ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

6 / 115

 ロイの住んでいる島に、リコのペンダントを狙うアメジオたちエクスプローラーズと、かつてホウエン地方で暗躍していたマグマ団とアクア団の首領である、マツブサとアオギリが現れた。そして、アメジオたちエクスプローラーズと手を組んだマツブサとアオギリによって、リコたちは絶対絶命の状況に追い詰められてペンダントを奪われそうになってしまう。するとその時、リコたちの目の前にラティオスに乗ったシンヤが現れた。


第6話『シンヤVSマツブサ・アオギリ!』

 

 シンヤ「マツブサ、アオギリ」

 

 マツブサ「久しぶりだな、シンヤ」

 

 アオギリ「テメェとこうして直に会うのは、ホウエン地方で戦ったとき以来だな」

 

 シンヤ「二度と会いたくないと思ってたんだがな」

 

 リコ「シンヤ、この人たちのことを知ってるの?」

 

 シンヤ「ああ、ホウエン地方でちょっとやりあってな。それに、ラティオスとラティアスも関係あるんだ」

 

 リコ「え? ラティオスとラティアスも?」

 

 シンヤ「ああ。…っで、なんでお前らがアメジオと一緒にいるんだ?」

 

 シンヤがマツブサとアオギリの2人にアメジオたちエクスプローラーズと一緒にいる理由を聞くと、この場にいるシンヤとマツブサとアオギリ以外の全員は、黙ってシンヤたちの話を聞いていた。

 

 マツブサ「お前には、ホウエン地方で私の率いる《マグマ団》と…」

 

 アオギリ「俺の率いた《アクア団》の野望を阻止されたからな。その結果、俺たち2人の組織は壊滅しちまって、俺たちはジュンサーに捕まったあと、牢屋にぶち込まれて一生を牢屋の中で過ごす羽目になった」

 

 マツブサ「だが数ヶ月前に、エクスプローラーズから1枚の手紙が私たちに送られてきてな。奴らは、私たちにある取引を持ち掛けてきた」

 

 シンヤ「ある取引?」

 

 マツブサ「そう。私たち《4人》がエクスプローラーズに協力すれば、《脱獄》に手を貸してやると、送られてきた手紙にそう書いてあったのだ」

 

 シンヤ「んっ?4人?お前とアオギリで2人のはずだろ?」

 

 アオギリ「《ゲーチス》と《フラダリ》って奴らのことは、お前も知ってるはずだ」

 

 シンヤ「っ⁉︎ゲーチスとフラダリだと⁉︎まさか、あの2人も脱獄したのか⁉︎」

 

 アオギリ「ああ、俺たちは牢屋で知り合ったからな」

 シンヤ「…」

 

 マツブサ「そして、私たち4人は話し合った結果、私たち4人が出す2つの条件を飲むなら、私たちはエクスプローラーズに協力すると約束した」

 

 シンヤ「2つの条件だと?」

 

 マツブサ「1つ目の条件は、私たち4人の求める2つのある物を探すという約束。そして2つ目の条件は、お前を探すという条件だ」

 

 シンヤ「2つのある物、ねぇ〜…それは大体察しがつくけど。だが、なぜもう1つの条件が、俺を探すことなんだ?」

 

 アオギリ「お前を倒すために決まってるだろう!」

 

 マツブサ「それに、今や《世界チャンピオン》らしいな」

 

 フリード「世界チャンピオン?」

 

 モリー「シンヤが?」

 

 マツブサ「何だ?貴様らは知らんのか?そこにいるシンヤは、前回のポケモンWCSで一回も負けることなく勝ち続け、手持ちポケモンを1体も戦闘不能になることなくマスターズエイトにまで上り詰め、マスターズトーナメントでも手持ちポケモンを1体も戦闘不能にすることなく勝ち続けた。そして、最後のファイナルバトルでは、圧倒的な実力で、世界最強のポケモントレーナー《ダンデ》を倒し、今やダンデに代わる、世界最強のポケモントレーナーと言われているのだ」

 

 シンヤ・マツブサ・アオギリ以外の全員「「「「!?」」」」

 

 シンヤ「…よくそこまで調べたな」

 

 フリード「シンヤ!それは本当なのか?」

 

 シンヤ「ネットで調べれば、すぐわかりますけど」

 

 オリオ「…っ!」

 

 オリオがスマホロトムを使って前回のポケモンWCSのことを調べると、数ヶ月前に開催されたポケモンWCSの優勝者が、シンヤというトレーナーだと書かれている記事を見つける。

 

 オリオ「ホントだ。ネットで調べたら、優勝者がシンヤだってことが載ってる!」

 

 マードック「マジかよ⁉︎」

 

 リコ「シンヤ!なんで教えてくれなかったの⁉︎」

 

 シンヤ「なんでって、聞いてこないから」

 

 ロイ「世界チャンピオンになるなんてすごいじゃん!教えてくれればいいのに!」

 

 シンヤ「自分から言ったら自慢になるだろう。俺は自慢したいからポケモンWCSに出たわけじゃないぞ」

 

 コニア「アイツ、世界チャンピオンだったのか…」

 ジル「そんな奴がターゲットと一緒だったなんて…」

 

 シンヤ「俺の経歴はどうでもいいとして、話を元に戻そうか。マツブサ、アオギリ、そしてゲーチスとフラダリ。今お前たち4人は、エクスプローラーズの一員ってことでいいんだよな?」

 

 マツブサ「そういうことだ。私たち4人は、お前を探すという約束と、私たち4人の求める2つのある物を探すという約束で、エクスプローラーズに協力することに決めたのだからな」

 

 アオギリ「お喋りはここまででいいだろう。さぁ、早くバトルを始めようぜ!」

 

 シンヤ「やっぱ実力行使になるよな。リコ!ロイ!ここは俺に任せて、お前たち2人は、ストライクたちと一緒に飛行船の修理に行ってくれ!」

 

 ロイ「えっ⁉︎」

 リコ「でも…」

 

 シンヤ「ニャオハとホゲータはもう戦えないだろ。だったら今は、自分たちができることをしてくれ!」

 

 ロイ「…わかった!」ダッ!

 リコ「ちゃんと無事に戻ってきてよ!」ダッ!

