ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 シンヤたちの前に現れた、ゲーチスとサンゴとオニキスの3人は、以前出会った海パン野郎が言っていた、怪しい奴らが建てたという建物の方角に飛んで行った。もしかしたら、その建物はエクスプローラーズが建てたのではないかと考えたシンヤとフリードは、それぞれ自分たちのリザードンに乗り込み、白い建物に向かって行った。



第44話『シンヤ・ゼクロムVSゲーチス・キュレム!レックウザ捕獲作戦!』

 

 島の空の上

 

 シンヤ「この島か」

 ピカチュウ「ピーカッ」

 

 フリード「シンヤ、今回はあくまで偵察だからな。間違っても1人で突っ込んだりするなよ」

 

 シンヤ「俺がいつ1人で突っ込んだ?」

 

 フリード「ゼクロムに乗り込んで、アメジオとレックウザのバトルに突っ込んで行った時があったろ」

 

 シンヤ「あれはレックウザを守ろうとしたっていうか、止めるっていうか…」

 

 フリード「とにかく。今回は1人であんな無茶をしようとするなよ」

 

 シンヤ「分かったよ。……あれは!」

 

 フリード「んっ?どうした?」

 シンヤ「あれを見ろよ!」

 フリード「んっ?……!」

 

 シンヤとフリードはリザードンに乗って、以前スナップ小僧たちが撮った写真に写っていた、ハッコウシティの港近くの島にやってきた。2人が空の上から建物をじっくりと観察していると、シンヤが何かを見つけて、それをフリードに伝えた。シンヤが見つけたのは、建物の周りを飛んでいるポケモンたちだった。そのポケモンたちは、以前シンヤとフリードが戦った、《オーベム》と《レアコイル》だった。

 

 フリード「あのオーベムとレアコイル…まさか!」

 

 シンヤ「ああ、前にハッコウシティで戦った、レアコイルとオーベムで間違いない。……アイツは!」

 

 シンヤとフリードの2人は、建物の周りを飛んでいるレアコイルとオーベムを見ると、そのオーベムたちが、以前ハッコウシティの路地裏で戦ったオーベムたちだと確信した。そして、シンヤが建物の下の方を見ると、建物の下の入り口の扉の前に、以前フラダリと一緒にいた、《ブラッキー》を連れた1人の男が立っているのを見つけた。男は扉のパスワードを入力すると、そのまま建物の中に入ろうとしたので、シンヤは男の後ろ姿をスマホロトムのカメラ機能で撮り、オーベムやレアコイル、建物の写真を撮っておいた。

 

 シンヤ「今建物の中に入った男、以前フラダリと一緒にいた男だ。それにあのブラッキーも、貨物船でルカリオとバトルしたポケモンで間違いない」

 

 フリード「何⁉︎本当か?」

 

 シンヤ「やはりこの建物は、エクスプローラーズが建てたものとみて間違いないな」

 

 フリード「……シンヤ、一旦船に戻って作戦を立てるぞ」

 

 シンヤ「分かった」

 

 建物の周りを飛んでいるレアコイルとオーベム。フラダリと一緒にいた男とブラッキー。そして、扉のパスワードを入力。これだけでも、この建物はエクスプローラーズが建てたものであるという確証が出た。シンヤたちはすぐに船に戻り、ミーティングルームに集まった船のメンバーに、島で撮った写真をみんなに見せた。

 

 ブレイブアサギ号・ミーティングルーム 

 

 シンヤ「島に建てられた写真を撮ってきた」

 

 スッ(建物の写真を見せる)

 

 ロイ「あっ!スナップ小僧さんたちの写真と同じだ」

 

 シンヤ「それと、リコ、ロイ、この写真を見てくれ」

 

 (レアコイルの写真)

 

 (オーベムの写真)

 

 (男の写真を見せる)

 

 ロイ「あっ、この人!」

 

 リコ「前にハッコウシティで、私のペンダントを奪った人だ!」

 

 シンヤ「なるほど。じゃあコイツがスピネルってわけか…」

 

 マードック「奴らは一体何をしようってんだ?」

 

 シンヤ「ゲーチスとサンゴは、黒いレックウザを呼び出して、その後に捕獲すると言ってたけど」

 

 オリオ「あの六英雄のレックウザを⁉︎」

 

 モリー「一体どうやってレックウザを呼ぶわけ?」

 

 フリード「恐らく、何らかの技術を使って、黒いレックウザを呼び出すつもりだろう」

 

 ロイ「アイツらに黒いレックウザを渡したくない!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 シンヤ「奴らがレックウザを捕える気なら、ここで手をこまねいているわけにもいかない。フリード、こっちから乗り込もうぜ!」

 

 フリード「ああ、もちろんだ!」

 

 ドット『僕は念の為に、停止プログラムを作っておくよ』

 

 リコ「停止プログラム?」

 

 ドット『どんなシステムでも、ダウンさせることができるプログラムだよ。スピネルだけは許せないからね』

 

 フリード「分かった。だが、いつ奴らが行動を開始するか分からない。俺はすぐに島に向かう。シンヤ、お前も来てくれるか?」

 

 シンヤ「当然!ゲーチスがいるんだから、俺は止められてもいくぜ!」

 

 ピカチュウ「ピーカッ!」

 

 ロイ「シンヤ!フリード!」

 リコ「私たちも行く!」

 

 シンヤ「リコ、ロイ」

 

 フリード「ダメだ。シンヤはともかく、お前たち2人には危険すぎる」

 

 リコ「お願い連れてって!」

 

 ロイ「僕たちだって、レックウザを守りたいんだ!」

 

 フリード「2人とも…」

 

 シンヤ「いいんじゃないか。2人を連れてっても」

 

 フリード「シンヤ…」

 

 シンヤ「リコとロイもここまで頑張ってきたんだ。もしもの時は、俺が2人をフォローするし、危険なことをしないって条件で連れて行けばいいだろう。あくまで2人は、俺たちのサポートってことでさ」

 

 フリード「……フッ、いいだろう。2人とも、俺とシンヤの指示をちゃんと聞けよ」

 

 リコ・ロイ「「はい!」」

 

 シンヤ「っで、どうやってこの島まで行くんだ?さっきみたいに、リザードンに乗って行くのか?」

 

 フリード「いや、リザードンだと気づかれる恐れがある。この船にはボートがあるから、それで行こう。じっちゃん、操縦をお願いできるか?」

 

 じっちゃん「うむ」

 

 フリード「島の反対側から上陸しよう。残りのメンバーは船で待機、いつでもブレイブアサギ号が発進ができるように、準備を頼む!」

 

 全員「「「OK!」」」

 

 シンヤ(……もしもの時のために、ナナカマド博士からアイツを送ってもらうか)

 

 ピッピッ(スマホロトムをタッチする)

 

 

 海の上

 

 

 シンヤ(ゲーチスがいるってことは、マツブサたちもいる可能性が高い。最悪の場合、グラードンやカイオーガとまた戦うことになる。もしもの時は、リコたちを巻き込まないように、俺1人で戦わないとな)

 

 フリード「島が見えてきたぞ!」

 

 島に向かう準備を終えると、シンヤたちは早速ボートに乗り込み、ハッコウシティ港近くの島に向かった。無事に島に到着すると、着ていた救命胴衣をボートに置き、浜辺にボートをつけて島に上陸した。

 

 ハッコウシティ港近くの島

 

 フリード「これから森を通って建物まで行くが、物音を立てないように進む。罠が仕掛けられている可能性もあるから、みんな気をつけろよ」

 

 リコ・ロイ「「うん!」」

 ランドウ「うむ」

 シンヤ「ああ」  

 

 島に無事に上陸したシンヤたちは、大きな音を立てないように、森の中を歩き進んで行った。森の中を進んでいると、ビビヨンやミツハニー、そしてビークインなどの、この島に住んでいるむしポケモンに遭遇したが、ポケモンたちはなにやら怯えている様子だった。

 

 リコ「あまりに人に慣れてないのかな?」

 

 シンヤ「フリード、先に進もうぜ」

 

 フリード「そうだな」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカチューウ!」

 

 全員「「「しぃ〜〜‼︎」」」

 

 パッ(キャップが口を押さえる)

 

 キャプテンピカチュウ「ピッ」

 

 シンヤたちは森の中を歩き続け、森の中を抜けると、目的地の建物の目の前に辿り着いた。シンヤとフリードが茂みの後ろから、建物の周りに見張りがいないかを確認すると、シンヤたちは柵を乗り越え、建物の扉の前にやってきた。フリードは一旦全員に手で待ったと制止すると、建物の入り口のドアノブに手を置き、ゆっくりとドアノブを回した。

 

 ガチャ(ドアノブを回す)

 

 フリード「ッ!…開いてる」

 

 シンヤ「それって!」

 

 フリード「ああ。さっきの男はパスワードを入力して扉を開けた。それが開いてるとなると…」

 

