ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
テラスタル研修を受けるため、パルデア地方を巡って旅を続けるシンヤたち。セルクルタウンでは、リコがカエデから基礎テストの合格の証を貰えた。そして、次のテラスタル研修を受けるのはロイに決まったので、シンヤたちが次に向かったのは、コルサがいるボウルタウンだった。
ボウルタウン
ドット「ここが《ボウルタウン》か…」
リコ「ドットは、ここに来るの初めて?」
ドット「うん」
シンヤ「ん?街の人たちやポケモンたちが何かやってるな」
ロイ「お祭りの準備かな?」
コルサからテラスタル研修を受けるため、ボウルタウンにやってきたシンヤたち。しかし、以前ボウルタウンに来た時と違って、街の人たちがポケモンたちと一緒に作業をしていた。えかきポケモンの《ドーブル》と一緒に、ペイントブラシを使って壁にペイントを塗っていたり。どくざるポケモンの《タギングル》が、緑とオレンジのペイントを手につけて、何かを塗っていたり。なにやらみんな忙しそうだった。すると、前の方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
???「ゆっくり、ゆっくり、看板を上にあげてください」
シンヤ「この声って…」
ピカチュウ「ピィカチュ?」
???「おぉ、完成ですね」
フカマル「フカッ!」
シンヤ「やっぱり《ハッサク》さんか」
リコ「ハッサク先生」
ハッサク「ん?…やぁ、皆さん!」
声の主の正体は、以前シンヤたちがオレンジアカデミーで出会った、パルデアの四天王のドラゴンタイプの使い手で、オレンジアカデミーで美術を担当しているハッサクだった。そのハッサクの足元には、ハッサクのポケモンと思われる、りくザメポケモンの《フカマル》がいた。シンヤたちがハッサクに何をしているのかと話を聞くと、どうやら毎年ボウルタウンでは、この時期に《芸術祭》という芸術の祭典が開かれるらしい。そこでハッサクも美術の教師として、ここの手伝いに来ていたようだ。そして、シンヤたちが前の方を見ていると、1人の男性が作品に被せられている布を引っ張った。するとそこから、以前シンヤたちが見たことのある、黒いレックウザがキマワリを睨みつけている彫刻が出てきた。
シンヤ「あれって、前にコルサさんが作ってた」
ハッサク「えぇ、《黒龍に睨まれたキマワリ》です」
ドット「すげぇ…」
シンヤ「あれ完成したんだ」
リコ「でも、どうしてここに?」
ハッサク「あれは、今年の《芸術祭》のシンボルなのです。それに、彼はこの祭典の芸術監督ですから」
リコ「そうなんだ…」
ロイ「コルサさんはジムにいるんですか?僕、テラスタル研修を受けにきたんです!」
ハッサク「おぉ、そうでしたか。では、彼がいるところに案内しましょう」
シンヤたちはハッサクに案内され、コルサがいる場所まで案内してもらった。コルサがいたのは、ジム戦の時に使うバトルフィールドで、そこで何かの作業をしていた。
ボウルタウン・バトルフィールド
ハッサク「《コルさん》」
コルサ「ん?……おぉ、《ハッさん》」
リコ(コルさん?ハッさん?)
