ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 ライムから聞いた、この世ならざるものと呼ばれる不思議なポケモンを見つけるため、リコ、ロイ、ドットの3人は、シンヤが見つけたという、この世ならざるものがいる可能性がある、森が深い場所へとやってきた。


第53話『ミブリム進化⁉︎この世ならざるものの正体!』

 

 森の中

 

 ロイ「お〜い!《この世ならざるもの》!いたら返事をしてよ〜!」

 

 シンヤ「そんなことを言われたって、出てくるわけないだろ」

 

 ピカチュウ「ピィーカ」

 

 ドット「でも、本当にそんな不思議なポケモンがいるのかな?」  

 

 ロイ「ジムリーダーの人がそう言ってたんだから、必ずいる筈だよ。ドットは、この世ならざるものを見たくないの?」

 

 ドット「まぁ、本当にそんな不思議なポケモンがいるなら見てみたいし。ぐるみん的にも、おいしい話だけど」

 

 ロイ「リコだって見たいでしょ?」

 

 リコ「うん。ホントにいるなら、この世ならざるものを見てみたい」

 

 シンヤ「…リコもロイも、本当にこの世ならざるものを見てみたいのか?」 

 

 ロイ「えっ?もちろん見たいよ」

 

 リコ「どうしてそんなことを聞くの?」

 

 シンヤ「リコもロイも、少し怖がりなところがあるからな。この世ならざるものを見た時、ものすごい叫び声を出すかもと思ってさ」

 

 リコ・ロイ「「叫び声なんて出さないよ!」」

 

 シンヤ「…ホントに?」

 

 ロイ「僕たちだって、そこまで怖がりじゃないよ」

 

 リコ「そうだよ!」

 

 ドット(ってことは、少し怖がりってことじゃん)…「シンヤ、森が深い場所はまだなの?」 

 

 シンヤ「いや、ここがそうだよ」

 ピカチュウ「ピカッ」

 

 シンヤたちは、フリッジタウンのジムリーダー《ライム》から聞いた、《この世ならざるもの》と呼ばれる不思議なポケモン捜すため、森の中を歩いて進んでいた。シンヤたちが森の中を歩いて進んでいると、草むらから《マメバッタ》や、どくねずみポケモンの《シルシュルー》が出てきた。そして、リコたちがしばらく歩き続けると、以前シンヤが言っていた、霧が立ち込めて不気味な雰囲気が漂っている場所にやってきた。

 

 

 リコ「なんか出てきそう」

 

 ガサッガサッ(茂みが揺れる)

 

 リコ「えっ?」

 

 ココガラx4「「「ココォォッ!」」」

 

 リコ「わっ!」

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 

 リコがニャローテと森の茂みの方に歩いて行くと、そこから4匹のことりポケモンの《ココガラ》が、鳴き声を上げながら飛び出てきた。すると、リコとニャローテはびっくりして声を出してしまう。

 

 シンヤ「あれ?そこまで怖がりじゃないんじゃなかったっけ?」

 

 リコ「…今の…見てた?」

 

 シンヤ「バッチリ見させていただきました。リコがココガラにびっくりしたところ」

 

 リコ「うぅ〜〜っ///」

 

 ドット「ん?どうしたの?」

 

 シンヤ「今リコがさ…」

 

 パッ(シンヤの口を塞ぐ)

 

 シンヤ「ん⁉︎」

 

 リコ「お願い!言わないで!///」

 

 さっきシンヤにこの世ならざるものを見た時、すごい叫び声を出すかもと言われた直後に、リコはココガラが草むらから飛び出てきたことに驚いてしまい、その様子をバッチリ見ていたシンヤに揶揄われてしまう。そして、ドットがリコとシンヤにどうしたのかと聞くと、シンヤはリコがココガラに驚いたことをドットに喋ろうとしたで、リコは慌ててシンヤの口を両手で塞いだ。

 

 ミブリム「ミッ!ミッ…」

 

 リコ「ミブリム、どうしたの?」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 シンヤ「リコ!俺の後ろに下がれ!」

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「森の奥から何か来る!早く!」

 

 リコ「う、うん!」

 

 リコがシンヤの口を抑えていると、霧が立ち込めている森の奥の方から、ミブリムとピカチュウが何かを感じ取った。そして、シンヤがリコに自分の後ろに隠れるように言うと、ベルトについているモンスターボールを1つ取り、バトルをする準備をした。そして、シンヤの立っている前の草むらが揺れると…

 

 ???x3「「「うわぁぁぁ!」」」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「うわぁぁぁ!」」」

 

 シンヤ「リコとロイとドットがもう一人⁉︎《ゾロア》と《ゾロアーク》が化けた姿か!」

 

 ピカチュウ『リコたちと似てるだけで、どう見ても人間だよ』

 

 シンヤ「分かってるよ。冗談に決まってるだろう」

 

 ピカチュウ『あのねぇ…』

 

 ???「にっ、人間…」

 

 シンヤ「俺たちが人間以外の何に見える?」

 

 草むらの中から出てきたのは、リコ、ロイ、ドットの3人にそっくりな格好をしているトレーナーたちで、リコに似ているトレーナーは《ロズレイド》。ロイに似てるトレーナーは《ダルマッカ》。ドットに似てるトレーナーは《コアルヒー》を連れていた。

 

 ???「そ、そうだよね。…よかったぁ」

 

 ???「アイツから逃げきったのか?」

 

 ???「そうみたい」

 

 どうやらリコたちに似ている3人組は、森の奥にいる何かから逃げてきたようで、その何かから逃げきったと分かると、その場に膝をついて座りこんでしまう。シンヤたちが3人組とロズレイドたちを見ると、6人ともボロボロの姿をしていた。すると、リコのフードの中にいたミブリムが飛び出て、3人組の前に歩いて行くと、ミブリムは「いやしのはどう」を使って3人組の傷を治した。

 

 ミブリム「ミーーッ!」

 

 ピカァァァン(いやしのはどうの光)

 

 ???x3「「「ありがとう!」」」

 

 3人組がミブリムに傷を治してくれたお礼を言うと、3人はシンヤたちに自己紹介をした。リコに似ているのはルカ。ロイに似てるのはライ。ドットに似てるのはボッコという名前らしい。そしてミブリムが、今度はロズレイドたちに「いやしのはどう」を放って傷を治していると、シンヤたちはルカたちから、森の奥で何があったのか話を聞いた。