 シンヤ「あからさまに罠だな。……フリード、俺が中に入って様子を確認してくる」

   

 フリード「なっ!馬鹿を言うな。お前1人で行かせられるか」

 

 リコ「そうだよ!シンヤ1人でなんて危ないよ!」

 

 シンヤ「俺の実力は分かってるだろ。大丈夫だって」

 

 フリード「…分かった。ただし、俺も一緒に行く」

 

 シンヤ「フリード…」

 

 フリード「お前の実力は認めてるが、敵は何人いるか分からないんだ。念の為に、2人1組で行動した方がいい」

 

 シンヤ「…分かった」

 

 フリード「よし。俺とシンヤで中に入るから、じっちゃんはリコとロイを頼む」

 

 ランドウ「うむ」

 

 シンヤ「リコ、ロイ、もしもの時は、2人で対処してくれ」

 

 リコ・ロイ「「うん!」」

 

 フリード「さぁ、行くぜシンヤ」

 

 シンヤ「おう!」

 

 パスワードを入力して入る扉が開いていたことで、シンヤとフリードの2人は、これが明らかに罠だと気づいた。シンヤはピカチュウと一緒に中に入ろうとすると、1人では危ないとフリードとリコに止められたので、フリードも一緒に建物の中に入ることになり、シンヤがドアノブを回して扉を開けると、先にピカチュウとキャップが部屋の中に一緒に入って行き、シンヤとフリードも中に入った。2人は部屋の周りを見たが、部屋の中は真っ暗で何も見えなかった。そして奥に進もうと、シンヤがドアノブから手を離した次の瞬間。

 

 ギィィィィ(扉が勝手に閉まる)

 

 バタンッ(扉が閉まる)

 

 ピーー(鍵がかかる音)

 

 シンヤ・フリード「「なっ!」」

 

 ピカチュウ・キャップ「「ピカッ!」」

 

 扉の外

 

 ガチャガチャ(ドアノブを回す)

 

 ロイ「開かない!」

 

 ドンドンッ(扉を叩く)

 

 ロイ「フリード!」

 

 リコ「シンヤ!」

 

 扉の中

 

 フリード「やはり罠だったか。それに…」

 

 シンヤ「ああ。隠れてないで出てこいよ!そこにいるのは分かってるんだ!」

  

 ???「おや、私の気配に気づいていましたか」

 

 フリード「お前は…」

 

 扉が勝手にしまり、鍵までかかってしまったことで、シンヤとフリードは建物の中に閉じこめられてしまった。そして、シンヤとフリードは、この部屋の中に自分たち以外に誰かいることに気づき、シンヤが正体を見せろと言うと、2人に声をかけてくる謎の男がいた。すると、男の隣にいたポケモンの模様が光りだすと、真っ暗だった部屋の中が少し明るくなり、声の主の男がシンヤたちの前に歩いてきた。

 

 フリード「その声、聞き覚えがあるな。やっと面を拝めたぜ。とんだ恥ずかしがり屋さん」

 

 スピネル「初めまして、フリード博士。そして、世界チャンピオンのシンヤさん」

 

 シンヤ「初めましてもなにも、俺とフリードは、以前ハッコウシティの路地裏でお前と戦ったことがあるし、俺は貨物船でもお前とバトルしたことがあるんだがな」

 

 スピネル「そうでしたね。では、改めて初めましてですね」

 

 シンヤ「あの時、俺はフラダリしか見てなかったけど、お前がスピネルか?」

 

 スピネル「名前を覚えていてもらって光栄ですよ」

 

 フリード「閉じ込めたのが俺たち2人だけで残念だったな」

 

 スピネル「構いませんよ。子供たち相手に、本気の我々が遅れを取るわけがありませんので」

 

 シンヤ「ペンダントを取り返されたくせによく言うぜ。…まあ、そっちから黒いレックウザを呼び出すって喋ってくれたおかげで、こっちから先手が取れたんだけどな」

 

 スピネル「…サンゴが情報を漏らしたのは想定内ですよ。この建物は、あなたたち2人を閉じ込めるために用意したのです」

 

 シンヤ「俺たち2人を閉じ込めるためだけに、こんな建物を建造したのかよ」

 

 スピネル「あなたたち2人がここに来るのも想定内ですからね」

 

 フリード「ヘッ、俺たちの行動も読まれてたってわけか」

 

 スピネル「フフッ」

 

 扉の外

 

 シンヤ『リコ!ロイ!じっちゃん!』

 

 リコ「シンヤ!どうしたの!」

 

 フリード『ここはハズレだ!他の場所を探してくれ!俺とシンヤは後で行く!』

 

 ロイ「フリード!どういうこと⁉︎」

 

 リコ「2人とも大丈夫!」

 

 ランドウ「2人とも、落ち着くのじゃ」

 

 リコ・ロイ「「え?」」

 

 ランドウ「フリードもシンヤも、こうなると分かっていたはずじゃ。あの2人なら、己のピンチを切り抜け、後で駆けつけてくるはずじゃ。ワシらは2人を信じて、前に進もう。それが2人の行動に、報いることにも繋がる」

 

 リコ「……うん!」  

 ロイ「分かった!」

 

 リコ「フリードは、ここはハズレだって言ってたよね」

 

 ロイ「うん。他を探してみよう」

 

 リコ(シンヤ……大丈夫だよね?)

 

 リコとロイは、建物の中に閉じ込められたシンヤとフリードを助けようとしたが、フリードにここはハズレだから、他の場所を探してくれと言われた。リコたちは、シンヤとフリードが後で来てくれると信じて、他にエクスプローラーズがいそうな場所を探すために建物を後にした。

 

 リコ(一体、エクスプローラーズはどこに?どうやって黒いレックウザを呼び出すつもりなの⁉︎)

 

 灯台

 

 ピッピッ(スマホロトムをタッチする)

 

 アゲート「これでいい」

 チャーレム「チャーッ」  

 

 アオギリ「だったら、早く黒いレックウザを呼べよ」

  

 ここはパルデア地方にある、どこかの灯台。その灯台の下には、《オニキス》とキョジオーンが立っていて、灯台の上には、エクスプローラーズの幹部の《アゲート》と、オニゴーリに乗った《サンゴ》、そして元アクア団のボス、《アオギリ》がいた。アゲートを除くエクスプローラーズの幹部のメンバーは、シンヤたちライジングボルテッカーズのメンバーと既に接触したことがある。そして、灯台の上にいたアゲートがスマホロトムを操作すると、アゲートの足元に置いてあったスピーカーのような機械が起動し、その機械からポケモンの鳴き声のような音波が流れ始めた。

 

 ♫♫♫(音波)

 

 サンゴ「スピネルが開発して作った機械なんかで、本当に黒いレックウザが来るの?オニだる〜。それより、アメジオぼっちゃんと、マツブサおじちゃん、ゲーチスおじちゃん、フラダリおじちゃんはどこ?重役出勤なわけ?」

 

 アゲート「マツブサはホウエン地方に向かい、フラダリはカロス地方に向かったため、この作戦には参加しない。ゲーチスは後で来ると。だから、作戦は我らだけで行う。それがスピネルの作戦だ」

 

 サンゴ「うわぁ、それってぼっちゃんだけハブられたってことじゃん!ぼっちゃん可哀想!スピネルって、ぼっちゃん嫌いだもんね〜、オニうけ…」

 

 オニキス『無駄口を叩いてる暇があるなら、配置に戻れサンゴ』

 

 ピッ(スピーカー)

 

 サンゴ『わーったよ。うっさいな〜』

 

 オニキス「ハァ…全く」

 

 チャーレム「チャーッ!」

 

 アゲート「近いな…」

 

 アオギリ「来たか!」

 

 建物の中

 

 シンヤ「共鳴発生装置だと?」

 

 スピネル「ええ。これまでのデータを解析し、テラパゴスがレックウザを呼ぶ際に発生させるエネルギーを再現し、それを音波にして空に流し、黒いレックウザを呼び出すのです」

 

 シンヤ「前にリコからペンダントを奪った時に、そんなデータまで取っていたのか」

 

 スピネル「全てゲーチスさんのおかげですよ。あの方には、色々な策を与えて貰っていますからね。今回の作戦も、ゲーチスさんの協力があってこそなし得ているのですから」

 

 フリード「仮に黒いレックウザを呼び出せたとしても、黒いレックウザに勝てるのか?」

 

 シンヤ「それとも、レックウザに勝つ自信があるのは、マツブサのグラードン、アオギリのカイオーガの力があるから、レックウザに勝てるとでも思ってるからか?」

 

 スピネル「こちらにはエクスプローラーズの腕利きが三人もいます。それに、マツブサさんはこの作戦には参加しませんよ。グラードンがいなくても、カイオーガがいれば充分です」

 

 シンヤ(なら、今回はグラードンとは戦わずに済みそうだな。アイツも今は俺の手持ちにいるし。カイオーガが相手なら、相性ではこっちが有利だ)