ハッサク「仕事の進み具合はどうですか?」
コルサ「問題ない。実にアバンギャルドな仕上がりになるだろう。…ん?キサマたちは…」
シンヤ「お久しぶりです、コルサさん」
ピカチュウ「ピィーカ!」
リコ「あの、コルサさんとハッサク先生って、お友達なんですか?」
ハッサク「えっ?」
リコ「だって、コルさん、ハッさんって、親しい呼び方をしてたから…」
ハッサク「えぇ、私とコルさんは、昔からの知り合いなんです」
コルサ「ハッさんは、私が作品の方向性に迷っていた時に、親身になって導いてくれた、言わば、私の人生の師と言うべき人でな。ハッさんのおかげで、私は数々の作品を生み出ことができたのだ」
リコ「へぇ…」
???「おや、リコにシンヤ君じゃないか!」
シンヤ「えっ?」
リコ「お父さん⁉︎どうしてここに?」
コルサとハッサクの意外な関係にリコが驚いていると、そこにリコの父である《アレックス》がやってきた。
コルサ「アレックスさんが描いた数々の絵本の芸術センス!その片鱗をお借りしたくて、私がこの芸術祭に招いたのだ」
ロイ「こんにちは、アレックスさん」
アレックス「みんな久しぶりだね。研修のほうはどうだい?」
シンヤ「この前、リコが基礎テストを合格しましたよ」
アレックス「それはよかった」
リコ「あっ、お父さん、紹介するね。ドットとクワッス」
ドット「は、初めまして」
クワッス「クワッス!」
アレックス「初めまして。リコから話は聞いているよ」
ハッサク「これは驚きました。リコ君のお父様が、アレックスさんだったとは」
ロイ「あの、コルサさん。僕、テラスタル研修を受けに来たんです!」
コルサ「ああ、テラスタル研修の件は聞いている。それに、私とバトルした時から、キサマがどれほど成長しているのか興味もある」
ロイ「じゃあ…」
コルサ「だが残念ながら、今は芸術祭の準備で私も忙しい。今夜のセレモニーまでに、この新作の作品を完成させねばならないのだ。題して『アカツキのキマワリ』」
シンヤ「アカツキのキワマリ?」
ピカチュウ「ピィカァ?」
コルサ「うむ。キマワリが希望を求めて立ち上がる心を表現したのだ」
オリーニョ「リーニョ〜!」
コルサ「なので、キサマのテラスタル研修は、セレモニーが終わった後だ。それまでキサマらも、今この街で作られている作品のアートな風に触れるがいい」
ロイ「セレモニーが終わるまで待てないよ!」
コルサ「ん?」
ロイはコルサと会うと、早速テラスタル研修を受けてくれるよう頼んだ。コルサも以前ロイとバトルした時から、ロイがどれほど成長しているか興味があるようだった。しかし、コルサは今夜の芸術祭のセレモニーまでに、アカツキのキマワリという新作の彫刻を完成させなければならないようなので、ロイのテラスタル研修は、セレモニーが終わった後でとロイに伝えると、彫刻の近くにいるオリーニョの元に歩いて行き、彫刻の続きを作り始めた。しかし、ロイは今すぐテラスタル研修を受けたいようだった。
ロイ「僕たち、早く強くなって、黒いレックウザともう一度バトルしたいんです!だから…」
???「だったら、私と勝負しよう!」
ロイ「ネモ?」
ネモ「ボウルタウンに用事があって来てみたら、ロイの声が聞こえてね。ロイさえ良ければ、コルサさんとバトルする前に、私とバトルしない?」
パーモット「モット」
ロイ「……分かった!やろう!ポケモンバトル!」
ネモ「やった!実りあるバトルにしよう!」
シンヤ「じゃあ、俺が審判をやろう」
ピカチュウ「ピカチュ」
ロイはネモとのバトルを了承すると、お互いにバトルフィールの位置に移動し、リコたちは観戦場所に移動した。そしてロイは、ネモのパーモットのことをスマホロトムで調べ始めた。
パーモット てあてポケモン でんき・かくとうタイプ。
普段はおっとりしているが、戦いになると、素早い身のこなしで、敵を叩きのめす。
バトルフィールド
ロイ「でんき・かくとうタイプか…」
ネモ「担当ジムリーダーとのバトル以外じゃ、テラスタルオーブは使えないんだよね?なら、私もテラスタルオーブは使わない」
ロイ「いいよ。テラスタルオーブを使っても」
ネモ「すごい強気だね」
シンヤ「2人とも準備はいいな?それでは、バトル開始!」
ロイ「ホゲータ!「じだんだ!」」
