ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 テラスタル研修の応用テストをロイが受けるため、フリッジタウンに向かうシンヤたち。その途中、2人のダークトリニティに監視されていることに気づいたシンヤは、自分から囮になり、2人のダークトリニティとバトルすることに。…激闘の末、ダークトリニティの繰り出した赤いゲノセクトを倒すことに成功するが、そこに3人目のダークトリニティと、ゲーチスが捕まえていた、イッシュ地方の伝説のポケモン《ランドロス》が姿を現した。3人目のダークトリニティとランドロスの出現により、シンヤとダークトリニティは、再び一触即発の雰囲気になったが、ダークトリニティたちは、ゲーチスから頼まれた物を届けるべく、シンヤとのバトルを切り上げ、その場を後にした。そして次の日の朝、シンヤがコライドンとミライドンをモンスターボールから出すと、シンヤとロイはコライドンに、リコとドットがミライドンに乗ると、シンヤたちはフリッジタウンに向かった。
 


第65話『響け、赤き魂!ロイVSライム!』

 

 フリッジタウン

 

 シンヤ「とうちゃ〜く」

 ピカチュウ「ピッカァ!」

 

 コライドン「コラァァァッ!」

 ミライドン「アギャアアッ!」

 

 ロイ「ここが…」

 ドット「フリッジタウン!」

 

 コライドンとミライドンに乗り、フリッジタウンに辿り着いたシンヤたちは、コライドンとミライドンから降りると、フリッジジムへと向かうため、フリッジタウンの町中を歩いていた。フリッジタウンの町全体には、怪しい雰囲気の蝋燭が灯されていて、神秘的な印象が漂っていた。

 

 リコ「蝋燭がたくさんあって綺麗」

 

 ???「その蝋燭はね、魂を見送るために灯してるの」

 

 リコ「えっ?」

 

 町に灯してある蝋燭をリコが見ていると、ゴースとカゲボウズを連れているお爺さんとお婆さんがリコに声をかけてきた。

 

 リコ「魂を見送るって、どういう意味ですか?」

 

 お爺さん「フリッジタウンは、雪と鎮魂の町だからね」

 

 シンヤ「鎮魂って、死者の魂を鎮めることですよね?」

 

 お婆さん「ええ。この辺りの山には、ある言い伝えがあってね。生涯を終えた人やポケモンたちの魂がフリッジタウンに集まって、空へ帰るんだって」

 

 お爺さん「だから、魂が無事に空に行けるように、フリッジタウンではさまざまな祭りが行われているんだ」

 

 ロイ「祭り?」

 

 お婆さん「ええ。今では、フリッジタウンの広場でライブが開かれるようになってね」

 

 シンヤ「へぇ〜、それは知らなかった」

 

 リコ「なんか楽しそう」

 

 お婆さん「確か今日も、この後ライブが開かれるみたいだけど」

 

 ロイ「お祭りやライブもいいけど、僕、応用テストを受けに行きたい」

 

 シンヤ「おっと、そうだったな。じゃあ、フリッジジムに行くか」

 

 通りすがりのお爺さんとお婆さんから、フリッジタウンで祭りやライブが行われることを聞いたシンヤたちだったが、フリッジタウンに来た目的は、ロイが応用テストを受けるためなので、シンヤたちはフリッジジムへと向かった。

 

 フリッジタウン・フリッジジム

 

 ロイ「えっ、ライムさんいないんですか?」

 

 ジムの受付「はい。先程ライブ会場の方に行ってしまって。広場の方にいると思うので、捜してみてもらえますか?」

 

 ロイ「…分かりました」

 

 リコ「じゃあ、みんなで広場の方に行こうよ」

 

 ロイ「うん!」

 

 ドット「そうだな」

 

 シンヤ「ああ、悪いんだけどさ。俺はあとで行くから、リコたちは先に広場の方に行っててくれないか?今日の朝早くから、フリッジタウンまで俺たちを乗せて走ってきたコライドンとミライドンにサンドイッチを食わせてやりたいんだ」

 

 コライドン「コラァァイ!」

 

 ミライドン「アギャアア!」

 

 サンドイッチという言葉を聞くと、コライドンとミライドンは喜びの声を上げた。

 

 リコ「分かった。じゃあ先に行ってるから、あとで来てね」

 

 シンヤ「ああ」

 

 今日の朝早くから自分たちを乗せて、フリッジタウンにやってきたコライドンとミライドンは疲れているだろうから、2人の大好物であるサンドイッチを食べさせてから広場に行くとシンヤが言うと、リコたちは先にライブ会場の方に歩いて行った。

 

 

 フリッジタウン・まいどさんど

 

 

 モグモグッ(コライドンとミライドンがサンドイッチを食べる)

 

 シンヤ「美味いか?」

 

 コライドン「コラァァイ!」

 

 ミライドン「アギャアア!」

 

 シンヤ「それを食べたら、俺たちもライブ会場の方に行くぞ」

 

 ピカチュウ「ピッカァッ!」

 

 シンヤはフリッジジムを出たあとにリコたちと別れると、サンドイッチが売っている『まいどさんど』というお店に向かい、コライドンとミライドンにサンドイッチをご馳走した。そして、コライドンとミライドンがサンドイッチを食べ終わると、シンヤたちはリコたちを捜しにライブ会場の方に向かった。

 

 

 フリッジタウン・ライブ会場

 

 シンヤ「んー、ライブ会場はここだから、リコたちはこの辺にいるはずだよな」

 ピカチュウ「ピカッ!」

 

 シンヤ「ん?どうしたピカチュウ?」

 

 ピカチュウ「ピカピカ!」

 

 ビッ(ピカチュウが前を指差す)

 

 シンヤ「ん?……あれは!」

 