 

 フリード「意外だな。お仲間の力を借りるタイプだとは」

 

 スピネル「馬鹿なことを言わないでください。全てはこの私とゲーチスさんが利用しているに過ぎないのです。私は、黒いレックウザを戦わずして手に入れてみせます」

 

 シンヤ「随分ゲーチスを持ち上げるな。……いや、汚い手を使うところが、ゲーチスとそっくりだからか」

 

 スピネル「……お喋りはここまでにして、そろそろバトルを始めましょうか。ブラッキー!」

 

 ブラッキー「ブラッキ!」

 

 フリード「だったら俺が…」

 

 スッ(手を前に出す)

 

 フリード「ぉ、シンヤ?」

 

 シンヤ「フリード、コイツの相手は俺にやらせてくれ。コイツはリコの記憶を消してペンダントを奪った奴だ。俺がカタをつける!」

 

 フリード「……分かった。その代わり」

 

 シンヤ「ああ!絶対ぶっ倒してやるぜ!」

 

 スッ(モンスターボールを取り出そうとする)

    

 シンヤ(ッ!この建物は…)

 

 スピネル「気づきましたか?この部屋の中の狭さでは、アナタたちのポケモンたちは充分な力を発揮できません。メガシンカやテラスタルを使って、ポケモンたちをパワーアップさせることも」

 

 シンヤ「そういうことか。こんな狭い場所じゃ、フリードのリザードンの飛行能力も使えない。しかも、小回りが効かない上に、もしメガシンカやテラスタルを使って、威力の上がったポケモンの技が壁にぶつかったら、この建物は崩れる可能性がある」

 

 フリード「当然あっちはそのことを考えた上で、この建物を作ったんだから、建物が崩れたら自分だけ逃げるってことか…」

 

 スピネル「お二人とも計算が速い上に、頭の回転が速いですね。世界チャンピオンとポケモン博士になれるだけはある」

 

 フリード「そこまで計算してこの建物を作ったのかよ」

 

 シンヤ(ゲーチスもそうだが、コイツも相当な策士だな)

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 シンヤ「ピカチュウ……戦ってくれるか!」  

 

 ピカチュウ「ピッカチューウ!」

 

 この部屋で威力の高い技を使えば、建物が崩れる可能性があるため、メガシンカもテラスタルも使えなかった。シンヤはどうやって戦おうかと考えていると、ピカチュウが声を上げたので、シンヤはピカチュウで戦うことに決めた。

 

 スピネル「ピカチュウとは、舐められたものですね」

 

 シンヤ「フッ、飛行船でアメジオと初めてバトルした時も同じことを言われたっけな。俺のピカチュウを舐めてると、痛い目に合うぜ」

 

 ピカチュウ「ピカピカッ」

 

 スピネル「フッ、私はアメジオとは違いますよ。ブラッキー!「バークアウト!」」

 

 ブラッキー「ブラァァーー!」

 

 シンヤ「ピカチュウ!「かげぶんしん!」」

 

 ピカチュウ「ピカッ、ピカッ、ピカッ」

 

 こうして、シンヤVSスピネルの、3度目の因縁の再戦が始まった。バトル開始早々、スピネルは「バークアウト」の指示をブラッキーに出した。ブラッキーが「バークアウト」を放つと、ピカチュウは「かげぶんしん」を使い、ジャンプして「バークアウト」をかわした。ピカチュウが「かげぶんしん」で分身を作ると、ブラッキーはどれが本体か分からず混乱してしまう。ピカチュウはその隙に「かげぶんしん」で作った分身と一緒に、空からブラッキーに突っ込んでいき、「アイアンテール」を発動した。

 

 スピネル「ブラッキー!「リフレクター!」」

 

 ブラッキー「ブラキッ!」

 

 ピカチュウの「アイアンテール」が当たる直前に、スピネルはブラッキーに「リフレクター」を指示した。すると、ブラッキーは「リフレクター」を発動させ、四角いエネルギーの壁を作り、「アイアンテール」のダメージを軽減させた。

 

 フリード(絶妙なタイミングで「リフレクター」を使いやがる。コイツ、口先だけじゃないってことか)

 

 シンヤ「だったらもう一度「かげぶんしん!」」

 

 ピカチュウ「ピカッ、ピカッ、ピカッ」

 

 スピネル「同じ手が二度もこの私に通用すると思いますか!ブラッキー!「でんこうせっか」で払いなさい!」

 

 ブラッキー「ブラッキ!」ダッ!

  

 シンヤ「ピカチュウ!「アイアンテール」で迎え撃て!」

 

 ピカチュウ「チューウ!ピッカッ!」

 

 シンヤの指示で、ピカチュウは再び「かげぶんしん」を使って分身を作り、同じ攻撃をしようとしたが、スピネルはブラッキーに「でんこうせっか」を指示した。すると、ブラッキーは素早く駆け抜け、ピカチュウの分身を消していき、そのまま本体のピカチュウに向かって攻撃しようとした。その瞬間、ピカチュウは「アイアンテール」で迎え撃ったが、攻撃が当たった手応えを感じなかった。すると、ピカチュウは後ろから何かの気配を感じ取り、後ろを振り向くと、ブラッキーがいつの間にかピカチュウの背後に回っていた。

 

 スピネル「ブラッキー!「イカサマ!」」

 

 ブラッキー「ブラッキ!」

 

 ドオーーン!

 

 シンヤ「ピカチュウ!」

 

 ピカチュウ「ピッカチューウ!」

 

 シンヤ(以前は俺と戦うのを避けていたが、コイツの実力も、アメジオたちと同じ幹部クラスってわけか。…さて、どうやってコイツを倒して、リコたちと合流するか…)

 

 ピカチュウ「ピーカッ!」

 

 シンヤ「ん?……あれは!」

 

 ひびがはいった壁

 

 ピカチュウ「ピーカッ」コクッ

 

 シンヤ(なるほど。試してみる価値はあるか)

 

 ピカチュウ「ピーカッ!」

 

 フリード(シンヤとピカチュウ、何か策があるのか?)

 

 キャプテンピカチュウ「ピーカッ…」

 

 浜辺

 

 ロイ「僕たち以外、誰もこの島にはいないのかな?」

 

 リコ「この島から一番近い場所は、ハッコウシティだけど…」

 

 ロイ「なら、ハッコウシティに行ってみよう!」

 

 リコ「でも、もしハッコウシティにいなかったら…」

 

 ロイ「あっ、そっか」

 

 スッ(リュックからテラパゴスが顔を出す)

 

 テラパゴス「パーゴ…」

 

 リコ「テラパゴス?どうしたの?」

 

 テラパゴス「パーゴ!パーーゴ!」

 

 リコ「えっ、あっち?」

 

 建物から浜辺にやってきたリコたちは、エクスプローラーズがいそうな場所はどこかと話し合っていた。すると、リコのリュックの中からテラパゴスが顔を出し、ある場所を見ながら鳴き声を上げた。そして、リコたちはテラパゴスが見ていた方に顔を向けた。テラパゴスが見ていたのは、アオギリたちのいる灯台だった。そして、リコたちがしばらく灯台を見ていると。

 

 ドクンッ!

 

 リコ「あっ!」

 ロイ「これって!」

 

 ニャオハ「ニャァ…」

 ホゲータ「ホンゲェ…」

 

 リコたちは灯台を見ていると、突然何かの気配を感じ取った。この感覚は、以前にも体験したことがある感覚だと、リコたちは感じ取っていた。そして、さっきまで曇っていた空の一部分の雲が晴れていき、そこから太陽の光が差し込んできた。すると、その雲が晴れた場所から、太陽の光と共に、一体のポケモンが舞い降りてきた。

 

 黒いレックウザ「グオオオオーーッ‼︎」

 

 別の場所の灯台

 

 ナンジャモ「ニッ、アナタの目玉をエレキネット!何者なんじゃ?《ナンジャモ》です!おはこんハロチャオ!」

 

 バラバリー「ハラッハラッ!」

 

 ナンジャモ「《ドンナモンジャTV》の時間だぞ‼︎」

 

 ハラバリー「ハラッ!ハラッハラッ!」

 

 ナンジャモ「今日の企画は……って、ん?ん〜〜、なんじゃあれ?」

 

 海の上

 

 ロイ「本当に黒いレックウザが来た!」 

 リコ「急がないと!」

 

 ランドウ「ならば全速力で向かうぞ!ヌオー!」

 

 ポーーン

 

 ヌオー「ヌオーッ!」

 

 ランドウ「後方に向かって「ハイドロポンプ」じゃ!」

 

 ヌオー「ヌオーーッ‼︎」

 

 リコ・ロイ「「うわぁぁぁ‼︎」」

 

