ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
最後の交流戦は、リコとカエデの負けで終わってしまった。リコはチリとのバトルの後に悔し涙を流し、バトルに負けて悔しいと初めて思った。しかし、バトルに負けて悔しい思いを経験したリコは、まだまだ強くなれるとシンヤは思い、リコは今まで以上にポケモンバトルが好きになったようだ。そして、シンヤはスグリとフルバトルをするために、グラウンドのバトルフィールドに向かった。
オレンジアカデミー・グラウンドのバトルフィールド
シンヤ「……」
スグリ「……」
グラウンド・観戦場所
アン「なんだかワクワクしてきた!」
ロイ「そう言えば、シンヤがフルバトルするところ、僕たち初めて見るよね」
リコ「あっ、そう言われてみれば」
ドット「確かにそうだ」
アン「えっ?そうなの?」
ネモ「リコたちは、今シンヤと一緒に旅をしてるんでしょ?だったら、シンヤとバトルをしたことだってあるでしょ?」
ロイ「もちろん。特訓に付き合ってもらったことだってあるよ」
ドット「だけど、シンヤがフルバトルで戦うところを見るのは、僕たちも初めてだよ。それに、バトルの特訓はしてもらってるけど、シンヤが本気で僕たちとバトルをしたことはないと思う」
リコ「うん。シンヤが本気になったら、私たちじゃ敵わないだろうし」…(シンヤ…大丈夫だよね)
ピカチュウ「ピィーカ」
リコ「ピカチュウ。今日は一緒にシンヤを応援しようね」
ピカチュウ「ピッカッチューウ!」
リコとロイとドットの3人は、シンヤが絶対に勝つと信じていた。それは、シンヤが世界チャンピオンだからというわけではない。シンヤと一緒に旅をして、シンヤのバトルするところを何度も見てきた、リコたちだからこそ、シンヤの勝ちを疑っていなかったのだ。しかし、リコたちはシンヤがフルバトルするところを初めて見るので、一体どうなるんだろうと思ってもいた。そして、シンヤはスグリとのバトルの前に、ピカチュウをリコに預けていた。どうやら今回、ピカチュウはバトルをしないようだ。
グラウンド・別の観戦場所
クラベル「久しぶりですね。シンヤさんのバトルを見るのは」
オモダカ「ええ。私もとても楽しみですよ」
チリ「せやな。このバトル、めちゃくちゃ楽しみやわ」
グルーシャ「……」
ブルベリ生徒「どっちが勝つと思う?」
ブルベリ生徒2「…できればシンヤさんに勝ってほしい」
ブルベリ生徒3「だよな。スグリには負けてほしいよな」
カキツバタ「スグリのヤツ、勝手なことを言われてるぜい」
タロ「あなたたち!そういうことを言うのはよくないですよ!」
ブルベリ生徒1・2・3「「「す、すいません!」」」
カキツバタ「流石、学園のアイドルにはみんな敵わねえな」
タロ「アイドルって…」
ゼイユ(…スグ、シンヤ…)
アカマツ「……」
ネリネ「……」
シアノ「うん。このバトル、一瞬も目が離せないね」
シンヤとスグリが位置につくと、リコたちや研修生のトレーナーたち、オレンジアカデミーの教師たちやパルデアの四天王たち。そして、ブルーベリー学園から来た全員は、シンヤとスグリのフルバトルが始まるのを、今か今かと楽しみに待っていた。
スグリ「…ずっと待ってた。シンヤを見返したくて、俺、ずっと努力したんだ」
シンヤ「……」
ゼイユ「……」
スグリ「吐くほど勉強して、ポケモンを強くして、四天王を倒してチャンピオンになって……それも、全部、全部、全部‼︎今ここでシンヤに勝つため‼︎」
シンヤ「…スグリ、強くなるために努力をして、ブルーベリー学園でチャンピオンになったお前は、素直にすごいと思う。…だけど、努力をするっていうのは、相手を見返すためにするものじゃない。…ゼイユから聞いたよ。リーグ部でのこと…」
スグリ「…本気になれない奴は、俺の部活にいらないから」
シンヤ「部活はお前のものじゃないだろ。部に入っているみんなのものだ」
スグリ「シンヤがそれを言うの?オーガポンをゲットしたシンヤが?」
シンヤ「ッ!……」
スグリ「…まあ、バトルに勝った方がオーガポンをゲットするって言ったのは俺だから、負けた俺には文句を言う権利はないけど」
シンヤ「…自分の方が強いからとか、勝ったからって理由で、お前がリーグ部で好き勝手をしてもいいことにはならないし、それが許される訳じゃない。スグリ、お前のやってることは…」
スグリ「文句があるなら俺に勝ってから言いなよ。…でも、このバトルに勝つのは俺だ!」
スグリの言葉を聞いたシンヤは、恐らく今のスグリには、何を言っても無駄だろうと思った。今のスグリは自分に勝つことだけを考えていて、勝った者が正しく、勝った者が絶対だと思っているのだと。スグリをこんな風に変えてしまったと思うと、シンヤは罪悪感に苛まれた。
アン「何あの子!」
ロイ「なんか失礼な奴だな。ねぇ、リコもドットもそう思うでしょ?」
ドット「えっ?……う、うん」
リコ「そ、そうだね…」
ロイ「…どうしたの2人とも?」
シンヤとスグリが会話をしていると、シンヤとスグリの会話を聞いていたアンとロイは、スグリがシンヤに失礼なことを言っているので、スグリに対して少し怒っていた。しかし、ドットはシンヤたちと初対面の頃、リコとロイに同じようなことをした覚えがあるから、スグリのことをどうこう言えなかった。リコはというと、さっきシンヤからスグリとの関係を聞いていたので、スグリにあまり強いことを言えなかった。もし、スグリとの関係をシンヤから聞いていなければ、リコもアンやロイと同じように、スグリに対して怒っていただろう。そして、交流戦のジャッジを務めていたキハダが歩いてくると、シンヤとスグリのフルバトルが始まろうとしていた。
キハダ「押忍!このバトルも、この熱き血潮のキハダがジャッジを務めさせてもらう!これより、シンオウ地方のシンヤと、キタカミの里のスグリによる、6対6のフルバトルを始める!互いに使用ポケモンは6体!試合時間、並びにポケモンの交代は無制限!相手の6体のポケモン全てを戦闘不能にした方が勝ち!そして、このバトルで使用できるのは、お互いテラスタルだけ!それでは、両者ポケモンを!」
スグリ「いけ!《ニョロトノ》!」
シンヤ「頼むぜ!《エルレイド》!」
ポーーン
ニョロトノ「ニョーロォッ!」
エルレイド「エールレイッ!」
スグリ「俺は間違ってない。だから…シンヤに勝って、答え合わせをさせてもらう」
シンヤ「…今のお前には、もう何を言っても無駄のようだな。…だったらお前に勝って、その答えを改めてもらう」
ザァァァァァ!(雨が降る)
キハダの合図で、シンヤとスグリは同時にモンスターボールを投げた。シンヤのモンスターボールからは、やいばポケモンの《エルレイド》が、スグリのモンスターボールからは、かえるポケモンの《ニョロトノ》が出てきた。そして、ニョロトノがフィールドに出てくると、ニョロトノの特性《あめふらし》により、上空に雨雲が広がっていくと、フィールドに雨が降り始めた。
ロイ「シンヤのポケモンかっこいい!」
ドット「あれはエルレイドだよ」
リコ「エルレイドっていうんだ」スッ(スマホロトムを取り出す)
エルレイド やいばポケモン エスパー・かくとうタイプ
相手の考えを敏感にキャッチする能力を持つため、先に攻撃ができる。
リコ「シンヤ、あんなポケモンを持ってたんだ」
ドット「確かあのエルレイド。シンヤがシンオウリーグを優勝した時に使っていたポケモンだ」
アン「それって、めちゃくちゃ強いってことじゃん!」
グラウンドの物陰
???「やっと見つけたと思ったら。シンヤのヤツ、フルバトルをしてやがる。…まぁいいか。面白いバトルが見られそうだし、やっとコイツが返せるからな」
スッ(スーパーボール)
ヴィヴィアン「あら?リュウガ君?」
リュウガ「あっ、ヴィヴィアンさん!」
ヴィヴィアン「オレンジアカデミーに来てたんだ」
リュウガ「ええ。ヴィヴィアンさんに、シンヤがどこにいるか聞こうと思ったんですけど。ちょうどシンヤがバトルをするところだったから」
キハダ「押忍!双方準備はいいな?」
シンヤ・スグリ「「はい!」」
キハダ「先行はスグリからだ。バトル、スタート!」
スグリ「ニョロトノ!「れいとうビーム!」」
ニョロトノ「ニョーロォーーッ!」
シンヤ「エルレイド!「せいなるつるぎ!」」
エルレイド「エーールレェイッ!」
バァァァン!