 シンヤはライブ会場にやってくると、先にライブ会場に来ているリコたちを捜していた。すると、突然ピカチュウが大きな声を上げて、前の方を指差した。シンヤがピカチュウの指を差した方を見ると、そこには、リコ・ロイ・ドットと、リコたちの相棒である、ニャローテ・ホゲータ・ウェルカモがいたのだが、リコたちの近くには、頭に火の灯った蝋燭のようなものが生えている、おばけいぬポケモンの《ボチ》が数匹いたのた。

 

 シンヤ「まさか!」

 

 タッタッ(リコたちの近くに駆け寄る)

 

 シンヤ「やっぱり!」

 

 リコ「あっ…シンヤ…」

 

 数匹のボチ「「「ワン!」」」

 

 リコたちの近くに、数匹のボチがいるのを確認したシンヤは、急いでリコたちと元に駆け寄った。そして、シンヤがリコたちの顔を見ると、リコたちの顔色が青くなっていた。

 

 シンヤ「お、おい。お前ら、大丈夫か?」

 

 リコ「それが…」

 

 ロイ「すっごく疲れてきちゃって…」

 

 シンヤ「当たり前だ!お前ら3人とも、ボチに生気を吸い取られてるんだぞ!」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「え〜っ!」」」

 

 シンヤ「ほら!」

 

 スッ(スマホロトムを見せる)

 

 ボチ おばけいぬポケモン ゴーストタイプ。

 

 人と関わることなく命を落とした、野良の犬ポケモンが生まれ変わったと言われている。近くにいる者の生気を少しずつ吸い取ってしまう。

 

 ドット「ホントだ」

 

 リコ「じゃあ…ニャローテたちも…」

 

 ニャローテ「ニャッァ…」

 

 ホゲータ「ホッゲェ…」

 

 ウェルカモ「ウェール…」

 

 そう。シンヤがボチを見て、すぐにリコたちの元に駆け寄ったのは、ボチが生気を吸い取るポケモンだと知っていたからだった。そして、生気を吸い取られているのは、リコ・ロイ・ドットの3人だけではなく、リコたちの相棒である、ニャローテ・ホゲータ・ウェルカモも、リコたちと同じようにボチに生気を吸い取られていて、その場に座り込んでいた。

 

 シンヤ「コライドン、ミライドン、俺がボチたちの注意を引くから、リコたちを運ぶのを手伝ってくれ」

 

 コライドン「コラァァイ!」

 ミライドン「アギャアア!」

 

 ガサゴソ(リュックの中を漁る)

 

 バッ(ポケモンフーズを取り出す)

 

 ダバダバッ(ポケモンフーズを皿に入れる)

 

 シンヤ「おいボチたち!飯の時間だぞ!」

 

 ピカチュウ「ピィカァ!」

 

 数匹のボチ「「「ワンワン!」」」

 

 シンヤはリュックの中を漁ると、ポケモンフーズの入っている箱を取り出し、箱に入っているポケモンフーズを皿に入れると、それをボチたちの前に差し出した。すると、ボチたちはポケモンフーズに飛びつき、ボチがリコたちやニャローテたちから離れた隙に、シンヤはコライドンやミライドンと一緒に、リコたちを運び出した。

 

 

 フリッジタウン・レストラン

 

 シンヤ「3人とも大丈夫か?」

 

 リコ「うん。ありがとう、ここまで運んでくれて」

 

 シンヤ「ああ。フリッジタウンにはボチがたくさんいるから気をつけろって、言っとけばよかったな」

 

 リコ「シンヤは、ボチが生気を吸い取るポケモンって知ってたの?」

 

 シンヤ「もちろん。というか、カブさんの所にいたヒトモシたちもそうだけど、ゴーストタイプのポケモンには、本人にその気がなくても、近くにいるだけで生気を吸い取るポケモンや、周りにいる者の体調を悪くさせてしまうポケモンが多いんだ」

 

 リコ「そう言われれば、カブさんのヒトモシを図鑑で調べた時、人やポケモンの生気を吸い取るって」

 

 シンヤ「そう。カブさんの所にいるヒトモシたちは大丈夫だと思うけど、さっきのボチたちは野生のポケモンだからな。まあ、ボチたちも悪気があってお前らの生気を吸い取ってたわけじゃないから、大目に見てやれ」

 

 リコ「うん」

 

 シンヤの言う通り、ゴーストタイプのポケモンには、人やポケモンの生気を吸い取るポケモンが多い。さっきリコたちの近くにいたボチたちは、人に構ってもらうと喜び、ずっと後をついてきてしまうほどの温厚で人懐っこい性格であり、とても寂しがり屋なポケモンだ。だからこそ、シンヤはボチたちに攻撃をせず、ポケモンフーズを使ってボチたちの注意を引いたのだ。しかし、ボチというポケモンは、近くにいる人やポケモンの生気を無自覚に少しずつ吸い取っているため、あまり長くボチの近くに居続けるのは危険なのも事実だ。

 

 リコ「ロイは大丈夫?これから応用テストなのに?」

 

 ロイ「平気だよ。食べたら元気になってきたから」

 

 シンヤ「長くボチたちと一緒に居たわけじゃないから、そんなに生気を吸い取られなかったと思うが……あれ?テラパゴスはどこに行った?」

 

 リコ「えっ?…あっ、テラパゴスがいない!」

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 フワンテx2「「フワァァーッ」」

 

 リコ「あっ、テラパゴス!」

 

 シンヤ「あれは《フワンテ》!」

 