 黒いレックウザが現れると、別の灯台で配信をしていたナンジャモや、ボートに乗ってアオギリたちのいる灯台に向かっているリコたちは、黒いレックウザを目撃した。リコたちは、エクスプローラーズが黒いレックウザを呼び出したことに成功したと知ると、ランドウはダイブボールからヌオーを出して、後方に「ハイドロポンプ」を発射してもらい、ボートのスピードを上げて、アオギリたちのいる灯台に急いだ。

 

 エクスプローラーズのいる灯台

 

 ♫♫♫(音波)

 

 黒いレックウザ「グオオッ…」

 

 アオギリ「まさか、本当にレックウザを呼び出すとはな…」

 

 アゲート「これより黒いレックウザを捕獲する。作戦開始!」

 

 アオギリ「よし!カイオーガ!「れいとうビーム!」」

 

 バッシャーーーーーン!(水飛沫の音)

 

 ピンク色カイオーガ「カーーーイッ‼︎」

 

 ドォォォーーーン‼︎

 

 黒いレックウザ「グオーーッッ⁉︎」

 

 アオギリたちエクスプローラーズは、ルシアスの六英雄の中でも最強といわれる《黒いレックウザ》が現れると、速やかにレックウザの捕獲作戦を開始した。アゲートの合図とともに、アオギリは黒いレックウザを捕獲するために、既にボールから出していたカイオーガに指示を出した。すると、海の中に姿を隠していたカイオーガが水飛沫を上げて姿を現すと、「れいとうビーム」を放ってレックウザにダメージを与えた。

 

 アオギリ「いくら伝説のポケモンといえど、同じ伝説のポケモンの弱点となる不意打ちの攻撃は、そう簡単にはかわせねぇだろ」

 

 アゲート「私たちもレックウザを攻撃する!」

 

 サンゴ「しゃー!オニゴーリ!「ふぶき!」」

 

 オニゴーリ「オーーーニッ‼︎」

 

 オニキス「キョジオーン!「しおづけ!」」

 

 キョジオーン「キョッ、ジオーーン!」

 

 アゲート「チャーレム!「サイケこうせん!」」

 

 チャーレム「チャーーァァ!」

 

 ドオオオーーーン‼︎

 

 黒いレックウザ「グオオオッッ⁉︎」

 

 灯台付近

 

 リコ「あっ!」

 

 ロイ「レックウザが!」

 

 ランドウ「2人とも、あそこを見よ!」

 

 リコ・ロイ「「えっ?」」

 

 アオギリたちエクスプローラーズがレックウザに攻撃を仕掛けると、灯台付近にリコたちがやってきた。そして、ランドウが灯台の上の方に指を差すと、リコとロイはそこに目を向けた。アゲートの足元には、スピネルが作った共鳴発生装置の機械が置いてあり、そこからレックウザを呼び出した音波が流れていた。

 

 ロイ「そうか!あの機械を使って、レックウザを呼び出したんだ!」

 

 リコ「早くマードックたちに、このことを知らせないと!」ピッ

 

 ブレイブアサギ号

 

 マードック「なるほどな。奴らは特殊な機械を使って、レックウザを呼び出したのか」

 

 モリー「要はその機械をこわさないと…」

 オリオ「レックウザを奴らに奪われるってことね」

 

 ドット『停止プログラムが完成したよ!』

 

 リコ『本当に⁉︎』

 

 ドット『でも、ここからじゃダメだ。直接そのマシンに、停止プログラムを接続しないと。……だから、それは僕がやる!』

 

 マードック「な、何言ってるんだドット、そんな危険なことを…」

 

 ドット『リコもシンヤもロイも頑張って戦ってるんだ!僕も戦う!』

 

 クワッス『クワッス!』

 カヌチャン『カヌッ!』

 

 ロイ『ドット…』

 リコ『ありがとう!』

 

 マードック「……分かった!オリオ!モリー!船を出すぞ!」

 

 オリオ・モリー「「OK!」」

 

 ようやくドットが作った停止プログラムが完成したが、そのプログラムは、レックウザを呼んだ機械に直接接続しなければならないようだ。そして、ドットがその役を自分でやると言い出すと、危険だとマードックに止められたが、リコたちが頑張って戦っているため、自分も戦うとマードックに強く言い放った。マードックはドットの強い思いを聞くと、オリオとモリーに船を出す準備を頼んだ。

 

 建物の中

 

 ドーーーン

 

 フリード「おっ…」

 シンヤ「この音は…」

 

 スピネル「フッ、とうとう黒いレックウザが現れたようですね」

 

 フリード「何⁉︎」

 

 シンヤ「だったら、早く決着をつけるまでだ!ピカチュウ!」

 

 ピカチュウ「ピーカッ!」

 

 スピネル「ブラッキー!「イカサマ」」

 ブラッキー「ブラッキィ!」

 

 シンヤたちが建物に閉じ込められている間に、エクスプローラーズの作戦は始まり、ついに黒いレックウザがやってきた。それを知ったシンヤは、スピネルとの勝負をつけようと急ぐが、スピネルは「イカサマ」の指示を連続で続け、ブラッキーは尻尾を使い、ピカチュウを壁に叩きつける。

 

 シンヤ「お前、さっきからまともに戦う気がないように見えるな。もしかして、時間稼ぎをしてるのか?」

 

 スピネル「当然でしょう。私の目的は、アナタたちをここに足止めすることですからね、ライジングボルテッカーズの船のメンバーの中で、アナタとフリード博士が主力となっているのですから」

 

 シンヤ「やはりあの時、俺とフリードをハッコウシティの路地裏に呼び寄せたのは…」

 

 スピネル「無論、アナタたちの実力を調べるためです。そのおかげで、色々見たいものが見られましたよ。その結果、アナタたちは力だけではなく、頭脳も高いことが分かりましたからね。そのアナタたちを止めておけば、残りの連中はどうとでもなります」

 

 フリード「コイツそこまで考えて!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピーカ!」

 

 シンヤ「……フッ」

 

 スピネル「んっ?何がおかしいのです?」

 

 シンヤ「いや、残りの連中がどうとでもなるとか言っときながら、ペンダントを奪い返されたのは、どこの誰かなと思ってな」

 

 スピネル「何⁉︎」

 

 シンヤ「確かに、力や頭の計算なら、俺やフリードが上手だろう。けど、力や頭の計算だけが全てじゃない。それに、俺たちがいなくても、きっとリコたちなら、自分たちの力で…いや、仲間たちと力を合わせて、お前たちの野望を打ち砕いてみせるさ!」

 

 フリード「……フッ、シンヤの言う通りだ。向こうにはリコたちだけじゃない、他の仲間もいる。アイツらが力を合わせれば、お前たちの野望を阻止できる!」

 

 スピネル「フッ、いくらアナタたちが吠えたところで、ここから出ることができない状況は変わりませんよ」

 

 シンヤ「…それはどうかな?」

 

 スピネル(っ、ここから出る方法があるとでもいうのか…)

 

 シンヤ「ピカチュウ!そろそろ決めるぞ!「ボルテッカー!」」

 

 ピカチュウ「ピカッ!ピカピカピカピカー、ピカピッカー‼︎」

 

 スピネル「大技を使ってきましたか。ブラッキー!「リフレクター!」」

 

 ブラッキー「ブラッキィ‼︎」

 

 一刻も早くスピネルと決着をつけて、リコたちの元に向かうために、シンヤはピカチュウに「ボルテッカー」を指示した。そして、ピカチュウは走りながら電撃を身に纏うと、ブラッキーに向かって突っ込んで行くが、スピネルはブラッキーに「リフレクター」の指示を出した。すると、ブラッキーはさっきと同じように「リフレクター」を発動させ、四角いエネルギーの壁を作り、「ボルテッカー」のダメージを軽減しようとした。しかし、シンヤはこれを待っていた!