ホゲータ「ホゲゲ!ホーッ!」
ネモ「パーモット!かわして「でんこうせっか!」」
バーモット「モッ、モッ、モッパッ!」
シンヤの合図でポケモンバトルが始まると、最初に攻撃を仕掛けたのは、ロイとホゲータだった。ホゲータが足踏みをして「じだんだ」を発動すると、ホゲータの足元から、バトルフィールドの一部の破片がパーモットに飛んで行った。パーモットはそれをかわすと、「でんこうせっか」を発動し、ホゲータの方に向かって行き、頭からホゲータにぶつかる。そして、攻撃を受けたホゲータは、後ろに吹き飛ばされてしまう。
ロイ「だったら「チャームボイス!」」
ホゲータ「ホゲ、ホォォゲェェ〜〜〜‼︎」
パーモット「モッ⁉︎」
ネモ「パーモット、後ろに下がって!」
ザザァ!(パーモットが後ろに下がる)
ネモ「ホゲータの技が増えてる。ホゲータもドンドン実ってるね!」
ロイ「ホゲータ!「かえんほうしゃ!」」
ホゲータ「ホゲッ!ホォォォゲェェェ‼︎」
パーモット「モット⁉︎」
観戦場所
リコ「ナイス、ロイ!」
ポタッ(雨が降ってくる)
ドット「これって…」
シンヤ「雨か」
ロイ「ホゲータ!「じだんだ!」」
ホゲータ「ホゲゲ!ホゲゲ!ホーーッ!」
ネモ「「あなをほる」でかわして!」
パーモット「モット!」
ホゲータとパーモットが互角のバトルを続けていると、そのバトルの途中に雨が降ってきた。コルサは彫刻が濡れないように、持ってきていた傘を差したが、ロイとネモはバトルを続けた。そして、ロイがホゲータに「じだんだ」を指示すると、ホゲータは再びジャンプして「じだんだ」を発動させ、足元からバトルフィールドの一部の破片をパーモットに飛ばした。しかし、ネモがパーモットに「あなをほる」を指示すると、パーモットは地面に潜って「じだんだ」をかわした。
ドンッ!(パーモットが地面から出てくる)
ロイ「そこだ!ホゲータ!「かえんほうしゃ!」」
シンヤ「えっ⁉︎」
ホゲータ「ホォォゲェェーッ!」
プシュ(かえんほうしゃが消える)
ロイ「なっ!」
ネモ「パーモット!「でんこうそうげき!」」
パーモット「モォォォット‼︎」
ホゲータ「ホゲッ⁉︎ホォォゲェェェェ⁉︎」
ロイ「あっ、ホゲータ⁉︎」
ホゲータ「ホッ…ゲ…」
シンヤ「ホゲータ戦闘不能!パーモットの勝ち!」
ロイ「どうして「かえんほうしゃ」が…」
シンヤ「ロイ、上を見ろ」
ロイ「えっ……雨が降ってる」
ロイはパーモットが地面から飛び出てきた瞬間、ホゲータに「かえんほうしゃ」の指示を出した。そして、ホゲータが「かえんほうしゃ」を放った時、雨によって「かえんほうしゃ」は不発に終わってしまい、パーモットの「でんこうそうげき」の攻撃を受けると、ホゲータは目を回して倒れてしまう。
ネモ「実りあるいい勝負だったね。またバトル…」
ロイ「もう一回バトルしよう!」
ネモ「えっ?」
ロイ「雨が降ってなきゃ負けなかった!今度は…」
コルサ「ムダだ!」
ロイ「えっ?」
コルサ「何度バトルしても、今の貴様では誰にも勝てん」
ロイ「えっ…」
コルサ「その理由が分からないようでは、基礎テストをやるまでもない。テラスタル研修はおわずけだ」
ロイ「そ、そんな…」
ハッサク「……どうでしょう?気分を変えて、皆さんも芸術祭に出てみては?」
アレックス「それはいい。お父さんも、リコたちの作った作品を見てみたいな」
ハッサク「この芸術祭には、誰でも自由に参加して、自分の作品を出品できるのです。ネモくんもその為に来たんですよね?」
ネモ「はい!」
ハッサク「今年の芸術祭のテーマは、《ポケモンと一緒》。ポケモンと力を合わせて、作品を作るというものです」
リコ「ポケモンと一緒に作品作り…面白そう」
ドット「まぁ、雨も止みそうにないし…」
シンヤ「俺は作るんじゃなく。作品の見物をさせてもらおうかな」
ロイ「でも僕は、バトルがしたいんだ」
ロイはネモとのバトルに負けると、ネモにもう一度バトルをやろうと言い出すが、今のロイが誰とバトルしても、誰にも勝てないとコルサに言われる。すると、ハッサクが気分転換に、リコたちに芸術祭に出るよう勧めてくる。リコとドットの2人は芸術祭に出て、シンヤは作品の見物をしようと決めるが、ロイはポケモンバトルをやりたがっていた。