ついに始まった、シンヤとスグリのフルバトル。バトルが始まると、スグリはニョロトノに「れいとうビーム」を指示した。ニョロトノが口から「れいとうビーム」を放つと、シンヤはエルレイドに「せいなるつるぎ」を指示した。そして、エルレイドが「せいなるつるぎ」を発動すると、両肘の刀が光り始め、エルレイドは両肘の刀で、「れいとうビーム」を切り裂いた。
スグリ「ニョロトノ!「ウェザーボール!」」
ニョロトノ「ニョーロォーーーッ!」
シンヤ「エルレイド!「リーフブレード」で「ウェザーボール」をたたき切れ!」
エルレイド「エーールレェイッ!」
ザァァァン!
ニョロトノ「ニョーロォーーッ⁉︎」
エルレイドに「れいとうビーム」を防がれると、ニョロトノは口から「ウェザーボール」を放ってきた。「ウェザーボール」は天気によってタイプと威力が変わる技なので、今の「ウェザーボール」は水タイプの技に変わっていた。そして、エルレイドは「リーフブレード」を発動すると、ニョロトノに向かって突っ込んで行き、「ウェザーボール」を切り裂くと、そのままニョロトノに攻撃してダメージを与えた。
スグリ「クッ!わやじゃ…相性で負けてても、俺は負けない‼︎ニョロトノ!もう一度「れいとうビーム!」」
ニョロトノ「「ニョーーロォーーーッ‼︎」
シンヤ「悪いがこれで終わりだ!エルレイド!トドメの「リーフブレード!」」
エルレイド「エーールッ!レェーーイッ!」
ザァァァァン!
ニョロトノ「ニョーーロォーーッ⁉︎」
バタン!
ニョロトノ「ニョ…ロ…」
キハダ「ニョロトノ、戦闘不能!エルレイドの勝ち!」
シンヤ「いいぞエルレイド!」
エルレイド「エェールレイッ」
ニョロトノが「れいとうビーム」を放とうとすると、エルレイドはそれより早く「リーフブレード」を発動し、ニョロトノに向かって走って行くと、両肘の刀でニョロトノを切りつけた。そして、2回目の「リーフブレード」が急所に当たると、ニョロトノは目を回してその場に倒れた。
リコ「すごい。あのエルレイド…」
ロイ「やったぁ!」
アン「まずはシンヤの1勝!」
ドット「でも、バトルは始まったばかりだ」
ネモ「うん。1体倒したからといって、最後まで気を抜けないよ」
エルレイドが無傷でニョロトノを倒すと、バトルを見ていたリコたちは、シンヤが先勝したことに喜んでいた。しかし、スグリのポケモンが1体倒れただけなので、まだこの先のバトルがどうなるかは分からない。
スグリ「運まで味方につけて…ズルいよな」
シンヤ「運?…スグリには、今のエルレイドの攻撃が、偶然急所に当たったと思ってるのか?」
スグリ「えっ?」
シンヤ「エルレイドの肘を見てみろよ」
スグリ「エルレイドの肘?」
シンヤにエルレイド肘を見ろと言われると、スグリはエルレイドの肘を確認した。するとスグリは、エルレイドが肘にある道具をつけていることに気づいた。
シンヤ「俺のエルレイドは、《するどいツメ》という道具を持っているから、技が急所に当たりやすいんだ。それに、「リーフブレード」も急所に当たりやすい技だから、するどいツメの効果を合わせると、「リーフブレード」が急所に当たる確率がすごく高いんだ」
本来するどいツメは、《ニューラ》を《マニューラ》に進化させるために必要な道具だ。しかし、バトルの時にポケモンに持たせることで、持たせたポケモンの技が1段階急所に当たりやすくなる効果がある。そして、エルレイドが使った「リーフブレード」も、急所に当たりやすくなる技だ。だから、2回目に使った「リーフブレード」が、偶然にも急所に当たったというわけだった。
スグリ「…なるほどな。「リーフブレード」が急所に当たったのは、運じゃなく、実力だって言いたいんだ」
シンヤ「…少しは運が味方してくれたのもある。けど、仮にエルレイドの攻撃が急所に当たったとしても、それはズルじゃない」
スグリ「ニョロトノ、戻れ」
シュルルーン
スグリ「勝負はこれからだ!いけ!《カイリュー》!」
ポーーン!
カイリュー「バゥゥーーン!」
シンヤ(カイリューか…さっきのニョロトノといい。何度かキタカミの里でスグリとバトルした時には、スグリの手持ちにいなかったポケモンたちばかりだな)
スグリは倒れたニョロトノをモンスターボールに戻すと、2体目のポケモンをモンスターボールから出した。スグリが次に繰り出したのは、エルレイドと相性がいい、ドラゴンポケモンの《カイリュー》だった。
スグリ「カイリュー!「かみなり!」」
カイリュー「バゥゥーーーン!」
ゴゴゴゴッ…ドカァーーン⚡️
エルレイド「エルレイッ⁉︎」
シンヤ「エルレイド!」
スグリ「鍛え上げた技はどうだ!キタカミの時と違うだろ!」
スグリはカイリューを繰り出すと、カイリューに「かみなり」を指示した。そして、カイリューが上空に向かって鳴き声を上げると、バトルフィールドの上空に広がっている雨雲から、エルレイドに向かって「かみなり」が落ちてきた。
シンヤ「ニョロトノの特性、あめふらしが活かされてるな」
スグリ「そう。「かみなり」は命中率が低い技だけど、天気が雨の時は必ず命中するからな!」
シンヤ「勉強の成果が出てる訳か。戻れエルレイド!」
シュルルーン
ロイ「あれ?エルレイドを戻しちゃった?」
アン「まだエルレイドは戦えるはずなのに?」
ネモ「ううん。シンヤの判断は正しいよ」
ドット「うん。相手はひこうタイプを持ってるカイリューだ。かくとうタイプのエルレイドとは相性が悪い。それに、さっきのニョロトノとのバトルで、シンヤのエルレイドは接近戦に強いことは分かったけど、空を飛んでるカイリューが相手じゃ、接近戦で戦うエルレイドの技は活かせないからね」
リコ「そっか。シンヤはそこまで考えて、エルレイドを戻したんだ」
ネモ「それだけじゃないよ。ポケモンは戦闘不能にならなければ、いくらでもバトルに出ることができる。だから、これからのバトルのために、エルレイドを温存したんだよ」
ロイ「なるほど」
シンヤ「《キュウコン》!頼むぞ!」
ポーーン!