 

 シンヤ「今だピカチュウ!「リフレクター」に「アイアンテール」を叩きつけろ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!ピカピカピカピカー、チューウ!ピッカー‼︎」

 

 バシンッ!(リフレクターに尻尾を叩きつける)

 

 ドオオオーーーン

 

 スピネル「なっ⁉︎」

 

 シンヤ「わりぃな。折角建てた建物の壁を壊しちまって」

 

 フリード「シンヤのヤツ、これを狙ってたのか!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピーカッ!」

 

 ブラッキーが「リフレクター」で壁を作った時、ピカチュウは走りながら「アイアンテール」を発動させ、そのまま尻尾を「リフレクター」に打ち付けた。そして、ピカチュウは「ボルテッカー」を発動したまま、尻尾をバネのようにして後ろに跳ね返ると、ひびのはいった壁に向かって頭から突っ込んでいき、建物の壁を壊すと、外に出る道を作った。

 

 シンヤ「最初にお前が「イカサマ」を使った時、壁にひびができたことをピカチュウが教えてくれたんだ。フリード!キャップ!行くぞ!」

 

 フリード「おう!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカッ!」

 

 スピネル「ブラッキーの「リフレクター」を利用して、ピカチュウのスピードを上げ、更にピカチュウの「ボルテッカー」を利用したイカサマを…」

 

 シンヤ「イカサマをイカサマで返さしてもらったぜ」スッ

 

 ポーーン

 

 シンヤのリザードン「リザァァァ!」

 フリードのリザードン「グオーーッ!」

 

 シンヤ「よっと!」

 フリード「頼むぜリザードン!」

 

 ピカチュウが建物の壁を壊して外に通じる道を作ると、シンヤとフリードは外に走って行き、それぞれ自分のリザードンが入ったボールを取り出し、リザードンたちをボールから出すと、自分のリザードンに乗り込み、リコたちの元に向かった。

 

 空の上

 

 シンヤ「サンキューピカチュウ!お前のおかげで出られたぜ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 フリード「急ぐぞシンヤ!」

 シンヤ「ああ、リザードン急いでくれ!」

 シンヤのリザードン「リザーーッ!」

 

 建物の中

 

 スピネル「まあいいでしょう。レックウザを呼び出す時間は稼げました。…それに、たとえ黒いレックウザを手に入れることができなくても、もう一つの作戦がうまくいけば……ゲーチスさん、後はお願いしますよ」

 

 エクスプローラーズのいる灯台

 

 アゲート「これだけダメージを与えれば、レックウザを捕獲可能だな」

 

 スッ(ハイパーボールを前に翳す)

 

 ロイ「やめろエクスプローラーズ!」

 

 リコ「これ以上レックウザを傷つけないで!」

 

 サンゴ「はぁっ⁉︎アイツら…⁉︎」

 

 アオギリ「島にいたガキどもか⁉︎」

 

 アゲート「ここまで辿り着いたか。だが、少し遅かったようだな」

 

 ザッ(前に立ちはだかる)

 

 オニキス「黒いレックウザは、我らエクスプローラーズが手に入れる」

 

 キョジオーン「ジオーン」

 

 ロイ「お前は!」

 

 リコ「キョジオーンまで!」

 

 アゲート「……んっ?」

 

 ブロロロ(ブレイブアサギ号のエンジン音)

 

 灯台に辿り着いたリコたちは、サンゴのオニゴーリ、オニキスのキョジオーン、アオギリのカイオーガが、黒いレックウザを攻撃している現場に居合わせた。そして、リコとロイの目の前に、オニキスとキョジオーンが立ちはだかる。そして、カイオーガたちの攻撃によって体を凍らされている黒いレックウザをゲットしようと、アゲートがハイパーボールを構えてレックウザに投げようとした時、灯台近くにブレイブアサギ号が飛んできた。

 

 リコ「あっ!ブレイブアサギ号!」

 

 ロイ「ドットが来るまで間に合わせる!ホゲータ!「じだんだ!」」

 

 ホゲータ「ホゲッ!ホゲッホゲッ!」

 

 ドォォォォン!(地響き)

 

 アゲート「クッ!」

 

 パシッ(ハイパーボールを掴む)

 

 オニキス「小賢しい真似を!キョジオーン!」

 

 キョジオーン「ジオーンッ!」

 

 リコ「ニャオハ!「マジカルリーフ!」

 

 ニャオハ「ニャーオ…ハーーッ‼︎」

 

 ダァァァァン!

 

 オニキス「クッ⁉︎」

 

 キョジオーン「ジオッ⁉︎」

 

 アゲートがハイパーボールをレックウザに投げようとすると、ドットが来るまで時間を稼ごうとしたロイは、ホゲータに「じだんだ」を指示した。そして、ホゲータは地面を踏んで振動を起こし、地面が揺れた衝撃で、アゲートは手に持っていたハイパーボールを落としそうになったが、ギリギリでハイパーボールを掴んだ。オニキスはロイたちに邪魔されないように、キョジオーンに「しおづけ」を指示しようとしたが、リコがそれより早く「マジカルリーフ」をニャオハに指示すると、ニャオハは「マジカルリーフ」をキョジオーンに放ち、キョジオーンの動きを止めた。

 

 アゲート「クッ⁉︎…」シュッ!(ハイパーボールを投げる)

 

 ロイ「させない!カイデン!「スパーク」」

 

 ポーーン

 

 カイデン「カーーイッ!」

 

 バシンッ!(ハイパーボールを弾き返す)

 

 アゲート「チッ!チャーレム!カイデンに「サイケこうせん!」」

 

 チャーレム「チャーーアア‼︎」

 

 カイデン「カーーーイッ⁉︎」

 

 オニキスがリコたちの相手をしているうちに、アゲートはレックウザをゲットしようとハイパーボールを投げた。しかしそうはさせまいと、ロイはモンスターボールを投げてカイデンを繰り出し、カイデンに「スパーク」を指示した。そして、カイデンはハイパーボールに嘴からぶつかり、アゲートの投げたハイパーボールを弾き返し、弾き飛ばされたハイパーボールは灯台にぶつかり壊れてしまう。そして、黒いレックウザのゲットを邪魔されたアゲートは、チャーレムに「サイケこうせん」を指示し、チャーレムは「サイケこうせん」をカイデンに向かって放った。技を受けたカイデンは地面に落ちてきたが、カイデンが地面に落ちる前に、ロイはカイデンをモンスターボールに戻した。

 

 ロイ「ありがとうカイデン!ゆっくり休んで」

 

 サンゴ「オニだる〜!お前ら!邪魔すんじゃねえよー!」

 

 リコ「サンゴ!」

 

 サンゴ「オニゴーリ!「かみくだく!」」

 

 オニゴーリ「オーーニッ‼︎」

 

 リコ「あっ!」

 

 ロイ「リコ危ない!」

 

 フリード「リザードン!「かえんほうしゃ!」」

 

 リザードン「リザァァァ‼︎」

 

 オニゴーリ「オニニッ⁉︎」

 

 サンゴ「うわっ⁉︎のやろう!」

 

 フリード「遅くなって悪い!」

 

 リコ・ロイ「「フリード!」」

 

 フリード「待たせたな2人とも!」

 

 リコとロイにレックウザのゲットを邪魔され続けたサンゴは、黒いレックウザからリコたちに狙いを変えて、オニゴーリに「かみくだく」の指示を出すと、オニゴーリは口を開けてリコに迫ってきた。すると、ようやくリコたちののいる灯台付近にフリードがやってきた。そして、フリードがリザードンに「かえんほうしゃ」の指示を出し、リザードンが「かえんほうしゃ」をオニゴーリの前方に放つと、それに驚いたオニゴーリは動きを止めた。

 

 アオギリ「チッ!カイオーガ!レックウザからアイツらに狙いを変えろ!「こんげんのはどう‼︎」」

 

 ピンク色カイオーガ「カーーーイッッ‼︎」

 

 シンヤ「ジュカイン!「リーフブレード!」ゼクロム!「らいげき!」」

 

 ジュカイン「ジューーカッ‼︎」

 

 ゼクロム「ゼーークッ‼︎」

 

 ドオオオオーーーン‼︎

 

 ピンク色カイオーガ「カーーーイッッ⁉︎」

 

 アオギリ「な、何⁉︎」

 

 フリードがリコを守ると、今度はアオギリが、黒いレックウザからリコたちに狙いを変えて、カイオーガに「こんげんのはどう」を指示した。カイオーガは自分の両手の周りに青い小さい球体を発生させて、そこから水のビームをリコたちに発射しようとしたその時、シンヤのゼクロムと、ゼクロムの背中に乗ったジュカインが上空からやってきて、ジュカインはゼクロムの背中から飛び降りると、腕の葉を鋭く尖らせた「リーフブレード」でカイオーガを切りつけ、ゼクロムは体から青く輝く電気を強く放出すると、それを身に纏ってカイオーガに突撃していき、カイオーガにダメージを与えて動きを止めた。

 

 シンヤ「よくやった。ジュカイン!ゼクロム!」

 

 リコ「シンヤ!よかった。無事だったんだね!」

 

 シンヤ「わりぃ!建物から脱出するまで、時間がかかっちまった!…(それにしても、やっぱりカイオーガがいたか。念の為に、さっきナナカマド博士に連絡して、ルカリオとゼクロムを交換しておいて正解だった)…「おっ、あっちもやっと来たみたいだぜ!」

 

 リコ・ロイ「「えっ?」」

 

 マードック『到着したぞ!ドット!』

 

 ドット「よし!」

 

 ロイ「えっ⁉︎」

 

 リコ「嘘⁉︎あれってぐるみん‼︎」

 

 シンヤ「いや、着ぐるみだから…って、そんなことより。ドットのヤツ、何をする気だ?」

 

 ぐるみん「クワッス、カヌチャン、行くぞ!」

 

 クワッス「クワッスッ‼︎」

 カヌチャン「チャッ‼︎」

 

 ぐるみん「せ〜〜のっ!」ダッ!

 クワッス「クワッ!」ダッ!

 カヌチャン「チャッ!」ダッ!

