ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 エリアゼロに行くメンバー全員がオレンジアカデミーに集まると、準備を終えたシンヤたちは、早速エリアゼロに向かった。そして、シンヤたちがエリアゼロの最深部にあるゼロラボの前にやってくると、シンヤのコライドンとミライドンとは別の個体である、コライドンとミライドンに遭遇した。その後、シンヤの幼馴染のリュウガとミコに出会うと、リュウガとミコも一緒に、ゼロラボの中に行くことになった。シンヤたちがゼロラボの中に入ると、ゼロラボの中には、ペパーの実の両親、オーリム博士とフトゥー博士が作ったAI、オーリムAIとフトゥーAIというロボットがいた。その後リコたちは、かつてシンヤがパルデア地方でどういう冒険をしたのかを聞き、今回エリアゼロに行くことになった目的が、以前シンヤたちがこのゼロラボに来た時に、オーリムAIとフトゥーAIから死んだと聞かされていた、本物のオーリム博士とフトゥー博士がこのゼロラボにいるということを、自分たちの目の前にいる、オーリムAIとフトゥーAIから聞き、それが真実かどうかを確かめるために、このゼロラボに来ることになったということを聞いた。そして、オーリムAIとフトゥーAIに案内され、タイムマシンのある最下層にやってきたシンヤたちは、その部屋で、カプセルの中に入って眠っている、本物のオーリム博士とフトゥー博士を見つけたのだ。


第60話『シンヤ・リュウガVSオーリムAI・フトゥーAI!奇跡の光!』

 

 ゼロラボ・最下層

 

 オーリム博士『…』

 フトゥー博士『…』

 

 ペパー「母ちゃん!父ちゃん!」

 

 シンヤ「これが、本物のオーリム博士とフトゥー博士か。…何故2人がここにいるんですか?俺たちが前にここに来た時、あなたたち2人は、博士たちが死んだと言っていたのに」

 

 オーリムAI「すまない。嘘をつく気はなかったんだ。しかし、こんな姿になってしまった博士たちを、ペパーに見せるのは酷だと思ってね。それで、ずっと黙っていたんだ」

 

 フトゥーAI「しかし、やはり君とペパーには、博士たちがどうなっているのかを知っておいてもらった方がいいと思ってね。それで、君とペパーをここに呼んだんだ」

 

 カプセルの中に入っていたオーリム博士とフトゥー博士を見ると、シンヤたちは目を見開いて驚愕した。今の博士たちの姿は、思わず目を背けたくなるほどの姿だった。オーリム博士とフトゥー博士の体には、コライドンとミライドンを庇った時にできた大きな切り傷があり、その傷口から大量の血が流れたあとが残っていて、服に血が染みついていたのだ。

 

 リコ「うっ…」

 

 シンヤ「リコ、見なくていい。ルッカ先生、アレックスさん」

 

 ルッカ「ええ」

 アレックス「リコ、こっちに」

 リコ「う、うん…」

 

 フリード「ロイ、ドット、それから他の子供たちもこっちに来い」

 

 ロイ「う、うん」

 ドット「…分かった」

 

 ネモ「はい…」

 ボタン「…はい」

 

 ゼイユ「ううっ…」

 スグリ「ッ…」

 

 フリード「シンヤ!リュウガ!ミコ!お前たちもこっちに来い!」

 

 シンヤ「俺たちは大丈夫だ!」

 フリード「はっ?」

 

 リュウガ「俺たちはこういうの見慣れてるんで、気にしないでください!」

 

 ミコ「私たちは平気ですから!」

 

 フリード「見慣れてるって…」

 

 やはり、今のオーリム博士とフトゥー博士の姿は、リコたちには刺激が強かったのだろう。シンヤとリュウガとミコとペパーの4人以外の全員は、カプセルのある所から少し離れると、呼吸を整えて深呼吸し、心を落ち着かせていた。

 

 シンヤ「…博士たちは、今どういう状態なんですか?」

 

 オーリムAI「さっき説明した通り、オーリム博士とフトゥー博士は、コライドンとミライドンが、自分たちの呼んだ古代と未来のポケモンに攻撃をされた時、オーリム博士はコライドンを、フトゥー博士はミライドンを守るために、自らを犠牲にしてこうなった」

 

 フトゥーAI「しかし、奇跡的に博士たちの心臓は止まっていなかった。だが、博士たちの肉体は損傷し、生命活動を維持できなくなってしまったんだ。放っておけば、博士たちの心臓は止まっていただろう」

 

 オーリムAI「しかし、今の現代の医学では、2人を助けることもできない。そこで我々は、博士たちの命を延命させるため、未来の医療技術が発展していることを信じ、博士たちを《冷凍保存》状態にすることを思いついた」

 

 ロイ「冷凍保存?」

 

 シンヤ「冷凍保存って言うのは、現在の医療技術で治療が不可能な人間を、未来の医療技術が発展することに託し、蘇生する技術が完成した時点で、冷凍保存状態の人間を解凍し、治療しようという考え方なんだ」

 

 リュウガ「なるほど。冷凍保存状態なら、博士たちの命は延命できるし、今の現代医学では無理でも、医療技術が発展した未来の世界なら、博士たちが見つかった時に治療ができるってわけか」

 

 オーリムAI「その通りだ」

 

 シンヤ「…あなたたちが俺とペパーを呼び、博士たちがどうなっているかは分かりました。しかし、機能を停止したはずのあなたたち2人が、再び機能しているのか、その理由を教えてもらっても?」

 

 フトゥーAI 「……強い電気がここに流れてきたんだ」

 

 シンヤ「強い電気?」

 

 オーリムAI「ああ。とても強い電気がこの最下層にまで流れてきて、その電気が我々の体に流れてくると、我々のプログラムが再起動し、我々は再び活動できるようになったんだ。そしてその後、校長室に動画を送ったんだ」

 

 シンヤ「その電気が流れてきたのは、いつのことですか?」

 

 フトゥーAI「確か、動画を送る6時間前だ」

 

 シンヤ「ってことは、その6時間の間に動画を作り、それを校長室に送ってきたってことか」…(動画を送ってきた日の6時間前って言ったら……エクスプローラーズが黒いレックウザを呼び出した時間だ!)

 

 オーリムAIとフトゥーAIから、オーリム博士とフトゥー博士が今どういう状態であるかを聞いたシンヤは、機能が停止したはずのオーリムAIとフトゥーAIの2人に、なぜ再び機能しているのかを聞いた。その理由は、以前エクスプローラーズが黒いレックウザを呼び出した時間と同時刻に、このタイムマシンのある最下層にまで強い電気が流れてきたからだと、オーリムAIとフトゥーAIは答えた。

 

 クラベル「…あの、オーリム博士とフトゥー博士を助ける方法はないのですか?」

 

 オーリムAI「さっきも言ったが、現代の医療技術では、オーリム博士とフトゥー博士は治療できない。それに、パラドックスポケモンたちの攻撃を受けた博士たちは、もはや冷凍保存状態でしか生きていけないんだ。もし博士たちをこの中から出したら、2人は確実に死んでしまう」

 

 ペパー「ッ!」

 

 クラベル「そんな…」

 

 ミコ「それって、たとえ未来の医療技術が発展していたとしても…」

 

 フトゥーAI「ああ、未来の世界でも、博士たちが助かるかどうかは分からない」

 

 ペパー「ッ!」

 

 とても残酷な宣告を聞いたペパーやリコたちは、その場で顔を下に向けた。それも当然のことだった。シンヤたちは以前ここに来た時に、ペパーの実の両親である、オーリム博士とフトゥー博士が死んだと聞かされていたが、まさか2人が生きていて、こんな目も当てられない姿になっているとは思わなかっただろう。しかも、博士たちはこのカプセルの中でしか生きられないため、今のペパーたちにはどうすることもできなかった。

 

 ペパー「…こんなのってアリかよ!」

 

 シンヤ「ペパー…」

 

 ペパー「ずっと、ずっと探してた、母ちゃんと父ちゃんに会えたと思ったら、こんな、こんな……ううっ(涙)」

 

 ネモ「ぁ…」

 ボタン「ペパー…」

 

 クラベル「…」

 リコ「…」

 

 この場にいる全員が今のペパーの心情を思うと、とても居た堪れない気持ちになっていた。実の両親である、オーリム博士とフトゥー博士が一生目を覚まさないかもしれないと言われたのだ。そんなことを聞かされたら、ペパーは絶望に叩き落とされた気持ちになるだろう。そんなペパーの心情を思うと、誰もがペパーにかける言葉さえ見つからなかった。

 

 リュウガ「…オーリム博士とフトゥー博士は、実の息子であるペパーを1人にして、ここでずっと研究をしていたのか?」

 

 オーリムAI「ああ」

 

 フトゥーAI「これは博士たちから聞いた話なんだが、博士たちが我々を作り出す5年前、今シンヤの連れているコライドンとミライドン、マフィティフの進化前である《オラチフ》、そしてペパーと一緒に、博士たちは6人で生活していたと聞いている」

 

 オーリムAI「しかし、博士たちはタイムマシンを完成させるために我々を作り出すと、幼いペパーとオラチフを残し、エリアゼロで研究を始めた」

 

 リュウガ「ん?……ちょっと待て!博士たちがアンタたちと一緒にタイムマシンを作ったから、コライドンやミライドンたちがこの世界にやってきたんだろう?なのに、なんでタイムマシンを完成させる前から、コライドンやミライドンがペパーたちと一緒に生活してたんだよ?」

 

 シンヤ「そのことなんだけど、どうやら博士たちがタイムマシンを作るずっと前から、エリアゼロを冒険していた観測隊員が、パラドックスポケモンたちを見たって、ある本に書いてあったんだよな」

 

 リュウガ「本?」

 

 シンヤ「ああ。《スカーレットブック》と、《バイオレットブック》という本にそう書いてあった」

 

 リュウガ「じゃあ、博士たちがタイムマシンを作るずっと前から、パラドックスポケモンたちはこのエリアゼロにいたってことか!……あれ?……待てよ。古代のポケモンたちがここにいるのは分かる。だけど、なんで未来から来たポケモンがいるんだ?古代のポケモンは過去のポケモンだけど、未来のポケモンは未来のポケモンだ。タイムマシンがなければ、この世界に来られないはずだ!話が矛盾してるぞ!」

 

 シンヤ「別にそんな不思議がることでもないだろう。俺たちだって、前に過去の世界に行った不思議な体験をしてるじゃん」

 

 リュウガ「えっ?……ああ、俺たちが《ヒスイ地方》に行った時か…」

 

 シンヤ「ああ」

 

 フリード「えっ?」

 

 リコ(ヒスイ地方に行った?)