 

 リコとロイがストライクたちを連れて船の修理に向かうと、シンヤはマツブサとアオギリの方を向き、ポケモンバトルを始めようとする。

 

 シンヤ「フリードさん!アメジオの相手はお願いできますか?」

 

 フリード「わかった!そっちも気をつけろよ!」

 

 シンヤ「わかってます!」

 

 マツブサ「話は済んだか?」

 

 スチャ(マツブサがモンスターボールを取り出す)

 

 アオギリ「この時を待ってたぜ!」

 

 スチャ(アオギリがモンスターボールを取り出す)

 

 シンヤ「ピカチュウ!ラティオス!頼む!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 ラティオス「ティーオーースッ‼︎」

 

 シンヤ「まさか、お前たちが脱獄してたとはな。でも、脱獄したならもう1回倒せばいいだけのことだぜ!」

 

 アオギリ「ほざけ!」

 

 マツブサ「行け!《バクーダ》!」

 アオギリ「やれぇ!《サメハダー》!」

 

 ポーーン

 

 バクーダ「バァァァァクッ!」

 サメハダー「サァァァァメッ!」

 

 ピカチュウとラティオスが前に出ると、マツブサとアオギリは取り出したモンスターボールを構えて宙に投げた。すると、マツブサの投げたモンスターボールからは、ふんかポケモンの《バクーダ》が出てきて、アオギリのボールからは、きょうぼうポケモンの《サメハダー》が出てきた。この2体は、マツブサとアオギリのエースポケモンだ。

 

 マツブサ「お前が相手なら手加減をする必要はないな」

 

 アオギリ「俺たちの本気で潰してやるよ!」

 

 シンヤ「なら、最初から本気で来い!」

 

 マツブサ「いいだろう!」

 アオギリ「後悔するなよ」

 

 スッ(2人が虹色の石を前に向ける)

 

 フリード「っ!あれは《キーストーン》!」

 

 マツブサが眼鏡に埋め込まれているキーストーンに触れると、眼鏡に埋め込まれているキーストーンと、バクーダの持つ《バクーダナイト》が共鳴するように光を放った。すると、二つの石から光の糸が出現し、それぞれの石から出現した糸が結びつくと、バクーダは虹色の光に包み込まれて姿を変え始めた。背中にあった二つのコブは一つとなって火山を思わせる形に変化し、体毛は増殖して足まで覆うようになると、黒い足先が見えるだけの状態に変化し、頭の前の毛は逆立っていて、額には黒色のMの模様が象られていた。

 

 そして、アオギリが錨に埋め込まれているキーストーンに触れると、アオギリの持つキーストーンと、サメハダーの持つ《サメハダーナイト》が反応するように輝きを放った。すると、二つの石から光の糸が出現し、二つの石から出現した糸が結びついて一つとなると、サメハダーは虹色の光に包み込まれて姿を変え始めた。全身のいたる所に黄色の傷跡がついていて、鼻先が長く突き出ており、突き出ている鼻先から三つの白い刃が生えていた。そして、額の傷跡にはアオギリのバンダナと同じAの文字が象られていた。

 

 マツブサ「《メガバクーダ》!」

 メガバクーダ「バァァァァァクゥゥゥッ‼︎」

 

 アオギリ「《メガサメハダー》!」

 メガサメハダー「サァァァァメッ‼︎」

 

 シンヤ「っ⁉︎《メガシンカ》だと⁉︎前に俺と戦った時は、メガシンカを使わなかったはずだ!」

 

 マツブサ「以前はな。だが、エクスプローラーズの協力のおかげで、私とアオギリは《キーストーン》と《メガストーン》を手に入れることができた。そして、キーストーンが埋め込まれているこの《メガメガネ》と…」

 

 アオギリ「この《メガイカリ》を使って、バクーダとサメハダーをメガシンカさせたんだ!」

 

 シンヤ「なるほどね。バクーダとサメハダーをメガシンカか。なら、俺も使わせてもらうぜ」

 

 スチャ(メガリングを左手にかける)

 

 マツブサとアオギリが自分のエースポケモンをメガシンカさせると、シンヤはポケットから虹色に光る小さな宝石、キーストーンが埋め込まれた黒色のリングを取り出すと、それを自分の左手にかけた。

 

 フリード「シンヤもメガシンカを使うのか!」

 

 

 シンヤ「いくぜ!進化を超えろ!メガシンカ!」

 

 シンヤが右手でメガリングに埋め込まれているキーストーンに触れると、シンヤの持つキーストーンと、ラティオスの持つ《ラティオスナイト》が共鳴するように光り出した。すると、二つの石から光の糸が出現し、二つの石から出現した光の糸が結びつくと、ラティオスは虹色の光に包み込まれて姿を変え始めた。腕が巨大化して体が一回り大きくなると、腕と翼は一体化して大きな翼へと変化し、ジェット機に近い姿へと進化すると、青色だったボディは薄紫色に変わっていた。

 

 メガラティオス「ラーティーオースッ‼︎」

 

 マツブサ・アオギリ「「っ!」」

 

 フリード「ラティオスが、メガシンカしただと⁉︎」

 アメジオ「っ⁉︎」

 

 シンヤがラティオスをメガシンカさせると、その場にいた全てのトレーナーとポケモンたちが、ラティオスのメガシンカした姿に目を奪われていた。それもそのはずだった。伝説のポケモンがメガシンカするところなど、そう滅多に見られるものではない。

 

 シンヤ「ラティオス!バクーダに『りゅうのはどう』!ピカチュウはサメハダーに『10まんボルト』!」

 

 メガラティオス「ラァァティィオースッ‼︎」

 ピカチュウ「ピィカッ、チュゥゥゥッ‼︎」

 

 マツブサ「バクーダ!『かえんほうしゃ』!」

 アオギリ「サメハダー!『ハイドロポンプ』!」

 

 メガバクーダ「バァァァァァクゥゥゥッ‼︎」

 メガサメハダー「サァァァァメェェェッ‼︎」

 

 シンヤがラティオスをメガシンカさせると、ついにマツブサとアオギリとのポケモンバトルが始まった。メガラティオスは「りゅうのはどう」をメガバクーダに放ち、ピカチュウは「10まんボルト」をメガサメハダーに放つが、メガバクーダは「かえんほうしゃ」で「りゅうのはどう」を、メガサメハダーは「ハイドロポンプ」を放って「10まんボルト」を相殺した。

 

 シンヤ「まぁ、そう簡単にはいかねぇよな」

 アオギリ「どうした!テメェの力はその程度か!」

 

 マツブサ「バクーダ!ピカチュウに『だいちのちから』!」

 

 メガバクーダ「バァァァクゥゥゥッ!」

 

 マツブサが「だいちのちから」をメガバクーダに指示すると、メガバクーダは雄叫びを上げた。すると、メガバクーダの足元から、地殻変動などが起こすエネルギーがピカチュウに向かって迫ってきた。しかし、「だいちのちから」がピカチュウに命中する前に、メガラティオスがピカチュウを助けて自分の背中に乗せた。

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 メガラティオス「ティオス!」

 

 シンヤ「いいぞ、ラティオス!ナイスアシストだ!」

 

 アオギリ「サメハダー!『アクアジェット』!」 

 メガサメハダー「サァァァァメッ!」

 

 「だいちのちから」がかわされると、アオギリがメガサメハダーに「アクアジェット」を指示した。すると、メガサメハダーは体から水を噴き出して身に纏うと、ピカチュウを乗せたメガラティオスに突撃した。