 

 リコ「嘘⁉︎」

 ロイ「ドット‼︎」

 シンヤ「おいおいマジかよ‼︎」

 

 リザードンに乗ったシンヤとフリードが、リコたちのいる灯台付近にやってくると、丁度ブレイブアサギ号も灯台の真上に到着した。そして、ランドウがいつも釣りをしている釣り場のところをシンヤたちが見ると、そこにぐるみんのきぐるみを着ているドットが立っていて、その後ろにはクワッスとカヌチャンが立っていた。シンヤたちはきぐるみを着ているドットが、一体何をする気なのか分からなかったが、しばらくすると、ドットはランドウがいつも釣りをしているところから、灯台に向かってジャンプをしたのだ。ドットがジャンプをした後、クワッスとカヌチャンもドットに続いてジャンプをした。シンヤたちはドットがジャンプしたことに驚き、あんなところからジャンプをして大丈夫かと思っていた。そして、着ぐるみをきているドットが灯台に落ちてきたが、どうやら着ぐるみがクッションの代わりになったことで、ドットは怪我をせずに済み、着ぐるみの上に落ちてきたクワッスとカヌチャンも怪我をせずに済んだようだ。

 

 アゲート「何だこれは?」

 

 アオギリ「ポケモン…じゃねえな?着ぐるみを着たガキか?」

 

 リコ「ドット!その機械を止めて!」

 

 ロイ「その機械を止めれば、レックウザを助けられるんだ!」

 

 チラッ(共鳴発生装置を確認する)

 

 ドット「あれを止めれば!」

 

 アオギリ「おいおい。ガキが1人でこんなところに来て、無事に済むと思うなよ」スチャ

 

 アゲート「そういうことだ。子供相手でも容赦はしない」

 

 チャーレム「レムッ!」

 

 シンヤ「ピカチュウ!「10まんボルト!」」

 

 ピカチュウ「ピッカッチューウ‼︎」

 

 バァァァァン‼︎

 

 アゲート「クッ⁉︎」

 チャーレム「チャッ⁉︎」

 アオギリ「シンヤ!」

 

 ドット「シンヤ!ピカチュウ!」

 

 シンヤ「ドット!今のうちに停止プログラムを!」

 

 ドット「分かった!クワッス!カヌチャン!一緒に来てくれ!」

 

 クワッス「クワッスッ!」

 

 カヌチャン「カヌッ!」

 

 灯台にやってきたドットは、アゲートの足元にある共鳴発生装置を確認すると、それを止めるために動き出そうとした。しかし、ドットの目の前にいるアオギリとアゲートは、ドットの行く手を阻もうとする。そして、アオギリがモンスターボールを構えて、アゲートがチャーレムに指示を出そうとすると、リザードンに乗って灯台近くに来ていたシンヤが、ピカチュウに「10まんボルト」を指示した。すると、ピカチュウはリザードンの背中からジャンプして、電撃をアゲートとアオギリの足元に放つと、アオギリたちの動きを止めた。ドットはその隙に着ぐるみを脱いで、アゲートの足元に置いてある共鳴発生装置の場所まで走って行くと、共鳴発生装置の接続ポートを確認する。そして、スマホロトムを取り出し、ロトムが差し込みプラグの形に変わると、共鳴発生装置の接続ポートにスマホロトムを差し込んだ。

 

 ドット「いっけぇーーーロトム‼︎」

 

 アゲート「しまった!」

 

 アオギリ「チッ!」

 

 ロトロトロトロトロトロト

 

 ピーピーピー(停止プログラムが流れている音)

 

 ピィーー(共鳴発生装置の停止音)

 

 ドット「よしっ!」

 クワッス「クワッスゥ!」

 カヌチャン「ヌチャ!」

 

 アゲート「貴様!」

 

 アオギリ「ガキが舐めた真似してくれるじゃねえか!」

 

 ドット「うっ!」

 ロイ「ドット!」

 リコ「逃げて!」

 

 シンヤ「ピカチュウ!「10まんボルト!」」

 

 ピカチュウ「ピッカッチューウ‼︎」

 

 バァァァァン‼︎

 

 アゲート「クッ⁉︎」

 

 チャーレム「チャッ⁉︎」

 

 アオギリ「またテメェか!シンヤ!」

 

 ドット「あっ!」

 

 シンヤ「リザードン!今のうちにドットたちを!」

 

 リザードン「リザァァァ‼︎」

  

 ドットの作った停止プログラムのおかげで、共鳴発生装置は停止した。しかし、装置を止められたことで、アゲートとアオギリはドットに狙いを変え始めた。その時、再びピカチュウが「10まんボルト」をアゲートとアオギリの足元に放ち、アゲートたちの動きを止めると、その隙にシンヤのリザードンはドットたちを助け出し、リコたちのいるところにやってきた。そして、カイオーガにダメージを与えたゼクロムとジュカイン、そしてフリードたちも、シンヤたちのいるところにやってきた。

 

 ロイ「凄いよドット!」

 

 リコ「やったねドット!」

 

 ドット「ああ。クワッス、カヌチャン、シンヤ、ピカチュウ、リザードン、ありがとう」

 

 クワッス「クワッス!」

 カヌチャン「ヌチャ!」

 

 シンヤ「やったな!」

 ピカチュウ「ピーカッ!」

 リザードン「リザーーッ!」

 

 ???「まさか、あの時の新人トレーナーたちがここまで早く成長するとは、正直驚きましたよ」

 

 シンヤ「お前は!」

 

 エクスプローラーズの野望を阻止し、ようやく全員集合となり、一件落着の雰囲気になっていると、1人の男が現れた。その男は、さっきサザンドラに乗って、サンゴたちにレックウザの捕獲作戦を始めると報告をしにきた、元プラズマ団のボスの《ゲーチス》だった。ゲーチスが現れると、シンヤは自分のポケモンたちを連れてリコたちの元を離れると、ゲーチスの目の前に移動した。

 

 ゲーチス「フフフッ」

 

 シンヤ「ゲーチス、やっぱりいたか」

 

 ゲーチス「あの時の新人トレーナーたちに、黒いレックウザの捕獲を邪魔されるとは、完全に予想外でしたよ」

 

 アオギリ「ゲーチス!テメェどういうつもりだ!」

 

 ゲーチス「どうとは?どういう意味ですか?」

 

 アゲート「今回の作戦は、黒いレックウザを手に入れることが目的だったはずだ。そして、貴様は後で来ると言っていた。だからこそ、後でこの作戦に参加すると思っていたのに、何故この作戦に参加しなかった?」

 

 ゲーチス「これでいいんですよ。これが私とスピネルさんの立てた、作戦なのですから」

 

 アゲート「何⁉︎」

 

 アオギリ「それはどういう意味だ⁉︎」

 

 サンゴ「オニ意味分かんない!」

 

 オニキス「スピネルと立てた作戦だと⁉︎黒いレックウザを捕獲する作戦にアンタが出なかったのも、スピネルとアンタの作戦だとでも言うのか!」

 

 ゲーチス「その通りです。私がレックウザの捕獲作戦に参加しなかった理由は、アオギリさんの持つカイオーガがいれば、黒いレックウザを手に入れることができると思ったからです。だから私はこの作戦に参加せず、アナタたちと別行動を取っていたのです。それでアナタたちが、黒いレックウザを捕獲すれば、それはそれでよし。もしカイオーガを使っても作戦が失敗した場合は、もう1つの別の作戦を始めると、スピネルさんと話し合って決めていたのです」

 

 アオギリ「もう1つの作戦だと?」

 

 アゲート「その作戦というのは、レックウザの捕獲作戦を優先するより、余程重要な作戦なのだろうな?」

 

 ゲーチス「それを今からお見せしましょう。それを見れば、アナタたちも納得するでしょうからね」

 

 カツンッ!(杖を強く地面に突く)

 

 ゲーチス「出でよ!」

 

 ビュウウウウーーー(猛吹雪が吹き荒れる)

 

 全員「「「うっ!」」」

 

 リコ「さ、寒い⁉︎」

 ロイ「な、何これ⁉︎」

 

 シンヤ「この猛吹雪に、体が凍りそうになるこの冷気……まさか‼︎」

 

 アオギリたちは、黒いレックウザを捕獲する時には、ゲーチスが自分たちと合流して、一緒にレックウザを捕獲するものだと思っていたようだが、どうやらゲーチスはスピネルと一緒に、レックウザの捕獲が失敗した場合、何か別の作戦を始めようと計画を立てていたらしい。そして、ドットの活躍で共鳴発生装置が停止したことで、レックウザ捕獲作戦は失敗に終わった。つまり、レックウザの捕獲作戦が失敗したことで、ゲーチスとスピネルの立てた、もう1つの作戦が始まるということになる。その作戦の内容を知らないアオギリたちは、その作戦の内容をゲーチスに聞くと、ゲーチスはそれを見せると言って、手に持っている杖を地面に強く突いた。すると、灯台辺りに猛吹雪が激しく吹いてきた。そして、猛吹雪がおさまると、シンヤたちの目の前に一体のポケモンが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 キュレム「キューーーレーームッ!」