 リコたちがボチたちに生気を吸い取られてしまったため、シンヤはリコたちを運ぶのをコライドンとミライドンに手伝ってもらい、近くにあるレストランにやってきた。そして、リコたちの体調が戻るのも兼ねて、レストランで食事をしていると、テラパゴスがいなくなっていることにシンヤが気づいた。すると、前の方からテラパゴスの鳴き声が聞こえてきたので、シンヤとリコが前の方を見ると、そこには2体のふうせんポケモンのフワンテがいて、2体のフワンテたちは、テラパゴスの入っている鞄の持ち手をそれぞれ両手で掴むと、鞄に入っているテラパゴスを連れて空に飛んで行ってしまう。

 

 シンヤ「テラパゴスを追うぞ!」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「うん!」」」

 

 ネモ「ん?…シンヤ、リコ、ロイ、ドットも」

 

 パーモット「モッパッ?」

 

 シンヤ「えっ?…ネモ、パーモットまで」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 テラパゴス追うためにレストランを出ると、シンヤたちはその途中、オレンジアカデミーの生徒であるネモと再開し、そのネモの隣には、ネモのポケモンであるパーモットがいた。

 

 ネモ「なんでシンヤたちがフリッジタウンに?」

 

 シンヤ「ああ悪い!今は説明してる暇はないんだ!俺たち、テラパゴスを追わないと!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 ネモ「テラパゴスを追う?」

 

 パーモット「モパッ?」

 

 ネモと会うのは、シンヤたちがチャンプルタウンに行く時に見送ってもらったとき以来なので、本当なら色々と話をしたいところだが、今はテラパゴスがフワンテたちに運ばれているというトラブルが起きているため、ネモとゆっくり話している時間がなく、シンヤたちはテラパゴスを追っていた。

 

 空の上

 

 テラパゴス「パーゴパーゴ!」

 

 フワンテx2「「フワァァー」

 

 ビュウウウ〜(強い風が吹いてくる)

 

 フワンテx2「「フワァァーーッ⁉︎」」

 

 パッ(フワンテが鞄の持ち手から手を離す)

 

 シンヤたちがテラパゴスを追っている頃、鞄に入った状態でフワンテたちに運ばれているテラパゴスは、楽しそうに空の散歩をしていて、テラパゴスを運んでいるフワンテたちも、テラパゴスと同じようにとても楽しそうだった。すると、フワンテたちが飛んでいる上空に強い風が吹いてきて、その風にびっくりしたフワンテたちは、テラパゴスが入っている鞄の持ち手から手を離し、どこかに飛んで行ってしまう。

 

 ピュゥーーー(テラパゴスが下に落ちる)

 

 テラパゴス「パーーーゴ!」

 

 リコ「あっ、テラパゴス!」

 

 スッ(モンスターボールを取り出す)

 

 シンヤ「リザードン!テラパゴスを助けるんだ!」

 

 ポーーン

 

 リザードン「リザァァーーッ‼︎」

 

 パシッ(鞄をキャッチする)

 

 シンヤ「ナイスキャッチ!」

 

 ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

 

 リザードン「リザァァーーッ!」

 

 テラパゴスが落ちてくると、シンヤはリザードンをモンスターボールから出し、テラパゴスを助けるように指示した。そして、リザードンは落ちてきた鞄を上空でキャッチすると、そのまま地面に降りてきて、テラパゴスの入っている鞄をリコに渡した。

 

 リコ「ありがとうリザードン、テラパゴスを助けてくれて」

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 リザードン「ザァァァッ!」

 

 ネモ「そっか。テラパゴスが入ってた鞄をフワンテたちが持っていちゃったから、シンヤたちはフワンテを追ってたんだ」

 

 シンヤ「ああ。さっきはその事を説明してる暇がなくてな。久しぶりだな、ネモ」

 

 ネモ「うん。久しぶり!」

 

 さっきはテラパゴスを追っていたため、事情を説明する暇がなかったが、今テラパゴスはリコの手の中なので、これでようやく、お互いに久しぶりの再会を喜ぶことができる。

 

 フリッジタウン・町中

 

 ネモ「そっか、ドットが応用テストを合格したから、次はロイが応用テストを受けるために、シンヤたちはフリッジタウンに来たんだ」

 

 シンヤ「ああ。…そう言えば、ペパーたちは元気か?」

 

 ネモ「うん。オーリム博士とフトゥー博士は、まだ病院で検査とかしなきゃいけないけど、元気そうだったよ」

 

 シンヤ「そっか。2人が元気そうでよかった」

 

 ピカチュウ「ピッカッチュ」

 

 ロイ「でも《ライム》さん、ライブを見に行ったみたいだからジムにいなくて、応用テストを受けられなかったんだよね」

 

 ネモ「えっ?ライムさんはライブに出る側だよ」

 

 リコ「えっ?出る側?」

 

 シンヤ「ライムさんはジムリーダーでもあるけど、有名なラッパーでもあるからな」

 

 リコ「(T_T)…」

 

 シンヤ「えっ?何?」

 

 リコ「シンヤは、ライムさんがラッパーってことと、ライブに出る側って知ってたの?」

 

 シンヤ「もちろん知ってたけど。…あれ?言ってなかったけ?」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「聞いてない!」」」

 

 シンヤ「ああ、そっか。こりゃあ失敬」

 

 ピカチュウ「(。-_-。lll)ピィカッ」

 

 リコ「もう!」

 

 シンヤたちはテラパゴスを取り戻すと、レストランに戻ってお代を払ったあとに、ネモと一緒にライブ会場に向かった。その途中、お互いの近況の内容などを話していて、ライムがライブに出る側のことや、有名なラッパーであることを、シンヤとネモの口から説明された。

 

 リコ「もしかして、ネモもライブを見に来たの?」

 

 ネモ「ううん。ライムさんのライブではね、お客さんが飛び入りするコーナーがあって、ポケモンバトルが見られたりするから、私はそっちが目当てかな」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 シンヤ「あれ?リコ。いつの間にネモのこと、呼び捨てで言うようになったんだ?」

 