 

 シンヤ「そろそろ勝負を決めるとするか。ラティオス!スピードを上げろ!」

 

 メガラティオス「ティィィオスッ!」

 

 スピードを上げたメガラティオスは、自分に突っ込んでくるメガサメハダーの「アクアジェット」をかわすと、そのままメガバクーダに突っ込んだ。

 

 シンヤ「ラティオス『たきのぼり』!ピカチュウは『アイアンテール』!だ!」

 

 メガラティオス「ティィィオーースッ‼︎」

 ピカチュウ「チュゥゥゥゥッ、ピッカッ‼︎」

 

 バァァァァァン‼︎

 

 メガバクーダ「バァァクゥゥゥッ⁉︎」

 

 「たきのぼり」を発動したメガラティオスがメガバクーダにダメージを与えると、ピカチュウは「アイアンテール」を発動し、尻尾をメガバクーダの頭に叩きつけた。ピカチュウとメガラティオスの攻撃を受けたメガバクーダが地面に倒れて戦闘不能になると、メガシンカが解除されて元のバクーダの姿に戻った。

 

 バクーダ「バァァ…クゥゥ…(@_@)」

 

 マツブサ「馬鹿な⁉︎メガバクーダが!」

 フリード「やるな!シンヤ!」

 リザードン「リザァァァッ!」」

 アメジオ「っ!」

 

 シンヤがマツブサとアオギリとバトルをしている頃、リコとロイは、シンヤが森から連れてきた2匹のキャタピーとビードルとストライクと一緒に、気球の中の袋がある場所にやってきた。

 

 船内

 

 オリオ「 キャタピー!ビードル!『いとをはく』!」

 

 キャタピー×2「「ビォォォォッ!」」

 ビードル×2「「ビィーー!」」

 

 マードック「ストライク!『きりさく』で糸を切ってくれ!」

 

 ストライク×2「「ストラィィクッ!」」

 

 オリオがキャタピーとビードルに「いとをはく」を指示すると、2匹ずついるキャタピーとビードルは、口から粘着力と強度が高い白い糸を穴の開いている箇所に向かって発射した。そのあと、2匹のストライクが両手の鎌を使って糸を切り裂いてくれたおかげで、気球の穴は見事に塞がり、ガス漏れの心配がなくなって船体は安定した。

 

 マードック「よし!」

 オリオ「これで大丈夫!」

 

 ロイ「キャタピー!ビードル!ストライク!ありがとう!」

 

 リコ「…オリオさん、マードックさん。私、シンヤのいる所に行ってきます!」

 

 オリオ・マードック「「っ!」」

 

 マードック「何言ってんだ!奴らの狙いは、お前とそのペンダントなんだぞ!」

 

 オリオ「そうだよ。シンヤが戦ってくれてるから、リコはここに…」

 

 リコ「シンヤが戦ってるのに、ただ待ってるなんてできません!」

 

 オリオ「リコ…」

 

 マードック「…わかった!だけど無茶はするなよ!」

 リコ「はい!」

 ロイ「僕も行くよ!」

 

 船の修理を終えたリコとロイは、傷ついたニャオハとホゲータをオリオたちに預けると、シンヤの様子を見るために飛行船を降りてきた。

 

 メガラティオス「ティオーースッ‼︎」

 

 リコ「っ!あれは、ラティオス⁉︎」

 ロイ「でも、さっきと姿が全然違う⁉︎」

 

 アオギリ「サメハダー!『はかいこうせん』!」

 メガサメハダー「サァァァメェェッ‼︎」

 

 メガサメハダーは口にエネルギーを集めると、強烈な光線をメガラティオスに発射して攻撃した。しかし、メガラティオスは「はかいこうせん」が当たる前に体を回転させてメガサメハダーの攻撃をかわすと、メガサメハダーに向かって突っ込んだ。

 

 シンヤ「これで終わりだ!ピカチュウ!ラティオス!ダブル『10まんボルト』!」

 

 メガラティオス「ラティィーーオスッ‼︎」

 ピカチュウ「ピッカァァァ、チュゥゥゥッ‼︎」

 

 メガサメハダー「サァァァァメェェェッ⁉︎」

 

 メガサメハダーにメガラティオスとピカチュウのダブル「10まんボルト」が直撃すると、メガサメハダーは地面に倒れてしまう。すると、メガシンカが解除されて元のサメハダーの姿に戻った。

 

 サメハダー「サァァ…メッ…」

 

 アオギリ「バカな…サメハダーまで…」

 

 シンヤ「俺たちの勝ちだな」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 メガラティオス「しゅわ!」

 

 

 リコ「やったぁ!シンヤが勝った!」

 ロイ「すごい!」

 

 バクーダとサメハダーが倒れたことで、勝負はシンヤの勝ちで決まった。…するとその時、シンヤたちのいる所にある人物たちがやってきた!

 

 サザンドラ「サザァァァァッ!」

 赤いギャラドス「ギャァァァァァッ!」

 

 シンヤ「っ!」

 

 フリード「あれは!《サザンドラ》に《ギャラドス》!」

 

 パチパチパチパチ(手を叩く音)

 

 シンヤ「ん?」

 

 ???「彼らを倒すとは、流石の強さですね」

 

 シンヤ「ぁっ!」

 

 ???「見事ですよ、世界チャンピオンになるだけはある」

 

 ???「君はさらに強くなっているようだな」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 シンヤ「お前らは!」

 

 シンヤがマツブサとアオギリを倒すと、シンヤの目の前に、きょうぼうポケモンの《サザンドラ》と、きょうあくポケモンの赤い《ギャラドス》が現れた。目の前に現れたサザンドラの背中とギャラドスの頭の上には、それぞれ1人の男が立っていた。サザンドラの背中に立っている男は、全身黒ずくめの服を着ていて、コートには縦向きの目のような模様が描かれており、操舵輪を模した紋章が有る杖を突いていた。赤いギャラドスに立っている男は、体格ががっしりとしており、赤みがかった逆立った髪と、厳格さを象徴するかのような立派な顎ひげを生やし、髪は獅子のたてがみを思わせる風貌をしていて、ファー付きの赤と黒を基調としたスーツに身を包んでいた。

 

 シンヤ「《ゲーチス》!《フラダリ》!」

 

 ゲーチス「フッw」

 フラダリ「…」

 

 アオギリ「何でお前らがここにいる?」

 

 ゲーチス「気分が変わりましてね。それに、彼を倒すのに相応しい状況になっていますからね」

 

 マツブサ「貴様!私とアオギリをだしに使ったな!」

 

 ゲーチス「おや?先に彼と戦うと言ったのは、あなたたちではありませんでしたか?」

 

 マツブサ「くっ!」

 

 アメジオ「お前たちの知り合いということは、あの2人も味方ということか?」

 

