ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 テラスタル研修の基礎テストを無事に合格した、リコ、ロイ、ドットの3人は、オレンジアカデミーに戻る前に、オレンジアカデミーの教師、ジニアに言われたレポートを書くために、野生のポケモンがたくさんいる草原にやってきた。


第51話『不機嫌なニャローテ⁉︎不思議な花ばしら!』

 

 草原

 

 ロイ「うわぁ〜!」

 

 リコ「野生のポケモンがたくさんいる!」

 

 レポートを書くために、野生のポケモンがたくさんいる場所にやってきたリコたち。草原の近くには川もあり、そこには《サシカマス》や《マケンカニ》がいて、森の方には《シキジカ》や《メェークル》。他の場所には《パチリス》や《ノコッチ》、空の上には《ポポッコ》が飛んでいて、その他にもたくさんのポケモンがいた。初めて見るポケモンたちに、リコたちは目を輝かせていた。

 

 ドット「ここなら、レポートを書くのにもってこいだ」

 

 リコ「うん!いいレポートが書けそうだね。《ジニア》先生、ポケモンを写真で撮ったり、動画を撮ったりして、記録をしてほしいって言ってたよね?」

 

 ドット「これも資料としても使うのはどうかな?」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 ロイ「何それ?」

 

 ドット「フリードの作った、野生のポケモンの分布図だよ。学会にも使われてるやつだし、ソースもちゃんとしてるからね」

 

 ロイ「意外にポケモン博士の仕事をちゃんとしてるフリードの?」

 

 リコ「いつの間にかポケモン博士の仕事をちゃんとやってるフリードの?」

 

 シンヤ『フリード、リコとロイにボロクソ言われてるな。( ̄▽ ̄)』

 

 ピカチュウ『ピーカッ…』

 

 まるでフリードがポケモン博士としての仕事をちゃんとやっていないようなリコとロイの口ぶりに、シンヤとピカチュウの2人は、心の中でフリードにドンマイと思っていた。しかし、シンヤはフリードの仕事をするところをよく見せてもらっていたので、フリードがちゃんとポケモン博士の仕事をしてることは知っていた。

 

 ドット「フリードが作った分布図に載っていないポケモンがいたら、めっちゃ映るレポートが書けるかも」

 

 リコ「そしたら、珍しいポケモンがいるって、船のみんなにも報告できるね」

 

 ロイ「僕、ポケモンバトルもしたい!」

 

 ドット「それもレポートに書いちゃえば?」

 

 ロイ「確かに!」

 

 リコ「それじゃあ、今日はここでキャンプに…」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「決定!」」」

 

 シンヤ「お前らノリノリだな」

 

 ピカチュウ「ピィーカ…」

 

 

 こうして、リコたち3人がここでレポートを書くことに決めたので、シンヤたちはここで寝泊まりするために、森の中でテントを張ることにした。

 

 

 森の中

 

 

 ロイ「よし、テントの完成!」

 

 シンヤ「こっちも完成!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「えっ?2人とも、もうテントを張れたの⁉︎」

 

 ロイ「慣れたもんだよ」

 

 シンヤ「何回もやれば、自然に指が覚えてるしな」

 

 リコ「そっかぁ」

 

 プラ〜ン(紐が揺れる)

 

 ニャローテ「……ニャアーッ!」

 

 リコ「えっ?うわぁ!」

 

 バタンッ

 

 リコがテントロープをグイッと引っ張ると、テントロープの先が左右に揺れ、ニャローテはそのロープをじっと見ていた。すると、動くものに飛びつくネコポケモンの習性なのか、ニャローテは突然リコの持っているロープに向かって飛びついた。ニャローテがロープに飛びつくと、ロープを手に持っていたリコは、ニャローテと一緒に原っぱに倒れてしまう。

 

 シンヤ「リコ!」

 

 ロイ「大丈夫?」

 

 リコ「う、うん。……フフフッ」

 

 ニャローテ「ニャァッ!(笑)」

 

 シンヤ「テントを張るの手伝うよ」

 

 リコ「ありがとう」

 

 リコがまだテントを張れていないので、シンヤはリコのテントを張るのを手伝い、手慣れた手つきですぐにリコのテントを張った。ドットの方も、小さい平べったい岩の近くに、自分のテントを張り終えていた。

 

 ドット「完成!」

 

 クワッス「クワッス!」

 

 ロイ「岩の近くにテントを張ったの?」

 

 ドット「これが作業机になって、ちょうどいいんだ」

 

 リコ「なるほど!」

 

 ニャローテ「ニャァッ」

 

 リコ「どうしたの?ニャローテ」

 

 ニャローテ「ニャッ」

 

 ビッ(木の上を指差す)

 

 シンヤたち全員がテントを張り終えると、リコはニャローテに呼ばれたので、ニャローテの元に走って行った。リコがニャローテにどうしたのかと聞くと、ニャローテは木の上の方を指差した。そこには、頭の先から糸を出している、開いた松ぼっくりのような姿をした、木の枝からぶら下がっているポケモンがいた。

 

 リコ「あのポケモンは…」

 

 シンヤ「ああ、あれは《クヌギダマ》だ」

 

 リコ「クヌギダマ?」

 

 スッ(リコがスマホロトムを取り出す)

 

 

 クヌギダマ みのむしポケモン むしタイプ。

 

 木の皮を重ね合わせて、殻を分厚くするのが大好き。重くなっても気にしない。

 

 

 ロイ「シンヤ!リコ!何してるの?」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ガッ(木の根っこに足を引っ掛ける)

 

 ロイ「あっ!た、た、た」

 