シンヤ「ロイ、ホゲータを見てみろよ」
ホゲータ「ホンゲェ…」
ロイ「ホゲータ、作品作りに興味あるの?」
ホゲータ「ホンゲェーッ!」
ロイ「…分かった。ホゲータがそう言うなら」
ハッサク「決まりですね。ではネモ君、皆さんの案内をお願いします」
ホゲータがコルサの作品を作っているところを見ていると、ロイはホゲータに作品作りに興味があるのかと聞いた。ホゲータが元気よく返事をするので、ロイも芸術祭に出ることに決めたようだ。そして、リコたちは芸術祭に作品を出品するために、ネモの案内でボウルタウンのポケモンジムの中に移動した。
ボウルタウン・ポケモンジムの中
ネモ「芸術祭が開催されている間は、ポケモンジムの中が作業場として解放されるの。ここにある材料と道具は、どれでも好きなものを使っていいんだ」
シンヤ「ジムの中に、こんな場所があったんだ…」
ピカチュウ「ピィカァ…」
ネモ「じゃあ、私は自分の作品作りに戻るね」
ネモはシンヤたちをジムの中にある作業場に案内した後、自分の作品作りに戻って行った。そしてリコたちは、芸術祭に自分の出品する作品を作るため、一旦それぞれバラバラになり、どんな作品を作るか考えていた。
リコ「私は何を作ろう?」
ニャローテ「ニャッァロゥ」
スッ(画用紙を指差す)
リコ「画用紙か。……お父さんみたいに、うまく絵が描けるかな…」
ニャローテ「ニャッァ」
リコ「うん。やってみよう!」
どうやらリコは、画用紙に絵を描くことに決めたようだ。そして、その画用紙をレジャーシートの上に置き、2つの文鎮を紙の端に乗せると、何の絵を描こうかと考えていた。すると、ニャローテが皿に入っていた水色のペイントの中に手を入れると、ペイントのついている手を画用紙の上に置いた。
シンヤ・リコ「「あっ…」」
ニャローテ「ニャァーロ」
ペタ、ペタ、ペタ(ニャローテが画用紙に手を置いていく)
シンヤ「おいおい、絵を描く画用紙にイタズラをしたら…」
ピカチュウ「ピィカァ!」
ペタ、ペタ、ペタ(ピカチュウが画用紙に手を置いていく)
シンヤ「ピカチュウまで、これじゃあ絵じゃなくて、ポケモンの手形スタンプじゃないか…」
リコ「手形のスタンプ……そうだ!ニャローテ、つぼみをペイントにつけて、画用紙に押して」
ニャローテ「ニャァ?」
ペタ、ペタ、ペタ(ペイントのついたつぼみを画用紙に押す)
リコ「ピカチュウ、テラパゴス、ミブリムも手伝って!」
ピカチュウ「ピッカッ!」
テラパゴス「パーゴッ!」
ミブリム「ミーッ!」
リコはなにか閃いたようで、ピカチュウやニャローテたちに、それぞれ別の色のペイントを手足につけてもらって、それをスタンプでも押すようにして、画用紙に色をつけてもらった。そして、リコは絵筆を持つと、あるポケモンの絵を描いていった。そして数分後……
リコ「できた!」
シンヤ「へぇ、綺麗な絵が描けたじゃん。中々うまいぞリコ!」
リコ「そ、そうかな。///ありがとう!」
ニャローテ「ニャァロウ!」
テラパゴス「パーゴッ!」
ミブリム「ミーッ!」
ピカチュウ「ピィカァ!」
シンヤ(絵がこんなにうまく描けるのも、やっぱりアレックスさんの娘だからだな)
芸術祭に出すリコの絵は完成したので、シンヤとリコはピカチュウたちの手足についているペイントを洗って落とすと、リコは完成した絵を額縁に入れて、シンヤはロイとドットの作品に見に行った。ドットの作品は、カヌチャンが鉄を叩いて何かを作っているようで問題なく進んでいた。その頃、ロイの方はというと…
ロイ「ダメだ!また崩れてきた!」
ホゲータ「ホンゲェ!」
シンヤ「ロイ、何してるんだ?」
ピカチュウ「ピィカァ?」
ロイ「あっ、シンヤ、 ピカチュウ。…さっき、壁にリザードンの絵が飾られているのを見たから、粘土でリザードンを作ろうとしてるんだけど、うまくできなくて」
コルサ「作品を生かすも殺すも、それは作る芸術家の努力次第だ」
シンヤ「あっ、コルサさん」
コルサ「目の前の粘土だけが材料ではない。目に映るもの、手で触れるもの、それら全てが芸術という作品を生み出すヒントだ」
ロイ「全てがヒント……全然分かんないよ!」
シンヤ(粘土だけが材料じゃない…か。でも、粘土以外の材料なんてあるのか?)
