ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
ドットとロイが応用テストに合格したので、残すはリコの応用テストだけとなった。そしてシンヤたちは、リコの担当ジムリーダーである《グルーシャ》がいる、ナッペ山ジムに向かっていた。
ナッペ山ジム道中
ドット「ハァ、ハァ、寒い、疲れた」
ロイ「シンヤ、道はこっちであってるの?」
シンヤ「ああ、あと10分も歩けば、ナッペ山ジムに着く」
ピカチュウ「ピィカッ」
ドット「10分も⁉︎…あ…あ…あぁ…」
バタン(ドットが倒れる)
ロイ「えっ?」
リコ「ドット?」
シンヤ「いきなり倒れてどうした?」
ドット「もう無理!これ以上歩けない!僕は…ここで一生を終える」
ロイ「ええっ⁉︎」
ドット「ぐるみんも今日で終わりだ……今まで応援してくれたみんな…ありがとう」
リコ「駄目だよドット!ぐるみんが無くなったら、私は何を楽しみにして生きていけばいいの!」
ロイ「そうだよ!ぐるみんが無くなったら、僕だって悲しいよ!」
シンヤ「……」
あと10分歩くだけでナッペ山ジムに着くというのに、ドットが大袈裟なことを言ったことで、リコとロイは、ドットがここで一生を終えると本気で思ってしまっていた。そんな3人の様子を見ていたシンヤは、いったい俺は何を見せられているんだと、心の中でそう思っていた。
???「アーーッ」
ドット「あぁ…なにか幻が見える。…天国から僕を迎えに来たのか?」
シンヤ「あれ?ドット、自分が天国に行けると思ってるのか?」
ガバッ(ドットが勢いよく立ち上がる)
ドット「どういう意味だよ!」
シンヤ「立ち上がるが元気あるじゃん。…それに、あれはお前のお迎えじゃなくて、ただのポケモンだぞ」
ドット「えっ?」
リコ「わぁ!」
ロイ「すごい!」
アルクジラ「アールッ!」
アルクジラの背中に乗ってる人「イヤッホ〜!」
ドットが雪の上で仰向けになって倒れていると、天国から迎えが来たと言うので、自分が天国に行けると思っているのかとシンヤが言うと、その言葉にムカついたのか、ドットは勢いよく立ち上がると、大声でシンヤに怒鳴った。すると、リコとロイが目をキラキラさせながら後ろを見ているので、ドットは後ろを振り向いた。そこにいたのは、りくくじらポケモンの《アルクジラ》が、背中に人を乗せて滑っている姿だった。
ドット「何あれ⁉︎」
シンヤ「ああ、あれは《アルクジラ滑り》だ」
ロイ「アルクジラ滑り!」
シンヤ「ああ。ああやって訓練された、アルクジラと呼ばれるポケモンの背中に乗って、ゲレンデを滑り下りるんだ。このナッペ山では、アルクジラ滑りがブームだからな」
リコ「アルクジラ」スッ(スマホロトムを取り出す)
アルクジラ りくくじらポケモン こおりタイプ。
はるか昔に海から上がって、陸地で暮らすようになった。寒冷地で、5匹ほどの群れを作って暮らす。
リコ「へぇ〜」
ロイ「楽しそう!僕もやってみたい!」
シンヤ「それは後でな。とりあえず、先にナッペ山ジムに行かないと」
アルクジラ滑りのことをシンヤから聞くと、いつもの好奇心が目覚めたのか、アルクジラ滑りをしたいとロイが言い出した。しかし、ナッペ山に来た目的は、リコが応用テストを受けるためなので、シンヤたちはナッペ山ジムに向かった。