 

 ルカ「私たち、テラスタル研修を受けるためにパルデアに来ていて、今は研修を受けているところなの」

 

 ロイ「じゃあ、僕たちと同じだ!」

 

 ボッコ「あなたたちも、テラスタル研修を受けてるの?」

 

 リコ「はい」

 

 シンヤ「それで、3人はどうしてここに?」

 

 ルカ「…私たち、研修先のジムに向かう途中で、この森に迷いこんじゃったの。そしたら…」

 

 ライ「恐ろしいポケモンに会ったんだ」

 

 リコ「恐ろしいポケモン?」

 

 ルカ「森を歩いて進んでいるうちに、急に霧が出てきて、どこを歩いているか分からなくなったの」

 

 ライ「それで、そのまま歩いて道を進んでいたら、川のほとりに出ていたんだ」

 

 ボッコ「そこには、おばけみたいに見える大きな木が立っていて、気味の悪い場所だったの」

 

 ライ「それ以上先に進めないから、歩いてきた道を戻ろうとしたんだけど…」

 

 ルカ「私のバッグのひもが切れてしまったから、木から垂れ下がっていた草のツルを引きちぎって、ひもの代わりにしてバッグは直したの。それで、森を出ようとしたら…」

 

 ライ「突然見たこともない、恐ろしいポケモンが襲ってきたんだ」

 

 ボッコ「私たちを見ると、急に襲いかかってきて。バトルして追い払おうとしたんだけど…」

 

 シンヤ「逆に返り討ちにされたわけか」

 

 ボッコ「うん。それで、みんなで走ってここまで逃げてきたの」

 

 ルカ「この世のもとは思えないくらい、とても怖いポケモンだった」

 

 ロイ「この世のものとは思えない…それって!」

 

 シンヤ「ああ。そいつがライムさんが言ってた、この世ならざるものだろうな」

 

 ルカたちから詳しい話を聞いたシンヤたちは、恐らくルカたちが遭遇したポケモンは、ライムの言っていた《この世ならざるもの》と呼ばれる不思議なポケモンだと確信した。

 

 シンヤ「君たちを襲ってきたその恐ろしいポケモンは、この森の奥にいるのか?」

 

 ルカ「…そうだけど」

 

 シンヤ「…っで、リコたちはどうする?行くのか?引き返すのか?」

 

 ロイ「もちろん行くよ!」

 

 リコ「うん!」

 

 ドット「レポートも書かなきゃいけないしな」

 

 ルカ「本気なの⁉︎」

 

 ライ「やめたほうがいいって!君たちも襲われるぞ!」

 

 シンヤ「と言われて、3人は既に行く気マンマンだからな。まぁ、俺もこの世ならざるものを見てみたいし。…君たちはどうする?」

 

 ルカ「私たちは…もう行くわ」

 

 ライ「うん。またアイツに遭遇したら、襲われるかもしれないし」

 

 ボッコ「傷を手当てしてくれてありがとう。それじゃあ」

 

 ルカたちが森の奥で体験した話を聞くと、シンヤは念の為に、リコたちにこの森の奥に行くのかと確認をしたが、リコたちは行く気マンマンだった。ルカたちはシンヤたちに行かない方がいいと言ってきたが、シンヤもこの世ならざるものと呼ばれる不思議なポケモンを見たいようなので、この先に進むことに決めたようだ。ルカたちは余程怖い体験をしたのか、シンヤたちがこの先に進むと言い出すと、傷の手当てをしてくれたお礼を言って、逃げるように研修先のジムに走って行った。

 

 

 リコ「行っちゃったね」

 

 シンヤ「めちゃくちゃ怖い思いをしたんだろうな」

 

 ピカチュウ「ピィーカ…」

 

 ドット「この世ならざるものといわれる不思議なポケモン。僕たちが思ってるより、ヤバいポケモンみたいだ」

 

 ロイ「でも、そんなにすごいポケモンなら、絶対に会いたい!」

 

 ルカたちがいなくなると、シンヤたちはこの世ならざるものを捜すために、森の中を歩いて行った。そして、シンヤたちが森の中を歩いていると、ルカたちが言っていたように、急に霧が出てきた。

 

 深い森の中

 

 ドット「霧が出てきた」

 

 リコ「さっきの人たちが言ってた通りだね」

  

 ウキッ!ウキッ!ウキッ!

 

 シンヤ「何だ?この声?」

 

 霧が出てきた森の中をシンヤたちが歩いていると、急に何かの声が聞こえてきた。そして、シンヤたちは一旦足を止めて、その場でジッとしていた。すると、シンヤたちのいる前の方の木の上から、たくさんの野生のぶたざるポケモンの《マンキー》たちがやってきた。

 

 マンキー「ウキッ!」

 

 ドット「マンキーだ!」

 

 ミブリム「ミーッ…」

 

 リコ「でも、マンキーたち、なんか怒ってるみたい」

 

 ロイ「マンキーは怒りっぽいポケモンだけど…」

 

 シンヤ「ああ。なんか様子が変だな」

 

 ピカチュウ「ピィーカ」

 

 ロイの言う通り、本来マンキーは怒りっぽい性格ではあるのだが、今シンヤたちが見ているマンキーたちは怒っているというより何かから逃げている様な感じだった。

 

 リコ「ミブリム、大丈夫?」

 

 ミブリム「ミッミッ」

 

 コーーーーノッ‼︎

 

 たくさんのマンキーたちが木の上を通り過ぎると、マンキーたちがやってきた森の中の前の方から、すごく大きな鳴き声が聞こえてきた。

 

 ロイ「何だ⁉︎この声?」

 

 ピクッ!