 リコ「交流戦の時に、これからはネモでいいって」

 

 シンヤ「そっか」

 

 

 フリッジタウン・ライブ会場

 

 

 ドット「だいぶ人が集まってきたな」

 

 ???「あ〜、ただいまマイクのテストちゅう。マイクオーケー?照明のリハどう?」

 

 ロイ「ライムさんいるかな?」

 

 ネモ「見当たらないね」

 

 フリッジタウンの町中を歩き、ライブ会場にやってきたシンヤたち。ライブ会場の周りには、ライブを見ようと集まっている人たちがたくさんいて、ライブ会場のステージでは、マイクのテストや、スピーカーなどの機材の確認、照明の準備などをしてる人がいて、そろそろライブが始まるようだ。

 

 ロイ「あのーー!ライムさんいませんか!応用テストを受けに来ました!」

 

 シーーーン

 

 シンヤ「おいおい…」

 

 ライブ会場にやってくると、シンヤたちはライムがいるかを確認したが、ステージの方にライムの姿はなかった。すると、突然ロイが大きな声を出して、ライムに応用テストを受けに来たと説明した。いきなりロイが大きな声を出した事で、ライブ会場にいた全員の視線がロイに集まり、周りは静まり返ってしまう。

 

 ロイ「ライムさん、まだ来てないのかな?」

 

 シンヤ「そのよう…」

 

 ???「よ〜う、そこの大きな声の兄ちゃん。ポケモンバトルをしたいのか?」

 

 ロイ「えっ?」

 

 ロイが大きな声を出してライムを呼び、周りがしばらく静まり返っていると、ライブ会場のステージで、マイクのテストをしていた髭を生やした男がロイに話しかけてきた。

 

 MCカマー「俺は今日のライブの進行を任されてる《MCカマー》。今からライブのリハーサルをするんだが、ステージに人がいた方がやりやすくてな。つうわけで、ライムが来るまで俺とポケモンバトルをしないか?」

 

 ロイ「面白そう!やろうよホゲータ!」

 

 ホゲータ「ホンゲゲッ!」

 

 

 フリッジタウン・ライブステージ

 

 

 MCカマー「バトルを受けてくれてありがとな。リハだけど、会場爆アゲにするため、お互いに盛り上がっていこうぜ!」

 

 ロイ「はい!」

 

 MCカマーから、ステージにライムが来るまで、ライブのリハーサルも兼ねてポケモンバトルをしないかと聞かれたロイは、バトルを受けることを承諾し、ホゲータと一緒にステージの方に歩いて行き、バトルフィールドのトレーナーゾーンに立った。そして、ロイとMCカマーがポケモンバトルをする準備をすると、ステージがライトアップされる。

 

 MCカマー「ぶちかましてこい、ヤミラミ!」

 

 ポーーン

 

 ヤミラミ「ヤァミッ!」

 

 ロイ「ホゲータ、頼むよ」

 

 ホゲータ「ホンゲッ!」

 

 タッタッ(ホゲータがバトルフィールドに歩いて行く)

 

 MCカマー「んじゃ行くぜ。バトルスタート!」

 

 ヤミラミがバトルフィールドに登場し、ホゲータがバトルフィールドに歩いて行くと、MCカマーの合図で、リハーサルのポケモンバトルが始まった。

 

 MCカマー「ヤミラミ、「シャドークロー!」」

 

 ヤミラミ「ヤミッ、ヤアァーーミッ!」

 

 ロイ「かわせホゲータ!」

 

 ホゲータ「ホンゲッ!」バッ

 

 MCカマー「パワージェム!」

 

 ヤミラミ「ヤミッ、ヤアァーーミッ!」

 

 ホゲータ「ホッホッホッ!」

 

 ロイとMCカマーのバトルが始まると、ヤミラミは「シャドークロー」を発動し、ホゲータに接近して攻撃してきた。すると、ホゲータは素早く移動してヤミラミの攻撃をかわし、「パワージェム」を放ってきたヤミラミの攻撃も上手くかわした。

 

 ロイ「今度は僕たちの番だ!」

 

 ホゲータ「ホンゲッ!」

 

 ロイ「た、ち、上がれ!負けるな負けるな、頑張れ〜」

 

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホッホッゲッ!」

 

 

 ネモ「えっ?何でロイとホゲータは歌ってるの?」

 

 シンヤ「ああ、あれはロイとホゲータの十八番なんだ」

 

 ネモ「十八番?」

 

 リコ「ロイとホゲータ、よくバトルの時に一緒に歌を歌って、何度もバトルに勝ってきたの」

 

 ネモ「なるほど。一緒に歌を歌って、お互いに気持ちを合わせてるんだ」

 

 急にロイが歌を歌い始め、ホゲータが足踏みをしながら歌い始めると、ネモは不思議そうにロイとホゲータを見ていた。シンヤとリコとドットは何度も見ているから知っているが、ロイとホゲータは、お互いに気持ちを合わせるため、よく一緒に歌うことが多く、歌を歌ってバトルすることが多いのだ。そして、そんなロイとホゲータの様子を、シンヤたちのいる場所の後ろから見ている、1人の人物がいた。

 

 ライム「……」

 

 

 MCカマー「どうした兄ちゃん?急に歌ったりして?ライブのリハーサルだから歌ってくれてんのか?」

 

 ロイ「ホゲータ!「ニトロチャージ!」」

 

 ホゲータ「ホンゲェェーーッ!」

 

 ドォォォォン!