ナッペ山ジムの前
ドット「ハァ〜、疲れた」
シンヤ「たかが10分歩くだけで大げさだなー」
ウィーン(扉が開く音)
ロイ「あっ、リコが出てきたよ」
シンヤ「おっ、早速応用テストを始めるのか?」
リコ「それが、まだ応用を始める準備ができてないから、少し待っててくれって」
ロイ「だったさ、アルクジラ滑りをやろうよ!」
ドット「おっ、いいね!」
リコ「でも…これから応用テストがあるし」
リコの応用テストの準備ができていないため、準備ができるまで、アルクジラ滑りをやろうとロイが言い出すと、珍しくドットが食いついた。しかし、これから応用テストをやるリコは、これから応用テストがあるからと、あまり乗り気ではない様子だった。
ニャローテ「ニャ〜✨」
テラパゴス「パ〜ゴ✨」
リコ「えっ?」
シンヤ「ニャローテとテラパゴスは、アルクジラ滑りをやりたいみたいだな」
リコ「ニャローテ、テラパゴス、そうなの?」
ニャローテ「ニャッァ!」
テラパゴス「パ〜ゴ!」
リコ「…じゃあ、少しだけやろうか」
ニャローテ「ニャッァ!」
テラパゴス「パ〜ゴ!」
ニャローテとテラパゴスが目をキラキラさせながら、アルクジラ滑りをやりたそうな顔をしてリコを見ると、じゃあ少しだけならとリコが言うので、シンヤたちはリコの応用テストの準備ができるまで、アルクジラ滑りをすることにして、アルクジラ滑りの受付をしている小屋に行き、アルクジラを4匹レンタルすると、ナッペ山のゲレンデにやってきた。
ナッペ山・ゲレンデ
ロイ「ヒャッホ〜!」
ホゲータ「ホッゲ〜!」
ドット「わわっ!意外と速い!」
ウェルカモ「ウェール!」
ロイ「ハハハハッ!」
ドット「アハハハハッ!」
ナッペ山のゲレンデにやってくると、ロイとドットはアルクジラの背中に乗り、早速ゲレンデを滑り降りって行った。2人とも、アルクジラ滑りをやるのは初めてだというのに、ロイはいとも簡単にアルクジラを乗りこなし、ホゲータと一緒にアルクジラ滑りを楽しんでいた。そしてドットは、ウェルカモにサポートしてもらいながらアルクジラを乗りこなすと、アルクジラ滑りを楽しんでいた。
シンヤ「よし、俺たちも行くか」
リコ「う、うん。…よ〜し!えいっ!」
ザザァァ(アルクジラで滑る)
リコ「キャ〜!」
ニャローテ「ニャッァ〜!」
テラパゴス「パ〜ゴ!」
シンヤ「リコ、目をつぶってないで前を見ろよ。いい眺めだぜ」
ピカチュウ「ピィカ!」
リコ「えっ?……わぁ!きれ〜い!」
ロイとドットがアルクジラの背中に乗り、ゲレンデを滑り降りていくと、シンヤとリコもアルクジラの背中に乗り、ゲレンデを滑り降りた。ニャローテとテラパゴスはアルクジラ滑りを楽しんでいるようだが、思ったよりアルクジラが滑るスピードが速いせいか、リコは目をつぶっていた。しかし、シンヤに目を開けて前を見ろと言われると、リコは閉じていた目を開けて前を見た。目を開けた先に広がっていたのは、ここに来るまでに歩いてきた、雪原の美しい景色だった。
テラパゴス「パ〜ゴ!」
ズズッ(鞄が前に傾く)
リコ「あっ、テラパゴス!」
アルクジラ「アーーッ!」
リコ「あ、ありがとう。アルクジラ」