ロイが粘土でリザードンを作ることに苦戦していると、そこにコルサがやってきた。そして、意味深な言葉をロイに伝えると、コルサはその場を後にした。コルサが何を伝えたかったのか、シンヤとロイには分からなかった。すると、ホゲータが粘土を手に持って遊んでいて、その粘土がホゲータの鼻の穴の中に入ってしまい、びっくりしたホゲータは口から「かえんほうしゃ」を放った。
シンヤ「あっ、粘土が焼けちまった!……あれ?焼けたら、粘土がいい色になってるぞ」
コンコン(粘土を叩く)
ロイ「それに、粘土が崩れない」
シンヤ「そうか!コルサさんの言ってた、粘土だけが材料じゃないってこう言うことか!」
ロイ「ポケモンと一緒に作品を作るって言ってたし、ポケモンの技も材料になるってことだね!」
それからロイは、形を整えた粘土に絵筆を使って色を塗っていくと、それをホゲータに「かえんほうしゃ」を使って焼いてもらっていき、焼いていった粘土を組み立てて、リザードンが雄叫びを上げている作品を完成させた。
シンヤ「これで完成か?」
ロイ「うん!コルサさんの言ってた通り、ヒントはいろんなところにあったんだ。……そっか!バトルも同じなんだ!」
ロイが作品を作り終えると、ドットもちょうど作品を作り終わり、降っていた雨もすっかり止んでいたので、芸術祭に出品される作品がそれぞれ外の別の場所に運ばれて行った。そして、数分後には花火が打ち上がり、芸術祭が開催された。コルサの作ったアカツキのキマワリの彫刻も完成したようで、ジムの近くに運ばれていった。
ネモの作品が置かれている場所
ネモ「木の板を彫って、パーモットがバトルしてる姿にしたの」
リコ「うわぁ〜!」
シンヤ「中々うまいな」
ピカチュウ「ピィーカ!」
ネモ「リコたちは何を作ったの?」
芸術祭が始まると、シンヤたちはネモと合流して、一緒に自分たちの作った作品を見て回ることになった。ネモの作った作品は、パーモットのバトルしている姿を木の板に彫ったものだった。
リコの作品が置かれている場所
リコ「私の作品は絵」
ネモ「すごいカラフルだね!」
リコ「ニャローテたちや、ピカチュウにも手伝ってもらったの。タイトルは『満開のオリーヴァ』」
ニャローテ「ニャッァ」
アレックス「うまく描けてるじゃないか」
コルサ「大胆に色んな色を使っている。実にアバンギャルド!」
リコ「やったねニャローテ!」
ニャローテ「ニャーッ!」
ネモの作品の鑑賞が終わると、次はリコの作品をみんなで見に行った。リコの作った絵の作品は、ピカチュウやニャローテたちが、それぞれ色んな色のペイントを手足につけて、画用紙の周りに色をつけていき、画用紙の真ん中には、リコが《オリーヴァ》の絵を描いたものだった。シンヤたちがリコの作品を見ていると、そこにアレックスとコルサ、そしてハッサクがやってくる。アレックスやコルサがリコの絵を見ると、よくできているとリコは褒められた。
ドットの作品が置かれている場所
ドット「僕の作品は『ハンマー観覧車』」
リコ・ロイ「「ハンマー観覧車?」」
ドット「クワッス「みずでっぽう!」、カイデンは「スパーク!」」
クワッス「クワァァーッ!」
カイデン「カッカッカッ!」
全員「「「おぉ〜!」」」
ネモ「ライトアップされた!」
コルサ「うん。実にアバンギャルド!」
リコの作品の次は、みんなでドットの作品を見に行った。ドットの作ったハンマー観覧車は、カヌチャンが鉄を叩いてハンマーの形にして、そのハンマーにいろんな色を塗り、色を塗ったハンマーにドットが作った機材を繋いだ、ゴンドラがハンマーの形をした小さい観覧車だった。そのハンマー観覧車にクワッスが「みずでっぽう」をかけると、ハンマー観覧車はゆっくりと回っていき、ドットが作った機材に、ロイから借りたカイデンが「スパーク」を放つと、電気が流れて観覧車がライトアップされる作品だった。そして最後に、ロイの作品を見に行った。