 アオギリ「ああ」

 

 フラダリ「久しぶりだな、シンヤくん」

 

 シンヤ「…脱獄したっていうのは本当だったんだな」

 

 ゲーチス「ええ。本当にお久しぶりですね。あなたとこうして直に会うのは、イッシュ地方で会ったとき以来ですか?」

 

 フラダリ「前に戦った時より覇気も上がっているし、面構えも良くなっているな」

 

 シンヤ「元《プラズマ団のボス》と《フレア団のボス》がエクスプローラーズの飼い犬になってるとは、地に堕ちたな」

 

 フラダリ「誤解してもらっては困る。我ら4人は約束を守っているだけだ」

 

 シンヤ「さっきマツブサとアオギリから聞いたよ。エクスプローラーズが俺を探すことと、お前たち4人の求める、2つのある物を探す手伝いをするという約束で、エクスプローラーズの一員になったんだろ?」

 

 ゲーチス「その通りです。そこにいる少女とペンダントを手に入れるという約束でしたが……まあそれは、先にあなたを倒してから手に入れればいいでしょう」

 

 リコ「っ⁉︎シンヤを⁉︎」

 

 シンヤ「やっぱりそうなるか」

 

 マツブサ「シンヤを倒すのは私だ!」

 アオギリ「俺だ!」

 

 いきなり現れたゲーチスとフラダリは、シンヤとポケモンバトルを始めようとした。だが、それはマツブサたちも同じで、4人はシンヤを囲むように移動し、シンヤの逃げ道をなくした。

 

 モリー「ちょっと!4対1なんて卑怯でしょう!」

 

 フリード「まずい!シンヤの加勢に行かねぇと!」

 

 アメジオ「どこに行く気だ?」  

 フリード「アメジオ!」

 

 マツブサたちに囲まれたシンヤを助けるために、加勢に向かおうとするフリードだったが、目の前にアメジオが立ち塞がる。

 

 ぎゅっ(ペンダントを握る)

 

 リコ「お願い!もう一度みんなを守って!」

 

 ピカァァァァン‼︎(ペンダントが光る)

 

 ピカァァァァン‼︎(古のモンスターボールが光る)

 

 シンヤ「何だ⁉︎」

 

 フラダリ「この光は!」

 

 アメジオ(またバリアか。…いや違う。これは一体?)

 

 シンヤがゲーチスたちに囲まれた時、リコはペンダントを握りしめると、みんなを守ってほしいと強く願った。…その時、再びリコの持つ《ペンダント》と、ロイの《古のモンスターボール》が同時に光り出した。そして、古のモンスターボールの形が一部変形すると、開かないと思われていたボールが開き、そこから光が空に高く登っていった。そしてその数秒後に、空から《黒いレックウザ》がシンヤとリコたちの前に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 黒いレックウザ「グオオオオ〜〜〜〜ッ‼︎」

 

 シンヤ「あれは、《色違いのレックウザ》!」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 ロイ「えぇっ!このボール、空っぽじゃなかったの⁉︎」

 

 フリード「黒い、レックウザだと!」

 

 アオギリ「なんでここにレックウザが⁉︎」

 

 シンヤ「っ!ラティオス!今のうちだ!」

 メガラティオス「しゅわーーん!」

 

 シンヤは、ゲーチスたち4人の…いや、全員の視線が黒いレックウザに向けられた瞬間、ピカチュウと一緒にメガラティオスの背に乗ると、そのままリコたちの元に向かった。

 

 アオギリ「あっ!シンヤ!待ちやがれ!」

 

 シンヤ「悪いな。今の手持ちポケモンじゃあ、お前たちとは満足に戦えないんだ」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 ロイの家

 

 長老「あれは…」

 

 

 

 

 シンヤ「リコ!ロイ!」

 リコ「シンヤ!よかった!無事だったんだね!」

 

 シンヤ「それより、なんでレックウザがいるんだ?」

 リコ「レックウザ?」

 

 シンヤ「あのポケモンの名前だ。レックウザはホウエン地方の伝説のポケモンで、滅多に出会えないポケモンなんだ。それがなんでここに?」

 

 ロイ「それが、このボールから出てきたんだ!」

 

 黒いレックウザ「グオオオオッ!」

 

 黒いレックウザが現れて誰もが驚く中、黒いレックウザはしばらく何もせずに静観していたが、いきなり凄まじい咆哮を上げると、口元にエネルギーを集中させて、溜めたエネルギーを空へ向けて解放した。解放されたエネルギーは空で分散すると、シンヤたちの元に降り注いできた。

 

 フリード「あれは、『りゅうせいぐん』!」

 リコ「このままじゃ、船やみんなが!」

 

 シンヤ「ラティオス!お前も『りゅうせいぐん』だ!」

 メガラティオス「ラァァーティーーオォースッ!」

 

 「りゅうせいぐん」を発動させるため、メガラティオスも口元にエネルギーを集め始め、溜めたエネルギーを空へ向けて解放した。そして、解放されたエネルギーは空で分散すると、黒いレックウザの放った「りゅうせいぐん」を全て撃ち落とし、リコたちやブレイブアサギ号を守った。その後、しばらく上空を飛び続けた黒いレックウザは、地上にいるシンヤたちに目を向けた。

 

 黒いレックウザ「…」チラッ(シンヤたちを見る)

 

 リコ「えっ?」

 シンヤ「んっ?」

 

 黒いレックウザ「グオオオオ〜〜ッ‼︎」

 

 黒いレックウザがシンヤとリコを見ると、シンヤとリコは自分を見ているレックウザの視線に気がついた。そして、黒いレックウザは雄叫びを上げると、空の彼方へと飛んで行ってしまった。レックウザが消えた後、シンヤはゲーチスたちの方を見たが、そこにゲーチスたちの姿はなかった。どうやら、レックウザが現れたことで、アメジオたちと一緒に撤退したようだ。アメジオたちがいなくなった後、シンヤたちは戦いの疲れを癒すために、一度ブレイブアサギ号へ戻るのだった。そのあと、船にいるランドウが船に取り付けられた発信機を見つけて、その発信機を船にいるクワッスが壊した。

 

 ロイの家

 

 リコ「シンヤ、本当にありがとう。また助けてくれて」

 シンヤ「気にするな。大したことじゃないから」

 

 リコ「ううん、本当にありがとう。何度も助けてくれて」

 

 シンヤ「ああ、リコたちが無事でよかったよ」

 ピカチュウ「ピッカッ!」

 

 ブレイブアサギ号で少し休憩したシンヤたちは、ロイの祖父に聞きたいことがあるので、ロイの家にやってきた。しかし、話は長老がお茶を淹れた後でということになったので、長老が戻ってくる前に、リコはさっき助けてくれたお礼をシンヤに伝えた。

 

 ロトロトロト(リコのスマホロトムが鳴る)

 