ゲレンデを滑っているアルクジラの背中の上で、雪原の美しい景色を見たテラパゴスは、自分が入っている鞄を揺らしながら、アルクジラ滑りを楽しんでいた。すると、テラパゴスの入っている鞄が前に傾いてしまい、アルクジラから落ちそうになってしまう。しかし、咄嗟にアルクジラが顔を上に向けてくれたおかげで、テラパゴスは落ちずに済み、テラパゴスの入っている鞄はリコの手の中に戻った。
シンヤ「リコ!ちゃんと前を見ろ!」
リコ「え?…あっ!」
ユキハミ「ハミハミ」
テラパゴスのことに気を取られて前方を見ていなかったリコは、シンヤに前を見ろと言われたので、前方を確認した。リコたちの前方にいたのは、地面に積もっている雪を食べている、いもむしポケモンの《ユキハミ》の群れだった。
リコ「ぶつかっちゃう!」
アルクジラ「アーーッ!」
ググっ(アルクジラが方向を変える)
リコたちの乗ってるアルクジラが、積もっている雪を食べているユキハミたちにぶつかるかと思われた時、訓練されたアルクジラは機転を利かせ、ユキハミたちにぶつからないようにゲレンデのコースを逸れると、左の道に滑っていった。
リコ「危なかった」
ニャローテ「ニャッァ!」
リコ「えっ?」
アルクジラが機転を利かせてくれたおかげで、リコたちはユキハミたちにぶつからずに済んだが、リコたちの乗っているアルクジラはゲレンデのコースを逸れると、急斜面を真っ直ぐ滑っていた。しかし、リコたちの乗っているアルクジラの前方には、大きな木が立っていた。
リコ「わぁ〜!」
ニャローテ「ニャッァ!」
パッ(つぼみを木の枝に向かって投げる)
パシッ(つぼみを木の枝に巻きつける)
リコ「うわっ!」
リコたちの乗っているアルクジラが、目の前に立っている木にぶつかりそうになると、ニャローテはつぼみを目の前に立っている木の枝に巻きつけ、つぼみを引っ張ってアルクジラの方向を変えると、アルクジラが木にぶつかるのを防いだ。しかし、リコたちが乗っているアルクジラの前方には、まだまだたくさんの木が立っていたため、ニャローテはつぼみを連続で木の枝に投げつけると、滑っているアルクジラの方向を変えて、アルクジラと木が激突するのを防いだ。しかし、ニャローテがアルクジラの方向を変えて木にぶつからないようにしても、リコたちの乗っているアルクジラは急斜面を滑っているため、アルクジラのスピードはどんどん上がっていき、もはやアルクジラも、自分で自分を止めることができなかった。
リコ「止まらない〜!」
ニャローテ「ニャッァ!」
リコ「嘘⁉︎今度は崖⁉︎キャ〜!」
リコたちが乗っているアルクジラがどんどんスピードを上げて急斜面を滑って行くと、その前方は崖になっていて、リコたちは崖下に落ちそうになった。すると、ニャローテは前方に立っている木の枝につぼみを巻きつけると、木の枝に飛び移って行き、木の枝に積もっている雪を崖近くの地面に落としていった。そして、ニャローテが落とした雪が重なって積もったおかげで、リコが乗っているアルクジラは積もった雪にぶつかると、雪がクッションになってくれたおかげで、崖下に落ちずに済んだようだ。
リコ「ふぅ〜、危なかった。ありがとうニャローテ」
ニャローテ「ニャッァ!」
ザザァ!