ロイの作品が出品されている場所
ロイ「僕とホゲータが作った作品はリザードン!」
コルサ「おぉ!」
リコ「すごい迫力だね」
シンヤ「粘土を焼いたことで、よりリアルになったからな」
コルサ「この作品のタイトルの名は?」
ロイ「『強くなりたい』。ホゲータがリザードンみたいになりたいって気持ちと、今の僕の気持ちを込めたんです。ホゲータ!仕上げの「かえんほうしゃ!」」
ホゲータ「ホォォゲェェ!」
ロイがホゲータに「かえんほうしゃ」の指示を出すと、ホゲータは宙に威力の弱い炎を放った。炎は宙で分散すると、粘土で作ったリザードンの目、口、両手、尻尾の部分についているキャンドルが燃えたことで、本物のリザードンに近い作品が完成した。
ハッサク「素晴らしい!」
ネモ「リザードンが「かえんほうしゃ」を放ってるみたい!」
ロイ「やったね、ホゲータ!大成功だ!」
コルサ「これで分かっただろう」
ロイ「えっ?」
コルサ「全てがヒントになるのは、何も芸術だけではない。それはポケモンバトルも同じだ。テラスタルオーブとは、ポケモンを輝かせる芸術作品。ポケモンとトレーナー、空と大地、理性と感情、それら全てを使って作品を作り始めた時、最高の作品が完成するのだ」
ロイ「はい!」
コルサ「……バトルフィールドに行くぞ」
バトルフィールド
コルサ「とうっ!」
シュタ(地面に着地する)
コルサ「新たな作品を作る準備はできているな?」
ロイ「はい!」
コルサ「では行くぞ!ウソッキー!」
ポーーン‼︎
ウソッキー「ウソッキー!」
観戦場所
リコ「やっぱり、ウソッキーなんだ」
コルサ「私のウソッキーはいわタイプだが、テラスタルするとどうなるか、もう分かっているな?」
ロイ「もちろんです」
シンヤ「ロイは以前コルサさんとバトルしてるから、コルサさんの手の内は知り尽くしているし、ウソッキーがテラスタルすると、どうなるかも分かっている」
ネモ「だからこそ、テラスタルオーブをいつ使うかが、それが勝負のカギになる」
コルサ「これより、テラスタル研修、基礎テストを始める。バトル、スタート!」
ロイ「ホゲータ!「じだんだ!」」
ホゲータ「ホゲ、ホゲ!ホゲゲゲ!」
コルサ「やはりその技か。ウソッキー!「みがわり!」」
ウソッキー「ウソッキー!」
シュン!(分身を作る)
ウソッキー×2「「ウソッキー!」」
ついに始まった、ロイのテラスタル研修、基礎テスト。バトルが始まると、ロイはホゲータに「じだんだ」を指示した。だがコルサは、ロイが「じだんだ」を使ってくることを読んでいたようで、ウソッキーに「みがわり」を指示した。すると、ウソッキーは「みがわり」を使って分身を作り2人に増えた。ロイは左のウソッキーに攻撃するよう指示すると、ホゲータの足元からバトルフィールドの一部の破片が飛んで行き、左に立っているウソッキーに直撃したが、そのウソッキーは「みがわり」で作った分身だった。
コルサ「ウソッキー!「ストーンエッジ!」」
ウソッキー「ウゥゥソォォ‼︎」
ホゲータ「ホゲェェェェ⁉︎」
ロイ「ホゲータ、大丈夫か⁉︎」
ホゲータ「ホンゲ!」
ロイ「ホゲータ!「チャームボイス」だ!」
ホゲータ「ホォォゲェェ〜〜!」
コルサ「その技もさっき見ている。ウソッキー!「ストーンエッジ!」」
ウソッキー「ウゥゥソォォ!」
ホゲータ「ゲ〜〜〜〜ッ‼︎」
バァァァァァン!