 ホゲータ「ホッ!ホッ、ホッ、ホッ」

 

 ドォーン!(木に頭をぶつける)

 

 ロイ「痛ッ!」

 

 クヌギダマ「ヌッ⁉︎ヌッ⁉︎」

 

 シンヤ「あっ!やべぇ!」

 

 リコ「えっ?」

 

 ロイ「ん?」

 

 ブチッ(糸が切れる音)

 

 ドォォォーーン!(爆発音)

 

 リコがスマホロトムでクヌギダマのことを調べていると、ロイとホゲータがリコとシンヤのいる場所に走ってきた。すると、ロイとホゲータは足元に生えている木の根っこに足を引っ掛けてしまい、そのままクヌギダマがぶら下がっている木に頭からぶつかってしまう。木が揺れた衝撃で、寝ていたクヌギダマは目を覚ましてしまい、自分が揺れていることに驚いていた。そして、クヌギダマを支えていた糸が切れてしまい、クヌギダマが地面に落ちると、クヌギダマはシンヤたちの目の前で爆発してしまった。

 

 リコ「あ…ああ…」

 

 ロイ「ゲッホ!ゲッホ!」

 

 ニャローテ「ニャッァ…」

 

 ホゲータ「ホンゲェ…」

 

 シンヤ「…遅かったか(-。-)」

 

 ピカチュウ「ピィーカ…」

 

 

 草原近くの川

 

 

 リコ「ミブリム、もうちょっとで綺麗になるからね」

 

 ミブリム「ミィー!」

 

 リコ「ミブリムが終わったら、次はニャローテの番だからね」

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 

 ロイ「いきなりクヌギダマが爆発してびっくりしたよ」

 

 シンヤ「クヌギダマはちょっとでも刺激を与えると、爆発してしまうポケモンなんだ」

 

 ドット「なるほど、だから地面に落ちた衝撃で爆発したのか…」

 

 クヌギダマの爆発によって、ポケモンたちが埃まみれになってしまったため、シンヤたちは草原の近くにある川にやってきて、汚れたポケモンたちを川の水で洗っていた。すると、シンヤたちのいる場所の空の上を、一体のポケモンが飛んできた。

 

 ビュン!

 

 タイカイデン「カァーイ!」

 

 ロイ「かっこいい!何あのポケモン⁉︎」

 

 シンヤ「ああ、あれは《タイカイデン》だ」

 

 ロイ「タイカイデン?カイデンと名前が似てるね?」

 

 シンヤ「そりゃそうだろ。タイカイデンは、カイデンの進化後のポケモンだからな」

 

 ロイ「そうなんだ!カイデン、進化したらあんなにかっこよくなるんだ!」

 

 カイデン「カァー!カァー!」

 

 ロイ「追いかけてもいい?カイデンも興味持ったみたいだし。僕、タイカイデンのレポートを書きたい!」

 

 リコ「いいよ」

 

 ドット「気をつけろよ」

 

 シンヤ「何かあったら、すぐに連絡しろよ」

 

 ロイ「うん!行こうホゲータ!カイデン!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 カイデン「カァーイ!」

 

 タイカイデンがカイデンの進化した姿だと知ると、カイデンはタイカイデンに興味を持ち、ロイはタイカイデンのレポートを書くため、タイカイデンの後を追っていた。

 

 ドット「僕は一度テントに戻って、この近くにいるポケモンたちをリサーチするよ」

 

 クワッス「クワッス」

 

 リコ「うん。私はニャローテを洗い終わったら、シンヤたちと一緒にテントに戻るね」

 

 ドット「分かった」

 

 そう言うと、ドットはクワッスと一緒にテントを張った森の中に戻っていき、リコは鞄からテラパゴスを出した。

 

 リコ「ここには私たち以外誰もいないから、テラパゴスも自由に遊べるね」

 

 テラパゴス「パァーゴ!」

 

 シンヤ「その鞄、下に穴が空いてるのか?」

 

 リコ「うん。テラパゴスが手足を出せるようにしてあるの。テラパゴス、あんまり遠くに行かないでね。ニャローテ、お待たせ」

 

 ニャローテ「ニャァッ」

 

 リコ「これで体を拭いてあげるね」

 

 ベチャ!

 

 ミブリム「ミッ⁉︎ミッ!ミッ!」

 

 リコ「あっ!ミブリム大丈夫?」

 

 ミブリム「ミィー…」

 

 リコ「ごめんニャローテ。ミブリムの体を拭くから、終わるまでちょっと待ってて」

 

 ニャローテ「ニャァッ…」

 

 リコはパーカーのポケットから白いハンカチを取り出すと、それでニャローテの体を拭いて綺麗にしようとした。すると、ミブリムが川近くの泥水の中に入って泥まみれになってしまったので、リコはミブリムを抱っこすると、先にミブリムの体を拭き始めた。すると、ニャローテは少し不機嫌な顔なり、後ろを振り向くと、胸のつぼみをヨーヨーのようにして遊んでいた。

 

 

 バチンッ(つぼみが石に当たる)

 

 

 ニャローテ「ニャッアン。ニャァッ!」

 

 リコ「ん?どうしたのニャローテ?」

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 

 テラパゴス「パッ、パァーゴ」

 

 リコ「あっ、テラパゴス!遠くに行っちゃダメだよ!」

 

 ニャローテ「……」

 

 リコ「ごめんニャローテ。どうしたの?」

 

 ニャローテ「……」チラッ

 

 ミブリム「ミーッ?」

 

 テラパゴス「パーゴ?」

 

 リコがさっきからミブリムとテラパゴスのことばかりを気にかけるため、ニャローテは機嫌を損ねてしまい、段々と不機嫌になってしまう。ニャローテはリコが抱っこしているミブリムとテラパゴスをしばらく見ていたが、リコたちから顔を背けてしまう。

 

 リコ「ニャローテ」

 

 スッ(ニャローテに手を伸ばす)

 

 チクッ!