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 シンヤ「…ッ!気をつけろ!木の上に何かいる!」

 

 シンヤたちが謎の大きな鳴き声に驚いていると、ピカチュウが木の上から何かの気配を感じ取った。すると、マンキーたちがやってきた木の上から、ギラギラと真っ赤に輝く目をした、黒いシルエットのポケモンが、身軽に木の上をジャンプしながらシンヤたちのいる所に近づいてきた。そして、そのポケモンはシンヤたちの目の前に降りてくると、大きな雄叫びを上げた。

 

 コーーーノォォォッ‼︎

 

 シンヤ「遂にお出ましか」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「じゃあもしかして…」

 ドット「コイツが…」

 ロイ「この世ならざるもの!」

 

 レポートを書くために捜していた、この世ならざるものが目の前に現れたことにシンヤたちが驚いていると、この世ならざるものは、シンヤたちの近くに歩いてきた。すると、黒いシルエットに隠れていた姿が露わになった。ボサボサに振り乱した灰色の長い体毛に、両腕の筋肉が太く、左手に壊れかけの腕輪をつけていて、見たものを威圧させるギラギラと真っ赤に輝く細い赤い目に、目の下に表れたドス黒い隈。まさにこの世ならざるものは、怒りの化身とも言える姿のポケモンだった。そして、その正体は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コノヨザル「コーーーノッ!」

 

 シンヤ「あれは、《コノヨザル》!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 リコ「コノヨザル」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 コノヨザル ふんどざるポケモン かくとう・ゴーストタイプ。

 

 怒りのボルテージが臨界点を超えた時、肉体という枠に縛られないパワーを手に入れた。

 

 

 ロイ「肉体に縛られないパワー。そうか。だから、この世ならざるものなんだ!」

 

 シンヤ「なんだ。この世ならざるものの正体はコノヨザルだったのか。新種のポケモンだと思ってたのに、期待して損したぜ」…(もしかして、さっきのマンキーたちは、このコノヨザルから逃げてきたのか?)

 

 コノヨザル「コーーノッ!」

 

 バッ!

 

 シンヤたちがコノヨザルを見ていると、コノヨザルは上にジャンプをして、空で回転しながら右ストレートをシンヤたちに打ってきた。シンヤたちはコノヨザルの攻撃を咄嗟にかわしたが、コノヨザルは拳を振り回して、周りに立っている木を折ったり、回し蹴りなどをして木を折っていた。コノヨザルが見境なく暴れまくったせいで、折れた木がシンヤたちの近くに落ちてきて、コノヨザルは折った木の上に乗ると、そこからシンヤたちを見下ろしていた。

 

 シンヤ「ほぉ〜、あのコノヨザル、中々のパワーを持ってるな」

 

 リコ「感心してる場合じゃないよ!」

 

 シンヤ「でもどうする?今この場でコイツを倒すこともできるけど、目的はコイツのレポートを書くことなんだろ?倒したらレポートにならないけど、何もしなけりゃこっちがやられるぞ。一旦引いて、態勢を立て直すか?」

 

 ドット「…そうだね。シンヤの言う通り、僕たちの目的は、この世ならざるもの…コノヨザルのレポートを書くことなんだ。コノヨザルを倒したら意味がない。一旦引こう」

 

 リコ「うん」

 

 ロイ「そうだね」

 

 シンヤ「なら、コイツの出番だな。頼むニンフィア!」

 

 ポーーン‼︎

 

 ニンフィア「フィアッ!」

 

 シンヤ「「ムーンフォース!」」

 

 ニンフィア「フィア!フィィィアァァッ!」

 

 ドォォォォンッ‼︎、

 

 コノヨザル「コォォォォノッ!?」

 

 シンヤ「今のうちだ!走れ!」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「うん!」」」

 

 ミブリム「ミミ…」

 

 シンヤは襲ってきたコノヨザルを倒そうと思ったが、この森にやってきた目的は、この世ならざるものをレポートに書くためだということを思い出し、コノヨザルを倒しては、リコたちがレポートを書けなくなると考え、一旦この場を引こうとリコたちに提案した。リコたちもシンヤの言った提案に賛成すると、シンヤはモンスターボールからニンフィアを繰り出し、ニンフィアに「ムーンフォース」を指示した。すると、ニンフィアは上空に呼び出した月の光を集め始め、ピンク色のエネルギー弾を頭上に作り出すと、そのエネルギー弾をコノヨザルに向かって発射した。そして、ニンフィアの「ムーンフォース」がコノヨザルに直撃すると、コノヨザルは勢いよく後ろに吹き飛ばされ、後ろに立っている木に背中からぶつかった。コノヨザルが地面に倒れたのを確認すると、シンヤたちは前の道を走って進んで行った。すると、ミブリムがリコのフードから顔を出し、コノヨザルのことを見ていた。

 

 川のほとり

 

 リコ「ハァハァ…」

 

 ドット「ここまで来れば、もう大丈夫だろう」

 

 ロイ「すごいポケモンだったね」

 

 ウキッ!ウキッ!

 

 シンヤたちが森の中を走って進んでいると、川のほとりがある場所に出てきた。だが、川の先には霧が立ち込めているため、先の方に何があるかは見えなかった。すると、何かの鳴き声が聞こえてきたので、シンヤたちは鳴き声が聞こえる方に向かった。そこにはたくさんのマンキーたちがいて、ボッコの言っていた、おばけに見える木が立っていた。

 

 ロイ「おばけみたいな木だ」

 

 シンヤ「ここって、さっきの3人が言ってた場所か?」

 

 リコ「ねぇ、あのマンキー、手に何か持ってない?」

 

 シンヤ「あれは…草のツルだな」

 

 リコ「…あっ、そういえば、バッグのひもを草のツルで直したって言ってたよね?」

 

 シンヤ「ああ、そんなことを言ってたな」

 

 ウキッ!ウキッ!ウキッ!

 

 シンヤたちはたくさんのマンキーたちが、おばけに見える木の周りに群がっているところを見ていると、1匹のマンキーが、木から垂れ下がっている草のツルを持っていることに気づき、さっき出会った3人組の1人のルカが、草のツルを引きちぎり、それをひもの代わりにして、バッグを直したと言っていたことを思い出した。すると、シンヤたちのいる前と後ろの方から、たくさんのマンキーたちがやってきて、そのマンキーたちの中には、マンキーの進化系の《オコリザル》が3匹混じっていた。

 

 ドット「なんかすごい怒ってるな」

 

 シンヤ「もしかして、ここはマンキーたちの縄張りで、あの木はマンキーたちにとって、とても大切な木だったのかもしれない。さっきの3人組のリコに似ていた女の子が、ツルを切ったって言ってたし。だから、その一部だった木のツルを切ったのをリコだと思ってるのかも」

 

 リコ「あっ、そういえば、さっきの人たちの連れてるポケモンの感じも、なんか私たちと似てた」

 

 ドット「だから、ボクたちがツルを切った犯人だって思ってるのか」

 

 ロイ「でも、シンヤがいるんだから3人と4人じゃ違うし、コノヨザルたちだって、そこに気づくはずでしょ?」

 