 

 シンヤ「時空の歪みとか、不思議な力が働いてると考えれば、なにもそんな不思議がることは…」

 

 ミコ「2人とも!今はパラドックスポケモンたちがどこから来たとかそんなことより、博士たちを助ける方法を考えてよ!」

 

 リュウガ「あっ(・_・)」

 

 シンヤ「そうだった。Σ(・□・)」

 

 ミコ「たくっも〜〜!アンタたちはいつもいつも!(`ω´)」

 

 リュウガは、博士たちがタイムマシンを作る前から、このエリアゼロでパラドックスポケモンたちが発見されたことをシンヤから聞くと、そこからシンヤと話を始めた。しかし、シンヤとリュウガが話をしていると、ミコが怒り出してしまう。ミコが怒るのも当然だった。今シンヤたちが考えなければならないのは、パラドックスポケモンたちがどこから来たということより、冷凍保存状態の、オーリム博士とフトゥー博士を助けることなのだから。

 

 シンヤ「……ハァ、仕方ない。あの方法を使うか」

 

 リュウガ「あの方法?」

 

 シンヤ「ほら、お前がさっき返してくれたコイツの力があれば、博士たちを助けられるだろ?」

 

 リュウガ「…!ああ、そっか!ソイツの力があれば、2人を助けられるじゃん!」

 

 全員「「「えっ⁉︎」」」

 

 リュウガ「でも、お前はいいのか?公衆の面前だぞ?」

 

 シンヤ「みんなが見てないところで博士たちを助け出したら、今度はどうやって博士たちを助けたんだと聞かれるだろ?だったら、みんなには内緒にしてもらうってことで、《アレ》をやるしかないだろう…」

 

 シンヤがあの方法を使うかと言いだすと、リュウガが自分に返してきたスーパーボールを取り出し、アレをやるしかないと言い出した。そして、リュウガがオーリム博士とフトゥー博士を助けられると言い出すと、シンヤとミコを除いた全員は、リュウガのその言葉に驚いていた。どうやら、リュウガとミコにはシンヤがこれから何をやろうとしているのか分かっているようだが、リコたちにはシンヤが何をやろうとしているのか分からなかった。

 

 フトゥーAI「シンヤ、君がどうやってオーリム博士とフトゥー博士を助けるつもりかは知らないけど、2人を助ける方法なんてないよ」

 

 シンヤ「もし、2人を助ける方法があったら?」

 

 オーリムAI「それは不可能だ。博士たち助ける方法は、最高の科学力を持つ、我々AIにだって思いつかないんだ。だから…」

 

 シンヤ「いや、このポケモンの力を借りれば、オーリム博士とフトゥー博士を助けることができる」スッ(スーパーボールを取り出す)

 

 リュウガ「また《奇跡》を起こすんだな」

 

 リコ(奇跡?)

 

 フリード(シンヤ、お前は一体は何をするつもりなんだ?)

 

 セキュリティに異常発生!

 セキュリティに異常発生!

 

 シンヤ「はっ?」

 ピカチュウ「ピカッ?」

 ゲッコウガ「コウガッ?」

 ビクティニ「ティニッ?」

 オーガポン「ぽにおっ?」

 

 タイムマシンを再起動!オーリムAIとフトゥーAIをスリープモードへ移行し、戦闘プログラムを起動します!

 

 オーリムAI「まずい!」

 

 シンヤ「ッ⁉︎リュウガ!ミコとペパーを掴んで後ろに下がれ!」

 

 リュウガ「ッ!」

 

 グイッ(ミコとペパーを引っ張る)

 

 ミコ「わっ⁉︎」

 ペパー「うわっ⁉︎」

 

 どうやら、シンヤはあるポケモンの力を使って、カプセルの中で眠っている、オーリム博士とフトゥー博士を助けるようだ。そして、シンヤはオーリム博士とフトゥー博士を助けるため、スーパーボールに入っているポケモンを出そうとし、リコたちがシンヤのやろうとしていることを黙って見ていると、突然システムの警報音が鳴り出し、タイムマシンが再起動した。その時、シンヤがリュウガに、ミコとペパーを掴んで後ろに下がれと言うと、リュウガはミコとペパーを引っ張って後ろに下がり、シンヤもタイムマシンのあるところから離れた。すると、結晶石で覆われている壁が紫色に変化していった。

 

 ゴゴゴゴッ!(天井の装置が起動する)

 

 リュウガ「何だあれ⁉︎」

 

 フリード「シンヤ!一体何がどうなってるんだ!」

 

 シンヤ「さっき2人が言ってたろ。オーリム博士とフトゥー博士は、モンスターボールを古代の世界と未来の世界に転送し、異なる時間軸のポケモンを捕まえるって」

 

 フリード「じゃあ、まさかあれが!」

 

 シンヤ「そう。あの天井の光の先が、古代と未来の世界に繋がってるんだ」

 

 ピキピキッ

 

 オーリムAI「シンヤ…頼む……我々を……倒してくれ」

 

 フトゥーAI「君と……君のポケモンたちの絆なら……君たちが再び勝利すると……我々は信じている…」

 

 シンヤ「ッ⁉︎」

 

 天井にある装置が起動すると、古代と未来の世界に繋がるゲートが開いた。すると、突然オーリムAIとフトゥーAIの体が結晶化していき、2人はシンヤに自分たちを倒すように言い残すと、目を閉じてしまう。

 

 リコ「えっ?」

 ロイ「何が起きてるの?」

 

 シンヤ「2人の防衛システムが発動したんだ」

 

 フリード「タイムマシンを止める者が現れたら、その邪魔者を排除するプログラムか?」

 

 ゼイユ「ちょっと待って!それはタイムマシンを止めるか、破壊しようとするヤツが現れた時に発動するプログラムでしょ!シンヤは本物のオーリム博士とフトゥー博士を助けようとしてるだけじゃない。なのに、なんで防衛プログラムが発動するの?」

 

 シンヤ「その原因は、恐らくコイツだろうな」

 

 スッ(スーパーボール)

 

 シンヤ(恐らく、タイムマシンがコイツの強い力に反応し、俺がコイツをボールから出そうとしたから、2人の防衛プログラムが発動したんだろうな。実際コイツの持ってる力は、《時》を操る力だからな」

 

 ヒュン(ゲートの中から降ってくる)

 

 フリード「あれは!」

 

 シンヤ「マスターボール!」

 

 トンッ(マスターボールがフトゥーAIの手のひらに落ちてくる)

 

 ポワン…ポワン…ポワン……ポンッ!

 

 突然タイムマシンが再起動すると、オーリムAIとフトゥーAIの戦闘プログラムが起動した。そして、古代と未来の世界に繋がってるゲートが開くと、そこから2個のマスターボールが降ってきた。すると、2個のマスターボールはフトゥーAIの両手の手のひらの上に、ゆっくり落ちてきた。そして、2個のマスターボールがフトゥーAIの両手の手のひらの上で3回揺れると、最後にポンッという音が鳴った。

 

 オーリムAI・フトゥーAI「「邪魔者を排除する!」」

 

 スチャ(マスターボールを取り出す)

 

 オーリムAIとフトゥーAIが閉じていた目を開けると、その目はさっきまでとはまるで違い、青く光り輝いていて、シンヤたちを敵と認識しているような目だった。そして、オーリムAIとフトゥーAIは、シンヤたちを排除するために、自分たちが持っているマスターボールを全て構えると、そのマスターボールに入っているポケモンたちを繰り出した。

 

 ポーーン!

 

 ハバタクカミ「カァーーミッ‼︎」

 イダイナキバ「キィーバァーッ‼︎」

 

 コライドン「コラァァァ‼︎」

 

 テツノカシラ「カァーーシラッ‼︎」

 テツノイワオ「イワァーーオッ‼︎」

 

 ミライドン「ギャァォンッ‼︎」

 

 シンヤ「あれは!《コバルオン》と《テラキオン》!……いや、コバルオンとテラキオンに似てるが、また別のポケモンか?」

 

 フトゥーAI「その通り。イッシュ地方の伝説のポケモン、コバルオンに似ているのは《テツノカシラ》。テラキオンに似ているのは《テツノイワオ》というポケモンだ」

 

 シンヤ「テツノカシラとテツノイワオか…」

 

 オーリムAIが投げたマスターボールから出てきたのは、ムウマに似ている《ハバタクカミ》、ドンファンに似ている《イダイナキバ》、さっきマスターボールに戻したコライドン、全て古代の世界から来たポケモンたちだ。フトゥーAIが投げたマスターボールから出てきたのは、さっきマスターボールに戻したミライドン、そして、さっきゲートから降ってきたマスターボールに入っていたポケモンが、イッシュ地方の伝説のポケモン、コバルオンに似ている《テツノカシラ》というポケモンで、もう1つのマスターボールに入っていたポケモンが、コバルオンと同じ、イッシュ地方の伝説のポケモン、テラキオンに似ている《テツノイワオ》と呼ばれるポケモンだった。テツノカシラとテツノイワオは、コバルオンとテラキオンに姿が似ていたが、テツノカシラはコバルオンにある黒い模様が全て青緑の発光体に変わっていて、肩と尻尾のギザギザした毛は翼似の滑らかな形状になっていた。テツノイワオは金属製であるグレーのボディを持ち、テラキオンの黒い頭頂部と足の意匠にあたる部分がオレンジ色の発光体に輝いていて、コバルオンとテラキオンとは全く違うポケモンだということがよく分かる。かつてシンヤはエリアゼロに来た時に、テツノカシラとテツノイワオ以外のパラドックスポケモンとバトルしたことがあるが、初めて見るテツノカシラとテツノイワオを見ると、さすがのシンヤも動揺していた。

 

 シンヤ(ビリジオンに似てる《テツノイサハ》がいたから、コバルオンとテラキオンに似てるパラドックスポケモンがいるとは思っていたが、やっぱりまだいたんだな。新たなパラドックスポケモンたちが…)

  

 フリード「シンヤ、確かお前は、バトルに勝ってこの2人を止めたんだよな?」

 

 シンヤ「ああ、だけどそのためには、あの6体のパラドックスポケモンたちを倒す必要がある。しかも、テツノカシラとテツノイワオは、俺も初めて見るポケモンだ。どんな能力を持っているのかは俺にも分からない」

 

 フリード「だけど、このままやられる訳にもいかないだろう。行け!リザードン!」

 

 ビュン!(モンスターボールを投げる)

 

 コンッ…コロコロ…

 

 フリード「えっ⁉︎」

 

 シンヤ「なんでリザードンが出てこないんだ?」

 

 ポチッ…ポチッ…(モンスターボールのスイッチを押す)

 

 オモダカ「私のモンスターボールも機能しません!」

 

 ドット「一体何がどうなってるんだ⁉︎」

 

 オーリムAI「それは、ボールロックシステムが発動しているからだ」

 

 シンヤ「ボールロックシステム?」

 

 オーリムAI「オリジナルの博士たちがゼロラボを防衛するために作った、楽園防衛プログラムだ」

 

 フトゥーAI「今このエリア全体には、オリジナルの博士たちと、我々以外が使うボールの機能を封じることができる、特殊な電波が流れているのだ」

 

 リコ「それって!」

 

 リュウガ「モンスターボールからポケモンを出せないってことか!」

 

 オーリムAI「その通りだ」

 

 フトゥーAI「そして我々2人を倒さない限り、その機能も停止することはない」

 

 シンヤ「何⁉︎」

 

 ロイ「ってことは、今出ているポケモンたちだけで、パラドックスポケモンたちを倒すしかないってこと?」

 

 ドット「今出ているポケモンは、シンヤのピカチュウとゲッコウガ、オーガポンとビクティニ、コライドンとミライドン。それに、フリードのキャップと、リコのニャローテ、ロイのホゲータ、僕のクワッスだけだ!」