 

 リコ「痛ッ!」

 

 ニャローテ「ニャッ?」

 

 リコ「ニャローテの毛が、針みたいに尖ってる?」

 

 スッ(ニャローテに手を伸ばす)

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 

 パシッ(リコの手を叩く)

 

 リコ「えっ?」

 

 ニャローテ「ニャッ⁉︎」

 

 リコがニャローテの頭に触ると、ニャローテの体毛が針みたいに尖っていたため、リコは手を引っ込めた。そして、もう一度ニャローテの頭を触ろうとすると、ニャローテはリコの手を叩いてしまう。すると、ニャローテはリコたちから離れると、そのままテントの方に走って行った。

 

 リコ「ニャローテ…」

 

 シンヤ「どうした?ニャローテと何かあったのか?」

 

 ピカチュウ「ピィーカ?」

 

 リコ「シンヤ。…あのね、ニャローテの頭を触ったら、ニャローテの毛が針みたいに尖ってて…」

 

 シンヤ「……」チラッ

 

 テラパゴス「パーゴ?」

 

 ミブリム「ミーッ?」

 

 シンヤ(なるほど、またか)…「リコ、ニャローテの体毛はな、気分で柔らかくなったり、硬くなったりするんだ」

 

 リコ「えっ?…それって、もしかして…」

 

 シンヤ「多分、ニャローテの毛が尖ってたとなると、今のニャローテの気分は…その、ご機嫌斜めなんだと思う」

 リコ「……」

 

 森の中・テントを張ってある場所

 

 ドット「う〜ん。どうせレポートに書くなら、インパクトのあるポケモンがいいよな。どこかにいないかな〜?……ん?…へぇ、面白いな。これ」

 

 クワッス「クワッス?」

 

 カヌチャン「チャー?」

 

 スタッスタッ(ニャローテが歩いてくる)

 

 ドット「ん?」

 

 ニャローテ「……」

 

 ドット「うん?」

 

 リコ「……」

 

 先にクワッスとテントに戻ったドットは、どんなポケモンをレポートに書こうかと悩んでいた。ドットがスマホロトムを操作していると、ある写真が載っているサイトを見つける。ドットがそのサイトの写真を見ていると、ニャローテが歩いてきた。すると、ニャローテが木にもたれかかり、つぼみをヨーヨーにして遊んでいると、川にいたシンヤとリコたちが戻ってきた。

 

 ドット「シンヤ、何かあったの?」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 ドット「リコとニャローテ、喧嘩してるんじゃないの?」

 

 シンヤ「いや、喧嘩はしてないんだけど、リコがミブリムとテラパゴスばかり構うから、ニャローテ、ご機嫌斜めになっちゃったみたいで」

 

 ドット「そうなんだ。…リコ、レポートの内容は決まった?」

 

 リコ「えっ?…ううん。まだだけど」

 

 ドット「じゃあ、情報共有をしよう。2人ともこれを見て」

 

 シンヤ「ん?」

 

 リコ「何?」

 

 戻ってきたニャローテとリコの様子がいつもと違うことに気づいたドットは、リコとニャローテが喧嘩をしたのかと思い、何かあったのかとシンヤに聞いた。シンヤドットの近くに寄り、喧嘩した訳ではなく、ニャローテがご機嫌斜めになってしまったと伝えた。すると、ドットはシンヤとリコを呼び、あるサイトの写真をシンヤとリコに見せた。

 

 ドット「この辺りで、《花ばしら》ってのが見られるらしいんだ」

 

 シンヤ・リコ「「花ばしら?」」

 

 ドット「すごい数の花びらが地上から空に舞い上がって、地面と空を繋げる、花びらの柱を作るらしい。なんでできるのか、いつできるのか、なんの花びらが舞ってるのかとか、色々と分かってない、不思議な現象なんだって。それにこの花ばしらには、ある噂があるらしいんだ」

 

 リコ「噂?」

 

 ドット「この花ばしらを見た者は、幸せになれるんだって」

 

 シンヤ「へぇ〜」 

 リコ「そうなんだ」

 

 ドット「まぁ、不確定要素だらけな話だけど、もし見つけることができたら、インパクトがあって映えそうだし、もしかしたら、この辺りにいるポケモンが関わっているかもしれないから、この後探しに行こうと思ってる」

 

 リコ「わっ、私も花ばしらを探したい!ニャローテと…見たい」

 

 ドット「…だな」

 

 シンヤ「…よし!じゃあ早速、花ばしらを探しに行こうぜ」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「うん。…あっ、そうだ!」

 

 タッタッ(ニャローテの元に走る)

 

 この辺りで、花ばしらという不思議な現象が見られることをドットから聞いたリコは、その花ばしらを探し、ニャローテと見たいと言い出した。すると、リコはニャローテの元に走って行った。

 

 リコ「ニャローテ…あのね、ドットから素敵な話を聞いたの」

 

 ニャローテ「……」

 

 リコ「この辺りに、花ばしらって不思議な…あれ?…あれ⁉︎テラパゴスがいない!」

 

 シンヤ「えっ?……あれ?本当だ。いつの間に?」

 

 リコ「また勝手にどこかに行っちゃった⁉︎」

 

 ガサガサッ(茂みが揺れる)