 

 ヤミラミ「ヤアァーーミッ⁉︎」

 

 MCカマー「ヤミラミ!」

 

 ヤミラミ「ヤァ…ミッ…」

 

 ロイが「ニトロチャージ」の指示を出すと、ホゲータは走りながら体に炎を纏い、ヤミラミに突っ込んで行った。ヤミラミはホゲータの攻撃をかわそうとしたが、「ニトロチャージ」の効果でホゲータのスピードが上がっているため、ヤミラミはスピードの上がったホゲータの攻撃を避けられず、ホゲータの攻撃を受けて吹っ飛ばされ、目をぐるぐるにして倒れた。

 

 MCカマー「あらら、一撃でやられちまったぜ。戻れヤミラミ」

 

 シュルルーン

 

 MCカマー「兄ちゃん強いな。バトルには負けちまったが、リハーサルは無事に終わりだ。サンキューな」

 

 ロイ「やったねホゲータ!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ロイ「やっぱり僕たち、一緒に歌えば最強なんだ!」

 

 ワァァァァァ!

 

 シンヤ「おっ、いつの間にこんなに人が?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 ロイとMCカマーのポケモンバトルが終わると、ライブ会場の広場では、いつの間にか人がたくさん集まって盛り上がっていて、2人のバトル見ていた人たちは、ロイとMCカマーに拍手をしていた。そして、リハーサルのポケモンバトルが終わると、ロイとホゲータはステージを降りて、シンヤたちのいるところに戻ってきた。

 

 MCカマー「いい感じに会場も盛り上がってきて、ちょうどいい時間だし、本日の主役を呼ぶぜ!みんな、準備はいいか?」

 

 ワァァァァァ‼︎

 

 MCカマー「それじゃあ呼ぶぜ!本日の主役!カモン、ソウルフルビート!ラーーーイム!」

 

 シンヤ・リコ・ロイ・ドット「「「「えっ?」」」」

 

 ピカチュウ「ピィカァ?」

 

 MCカマーがライムに掛け声をかけると、MCカマーのいるステージの所に、以前リコたちがレポートを書いている時に出会い、シンヤとロイに《コノヨザル》の事を教えてくれた、フリッジタウンのジムリーダーである、ライムがやってきた。

 

 ロイ「あっ!」

 

 シンヤ「ライムさん!」

 

 リコ「えっ!あの人が⁉︎」

 

 シンヤ「ああ。前に話したよな。リコたちが寝てる時に、コノヨザルの事を教えてくれたって」

 

 リコ「うん」

 

 

 ライム「(♫♫♫ )YoYoYo。調子はどうだい?hotなダイナマイツ。アタイがライムaka!」

 

 ワァァァァァァ‼︎

 

 ライムはポケットから金色のマイクを取り出すと、歩いてステージに上がってきた。そして、ライムはマイクを口に向けると、歌を歌い始め、ライブ会場に置かれているスピーカーから音楽が流れてくると、広場にいる人たちは、ライムの歌にリズムを合わせて歌い始めた。

 

 MCカマー「オーケー。それじゃあライブ恒例、飛び入りタイムだ!」

 

 ライム「さぁ、誰がアタイとバトルして、このステージを熱くしてくれるんだい?」

 

 スッ(手を挙げる)

 

 ロイ「はい!」

 

 ライム「ん?」

 

 ロイ「テラスタル研修を受けにきたロイです!ライムさんの応用テストを受けにきました!」

 

 ライム「へぇ〜、応用テストを受けに来る研修生がいるとは聞いてたけど、まさかアンタとはね。面白くなりそうだ。ステージに上がってきな」

 

 ロイ「はい!行こうホゲータ」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ライムがひと通り歌い終えると、ライブ恒例の、ライムとバトルができる飛び入りタイムというのが始まった。そしてライムが、誰がこのステージを熱くしてくれるんだい?と言うと、ロイが手を上に挙げて、ライムに応用テストを受けにきたと説明し、ライムがステージに上がってきなと言うので、ロイとホゲータはステージに上がって行った。

 

 フリッジタウン・ライブ会場のバトルフィールド

 

 ライム「2人とも、久しぶりだね」

 

 ロイ「はい。あっ、そう言えば僕たち、あのあとコノヨザルに会いました」

 

 ライム「そりゃよかった。きっと、アンタたちのバイブスが惹かれあったんだね。…っで、アタイの応用テストを受けたいのかい?」

 

 ロイ「はい!もちろん!」

 

 ライム「オーケー…と言いたいところだけど、ここはアタイのライブステージ、簡単には応用テストを受けさせないよ」

 

 ロイ「えっ?」

 

 ライム「応用テストを受けたいなら、アタイとのラップバトルで、この会場を熱くさせるのが条件だ!」

 

 ロイ「えぇ〜っ、ラップバトル⁉︎」

 

 ライム「せいぜい盛り上げてもらうよメーン!カモンミュージック!」

 

 ♫♫♫(音楽が流れ始める)

 

 リコ「ラップバトル?」

 

 ロイ「ロイ、そんなことできるの?」

 

 シンヤ「歌を歌うならまだしも、ラップバトルは…分からんな」

 

 テラスタル研修の応用テストを受けたないなら、自分とのラップバトルで、会場を熱くさせるのが条件だとライムから言われると、ロイは驚いていた。もちろん、ロイはラップバトルなどしたことがない。しかし、ライムに応用テストを受けてもらうためには、ライムとのラップバトルは避けては通れない。

 

 ロイ「よ〜し、応用テストを受けてもらうためにもやってやる!」

 

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 スチャ(ホゲータがサングラスをかける)

 

 ライム「(♫♫♫)アタイとのラップバトルにアンタが挑戦、相手がおこちゃまじゃ勝ったも当然、恥かく前にさっさと帰んな、パンチの足りないガッカリチャレンジャー」

 

 ロイ「(♫♫♫)見せてあげるよマジのテラスタル、ピカピカイケイケガチでイカしてる、信じた道がベストな選択、どんなバトルでもテスト合格だ!」

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ワァァァァァ‼︎

      