シンヤ「リコ!大丈夫か?」
ピカチュウ「ピィカァ?」
リコ「うん。でも、あとちょっとで崖に落ちそうになったけど」
シンヤ「崖?…でも、これなら落ちても大丈夫な深さだろ?」
リコ「え?」
リコがニャローテに助けてくれたお礼を言うと、そのタイミングで、アルクジラに乗って滑ってきた、シンヤとピカチュウがやってきた。そして、シンヤがリコの安全を確認すると、リコが崖に落ちそうになったと言うので、シンヤは目の前の崖を確認した。…しかし、シンヤとリコの目の前にあるのは、そこまで深くない崖だった。これなら落ちても問題なかったし、寧ろ落ちれば、リコの乗っているアルクジラは確実に止まっていただろう。
リコ「あっ…///」
シンヤ「ハハッ。まあ、リコたちに怪我がなくてよかったよ」
リコ「うん。来てくれてありがとう」
???「楽しかったかい?」
リコ「えっ?」
シンヤ「この声って!もしかして!」
ピカチュウ「ピィカッ!」
一時はどうなるかと思ったが、リコたちが無事であることを確認し、シンヤたちが笑い合っていると、後ろからシンヤたちに話しかけてきた人物がいた。その声の人物は、シンヤの思った通り、リコの担当ジムリーダーであり、このナッペ山のジムリーダーである《グルーシャ》の声だった。そして、そのグルーシャの隣には、グルーシャのポケモンである、アルクジラが立っていた。
リコ「グルーシャさん」
グルーシャ「応用テストの前に遊んでるなんて、随分余裕があるんだね」
リコ「えっ?」
シンヤ「それは誤解ですよ、グルーシャさん」
ピカチュウ「ピィカッ」
グルーシャ「ん?」
リコ「シンヤ」
シンヤ「リコは応用テストに向けて準備をしようとしてましたけど、リコのポケモンや友達が、アルクジラ滑りをやりたそうだったから、少しだけやろうってことになったんですよ」
傍から見れば、確かにリコたちが遊んでいるように見えるが、シンヤの言う通り、リコは応用テストに向けて準備をしようとしていて、ニャローテやテラパゴス、ロイやドットがアルクジラ滑りをやりたそうだったから、リコは少しだけアルクジラ滑りをやっていただけだ。しかし、それがどうやらグルーシャには、リコたちが遊んでいただけに見えたようなので、シンヤはリコのために、一応グルーシャに弁明した。
グルーシャ「そう。…オレンジアカデミーで、アンタと《スグリ》ってトレーナーのポケモンバトルを見た」
シンヤ「えっ?」
グルーシャ「アンタ、以前に僕と戦った時より、更に強くなってるね」
シンヤ「ありがとうございます」
グルーシャ「それと、クラベル校長から聞いたんだけど、アンタ、今その子と一緒に旅をしてるらしいね」
シンヤ「はい、そうですけど」
グルーシャ「…アルクジラ、行くよ」
アルクジラ「アル!」
シンヤの説明を聞いても、グルーシャは何の興味もないのか、オレンジアカデミーでシンヤとスグリがポケモンバトルをしたのを見たと言うと、シンヤが更に強くなっていると言って、シンヤを褒めてくれた。すると、グルーシャはアルクジラを連れてどこかに行ってしまう。そして、その場に残されたシンヤたちは、ロイとドットと合流すると、レンタルしたアルクジラたちを返すために、アルクジラ滑りの受付をしている小屋に向かった。
アルクジラ滑りの受付をしている小屋
ドット「アルクジラを返しに来ました」
ロイ「すっごく楽しかったよ!」
店の店主「そうか。また来てくれ」
リコ「…」
シンヤ「リコ、どうした?」
リコ「うん…グルーシャさんの言ってた通り、応用テストの前なのに、遊んでてよかったのかなって…」
シンヤ「リコがやろうって言い出した訳じゃないんだから、気にしなくていいと思うよ。俺と初めて会った時も、グルーシャさんあんな感じだったし」
リコ「そう…なんだ。…あれ?この本って?」