 シンヤ「いや、コノヨザルたちから見たら、1人増えたところで変わらないだろうし。ツルを切られたことで、冷静に物事を見ることができなくなっているかもな」

 

 マンキーの群れ「「「ウキィッ!ウキィッ!」」」

 

 どうやらおばけのように見える木は、マンキーたちには大切な木のようで、その木から垂れ下がっている草のツルを切った犯人を、シンヤたちだと思っているようだ。実際ツルを切ったのは、さっきシンヤたちが出会った3組の1人なのだが、その3人組がリコたちに似ていて、連れてるポケモンの感じも似ているから、マンキーたちはさっきの3人組を、リコたちだと勘違いしているようだ。するとマンキーたちは、その辺に落ちている石を拾うと、その石をシンヤたちに投げつけてきた。

 

 リコ「あのね。その木のツルを切ったのは、私たちじゃないの」

 

 シンヤ「いくら説得しても無理だな。マンキーたちは完全に怒ってる」

 

 オコリザルx3「「「ウキィッ!」」」

 

 ロイ「オコリザルが来た!」

 

 シンヤ「しょうがない。ピカチュウ「10まんボルト!」ニンフィアは「サイコキネシス!」」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!チューーウ!」

 

 ニンフィア「フィア!フィアァァッ〜〜!」

 

 オコリザルx3「「「ウキィッ⁉︎」」」

 

 リコは石を投げてきたマンキーたちに、ツルを切ったのは自分たちじゃないと説得しようとするが、マンキーたちは聞く耳を持たなかった。すると、3匹のオコリザルが向かってきたので、シンヤはオコリザルたちを止めるために、ピカチュウに「10まんボルト」を、ニンフィアには「サイコキネシス」を指示した。そして、ピカチュウは1匹のオコリザルに「10まんボルト」を放ち、ニンフィアは「サイコキネシス」を使って、2匹のオコリザルを宙に浮かせて動きを封じると、そのまま2匹のオコリザルを地面に叩きつけた。

 

 シンヤ「ピカチュウ、ニンフィア、よくやった」

 

 ピカチュウ「ピカッチュ!」

 

 ニンフィア「フィィアァ〜!」

 

 ヒョコ(鞄からテラパゴスが顔を出す)

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 マンキー「ウゥーキッ!」

 

 リコ「あっ、テラパゴス!」

 

 ミブリム「ミッ、ミィーーッ!」

 

 シンヤがピカチュウとニンフィアを褒めていると、地面に置いてあるリコの鞄の中から、テラパゴスが顔を出した。すると、1匹のマンキーが石を投げると、その石がテラパゴスに当たりそうになってしまう。その時、ミブリムが「ねんりき」を発動させると、マンキーの投げた石の動きを止めて、テラパゴスを守ってくれた。

 

 リコ「ありがとうミブリム!」

 

 ミブリム「ミィー!」

 

 コノヨザル「コーーノォォォォ‼︎」

 

 ビュン!

 

 ドォーーン!

 

 リコ「コノヨザル!」

 

 シンヤ「森の中からここまで飛んできたのか⁉︎なんつー跳躍だ!」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 コノヨザル「コーーノッ」クイッ

 

 マンキー「ウキキッ」

 

 オコリザル「ウキィッ」

 

 リコがミブリムにテラパゴスを助けてくれたお礼を言うと、森の中からコノヨザルが雄叫びを上げる声が聞こえてきた。…すると、コノヨザルが森の中からジャンプをして、シンヤたちのいる所にまで飛んできた。そして、シンヤたちの目の前に現れたコノヨザルが顔をクイッとすると、コノヨザルの前に立っていたマンキーたちは、コノヨザルに道を開けた。

 

 ロイ「マンキーとオコリザルが、コノヨザルの言うことを聞いてる」

 

 リコ「もしかしてコノヨザルって、マンキーたちのボスなのかな?」

 

 ドット「うん。マンキーたちにとって、コノヨザルは守り神のような存在かもしれない」

  

 コノヨザル「コーーノォォォォ!」

 

 シンヤ「いきなり「シャドーボール」かよ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!チューーウ!」

 

 バァァァン!

 

 シンヤ「サンキューピカチュウ!」

 

 コノヨザル「コーーノォォ!」

 

 シンヤたちがマンキーたちの関係について話し合っていると、オコリザルはシンヤたちに「シャドーボール」を放ってきた。しかし、ピカチュウが「10まんボルト」を放って「シャドーボール」を相殺してくれたおかげで、シンヤたちは無事だった。すると次の瞬間、コノヨザルはピカチュウやニャローテたちに接近して殴りかかってきた。ニャローテやホゲータやクワッスは、技を使ってコノヨザルを攻撃したが、コノヨザルの動きは素早く、ニャローテたちの技は命中しなかった。そして、ニャローテたちの攻撃をかわしたコノヨザルは、両手を前に出して「シャドーボール」を発動し、至近距離でニャローテたちに「シャドーボール」を命中させた。

 

 ニャローテ「ニャッァ⁉︎」

 ホゲータ「ホンゲ⁉︎」

 クワッス「クワッ⁉︎」

 

 リコ「ニャローテ!」

 ロイ「ホゲータ!」

 ドット「クワッス!」

 

 シンヤ「あのコノヨザル、思ったより素早いな」

 

 ピカチュウ「ピィーカ」

 

 ニンフィア「フィァァァッ」

 

 マンキーの群れ「「「ウキッ!ウキッ!」」」

 

 オコリザルx3「「「ウキィッ!ウキィッ!」」」

 

 シンヤ「…しょうがない。ニンフィア。頼めるか?」

 

 スッ(テラスタルオーブを取り出す)

 

 ニンフィア「フィア?…フィアッ!」

 

 ニャローテたちがコノヨザルに苦戦しているのを見ていたシンヤは、このままではニャローテたちが危ないと思い、ジャケットの懐からテラスタルオーブを取り出すと、ニンフィアをテラスタルさせ、一気に勝負をつけようとした。そして、シンヤがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが満タンになると、シンヤはニンフィアに向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはニンフィアの頭上でエネルギーを解放すると、ニンフィアは結晶石に身を包み込んだ。結晶石が弾け飛んだ時、そこには全身がクリスタル化し、翼を生やしたハートの宝石を模した、ハートのジュエルの王冠を被るニンフィアがいた。

 

 

 (フェアリーテラスタイプ)ニンフィア「フィィィアァァァ‼︎」

 

 ドット「ニンフィアが…」

 

 ロイ「テラスタルした!」

 

 リコ「あれが、ニンフィアのテラスタル!」

 

 シンヤ「ニンフィア!「ムーンフォース!」」

 

 (フェアリーテラスタイプ)ニンフィア「フィア!フィィィィアァァァァッ‼︎」

 

 ドォォォーーーン!