 

 シンヤ「やはり《キュレム》か‼︎」

 

 シンヤたちの目の前に現れたのは、ゼクロムと同じ、イッシュ地方で語られている伝説のポケモンで、頭と羽と尻尾が氷に覆われている、ドラゴン・こおりタイプを持つ、きょうかいポケモンの《キュレム》だった。

 

 フリード「あれはキュレム!」

 

 リコ「キュレムって?」

 

 ドット「シンヤのゼクロムと同じ、イッシュ地方の伝説のドラゴンタイプのポケモンだよ!」

 

 シンヤ「マツブサとアオギリも、グラードンとカイオーガをゲットしてたから、もしかしたらとは思ってはいたが。やはり、ゲーチスもキュレムをゲットしていたのか!」

 

 ゲーチス「いえ、私はキュレムをゲットなどしていませよ。正確には、キュレムを操っているのです!」

 

 シンヤ「操っているだと!」

 

 ゲーチス「ええ。ですが、キュレムを捕獲をすることは出来ませんよ。私の持っている杖から、ジャマーという、ポケモンのゲットを封じる妨害電波を出していますからね」

 

 シンヤ「操られているキュレムをゲットされないようにか…」

 

 アゲート「ゲーチス。貴様がキュレムを手に入れていることは、スピネルは知っているのか?」

 

 ゲーチス「もちろんですよ。キュレムを手に入れることができたのは、スピネルさんのおかげですからね。貨物船での戦いのあと、わざわざイッシュ地方に出向き、《ジャイアントホール》にまで行ったのですから」

 

 アゲート「ならば何故、キュレムを使ってレックウザの捕獲作戦に参加しなかった?キュレムの力があれば、レックウザの捕獲は可能だった筈だ」

 

 ゲーチス「先程言ったとおり、カイオーガがいれば充分だと思ったからキュレムは温存していたのですよ。そして、スピネルさんと立てた作戦を成功させるためにもね」

 

 オニキス「何だ、その作戦というのは?」

 

 ゲーチス「それを今からお見せしましょう。キュレム!「こごえるせかい‼︎」」

 

 キュレム「キューーーレーームッ‼︎」

 

 シンヤ「ゼクロム!「クロスサンダー‼︎」」

 

 ゼクロム「ゼーーーークッ‼︎」

 

 キュレムの登場にリコたちが驚いていると、ゲーチスはキュレムに「こごえるせかい」を指示した。すると、キュレムは凄まじい冷気を放ち、辺りを凍らせながらシンヤたちを攻撃してきた。しかし、シンヤがゼクロムに「クロスサンダー」を指示すると、ゼクロムは尻尾を回転させながら強い電撃を放った。2匹の伝説のドラゴンポケモンの大技がぶつかりあった瞬間、強い衝撃波が発生し、周りの木々は揺れ、波は大きく荒れていた。

 

 シンヤ「みんな大丈夫か?」

 

 リコ「うん!」

 ロイ「大丈夫だよ!」

 

 ドット「なんてバトルだ!」

 

 フリード(シンヤのゼクロムも凄いが、ゲーチスのキュレムも負けてはいない。こんな伝説のポケモン同士のハイレベルなバトル、凄すぎて言葉が見つからねぇ)

 

 ゲーチス「やはり、アナタのゼクロムのパワーは素晴らしい。本当はNの《レシラム》を手に入れるつもりでしたが、アナタのゼクロムでも充分です」

 

 アオギリ「何を言ってんだゲーチス?」 

 

 オニキス「これがレックウザの捕獲作戦を優先するより、重要なことなのか?」

 

 アゲート「これほどの力があるなら、最初からレックウザの捕獲作戦に参加していればいいものを…」

 

 ゲーチス「そう慌てないでください。キュレムの本当の力はこんなものではありませんよ。キュレムの本当の力は、ゼクロムとレシラムがいることで発揮されるのです。これを使うことでね」

 

スッ(懐からあるものを取り出す)

 

 シンヤ「それは!」

 

 ゲーチスは、キュレムの「こごえるせかい」がゼクロムによって防がれると、懐からあるアイテムを取り出した。それは、灰色、黒色、白色の3つの色が混ざっていて、上の部分に黄色の突起がある《くさび》のような形をしていた。

 

 シンヤ「《いでんしのくさび》!」

 

 全員「「「いでんしのくさび!?」」」

 

 ゲーチス「そう。これこそキュレムに真の力を与えることのできる、いでんしのくさび!」

 

 キュレム「キューーーレーームッ‼︎」

 

 パリーーンッ!(キュレムの翼の氷が砕け散る)

 

 フリード「キュレムの翼の氷が!」  

 

 ドット「砕けた!」

 

 ゲーチス「さあ行けキュレムよ‼︎」

 

 キュレム「キューーーレム‼︎」

 

 シンヤ「まずい!ゼクロム飛べ!」

 

 ゼクロム「ゼーーークッ‼︎」

 

 ゲーチスが懐からいでんしのくさびを取り出すと、いでんしのくさびはキュレムの背中の真上に飛んでいき、そのままキュレムの背中に突き刺さるように、キュレムの体内に入っていった。そして、キュレムが雄叫びを上げると、凍っている両翼の氷が砕け散り、ゲーチスがキュレムに指示を出すと、キュレムは翼の先の氷柱のようなところから、光線のようなものをゼクロムに放つと、ゼクロムは飛んでそれをかわし続けた。

 

 ゲーチス「やはりそう簡単にはいきませんか。ならばキュレム!あの少女たちに「こごえるせかい‼︎」」

 

 シンヤ「何‼︎」

 

 キュレム「キューーーレーームッ‼︎」

 

 フリード「リコ!ロイ!ドット!俺たちの後ろに下がれ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピーカッ!」

 ロイ「フリード!キャップ!」

 

 フリード「リザードン!お前の火力で「こごえるせかい」を止めるぞ!」

 

 リザードン「リザァァァ‼︎」

 

 リコ「そんな!ダメだよ‼︎」

 

 ドット「そんなことをしたら、フリードとリザードンが!」

 

 フリード「お前たちにもしものことがあったら、ルッカ先生や長老、ブランカに怒られちまう。それに、俺は責任もってお前たちを預かってるんだ。俺がどうにかしないでどうするんだ?」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「フリード!」」」

 

 シンヤ「クッ!ゼクロム!リコたちを守るんだ‼︎」

 

 ゼクロム「ゼーーーークッ‼︎」

 

 キュレムの光線をゼクロムが飛んでかわし続けていると、ゲーチスはキュレムにリコたちを攻撃する指示を出した。そして、キュレムはさっきと同じように凄まじい冷気を放つと、辺りを凍らせながらリコたちを攻撃してきた。フリードはリコたちを自分の後ろに下がらせて、リザードンの火力で「こごえるせかい」を止めようとするが、恐らくそれでは「こごえるせかい」を止めることができず、最悪リコたちの命が危なくなるだろうと考えたシンヤは、ゼクロムにリコに守るよう指示を出した。そして、「こごえるせかい」がリコたちに直撃する寸前に、ゼクロムはリコたちの前に移動すると、「こごえるせかい」の攻撃からリコたちを守った。

 

 リコ・ロイ「「あっ!」」

 

 ドット「ゼクロムが!」

 

 フリード「すまない。おかげで助かった!」

 

 リコ(シンヤ……ありがとう!)

 

 シンヤ「よくやったゼクロム!」

 

 ゼクロム「ゼ……クッ……」

 

 ゲーチス「…フッ、それがアナタの弱点なのです。理想の英雄よ。やりなさいキュレム!」

 

 キュレム「キューーーレムッ‼︎」

 

 ゼクロムが体を張って守ってくれたおかげで、リコたちは無事だった。しかし、「こごえるせかい」の攻撃を受けたゼクロムは、体が少し凍りついていて、技を出す力さえ残っていなかった。そして、体の凍りついたゼクロムに、キュレムが光線を発射すると、ゼクロムは体を光線に巻き付けられてしまい、そのままゼクロムの体が小さくなっていくと、ゼクロムはキュレムの目の前で、《ダークストーン》になってしまった。

 

 シンヤ・ゲーチスを除く全員「「「!?」」」

 

 サンゴ「オニびっくり!」

 

 オニキス「なんと…」

 

 フリード「ゼクロムが…」

 

 リコ「ダークストーンに戻っちゃった…」

 

 ゲーチス「フフフッ、驚くのはまだ早いですよ。本当に面白くなるのはここからです。キュレムよ!ゼクロムをその身に取りこみ、その力を我がものとせよ!《吸収合体》です‼︎」

 

 シンヤ以外の全員「「「吸収合体!?」」」

 