シンヤ「本?」
さっきグルーシャに言われた事をリコが気にしていたので、シンヤはリコに、グルーシャはああいう人だからと言うが、真面目な性格であるリコには、さっきのグルーシャの言葉が心に刺さってしまったようで、リコは俯いていた。すると、リコはアルクジラ滑りの受付をしている店に置いてある、グルーシャが写っている雑誌に気づいた。そして、グルーシャが写っている雑誌の近くには写真立てが置いてあり、店の店主とグルーシャが一緒に写っている写真が入っていた。
リコ「これって、グルーシャさんだよね?」
店の店主「ああ。その雑誌は、グルーシャがスノーボード大会で優勝した時の記事だよ」
ロイ「グルーシャさんって、スノーボーダーなんだ!」
店の店主「今は引退して、ジムリーダーをやってるけどな」
ロイ「えっ?そうなの?」
リコ「…写真に写ってるグルーシャさん、さっきと雰囲気が全然違う」
店の店主「ああ、あんな事があってから、グルーシャは、自分にも相手にも人一倍厳しくなったからな」
ドット「あんなこと?」
店の店主「グルーシャは、ある年の大会で足を怪我してな。それで、スノーボーダーを引退したんだ」
リコ・ロイ・ドット「「「えっ⁉︎」」」
写真に写っているグルーシャは、爽やかで熱血な感じが溢れ出ているが、今のグルーシャは、全てを凍らせるような絶対零度の瞳で、写真に写っているグルーシャとは思えない程の、別人のように見える。すると、アルクジラ滑りの受付をしている店の店主が、グルーシャの過去をシンヤたちに話し始めた。グルーシャは若くして、数多くの大会を優勝した天才スノーボーダーだったらしい。しかし、ある年の大会で、スノーボードで滑っている時、野生のアルクジラが急に前を飛び出してきて、グルーシャはアルクジラとの衝突を避けるために、体を思いっきり曲げて、アルクジラとの衝突を防いだらしい。しかし、その時に足を怪我してしまい、グルーシャはスノーボーダーを引退したようだ。…だが、グルーシャは挫けることはなく、今度はポケモントレーナーの道を進み、やがてナッペ山ジムのジムリーダーにまで登り詰め、パルデア地方最強のジムリーダーと呼ばれるようになったのだと。…ちなみに、シンヤはグルーシャがスノーボーダーだという事を知っていたが、引退した理由は知らなかった。
リコ「グルーシャさんに、そんな過去が…」
店の店主「ああ。スノーボーダーを引退しても、ジムリーダーとしてちゃんと結果を出したんだ。大したヤツだよ」
シンヤ「…もしかして、さっきグルーシャさんと一緒にいた、あのアルクジラって…」
店の店主「ああ。さっきの話に出てきたアルクジラだ。グルーシャが怪我をした原因を作ったことをずっと気にしててな。グルーシャは気にしてなかったが、グルーシャがトレーナーになった時に、初めてゲットしたポケモンなんだ」
シンヤ「へぇ〜」
ロイ「優しい人なんだね、グルーシャさん」
店の店主「でも、まだスノボは滑れたんだがな」
シンヤ「えっ?ならどうして、スノーボーダーを引退したんですか?」
店の店主「自分が満足できる結果が出せなくなったからだろうな。グルーシャは何より結果にこだわり、自分にも相手にも厳しい男なんだ。だから、ナッペ山のジムリーダーになれたんだ。俺はそう思う」
リコ「厳しい……私、頑張る!グルーシャさんに認めてもらえるように!」
ロイ「そうだね!やれることを精一杯頑張らないと!」
ドット「今のリコの全てを、グルーシャさんに見せてやれ」
リコ「うん!ニャローテ、一緒に頑張ろう!」
ニャローテ「ニャッァ!」
店の店主からグルーシャの過去を聞き、グルーシャが自分にも相手にも厳しいと聞いたリコは、決意を固めた目をすると、グルーシャに認めてもらえるように、今の自分の全てをぶつかることを決めた。そして、リコのスマホロトムに、応用テストを始める準備ができたと連絡が来たので、シンヤたちはナッペ山ジムのバトルフィールドに移動した。