 

 コノヨザル「コーーーーノッ⁉︎」

 

 シンヤはニンフィアをテラスタルさせると、「ムーンフォース」を指示した。すると、ニンフィアは上空に呼び出した月の光を集め始め、さっきより大きいピンク色のエネルギー弾を頭上に作り出すと、そのエネルギー弾をコノヨザルに向かって発射した。そして、「ムーンフォース」がコノヨザルに命中すると、テラスタルしたことでパワーが上がった効果抜群の「ムーンフォース」が効いたのか、コノヨザルはその場で膝をついた。

 

 コノヨザル「コノッ、コノッ」

 

 シンヤ「テラスタルしてパワーの上がった、効果抜群のフェアリータイプの技をまともに受けたんだ。それに、さっきのダメージも残ってるから、さすがに体力の限界だろう?」

 

 コノヨザル「コーーーーノッ!」

 

 シンヤ「「ふんどのこぶし」か!ニンフィアかわせ!」

 

 (フェアリーテラスタイプ)ニンフィア「フィア!」

 

 ドォォォーーン!

 

 ニンフィアの「ムーンフォース」が直撃すると、コノヨザルは膝をついて動かなくなったので大丈夫だろうと思ったシンヤだったが、コノヨザルは急に立ち上がると「ふんどのこぶし」を発動し、右腕の筋肉を大きく太く膨らませると、その右拳を振り下ろしてニンフィアを攻撃してきた。

 

 ミブリム「ミーッ」

 

 リコ「ミブリム、大丈夫?ボールに戻っていいよ」

 

 マンキーx5「「「ウキッ!」」」

 

 ミブリム「ミッ!」

 

 リコ「あっ、待ってミブリム!」

 

 ロイ「あっ、リコ!」

 

 ドット「どこ行くんだ!」

 

 

 ニャローテ「ニャッァ」

 ホゲータ「ホンゲェ」

 クワッス「クワッ」

 

 

 ニンフィアとコノヨザルがバトルをしていると、フードの中にいたミブリムが、川のほとり近くにいる5匹のマンキーたちが騒いでいる声を聞いたので、リコのフードの中から飛び出すと、マンキーたちの所に向かったので、リコ、ロイ、ドットの3人と、ニャローテ、ホゲータ、クワッスも、川のほとりの方に走って行った。その頃、ニンフィアとコノヨザルのバトルは続いていて、ニンフィアが「ふんどのこぶし」をかわすと、コノヨザルは「シャドーボール」を放ってきた。しかし、コノヨザルは「シャドーボール」をニンフィアに向けて投げ飛ばしたわけでなく、デタラメに「シャドーボール」を投げ飛ばしていた。そして、その「シャドーボール」がマンキーたちやオコリザルたちに命中すると、怒ったマンキーたちやオコリザルたちは、コノヨザルに殴りかかり喧嘩を始めた。

 

 

 コノヨザル「コーーーノッ!」

 

 マンキー「ウキキッ!」

 

 オコリザル「ウキィッ!」

 

 シンヤ「えっ?何だ?急に喧嘩を始めたぞ?」

 

 ピカチュウ「ピカチュ?」

 

 (フェアリーテラスタイプ)ニンフィア「フィア?」

 

 シンヤ「どうやらコノヨザルは、マンキーたちのボスでもないし、守り神でもなかったみたいだな」

 

 ピカチュウ「ピィーカ」コクッ

 

 (フェアリーテラスタイプ)ニンフィア「フィア」コクッ

 

 リコ「シンヤ!ちょっとこっちに来て!」

 

 シンヤ「えっ?ああ、分かった」

 

 マンキーとオコリザルたちがコノヨザルと喧嘩を始めると、シンヤはリコに呼ばれたので、リコたちのいる川のほとりの方に向かった。

 

 シンヤ「どうした?」

 

 ロイ「あれは見てよ!」

 

 シンヤ「…あれって…木の実か!」

 

 リコたちのいる川のほとりにやってきたシンヤは、リコたちにどうしたのかと聞くと、ロイが川の向こうを指差した。さっきまでは霧が立ち込めていてよく見えなかったが、そこには大きな木が立っていて、その木の下には、マンキーやオコリザルたちが集めたと思われる、たくさんの木の実が置いてあった。

 

 リコ「あの木の実って、多分マンキーたちの集めた木の実だよね?」

 

 ドット「あっ、あれ!」

 

 シンヤ「草のツル?…そうか!分かったぞ!マンキーたちが怒ってる理由が!」

 

 シンヤは川の向こうに置いてあるたくさんの木の実と、反対側にある大きな木から垂れ下がっている草のツルを見て、何故マンキーたちが怒っていて、コノヨザルが自分たちを襲ってきたのか、その理由が分かったようだ。

 

 リコ「えっ?シンヤには、マンキーたちが怒ってる理由が分かったの?」

 

 シンヤ「ああ。さっきの3人組のルカって女の子が、草のツルを切って、バッグを直したって言ってたろ。恐らくその子が切ったのが、あの大きな木から垂れ下がって川に落ちている、あのツルだったんだ。向こうにあるあの大きい木のツルは、元々あのおばけみたいに見える木と繋がってて、マンキーたちが食料置き場へ行くための、渡りロープとして使われていたんだ」

 

 リコ「じゃあ、マンキーたちが怒ってた理由って」

 

 ドット「食料を取りに行けなくなったから?」

 

 シンヤ「恐らくそうだろうな。マンキーにオコリザル、それにコノヨザルもな」

 