 ライム「ハハハッ、やるじゃないか。オーケー、応用テストを受けようじゃないか」

 

 ロイ「やった!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 どうやら、ロイとライムのラップバトルで、この会場にいる人たちは熱く盛り上がったようだ。そして、さっきライムが言ったように、この会場が熱く盛り上がったことで、ロイが応用テストを受ける条件をクリアしたことになるので、ライムは応用テストを受けてくれるようだ。

 

 ライム「1つ聞きたいことがある。アンタにとって、テラスタルとはなんだい?」

 

 ロイ「…僕にとってテラスタルは、僕の夢に、黒いレックウザに近づくために必要なんです!」

 

 ライム「それは魂が震えるほどの険しい道だね」

 

 スッ(モンスターボールを構える)

 

 ライム「アンタが本気でその道に進む覚悟があるか、このバトルで試させてもらうよ!」

 

 ビュン(モンスターボールを投げる)

 

 ポーーン

 

 ハカドッグ「ドッグゥ!」

 

 ロイ「ハカドッグ!」

 

 ロイの夢。それはシンヤたちも知っての通り、六英雄のレックウザをゲットするという夢だ。しかし、その道がどれほど険しく、困難な道なのか、それはライムも分かっている。だからこそ、ライムはロイが本気でレックウザのいる道に進む覚悟があるか、これから始める応用テストで見極めようとしていた。そして、ライムが投げたモンスターボールから出てきたのは、以前ライムと一緒にいたハカドッグだった。

 

 

 ライム「応用テストはポケモンを必ず2体使用する。それは知ってるね?」

 

 ロイ「はい!まずはタイカイデンだ!」

 

 ポーーン

 

 タイカイデン「カァァイッ!」

 

 ライム「へぇ、あの時のカイデンが進化したんだね。じゃあ早速、応用テストを始めようか!」

 

 MCカマー「両者、準備はいいな?それじゃ、バトルスタート!」

 

 ロイとライムが互いにポケモンをバトルフィールドに出すと、MCカマーの合図で、いよいよロイの応用テストが始まった。

 

 ロイ「タイカイデン、「スパーク」だ!」

 

 タイカイデン「カァァァイッ‼︎」

 

 ライム「ハカドッグ、かわしな!」

 

 ハカドッグ「ワァンッ!」

 

 バッ(タイカイデンの攻撃をかわす)

 

 シンヤ「攻撃は避けられたが、タイカイデンに進化したことで、カイデンの時よりスピードが上がってるな」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 ロイ「タイカイデン!連続で「スパーク」だ!」

 

 タイカイデン「カァァァイッ‼︎」

 

 ライム「ハカドッグ!「ゴーストダイブ!」」

 

 ハカドッグ「ワァンッ!」

 

 シューン(ハカドッグが消える)

 

 応用テストがロイの先行で始まると、ロイはタイカイデンに「スパーク」を指示した。タイカイデンは体に電気を纏うと、ハカドッグに突っ込んで行ったが、タイカイデンの攻撃はハカドッグにかわされてしまう。そして、タイカイデンは連続で「スパーク」を発動し、ハカドッグに攻撃をするが、それをことごとくかわされてしまい、ライムが「ゴーストダイブ」の指示を出すと、ハカドッグは自分の影の中に潜ってしまう。

 

 シュン(ハカドッグが姿を現す)

 

 ドォォォォン!

 

 タイカイデン「カァァァイッ⁉︎」

 

 ロイ「タイカイデン、空に逃げて!」

 

 ライム「逃がさないよ!ハカドッグ!「かみなりのキバ!」」

 

 ハカドッグ「ワァァァンッ!」

 

 ガキンッ!

 

 タイカイデン「カァァァイッ⁉︎」

 

 ハカドッグが影の中に潜ると、攻撃対象を見失ったタイカイデンは、影の中に潜ったハカドッグがどこから現れるのか警戒していた。すると、ハカドッグはタイカイデンの後ろから現れ、そのままタイカイデンに攻撃してダメージを与えた。ロイはタイカイデンに空に逃げるように指示を出したが、その前にハカドッグの「かみなりのキバ」がタイカイデンに直撃してしまい、効果抜群の攻撃を受けたタイカイデンは倒れてしまう。

 

 タイカイデン「カァァ…イ」

 

 MCカマー「タイカイデン、戦闘不能!」

 

 シュルルーン

 

 ロイ「ありがとうタイカイデン」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ロイ「うん、頑張ろうホゲータ!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 早くもタイカイデンが倒されてしまい、これでロイは後がなくなってしまった。しかし、ロイとホゲータは諦めておらず、ロイがタイカイデンをボールに戻すと、ホゲータがバトルフィールドの中に入って行く。

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ライム「いよいよご登場だね。あの日に感じたアンタの可能性、今ここで見せてもらおうじゃないか」

 

 ロイ「ホゲータ、さっきと同じようにいくよ」

 

 ホゲータ「ホンゲゲッ!」

 

 ロイ「た、ち、上がれ!負けるなホゲータ頑張れ〜」

 

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホッホッゲッ!」

 

 ドット「出た、ロイの必勝パターン」

 

 リコ「これなら勝てるかも!」

 

 シンヤ・ネモ「「……」」

 

 ライム「MCカマーの時と同じ戦法だね。ハカドッグ、「こわいかお!」」

 

 ハカドッグ「ワァァァドッグ!」

 

 MCカマーとバトルとした時のように、ホゲータとロイが歌を歌い始めると、ハカドッグは「こわいかお」をして、ホゲータのスピードを下げようとした。しかし、歌っているホゲータには、ハカドッグの「こわいかお」は効いていないようだ。

 

 ロイ「ホゲータ!「ニトロチャージ!」」

 

 ホゲータ「ホッオォォーーゲッ!」

 

 ライム「ゴーストダイブ!」

 