 

 ゼイユ「でも、10対6ならこっちの方が有利でしょ!」

 

 シンヤ(いや、そんな理屈が通じる相手じゃない)

 

 突如として暴走してしまった、オーリムAIとフトゥーAI。しかも暴走した2人は、6体のパラドックスポケモンたちを繰り出してきた。そして、今このエリア全体には、ボールの機能を封じる特殊な電波が流れているため、シンヤたちはモンスターボールからポケモンたちを出せない状態に陥ってしまう。さらに、オーリムAIとフトゥーAIがコライドンとミライドンを出したことで、2体の特性が発動し、他のパラドックスポケモンたちの特性も発動してしまう。

 

 コライドン「コラァァァァイッ‼︎」

 ミライドン「ギャァォンッ‼︎」

 

 シンヤ「《ひひいろのこどう》と《ハドロンエンジン》、《こだいかっせい》と《クォークチャージ》まで発動したか」

 

 リュウガ「何だよそれ?」

 

 シンヤ「コライドンとミライドンと、パラドックスポケモンたちの専用特性だ。《ひひいろのこどう》は、コライドンが登場すると同時に、場をにほんばれ状態にして、それと同時にコライドンの攻撃力を引き上げるんだ。《ハドロンエンジン》は、ミライドンが登場すると同時に、場にエレキフィールドを発生させ、ミライドンの力を上げる特性でもある。《こだいかっせい》は、場がにほんばれ状態のときに登場すれば、自分の1番高い能力が上がり、《クォークチャージ》は、場がエレキフィールドの状態に登場すれば、自分の1番高い能力が上がるんだ」

 

 フリード「それって、コライドンとミライドンがいれば、他のパラドックスポケモンたちの能力が上がるってことか?」

 

 シンヤ「そう。こだいかっせいは古代のポケモンが、クォークチャージは未来から来たポケモンたちの持ってる特性だから、コライドンとミライドンの特性と相性がいいんだ」

 

 オーリムAI「そういうことだ」

 

 フトゥーAI「では早速、未来から来たポケモンの力を試そう。テツノカシラ!「タキオンカッター」だ!」

 

 シンヤ「タキオンカッター⁉︎」

 

 テツノカシラ「カァァーーシラッ‼︎」

 

 バッ!(ピカチュウたちが攻撃をかわす)

 

 シンヤ「まずい!」

 

 ニャローテ「ニャッァ!」

 ホゲータ「ボッゲェ〜〜!」

 クワッス「クワァァスッ!」

 キャプテンピカチュウ「カッァァァチュ!」

 

 バァァァァン!

 

 フトゥーAIが、「タキオンカッター」という技をテツノカシラに指示すると、テツノカシラは頭の角から粒子の刃を2枚飛ばし、ピカチュウたちを攻撃してきた。ピカチュウたちは攻撃を上手くかわしたが、「タキオンカッター」はシンヤたちの後ろにいる、リコたちの方に飛んで行ってしまった。すると、ニャローテとホゲータとクワッスとキャップは、リコたちを守ろうと技を放ち、「タキオンカッター」の攻撃からリコたちを守ろうとした。しかし「タキオンカッター」の威力はあまりに高く、ニャローテたちの技を粉砕すると、そのままニャローテたちに「タキオンカッター」が命中してしまう。

 

 リコ「ニャローテ!」

 ロイ「ホゲータ!」

 ドット「クワッス!」

 フリード「キャップ!」

 

 クラベル「あっ、確かこの中に傷薬が!」

 

 ガサゴソ(鞄の中を漁る)

 

 シンヤ「なんて威力だ」

 

 フトゥーAI「テツノカシラ!邪魔者を排除しろ!「タキオンカッター!」」

 

 テツノカシラ「カァァーーシラッ‼︎」

 

 シンヤ「ピカチュウ!ゲッコウガ!ビクティニ!オーガポン!リコたちを守るんだ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッ!」コクッ

 ゲッコウガ「コウガッ!」コクッ

 ビクティニ「ティニッ!」コクッ

 オーガポン「ぽにおっ!」コクッ

 

 テツノイワオ「イワァーーオッ‼︎」

 

 ピカチュウ「ピカッ⁉︎」

 ゲッコウガ「コウガッ⁉︎」

 ビクティニ「ティニッ⁉︎」

 オーガポン「ぽにおっ⁉︎」

 

 ニャローテたちが倒れると、リコたちはニャローテたちの近くに駆け寄った。そして、クラベルが鞄の中にある傷薬を探していると、テツノカシラは再び「タキオンカッター」を発動した。すると、シンヤはピカチュウにリコたちを守るように指示をした。そして、ピカチュウたちがリコたちの元に行こうとすると、テツノイワオがピカチュウたちの前に立ちはだかり、「タキオンカッター」はリコたちやスグリたちのいるところに飛んでいった。

 

 バァァァァン!

 

 リコ「ぅ……えっ?」

 スグリ「あっ…」

 

 シンヤのコライドン(完全形態」「コラァァァ!」

 シンヤのミライドン(コンプリートモード)「アギャアアア!」

 

 「タキオンカッター」がリコたちに当たる直前、シンヤのコライドンはかんぜんけいたいの姿に、ミライドンがコンプリートモードの姿に変わると、「タキオンカッター」を弾き返してリコたちを守ってくれたため、リコたちは無事だった。

 

 リコ「あ、ありがとう。コライドン、ミライドン」

 

 シンヤのコライドン「コラァァァ!」

 シンヤのミライドン「アギャアア!」

 

 シンヤ「コライドン!ミライドン!こっちは俺たちでなんとかするから、お前たち2人はリコたちを守ってくれ!」

 

 シンヤのコライドン「コラァァァ!」

 シンヤのミライドン「アギャアア!」

 

 オーリムAI「威勢がいいのは結構だが、君の仲間のポケモンたちは戦えない状態であり、ボールからポケモンを出すこともできない状態だ」

 

 フトゥーAI「そして、コライドンとミライドンが彼らを守るとなると、君はコライドンとミライドンを抜いたその4体のポケモンで、私たちのポケモンを倒すつもりかな?」

 

 シンヤ(…確かにな。コライドンとミライドンが一緒に戦ってくれれば、まだ勝てる余裕はあるけど、またリコたちを攻撃されることを考えると、コライドンとミライドンにはリコたちのガードをさせておいた方がいい。だけど、ピカチュウたち4人だけで、あの6体のパラドックスポケモンたちを相手にするのは無理がある。一体どうすればいいんだ?)

 

 ドッカァァァァーーーン‼︎

 

 シンヤ「えっ?」

 ピカチュウ「ピカッ?」

 ゲッコウガ「コウガッ?」

 ビクティニ「ティニ?」

 オーガポン「ぽにおっ?」

 

 

 ???「ウガァァァァァッ‼︎」

 ???「ラァァーーーイコッ‼︎」

 

 シンヤ「あれは!」

 

 オーリムAIとフトゥーAIが繰り出したパラドックスポケモンたちを、コライドンとミライドンを抜いたピカチュウたちだけでどうやって勝つかをシンヤが考えていると、突然タイムマシンのある部屋の壁の一部が破壊され、壁が破壊されてできた大きな穴から、2体のポケモンの雄叫びが聞こえてきた。壁が破壊された時に爆風が舞ったたため、雄叫びを上げた2体のポケモンの正体が分からなかったが、爆風が晴れると、2体のポケモンの正体が露わになった。その2体の正体は、以前ダイアナに見せてもらったルシアスの手記に描いてあったポケモンたちで、ジョウト地方の伝説の三犬のポケモン、エンテイとライコウにそっくりなポケモンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ウガツホムラ「ウガァァァァァッ‼︎」

 タケルライコ「ラァァーーーイコッ‼︎」

 

 ミコ「あれは、エンテイにライコウ?」

 リュウガ「いや、姿がエンテイとライコウと違いすぎる」

 

 

 シンヤ「あれは、リュウセイが従えていた七竜の2体!」

 リュウガ「リュウセイ?」

 

 オーリムAI「《ウガツホムラ》!《タケルライコ》!」

 

 

 シンヤ「…ウガツホムラと、タケルライコっていうのか」

 

 タケルライコ「ラァァーーーイコッ‼︎」

 

 バチバチ…ドカァーーン!(落雷が落ちてくる)

 

 部屋の壁を破壊したポケモンたちの正体は、リュウセイが従えていた七竜の2体、《ウガツホムラ》と《タケルライコ》というポケモンだった。いきなりのウガツホムラとタケルライコの登場に、この場にいる全員が驚いていたが、部屋の壁を破壊して現れたウガツホムラとタケルライコは、そのまま部屋の中に入ってきた。そして、タケルライコはいきなり首を一振りして上空に黒雲を作り出すと、その黒雲が落雷を放った……すると!

 

 ビーーッ!

 ビーーッ!

 

 システムエラー!

 システムエラー!

 

 オーリムAI「何⁉︎」

 

 フトゥーAI「システムのエラーだと!」

 

 タイムマシンを一時停止!

 

 ボールロックシステムを解除します!

 

 タケルライコが作った黒雲から落雷が落ち、このエリア全体に電気が流れると、システムにエラーが発生し、ボールロックシステムが解除された。

 

 カチッ…(スーパーボールが大きくなる)

 

 シンヤ「タケルライコのお陰で、ボールも使えるようになったみたいだな」

 

 リュウガ「じゃあ、反撃開始といくか!」

 

 シンヤ「えっ?まさか、お前もバトルする気か?」

 

 リュウガ「お前のコライドンとミライドンは、ペパーたちを守ってるからバトルができないだろ。それに、オーリム博士とフトゥー博士を確実に救うためには、アイツの力が必要なんだろ?だったらアイツに無駄な力は使わせず、温存しといたほうがいいんじゃないのか?それに俺が加われば、ちょうど2対2になるし、なにより俺は戦力になるだろ?」

 

 シンヤ「…っで、本音は?」

 

 ニッ(笑みを浮かべる)

 

 リュウガ「…今回俺の力を貸す代わりに、近いうちに俺とフルバトルをしてもらう」

 

 シンヤ「そんなことだろうと思ったぜ。……分かったよ。その代わり…」

 

 リュウガ「ああ、さっさと終わらせようぜ!」

 

 シンヤ「…というわけで、俺とリュウガが2人の相手をするから、みんなはバトルが終わるまで少し待っててくれ」

 

 フリード「待ってろって…」

 

 シンヤ「フリード、オーリム博士とフトゥー博士を助けるためにも、ここは俺とリュウガにやらせてくれ」

 

 フリード「……ああもう!分かったよ!その代わりバトルが終わったら、お前がどうやってオーリム博士とフトゥー博士を救うのか、ちゃんと見せてもらうからな!」

 

 シンヤ「分かった分かった」

 

 フリード「それと、俺の聞きたいこと全部に答えてもらうからな!」

 

 シンヤ「分かったよ……やるぞリュウガ!」

 

 リュウガ「お前と組むのも久しぶりだな。ワクワクしてきたぜ!」スッ(モンスターボールを取り出す)

 

 シンヤ「おい、遊び心なんて出すなよ。俺たちの目的は…」

 

 リュウガ「分かってるって、博士たちを助けるためだろ。……コライドンとミライドンのタイプは?」

 

 シンヤ「コライドンは、かくとう・ドラゴンタイプ。ミライドンは、でんき・ドラゴンタイプだ」

 

 リュウガ「なら、俺は古代のポケモンたちの相手をするから、お前は未来のポケモンたちの相手を頼む」

 

 シンヤ「分かった」

 

 スチャ(モンスターボールを取り出す)

 

 リュウガ「久しぶりに手応えのある相手とのバトルが出来そうだ。いけドダイトス!」

 

 ポーーン!