 シンヤの言う通り、マンキーやオコリザルたち、そしてコノヨザルがリコたちを襲ってきた理由は、さっきシンヤたちが出会った3人組の1人のルカが、草のツルを切ってしまったからだった。ルカはバッグのひもが切れたから、木から垂れ下がっている草のツルを切ってバッグを直したと言っていた。だが、ルカが切ったツルは、マンキーたちが食料を川の向こうに運ぶために使っていた、渡りロープだったのだ。その現場を見ていたコノヨザルは、ルカたち3人組を襲ったが逃げられてしまい、その後、ルカたちに似ているリコたちが森の中にやってきて、リコたちの連れているポケモンたちも、ルカたちのポケモンに似ていたから、マンキーやオコリザル、そしてコノヨザルは、リコたちをルカたちだと思って、襲ってきたというわけだった。

 

 ロイ「そりゃ、コノヨザルたちも怒るよ。……あっ、だったらさ!もう一度マンキーたちが、向こうに渡れるようにしてあげようよ!」

 

 リコ「うん!」

 

 ドット「でも、どうやって?」

 

 リコ「それは…」

 

 ロイ「考えてなかった」

 

 シンヤ「…いや、いい方法がある」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「えっ?」」」

 

 シンヤ「3人とも。手分けをして、なるべく多くの細い丸太を集めるんだ」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「丸太?」」」

 

 シンヤ「ああ、丸太を集めてくれ。なるべくたくさんな」

 

 どうやらシンヤには、マンキーたちが向こうに渡れるいい方法があるようだ。シンヤが丸太を集めて何をするか分からなかったが、リコたちはシンヤの言う通りにして、全員で細い丸太を集め始めた。そして数分後…

 

 (たくさんの細い丸太)

 

 リコ「これだけ丸太があれば足りる?」

 

 シンヤ「充分だ。これだけあれば足りるよ」

 

 ドット「でも、こんなに丸太を集めてどうするの?」

 

 シンヤ「これを使ってハシゴを作るんだ」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「ハシゴ⁉︎」」」

 

 シンヤ「そっ。ハシゴを橋の代わりにして、マンキーたちが向こうに渡れるようにするんだ」

 

 リコ「なるほど」

 

 ロイ「橋を作るのは分かったけど、丸太でどうやってハシゴを作るの?」

 

 シンヤ「これを結んでいくだけ」

 

 スッ(長いロープ取り出す)

 

 ドット「ロープ?」

 

 シンヤ「このロープを、集めた丸太にほどけないように結んでいって、ハシゴを作るだけの簡単な作業だ」

 

 ロイ「でも、ハシゴができても、どうやってマンキーたちが渡れるようになるの?」

 

 シンヤ「ハシゴを作った後、ミブリムが「ねんりき」を使って、おばけに見える木の枝に、このロープの先端を巻き付けるんだ。それが終わったら、ロイがタイカイデンに掴まって、マンキーたちの食料が置いてある、大きな木の枝にロープの先端を巻き付ければいい。それで橋は完成するから、後はコノヨザルたちがハシゴを渡って、食料のあるところに行けばいいだけだ」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「……」」」

 

 シンヤ「ん?どうした?俺、なにか間違ったことを言ったか?それとも、俺の言ってることが分かりずらかったか?」

 

 リコ「ううん。すごいなって思って」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 ロイ「だって、普通はそんなことを考えつかないから」

 

 シンヤ「そうなのか。…って、そんなことより。早く作業を始めよう。3人とも、レポートも書かなきゃいけないんだろう?」

 

 ドット「あっ、そうだった!急いでハシゴを作ろう」

 

 それからリコたちは、さっきシンヤが言ったように、集めた細い丸太にロープをしっかり結んでいき、長いハシゴを作ることができた。そして、ミブリムの「ねんりき」を使って、おばけの木の枝にロープの先端を巻き付けると、ロイはタイカイデンと一緒に、マンキーたちの食料が置いてある、大きな木の上にやってきた。そして、ロイが木の枝にロープの先端を巻き付けると、立派な橋が完成した。

 

 シンヤ「よし!これで橋の完成だ!」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 ミブリム「ミーッ!ミーッ!」

 

 コノヨザル「ウホッ、ウホッ」

 マンキー「ウキキッ!」

 オコリザル「ウキィッ!」

 

 シンヤたちがハシゴを作っている時には、コノヨザルたちは喧嘩をやめていて、シンヤたちがハシゴを作るところをジッと見ていた。そして、ミブリムがコノヨザルたちに、橋を渡って向こうに行けると声をかけると、コノヨザルたちはシンヤたちが作ったハシゴを渡っていき、食料が置いてある対岸にやってきた。

 

 マンキー・オコリザル・コノヨザル「「「ウホッ、ウホッ、ウホッ」」」

 

 ロイ「コノヨザルたち嬉しそう」

 

 リコ「川を渡りたいってマンキーたちの気持ちを感じ取った、ミブリムのお手柄だね」

 

 ミブリム「ミーミ」

 

 ピカァァン(ミブリムの体が光る)

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ(今の光って…もしかして)

 

 コノヨザルたちは、ハシゴを渡って食料の置いてある場所に辿り着くと、とても嬉しそうに踊っていた。そして、リコがミブリムを褒めると、一瞬だが、ミブリムの体が小さく光り輝いた。

 

 ドッスン!ドッスン!

 

 シンヤ・リコ「「えっ?」」 

 

 マンキー・オコリザル・コノヨザル「「「ウホッ、ウホッ、ウホッ」」」

 

 ドッスン!ドッスン!

 

 ドット「ちょっと、喜びすぎじゃないのか?」

 

 シンヤ「地面が揺れてるし」

 

 ピカチュウ「ピィーカ」

 

 コノヨザルたちは嬉しそうに踊り始めると、今度は足踏みをし始めた。そのせいで、まるで「じしん」のような振動が起きてしまう。すると、コノヨザルたちが起こした振動のせいで、崖の上の隙間に挟まっている大きな岩が抜け落ちてしまい、その大きな岩が坂道を転がってくると…

 

 ドォーーーン‼︎

 

 マンキー・オコリザル・コノヨザル「「「ウキィーーーッ⁉︎」

 

 坂道を転がってきた岩は、転がってきた勢いをつけると、コノヨザルたちがいる場所の真上に飛んできて、そのまま下に落下してしまう。そして、岩が落下してきたことに一瞬驚いたマンキーたちだったが、それがキッカケになり、マンキーたちやオコリザルたち、そしてコノヨザルは、また喧嘩を始めてしまう。

 

 コノヨザル「コーーーノッ!」

 マンキー「ウキキッ!」

 オコリザル「ウキィッ!」

 

 リコ「また喧嘩を始めちゃった…」

 