アローラキュウコン「コォーーンッ!」
エルレイドをモンスターボールに戻すと、シンヤが次に繰り出したのは、きつねポケモンのキュウコン。それも、《アローラキュウコン》だった。
ロイ「あれ?シンヤのキュウコン、僕の知ってるキュウコンと色が違う」
アン「確かキュウコンの色って、白じゃなくて黄金だった筈だけど…」
ドット「ああ、シンヤのキュウコンは、《アローラキュウコン》っていって、ロイとアンの知ってるキュウコンとは違うポケモンなんだ。アローラキュウコンは、《アローラ地方》の《ラナキラマウンテン》っていう、雪山で生息してるポケモンだからね」
アン・ロイ「「アローラキュウコン?」」
ドット「同じ名前のポケモンでも、ポケモンが住む地方の環境に適応した姿のことを、《リージョンフォーム》というんだ。簡単に言えば、ガラルファイヤーと同じだよ」
リコ「あっ、そっか。ファイヤーがガラルの環境で姿を変えたから、ガラルファイヤーって言われているように。シンヤのキュウコンも、アローラ地方の環境で姿を変えたから、アローラキュウコンって言われてるんだ」
ドット「正確には、キュウコンの進化前のロコンが、ラナキラマウンテンの環境に適応したんだ。普通のロコンはほのおタイプだけど、リージョンフォームのロコンはこおりタイプだから」
アン「なるほど!」
ロイ「そういうことか!」
リコ「ロトム。シンヤのアローラキュウコンって、どんなポケモンなの?」スッ(スマホロトムを取り出す)
キュウコン・アローラの姿 きつねポケモン こおり・フェアリータイプ
穏やかな性格。雪に閉ざされた神様のいる山で暮らしていたため、リージョンフォームと分かるまでは、神の化身と敬われていた。
リコ「神様のいる山ってどこ?」
スマホロトム「アローラ地方のラナキラマウンテン」
ロイ「すごい!ドットの言ってた通りだ」
シンヤがエルレイドと交代で出したアローラキュウコンは、こおり・フェアリータイプのポケモンなので、ドラゴン・ひこうタイプのカイリューには相性がいい。そして、アローラキュウコンがフィールドに現れると、アローラキュウコン特性《ゆきふらし》が発動し、上空の雨雲が雪雲に変わると、今度は雪がフィールドに降ってきた。
シンヤ「キュウコン!「オーロラベール!」」
アローラキュウコン「コォーーンッ!」
シンヤがアローラキュウコンに「オーロラベール」を指示すると、アローラキュウコンは雄叫びを上げた。すると、アローラキュウコンの周りに、神秘的なオーロラの障壁が発生した。「オーロラベール」は天気が雪の時にしか使えない技だが、相手から受ける物理攻撃と特殊攻撃のダメージを半分にするという効果がある。しかもその効果は、アローラキュウコンをボールに戻しても数ターンは続く。
スグリ「カイリュー!「しんそく!」」
カイリュー「バゥゥーーン!」
バァァァン!
アローラキュウコン「コォーーン⁉︎」
シンヤ「キュウコン!「ふぶき!」」
アローラキュウコン「コォォーーーーン‼︎」
バァァァン!
カイリュー「バゥゥーーン⁉︎」
アローラキュウコンが「オーロラベール」を発動すると、カイリューは「しんそく」を発動し、上空からスピードを上げると、アローラキュウコンにぶつかってきた。しかし、アローラキュウコンは「オーロラベール」を発動していたため、あまりダメージを受けずに済んだ。そして、シンヤが「ふぶき」の指示を出すと、アローラキュウコンは雄叫びを上げた。すると、フィールドに猛吹雪が吹き荒れ、カイリューは「ふぶき」のダメージを受けた。だが、カイリューはあまりダメージを受けていない様子だった。
シンヤ(おかしい。カイリューはこおりタイプの技に1番弱いはず。しかも、こおりタイプの技のなかでも、最強クラスの「ふぶき」が直撃したのに、大ダメージになっていない。…そうか!)…「《マルチスケイル》か!」
スグリ「流石シンヤ。そう。俺のカイリューの特性は《マルチスケイル》だ」
ロイ「マルチスケイル?」
アン「何それ?」
ネモ「体力が満タンの時、相手から攻撃されてダメージを受けても、受けるダメージを半減させてくれる特性だよ」
リコ「そんな特性があるんだ」
スグリ「カイリュー!「ぼうふう!」」
カイリュー「バゥゥーーーン!」
シンヤ「キュウコン!「アンコール!」」
アローラキュウコン「コォーーーン!」
カイリュー「バウッ⁉︎バゥゥーーン!」
スグリ「カイリュー!何やってるんだ!」
シンヤ「これで終わりだ!キュウコン!「ムーンフォース!」」
キュウコン「コォォーーーーン‼︎」
バァァァァン!
カイリュー「バゥゥーーーン⁉︎」
スグリ「なっ!」
バタン!
カイリュー「バ…ゥン…」
キハダ「カイリュー、戦闘不能!アローラキュウコンの勝ち!」
スグリ「なんで…俺、「ぼうふう」の指示を出したのに…」
スグリが「ぼうふう」の指示を出すと、カイリューは翼をはためかせて、強い風を起こそうとした。しかし、アローラキュウコンが「ぼうふう」を発動しようとしているカイリューより早く、「アンコール」という技を発動した。すると、カイリューは「しんそく」を発動し、さっきと同じように、上空からアローラキュウコンに向かって突っ込んできた。すると、アローラキュウコンは上空に呼び出した月の光を集め始め、ピンク色のエネルギー弾を頭上に作り出すと、そのエネルギー弾をカイリューに向かって発射した。「ムーンフォース」がカイリューに直撃すると、突っ込んできたカイリューは地面に落下し、目を回して倒れていた。カイリューに「ぼうふう」の指示を出したのに、何故カイリューが「しんそく」を発動したのか分からず、スグリは混乱していた。
シンヤ「もしかして、「アンコール」を知らないのか?」
スグリ「…知らない」
シンヤ「「アンコール」は、相手が最後に使った技を3回続けて出させる技なんだよ。だから、カイリューは「ぼうふう」じゃなく、「しんそく」を使ったんだ」
スグリ「なるほどな。そんな技があったんだ。カイリュー戻れ」
シュルルーン
スグリ「…俺…心配だったんだ。シンヤが弱くなってたら、どうしようって…でも、シンヤの強さが変わってなくてよかった」
シンヤ「……」
早くも2体のポケモンを失ったというのに、スグリは余裕そうな顔をしていた。そして、シンヤを煽るような発言をすると、モンスターボールから3体目のポケモンを繰り出した。
スグリ「いけ!《オーロンゲ》!」
ポーーン!
オーロンゲ「ロォォーーゲッ!」
シンヤ「オーロンゲか…戻れキュウコン!」
シュルルーン
シンヤ「少し休んでおいてくれ。久しぶりに暴れてこい!《ドラピオン》!」
ポーーン!
ドラピオン「ドッラァァーーッ!」
スグリはカイリューをモンスターボールに戻すと、ビルドアップポケモンの《オーロンゲ》を繰り出してきた。そして、シンヤはアローラキュウコンをモンスターボールに戻すと、ばけさそりポケモンの《ドラピオン》を繰り出した。そして、シンヤがドラピオンを出したことで、リコはあることに気がついた。
リコ(あれ?今のシンヤの手持ちポケモンは、確か、オーガポンとビクティニ、ニンフィアにガブリアスだったはず。シンヤ、いつの間に手持ちポケモンを変えたんだろう?)
リコがそう疑問に思ったのも当然だった。実はシンヤは、エントランスホールからグラウンドに戻る前に、ナナカマド博士に連絡して、手持ちポケモンを入れ替えていたのだ。もちろん手持ちポケモンを入れ替えたのは、スグリとのバトルに備えるためだ。
ロイ「ドラピオンか」スッ(スマホロトムを取り出す)
ドラピオン ばけさそりポケモン どく・あくタイプ
両腕のツメは、自動車をスクラップにする破壊力がある。頭が180度回転するので死角がない。
アン「強そうなポケモンだね」
ドット「あのドラピオンも、さっきのエルレイドと同じように、シンヤがシンオウリーグを優勝する時に使っていたポケモンだよ」
アン「ドット、やけに詳しいね」
ドット「シンヤがポケモンリーグでバトルしてる動画を見てるからだよ」
リコ「えっ⁉︎リーグ戦の動画があるの?」
ドット「ネットで調べればすぐ出てくるよ。リーグ戦はほとんど撮られてるし」
リコ「そ、そうなんだ」…(後で動画を必ず見ないと!)
