを攻撃するとはね。こりゃ一本取られたよ」

 

 前回のキャップと同じ変則ルールの時は、リコもロイもキャップに翻弄されっぱなしだったが、今回は以前と違い、ダイアナとウインディを相手に勝利を掴み取った。これは、リコとロイのバトルの実力が確実に上がっていることを意味している。

 

 フリード「ウインディとの体格差を利用した作戦か…」

 シンヤ「よく考えられてたぜ。2人とも」

 ピカチュウ「ピカッチュウ!」

 

 リコ「私たちなりのやり方でなら、いけるかもって思ったんだ」

 

 ロイ「ホゲータがウインディの気を引いているうちに、ニャオハがウインディに攻撃できるチャンスを作ってくれたんだ」

 

 ダイアナ「それに、『にほんばれ』の効果に気づけたのも合格だよ」

 

 ロイ「ホゲータ、頑張ったぞ!」

 ホゲータ「ホンゲ!」

 

 リコ「ニャオハもだよ」

 ニャオハ「ニャオハ!」

 

 シンヤ「前回のキャップとのバトルの時に比べれば、すごい成長の速さだ。2人とも、確実に強くなってるぞ」

  

 ロイ「うん!」

 リコ「ありがとう!」

 

 ダイアナ「相手がどれほど強い強敵でも、戦い方は必ずある。その答えを見極めるまで、トレーナーは諦めちゃいけない。2人とも分かったね」

 

 リコ・ロイ「「はい‼︎」」

 

 ロイ「僕たち、まだまだ強くなれるし、出来ることもいっぱいあるんだ!」

 

 リコ「うん!私もまだまだ強くなりたいし、トレーナーとしても成長したい!」

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…ピッ。

 

 モリー『リコ!テラパゴスが目を覚ましたよ!』

 

 救護室

 

 パクッパクッパクッ…モグモグッ(木の実を食べる)

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 ミブリム「ミィ〜!」

 

 シンヤ「それだけ食欲があれば、もう大丈夫だな」

 リコ「うん。テラパゴスが元気になってよかった」

  

 モリーからテラパゴスが目を覚ましたと連絡をもらうと、シンヤたちは全員で救護室に向かった。テラパゴスは目を覚ましたばかりだが、木の実の乗った皿を目の前に置かれると、あっという間に木の実を平らげた。テラパゴスが元気なった姿を見ると、ミブリムは嬉しそうにベッドの上を走っていた。

 

 シンヤ「リコ、ロイ」

 リコ「ん?」

 ロイ「なに?」

  

 シンヤ「俺もさ、昨日の件でいろいろ混乱してるし、ルシアスやリュウセイ、それにレックウザやラクアのことも、まだまだ分からないことだらけだ。でも、少しずつではあるけど、確実にレックウザとラクアに近づいてるし、最初の頃に比べれば、リコとロイも強くなってるんだ。だから、焦らずゆっくり、俺たちのペースで冒険を続けて、謎を解き明かして行こう」

 

 リコ「シンヤ…うん、そうだよね。私たちのやり方で冒険を続けよう!」

 

 ロイ「うん!今度はレックウザをゲットしてみせる!」

 

 リコ(シンヤの言う通り、最初の頃に比べれば、私は強くなってるんだ。ルシアスのこと、リュウセイのこと、ラクアのこと。まだまだ分からないことだらけ。でも、だからこそ、私はそれを知るために、シンヤと、ライジングボルテッカーズのみんなと、ニャオハと一緒に、これからも旅を続けるんだ!)

 

 エクスプローラーズのアジト

 

 ウィーン(扉が開く音)

 

 アメジオ「戻った」

 ソウブレイズ「ブレイッ」

 

  ハンベル「おかえりなさいませ、アメジオ様。黒いレックウザと接触したようですね。後ほどギベオン様との謁見がございますので、詳しい話と報告は、そこでお願いします」

 

 アメジオ「分かった…」

 

 ハンベル「何か気になることが?」

 

 アメジオ「…レックウザを逃した!」

 

 ハンベル「では、レックウザを捕獲するために、何が必要か理解されましたか?」

 

 アメジオ「ああ。…俺には力が必要だ!力が欲しい!」

 

 To be continued

 

 次回予告

 

 シンヤとフリードがダイアナと話をしている時、ダイアナが船を降りることを聞いたリコとロイは、ダイアナのお別れパーティーをやることを計画した。

 

 次回「リコとダイアナ、再会を誓ってそれぞれの旅に!」

 





 土日なら1話ぐらい書けると思ってたんですが。ゼクロムとレックウザとカイオーガのバトルをどうやって終わらせようかと考えていたとの、カイオーガの鳴き声を考えたりとか、内容を考えていたら投稿が遅れました。早いペースで書ければ2〜3日で書いて投稿するのですが、今回は4日かかりました。

 
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