 リコ「あっ!そうだ!今日は《ぐるみん》の配信があるんだった!」

 

 ロイ「そうだ!忘れてた!」

 

 シンヤ「…ぐるみんって、何?」

 

 リコ・ロイ「「えっ⁉︎」」

 

 シンヤ「な、何だよ?」  

 ピカチュウ「ピッ?」

 

 リコ「シンヤ、もしかして…」

 ロイ「ぐるみんのこと、知らないの…?」

 

 シンヤ「知らないけど。えっ?何?」

 

 ロイ「ぐるみんは、ポケモントレーナーに関する知識を教えてくれる動画配信者で、その人の名前だよ!」

 

 リコ「ほら、これを見て」

 

 スッ(スマホロトムをシンヤに見せる)

 

 ぐるみん『よっす!ポケモントレーナーのみんな!』

 

 シンヤ「…誰これ?」

 リコ「これがぐるみんだよ」

 

 リコは自分のスマホロトムをタブレットタイプすると、シンヤにぐるみんの動画を見せた。リコとロイが見ているぐるみんは、ニドリーナのぬいぐるみを着ている動画配信者で、ポケモントレーナーに必要な情報や知識はもちろんのこと、あらゆる動画をアップしていて、とても大人気の番組なのだ。ちなみに、リコはこのぐるみんの大ファンなのだ。

 

 シンヤ「へぇ〜、これがぐるみんか…」

 リコ「一緒に見ようよ」

 シンヤ「あ、ああ…」

 

 ぐるみん『よっす!ポケモントレーナーのみんな!ぐる〜みんしてる?ぐるみんの動画だ!何?珍しいポケモンについて知りたいって?この世界にはな、《伝説のポケモン》と呼ばれる特別なヤツらがいる!めっちゃ強くてどこにいるかもわからない。会えるだけで超ハッピー!ゲットなんて夢のまた夢。みんなも一度くらい伝説のポケモンを見たいよなぁ!』

 

 リコ「伝説のポケモン…」

 ロイ「僕、伝説のポケモンを初めて見たよ」

 

 シンヤ「ん?何言ってんだ?リコもロイも、伝説のポケモンを見てるじゃんか」

 

 ロイ「え?」

 

 リコ「私たち、黒いレックウザ以外に伝説のポケモンを見たことあったけ?」

 

 シンヤ「ラティオスとラティアスだよ」

 リコ「えっ?ラティオスとラティアス?」

 

 シンヤ「ああ。ラティオスとラティアスはレックウザと同じで、ホウエン地方の伝説のポケモンなんだよ」

 

 リコ・ロイ「「えぇ〜〜っ⁉︎」」

 

 ぐるみんの動画が終わってしばらくすると、長老がお茶を持ってきてくれた。リコとロイは勝手に船に向かったことを謝ったが、長老は無事でなによりだと2人に言ってくれた。

 

 長老「しかしおぬしら、えらい目にあったな」

 ロイ「うん。でも、シンヤが助けてくれたから」

 

 長老「そうか。ありがとな、ロイを助けてくれて」

 

 シンヤ「いえ。それに、さっきの連中は俺を狙ってきましたから」

 

 フリード「それって、さっきの4人のことか?」

 

 シンヤ「ええ。まさか、エクスプローラーズにいるとは思いませんでしたけど」

 

 マツブサ、アオギリ、ゲーチス、フラダリの4人が、まさかエクスプローラーズにいるとは思っていなかったので、シンヤは少し動揺していた。

 

 長老「しかし、まさか世界チャンピオンがこの村にやってくるとはな」

 

 リコ・ロイ・フリード「「「えっ!」」」

 

 フリード「爺さん、シンヤが世界チャンピオンだって知ってたのか?」

 

 長老「当たり前じゃろ。顔を見ればすぐわかるわい。フリードは知らんかったのか?二ヶ月前にテレビに映っておったじゃろ」

 

 フリード「二ヶ月前は忙しかったからな。シンヤが世界チャンピオンだっていうのは、俺もさっき知ったし」

 

 長老「それでよく《ポケモン博士》になれたな」

 

 シンヤ・リコ・ロイ「「「えっ!」」」

 

 シンヤ「フリードさんって、ポケモン博士なんですか?」

 

 フリード「あれ?言ってなかったか?」

 リコ「聞いてません」

 

 フリードがポケモン博士だということには驚いたが、黒いレックウザが古のモンスターボールから出てきたとロイから聞いた時に気になっていたことがあったシンヤは、長老に話を聞いた。

 

 シンヤ「長老さん、聞きたいことがあります」

 長老「ん?」

 

 シンヤ「ロイが古のモンスターボールと呼んでいるこの不思議なボールは、長老さんから貰ったものだと昨日ロイから聞きました。そして、このボールから黒いレックウザが出てきた。もしかして長老さんは、このボールのことを何か知ってるんじゃないですか?」

 

 長老「…黒いレックウザ。かつて《古の冒険者》が従えた伝説のポケモンじゃ」

 

 シンヤ「ロイが話してくれた人のことか。…それで、このボールのことは?」

 

 長老「それはな…」

 

 シンヤ「それは?」

 

 リコ・ロイ・フリード「「「っ…」」」

 

 長老「…わからん!」

 

 シンヤ・リコ・ロイ・フリード「「「「だぁっ⁉︎」」」」(コケる)

 

 フリード「はぁ?」

 

 長老「そのボールはわしが子供の頃、この島の浜辺で拾ったものでな。ロイが欲しいと言うから譲ったが。まさか黒いレックウザが入っているとは思いもせんかった」

 

 フリード「それって、何にも知らないってことじゃねぇか」

 

 シンヤ「でも、なんでいきなり黒いレックウザがボールから出てきたんだ?」

 

 リコ「それは、私のペンダントが光った時に、ロイの古のモンスターボールも光って。そしたら、黒いレックウザが古のモンスターボールから出てきたの。…そうだ。あの、このペンダントのこと、何か知りませんか?」

 

 スッ(ペンダントを長老に見せる)

 

 長老「これはハイカラじゃな。じゃがすまん、見たことはない」

 

 リコ「そうですか」

 

 フリード「黒いレックウザか…面白い。ポケモン博士としての血が騒ぐ。調査するしかない!」

 

 シンヤ「…」

 ピカチュウ「ピッカッ?」

 

 シンヤ「ん?ああ、大丈夫だ。悪いな、心配かけて」

 ピカチュウ「ピィカッw」

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…ピッ

 

 フリード「モリーからだ」

 

 モリー『お待たせ。ホゲータとニャオハの治療が終わったよ』

 

 長老から古のモンスターボールのことを聞くと、ホゲータとニャオハの治療が終わったとモリーから連絡が来た。それを聞いたロイは、急いでブレイブアサギ号に走って行った。

 

 フリード「おい!あっ、爺さん。ありがとな」

 