オモダカ「シンヤさんとスグリさんのフルバトル、とても興味深いバトルですね」
クラベル「シアノ先生が、シンヤさんのバトルを見たいと言った時は、どうなるかと思いましたが」
チリ「ここにおる全員。2人のバトルを夢中になって見てるから、将来のいい経験になるで」
タロ「まさかスグリ君のポケモンが、2体も続けて倒されるなんて…」
カキツバタ「タロの親父さんや俺の爺さんの言ってた通り、シンヤって本当に強いんだな」
シンヤとスグリのフルバトルが始まると、研修生やクラベルたちは、シンヤとスグリのフルバトルを楽しく見ていた。反対に、ブルーベリー学園の生徒たちはハラハラしながら、シンヤとスグリのフルバトルを見ていた。
スグリ「オーロンゲ!「ソウルクラッシュ!」
オーロンゲ「ロォォーーゲッ!」
シンヤ「……」
ドラピオン「……」
リコ「えっ?シンヤとドラピオン、何やってるの?」
バァァァン!
スグリがオーロンゲに「ソウルクラッシュ」を指示すると、オーロンゲはピンク色のエネルギーを体に集め、ドラピオンに向かって突っ込んで行った。しかし、シンヤはドラピオンに指示を出そうともしなかった。そして、そのままオーロンゲの攻撃がドラピオンに命中したのだが…
ドラピオン「……」
スグリ「なっ!」
シンヤ「ドラピオン!「クロスポイズン!」」
ドラピオン「ドォォォラァァーーッ‼︎」
バァァァン!
オーロンゲ「ロォォーーゲッ⁉︎」
オーロンゲの「ソウルクラッシュ」が真正面から直撃したにもかからわず、ドラピオンは平気そうな顔をしていた。そして、ドラピオンは両手の爪の先に猛毒を集めると、顔を隠すように両手をクロスし、毒の刃をオーロンゲに放ってダメージを与えた。
シンヤ「ドラピオン!「ミサイルばり!」」
ドラピオン!「ドォォォラァァーーッ!」
スグリ「オーロンゲ!「リフレクター!」」
オーロンゲ「ロォォーーゲッ!」
バァァァン!
スグリ「続けて「ひかりのかべ!」」
オーロンゲ「ロォォーーゲッ!」
シンヤ「二段構えの防御か」
ドラピオン「ドッラァァァッ」
ドラピオンが両手の爪の先から「ミサイルばり」を発射すると、スグリは「リフレクター」の指示を出した。すると、オーロンゲは「リフレクター」は発動すると、四角いエネルギーの壁を作り出し、「ミサイルばり」のダメージを減らした。スグリのオーロンゲより、シンヤのドラピオンの方が素早さが高いが、オーロンゲの特性《いたずらごころ》により、「リフレクター」などの変化技を先制で出すことができるため、スグリは「リフレクター」の指示を出した後、続けて「ひかりのかべ」を指示した。そして、オーロンゲは「リフレクター」を発動させた後に、続けて「ひかりのかべ」を発動し、もう1つ別の四角いエネルギーの壁を作った。これでしばらくの間は、「オーロラベール」と同じ効果が発動し、相手から受ける物理攻撃と特殊攻撃のダメージを半分にすることができる。そして、それはオーロンゲをボールに戻しても数ターンは続く。
スグリ「これなら、しばらくはなんとかなる…」
シンヤ「…そうだな。もしドラピオンが相手じゃなかったら、その戦略はうまくいってたろうな。ドラピオン!「かわらわり!」」
ドラピオン「ドッラァァーーッ!」
パリィーーン!(「リフレクター」と「ひかりのかべ」が壊れる)
バァァァン!
オーロンゲ「ロォォーーゲッ⁉︎」
スグリ「なっ!」
オーロンゲが「リフレクター」と「ひかりのかべ」を発動したことで、しばらくはシンヤのポケモンたちの攻撃に耐えられると思ったスグリだったが、ドラピオンは「かわらわり」を発動すると、右手を振り下ろしてオーロンゲを攻撃した。すると、ドラピオンが振り下ろした右手が、「リフレクター」と「ひかりのかべ」を破壊すると、そのままオーロンゲにダメージを与えた。
アン「あれって!」
ロイ「ナンジャモさんとドットが《デカヌチャン》にやられた」
ネモ「「かわらわり」。相手が使った「リフレクター」や「ひかりのかべ」を解除してから攻撃する、かくとうタイプの技だよ。これで、さっきオーロンゲが使った、「リフレクター」と「ひかりのかべ」はなくなった」
シンヤ「ドラピオン!もう一度「クロスポイズン!」」
ドラピオン「ドォォーーラァァーーッ‼︎」
スグリ「クッ!オーロンゲ!「ふいうち!」」
オーロンゲ「ロォォーーゲッ!」ダッ!
ガシッ!
オーロンゲ「ロォーゲッ⁉︎」
「リフレクター」と「ひかりのかべ」が砕け散ると、シンヤはドラピオンに「クロスポイズン」を指示した。すると、スグリはオーロンゲに「ふいうち」を指示した。そして、オーロンゲはドラピオンの背後に回り込んで、そのままドラピオンに攻撃しようとするが、その時ドラピオンは尻尾を後ろに伸ばし、背後から攻撃してくるオーロンゲを捕まえた。
シンヤ「後ろから攻めるのは悪くないが、俺のドラピオンには通じないぞ」
スグリ「でも、ドラピオン前を向いてる状態だから、オーロンゲを攻撃できないだろ!」
シンヤ「…いや、そんなことはない」
グルッ(ドラピオンの頭が回転する)
スグリ「なっ⁉︎」
シンヤ「ドラピオンの頭は180度回転するから死角はない。ドラピオン!そのまま「クロスポイズン!」」
ドラピオン「ドォォォラァァーーッ!」
ドオーーーン!
オーロンゲ「ロォォーーーゲッ⁉︎」
オーロンゲがドラピオンの尻尾に捕まってしまったが、ドラピオンは前を向いている状態なので、オーロンゲを攻撃出来るはずがないとスグリは思っていたようだが、ドラピオンの頭は180度回転、つまり、ドラピオンは後ろに頭を回すことが出来るため、後ろを向いて攻撃することが可能なのだ。そして、ドラピオンはグルッと頭を回すと、「クロスポイズン」でオーロンゲを攻撃した。そしてここで、キュウコンの発動した「オーロラベール」の効果も切れたようだ
バタンッ!
オーロンゲ「ロ…ゲッ…」
キハダ「オーロンゲ、戦闘不能!ドラピオンの勝ち!」
ブルベリ生徒1「おいおい、スグリやばいんじゃねぇの!」
ブルベリ生徒2「ああ、シンヤさんのポケモンを1体も倒せてないし」
リコ「すごい……」
ドット「久しぶりにシンヤのバトルをするところを見たけど…」
ロイ「やっぱりシンヤって、めちゃくちゃ強いんだね」
リュウガ「…フッ、相変わらずの強さだな。バトルするのがますます楽しみになってきたぜ」
オーロンゲが倒れたことで、スグリの手持ちポケモンは残り3体になった。オマケに、スグリはまだシンヤのポケモンを1体も倒せていないため、バトルを見ているブルーベリー学園の生徒たちは、スグリが負けるかもと思い始めていた。反対にリコたちは、シンヤが連勝する姿を見ると、改めてシンヤの強さに感心していた。
スグリ「…戻れオーロンゲ」
シュルルーン
スグリ「……まだだ、まだ負けた訳じゃない!いけ!ガオガエン!」
ポーーン!
ガオガエン「ガアアーーエンッ!」
シンヤ「次はガオガエンか…」
スグリはオーロンゲをモンスターボールに戻すと、ヒールポケモンの《ガオガエン》を繰り出した。しかし、さすがに1体もシンヤのポケモンを倒せずに、自分のポケモンが3体も倒されたせいなのか、スグリにはシンヤを煽る余裕もなくなってきていた。
シンヤ(まだテラスタルは使わないか。…なら)…「戻れドラピオン」
シュルルーン
シンヤ「お疲れさん。少し休んでおいてくれ。次はお前だ。いけ!《オノノクス》!」
ポーーン!