 

 ドダイトス「ドォォォダァァーーッ!」

 

 近いうちにフルバトルする約束をシンヤに取り付けたリュウガは、古代のポケモンを繰り出してきたオーリムAIとバトルすることに決めると、フトゥーAIの相手をシンヤに任せた。その後シンヤはリコたちに、自分とリュウガが、オーリムAIとフトゥーAIの相手をするから、ここは任せてくれと言った。すると、リコたちはシンヤのいるところから少し離れた場所に移動し、シンヤとリュウガの邪魔にならないようにした。そして、リュウガがシンヤとタッグを組んでポケモンバトルをしようとすると、ポケットからモンスターボールを取り出し、それを宙に投げた。リュウガが投げたモンスターボールから出てきたポケモンは、シンオウ地方の御三家の《ナエトル》の最終進化形である、たいりくポケモンの《ドダイトス》だった。

 

 シンヤ「ドダイトス、久しぶりだな」

 

 ドダイドス「ドォォォダアッ!」

 シンヤ「フッ、ゲッコウガ!オーガポン!俺たちもフルパワーでいくぞ!」

 

 ゲッコウガ「コウガッ!」

 オーガポン「ぽにおっ!」

 

 リュウガがドダイトスを繰り出すと、シンヤはゲッコウガとオーガポンをフルパワーにさせるため、ジャケットのポケットからテラスタルオーブを取り出し、テラスタルオーブをオーガポンに構えた。シンヤがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが集まっていき、テラスタルオーブのエネルギーが満タンになると、シンヤはオーガポンの頭上に向かって、テラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはオーガポンの頭上でエネルギーを解放すると、オーガポンは結晶石に身を包み込んだ。そして、数秒後に結晶石が弾け飛ぶと、そこにはオーガポンが顔にかぶっている《かまどのめん》が、オーガポンの足だけを見えるように巨大化して宙に浮いていて、オーガポンと一緒にクリスタル化していた。そして、ゲッコウガとシンヤが互いに心をシンクロさせると、揃って雄叫びを上げた。すると、ゲッコウガの足元から突然激流が発生し、ゲッコウガは激流に身を包み込んだ。ゲッコウガは激流に身を包み込まれながらその中で姿を変え始め、激流の水が弾け飛ぶと、弾けた激流の水はゲッコウガの背中に集まり、巨大な水の手裏剣を形成すると、ゲッコウガは背中に水の手裏剣を身につけていた。

 

 キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉぉにおーーーーーっ‼︎」

 

 リュウガ「キズナゲッコウガ、久しぶりに見たな」

 

 

 クラベル「なっ!」

 ボタン「何あれ!」

 ペパー「ゲッコウガの姿が変わった!」

 オモダカ「あれは一体!」

 

 

 ミコ「シンヤとゲッコウガの絆で起きる現象、キズナ現象です」

 

 ルッカ「キズナ現象?」

 アレックス「すごい…」

 

 フリード「なんだよあのテラスタル?あんなテラスタル、初めて見たぞ」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカ…」

 

 リュウガ「へぇ〜、あれがテラスタルか…」

 

 ゲッコウガがキズナゲッコウガに変わり、オーガポンがテラスタルすると、フリードやクラベルは、初めて見るキズナ現象と、見たことのないテラスタイプを見て驚いていた。

 

 オーリムAI「なんだ、あのテラスタルは⁉︎」

 

 フトゥーAI「それに、あの姿のゲッコウガのはなんだ⁉︎あんな姿のゲッコウガは存在しないはず⁉︎」

 

 

 リュウガ「シンヤ、先にコライドンとミライドン以外のパラドックスポケモンたちを片付けようぜ!」

 

 シンヤ「分かった!ピカチュウ、ビクティニ、お前たちはテツノカシラを、ゲッコウガとオーガポンは、テツノイワオの相手を頼む!」

 

 ピカチュウ「ピカッ!」コクッ

 ゲッコウガ「コウガッ!」コクッ

 ビクティニ「ティニッ!」コクッ

 オーガポン「ぽにおっ!」コクッ

 

 シンヤ「よし、ピカチュウは「10まんボルト!」オーガポンは「ツタこんぼう!」ゲッコウガは「みずしゅりけん!」ビクティニは「かえんだん」だ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッチューーウ‼︎」

 

 キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉにおーーーーっ‼︎」

 

 ビクティニ「ティーーーニィ‼︎」

 

 リュウガ「ドダイトス!「リーフストーム!」」

 

 ドダイトス「ドォォォォダァァァーーッ‼︎」

 

 

 バァァァァァン!

 

 ハバタクカミ「カァーーーミッ⁉︎」

 イダイナキバ「キィーーバァーーッ⁉︎」

 

 テツノカシラ「カァーーーシラッ⁉︎」

 テツノイワオ「イワァーーオッ⁉︎」

 

 シンヤたちがピカチュウたちに技を指示すると、ピカチュウたちはパラドックスポケモンたちに技を放った。しかし、倒れたパラドックスポケモンは、ドダイトスの「リーフストーム」が直撃した、イダイナキバだけだった。

 

 オーリムAI「ハバタクカミ!ドダイトスに「マジカルフレイム!」」

 

 ハバタクカミ「カァーーーミッ‼︎」

 

 フトゥーAI「テツノカシラは「タキオンカッター!」テツノイワオは「パワフルエッジ!」」

 

 テツノカシラ「カァーーーシッ‼︎」

 テツノイワオ「イワァァーーーオッ‼︎」

 

 シンヤ「ゲッコウガ「みずしゅりけん!」」オーガポンは「ツタこんぼう!」」

 

 キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉぉにおーーーーっ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 リュウガ「サンキューゲッコウガ」

 

 ドダイトス「ドォォォダアッ!」

 

 オーリムAIがハバタクカミに「マジカルフレイム」を指示すると、ハバタクカミは口から炎を吐いて、ドダイトスに攻撃してきた。そして、フトゥーAIがテツノカシラに「タキオンカッター」を、テツノイワオに「パワフルエッジ」という技を指示すると、テツノカシラは頭の角から粒子の刃を2枚飛ばしてピカチュウたちを攻撃し、テツノイワオは頭部にエネルギーを集めると、エネルギーを蓄積した頭部をオーガポンに振り下ろして攻撃してきた。しかし、ゲッコウガが「みずしゅりけん」を、「マジカルフレイム」と「タキオンカッター」に向かって飛ばし、オーガポンは棍棒を取り出してテツノイワオに振り下ろすと、互いの技がぶつかり合って爆発を起こし、互いの攻撃が相殺された。

 

 フリード「なんつーハイレベルなバトルだ」

 

 ミコ「でも、シンヤもリュウガもまだ本気になってませんよ」

 

 フリード「えっ⁉︎あれで本気じゃないのか⁉︎」

 

 ミコ「フリードさんは、今シンヤと一緒に旅をしてるんですよね?だったら、シンヤがバトルするところを何度も見てきたんじゃ?」

 

 フリード「あ、ああ、見てきたけど…」

 

 ミコ「だったら、シンヤとリュウガがこのバトルに勝った後、シンヤがどうやってオーリム博士とフトゥー博士を救うのか、よく見ておいた方がいいですよ。今後の参考になりますから」

 

 フリード「えっ?……あ、ああ、分かった」

 

 リコ「…あの、ミコさん」

 

 ミコ「ミコでいいよ。…えっと、あなたはリコだったよね?」

 

 リコ「あ、はい。…ミコは、シンヤがオーリム博士とフトゥー博士を、どうやって救うのか分かるの?」

 

 ミコ「うん、分かるよ。だけど、それは後で分かるから、先にニャローテたちの治療をしなきゃ」

 

 ロイ「でも、傷薬を使っても、ホゲータたちの傷が治らなくて」

 

 ミコ「「タキオンカッター」の威力が、あまりにも強すぎたのね。…だったら、出てきて《クレセリア》!」

 

 ポーーン!

 

 クレセリア「セリアァーーーッ!」

 

 フリード「なっ!」

 

 リコ「綺麗……このポケモンは」スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 クレセリア みかづきポケモン エスパータイプ

 

 三日月の化身と呼ばれている。クレセリアの羽には、悪夢を打ち消す力があると言われている。

 

 「タキオンカッター」のダメージを受けたニャローテたちを回復させるため、ミコはモンスターボールを取り出し、一体のポケモンを出した。ミコが投げたモンスターボールから出てきたポケモンは、シンオウ地方の伝説のポケモンの《クレセリア》だった。そして、クレセリアが現れると、リコはスマホロトムでクレセリアの事を調べ始めた。

 

 

 ミコ「クレセリア、「みかづきのまい」で、ニャローテたちを治してあげて!」

 

 クレセリア「クゥゥーーレセリアァーーーッ!」

 

 ミコがクレセリアに「みかづきのまい」を指示すると、クレセリアは宙に浮かび上がり、体からまばゆい光を放った。そして、ニャローテたちがクレセリアの放った光を浴びると、ニャローテとホゲータとクワッス、そしてキャップの体の傷が消えていき、ニャローテたちは元気になった。

 

 ニャローテ「ニャッァロウ!」

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 クワッス「クワッス!」

 キャプテンピカチュウ「ピカッ!」

 

 リコ「ニャローテ!」

 ロイ「ホゲータ!」

 ドット「クワッス!」

 フリード「キャップ!」

 

 リコ「ミコ、クレセリア、ありがとう!」

 

 ロイ・ドット「「ありがとう!」」

 

 フリード「お陰でキャップたちが元気になったぜ」

 

 ミコ「いえ」

 

 クレセリア「クレ……クレ…」

 

 ロイ「あれ?クレセリア、なんか元気がないけど…」

 

 フリード「「みかづきのまい」はクレセリアだけが覚えられる技で、ポケモンの状態異常を治し、体力を全回復する技なんだが、その代わりに、クレセリアがひんしになる技なんだ」

 

 リコ「えっ!」

 

 ミコ「大丈夫。少し休めば、クレセリアは元気になるから。それより、まずはシンヤたちのバトルを見届けよう」

 

 ミコのクレセリアが「みかづきのまい」を使ったことで、テツノカシラの攻撃を受けたニャローテたちは元気になった。しかし、「みかづきのまい」を使ったクレセリアはひんしになってしまい、その場に倒れてしまう。だが、少し休めばクレセリアは元気になるとミコが言うので、リコたちはシンヤのバトルを見届けることにした。

 

 シンヤ(テツノカシラとテツノイワオのタイプは分からないが。技を見た限り、恐らくテツノカシラははがねタイプで、テツノイワオはいわタイプの筈だ。一か八かだが、これに賭ける!)