 シンヤ・リコ「「ありがとうございました!」」

 

 長老「あぁ、またな」

 

 ブレイブアサギ号

 

 リコ「ニャオハ!よかった!」

 ニャオハ「ニャッ!」

 

 ロイ「ホゲータ」

 ホゲータ「……」

 

 シンヤたちがブレイブアサギ号の前にやってくると、ニャオハとホゲータが船から降りてきた。すると、リコはニャオハを抱えて、ホゲータはロイの目の前に歩いてきた。

 

 シンヤ(ここからは、ロイがちゃんとホゲータに気持ちを伝えないとな)

 

 シンヤの言う通り、ここからはロイがホゲータに気持ちを伝えて自分の相棒になってもらわなければならないので、シンヤたちは黙ってロイとホゲータを見守っていた。

 

 ロイ「ホゲータ。僕は……このままお前とお別れしたくないんだ。もっと一緒に歌いたいし、きのみも食べたい、バトルだってしたい!だからホゲータ、僕の相棒になってくれ!」

 

 ホゲータ「ホォォゲッ!」

 

 ポンッ(口からモンスターボールを出す)

 

 ロイがホゲータに自分の嘘偽りのない気持ちを伝えると、ホゲータは口から、治療が終わった時にフリードのリザードンから渡されたモンスターボールを吐き出した。

 

 ロイ「え?モンスターボール?」

 シンヤ「よかったな、ロイ」

 

 ロイ「えっ?」

 シンヤ「ホゲータは、お前の相棒になってくれるって」

 

 ロイ「えっ?そうなの?ホゲータ?」

 ホゲータ「ホッゲ〜!」

 

 フリード「決まりだな」

 リコ「よかったね、ロイ!」

 

 ロイ「うん」

 

 スッ(モンスターボールを手に取る)

 

 ロイ「ずっと練習してきたんだ!今この時のために!君がいいって決めたんだ!」

 

 ロイは腕を大きく振りかぶると、ホゲータに向かってモンスターボールを投げた。ホゲータがモンスターボールに入ると、しばらくボールが揺れたが、最後にポンッという音が鳴った。これで正式に、ホゲータはロイのポケモンになった。そして、ロイはホゲータが入ったボール手に取ると、それを宙に投げてホゲータを出した。

 

 ポーーン

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ロイ「ホゲータ、これからもよろしく!」

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 フリード「おめでとう、ロイ。今日からお前は《ポケモントレーナー》だ」

 

 ロイ「ポケモントレーナー」

 

 フリード「ああ。友達を超えて相棒になった。ロイ、ホゲータをよろしくな」

 

 ロイ「うん。…フリードさん、お願いがあるんだけど」

 

 フリード「お願い?何だ?」

 

 ロイ「僕を飛行船に乗せてほしいんだ!僕、ずっと旅をしたいって思ってたから」

 

 フリード「俺は構わないが、勝手に船に乗せるわけにいかないからな。長老にお前を連れていっていいか聞いてみないと」

 

 長老「わしがなんじゃって?」

 

 ロイ「じ…じいちゃん…」

 

 ロイがフリードに船を乗せてほしいと頼むと、そこにタイミングよくロイの祖父である長老がやってきた。すると、ロイは長老の目の前に移動し、フリードたちライジングボルテッカーズと一緒に冒険の旅に出たいと伝えようとした。

 

 ロイ「じいちゃん…僕、ポケモントレーナーになったんだ!」

 

 長老「その子がお前の相棒か?」

 ホゲータ「ホゲッ?」

 

 ロイ「うん!あの…じいちゃん。僕……フリードさんたちと、ライジングボルテッカーズと一緒に、冒険の旅に出たい!」

 

 長老「なんじゃと?」

 ロイ「うっ…」

 

 ロイの冒険をしたいという言葉を聞くと、長老は険しい顔をした。長老の迫力ある顔にロイは怯んでしまったが、長老から旅に行っていいという許可を貰うために自分の思いを伝え始めた。

 

 ロイ「ポケモンが一緒なら大丈夫!古の冒険者は、本当にいたってずっと信じてた!いつか島を出て、伝説のポケモンに会うって夢みてた。あのレックウザを追いかけてゲットしたい!だから旅に出たいんだ!」

 

 長老「それがお前の夢か?」

 ロイ「もう1つある。ホゲータの夢だよ!」

 ホゲータ「ホゲ?」

 

 ロイ「ホゲータは、リザードンみたいに強く、かっこよくなりたいんだ!だから、僕がホゲータを育てる!トレーナーとして、僕がホゲータの夢を叶える!2人で一緒に!」

 

 ホゲータ「ホンゲ!」

 

 長老「…よかろう」

 ロイ「え?いいの?」

 

 長老「昨日までのお前は、自分の夢しか語れなかった。だが今は違う、相棒の夢も語れた。ポケモンとトレーナーは一心同体。その子のためにも、力を合わせて頑張るんじゃぞ」

 

 ロイ「うん!やったな。ホゲータ!」

 ホゲータ「ホォォゲッ!」

 

 スッ(ロイのリュックを出す)

 

 長老「冒険に必要は物は、全てこの中に入れておいた」

 

 ロイ「じいちゃん、どうして?」

 

 長老「お前の気持ちは最初からお見通しじゃ。ワシのことは気にせず行ってこい!」

 

 ロイ「うん!」

 

 フリード「よかったな、ロイ。責任もって預かります」

 長老「うむ。よろしく頼む」

 

 ロイ「シンヤ、リコ、これからよろしくね!」

 シンヤ「ああ、よろしくな」

 リコ「うん!よろしくね!」

 

 こうして、ロイはシンヤたちと一緒に冒険をすることになった。…一方その頃、アメジオたちエクスプローラーズは…

 

 エクスプローラーズのアジト

 

 アメジオ「報告は以上です…」

 

 ここは、どこにあるかわからないエクスプローラーズのアジト。ライジングボルテッカーズを追っていたアメジオは、他のエクスプローラーズのメンバーに今回のことを報告をしていた。アメジオの他に姿は見えないが、他に4人のメンバーと、マツブサ、アオギリ、ゲーチス、フラダリ。そして、タキシード姿の1人の老人がアメジオたちの前に立っていた。

 

 ???『アメジオ、なぜ単独行動を続けた?』

 

 アメジオ「現場の判断です。責任は負います」

 

 ???「フフフッw、任務失敗とはあなたらしくもない。我々エクスプローラーズは《ギベオン様》の願いを叶える存在。あまつさえポケモンバトルにも敗北するとは」

 

 アメジオ「今回は負けてはいない。レックウザの邪魔が入っただけだ」

 

 ???「黒いレックウザ。本当にそのようなポケモンがいるかどうか」

 

 アメジオ「疑うというのか⁉︎」

 

 ハンベル「お二人とも、ギベオン様の前です」

 