黒いオノノクス「オーーーノッ!」
シンヤがドラピオンをボールに戻し、次に繰り出した4体目のポケモンは、あごオノポケモンの《オノノクス》。しかも、色違いのオノノクスだった。
リコ「あのポケモンは」スッ(スマホロトムを取り出す)
オノノクス あごオノポケモン ドラゴンタイプ
自慢の牙で敵を圧倒する。おとなしいが性格だが、牙に触れられると激しく 怒るので要注意。
リコ「あれ?シンヤのオノノクス、図鑑のオノノクスと色が違う」
ドット「色違いのオノノクスってことか」
アン「色違いのポケモンか!私初めて見た!」
ロイ「黒いオノノクスか。黒いレックウザみたいでかっこいい!」
カキツバタ「へぇ〜〜、シンヤもオノノクスを使うのか。しかも、色違いのオノノクス。こりゃあ楽しみだねぃ」
シンヤが色違いのオノノクスを出すと、フルバトルを見ているギャラリーたちは、色違いのポケモンの登場に驚いていた。
スグリ「ガオガエン!ねこだまし!」」
ガオガエン「ガアアーーッ!」
パァン!(両手を叩く)
黒いオノノクス「オノッ⁉︎」
シンヤ「オノノクス!「りゅうのまい!」」
黒いオノノクス「オノッ…」
シンヤ「怯んだか…」
スグリ「ガオガエン!DDラリアット!」」
ガオガエン「ガアーーーッ!エーーーンッ!」
シンヤ「オノノクス!「じしん!」」
黒いオノノクス「オーーーノッ!」
ドォォォォン!
ガオガエンがオノノクスに近づいて両手をパァンと強く叩くと、オノノクスは一瞬怯んでしまう。そして、スグリが「DDラリアット」の指示を出すと、ガオガエンは両腕に闇のエネルギーを集め、回転しながらオノノクスに突っ込んできた。しかし、シンヤがオノノクスに「じしん」を指示すると、オノノクスはその場でジャンプをして「じしん」を発動した。
ゴゴゴゴッ(地面が揺れる)
ガオガエン「ガアアッ⁉︎」
シンヤ「今だオノノクス!「スケイルショット!」」
黒いオノノクス「オノッ!オノッ!」
ドガガガッ!
ガオガエン「ガアーーッ⁉︎」
オノノクスが「じしん」を発動すると、ガオガエンは体勢を崩してしまい、「DDラリアット」は不発に終わってしまう。そして、シンヤはその隙を見逃さず、オノノクスに「スケイルショット」を指示した。すると、オノノクスは自分の体から複数の鱗を撃ち出し、ガオガエンにダメージを与えた。
スグリ「クッ!ガオガエン!「フレアドライブ!」」
ガオガエン「ガアーーーッ!エーーーンッ!」
シンヤ「オノノクス!「ハサミギロチン!」」
黒いオノノクス「オーーーーノッ‼︎」
ドカァァーーーン!
黒いオノノクス「………」
ガオガエン「……ガッ…」
バタンッ!
ガオガエン「……」
スグリが「フレアドライブ」を指示すると、ガオガエンは炎の鎧を身に纏い、オノノクスに向かって突撃してきた。そして、シンヤが「ハサミギロチン」を指示すると、オノノクスはハサミギロチンを発動し、ガオガエンに向かって突っ込んで行った。そして、オノノクスとガオガエンが真正面から突撃して攻撃すると、技のぶつかり合いによって爆風が舞い上がった。そして、爆風が晴れると、オノノクスとガオガエンは、お互いに距離が離れているところに立っていて、相手に背中を向けた状態だった。そしてしばらくすると、ガオガエンはその場に倒れた。
キハダ「ガオガエン、戦闘不能!オノノクスの勝ち!」
ギャラリー「「「わぁぁぁぁ‼︎」」」
スグリ「………」
シンヤ「よくやったぞ。オノノクス」
黒いオノノクス「オーーノッ!」
カキツバタ「へぇ〜、やるねぃ。シンヤのオノノクス」
タロ「…カキツバタは、シンヤさんとスグリ君。どっちの応援をしてるの?」
カキツバタ「どっちの応援って、オイラは平等に応援してるつもりだぜい。そういうタロは、どっちの応援をしてるんだよ」
タロ「…私も平等だよ」
カキツバタ「だったらいいじゃねえか。最後までバトルを見届けようぜ」
タロ「……うん」
ゼイユ「……」
アン「すごいシンヤ!これで4連勝だよ!」
ロイ「うん!本当にすごいよ!」
リコ「……」
ドット「リコ、どうした?」
リコ「えっ?何が?」
ドット「シンヤが勝ってるのに、全然嬉しそうじゃないじゃん」
リコ「そ、そんことないよ!シンヤが勝って嬉しいよ!」
ガオガエンが倒れたことで、スグリの手持ちポケモンは残り2体になった。そして、シンヤがことごとくスグリの戦略を破り、次々とスグリのポケモンを倒すところを見ているほとんどのギャラリーは、シンヤが勝つと思っている者が多くなった。そう思うのも当然だった。シンヤは手持ちポケモン6体を残しているにもかかわらず、そのほとんどが無傷に近い状態に対し、スグリは残り2体の手持ちポケモンで、シンヤの6体のポケモンに勝たなければならないのだから。
スグリ「クッ!…まだだ!俺は絶対にシンヤに勝つんだ!いけ!《ポリゴンZ》!」
ポーーン!
ポリゴンZ「ポリリッ!」
スグリがガオガエンをボールに戻し、次に繰り出した5体目のポケモンは、バーチャルポケモンの《ポリゴンZ》だった。
シンヤ「ポリゴンZか。…戻れ、オノノクス」
シュルルーン
シンヤ「俺の5体目はコイツだ。いけ!《ギルガルド》!」
ポーーン!
ギルガルド「ギーールッ!」
シンヤはオノノクスをモンスターボールに戻すと、おうけんポケモンの《ギルガルド》を繰り出した。
リコ「ギルガルドか…」スッ(スマホロトムを取り出す)
ギルガルド おうけんポケモン はがね・ゴーストタイプ
王の素質を持つ人間を見抜く。認められた人間は、やがて王になると言われている。
スグリ「ポリゴンZ!「シャドーボール!」」
ポリゴンZ「ポリリーーッ!」
シンヤ!「ギルガルド!「キングシールド!」」
ギルガルド「ギルッ!」
パァァァァ(シールドを張る)
バァァァン!
ギルガルド「ギルッ」
シンヤ「ギルガルド!「せいなるつるぎ!」」
ギルガルド「ギルッ!ギーールッ!」
スッ(自分を盾の持ち手から抜く)
ロイ「えっ!何あれ⁉︎」
リコ「ギルガルドの姿が変わった!」
ドット「あれは《ブレードフォルム》っていって、ギルガルドが攻撃する時の姿なんだ」
リコ「ブレードフォルム。じゃあさっきの姿は?」
ドット「あれは《シールドフォルム》。ギルガルドは、《バトルスイッチ》っていう特性を持っていて、シールドフォルムの時に攻撃技を指示すると、持ち手から剣を取り出して、盾を右手に持つ、ブレードフォルムにフォルムチェンジするんだ。そして、さっき「シャドーボール」を止めた「キングシールド」っていう技を使うと、剣を盾の持ち手の部分に格納して、手は後ろに当てている、シールドフォルムになるんだ。ブレードフォルムになると、ギルガルドは攻撃と特攻が高くなるんだけど。シールドフォルムになると、防御と特防が高くなるんだ」
ロイ「へぇ〜、姿を変えるだけで、能力が変わるポケモンがいるんだ」
アン「ドットすごいね。そんなにポケモンのことが分かるなんて!」
ドット「ま、まあね」
ギルガルドは「キングシールド」で「シャドーボール」を防ぐと、ブレードフォルムにフォルムチェンジし、「せいなるつるぎ」を発動すると、ポリゴンZに切り掛かって行った。
スグリ「ポリゴンZ!「れいとうビーム!」」
ポリゴンZ「ポリッ!ポッリーーッ!」
ギルガルド「ギルッ!ギーーールッ!」
ザァァァン!