 

 リコ「あっ、いた!ごめんニャローテ!話はまた後で!」

 

 ニャローテ「ニャッ⁉︎」

 

 リコ「先にテラパゴスを見つけないと!シンヤも手伝って!」

 

 シンヤ「あ、ああ、分かった…」

 

 リコがニャローテに花ばしらのことを話そうとすると、ニャローテは不機嫌な顔をしながらリコの話を聞いていた。そして、リコは話を続けると、その途中でテラパゴスがいないことに気がついた。リコは慌てて辺りを見渡すが、テラパゴスはどこにもいなかった。すると、リコたちが近くにいる茂みが揺れると、リコはそこにテラパゴスがいると思い、シンヤとニャローテにテラパゴスを捜すのを頼むと、先に茂みの揺れた方に走っていき、シンヤも走ってリコの後を追いかけた。ニャローテはしばらく呆気に取られた顔をしていたが、渋々シンヤとリコの後を追いかけた。

 

 ドット「クワッス、僕たちも行こう」

 

 クワッス「クワッス」ビッ(手を前に出す)

 

 ドット「えっ?」

 

 ♫♫♫(クワッスの鼻歌)

 

 ドット「もしかして、髪型を整えるのに、時間かかる?」

 

 リコたちがテラパゴスを捜しに行くと、ドットはクワッスに花ばしらを探しに行こうと声をかけた。すると、クワッスは左手を前に出し、ドットに待つように伝えると、鼻歌を歌いながら髪を整えていた。

 

 カヌチャン「チャーー!」

 

 ドット「えっ…あっ!カヌチャン!」

 

 カヌチャン「チャーー!✨」

 

 ドット「ちょっ、ちょちょちょ、ダメだよカヌチャン!」

 

 バッ(フライパンを取り上げる)

 

 カヌチャン「ヌーッ⁉︎」

 

 ドット「フライパンをハンマーにしたら、ご飯を作れなくなるだろう!」

 

 カヌチャン「チャーーッ!」

 

 クワッスが髪型を整え終わるのをドットが待っていると、突然カヌチャンが大声を上げた。そして、ドットがカヌチャンの声が聞こえてきた方に顔を向けると、リュックの中からマードックから預かったフライパンを取り出し、目を輝かせているカヌチャンがいた。そして、カヌチャンが手に持っているハンマーで、フライパンを叩いてハンマーにしようとしていたので、ドットは急いでカヌチャンの元に走っていき、カヌチャンからフライパンを取り上げた。その頃、森の中でテラパゴスを捜しているリコたちは…

 

 

 森の中

 

 リコ「テラパゴス〜!どこ〜⁉︎」

 

 シンヤ「お〜い!テラパゴス〜!」

 

 ピカチュウ「ピカッビィーカ〜!」

 

 ニャローテ「……」

 

 リコ「こっちに来たと思うんだけど」

 

 シンヤ「近くにいないのかな?」

 

 ピカチュウ「ピィーカ?」

 

 リコ「…ニャローテ、一緒にテラパゴスを捜して」

 

 ニャローテ「……ニャッァ」プイッ(リコから顔を逸らす)

 

 リコ「ぁっ……」

 

 シンヤ(…苦手なんだよな。こういうギスギスした雰囲気)

 

 テラパゴスを捜しに森の中にやってきたシンヤたちは、大きな声を出してテラパゴスを呼んでいたが、テラパゴスからの返事はなかった。リコはニャローテに、一緒にテラパゴスを捜してほしいと頼むが、ニャローテはリコに背を向けた。リコとニャローテの気まずい空気が流れる中、シンヤは板挟みの状態だったので、何とも言えない気持ちになっていた。すると、流石にリコに悪いと思ったのか、ニャローテはリコの方を振り向いて声をかけようとすると…

 

 ミブリム「ミッミーッ!」

 

 リコ「どうしたの?ミブリム」

 

 ミブリム「ミッ、ミッ、ミーミッ」

 

 リコ「エヘヘ、遊びたいの?」

 

 ニャローテ「………」プイッ(リコから顔を逸らす)

 

 シンヤ『…更に気まずくなちゃったな』

 

 ピカチュウ『ピィーカ』コクリッ

 

 ニャローテがリコに声をかけようとすると、フードの中からミブリムが出てきてリコに声をかけた。リコとミブリムが楽しそうに話していると、ニャローテはまた不機嫌そうな顔をして、リコに背を向けた。そして、再び気まずい空気が流れると、シンヤとピカチュウは戸惑っていた。その頃、森を散歩しているテラパゴスは、森の中にある川にやってきた。

 

 森の中の川

 

 テラパゴス「パーゴッ!」

 

 ザザァァ(川の水が揺れる)

 

 コイキング「コッ、ココ、コッコッ!」

 

 バシャーン!(跳ねたコイキングが川に落ちる)

 

 テラパゴス「パーー!✨」

 

 ダッダッ!