 ギベオン『スピネル、彼らの行方を追え』

 

 スピネル「必ずやペンダントをギベオン様の手に」

 

 ギベオン『アメジオは任務から外す』

 

 アメジオ「え?」

 

 スピネル「フッw、お疲れ様でした。後は私に任せて、ゆっくり休んでいてください」

 

 アメジオ「っ⁉︎」

 

 ギベオン『マツブサ、アオギリ、ゲーチス、フラダリ。君たち4人には、約束通り、エクスプローラーズに力を貸してもらう』

 

 ハンベル「脱獄に手を貸せば、我々に協力する。その約束を忘れてはいませんね?」

 

 マツブサ「もちろんわかっている」

 アオギリ「だがよ、こっちの約束も忘れるなよ」

 

 ギベオン『わかっている。シンヤというトレーナーの相手は、君たち4人に任せよう。そして、もう1つの約束の方も進んでいる。君たち4人の求める物の1つは、もう少しで見つかるだろう』

 

 フラダリ「ならばいい」

 ゲーチス「こちらとしても、その方が好都合です」

 

 ギベオン『そして君たち4人には、シンヤというトレーナーの相手だけではなく、ペンダントの回収も手伝ってもらう』

 

 フラダリ「いいだろう。どちらにせよ、彼がペンダントを持っている少女と一緒なら、戦って奪えばいいだけのことだ」

 

 ギベオン『ありがとう。他の幹部のみんなも、彼らと協力してくれ』

 

 アメジオ以外の幹部全員「「「「はっ!」」」」

 

 アメジオは不服そうな顔をしながら背を向けると、そのまま部屋を立ち去って行った。すると、アメジオの周りに立っていた他の4人の人物たちは、忽然と姿を消してしまう。どうやら、アメジオの横に立っていた4人は、映像で立体化されたホログラムだったようだ。ホログラムだった全員がいなくなり、フラダリたちもいなくなると、エクスプローラーズの執事のハンベルが前に歩いてきて、エクスプローラーズのボスであるギベオンと会話をした。

 

 ハンベル「ギベオン様」

 

 ギベオン『ああ…見つけた』

 

 廊下

 

 アメジオ「クソッ!」

 

 ダァン!(壁を殴る)

 

 コニア「あの、任務を横取りされたって…」

 ジル「よろしいのですか?このままで」

 

 アメジオ「好都合だ。俺は黒いレックウザを追う!」

 

 ジル・コニア「「えぇっ⁉︎」」

 

 アメジオ「ペンダントと謎のボールの共鳴、その秘密を解く鍵はおそらく…あの黒いレックウザだ」

 

 ブレイブアサギ号・夕方

 

 ロイ「今日からお世話になります!」

 

 場所はシンヤたちのいる所に戻り、これからブレイブアサギ号が出航するので、ロイは船のメンバー全員に挨拶をしていた。

 

 オリオ「ようこそ、ロイ!」

 

 マードック「また賑やかになりそうだな」

 

 フリード「あぁ。いよいよ出航だ!みんな持ち場についてくれ!」

 

 ロイ「あっ、そうだ!」

 

 スッ(船の旗を出す)

 

 フリード「ん?…あっ!それは、俺たちの船の旗!」

 

 船が出航しようとすると、ロイはリュックの中から、以前ブレイブアサギ号が嵐の中に入った時に飛ばされた《ライジングボルテッカーズの旗》を取り出した。

 

 フリード「ロイが拾ってくれたのか?」

 

 ロイ「へヘッ、嵐の次の日に、海岸で拾ったんだ!」

 

 フリード「凄いぞ!こいつがホゲータとロイを繋いでくれた!」

 

 ロイ「っ!嵐のあとは、いつもお宝がやってくる…そうか、君だったんだね!《最高のお宝》は!」

 

 ホゲータ「ホゲホゲー!」

 

 フリード「ロイ!最初の仕事だ!この旗はお前がつけてくれ!」

 

 ロイ「うん!」

 

 ロイが旗を船につけ終わると、ブレイブアサギ号は出航した。すると、村の人たちが海辺にやってきて、ロイの旅立ちを見守ってくれていた。

 

 村人「元気でな!」

 長老「しっかりやってくるんじゃぞ〜!」

 

 ロイ「じいちゃん…行ってきま〜す!」

 

 こうしてブレイブアサギ号に、新しい仲間のロイが加わった。そして、再び空に飛んだブレイブアサギ号は、リコの故郷であるパルデア地方に向かうのだった。そしてその夜…

 

 ウイングデッキ・夜

 

 シンヤ「マツブサたちと戦うには、手持ちポケモンをフルメンバーに変えておく必要があるからな。ラティオス、ラティアス、オーガポン、バシャーモ。一度お前たちをナナカマド博士の所に送るから、また出番が来たら、その時はよろしくな!」

 

 ラティオス「しゅわーん!」

 オーガポン「ぽにお!」

 バジャーモ「バッシャァァァッ!」

 ラティアス(人間の姿)「…」

 

 シンヤ「…ラティアス、人の姿になってられると、ナナカマド博士の所に送れないんだけど…」

 

 またマツブサたちと戦うことになるかもしれないと考えたシンヤは、手持ちのポケモンを入れ替えようと考えていたのだが、ラティアスは手持ちから抜けるのが嫌なようで、人間の姿になって拒否していた。するとそこに、ニャオハを抱えたリコがやってくる。

 

 リコ「シンヤ、やっぱりここにいた!」

 ニャオハ「ニャオハ!」

 

 シンヤ「リコ、どうしてここに?」

 

 リコ「さっきシンヤの部屋に行ったんだけど、シンヤがいなかったから。そしたらフリードさんが、ウイングデッキにシンヤがいるって教えてくれたの。…ところで、その女の人は誰?」

 

 シンヤ「ああ、ラティアスだよ。ラティアス、人の姿からポケモンの姿になってくれ」

 

 シンヤにそう言われると、ラティアスは人の姿からポケモンの姿に変わり、それを見たリコは驚いていた。

 

 ラティアス「ひゅわ!」

 

 リコ「っ⁉︎本当にポケモンの姿になっちゃった!」

 

 シンヤ「そう言ったろ。…ラティアス、また出番が来たら送ってもらうから、その時は頼むよ」

 

 ラティアス「ひゅわ…」

 

 ラティアスはポケモンの姿に戻ると、シンヤに頭を擦り付けてからモンスターボールの中に戻った。そして、シンヤはバジャーモたち4匹をナナカマド博士に送ると、リザードン、ジュカイン、ゲッコウガ、ルカリオを新たに送ってもらったのだが、シンヤがウイングデッキで何をしていたのかわからなかったリコは、シンヤが何をしていたのか話を聞いた。

 

 リコ「そっか。手持ちから抜けるのが嫌で、ラティアスは人の姿になってたんだ」

 