 ハカドッグ「ワァンッ!」

 

 シューン(ハカドッグが消える)

 

 ホゲータ「ホンゲッ⁉︎」

 

 シュン(ハカドッグが姿を現す)

 

 ハカドッグ「ハカドッ!」

 

 ロイ「振り返って「かえんほうしゃ!」」

 

 ホゲータ「ホッ、ゲェーーーッ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 ハカドッグ「ワァァァン⁉︎」

 

 バタンッ!(ハカドッグが倒れる)

 

 MCカマー「ハカドッグ戦闘不能!これで1対1だ」

 

 ライム「サンキュー、ハカドッグ。ボールに入って休んでな」

 

 シュルルーン

 

 ホゲータが「ニトロチャージ」を発動し、体に炎を纏ってハカドッグに突っ込んでくると、ハカドッグは「ゴーストダイブ」を発動し、自分の影の中に姿を隠した。そして、姿を消したハカドッグは、ホゲータの後ろから現れ、そのままホゲータを攻撃しようとしたが、ロイの指示を受けたホゲータは、振り返って「かえんほうしゃ」を放った。そして、ホゲータの「かえんほうしゃ」を受けたハカドッグが戦闘不能になると、ライムはハカドッグに労いの言葉をかけ、ハカドッグをモンスターボールに戻した。

 

 ロイ「やった!また勝ったよホゲータ!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ロイ「やっぱり僕たち、一緒に歌うと最強だ!」

 

 ホゲータ「ホンゲゲッ!」

 

 ライム「歌うと最強か、自信満々だね。…さっきとは別の質問を聞こうか」

 

 ロイ「えっ?」

 

 ライム「アンタにとって、《歌》ってなんだい?」

 

 ロイ「えっ、歌?…歌?…え〜と」

 

 ライム「答えづらいかい?なら質問を変えようか。アンタとホゲータは、何のために歌うんだい?」

 

 ロイ「それは…」

 

 歌うと最強、ロイからその言葉を聞いたライムは、ロイにとって、歌とは何かと質問した。しかし、ライムのその質問に、ロイはすぐに答えられず、いい答えが浮かばなかったようだ。すると、ライムは質問を変えて、何のために歌うのか、その理由をロイに聞いてきた。

 

 ロイ「それは…強くなるため、勝つためです!」

 

 ライム「…オーケー、よく分かった。出ておいで、《ストリンダー》!」

 

 ポーーン

 

 ストリンダー(ローな姿)「ストォーーッ!」

 

 シンヤ「やはり最後はストリンダーか…」

 

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 

 何のために歌うのか、その理由の答えをロイから聞くと、ライムはモンスターボールを取り出し、それを宙に投げると、パンクポケモンのストリンダー、ローな姿を繰り出した。

 

 リコ「ゴーストタイプじゃない…」

 

 シンヤ「その理由は、リコは分かってるだろ」

 

 リコ「うん」

 

 ライム「アンタたちの歌と、アタイのストリンダーのサウンド。どっちが勝つか楽しみだね」

 

 ロイ「絶対に僕たちが勝って、応用テストを合格する!た、ち、上がれ!負けるなホゲータ頑張れ〜」

 

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホッホッゲッ!」

 

 シンヤ「また同じ戦法か」…(果たして、それで勝てるかどうか…)

 

 ネモ「…」

 

 ライムはゴーストタイプのスペシャリストだが、ストリンダーはゴーストタイプではない。それが何を意味するのか、リコも薄々勘づいていた。そして、ストリンダーがバトルにフィールドに現れると、ロイとホゲータはまた歌い出し、同じ戦法をした。しかし、ロイとホゲータが歌い出すと、シンヤとネモは険しい表情をした。

 

 ロイ「ホゲータ!「かえんほうしゃ!」」

 

 ホゲータ「ホッオォ、ゲェーーーッ‼︎」

 

 ライム「ストリンダー!「オーバードライブ!」」

 

 ストリンダー(ローな姿)「ロォロロロロロ‼︎」

 

 バシィン!

 

 ロイがホゲータに「かえんほうしゃ」を指示すると、ホゲータは「かえんほうしゃ」をストリンダーに放ったが、ストリンダーは胸で電気を起こして「オーバードライブ」を発動すると、ホゲータの「かえんほうしゃ」を防いだ。

 

 ロイ「だったら「じたんだ!」」

 

 ホゲータ「ホゲゲ、ホゲゲ、ホゲゲ、ホーーッ!」

 

 ライム「ストリンダー!「オーバードライブ!」」

 

 ストリンダー(ローな姿)「ロォロロロロロ‼︎」

 

 バシィン!

 

 ドット「「じだんだ」まで防がれた⁉︎」

 

 「かえんほうしゃ」が防がれると、ホゲータは足踏みをして「じだんだ」を発動した。すると、バトルフィールドの一部の破片がストリンダーに飛んで行ったが、それも「オーバードライブ」によって防がれてしまった。

 

 ロイ「だったら「ニトロチャージ!」」

 

 ホゲータ「ホッゲェェーーッ!」

 

 ライム「ストリンダー!「ばくおんぱ!」」

 

 ストリンダー(ローな姿)「ストオォーーーッ!」

 

 ホゲータ「ホンゲッ⁉︎」

 

 ロイ「ホゲータ!」

 

 リコ「どうしてホゲータの攻撃が通じないの⁉︎」

 

 シンヤ「ストリンダーの特性は、音を使った技の威力が上がる《パンクロック》っていう特性なんだ。だから、「オーバードライブ」や「ばくおんぱ」といった音の技とは、相性がめちゃくちゃいいんだ」

 

 リコ「そんな」

 

 ライム「どうしたんだい?アンタたちは強くなるために歌ってるんだろう?」

 

 ロイ「クッ…」

 