ナッペ山ジム・バトルフィールド
リコ「…」
バトルフィールド・観戦場所
ドット「リコー!」
ロイ「頑張れ〜!」
ホゲータ「ホゲッホゲッ!」
ウェルカモ「ウェール!」
テラパゴス「パーゴ!」
シンヤ「…」
ピカチュウ「ピィカッ」
スタッスタッ(アルクジラが歩いてくる)
シンヤ「あれ?このアルクジラって、さっきグルーシャさんと一緒にいた…」
応用テストを始める準備ができたと聞き、ナッペ山ジムにやってきたシンヤたち。リコがバトルフィールドのトレーナーゾーンに移動すると、シンヤたちは観戦場所に移動した。そして、ロイやドットたちが、リコを応援していると、さっきグルーシャと一緒に居たアルクジラが、シンヤたちの隣を歩いてきて、バトルフィールドの中央にやってきた。
リコ「えっ?」
アルクジラ「……アァ〜〜ッ、アル、アル、アル!」
リコ「え…えっと……」
アルクジラはバトルフィールドの中央に歩いてくると、突然リコの方を向き、険しい顔をしながらリコを見ていた。てっきりリコを威嚇しているかと思われたが、その数秒後に、アルクジラは笑顔になり、その場で踊りを始めた。
グルーシャ「アルクジラ、そんなところに居たのか。先に行くなと言っただろ」
アルクジラ「アァ〜〜!」
グルーシャ「はぁ〜、サムい」
急にアルクジラが踊り始めたことでリコが困惑していると、アルクジラのいるところにグルーシャがやってきた。そして、グルーシャはアルクジラの頭を優しく撫でると、サムいと言いながらバトルフィールドのトレーナーゾーンに移動し、アルクジラはバトルフィールドの中央から離れた。
グルーシャ「じゃあ、始めようか」
リコ「はいっ、お願いします!いくよニャローテ!」
ポーーン
ニャローテ「ニャッァ!」
グルーシャ「雪のように冷たい現実を教えてあげるよ」シュン(モンスターボールを投げる)
ポーーン
ドォォォンッ!
ハルクジラ「ハアァァーーールウッ‼︎」
ニャローテ「ニャッァ…」
リコとグルーシャが、それぞれのトレーナーゾーン立つと、お互いにモンスターボールを投げてポケモンを繰り出し、リコのモンスターボールからはニャローテが、グルーシャのモンスターボールからは、アルクジラの進化形である《ハルクジラ》が出てきた。
ロイ「何あのポケモン!」
シンヤ「《ハルクジラ》、アルクジラの進化形だよ」
ピカチュウ「ピィカッ」
ロイ「ハルクジラ」スッ(スマホロトムを取り出す)
ハルクジラ りくくじらポケモン こおりタイプ。 アルクジラの進化形。
強じんな筋肉と、分厚い皮下脂肪で体を守っている。
シンヤ「あのハルクジラは、体力と攻撃力が高い特徴のポケモン。それに、ニャローテに不利なこおりタイプを持ってる」
ドット「ああ、ニャローテには厳しい相手だな」
シンヤとドットは分かっていたが、グルーシャはこおりタイプを使うジムリーダーで、このパルデア地方の最強のジムリーダーだ。リコのニャローテとは相性が悪く、リコには厳しい相手と言えるだろう。
グルーシャ「では、バトルスタート!」
リコ「ニャローテ、「でんこうせっか!」」
ニャローテ「ニャッ、ニャッ、ニャッ!」
グルーシャの合図で、ついにリコたちの最後の応用テストが始まった。先行はリコたちからで、ニャローテは「でんこうせっか」を発動すると、ハルクジラに向かって駆け抜けっていき、ハルクジラの周りを走り回った。
シンヤ「なるほどな。ハルクジラは重量級のポケモンだから、スピードはそんなに高くない。ニャローテがあれだけ素早く移動すれば、ハルクジラのこおりタイプの技も当たらないし、ハルクジラを撹乱できる」
ロイ「流石リコ!」
ニャローテ「ニャッァァ‼︎」
ダァン!