シンヤ「「じだんだ」も「チャームボイス」も、ネモとのバトルで使ったのを見てるから、当然対策は立ててあるか。流石ジムリーダーだ」
ピカチュウ「ピィカァ…」
コルサ「どうした?もう打つ手がないか?」
ロイ「まだまだこれからだ!ホゲータ!連続で「かえんほうしゃ!」」
コルサ「ウソッキー!「みがわり!」」
ウソッキー「ウソッキー!」
ホゲータ「ホォォゲェェーッ!」
ホゲータの「じたんだ」も「チャームボイス」も、さっきのネモとのバトルで使ったことで、コルサにはすでに対策ができていた。勝負の流れをコルサに掴まれたことで、ロイとホゲータはどんどん追い込まれていく。そして、ロイはホゲータに連続で「かえんほうしゃ」を指示するが、ウソッキーは連続で「みがわり」を発動させ、ホゲータの攻撃をかわし続けた。
ドット「これじゃ攻撃が当たらない!」
リコ「他の技を使ったほうがいいんじゃ…」
ロイ「ホゲータ!もっともっと「かえんほうしゃ!」」
ホゲータ「ホォォゲッ!ゲッ!ゲッ!」
ウソッキー「ウソッ!ウソッ!ウソッ!」
コルサ「どうやら、ここまでのようだな」
シンヤ「…ロイ、どうする気だ?」
ロイ(……見逃すな…ヒントを!)
ウソッキー「ウソッキ!ウソッキ、ソッキ…」
ロイ「あれが本物のウソッキーだ!ホゲータ!左のウソッキーに「じだんだ‼︎」」
ホゲータ「ホゲゲ、ホゲゲ、ホォォゲェェーッ!」
ウソッキー「ウソッキー⁉︎」
ロイ「よし!ウソッキーにダメージを与えてる!」
コルサ「何⁉︎本物のウソッキーと、「みがわり」のウソッキーをどうやって見破った?」
ロイ「本物のウソッキーは汗をかいてるけど、「みがわり」で作ったウソッキーは汗をかいてない。さっきコルサさんが、全てがヒントになるって教えてくれたおかげで、本物のウソッキーを見破ることができました」
ホゲータが連続で「かえんほうしゃ」を放ったことで、バトルフィールドやシンヤたちのいるところに、暑い空気が流れてきた。そして、ウソッキーは連続で「みがわり」を発動して、ホゲータの「かえんほうしゃ」をかわしていくが、「かえんほうしゃ」の熱気で体が熱くなってきて、ウソッキーは汗をかいていた。そして、汗をかいているのが本物のウソッキーだと見破ったロイは、ホゲータに「じたんだ」を指示した。そして、ホゲータが「じだんだ」を発動すると、足元からバトルフィールドの一部の破片をウソッキーに飛ばしていき、ウソッキーにダメージを与えた。
コルサ「……フッw。以前、私とバトルした時と違って、貴様はかなり成長しているようだな。…ならばこちらも、全力で貴様の期待に応えよう!」
スチャ「テラスタルオーブを取り出す」
コルサ「嘘から出た実、PART2!」
シンヤ「来るか!」
コルサ「行くぞ!ウソッキー!」
以前バトルした時から、ロイが成長していることをコルサは素直に認めると、ロイの全力のバトルに応えるため、テラスタルオーブを取り出した。コルサがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが完了した時、コルサはテラスタルオーブをウソッキーの頭上に向かって投げた。テラスタルオーブがウソッキーの頭上で輝くと、ウソッキーは無数のクリスタルに体を包まれた。クリスタルが弾け飛ぶと、そこには体が宝石化し、頭に花の王冠を被るウソッキーがいた。
(くさテラスタイプ)ウソッキー「ウソッ!ウソォォキィィー!」
リコ「ウソッキーをテラスタルさせた!」
ロイ「よし!ホゲータ!僕たちも行くよ!」
ホゲータ「ホンゲェ!」
ロイ「輝け!夢の結晶!」
コルサがウソッキーをテラスタルさせると、ロイもホゲータをテラスタルさせるため、テラスタルオーブを取り出した。そして、ロイがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが満タンになると、ロイはホゲータに向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはホゲータの頭上でエネルギーを解放すると、ホゲータは結晶石に身を包み込んだ。そして、結晶石が弾け飛んだ時、そこには全身がクリスタル化し、頭にシャンデリアを模した王冠を被るホゲータがいた。
(ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホォォォゲェェーッ‼︎」
ロイ「ホゲータ、最高にかっこいいよ!」
シンヤ「これで、相性ではロイたちが有利になった。…だが」
ネモ「うん。タイプが有利になっても、勝負はそれだけじゃ決まらない」
コルサ「スピードを上げ、一気に勝負を決める。ウソッキー!「くさわけ!」」
(くさテラスタイプ)ウソッキー「ウソォキィィー!ウソソソッ」ダッ!