 

 グルトン「グルッグルッ!」

 

 テラパゴス「パーゴ!✨」

 

 ドォォォン!(グルトンがテラパゴスにぶつかる)

 

 グルトン「グルッ⁉︎」

 

 テラパゴス「パーゴ、パーゴー!」

 

 テラパゴスは川にやってくると、川の中にいる《コイキング》を見ていた。そして、テラパゴスが鳴き声を上げると、コイキングが川から飛び跳ねた。飛び跳ねたコイキングを見て、テラパゴスが目を輝かせていると、森の中から《グルトン》が走ってきた。テラパゴスが走ってきたグルトンを見て目を輝かせていると、グルトンはテラパゴスにぶつかってしまい、テラパゴスは笑いながら森の中に飛んで行ってしまう。テラパゴスとぶつかったグルトンも、一瞬何が起こったか分からなかったが、また森の中を走り出すと、その場を後にした。そして数分後に、テラパゴスのグルトンのぶつかった場所に、シンヤたちがやってきた。

 

 リコ「ここにもいない」

 

 シンヤ「…ん?あれは何だ?」

 

 リコ「えっ?……あれって!ニャローテ、ミブリムをお願い」

 

 ニャローテ「ニャッ?」

 

 シンヤ「これは、テラパゴスの足跡だな」

 

 リコ「うん。テラパゴス、ここに来たんだ」

 

 シンヤ「この足跡はテラパゴスだが、こっちの足跡は別のポケモンの足跡だな」

 

 ニャローテ「ニャッァ…」

 

 ミブリム「ミッ、ミッ…」

 

 シンヤたちは川にやってくると、川の近くにテラパゴスの足跡があるのを見つけた。リコはミブリムをニャローテに預けると、ニャローテはミブリムを抱っこした。それからシンヤとリコは、テラパゴスの足跡を辿ってテラパゴスを捜していたのだが、ニャローテとミブリムは2人きりになると、ミブリムはニャローテの気持ちをキャッチしたのか、2人の間に気まずい空気が流れていた。そして、リコが1人で森の方に入って行くと、ニャローテとミブリムはリコがいないことに気がついた。

 

 ニャローテ「ニャッ⁉︎」

 

 ミブリム「ミッ⁉︎」

 

 シンヤ「ん?ニャローテ、ミブリム、どうした?」

 

 ミブリム「ミーッミーッ!」

 

 シンヤ「えっ?リコがいない?」

 

 ピカチュウ「ピィーカ?」

 

 ドォーン(爆発音)

 

 シンヤ「今のって、クヌギダマの爆発した音か?」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 ミブリム「ミミ、ミーッミミ!」

 

 ニャローテ「ニャッ!」

 

 シンヤ「あっ、ニャローテ!待てって!」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 

 テラパゴスを捜していたシンヤとピカチュウは、ニャローテとミブリムの近くにいたので、ニャローテとミブリムが驚いた声を出すと、ニャローテとミブリムに声をかけた。ミブリムは慌てた様子で、リコがいなくなってることをシンヤに伝えた。すると、今度は森の奥の方から爆発音が聞こえてきた。シンヤはその音がクヌギダマの爆発した音だと分かり、ミブリムはリコがその爆発に巻き込まれたと思って慌てていると、ニャローテはミブリムを抱っこしたままリコを捜しに森の奥に走っていき、シンヤとピカチュウはニャローテたちの後を追いかけた。

 

 森の中の別の場所

 

 リコ「あの音って、クヌギダマの爆発した音?もしかしてテラパゴスが!」ダッ!

 

 グラッ(足場が崩れる)

 

 リコ「あっ、うわぁ⁉︎」

 

 シンヤたちが聞いたクヌギダマの爆発音は、どうやらリコと関係なかったようだ。そして、別の場所でクヌギダマの爆発音を聞いたリコは、テラパゴスがその爆発に巻き込まれたと思い、クヌギダマが爆発した場所に行こうとした。すると、森の中の崖近くを走っていたリコの足場が崩れてしまい、リコは崖上にツルがびっしり張った崖の下に滑り落ちてしまう。

 

 リコ「いったた…ここは?…シンヤ〜!ニャローテ〜!ミブリム〜!」

 

 ・・・・・

 

 リコ「あっ、あれ?シンヤ〜!ニャローテ〜!ミブリム〜!」

 

 ・・・・・

 

 リコ「……もしかして私、シンヤたちとはぐれちゃった?」

 

 幸いにも、リコが落ちた崖の下はそんなに深くなく、リコは大きな怪我をせずに済んだようだ。崖の下に落ちたリコは、大きな声を出してシンヤたちを呼ぶが、何度大きな声を出してシンヤたちを呼んでも、シンヤたちから返事は返ってこなかった。その頃、リコとテラパゴスを捜しているシンヤたちは…

 

 シンヤ「リコ〜!テラパゴス〜!どこにいるんだ〜!」

 

 ピカチュウ「ピカッビィーカッ〜!」

 

 テラパゴス『パーーゴ!』

 

 シンヤ「今の声は、テラパゴスの鳴き声か?」

 

 ピカチュウ「ピカチューウ!」

 

 シンヤとピカチュウがリコとテラパゴスを捜していると、近くからテラパゴスの鳴き声が聞こえてきたので、シンヤとピカチュウは声が聞こえてきた方に走って行った。するとそこには、リコを捜していたニャローテとミブリムがいて、2人の近くには、逆さまになっているテラパゴスと、木の枝から落ちたクヌギダマがいた。どうやらテラパゴスは、さっきクヌギダマが爆発した衝撃でひっくり返ってしまい、怪我はしてないようだが、自分1人では起き上がれず、手足をジタバタさせていた。すると、ニャローテが抱っこしていたミブリムがテラパゴスの元に駆け寄り、テラパゴスの背中の甲羅を押して、テラパゴスをひっくり返して元の状態にしようとしていた。しかし、ミブリムが頑張って甲羅を押しても、テラパゴスはひっくり返せなかった。

 

 ミブリム「ミーミミーッ!」

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 シンヤ「分かった分かった。今助け…」

 

 ニャローテ「ニャッァ」

 

 シンヤ「えっ?ニャローテ?」

 

 ピカチュウ「ピィーカ?」

 