 ロイ「さっきまであんなに仲良く喜んでたのに…」

 

 ドット「っていうか、岩が落ちてきたのは自分たちのせいなのに…」

 

 シンヤ「ハァ、呆れて言葉も見つからん」

 

 ピカァァァン!(2匹のオコリザルの体が光る)

 

 再び喧嘩を始めたコノヨザルたちを見て、シンヤたちは1人ずつ思っていることを口に出した。すると、喧嘩をしている2匹のオコリザルの体が突然光り輝くと、2匹のオコリザルはシンヤたちの見ている前で、コノヨザルに《進化》したのだ。

 

 コノヨザルx2「「コーーッ!」」

 

 リコ・ドット「「えっ⁉︎」」

 

 ロイ「コノヨザルって、オコリザルが進化したポケモンだったの⁉︎」

 

 シンヤ「なんだ?ロイたちは知らなかったのか?」

 

 リコ「えっ?シンヤは、オコリザルがコノヨザルに進化するポケモンって知ってたの?」

 

 シンヤ「ああ。最初にコノヨザルを見た時、オコリザルに似てるなと思ったからな。オコリザルがコノヨザルに進化したとこ見たことあるし」

 

 目の前で2匹のオコリザルが、コノヨザルに進化したところを見て驚いたリコたち。しかし、オコリザルがコノヨザルに進化したことで、喧嘩がヒートアップしてしまう。すると、喧嘩をしている3匹のコノヨザルたちの喧嘩に、マンキーたちが乱入してきた。だが、さすが進化形のポケモンと言うべきか、3匹のコノヨザルのパワーは圧倒的で、すぐに乱入してきたマンキーたち全員を戦闘不能にしてしまった。そして、コノヨザルたちの喧嘩が激しくなってきたので、シンヤたちは急いでその場を離れて避難した。

 

 

 ドン!ドカッ!ボコッ!

 

 

 ロイ「すっごいな。コノヨザル同士の喧嘩」

 

 ドット「あれじゃ近づけないな」

 

 リコ「…あれ?ミブリムは⁉︎」

 

 コノヨザル同士の喧嘩が激しくなってきたので、シンヤたちはマンキーたちが食料を運んだ大きな木の根っこの後ろに隠れて、コノヨザル同士の喧嘩を見ていた。すると、リコは自分の近くに、ミブリムがいないことに気づいた。

 

 ドン!ドカッ!ボコッ!

 

 コノヨザルx3「「「コノッ!」」」

 

 ミブリム「ミーッ、ミーミ、ミッ」

 

 シンヤ「あんなところに!」

 

 リコ「ミブリム!そこは危ないよ!」

 

 ドン!ドカッ!ボコッ!

 

 コノヨザルx3「「「コーーノッ!」」」

 

 ミブリム「ミーーッ!」

 

 ピカァァァン!(ミブリムの体が光り輝く)

 

 リコ「えっ⁉︎」

 

 シンヤ「やっぱりあの光は、ミブリムが進化する兆候だったのか!」

 

 ミブリムはコノヨザル同士の喧嘩を止めようとして、コノヨザルたちの足元に近づいて声をかけるが、コノヨザルは聞く耳をもたず、殴り合いを続けた。そして、コノヨザルたちの強い感情を感じ取ったミブリムは、耳で頭を抑えていた。すると、ミブリムの体が突然光り始め、ミブリムは光に包まれながら、その光の中で新たな姿へと進化を始めた。一頭身だったミブリムは、進化したことで頭身が上がって手も生え、帽子をかぶった魔女っ子を彷彿させる姿になった。

 

 

 テブリム「テブリッ!」

 

 

 リコ「ミブリムが進化した!」

 

 シンヤ「あれはテブリムだ!」

 

 リコ「テブリム…」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 テブリム せいしゅくポケモン エスパータイプ。

 

 強い感情を持つものは、それが誰であれ、黙らせる。

 

 

 リコ「黙らせる?」

 

 テブリム「テブッ!テエェーーブッ!」

 

 ダァァァァン!

 

 コノヨザル「コーーノッ⁉︎」

 

 ドォォォォン!

 

 リコ「何、あの技⁉︎」

 

 シンヤ「あれは「ぶんまわす」だ!テブリムに進化したことで、新しい技を覚えたんだ」

 

 ミブリムがテブリムに進化したことをリコが喜んでいると、デブリムはジャンプをして体を回転をさせた。すると、頭から垂れ下がったおさげのような房が黒くなっていき、テブリムは「ぶんまわす」を発動すると、おさげのような房でコノヨザルをぶん殴ると、コノヨザルは吹き飛ばされてしまった。テブリムにぶん殴られたコノヨザルが目を回して倒れると、テブリムは残りの2匹のコノヨザルもおさげのような房でぶん殴り、3匹のコノヨザルを1人でKOしてしまった。そんなテブリムを見たシンヤたちは、ポカンとした顔をしていた。

 

 ロイ「すごっ…」

 リコ「うん…」

 シンヤ「ああ…」

 

 テブリム「テエェーーブッ」

 

 ピカァァァン(いやしのはどうの光)

 

 ドット「って、自分で倒したのに、自分でコノヨザルたちを癒やして治してるし…」

 

 シンヤ「……まるで暴力看護師だな」チラッ(リコを見る)

 

 リコ「ん?どうしたの?シンヤ」

 

 シンヤ「いや…少し…リコが怖くなってきたと思って」

 

 リコ「えっ⁉︎何で⁉︎私、シンヤに何かした⁉︎」

 

 シンヤ「ああいや、そういう意味じゃなくて…」

 

 テブリムが自分で倒したコノヨザルたちを治療しているところを見たシンヤは、少しリコが怖くなってしまった。しかし、シンヤがそう思ったのには、ある理由があった。ポケモンは良くも悪くも、育てたトレーナーに似るところがある。シンヤがゲットして育てたポケモンたちも、シンヤと同じように大人びたところがあったり、物事の察しが鋭く、頭の回転が速いポケモンがいる。リコとニャローテもいい例と言える。ニャローテはニャオハの時から、リコに構ってもらえないとヤキモチを焼くところがある。それはニャローテになってからも変わっていない。リコにいたっても、女の人がシンヤに近づくだけで、ヤキモチを焼く…というか、嫉妬深いところがある。だからこそ、テブリムの意外な一面を見て、いずれリコがこうなってしまうと考えると、シンヤは少しリコに怖さを感じていたのだ。そして、テブリムはコノヨザルたちの治療を終えると、ガッツポーズをした。それから数分後…