ロイ「ホゲータ!こっちもスピードアップだ!「ニトロチャージ!」」
(ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホォォォゲェェーッ‼︎」ダッ!
コルサはウソッキーをテラスタルさせると、一気に勝負をつけるため、ウソッキーに「くさわけ」を指示した。ウソッキーが力を解放すると、花を模したテラスタルジュエルの輝きが増し始め、ウソッキーはステップしながらホゲータに迫ってきた。ロイもホゲータのスピードを上げるため、「ニトロチャージ」を指示した。すると、シャンデリアを模したテラスタルジュエルが輝きを増し、ホゲータは「ニトロチャージ」を発動させると、そのまま前に走り出した。ホゲータが前に走るたびに、ホゲータのスピードは上がり続け、ホゲータとウソッキーは頭から激突した。
(くさテラスタイプ)ウソッキー「ソォォキィィーッ!」
(ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホォォゲェェーッ!」
グググッ‼︎…グググッ‼︎…グググッ‼︎
(ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホォォォォゲェェーッ!」
(くさテラスタイプ)ウソッキー「ソォキィ⁉︎」
ロイ「今だ!ホゲータ!「かえんほうしゃ‼︎」」
(ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホォォォゲェェーッ‼︎」
(くさテラスタイプ)ウソッキー「ウソッ⁉︎ソーーッ⁉︎」
ホゲータとウソッキーは互いに頭からぶつかると、しばらくは押し合いをしていたが、ホゲータは力を振り絞り、ウソッキーを後ろに押し返した。そして、ウソッキーが地面に倒れたまま後ろに吹き飛ばされると、ホゲータは「かえんほうしゃ」を放った。「かえんほうしゃ」がウソッキーに命中すると、ウソッキーは目を回して倒れていて、ホゲータとウソッキーのテラスタルは解除され、元のホゲータとウソッキーの姿に戻った。
ウソッキー「ソォ…キィ」
コルサ「……貴様の勝ちだ」
ロイ「やった〜!」
ホゲータ「ホンゲェ!」
コルサ「戻れ!ウソッキー」
シュルルーーン
コルサ「ゆっくり休め。…貴様に基礎テストの合格を与えよう」
ピッ(スマホロトムをタッチする)
ポンッ!(ロイのスマホロトムに合格のスタンプが送られてくる)
ロイ「ありがとうございます!やったなホゲータ!」
ホゲータ「ホンゲェ!」
コルサ「全てを見て、感じて、創造する。それができる芸術家にこそ、テラスタルオーブを持つ資格がある。それを忘れるな」
ロイ「はい!」
リコ「ロイ!おめでとう!」
ロイ「うん!ありがとう!」
シンヤ「これで、リコとロイの基礎テストは終わりだな」
リコ「うん。…あとは」チラッ(ドットを見る)
ドット「うっ、分かってる。……絶対合格してみせるよ」
グウウウウウ~〜(ロイの腹の虫の音)
ロイ「思いっきりバトルしたから、お腹が減ってきた…」
シンヤ「そろそろ晩飯の時間だもんな」
リコ「ウフフw」
アレックス「向こうに食べ物の屋台がたくさんあるよ」
ロイ「じゃあみんなで行こうよ!」
コルサ「芸術祭は始まったばかりだ。最後まで楽しめ、思春期たちよ!」
リコ・ロイ「「はい!」」
こうしてロイは、テラスタル研修の基礎テストに合格し、また一歩、ポケモントレーナーとして成長した。そして、ドットが最後の基礎テストを受けるため、次にシンヤたちが向かうのは、ナンジャモのいるハッコウシティだ!
To be continued
次回予告
最後の基礎テストを受けるため、シンヤたちはナンジャモのいるハッコウシティにやってきた。ハッコウシティ近くの船舶の建造、修理などをするための築造施設のドックで、フリードたちやナンジャモと再会するシンヤたち。そしてナンジャモから、基礎テストはスマホロトムで撮影しながら生配信をすると言われると、ドットの様子がいつもと違う感じになってしまう。
次回「ドットとぐるみん、クワッスの気持ち」