ポリゴンZ「ポリリーーッ⁉︎」
スグリ「クッ!…いい加減倒れてよ!ありったけの力を、全部ぶつけてんのに‼︎「10まんボルト!」」
ポリゴンZ「ポリッ!ポッリーーーッ‼︎」
シンヤ「もろはのずつき!」
ギルガルド「ギルッ!ギギッ!ギーーーールッ!」
バァァァン!
ポリゴンZ「ポリリーーーッ⁉︎」
スグリ「あっ!」
バタンッ!
ポリゴンZ「ポリ…リッ…」
ポリゴンZはギルガルドに切られてダメージを受けると、「10まんボルト」を放ってきた。しかし、ギルガルドは「もろはのずつき」を発動すると、「10まんボルト」を放ってきたポリゴンZに向かって突っ込んで行き、そのまま渾身の頭突きを喰らわせた。そして、宙に浮いていたポリゴンZが地面に落ちてくると、目を回して倒れていた。
キハダ「ポリゴンZ、戦闘不能!ギルガルドの勝ち!」
ギャラリー「「「わぁぁぁぁ‼︎」」」
カキツバタ「おいおい、とんでもねぇ強さだな」
ブルベリ生徒「……なぁ、もうスグリの負けで決まりだろ」
ブルベリ生徒2「ああ、シンヤさんのポケモンはまだ6体残ってるし、ほとんどが無傷なんだ。もうスグリの負けは確定だろうな」
ヴィヴィアン「へぇ〜、シンちゃん強くなってるわね」
リュウガ「いえ。恐らくシンヤは、まだ力の半分も出していませんよ」
ヴィヴィアン「えっ?あれで!」
リュウガ「ええっ。シンヤはまだ本気になってません」
これでスグリの手持ちポケモンは、残り1体になってしまった。スグリがシンヤに勝つには、残り1体のポケモンで、シンヤの6体のポケモン全てを倒さなければならない。
スグリ「まだだ!俺はシンヤに勝つんだ!絶対に!」
シンヤ「ああ、バトルはまだ終わってない。来いよスグリ!最後までバトルを続けようぜ!」
スグリ「いけ!《カミツオロチ》!」
ポーーン!
カミツオロチ「カァァーーミツ!」
シンヤ「《カミツオロチ》!これが」スッ(スマホロトムを取り出す)
カミツオロチ りんごオロチポケモン くさ・ドラゴンタイプ カミッチュの進化系
7匹のオロチュが蜜飴で作った りんごの中で暮らす。 真ん中のオロチュが司令塔。
スグリがカミツオロチと呼ばれるポケモンを出すと、今まで見たことのないポケモンの登場に、シンヤは驚きを隠せなかった。するとシンヤは、スマホロトムの図鑑機能でカミツオロチのことを調べると、カミツオロチは、以前スグリが自分とバトルした時に使っていた、《カミッチュ》と呼ばれるポケモンの進化した姿であることが判明した。そして、カミツオロチが出てくると、辺りに甘ったるい蜜の香りが漂ってきた。
ロイ「いい匂い〜」
ホゲータ「ホンゲェ〜」
アン「蜜の匂いがする〜」
フタチマル「フーチッ〜」
リコ「この匂い、カミツオロチが出してるのかな?」
ニャローテ「ニャァ〜」
リコの言う通り、この匂いはカミツオロチが出したものだった。これは、カミツオロチの特性《かんろなミツ》といって、戦闘で初めて場に出たとき、相手全員の回避率を1段階下げるというものだった。
シンヤ「……これが最後のバトルか…戻れギルガルド」
シュルルーン
シンヤ「フィナーレはコイツに任せよう。《オーガポン》!」
ポーーン!
オーガポン「ぽにおっ!」
スグリ「ッ⁉︎……よくも………今!……ここで‼︎…鬼さまさ‼︎出せたよな‼︎」
ドット「えっ?何、あのポケモン⁉︎」
リコ・ゼイユ「「ッ⁉︎」」
シンヤはギルガルドをボールに戻すと、オーガポンを繰り出した。オーガポンが登場すると、リコとゼイユは驚いていて、ドットは初めて見るオーガポンに驚いていた。そして、今オーガポンが顔にかぶっているお面は、いつもの碧の仮面ではなく、怒りの顔を浮かべている、轟々と燃える鬼火のような赤いお面である《かまどのめん》をかぶっていた。そして、オーガポンがかまどのめんをかぶったことで、羽織っていた半纏の色が緑から赤色に変わっていた。オーガポンがフィールドに出てくると、スグリは怒ったようで、ポケットからテラスタルオーブを取り出した。
スッ(テラスタルオーブを取り出す)
スグリ「過去の俺はいらない!だから変わった!……俺は変わるんだ!」
スグリがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが集まっていき、テラスタルオーブのエネルギーが満タンになると、スグリはカミツオロチの頭上に向かって、テラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはカミツオロチの頭上でエネルギーを解放すると、カミツオロチは結晶石に身を包み込んだ。そして結晶石が弾けると、そこには全身をクリスタル化させ、頭部に拳の王冠を被るカミツオロチがいた。
(かくとうテラスタイプ)カミツオロチ「カァァーーーーミツ‼︎」
シンヤ「…ふぅ。これが最後だ!いくぞオーガポン!」
スッ(テラスタルオーブを取り出す)
オーガポン「ぽにおっ!」
シンヤがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが集まっていき、テラスタルオーブのエネルギーが満タンになると、シンヤはオーガポンの頭上に向かって、テラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはオーガポンの頭上でエネルギーを解放すると、オーガポンは結晶石に身を包み込んだ。そして、数秒後に結晶石が弾け飛ぶと、そこにはオーガポンが顔にかぶっている《かまどのめん》が、オーガポンの足だけを見えるように巨大化して宙に浮いていて、オーガポンと一緒にクリスタル化していた。
(かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおーーーーっ‼︎」
リコ「な、何あれ⁉︎」
ロイ「すっげぇ〜!」
ドット「どうなってんの⁉︎」
アン「なに?あのテラスタル⁉︎」
ネモ「すごい!」
クラベル「なんと!」
オモダカ「これは!」
チリ「なんやこれ⁉︎」
スグリ「何だよこれ…」
オーガポンがテラスタルすると、シンヤとゼイユ以外の全員は驚いていた。本来、テラスタルオーブを使ってポケモンをテラスタルさせた場合、通常のポケモンは頭に王冠を被っているが、オーガポンは頭に王冠を被っておらず、オーガポンが顔にかぶっていた《かまどのめん》が巨大化して宙に浮いており、オーガポンと一緒にクリスタル化していたのだ。シンヤとゼイユは、オーガポンがテラスタルしたらこうなると分かっていたが、眼前に巨大な仮面が出現したことで、シンヤとゼイユ以外のバトルを見ている全員は、その光景にただ驚いていた。そして、オーガポンがテラスタルしたことで、《かまどのめん》は派手な見た目に変化し、額には六角形のテラスタルマークが浮かび上がっていた。
シンヤ「オーガポン!「ツタこんぼう!」」
(かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおっ!ぽにおーーーーーっ‼︎」
ダァァァァァン!