 ホゲータ「ホンゲッ…」

 

 ロイ「まだだ、ホゲータ、一緒に歌おう」

 

 ホゲータ「ホンゲッ!」

 

 ロイ「た、ち、上がれ!負けるなホゲータ頑張れ〜」

 

 ホゲータ「ホッ、ホッ、ホッホッゲッ!」

 

 ロイ「ホゲータ!「チャームボイス!」」

 

 ホゲータ「ホッオオオ、ゲ〜〜〜‼︎」

 

 ストリンダー(ローな姿)「ストオォ〜〜」

 

 ホゲータの技がことごとく破られ、ライムに煽られたロイだが、まだ勝負を諦めておらず、再びホゲータと一緒に歌い出した。そして、ロイがホゲータに「チャームボイス」の指示を出すと、ホゲータは「チャームボイス」をストリンダーに発動したが、ホゲータの「チャームボイス」を食らったストリンダーは、あくびをしていた。

 

 リコ「ストリンダー、全然効いてないって顔をしてる」

 

 シンヤ「だろうな。ストリンダーの特性パンクロックは、音の技の威力を上げるだけじゃなく、音の技で受けるダメージを減らすんだ。そのうえ、フェアリー技の「チャームボイス」は、どくタイプのストリンダーにはあまり効果がない」

 

 リコ「そんな…」

 

 ドット「これじゃあ打つ手がない」

 

 ロイ「だったらこれだ!」

 

 スッ(テラスタルオーブを取り出す)

 

 ライム「ッ!」

 

 リコ「あっ、そっか!」

 

 ドット「まだテラスタルが残ってた!」

 

 シンヤ「…」

 

 ホゲータの覚えている全ての技がストリンダーに通じないため、万事休すかと思われたその時、ロイはテラスタルオーブを取り出した。そして、ロイがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが満タンになると、ロイはホゲータに向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはホゲータの頭上でエネルギーを解放すると、ホゲータは結晶石に身を包み込んだ。そして、結晶石が弾け飛んだ時、そこには全身がクリスタル化し、頭にシャンデリアを模した王冠を被るホゲータがいた。

 

 (ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホォォォゲェェーッ‼︎」

 

 ライム「苦し紛れにテラスタルする。それがアンタの、レックウザへの道かい?」

 

 ロイ「ッ!」

 

 シンヤ(確かにな。ロイ、苦し紛れにテラスタルしたって、それで勝てるほどライムさんは甘くないぜ)

 

 ライムの言うことはもっともだった。今この状況でテラスタルしても、本当にポケモンバトルを知っている者が見れば、ロイが苦し紛れにテラスタルを使っていることなど一目瞭然。…そして、それはシンヤも同じようだ。

 

 ライム「そんなバイブスじゃ、アタイたちには勝てないよ!ストリンダー!「オーバードライブ!」」

 

 ストリンダー(ローな姿)「ロォロロロロロ‼︎」

 

 ロイ「ホゲータ!「かえんほうしゃ!」」

 

 (ほのおテラスタイプ)ホゲータ「ホオォォォ、ゲェェーーーッ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 ホゲータ「ホッゲェェ⁉︎」

 

 ロイ「ホゲータ!大丈夫?」

 

 ホゲータ「ホッ…ゲェ…」

 

 テラスタルしたことで、ホゲータの「かえんほうしゃ」の威力は上がっていた。しかし、ライムのストリンダーの「オーバードライブ」の威力は、テラスタルしたホゲータの「かえんほうしゃ」以上の威力だったようだ。そして、ストリンダーの「オーバードライブ」が「かえんほうしゃ」を粉砕すると、ストリンダーの攻撃がホゲータに命中すると、ホゲータは戦闘不能になり、テラスタル化も解除されてしまう。

 

 ロイ「負けた…なんで?」

 

 ライム「(♫♫♫)歌を忘れたトレーナーとは、リズムの合わないパートナー」

 

 ロイ「それって、僕のことですか?」

 

 ライム「この子の熱いバイブスを、アンタは引き出せていない。それじゃあ、アンタはこの子のパートナー失格だね」

 

 ロイ「ホゲータの…パートナー失格」

 

 ライム「それと、応用テストは不合格」

 

 ロイ「ッ!」

 

 ロイはライムから、ホゲータの力を活かせていないと言われると、「ホゲータのパートナー失格」の烙印を押され、応用テストも失格と言い渡されてしまう。その言葉をライムから聞くと、ロイは落胆した表情を浮かべる。

 

 ライム「魂洗って出直してきな」

 

 ロイ「えっ?」

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 ホゲータのパートナー失格の烙印を押され、応用テストの不合格をライムから言い渡されたロイ。しかし、その後ライムから、2度目の応用テストを受けるチャンスが与えられ、夜のライブでライムに再挑戦すると決めたのだった。そして、ネモからの提案で、ロイはすごいとっくんをすることになったのだが、特訓が終わった後、リコはロイから、ロイがなぜ歌が好きなのか訊ねられる。

 

 次回「ロイとホゲータの歌」

 





 tatuさん、10星評価ありがとうございます。
 
 投稿が遅れてすいません。2〜4日の3連休のうちに、小説を書いて投稿しようと思っていたのですが、ポケモンHOMEのソフト図鑑、シンオウ図鑑を埋めていたため、小説の投稿が少し遅れてしまいました。

 ZAが発売された時、またポケモンを集めるのが大変なので、今のうちにやっておきたいと思ったので、ポケモンを集めていました。

 そして12月28日からは、ソードでポケモンを集めるので、また小説の投稿が遅れるかもしれません。12月28日〜1月5日の間に、ソードでポケモン集めを終えるつもりです。

 最後にもう1つ、今年の年越しまでには、テラスタルデビュー編を終わらせるつもりですので。
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