 ミブリムは自分の力ではテラパゴスをひっくり返せないと分かると、シンヤとニャローテの方を見て、シンヤたちに助けを求めた。そして、シンヤがテラパゴスの所に行こうとすると、座っていたニャローテは急に立ち上がり、テラパゴスの近くに歩いて行くと、テラパゴスを持ち上げて元の状態に戻した。

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 ミブリム「ミーッ」

 

 ニャローテ「ニャッァ」

 

 シンヤ「ほっ(-。-)、ニャローテの機嫌も少し治ったみたいだな」

 

 ピカチュウ「ピッカッ」

 

 ヒュウウウ(風が吹いてくる)

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 ミブリム「ミッミッ、ミミミ」

 

 ニャローテ「ニャッァァ(~_~;)」

 

 テラパゴスは助けてもらったお礼をニャローテに伝えると、ニャローテはどういたしましてと返事を返した。すると、急に風が吹いてきて、テラパゴスが前に向かって歩き出すと、ニャローテはやれやれとした顔をした。ところが、テラパゴスが歩いている場所の上には、木の枝にぶら下がっているクヌギダマがたくさんいた。それを見たニャローテは、走ってテラパゴスの元に行き、テラパゴスを抱えると、シンヤとピカチュウがいる所まで戻ってきた。

 

 ニャローテ「ニャッァ、ニャッァ、ニャッァ」

 

 シンヤ「ハハハッ、ニャローテも大変だな」

 

 

 ニャローテ「ニャッァ…」

 

 シンヤ「でもさ、こうやってテラパゴスの面倒を見てると、リコがテラパゴスから目を離せないのが分かるだろう?」

 

 ニャローテ「……ニャッァ」コクッ

 

 シンヤ「リコに構ってもらえず、ヤキモチを焼くニャローテの気持ちも分かるけど、ニャローテはミブリムとテラパゴスのお姉ちゃんなんだからさ」

 

 ニャローテ『お姉ちゃん?』

 

 シンヤ「そっ、テラパゴスとミブリムの頼れるお姉ちゃんで、リコにとって大切な相棒ポケモンだ」

 

 ピカチュウ「ピィーカ」

 

 ニャローテ「…ニャッァ!」

 

 シンヤ「フッ。…さぁ、今度はリコを捜さないとな」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 シンヤの言葉を聞いて、リコがテラパゴスから目を離せない理由が少し分かったニャローテは、シンヤにテラパゴスとミブリムの頼れるお姉ちゃんだと言われ、リコの大切な相棒ポケモンだと言われると、とても嬉しそうな顔をした。そして、テラパゴスを見つけたシンヤたちは、今度はリコを捜すために森の中を歩き始めた。

 

 

 森の中の崖の下

 

 

 リコ「どうしよう?これを登るのは無理だし。それにここ、すごく暑い…」

 

 ドッドッドッ!(足音)

 

 リコ「な、なに⁉︎」

 

 崖の下に落ちたリコは、どうやって崖から脱出しようかと考えていた。すると、崖の下に近づいてくる謎の足音が聞こえてきた。

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノッノッノッ」」」

 

 

 リコ「初めて見るポケモンだ」

 

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 

 ノノクラゲ きくらげポケモン じめん・くさタイプ。

 

 ジメジメした森の中で暮らす。脚は細いが、走り出せば時速50キロになる。

 

 

 リコ「ノノクラゲ…」

 

 謎の足音の正体は、たくさんのきくらげポケモンの《ノノクラゲ》が、崖の下へ走ってくる足音だった。リコは咄嗟に崖の下にある大きな岩の後ろに隠れると、スマホロトムでノノクラゲを調べた後、ノノクラゲたちの様子を見ていた。

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノーノー」」」

 

 リコ「ノノクラゲ、何してるんだろう?」

 

 ギュウウウッ!(ツルを引っ張る)

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノー!ノー!ノー!」」」

 

 リコがノノクラゲたちの様子を見ていると、ノノクラゲたちは細長く白い脚を上に向けて伸ばしていたが、リコはノノクラゲが脚を上に伸ばしている理由が分からなかった。しかし、崖の上に目を向けると、長いツルがびっしりと、自分の落ちた崖の上や、反対側の木の地面にまで伸びているのが分かった。そして、崖の上にいるノノクラゲたちがツルを引っ張っている姿を見て、リコはノノクラゲたちが何をやろうとしているのかを理解した。

 

 リコ「もしかして!」

 

 ノノクラゲ「ノッ?」

 

 リコ「えっ?」

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノッ?」」」

 

 リコ「ヒッ、キャアアア〜〜〜〜!」

 

 ノノクラゲたちがやろうとしていることが分かると、リコは大きな声を出して岩から顔を出してしまう。すると、群れから離れている1匹のノノクラゲが、岩から顔を出しているリコに気づき、今度はノノクラゲたちの群れがリコに気づいてしまう。そして、リコはノノクラゲたちの群れに視線を向けられると、何かされると思ったのか、大きな叫び声を出してしまう。すると!

 

 ビュン!