(かくとうテラスタイプ)カミツオロチ「カァァーーーミツ⁉︎」
シンヤがオーガポンに、オーガポンの専用技である「ツタこんぼう」を指示すると、オーガポンは羽織っていた半纏の中から、蔦を巻きつけた棍棒を取り出した。すると、その棍棒はメラメラと炎を出して燃えはじめ、オーガポンは棍棒をカミツオロチに振り下ろしてダメージを与えた。「ツタこんぼう」は、オーガポンが顔にかぶっているお面によってタイプを変化させるので、《かまどのめん》をかぶっている「ツタこんぼう」のタイプは、ほのおタイプの技に変わっていた。そして、オーガポンはテラスタルすると、オーガポンだけの専用特性、《おもかげやどし》というものに変わる。この特性は、オーガポンがテラスタルした時、または、オーガポンがこの特性になって場に出たとき発動するもので、オーガポンの能力の1つが1段階上がるというものだった。上がる能力は、顔にかぶっていたお面によって決められていて、かまどのめんをかぶってテラスタルしたオーガポンは、1段階攻撃力が上がっていた。
スグリ「俺だって…この手で…勝利をたぐりよせんだ!カミツオロチ!「きまぐレーザー‼︎」」
(かくとうテラスタイプ)カミツオロチ「カァァァーーーーミツ‼︎」
シンヤ「オーガポン!かわせ!」
(かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽにっ、ぽにっ」
スグリが「きまぐレーザー」という技を指示すると、蜜飴で作ったりんごの中から4匹のオロチュが出てきた。 すると、4匹のオロチュたちは真ん中のオロチュと一緒に、口から黄金色のドラゴンエネルギーを発射してきた。そして、シンヤがオーガポンにかわせと指示を出すと、オーガポンは素早い身のこなしで、「きまぐレーザー」をかわした。
スグリ「クッ!「テラバースト‼︎」」
(かくとうテラスタイプ)カミツオロチ「カァァァーーーーミツ‼︎」
シンヤ「これで最後だ!オーガポン!トドメの「ツタこんぼう‼︎」」
(かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおっ!ぽにおーーーーーっ‼︎」
ダァァァァァン!
(かくとうテラスタイプ)カミツオロチ「カァァーーーミツ⁉︎」
バタンッ!
カミツオロチ「カァ…ミツ…」
キハダ「カミツオロチ、戦闘不能!オーガポンの勝ち!よって勝者、シンオウ地方のシンヤ!」
スグリ「えっ……え?」
ギャラリー「「「わぁぁぁぁ‼︎」」」
ロイ「やったぁ!」
ホゲータ「ホンゲェェ!」
アン「シンヤが勝った!」
フタチマル「フーチッ〜!」
ドット「すごいバトルだった!」
クワッス「クワッス!」
ネモ「実りあるバトルだったね!」
リコ「……」
ニャローテ「ニャァロッ」
リコ「えっ?…ううん。何でもないよ。ニャローテ」
ニャローテ「ニャァッ?」
ゼイユ「……」
カミツオロチは「テラバースト」を発動して攻撃してきたが、オーガポンは「テラバースト」をかわし、カミツオロチの真正面に走って行くと、燃えている棍棒を振り下ろし、カミツオロチを攻撃した。そして、棍棒で頭を強く殴られたカミツオロチが戦闘不能になると、カミツオロチのテラスタル化が解除され、キハダがシンヤの勝ちを宣言すると、オーガポンのテラスタル化も解除され、フルバトルはシンヤの勝ちでは終わった。シンヤの勝ちが宣言されると、ロイとアンとドットとネモは、シンヤが勝ったことに喜んでいた。しかし、リコとゼイユは複雑そうな顔をしていた。
ブルベリ生徒「なーんだ。スグリ負けちゃったよ」
ブルベリ生徒2「それどころか、シンヤさんのポケモンを1体も倒せなかったし」
ブルベリ生徒3「あれだけ偉そうなことを言ってたのに」
ブルベリ生徒4「…行こうぜ」
スタッスタッ
スグリ「…なんで、どうして…こ、こんなはずじゃ…」
ドサッ
アカマツ「…どっちも凄かった!感動した!」
タロ「アカマツ君!空気読んで!」
カキツバタ「……」
スタッスタッ
タロ「ちょ、ちょっと!カキツバタ!」
スグリがシンヤに負けると、ブルーベリー学園のリーグ部の生徒たちのほとんどは、冷ややかな視線をスグリに向けていた。さっきシンヤに勝ってほしいと言ってきた生徒たちもそうだが、やはりリーグ部のみんなは、スグリの横暴な態度にうんざりしていたようだ。しかし、誰もスグリにバトルで勝てなかったので、スグリにあまり強いことが言えなかった。しかし、スグリがシンヤに負けると、リーグ部のみんなは、今まで秘めていた思いをスグリに言った後、グラウンドを去って行った。そして、スグリがグラウンドに膝をつくと、カキツバタがバトルフィールドの中にやってきた。
カキツバタ「2人とも。お疲れさん」
シンヤ「あっ、カキツバタさん」
カキツバタ「ツバタでいいぜぃ。……残念だったねぃ。…負けたチャンピオンさん」
スグリ「ッ⁉︎……」
タロ「カキツバタ!」
カキツバタ「…スグリよう。お前に勝てなったオイラが言うのもなんだけどよ。…また前みたいに、一緒に楽しくやろうや」
タロ「ッ!」
アカマツ「カキツバタ先輩…」
ネリネ「……」
カキツバタ「勝ちにこだわるお前の気持ちは分かる。…でもよ。勝ちにこだわりすぎて、自分の首を絞めることは違うだろ。見てるコッチまで苦しいぜ。……だからよ。またみんなで…」
スグリ「……けない」
カキツバタ「はい?」
スグリ「…負けない。……今度は俺が勝つ。次は絶対…俺が…」
カキツバタ「文句があるなら俺に勝ってから言え…だったか」
スグリ「ッ!……」
カキツバタ「シンヤはお前に勝ったんだ。なら、お前がシンヤに文句を言う権利はないんじゃねぇのかい」
スグリ「……」
カキツバタはバトルフィールドの中にやってくると、前のリーグ部みたいに、一緒に楽しくやろうとスグリに言うが、スグリはシンヤに負けたことを受け入れられないのか、シンヤにバトルを挑もうとしてきた。しかし、スグリがよくリーグ部で言っていた、『文句があるなら俺に勝ってから言え』という言葉をカキツバタが言うと、スグリは黙ってしまう。今までスグリの言ってきた言葉が、ブーメランになってスグリ自身に帰ってきたのだ。
タロ「あのー……ちょっとよろしいでしょうかー?」
シンヤ「あっ、タロさん。それに、ブルベリーグ四天王の…」
アカマツ「アカマツ」
ネリネ「ネリネです」
タロ「ええと……まずは…シンヤさん。おめでとうございます。とても素晴らしいバトルでした」
シンヤ「ああ、どうも」
タロ「……出来れば、色々とお話をしたいのですが。今のこの状況は、私たちには複雑で……ちょっと…整理しないと…なんです」
カキツバタ「整理ぃ?」
タロ「だってそうでしょう!……これからスグリ君がどうしたいか、ちゃんと気持ちを……聞いておかないと」
カキツバタ「お、おう」
スグリ「……」
ネリネ「スグリ……」
スグリが黙り込んでしまうと、シンヤたちの近くに、タロ、アカマツ、ネリネの3人がやってきた。しかし、3人は複雑そうな顔をしていて、シンヤたちの間に微妙な空気が流れていた。もちろん、それはシンヤのせいではない。シンヤはただ、スグリと全力でポケモン勝負をしただけなのだから。
シアノ「いやー、中々いいバトルだったよ」
クラベル「ええ。シンヤさん、スグリさん、とても素晴らしいバトルでした」
オモダカ「とても興味深いバトルでした。お二人のバトルは、ここにいる全員にとっても、良い刺激になったでしょう」
シンヤ「あっ、シアノ先生。クラベル校長。オモダカさんも」
シアノ「すごいバトルだったよ。ゼイユちゃんが君を推薦した理由が分かったよ」
シンヤ「あ、ありがとうございます」
クラベル「さて、シンヤさんには、いろいろ聞きたいこともあるのですが。これから私たちは、ブルーベリー学園の皆さんに、オレンジアカデミーで過ごす規則を説明しなければならないので。今日はこれで」