 

 パクッパクッ(コノヨザルたちが木の実を食べている)

 

 シンヤ「やっとおとなしくなったか」

 

 ドット「こっちは木の実を集めて疲れたよ。…あぁ、そうだ。コノヨザルを動画に撮っておかないと」

 

 ミブリムがコノヨザルたちの治療を終えると、シンヤたちはコノヨザルたちのために、森の中で木の実を集め始めた。たくさんの木の実を集めたので、それを持ってコノヨザルたちの元に向かった。シンヤたちは集めた木の実をコノヨザルたちの前に差し出すと、コノヨザルたちは仲良く木の実を食べ始めた。そして、ピカチュウやニャローテたちも、集めた木の実を仲良く食べていた。

 

 リコ「…テブリム」

 

 テブリム「テブ?」

 

 リコ「これからもよろしくね!」

 

 テブリム「テブリッ!」

 

 ロイ「まだまだ僕たちの知らないポケモンが、たくさんいるんだ!」

 

 ドット「うん。ポケモンのこと、もっともっと知りたい」

 

 リコ「たくさんのポケモンと出会って、仲良くなりたいな」

 

 シンヤ(…この世ならざるのものの正体が、新種のポケモンじゃなかったのは残念だったけど。リコたちがこれからも頑張れる、いい切っ掛けになったみたいだな)

 

 この世ならざるものの正体が新種のポケモンでなく、コノヨザルだったことにがっかりしたシンヤだったが。コノヨザルたちとの出会いは、リコたちがポケモンのことをもっと知りたいと思えるいい切っ掛けになったので、まあいいかと思った。

 

 テブリム「テブッ、テブッ…」(テブリムがフードの中に入ろうとする)

 

 シンヤ「進化して体が大きくなったから、もうフードの中には入れないな」

 

 リコ「うん。テブリム、フードは卒業だね」

 

 テブリム「テブリッ…」

 

 ドット「じゃあ、オレンジアカデミーに戻ろう」

 

 リコ・ロイ「「うん」」

 

 シンヤ「ああ」

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…ピッ

 

 シンヤ「フリードからだ。はい。もしもし」

 

 コノヨザルを動画に撮ったことで、レポートを書くのに必要な題材を集めたリコたちは、早速オレンジアカデミーへ戻ることにした。すると、デブリムはリコのジャケットのフードの中に入ろうとするが、進化して体が大きくなったので、フードに入れなくなってしまった。そして、シンヤたちがオレンジアカデミーに戻ろうとすると、シンヤのスマホロトムにフリードから着信が来た。

 

 フリード『シンヤ。急で悪いんだが、明日俺と一緒に、ある場所に行ってほしい』

 

 シンヤ「…俺、リコと付き合ってるし。男とデートする趣味はないんだけど」

 

 フリード『なんで俺がお前をデートに誘うんだ!俺だってそんな趣味はない!』

 

 シンヤ「冗談だって。…っで、どこに行けばいいんだ?」

 

 フリード『あのなぁ。…明日の昼に、俺が泊まってる宿舎に来てくれ。合流したら、一緒に行ってほしい場所があるんだ』

 

 シンヤ「…一体どんな場所なんだ?」

 

 フリード『…テラパゴスとラクアの手掛かりがある場所だ』

 

 シンヤ「本当か⁉︎本当に、テラパゴスとラクアの手掛かりがある場所なのか!」

 

 フリード『確信はないが、多分あると思うんだ。少し気になることがあってな』

 

 シンヤ「分かった。じゃあ明日の昼には、宿舎に着くようにするよ」ピッ

 

 リコ「シンヤ、どうしたの?」

 

 シンヤ「フリードから、テラパゴスとラクアの手掛かりがある場所に行くから、一緒に来てほしいって連絡が来てな。だからリコたちは、先にオレンジアカデミーに戻っててくれ。俺は後で行くから」

 

 ドット「ラクアの手掛かり⁉︎」

 

 ロイ「本当に⁉︎」

 

 シンヤ「確信はないけど、多分って言ってたぞ」

 

 リコ「分かった。じゃあ、後でオレンジアカデミーに来てね」

 

 シンヤ「悪いな。…一応、念の為にコイツを預けておくよ」

 

 スッ(モンスターボール)

 

 リコ「モンスターボール?」

 

 シンヤ「ミライドンが入ってるモンスターボールだ。エクスプローラーズのこともあるからな」

 

 ドット「サンドウィッチと、オニギリって奴のことだね?」

 

 シンヤ「ああ。万が一の時は、ミライドンに乗って逃げてくれ」

 

 テラパゴスとラクアの手掛かりがあると、フリードから連絡をもらったシンヤは、明日の昼にフリードと合流して、テラパゴスとラクアの手掛かりがある場所に行くために、一旦リコたちと別行動をすることにした。そして、シンヤはミライドンの入っているモンスターボールを渡し、エクスプローラーズが来たら、ミライドンに乗って逃げてくれとリコたちに伝えた。

 

 シンヤ「こっちの用事が終わったら、俺もすぐにオレンジアカデミーに行くから」

 

 ピカチュウ「ピィーカ!」

 

 リコ「うん!」

 

 ロイ「じゃあね!」

 

 ドット「待ってるからな!」

 

 シンヤ「ああ。ピカチュウ、行くぞ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 

 テラパゴスとラクアの手掛かりがあると連絡を受け、フリードと合流したシンヤは、フリードと一緒にある会社の中に入って行った。そこは、かつてフリードがキャップと出会う前に、フリードが働いていた会社だった。

 

 

 次回「永遠のめぐみ!潜入、エクシード社!」

 





 リコVSチリが終わった後に、この小説を読んでもらっている人からのリクエストを受けて、シンヤとスグリがバトルする、オリジナルストーリーを執筆する予定です。シンヤとスグリがバトルをする話を書いて、その後、私の知らないテラパゴスの話が終わった後、シンヤがエリアゼロに行く話を書こうと思っています。いつもアニメの話をアレンジして書いた小説を投稿していますが、シンヤがスグリとバトルする話と、エリアゼロに行く話はオリジナルの話になるので。お楽しみに!

 タグにR-15を追加しました。これから書くことを踏まえて追加したので、ご了承ください。


 
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