 

 オーリムAI「ハバタクカミ!ドダイトスに「マジカルシャイン!」」

 

 ハバタクカミ「カァーーーミッ‼︎」

 

 リュウガ「ドダイトス!「ぶちかまし」だ!」

 

 ドダイトス「ドォォォォダァァァーーーッ‼︎」

 

 フトゥーAI「テツノカシラ!「タキオンカッター!」テツノイワオは「パワフルエッジ!」」

 

 テツノカシラ「カァーーーシッ‼︎」

 

 テツノイワオ「イワァァーーーオッ‼︎」

 

 シンヤ「「ゲッコウガ「みずしゅりけん!」」オーガポンは「ツタこんぼう!」」

 

 キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉにおーーーーっ‼︎」

 

 フトゥーAI「さっきと同じか」

 

 ニッ(シンヤが笑みを浮かべる)

 

 シンヤ「いや」

 

 フトゥーAI「?」

 

 シンヤ「オーガポン!いっけぇぇぇ!」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉにおーーーーっ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 テツノカシラ「カシーーー⁉︎」

 テツノイワオ「イワァーーー⁉︎」

 

 シンヤ「今だ!ゲッコウガ!テツノイワオに「みずしゅりけん!」オーガポンはテツノカシラに「ツタこんぼう!」」

 

 キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉぉにおーーーーっ‼︎」

 

 ドォォォォォン!

 

 テツノカシラ「カァーーーシラッ⁉︎」

 

 テツノイワオ「イワァーーオッ⁉︎」

 

 テツノカシラが「タキオンカッター」を放ち、テツノイワオが突進しながら「パワフルエッジ」を発動すると、オーガポンは棍棒を振り回し、「タキオンカッター」を弾き飛ばした。すると、弾き飛ばされた「タキオンカッター」はテツノカシラとテツノイワオに命中した。そして、テツノカシラとテツノイワオの動きが止まった隙に、ゲッコウガは「みずしゅりけん」をテツノイワオに放ち、オーガポンは炎を纏った棍棒をテツノカシラに振り下ろして攻撃した。

 

 バタンッ!

 

 テツノカシラ「カシィ…」

 

 テツノイワオ「イワァ…」

 

 シンヤ「よくやったぞ。ゲッコウガ!オーガポン!」

 

 キズナゲッコウガ「コォォウガッ!」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおっ‼︎」

 

 バタンッ!

 

 ハバタクカミ「カァー…ミ…」

 

 リュウガ「こっちも片付けたぜ」

 

 ドダイトス「ドォォォダッ!」

 

 どうやら、シンヤたちがテツノカシラとテツノイワオを倒した同じタイミングで、ドダイトスは「ぶちかまし」を使ってハバタクカミを倒したようだ。

 

 シンヤ「よし。これで残ったのは、コライドンとミライドンだけだな」

 

 オーリムAI「まさか、再び我々がここまで追い詰められるとは…」

 

 フトゥーAI「…ならば、これを使うしかあるまい」

 

 スチャ(2人がテラスタルオーブを取り出す)

 

 シンヤ「なっ!」

 

 ヴィヴィアン「あれは、テラスタルオーブ!」

 

 オーリムAI「君たちに本当のテラスタルの力を見せてあげよう。さぁコライドン!古代の覇者たる、お前の真の力を見せろ!」

 

 フトゥーAI「さぁミライドン!未来の覇者たる、お前の力を見せてみろ!」

 

 コライドン「コラァァァッ‼︎」

 

 ミライドン「ギャァォンッ‼︎」

 

 オーリムAIとフトゥーAIの繰り出したパラドックスポケモンたちを、ピカチュウたちが次々倒したことで、オーリムAIとフトゥーAIに残ったポケモンは、コライドンとミライドンのみとなった。しかし、追い詰められたオーリムAIとフトゥーAIは、白衣のポケットからテラスタルオーブを取り出すと、オーリムAIはコライドンに、フトゥーAIはミライドンにテラスタルオーブを構えた。2人がテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが集まり始めた。そして、テラスタルオーブのエネルギーが満タンになると、オーリムAIはコライドンに、フトゥーAIはミライドンの頭上に向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブがコライドンとミライドンの頭上でエネルギーを解放すると、コライドンとミライドンは無数の結晶石に身を包み込まれた。そして、結晶石が弾けると、そこには全身をクリスタル化させ、頭部に拳の王冠を被るコライドンと、頭に電球の王冠を被ったミライドンがいた。

 

 (かくとうテラスタイプ)コライドン「コォォォラァァァイッ‼︎」

 

 (でんきテラスタイプ)ミライドン「ギャァァウオオーーンッ‼︎」

 

 リュウガ「アイツらもテラスタルを使うのか!」

 

 シンヤ「以前俺が戦った時は、テラスタルを使わなかったが」

 

 オーリムAI「コライドン!「アクセルブレイク‼︎」」

 

 (かくとうテラスタイプ)コライドン「コォォォラァァァッ‼︎」ダッ!

 

 リュウガ「ドダイトス!「リーフストーム!」」

 

 ドダイトス「ドォォォォダァァァーーッ‼︎」

 

 

 ドガガガガガガッ!

 

 

 ドッカァァァァーーーン‼︎

 

 

 ドダイトス「ドォォォダァーーーッ⁉︎」

 

 リュウガ「ドダイトス!」

 

 

 

 フトゥーAI「ミライドン!「イナズマドライブ‼︎」」

 

 (でんきテラスタイプ)ミライドン「ギャァァウォォォーーンッ‼︎」ダッ!

 

 シンヤ「ピカチュウ「10まんボルト!」オーガポンは「ツタこんぼう!」ゲッコウガは「みずしゅりけん!」ビクティニは「Vジェネレート」だ!」

 

 ピカチュウ「ピッカッチューーウ‼︎」

 

 キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉぉにおーーーーっ‼︎」

 

 ビクティニ「ティィィーーーーーニィィィ‼︎」

 

 

 ググググググッ!

 

 

 バァァァァーーーン‼︎

 

 ピカチュウ「ピィーーカッ⁉︎」

 

 キズナゲッコウガ「コォォォウガッ⁉︎」

 

 ビクティニ「ティーーニッ⁉︎」

 

 (かまどのめんテラスタル)オーガポン「ぽぉぉにおーーーっ⁉︎」

  

 シンヤ「なんてパワーだ!」

 

 ズキッズキッ!

 

 シンヤ「ゔぁぁぁぁぁッ‼︎」

 リコ「あっ!シンヤ!」

 

 オーリムAIとフトゥーAIが、それぞれ自分たちが持っていたテラスタルオーブを使い、コライドンとミライドンをテラスタルさせると、オーリムAIはコライドンに、自身の最強専用技である、《アクセルブレイク》という技を指示した。すると、拳を模した王冠が光り輝き、コライドンは雄叫びを上げて上空にジャンプし、自身の体を丸めると、ドダイトスに向かって落下してきた。そして、コライドンがドダイトスにぶつかってそのまま通り過ぎると、ドダイトスの足元が突然大爆発を起こし、ドダイトスは吹き飛ばされて意識を失ってしまう。さらに、シンヤとバトルしているフトゥーAIが、ミライドンに「イナズマドライブ」を指示すると、電球を模した王冠が光り輝き、ミライドンは雄叫びを上げた。そして、空に浮遊して電気を帯び、体を前に回してエネルギーを溜め終わると、ピカチュウたちに向かって突っ込んできた。ピカチュウたちは技を放ってコライドンとミライドンを攻撃し、お互い鍔迫り合いの状態になったが、コライドンとミライドンがテラスタルしたことで、「アクセルブレイク」と「イナズマドライブ」の威力が上がっていた。そのうえ、テツノカシラたちとのバトルでピカチュウたちは疲労していたため、そのままコライドンとミライドンの攻撃に押し切られてしまう。しかも、ゲッコウガがミライドンの攻撃を受けたことによって、そのダメージがシンヤにも伝わり、シンヤもゲッコウガと同じダメージを受けてしまう。

 

 ルッカ「えっ?なんでシンヤ君にまでダメージが?」

 

 ミコ「キズナゲッコウガがダメージを受けると、キズナゲッコウガが受けたダメージがそのままシンヤにも伝わり、シンヤもダメージを受けるんです」

 

 ルッカ先生「えっ⁉︎」

 

 ミコ「キズナ現象は、シンヤとゲッコウガの絆によって起きる不思議現象で、ゲッコウガの力を何倍にも引き出してくれるんです。だけどその代償として、キズナゲッコウガがダメージを受けると、シンヤも同じダメージを受けることになるんです」

 

 アレックス「そんな!」

 

 ドサッ(シンヤが膝をつく)

 

 シンヤ「いってぇぇ、さすがに今のは効いたぜ」

 

 リュウガ「おい、大丈夫か?」

 

 シンヤ「ああ、…つか、俺のことより、目の前のバトルに集中しろよ」

 

 リュウガ「分かってる。だけど、ドダイトスたちはもう…」

 

 シンヤとリュウガが前にいるピカチュウたちを見ると、コライドンの「アクセルブレイク」、そして、ミライドンの「イナズマドライブ」を受けたピカチュウたちは倒れていて、オーガポンのテラスタル化は解け、元の姿に戻ってしまっていた。

 

 リュウガ「なぁ、ボールロックシステムを解除してくれたのは有り難かったけどよ。さっきから、あのウガツホムラとタケルライコってポケモン、俺たちのバトルを見てるだけじゃねぇか」

 

 シンヤ「…」

 

 ウガツホムラ「…」

 タケルライコ「…」

 

 オーリムAI「フッ、どうやら、ウガツホムラとタケルライコは、君たちの味方というわけではないようだね」

 

 フトゥー「これで君たちのポケモンは全滅した。我々の勝ちだな」

 

 シンヤ「…リュウガ、まだ戦えるか?」

 

 リュウガ「当たり前だ!こんなところで負けられるかよ!」

 

 シンヤ「なら、ここからは…」

 

 リュウガ「ああ、俺たちのとっておきで相手をしてやろうぜ!」

 

 スッ(モンスターボールを取り出す)

 

 シンヤ「いくぜ、リュウガ」

 

 スッ(スーパーボールを取り出す)

 

 リュウガ「おう!」

 

 オーリムAI「まだポケモンが残っていたのか」

 

 フトゥーAI「だが、たとえどんなポケモンだろうと、テラスタルしたコライドンとミライドンに勝つことは出来ないはずだ」

 

 シンヤ「フッ、それはどうかな?」

 

 リュウガ「…いけ!」

 

 ポーーン!