オモダカ「また近いうちに、さっきのオーガポンのテラスタルのことを、詳しく教えてください」
シンヤ「あっ、はい」
クラベルたちはそう言うと、スグリやカキツバタたちを連れて、校舎の中に入って行った。すると、シンヤの近くにリコたちがやってきた。
アン「すごいバトルだったよ!シンヤ、本当に強いんだね!」
フタチマル「フーチッ!」
ネモ「実りあるバトルだったよ!今度は私とバトルしよう!」
ロイ「ねぇねぇ!さっきのオーガポンのテラスタルは何だったの!」
ドット「あんなテラスタル初めて見たよ!」
シンヤ「ちょっと落ち着け!いっぺんに喋られても困るし!バトルが終わったばかりだから、少しゆっくりさせてくれ。後できちんと話すから」
ピカチュウ「ピィーカ!」
シンヤ「あっ、ピカチュウ」
リコ「シンヤ。……おめでとう!すごいバトルだったよ!」
シンヤ「ああ、ありがとう」
「勝つのに時間がかかりすぎなんじゃねえの?」
シンヤ「ん?……あっ!」
ピカチュウ「ピィーカ!」
ロイとドットはシンヤの元にやってくると、さっきのオーガポンのテラスタルのことを聞いてきた。オーガポンのテラスタルが、他のポケモンと違っていたことに興味を持ったのだろう。しかし、バトルが終わったばかりで疲れているから、その話は後でするとシンヤは言った。すると、リコたちの後ろから、シンヤに声をかけてきた1人の男がいた。シンヤとピカチュウはリコたちの後ろに顔を向けると、そこにいたのは、自分と同じ黒色の髪に、黒いシャツを着ていて、黒いシャツの上に、首元にモコモコがあるカーキ色のファー付きコートを羽織り、青いジーンズを穿いていて、赤色のスニーカーを履いている。自分の幼馴染で、ライバルでもあるリュウガだった。そして、リュウガの隣には、シンヤの母のヴィヴィアンがいた。
リュウガ「久しぶりだな!シンヤ!ピカチュウ!」
ヴィヴィアン「みんな元気そうね!」
リコ「ヴィヴィアンさん!」
ロイ「こんにちは!」
ドット「どうも…」
シンヤ「《リュウガ》⁉︎お前何でここに⁉︎」
リュウガ「なんでって、ヴィヴィアンさんと一緒にパルデア地方に来たからな」
シンヤ「えっ⁉︎母さんからそんなこと聞いてないぞ!」
ヴィヴィアン「あれ?言ってなかった?」
シンヤ(おいおい、そんな大事なことを言い忘れるなよ)…「あっ、そうだ。紹介するよ。俺の幼馴染で、ライバルでもあるリュウガ。リコたちは知ってるけど、アンとネモにも紹介しておくよ。リュウガの隣にいるのは、俺の母さんだ」
リュウガ「よろしくな。リュウガだ」
ヴィヴィアン「初めまして、シンヤの母のヴィヴィアンです」
リコ「初めまして。リコです」
ロイ「ロイです」
ドット「ドット…」
アン「アンです」
ネモ「ネモです」
シンヤ「でも、お前なんでパルデアに来たんだ?」
リュウガ「旅が終わった後、一度シンオウ地方に戻ったら、お前の家の前で、偶然パルデア地方に行こうとしてるヴィヴィアンさんと会ってさ。お前もパルデアにいるって聞いたから、それでヴィヴィアンさんについてきたんだ。お前と久しぶりにバトルもやりたかったしな。…折角会えたんだし、場所を変えてフルバトルをしないか?お前とフルバトルするには、ここはちょっと狭すぎるしな」
シンヤ「おいおい、俺は今フルバトルが終わったところだぞ…」
リュウガ「分かってるよ。バトルはまた今度でいい。…実は、ナナカマドの爺さんから頼みごとがあってさ」
シンヤ「ああ、そういうことか。みんな悪いんだけど、俺はリュウガと話があるから、先に校舎の中に行っててくれないか」
リコ「えっ…うん。分かった。じゃあ後でね」
シンヤ「ああ、後で合流しようぜ」
リュウガがリコたちに自己紹介をすると、リコたちもリュウガに自己紹介をした。アンとネモはヴィヴィアンに会うのは初めてなので、ヴィヴィアンが挨拶をすると、ネモとアンも挨拶をした。そして、シンヤがリュウガにパルデアに来た理由を聞くと、リュウガはシンヤに、ナナカマド博士から頼みごとがあると言った。それを聞いたシンヤは、リュウガと2人で話をしたいからと言って、リコたちに校舎の中に行っててくれと言った。そして、リコがシンヤに後でねと言うと、リコたちは校舎の中に入って行った。
エントランスホール
ドット「この本を借りたいんですけど」
職員「はい。分かりました」
リコ(シンヤ、遅いな)
グルーシャ「アンタ…ニャローテのトレーナーだろ?」
リコ「えっ?…あっ、はい」
リコたちはエントランスホールに戻ってくると、ヴィヴィアンとアンとネモは、それぞれ別の教室に向かって行き、ドットはエントランスホールの本棚から一冊の本を手に取ると、その本を借りに向かった。そして、リコがシンヤを待っていると、リコの目の前にグルーシャがやってきた。
グルーシャ「さっきの試合見たよ」
リコ「あ、ありがとうございます…」
オモダカ「グルーシャさん。お待たせしました」
グルーシャ「これで気をよくしてるとサムいことになるから」
オモダカ「失礼します」
リコ(え〜〜っ?一体何だったの?)
ロイ「今の誰?リコの知り合い?」
リコ「ううん。知らない人だよ」
いきなりグルーシャに話しかけられると、リコはびっくりした。そして、オモダカがグルーシャを呼びにくると、グルーシャはオモダカと一緒にどこかに行ってしまう。結局グルーシャが自分に話しかけてきた理由が分からなかったので、リコはしばらくポカンとしていた。すると、リコのいるところに、シンヤとピカチュウがやってきた。
シンヤ「悪い!遅くなった!」
ピカチュウ「ピィーカ!」
ロイ「シンヤ!ピカチュウ!」
シンヤ「話が長くなっちまった」
リコ「あれ?リュウガさんは?」
シンヤ「ああ、アイツは他に用事があるからって、どっかに行っちまった。まぁ、また近いうちに会えるだろう」
どうやら、リュウガはシンヤとの話が終わった後、用事があるからと言って、どこかに行ってしまったようだ。すると、シンヤたちのいるところに、本を借りていたドットがやってきた。
ドット「お待たせ!」
シンヤ「おっ、《スカーレットブック》を借りてきたのか」
リコ・ロイ「「スカーレットブック?」」
ドット「うん。さっきテラパゴスが、この本に描いてあった絵に興味を持ってたから、それで借りてきたんだ」
スッ(鞄からテラパゴスが顔を出す)
テラパゴス「パーッ!パーゴ!パーッ!パーゴ!」
ドットが借りてきた本は、さっきアゲートが読んでいた、スカーレットブックという本だった。そして、ドットはスカーレットブックをめくっていき、あるページで手を止めた。そのページは、テラパゴスが気になっていた絵が描いてあるページで、テラパゴスに似ているようなポケモンの絵が描いてあった。
ロイ「不思議な絵…」
リコ「テラパゴスに似てる」
シンヤ「似てるのが当然だ。その絵がテラパゴスなんだから」
ロイ「えっ!この絵が!」
リコ「テラパゴスなの⁉︎」
To be continued
次回予告
リコ、ロイ、ドットの3人が、無事に基礎テストを合格したお祝いをするため、レストランに集まったライジングボルテッカーズのメンバーたち。久しぶりに船のメンバーが全員揃うと、リコたちも喜んでいた。そして、レストランで食事が終わった後、オモダカとクラベルにテラパゴスのことを聞くため、シンヤ、リコ、ロイ、ドットの4人は、フリードと一緒にオレンジアカデミーに向かうのだった。
次回「テラパゴスの秘密・ラクアの謎」
初めてオリジナルの話を書いたのですが、楽しんで読んでいただけたなら幸いです。シンヤが今回スグリとのバトルに出したポケモンは、相性のよさを考えて、自分がバトルに使っているポケモンを選びました。
バトルが早く終わった話などあったかもしれませんが、大体こんなものだろうと思っています。