 

 ニャローテ「ニャッァロ!」

 

 シュタ!(地面に着地する)

 

 リコ「ニャローテ!テラパゴスに、ミブリムも!」

 

 ミブリム「ミーッ!」

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 リコの叫び声が森の中で響き渡ると、その声を聞きつけたニャローテが、両手にミブリムとテラパゴスを抱えた状態でリコの目の前に飛んできた。すると今度は、崖の上にシンヤとピカチュウが走ってきた。

 

 シンヤ「リコ!こんな所にいたのか!」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 リコ「シンヤ!ピカチュウ!」

 

 ニャローテ「ニャッァァ!」

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノノッ⁉︎」」」

 

 ニャローテ「ニャッァァァ!」

 

 リコ(ニャローテ、私を守ろうとしてくれてる。でも…)

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノノッ⁉︎」」」

 

 ニャローテはリコの目の前に飛んでくると、胸に付いてるつぼみを掴み、毛を逆立ててノノクラゲたちを威嚇した。ノノクラゲたちは状況が全く理解できず、ニャローテに威嚇されるとビクビクして怯えていた。そして、ニャローテがリコを守ろうと、ノノクラゲたちを攻撃しようとすると…

 

 ニャローテ「ニャッァァァ!」

 

 リコ「待ってニャローテ!ダメ!」

 

 チクッ!

 

 リコ「いっ…!」

 

 ニャローテ「ニャッ?」

 

 ニャローテがノノクラゲたちを攻撃しようとした時、リコは走ってニャローテの元に駆け寄り、ニャローテの背中に抱きついた。しかし、怒っていたニャローテの毛が針のように尖っていたので、ニャローテに抱きついたリコは、さっきと同じように怪我をしてしまう。

 

 リコ「ノノクラゲたちを攻撃しちゃダメ!」

 

 ニャローテ「ニャッァ?」

 

 リコ「ニャローテは、私を守ろうとしてくれてるんだよね?でも、その子たちは何も悪いことはしてないの」

 

 ギュウウッ(ニャローテを抱きしめる)

 

 ニャローテ「ニャッァ…」

 

 リコ「私は、大丈夫だから!」

 

 リコはニャローテに、ノノクラゲたちは何も悪くないと言うと、毛が尖っているニャローテを抱きしめた。ニャローテを抱きしめたリコの腕には、ニャローテの尖っている毛が刺さっていたが、リコは痛みに耐えて、ニャローテをずっと抱きしめた。そして、リコがニャローテをしばらく抱きしめていると、尖っていたニャローテの毛は元のフワフワに戻った。

 

 リコ「あっ…ありがとう、ニャローテ」

 

 ニャローテ「ニャッァ…」

 

 シンヤ「リコ、一体何があったんだ?」

 

 リコ「…それがね」

 

 ニャローテの尖っていた体毛がフワフワになったことで、ニャローテの機嫌が治ったことが分かった。リコがニャローテに自分を助けようとしたお礼を伝えると、テラパゴスがノノクラゲたちの前に歩いて行き、ノノクラゲたちと話をしていた。そして、一体ノノクラゲたちと何があったのかをシンヤが聞くと、リコは崖の下に落ちてから、シンヤたちが来るまでの状況を説明した。

 

 シンヤ「…つまり、リコのさっきの叫び声は、ノノクラゲたちに襲われたからじゃなくて…」

 

 リコ「うん。私が岩に隠れていることがバレて、それをノノクラゲたちに見られちゃって…」

 

 シンヤ「…それでびっくりして、叫び声を出した…と?」

 

 リコ「……はい」

 

 ニャローテ「ニャッァァ(~_~;)」

 

 シンヤ「そんなでかいリコの叫び声を聞いたら、リコがノノクラゲたちに襲われてるって、ニャローテも勘違いするわな。まぁ、俺もリコの叫び声を聞いた時はやばいと思ったけど」

 

 リコ「ごめんね。ニャローテ」

 

 シンヤ「っで、理由はよく分からないけど、ノノクラゲたちは、崖の上のツルをどうにかしたいんだな?」

 

 リコ「うん。さっきからツルを引っ張ってたから」

 

 シンヤ「…よし。出てこい《ニンフィア》!」

 

 ポーーン!

 

 ニンフィア「フィア!」

 

 リコ「かわいい!ロトム、このポケモンは?」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 

 ニンフィア むすびつきポケモン フェアリータイプ。

 

 触角をなびかせ軽やかに舞う姿は優雅だが、技は鋭く急所を狙う。

 

 

 リコ「シンヤ、こんなにかわいいポケモンを持ってたんだね!」

 

 シンヤ「育ててたイーブイが進化しただけだよ。ニンフィア、「サイコキネシス」を使って、リコたちを俺のいる場所まで運んでくれ」

 

 ニンフィア「フィア!フィア〜〜!」

 

 シンヤはリコから、ノノクラゲたちが反対側の崖の地面にまで伸びているツルをどうにかしようとしていると聞くと、モンスターボールからむすびつきポケモンのニンフィアを繰り出した。そして、ニンフィアに「サイコキネシス」を指示して、リコやニャローテ、そしてミブリムとテラパゴスを、自分のいる崖の上まで運んでもらった。

 

 シンヤ「よし、今度はお前だ。出てこい《ガブリアス》!」

 

 ポーーン

 

 ガブリアス「ガァァァブ!」

 

 リコ「このポケモンは…」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 

 ガブリアス マッハポケモン じめん・ドラゴンタイプ。

 

 頭についた2つの突起はセンサーの役目。 遥か先の獲物の様子も分かる。

 

 

 シンヤ「リコ、俺のガブリアスの「ドラゴンクロー」と、ニャローテの「マジカルリーフ」で、崖の上のツルを全て切るんだ」

 

 リコ「分かった!ニャローテ!「マジカルリーフ!」」

 

 シンヤ「ガブリアス!「ドラゴンクロー!」」

 

 ニャローテ「ニャッァロ‼︎」

 

 ガブリアス「ガァァァブ‼︎」

 

 スパッ!スパッ!スパッ!(ガブリアスとニャローテがツルを切る)

 