 

 ピカチュウやドダイトスたちがやられてしまい、さらにゲッコウガがダメージを受けたことで、ゲッコウガとシンクロしているシンヤ自身も大きな深手を負ってしまう。しかし、シンヤはまだ諦めておらず、リュウガにまだ戦えるかと聞くと、リュウガは当たり前だと言った。そして、シンヤはスーパーボールを、リュウガはモンスターボールをポケットから取り出すと、それを宙に投げ、新たなポケモンを繰り出した。シンヤの投げたスーパーボールから出てきたポケモンは、背中から大きな翼のような鰭を生やし、両肩に真珠のような珠が付いた円盤型の肩が特徴的で、とても神々しい姿をしている、二足歩行型のドラゴンポケモンだった。そして、リュウガが投げたモンスターボールから出てきたポケモンは、背面が黒色で、前面が赤で占められた飛竜のような姿をしており、大きな翼と尻尾を広げたその姿は、まるで巨大な「Y」の文字に見えるポケモンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 パルキア「パァァーールルルッ‼︎」

 

 イベルタル「ベェェーーールッ‼︎」

 

 

 フリード「なっ⁉︎」

 ドット「あれは!」

 

 リコ「なに、あのポケモン⁉︎」

 

 ロイ「僕、あんなポケモン見たことないよ!」

 

 クラベル「なんと!」

 オモダカ「これは!」

 

 オーリムAI「ほう、パルキアとイベルタルとはね」

 

 フトゥーAI「どうやらシンヤだけではなく、リュウガも普通のトレーナーではなかったようだな」

 

 

 シンヤとリュウガがボールから出したパルキアとイベルタルを見ると、ミコ以外の全員は、パルキアとイベルタルの圧倒的な威圧感に思わず息を呑んだ。それも当然の反応と言えるだろう。シンヤがスーパーボールから出したポケモンは、リュウセイが従えていた七竜の一体でもあり、シンオウ地方の神話に登場し、空間を司る神と呼ばれている伝説のポケモン《パルキア》なのだから。そしてリュウガが繰り出したポケモンは、自分の寿命が尽きる時、周りのありとあらゆる生き物の命を吸いつくし、「破壊」と「死」を司るポケモンとして伝説で語り継がれている、カロス地方の伝説のポケモン《イベルタル》だった。そして、イベルタルがフィールドに現れると、イベルタルは体から赤黒いオーラをフィールドに放ち始めた。

 

 シンヤ「イベルタル特性《ダークオーラ》か。やっぱりイベルタルに乗って、このエリアゼロにまで来たんだな」

 

 リュウガ「ああ、コイツに乗って空を飛び回るのがサイコーだからな」

 

 オーリムAI「フッ、まさか、パルキアとイベルタルが出てくるとは、さすがにこちらも予想ができなかったよ」

 

 フトゥーAI「しかし、パルキアとイベルタルが出てきても、テラスタルしているコライドンとミライドンの敵ではない」

 

 シンヤ(確かに、テラスタルしているコライドンとミライドンが相手じゃ、いくらパルキアとイベルタルでもキツイかもな。さっきオーガポンをテラスタルしたから、俺はテラスタルを使えない。けど、最後まで諦める訳にはいかない!たとえテラスタルが使えなくても、俺にはまだコイツが残って…)

 

 フリード「テラスタルオーブならまだあるぜ!」

 

 シンヤ「えっ!」

 

 スチャ(テラスタルオーブ)

 

 フリード「フッ」

 

 リコ「あっ、そっか!」

 

 スチャ(リコがテラスタルオーブを取り出す)

 

 

 リコ「シンヤ!私のテラスタルオーブを使って!」

 

 シンヤ「リコ」

 

 

 フリード「だったら俺のテラスタルオーブは…リュウガ、お前が使え!」

 

 リュウガ「えっ?俺?」

 

 

 フリード「受け取れ!」

 リコ「えい!」

 

 シュッ(リコとフリードがテラスタルオーブを投げる)

 

 パシッ(シンヤとリュウガがテラスタルオーブを受け取る)

 

 シンヤ「サンキューリコ!ありがたく借りるぜ!」

 

 リコ「うん!」

 

 シンヤ「リュウガ、とっとと決めるぞ」

 

 リュウガ「あ、ああ……じゃあフリードさん!このテラスタルオーブを借りますね!」

 

 フリード「おう!」

 

 リコのテラスタルオーブをシンヤが受け取り、フリードのテラスタルオーブをリュウガが受けると、シンヤとリュウガはテラスタルオーブを前に構えた。2人がテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが集まり始めた。そして、テラスタルオーブのエネルギーが満タンになると、シンヤはパルキアに、リュウガはイベルタルに向かって、テラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブがパルキアとイベルタルの頭上でエネルギーを解放すると、パルキアとイベルタルは無数の結晶石に身を包み込まれた。そして結晶石が弾けると、そこには全身をクリスタル化させ、頭部に竜の王冠を被ったパルキアと、頭に風船を模した王冠を被るイベルタルがいた。

 

 

 

 (ドラゴンテラスタイプ)パルキア「パァァァーーーールルルルッ‼︎」

 

 (ひこうテラスタイプ)イベルタル「ベェェェェーーーールッ‼︎」

 

 シンヤ「よし!これで条件は互いに同じだ!」

 

 リュウガ「へぇ〜、これがイベルタルのテラスタルか」

 

 シンヤ「ああ、俺のパルキアはドラゴンテラスタイプに、リュウガのイベルタルはひこうテラスタイプに変わったんだ。それに、テラスタイプになった同じタイプの技を使えば、さっきのコライドンとミライドンのように、技の威力も大きく変わる」

 

 リュウガ「なら、イベルタルのあの技もひこうタイプの技だから、威力も大きく上がるわけか」

 

 オーリムAI「フッ、面白い!」

 

 フトゥーAI「これが君たちとの最後のバトルだ!」

 

 オーリムAI「コライドン!「ビルドアップ!」」

 

 フトゥーAI「ミライドン!「めいそう!」」

 

 (かくとうテラスタイプ)コライドン「コラァァァッ‼︎」

 

 (でんきテラスタイプ)ミライドン「アギャアアア‼︎」

 

 シンヤ「パルキア!「はどうだん!」」

 

 リュウガ「イベルタル!「あくのはどう!」」

 

 (ドラゴンテラスタイプ)パルキア「パァァーーーールルルッ‼︎」

 

 (ひこうテラスタイプ)イベルタル「ベェェーーールッ‼︎」

 

 オーリムAI「コライドン!「スケイルショット!」」

 

 フトゥーAI「ミライドン!「マジカルシャイン!」」

 

 (かくとうテラスタイプ)コライドン「コラァァイッ‼︎」

 

 (でんきテラスタイプ)ミライドン「ギヤァァウォォーーンッ‼︎」

 

 バァァァァァァン!

 

 コライドンとミライドンがお互いに攻撃力を上げる技を使うと、パルキアはミライドンに「はどうだん」を、イベルタルはコライドンに、「あくのはどう」を放って攻撃した。すると、コライドンは「スケイルショット」を放ち、ミライドンが「マジカルシャイン」を放つと、互いの技がぶつかって爆発が起きた。伝説のポケモン同士の技がぶつかり合うと、リコたちは今まで感じたことがないほどの衝撃波をその身に体験したが、シンヤとリュウガとミコの3人は平気そうな顔をしていた。パルキアとイベルタルはテラスタルすると、まるで瞬間移動でもしているかのような速さで移動し、テラスタルしているコライドンやミライドンを余裕で圧倒していた。しかし、パルキアたちの強力な技がぶつかり合うたび、シンヤたちがいる部屋全体を揺らす衝撃と振動が発生し、技のぶつかり合いによって発生した衝撃波の嵐が部屋全体を襲い、壁に亀裂が入るほどだった。

 

 ミコ「このままじゃ、私たち生き埋めになっちゃう。シンヤ!リュウガ!パルキアたちがこれ以上技をぶつけ合ったら、この部屋は崩れちゃう!早く決着をつけて!」

 

 シンヤ「分かった!リュウガ、次の一撃で決めるぞ!」

 

 リュウガ「ああ、次で終わりにしてやる!」

 

 オーリムAI「妥当な考え方だ」

 

 フトゥーAI「ならばこちらも、次の一撃で決着をつけるとしよう」

 

 パルキアたちの戦いは、シンヤたちの予想を超えるほどの激しいバトルになってしまう。その結果、シンヤたちのいる部屋の壁が崩れかけ、このままではこの部屋が崩壊する恐れが出てきた。ミコに早く決着をつけるように言われたシンヤとリュウガは、次の一撃で決着をつけることにした。だが、それはオーリムAIとフトゥーAIも同じなようで、2人も次の一撃で決着をつけることにしたようだ。パルキアとイベルタル、そしてコライドンとミライドンは、次に放つ最後の大技に全てをかけるため、互いに残る全ての力を集め始めた。

 

 シンヤ「パルキア!「あくうせつだん‼︎」」

 

 リュウガ「イベルタル!「デスウイング‼︎」」

 

 (ドラゴンテラスタイプ)パルキア「パァァァーーーールルルルッ‼︎」

 

 (ひこうテラスタイプ)イベルタル「ベェェェェーーーールッ‼︎」

 

 オーリムAI「コライドン!「アクセルブレイク‼︎」」

 

 フトゥーAI「ミライドン!「イナズマドライブ‼︎」」

 

 (かくとうテラスタイプ)コライドン「コォォォラァァァッ‼︎」ダッ!

 

 (でんきテラスタイプ)ミライドン「ギヤァァウォォォーーンッ‼︎」ダッ!

 

 シンヤがパルキアに《あくうせつだん》を指示すると、パルキアの頭の竜の王冠が光り輝き、パルキアの右肩の真珠のような珠が光ると、パルキアは右手を構えてエネルギーを集め始め、リュウガがイベルタルに《デスウイング》を指示すると、風船を模した王冠が光り輝き、イベルタルは体を丸めてエネルギーを集め始めた。そして、オーリムAIがコライドンに「アクセルブレイク」を指示すると、拳を模した王冠が光り輝き、コライドンが雄叫びを上げて上空にジャンプすると、体を丸めてイベルタルに突っ込んだ。さらに、フトゥーAIがミライドンに「イナズマドライブ」を指示すると、電球を模した王冠が光り輝き、ミライドンは雄叫びを上げて空に浮遊し、電気を帯びたあと、体を前に回して回転すると、パルキアに向かって突っ込んで行った。

 

 シンヤ・リュウガ「「いっけぇぇぇーーっ‼︎」」

 

 (ドラゴンテラスタイプ)パルキア「パァァァーーーールルルルッ‼︎」

 

 (ひこうテラスタイプ)イベルタル「ベェェェェーーーールッ‼︎」

 

 

 バァァァァァァン!

 

 ドォォォォォォン!