 シンヤ「ああ。でも、これからマツブサたちと戦うなら、ちゃんとメンバーを入れ替えといた方がいいと思ってな。…ところで、リコはなんでここに?俺に何か用事か?」

 

 リコ「…その事なんだけど、ポケモンたちを展望室の中に置いた後、2人で話せないかな?」

 

 シンヤ「え?…別にいいけど」

 

 シンヤはリコにそう言われると、展望室にピカチュウとポケモンたちが入っているモンスターボールを置き、リコが待っているウイングデッキにやってきた。…ちなみに、ニャオハも展望室にいる。

 

 リコ「今日、ロイがホゲータに自分の気持ちを伝えるのを見たら、私も、シンヤにちゃんと自分の気持ちを伝えようと思ったんだ」

 

 シンヤ「リコの気持ち?」

 

 リコ「うん。…昨日フリードさんから見張りを頼まれた後に、シンヤこう言ったよね。何か私の気に触るようなことしたかって」

 

 シンヤ「えっ?…あぁ〜、そういえば、そんなことを聞いたな」

 

 リコ「その前に、モリーさんにこう言われたの覚えてる?ここでイチャつかないって」

 

 シンヤ「ああ、覚えてるよ。…でも、それがどうかしたのか?」

 

 リコ「あの時、モリーさんのその言葉に、私は違いますって否定したけど、その後シンヤに、俺とリコは恋人じゃないって言われたのが、ちょっとショックだったんだ。私も違いますって言ったのに」

 

 シンヤ「…!それって、もしかして!」

 

 リコ「うん。シンヤ…私ね……好きなの……あなたのことが!」

 

 シンヤ(!…そっか。それで昨日、リコは展望室にいた時から様子が変だったのか…納得)

 

 リコ「ごめん。…いきなりこんなこと言われたら…困る…よね」

 

 シンヤ「あ、いや、困るというか…少し驚いたんだ。リコが俺のことを好きだなんて、そんなこと思ってなかったからさ」

 

 いきなりリコに告白をされて、シンヤは内心びっくりしていた。まさか、リコが自分のことを異性として意識しているとは思っていなかったのだろう。

 

 リコ「話を続けてもいい?」

 シンヤ「ああ、どうぞ」

 

 リコ「私とシンヤの出会いはただの偶然だった。でも、私がニャオハの関係に悩んでいた時も、エクスプローラーズに狙われた時も、ニャオハが攫われた時も、今日だって、何度もシンヤは助けてくれた。そんなあなたの姿を見てたら、だんだんあなたのことが好きになっていったの。…それに、さっきの女の子、ラティアスが人に変わった姿だったけど、他の女の子がシンヤの近くにいるのを見て、それを見たら胸が苦しくなって、それで気づいたんだ。私は…シンヤが好きなんだって」

 

 シンヤ「そ、そうか」…(珍しいな、リコがこんなに喋るなんて)

 

 リコ「えっと、一応言っておくけど、シンヤがWCSの優勝者だからとか、世界チャンピオンだから告白したんじゃないよ」

 

 シンヤ「リコがそんな考え方をするような人じゃないってことはわかってるよ。俺がアメジオとここでバトルした時だって、俺とピカチュウの身の安全や、ライジングボルテッカーズのみんなのことを優先してたんだから」

 

 リコ「そ、そっか。…それで、あの…もし…もし、シンヤさえよければ、他に好きな人や恋人がいないなら…私と付き合ってください!///」

 

 ペコッ(頭を下げる)

 

 リコは自分の気持ちを正直にシンヤに打ち明けると、顔を赤くした状態で頭を下げて、自分の恋人になってほしいとシンヤに伝えた。

 

 シンヤ「…リコ。とりあえず、頭を上げてくれ」

 リコ「う、うん。……それで、返事は?」

 

 シンヤ「…それを答える前に、一つ確認をしておきたいんだけど、いいかな?」

 

 リコ「なに?」

 

 シンヤ「リコの気持ちは嬉しいよ。リコのような、内面も見た目も綺麗な女の子に告白されるのは、男としてとても嬉しい。だけど、リコが俺を好きなのは、吊り橋効果なんじゃないかと思うんだ」

 

 リコ「違うよ!本当にあなたが好きなの!吊り橋効果なんかじゃない!シンヤが他の子と付き合うことを考えるのも嫌なぐらい、私はシンヤが好きなの!」

 

 シンヤ「あ、ああ、そうなんだ。ありがとう!…嬉しいような、恥ずかしいような」

 

 リコ「その、私なんかじゃ、シンヤに釣り合わないと思うけど」

 

 シンヤ「女の子と付き合ったことがない俺が言うのもなんなんだけど。恋愛ってさ、釣り合うとか釣り合わないとかじゃなくて、お互いの気持ちが大事だと思うぜ」

 

 リコ「…あの…まだ答えが出ないなら、返事は待つけど…」

 

 シンヤ「…いや、ここまで言ってくれたリコの言葉で決めたよ」

 

 女の子であるリコがここまで言ってくれたので、リコの告白の返事にどう答えるのか、それはシンヤの中で既に決まっていた。

 

 シンヤ「…リコさえよければ、俺と付き合ってくれ」

 

 リコ「っ!…ほ、本当に⁉︎その、私と付き合ってくれるの⁉︎」

 

 シンヤ「ああ、リコさえよければ…」

 

 ぎゅっ(シンヤに抱きつく)

 

 シンヤ「ぁ、リコ…」

 

 シンヤに告白をしたリコは、その場でシンヤにOKをもらうと、いきなりシンヤに抱きつき、シンヤは抱きついてきたリコを受け止めた。

 

 リコ「ありがとう!これからは、恋人としてお願いします!」

 

 シンヤ「ぁっ…フッw、俺の方こそ、これからよろしくな」

 

 こうして、シンヤとリコは友達から恋人同士になり、シンヤとリコが展望室に戻ると、船の影から一部始終を見ていたオリオとモリーが現れた。

 

 オリオ「まさか、リコから告白するとはね」

 

 モリー「いいんじゃない、別にどっちから告白したって)…「シンヤ、リコ、おめでとう」

 

 そして次の日の朝。起きてきたリコがシンヤの顔を見た時、シンヤと付き合ってることを自覚して顔を真っ赤にするのは、また別のお話。

 

 To be continued

 

 アメジオたちが現れてから色々あったが、いよいよブレイブアサギ号は、リコの故郷であるパルデア地方に出発した。しかし、バルデア地方に向かう途中、リコとロイが強くなりたいと言い出したので、シンヤはリコとロイを特訓することになったのだが…

 

 次回「ポケモンバトルの特訓!VSキャプテンピカチュウ!」

 





 シンヤの手持ちポケモン

 ピカチュウ
 エンペルト
 リザードン
 ジュカイン
 ルカリオ
 ゲッコウガ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。