 ノノクラゲの群れ「「「ノノー!」

 

 シンヤはニンフィアの「サイコキネシス」で、リコたちを自分のいる崖の上まで運んでもらうと、今度はマッハポケモンのガブリアスをモンスターボールから出した。そして、ニャローテの「マジカルリーフ」と、ガブリアスの「ドラゴンクロー」で、崖の上のツルを全て切るとリコに言った。シンヤとリコがそれぞれガブリアスとニャローテに技を指示すると、ガブリアスとニャローテは全てのツルを切ってくれた。崖の上のツルを全て切り終えると、ノノクラゲたちはとても喜んでいた。すると、ノノクラゲたち全員は、同じ場所に目を向けていた。

 

 リコ「どうしたんだろう。ノノクラゲたち?」

 

 シンヤ「何かを待ってるのか?」

 

 ピカチュウ「ピィーカ?」

 

 ノノクラゲたちが何を考えているのか分からなかったが、シンヤとリコたちは、黙ってノノクラゲたちを見ていた。そしてしばらくすると、ツルがなくなった崖の下に風が吹いてきて、地面と空を繋げる竜巻が発生した。すると、ノノクラゲたちは喜びの声を上げ、1人、また1人と、竜巻の中に飛んで行った。そして、ノノクラゲたちが竜巻の中に入って行くと、ノノクラゲたちのヒラヒラが剥がれていき、まるで竜巻から花びらが舞っているように見えた。

 

 リコ「これってもしかして…」

 

 シンヤ「ああ、これが《花ばしら》だったんだ」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 ニンフィア「フィア!」

 ガブリアス「ガァァバ!」

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 ミブリム「ミーッ!」

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 リコ「あのね、ニャローテ」

 ニャローテ「ニャッァ?」

 

 リコ「この花ばしらを見ると、幸せになれるんだって。…みんなと、ニャローテと一緒に、この花ばしらを見られてよかった」

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 

 スッ(ニャローテの手を掴む)

 

 リコ(いつものふわふわだ)

 

 ニャローテ「ニャッァ」

 

 ペロッ

 

 シンヤ『…一件落着かな?』

 ピカチュウ『ピィーカ』

 

 不思議な現象の花ばしらの正体は、ノノクラゲの剥がれたヒラヒラが、竜巻によって舞い上がったものだった。そして、リコがニャローテの手を掴むと、いつものニャローテのふわふわの体毛になっていることに喜び、ニャローテはリコが自分を抱きしめた時に毛が刺さった腕の場所を舐めると、リコとニャローテはお互いに手を握りながら花ばしらを見ていた。そんなリコとニャローテの様子を、シンヤたちは笑顔で見守っていた。そして、数分後に花ばしらが消えると、シンヤとリコたちは、森の中のテントを張った場所に戻って行った。

 

 森の中のテントを張ってある場所・夜

 

 ドット「えっ!2人とも、花ばしらを見たの⁉︎」

 

 リコ「うん。花ばしらの花びらは、ノノクラゲのヒラヒラだったの」

 

 ドット「マジか⁉︎」

 

 ロイ「すごいレポートが書けそうだね」

 

 リコ「うん」

 

 シンヤ「ロイの方は?タイカイデンのレポートは書けたのか?」

 

 ロイ「あっ、それがあのあと、タイカイデン、遠い所に飛んでちゃって…」

 

 シンヤ「そっか。それは残念だったな」

 

 ドット「なるほどな〜。熱せられた地面に強風が吹き込んだから竜巻が発生し、この辺りの森に住んでいるノノクラゲたちは、その竜巻の風の力を使ってヒラヒラを剥がす習性があった。それが花ばしらの正体だったんだ。…あっ、そうだ!リコ、花ばしらの写真と動画は撮った?」

 

 リコ「あっ…忘れてた」

 

 ドット「えっ?シンヤは?」

 

 シンヤ「悪い。花ばしらに見惚れてて、俺も撮ってない」

 

 ドット「もっ、もったいない…」

 

 シンヤ「花ばしらみたいに、不思議な現象や光景を見ると、見惚れてずっと見入っちまうんだよ」

 

 ドット「なんだよそれ…」

 

 リコ「レポートにはイラストを書こうかな。じっくり花ばしらを見られたし、バッチリ覚えてるから」

 

 シンヤ「そうだな。リコの描いた絵は綺麗だし、いいイラストが描けるだろう」

 

 リコ「うん。頑張るよ」…(花ばしらを見られたのは嬉しかったけど、ニャローテのことを、また少し知れたのが幸せかな)

 

 

 花ばしらを写真や動画には撮れなかったが、リコはニャローテやシンヤたちと花ばしらを見ることができて嬉しかったようだ。それからシンヤたちは、キャンプをしながらご飯を作るために、薪に火をつけるのをホゲータに頼み、夜ご飯を食べながら楽しく話をした。

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 

 レポートを書くため、リコたちは森の中で野生ポケモンの観察を続けていた。その観察の途中、ロイはカイデンが強風に煽られて飛べなくなる様子を見かけた。飛ぶことが苦手なカイデンは、以前より飛ぶことはうまくなったが、強風が吹いたことで飛ぶことをすぐに諦めてしまう。その夜、ロイは夜中に1人で飛ぶ特訓をしているカイデンを見つけた。すると、森の中から何かの唸り声が聞こえてきて、ロイたちの目の前に、ある人物とポケモンが現れる。

 

 次回「頑張れカイデン!強風に負けるな!」

 





 今回の話と次の話はバトルがない話なので、すぐ読み終わると思うのですが、ご了承ください。
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