 

 

 コライドンとミライドンが真正面から突っ込んでくると、エネルギーを集め終わったパルキアは、右手を思いっきり振り下ろし、大きな斬撃をミライドンに向けて打ち放ち、イベルタルは、破壊の衝動である赤い光線をコライドンに放った。《あくうせつだん》と《イナズマドライブ》、そして、《デスウイング》と《アクセルブレイク》がぶつかり合うと、ものすごい大爆発と衝撃波が発生し、シンヤたちは吹っ飛ばされそうになった。そしてしばらくすると、大爆発で起きた煙の中からコライドンとミライドンが落ちてきて、コライドンとミライドンが地面に落ちると、2体のテラスタル化も解除され、パルキアとイベルタルのテラスタルも解除された。

 

 シンヤ「よっし!」

 

 リュウガ「おい」

 

 シンヤ「ん?」

 

 スッ(リュウガが拳を前に突き出す)

 

 リュウガ「やったな」

 

 シンヤ「おう!」

  

 コツンッ(グータッチをする)

 

 ペパー「やっ……やったぜ!シンヤとリュウガが勝った!」

 リコ「やったぁ!」

 

 ミコ「ハァ、本当にハラハラしたぁ」

 

 フリード「あんなすごいバトルをするなんて、なんてヤツらだ」

 

 キャプテンピカチュウ「ピカッ!」

 

 クラベル「お見事でした」

 

 オモダカ「ええ」

 

 ロイ「シンヤ!リュウガ!」

 

 ドット「すごいバトルだったよ!」

 

 ゼイユ「2人ともやるじゃない!」

 

 スグリ「…」

 

 ネモ「実りあるバトルだったよ!」

 

 ボタン「ネモ、そればっかり」

 

 ルッカ「…どうだった?シンヤ君のバトルを生で見た感想は?」

 

 アレックス「…そうだね。…凄すぎてなんて言えばいいか分からないけど、彼が…シンヤ君が、今までどうやってリコを守ってくれたか、それは分かったかな」

 

 ルッカ「フッ…」

 

 ヴィヴィアン(ああいう無茶するところは、お父さん似かな?)

 

 バタンッ

 

 シンヤ「あっ…」

 

 激しいバトルの末、勝利したのはシンヤとリュウガだった。そして、シンヤとリュウガのバトルが終わると、今までシンヤとリュウガのバトルを見ていたリコたちは、シンヤとリュウガの元に駆け寄り、シンヤとリュウガに労いの言葉をかけた。すると、バタンッという音が聞こえてきたので、シンヤがオーリムAIとフトゥーAIの方を見ると、2人がうつ伏せの状態で倒れていた。恐らく、コライドンとミライドンが倒れたことで、一時停止したのだろう。そしてシンヤとリュウガは、バトルで傷を負ったピカチュウたちを回復させるため、クラベルが渡してくれた傷薬を使い、ピカチュウたちの体力を回復させた。シンヤはピカチュウたちの手当てが終わると、ピカチュウ以外のポケモンをボールに戻し、オーリムAIとフトゥーAIの手持ちである、パラドックスポケモンたちの治療を始めた。しかし、やはりピカチュウたちやパラドックスポケモンたちのダメージは大きく、ここでは簡単な治療しかできないため、地上のポケモンセンターに連れて行った方がいいと考えた。だが、シンヤは地上に戻る前に、カプセルの中で眠っている、本物のオーリム博士とフトゥー博士を救おうとしていた。

 

 シンヤ「さてと、バトルも終わったし、オーリム博士とフトゥー博士を助けたら、さっさと上に戻るか」

 

 フリード「シンヤ、お前は本当に、オーリム博士とフトゥー博士を助けるつもりか?」

 

 シンヤ「こんな状況で嘘をつくほど、俺もバカじゃない」

 

 リコ「…シンヤ、どうやって博士たちを助けるつもりなの?」

 

 シンヤ「それを教える前に、ここにいる全員に約束してほしいことがある」

 

 リコ「何?」

 

 シンヤ「これから、俺がどうやってオーリム博士とフトゥー博士を救うのかを、それを絶対、誰にも言わないでほしいんだ。それを約束してくれるなら、今から俺がやろうとしていることを見せるよ」

 

 フリード「…分かった。絶対に誰にも言わないことを約束する」

 

 リコ「うん」

 

 シンヤはリュウガとミコ以外のここにいる全員に、これからどうやってオーリム博士とフトゥー博士を救うのかを、誰にも言わないでほしいと約束した。そして、フリードとリコが誰にも言わないと約束をすると、ロイやルッカたちも、誰にも言わないと約束してくれた。するとシンヤは、ズボンのポケットからスーパーボールを取り出した。

 

 フリード「それって、さっきリュウガがシンヤに渡したボールか?」

 

 シンヤ「ああ、俺がリュウガに貸してたポケモンなんだ。そしてコイツが、オーリム博士とフトゥー博士を救うことができる、唯一のポケモンなんだ」

 

 リコ「一体どんなポケモンなの?」

 シンヤ「今出すよ。…出てこい!」

 

 

 ポーーン!

 

 リュウガとリオ以外のここにいる全員が、シンヤがスーパーボールから出そうとしているポケモンに注目していた。そして、シンヤがスーパーボールを宙に投げると、シンヤの投げたスーパーボールが開き、中から一体のポケモンが出てきた。そのポケモンは、体の色が全体的に深い藍色で、胸部の中央に鋼の甲殻があり、そこには青いダイヤモンドのような宝珠が埋め込まれていた。そして、全身に時計の針を思わせる水色の模様が入っており、尾の付け根から広がる扇状の甲殻が特徴の、四足歩行型のドラゴンポケモンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディアルガ「ディアァァーーーーーッ‼︎」

 

 シンヤ「久しぶりだな、ディアルガ」

 

 ディアルガ「グオオオッ!」

 

 リコ「ディアルガ⁉︎」

 

 シンヤの投げたスーパーボールから出てきたポケモンは、リュウセイが従えていた七竜の一体で、パルキアと同じ、シンオウ地方の神話に登場する伝説のポケモン《ディアルガ》だった。ディアルガはスーパーボールから出てくると、凄まじい雄叫びを上げ、リコたちはディアルガの威風堂々した姿に呆気に取られていた。

 

 シンヤ「ペパー、これから2人を救うから、少し待ってろよ」

 

 ペパー「えっ?…あ、ああ、頼む」

 

 シンヤ(微妙な返事だな。まぁ、いきなり2人が助かるなんて言われても、信じられる訳ないか)…「ディアルガ、お前の時の力で、オーリム博士とフトゥー博士を助けてあげてくれ」

 

 コクッ(ディアルガが頷く)

 

 ディアルガ「グオオオオオオッ‼︎」

 

 シンヤがディアルガに、オーリム博士とフトゥー博士を助けてくれと頼むと、ディアルガは頷いた。すると、ディアルガの胸部の中心にある青いダイヤモンドのような宝珠が光り始め、尾の付け根から広がる扇状の甲殻が大きくなると、ディアルガは大きな声で雄叫びを上げた。すると、カプセルの中に入っている、オーリム博士とフトゥー博士の体が突然光り輝き、2人の体についていた大きな傷が消えていった。2人の体から光が消えると、オーリム博士とフトゥー博士の入っているカプセルの蓋が開き、オーリム博士とフトゥー博士は、ゆっくりと起き上がった。

 

 オーリム博士「…ここは?」

 

 フトゥー博士「確か、僕たちはコライドンとミライドンを庇って、それから意識を失って…」

 

 ペパー「母ちゃん!父ちゃん!」

 

 オーリム博士「えっ?……ッ!…ま、まさか……」

 

 フトゥー博士「もしかして……ペパー…なのか?」

 

 ペパー「……うん。……うん!……そうだぜ(涙)」

 

 オーリム博士「はぁ……(涙)」

 

 フトゥー博士「……しばらく見ないうちに……随分大きくなったな…ペパー…(涙)」

 

 ペパー「ッ…………母ちゃん‼︎父ちゃん‼︎」

 

 オーリム博士とフトゥー博士は、コライドンとミライドンを庇ったところまでは覚えていたようだが、そこから先のことは、何も覚えていないようだ。すると、2人の後ろから、2人の実の息子のペパーが声をかけた。オーリム博士とフトゥー博士は、何年もペパーに会っていなかったが、一目ペパーを見ると、それが自分たちの息子であるペパーだとすぐに分かり、大きくなった息子の姿を見ると、涙を流した。そして、ずっと泣くのを我慢していたペパーは、涙を流しながら、オーリム博士とフトゥー博士のところに歩いて行った。ペパーが2人に近づいて行くと、オーリム博士とフトゥー博士は立ち上がり、目の前に歩いてきたペパーを優しく包み込むように抱きしめ、ペパーは2人の背中に手を回し、思いっきり涙を流していた。そんなペパーたち家族の様子を、シンヤたちは黙って見ていた。

 

 グスッ

 

 クラベル「…よかったですね。…ペパーさん。(涙)」

 

 オモダカ「…やはり、シンヤさんに同行をお願いしてよかったです」

     

 ネモ「ペパー、よかったね」

 ボタン「うん」

 

 ゼイユ「…シンヤ、アンタ凄すぎ」

 スグリ「…」

 

 アレックス「……」

 

 ルッカ「…ほんと、シンヤ君にはびっくりさせられるわ」

 

 フリード「ええ」

 

 ロイ「…これが、ディアルガ」

 

 ドット「神と呼ばれる、ポケモンの力」

 

 リコ「…」チラッ(シンヤを見る)

 

 シンヤ「フッ…」

 リコ「⁉︎////」

 

 ディアルガの起こした神秘的な力、不思議な現象、あるいは奇跡、言い方は様々だが、オーリム博士とフトゥー博士が救われたところを見たリコたちは、それぞれの感想を呟き、一人一人、泣いたり笑ったりして、ペパーたち家族を見ていた。そして、笑みを浮かべたシンヤの顔を見たリコは、顔を赤くしながらシンヤに魅入っていた。

 

 

 リュウガ「相変わらずキザなことをやるな」

 

 ミコ「フフッ」

 

 シンヤ「別に。バッドエンドより、ハッピーエンドになった方がいいと思っただけだ。あっ、そうだ」

 

 カシャ(ブラックバードフライで写真を撮る)

 

 ウィーン(撮った写真が出てくる)

 

 パシッ(リュウガが写真を取る)

 

 シンヤ「あっ」

 

 リュウガ「なんでそのカメラで写真を撮ると、こんな写真になるんだ?」

 

 シンヤ「いや、俺に言われても」

 

 リュウガ「…けど、いい写真だと思うぜ」

 

 ミコ「うん。3人ともいい顔してるよ。流石シンヤ」

 

 

 オーリム博士「シンヤ?……まさか!」

 

 フトゥー博士「君はもしかして、世界チャンピオンのシンヤ君か?」

 

 シンヤ「えっ?…あっ、はい」

   

 フトゥー博士「それに、どうしてクラベル校長までここに?それに、あれはディアルガとパルキア!ウガツホムラとタケルライコまでいるじゃないか!」

 オーリム博士「何がどうなってるんだ?」

 

 クラベル「ああ、実はですね」

 

 シンヤがブラックバードフライで、ペパーたち家族が写っている写真を取ると、カメラから1枚の写真が出てきた。リュウガがその写真を見てみると、その写真は、何か不思議な力が影響を与えているのか、2重に別の画像が重なった写真が映りこんでいて、撮ったペパーたちの画像に、違う表情をしているペパーたちが写りこんでいた。しかし、その写真を見たリュウガとミコは、結構いい写真だと褒めた。シンヤが撮った写真は、ペパーたち家族がお互いを抱きしめて泣いている写真だったが、カメラから出てきた写真に写っていたのは、ペパーたち家族が笑い合っている写真だったからだ。すると、シンヤたちがいることに気づいたオーリム博士とフトゥー博士は、世界チャンピオンのシンヤや、オレンジアカデミー校長のクラベルが、どうしてここにいるのかと混乱していて、ディアルガとパルキア、ウガツホムラとタケルライコを見ると、とても慌てていた。するとクラベルが、事の経緯を2人に詳しく説明してくれた。

 

 オーリム博士「なるほど、そんなことが…」

 