 シンヤとゲーチス以外の全員が、ゼクロムがダークストーンになったことに驚いていると、キュレムは翼の先から光線を発射して、ダークストーンに戻ったゼクロムを吸収し始めた。すると、キュレムは尻尾の中心から青い電気の玉を作り出すと、その玉は大きくなっていき、キュレムは体全体からゼクロムが放つ青い電気を放出し、放出している電気に身を包み込まれると、キュレムは姿を変え始めた。そして、放出した電気の中から現れたのは、上半身の右半分がゼクロム、左半分がキュレムの特徴を残し、尻尾がゼクロムと似ている、別の姿をしたキュレムだった。

 

 

 

 

 

 

 ブラックキュレム「キューーーーレーーームッ‼︎」

 

 シンヤ「ブラックキュレム!」

 

 ゲーチス以外の全員「「「ブラックキュレム!?」」」

 

 フリード「まさか、ポケモンが合体するなんて…」

 

 ドット「あり得ないよ、そんなこと…」

 

 ゲーチス「フフフッ。ハハハッ!ついに手に入れた!理想の勇者のゼクロムの力を‼︎」

 

 アオギリ「そうか!ゲーチスが狙っていたのは、シンヤのゼクロムを奪って、キュレムをブラックキュレムに変えるためだったのか!」

 

 アゲート「なるほどな。これが貴様とスピネルの作戦だったということか…」

 

 オニキス「確かにこれほどの力が手に入るなら、レックウザの捕獲作戦に参加しなかったのも頷ける」

 

 ゲーチス「その通りですよ。彼にはことごとく、我々の計画を邪魔されてきましたからね。マツブサさんのグラードン、アオギリさんのカイオーガでさえ彼には勝てなかった。そして、彼の持っているダークストーンがゼクロムに目覚めたことによって、こちらの形勢は不利になった。そこで私は考えたのですよ。彼の持っているゼクロムをキュレムに吸収させてブラックキュレムにすれば、こちらの戦力を上げると同時に、アナタに一泡吹かせることができると。それをスピネルさんに相談したら、快く納得してくれました。しかし、それにはレックウザを呼び出す必要があった。レックウザを呼ぶと彼が知れば、以前レックウザとカイオーガと戦ったことがあるゼクロムを、必ず手持ちに入れてくると分かっていましたからね」

 

 シンヤ(…悔しいが何も言い返せないな。さっきスピネルの言っていた、全て自分とゲーチスが利用していると言っていたのは、こういうことだったのか。レックウザが手に入ればそれに越したことはないが、レックウザの捕獲作戦の失敗と、俺がゼクロムを手持ちに加えることまで計算してキュレムを温存していた。俺は完全に奴らの手のひらの上で踊らされていたわけか)

 

 ゲーチス「では、ゼクロムを吸収したキュレムの力がどれほどのものか見せてあげましょう!キュレム‼︎」

 

 シンヤのゼクロムがキュレムに吸収されたことで、さっきまで有利だった状況が一気に変わってしまい、シンヤたちは不利になってしまった。そして、ゲーチスの指示で、ブラックキュレムは羽部下から4つのチューブ状のようなもの出すと、それを小さい穴が開いている尻尾に接続した。すると、ブラックキュレムの尻尾が光り輝き出し、体から電気を放出すると、両手にエネルギーを溜めていく。

 

 シンヤ「あれは!《オーバードライブ》‼︎」

 

 ゲーチス「これこそキュレムがゼクロムを取りこんだ力‼︎キュレム!《フリーズボルト》‼︎」

 

 ブラックキュレム「キューーーーレーーームッ‼︎

 

 シンヤ「リザードン!ジュカイン!「「ドラゴンクロー‼︎」」」

 

 リザードン「リザァァァーーッ‼︎」

 ジュカイン「ジューーカーーッ‼︎」

 

 バァァァァァン‼︎

 

 シンヤ「リザードン!ジュカイン!何とか耐えてくれ‼︎」

 

 リザードン「リザァァァーーッ‼︎」

 ジュカイン「ジューーーッ‼︎」

 

 ドオオオオーーーーン‼︎

 

 フリード「なんつーパワーだ…」

 

 ドット「あんなのくらったら、一発で終わりだよ」

 

 

 ブラックキュレムは両手に集めたエネルギーを溜め終えると、電気を纏った氷の塊をシンヤたちに向かって放ってきた。シンヤは咄嗟にリザードンとジュカインに「ドラゴンクロー」を指示すると、ジュカインとリザードンは「ドラゴンクロー」を発動させ、2人で「フリーズボルト」を受け止めたが、ジュカインとリザードンは「フリーズボルト」の威力に押されていた。そして、「フリーズボルト」はジュカインとリザードンの「ドラゴンクロー」を破ると、軌道を変えて森の木々に直撃した。「フリーズボルト」が森に落ち、森の木々が凍りついたのを見たリコたちは、「フリーズボルト」の恐ろしいほどの威力に言葉が出なかった。

 

 リコ「森が…」

 

 シンヤ「2人がかりでも軌道を変えるのがやっとか……」

 

 ゲーチス「合体した直後だから、これでも少し威力が落ちてるほうなんですがね。今度は外しませんよ!キュレム!もう一度「フリーズボルト‼︎」」

  

 パリィーーン

 

 黒いレックウザ「グオオオオッッ‼︎」

 

 全員「「「!?」」」

 

 ブラックキュレムがもう一度「フリーズボルト」を放とうとしたその時、カイオーガの「れいとうビーム」とオニゴーリの「ふぶき」、そしてキョジオーンの「しおづけ」によって体の自由を奪われていたレックウザは、咆哮を上げると同時に、体についていた氷と「しおづけ」を粉砕した。すると、レックウザは口にエネルギーを蓄えると、「りゅうせいぐん」を発動した。空に打ち上げられたエネルギーは空で解放されると流星となり、シンヤたちやエクスプローラーズがいる周りに降り注いだ。シンヤたちは降ってきた「りゅうせいぐん」をポケモンたちの技で防いだが、降り注いだ「りゅうせいぐん」は、ブレイブアサギ号にも当たりそうになっていた。

 

 バァァァァン‼︎

 

 サンゴ「うわぁ!」

 オニキス「クッ!」

 

 ゲーチス「後一歩のところで!」

 

 ブレイブアサギ号

 

 オリオ「このままじゃヤバいって!」

 モリー「クッ!」

 マードック「一旦この場から離れるぞ!」

 

 灯台付近

 

 フリード「リコ、ロイ、ここを動くなよ」

 

 リコ「うん!」

 ロイ「分かった」

 ドット「うわわわっ!」

 

 シンヤ「ピカチュウ!「10まんボルト‼︎」」リザードン!「かえんほうしゃ‼︎」」

 

 ピカチュウ「ピッカッチューウ‼︎」

 リザードン「リザァァァーーッ‼︎」

 

 バァァァァン‼︎

 

 ビュン‼︎(飛び出す)

 

 サンゴ「この〜!舐めんじゃねぇーぞ‼︎」

 

 オニゴーリ「オーーニッ!」

 

 アゲート「よせサンゴ!深追いはするな‼︎」

 

 オニキス「アイツ!」

 

 サンゴ「ぶっ飛びやがれ!オニゴーリ!「じばく‼︎」」

 

 オニゴーリ「オーーーニッ‼︎」

 

 レックウザ「グオオッッ‼︎」

 

 ドカァァァァーーーーン‼︎

 

 ブレイブアサギ号

 

 マードック「クッ⁉︎」

 オリオ「うわっ⁉︎」

 モリー「うっ⁉︎」

 

 黒いレックウザ「クオオオッッ…」

 

 バァァァァァン(レックウザが飛行船にぶつかる)

 

 フリード「いっ!」

 ドット「あっ!」

 ランドウ「なんと…」

 シンヤ「マジかよ…」

 

 リコ「そんな…」

 ロイ「ブレイブアサギ号が…」

 

 サンゴのオニゴーリは、レックウザに近づいて「じばく」を発動させたが、レックウザはオニゴーリに「りゅうのはどう」を放った。「りゅうのはどう」と「じばく」がぶつかりあうと、強い爆風と衝撃波が発生した。そして、レックウザは技のぶつかり合いにって発生した衝撃波によって、後ろに体を吹き飛ばされると、その先に飛んでいるブレイブアサギ号と激突してしまう。そして、レックウザがブレイブアサギ号にぶつかると、ブレイブアサギ号の一部が壊れてしまった。そして、船は煙を出しながら高度が下がり始めた。果たして、この先どうなってしまうのか?

 

 To be continued

 

 次回予告

 

 シンヤのゼクロムがキュレムに吸収されてしまい、ブレイブアサギ号の一部も壊れてしまった。そして、やっと会えた六英雄のレックウザを前にしたリコたちは、今の自分たちの全てをレックウザにぶつけるため、レックウザにバトルを挑む。

 

 次回「遥か遠くまで!リコ、ロイ、ドット、3人の新たな道!」

 





 遼 彼方さん、9星評価ありがとうございます
 クレイトスさん、9星評価ありがとうございます

 
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