 フトゥー博士「我々のせいで、皆さんにご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ない。その上、いつ尽きる命かも分からない私たちを救ってくれて、シンヤ君、君には感謝してもしきれない。本当にありがとう!」

 

 シンヤ「あっ、いえ。2人を助けたのはディアルガですから、お礼ならディアルガに言ってください」

 

 オーリム博士「そうか」

 フトゥー博士「ありがとう、ディアルガ」

 

 ディアルガ「ディアァッ」

 

 ペパー「シンヤ、本当にありがとな!母ちゃんと父ちゃんを救ってくれて!ディアルガにも感謝してるけど、シンヤにも感謝してる!」

 

 シンヤ「ああ、よかったな。これからは、家族3人で仲良く暮らせよ」

 

 ペパー「ああ!」

 

 「なんと素晴らしい!」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 オーリム博士「君たちは!」

 

 オーリム博士とフトゥー博士が、命を助けてくれたお礼をシンヤとディアルガに伝え、ペパーがシンヤにお礼の言葉を伝えると、シンヤたちに声をかけてきた2人の人物がいた。その人物は、オーリムAIとフトゥーAIだった。しかし、2人の目はシンヤたちを敵と認識していた目と違って、とても穏やかな表情をしていた。

 

 

 ペパー「元に…戻ったのか?」

 

 オーリムAI「ああ。まさか本当に、我々のオリジナルである、オーリム博士とフトゥー博士を救うとは!」

 

 フトゥーAI「この結果は、最高の科学力を持つ、我々AIにも計算できなかった」

 

 オーリムAI「シンヤ、君は絶望のふちにいても、自分の頭で考え、最後まで希望を見失わなかった。そんな君だから、2人を助けられたんだな」

 

 シンヤ「それは違いますよ。今回は俺1人で乗り切った訳じゃない。リュウガやリコ、それに、他のみんなやポケモンたちがいてくれたから、オーリム博士とフトゥー博士を助けることが出来たんです」

 

 フトゥーAI「そうか。…なら、たとえこの先、どれだけ苦しい未来が待っていたとしても、君たちなら……仲間がいる君たちなら、乗り越えていけるだろう」

 

 シンヤ「…」

 

 フトゥー博士「2人とも、ありがとう!」

 

 オーリムAI・フトゥーAI「「えっ?」」

 

 オーリム博士「私たちが事故にあった時、君たちは私たちの命を延命させるために動いてくれた。そのおかげで、私たちは再びペパーと会えた。本当にありがとう!」

 

 

 オーリムAI「……我々のほうこそ、ありがとう」

 

 フトゥー博士「えっ?」

  

 フトゥーAI「あなたたちが我々を作ってくれたから、我々は色んな感情を知ることができた」

 

 オーリム博士「…」

 

 オーリムAI「本当はもっと話をしたいんだが、残念ながら、その時間もなくなってしまったようだ」

 

 ペパー「どういう事だよ?」

 

 フトゥーAI「我々のプログラムとタイムマシンに問題が発生し、我々が2人がいる限り、タイムマシンは止まらなくなってしまったんだ」

 

 オーリムAI「だから我々2人は、このまま古代と未来の世界に行くことにするよ」

 

 ペパー「えっ!」

 

 オーリムAI「…少しの間だったが、君たちを見ていたら、我々2人は、君たちのその自由さが、とてもうらやましくなったよ」

 

 フトゥーAI「仲間を想い、徒党を組んだり」

 

 オーリムAI「誰かのために、一生懸命戦ったり」

 

 フトゥーAI「大事なものを守るために、相手に立ち向かったり」

 

 オーリムAI「自分だけの宝物を探したり」

 

 フトゥーAI「僕たちも君たちのように、何ものにも縛られず、自分だけの宝物を探したくなってね」

 

 オーリムAI「タイムマシンを止めるだけじゃない。私たち2人は、夢にまで見た、古代と未来の世界を見たくて、行きたくてしょうがないんだ」

 

 フトゥーAI「冒険に胸を踊らせるとは…こういう気持ちなのかな?」

 

 オーリムAI「ペパー、オーリム博士とフトゥー博士が生きてるという真実を、ずっと言えなくてすまなかった」

 

 ペパー「…」

 

 フトゥーAI「オーリム博士、フトゥー博士、これからは、家族で仲良く暮らしていってくれ」

 

 オーリム博士「…ええ」

 

 フトゥー博士「ああ、もちろんだ」

 

 オーリムAI「シンヤ、それから他のみんなも、本当にありがとう」

 

 フトゥーAI「少しさみしいが、お別れの時間だ」

 

 ビィーー!

 

 タイムマシンを再起動!

 

 ゴゴゴゴッ!(天井の装置が起動する)

 

 突然タイムマシンが再起動を始めると、オーリムAI・フトゥーAIの体がフワッと浮かび上がり、2人は古代と未来の世界に繋がっている装置のところまで飛んで行ってしまう。

 

 オーリムAI「では、さらばだ」

 フトゥーAI「自由な冒険者たちよ!」

 

 オーリムAI・フトゥーAI「「ボン・ボヤージュ!」」

 

 オーリムAIとフトゥーAIは最後にそう言い残すと、ゲートの中に入っていき、オーリムAIは古代の世界に、フトゥーAIは未来の世界に行ってしまった。そして、2人がいなくなったことで、タイムマシンは完全に機能を停止してしまい、さっきまで明るかった部屋が暗くなってしまった。

 

 シンヤ「…行っちまったな」

 

 リュウガ「ああ…」

 

 クラベル「……では、今後のことを話し合うためにも、早くオレンジアカデミーに戻りましょう」

 

 シンヤ「ちょっと待ってください!最後にもう一つだけやることがあります」

 

 クラベル「えっ?」

 

 ヒョコ(鞄からテラパゴスが顔を出す)

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 リコ「あっ、テラパゴス」

 

 オーリム博士「ッ!」

 

 フトゥー博士「テラパゴス!何故、テラパゴスがここに⁉︎」

 

 ウガツホムラ「ッ!」

 タケルライコ「ッ!」

 

 クラベル「その事も、後でちゃんと説明します」

 

 シンヤがウガツホムラとタケルライコを見ていると、リコの持っている鞄の中から突然テラパゴスが顔を出した。すると、テラパゴスを見たオーリム博士とフトゥー博士はびっくりしてしまう。しかし、テラパゴスを見てびっくりしたのはオーリム博士とフトゥー博士だけではなく、ウガツホムラとタケルライコもテラパゴスを見るとびっくりしていた。

 

 ウガツホムラ「…」

 タケルライコ「…」

 

 チラッ(ウガツホムラとタケルライコが、ディアルガとパルキアを見る)

 

 ディアルガ「…」コクッ

 パルキア「…」コクッ

 

 チラッ(ウガツホムラとタケルライコがシンヤを見る)

 

 シンヤ「えっ?」

 

 ディアルガ「ディアァァーーッ」

 

 シンヤ「えっ?モンスターボールを2つ出せって?」

 

 コクッ(ディアルガが頷く)

 

 スッ(モンスターボールを2つ取り出す)

 

 ドスッドスッ(ウガツホムラとタケルライコがシンヤの前に歩いてくる)

 

 ウガツホムラ「ウガァァァァッ!」

 タケルライコ「ラァァーーイコォッ!」

 

 カチッ(ウガツホムラとタケルライコがモンスターボールに触れる)

 

 シュルルーン

 

 ポワン…ポワン…ポワン……ポンッ!

 

 シンヤ「えっ?」

 

 ウガツホムラとタケルライコがディアルガとパルキアを見ると、ディアルガとパルキアは頷いた。そして、ウガツホムラとタケルライコがシンヤを見ると、ディアルガはシンヤに、モンスターボールを2つ出すように伝えた。すると、ウガツホムラとタケルライコがシンヤの目の前にやってきて、ウガツホムラとタケルライコは、シンヤの取り出したモンスターボールのスイッチを押し、自らシンヤのボールの中に入った。そして、2個のモンスターボールがシンヤの手の中で3回揺れると、最後にポンッという音が鳴った。

 

 シンヤ「あっ…」

 

 チラッ(パルキアがディアルガを見る)

 

 ディアルガ「…」コクッ

 パルキア「…」コクッ

 

 シュルルーン

 

 シンヤ「あっ、ディアルガ、パルキア」

 

 リュウガ「ボールの中に戻っちまったな」

 

 ミコ「…ねぇシンヤ、リュウセイと七竜って何?」

 

 シンヤ「ああ、それは後で話すよ。とにかく、先にオレンジアカデミーに戻ろうぜ。……ん?」

 

 リュウガ・ミコ以外の全員「「「………」」」

 

 リコ「シンヤ…あの…」

 

 シンヤ「そんな目で見なくても、後でちゃんと説明するよ」

 

 リコ「…うん!」

 

 シンヤがウガツホムラとタケルライコをゲットすると、ディアルガとパルキアはスーパーボールの中に戻ってしまった。その後、ミコがリュウセイと七竜の事をシンヤに聞いてきたので、それは後で話すとシンヤは答えた。すると、リュウガとミコ以外の全員が、興味深そうに自分の事を見てみたいので、詳しいことは後で話すとシンヤは約束した。

 

 オモダカ「…フッ、分かりました。では皆さん、オレンジアカデミーに戻りましょう」

 

 全員「「「はい!」」」

 

 こうして、再びパルデア地方の危機を救ったシンヤは、リュウセイが従えていた七竜の2体、ウガツホムラとタケルライコをゲットした。そして、エリアゼロでの冒険を終えたシンヤたちは、オーリム博士とフトゥー博士を連れて、全員でオレンジアカデミーに戻るのだった。

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 エリアゼロからオレンジアカデミーに戻ったシンヤたちは、今回エリアゼロであったことを話し合うため、そのまま校長室に向かった。そして、校長室で話し合いが終わって全員解散となると、シンヤたちは夕食を食べに、テーブルシティのレストランに行くことになった。そして、レストランで食事が終わった後、リコがシンヤに話したいことがあると言い出したので、ヴィヴィアンはリコに、自分の家に泊まるように勧めるのだった。

 

 次回「シンヤとリコ、2人の変わらぬ思い!」

 





 長らくお待たせしました!

 投稿が遅れてしまってすいません。23日に投稿しようと思ったのですが、21日と22日に用事が出来てしまい、小説が書けない状態になってしまったため、23日に投稿できませんでした。それと、59話の次回予告にリュウガを書くのを忘れていたので、シンヤVSオーリムAI・フトゥーAI!奇跡の光!ではなく、シンヤ・リュウガVSオーリムAI・フトゥーAI!奇跡の光!に書き直しておきます。

 本当はオレンジアカデミーに戻った後の話も書こうと思ったのですが、既にこの話で31809文字も書いたので、次の話に書くことにします。次の話で、エリアゼロ編は終わりです。

 アニメでキタカミの里に行くことが分かったので、レックウザライジングの話を書く時、バサギリの話が終わったタイミングで、モモワロウの話を書くことにします。
 
 ネタバレに繋がることはお答えできませんが、他に何か聞きたいことや、気になったことがあれば感想でどうぞ。後書きに書いていたら切りがないので、感想に書いてくれれば答えます。
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