ハルクジラ「ハルッ!」
リコ「効いてない⁉︎」
グルーシャ「ハルクジラ、「ふぶき!」」
ハルクジラ「ハアァァーールッ‼︎」
リコ「ニャローテ!「マジカルリーフ!」」
ニャローテ「ニャッァァーーッ‼︎」
ドガガガガッ!
ニャローテは「でんこうせっか」を発動し、ハルクジラの近くを走り回ると、自分のスピードに目が追いついていないハルクジラに後ろから攻撃した。しかし、ハルクジラはニャローテの攻撃を微動だにせず、口から「ふぶき」を発射してニャローテを攻撃してきた。すると、リコはニャローテに「マジカルリーフ」の指示を出し、ニャローテは「マジカルリーフ」で「ふぶき」を防いだ。
グルーシャ「アイススピナー!」
ハルクジラ「ハアァァーールゥーーッ‼︎」
バァァァァン!
ニャローテ「ニャァァッ⁉︎」
リコ「ニャローテ、大丈夫?」
ニャローテ「ニャッァ!」
ロイ「ハルクジラって、あんなに速く動けるの?」
シンヤ「いや、ハルクジラのスピードはそんなに速くない」
ドット「だったらどうして、ハルクジラはあんなに早く動けたんだ?」
シンヤ「その原因は、恐らくさっきの「ふぶき」だな」
ロイ・ドット「「ふぶき?」」
シンヤ「フィールドをよく見てみろ」
ロイ「えっ?……あっ!」
ハルクジラが「アイススピナー」を発動し、体を回転させてニャローテに突っ込んでくると、ニャローテは後ろに吹き飛ばされてしまう。しかし、ハルクジラは素早さがそんなに高くないポケモンのため、ハルクジラが素早く攻撃できたことに、ロイとドットは不思議がっていた。しかし、シンヤにはその理由が分かっているようで、ロイとドットにバトルフィールドを見ろと言った。そして、ロイとドットはバトルフィールドをよく見てみると、さっきハルクジラが「ふぶき」を発射した場所から、ニャローテが立っていた場所までが凍っていることに気づいた。
ロイ「足場が凍ってる!」
シンヤ「そう。それがハルクジラが速く動けた原因だ」
ドット「そうか、さっき「ふぶき」を発射した時にフィールドが凍ったから、足場が滑りやすくなってるんだ」
ロイ「だからハルクジラは、あんなに速く動けてたんだ」
リコ「ニャローテ戻って」
シュルルーン
リコ「お願いテブリム!」
ポーーン
テブリム「テブリッ!」
グルーシャ「ポケモンを交代して、流れを変えるつもりだね。でも無駄だよ。「つららばり!」」
ハルクジラ「ハアァァーールゥーーッ‼︎」
リコ「テブリム、「ねんりき!」」
テブリム「テエェェ〜〜ブゥ〜〜ッ!」
リコはバトルの流れを変えようと、ニャローテを一旦ボールに戻すと、テブリムを繰り出した。すると、グルーシャの指示で、ハルクジラは口から「つららばり」を発射した。しかし、テブリムは「ねんりき」を発動し、自分に向かって飛んできた氷のつららを操ると、「つららばり」をハルクジラに命中させた。
リコ「テブリム、その調子だよ」
テブリム「テブリッ!」
ハルクジラ「ハアァァーーーールゥッ‼︎」
ロイ「嘘⁉︎」
ドット「全く効いてないのか⁉︎」
リコ「だったら、「ぶんまわす!」」
テブリム「テエェェ〜〜〜ブリッ!」
グルーシャ「ハルクジラ!「アクアブレイク!」」
ハルクジラ「ハアァーーーーッ!」
ドガガガガガッ!
グルーシャ「ハルクジラ「アイススピナー!」」
ハルクジラ「ハアァァーールゥーーッ‼︎」
自分で発射した「つららばり」の攻撃を喰らっても、ハルクジラは全然効いていないと言っているのか、テブリムに大声を出して威嚇してきた。リコはテブリムに「ぶんまわす」の指示を出すと、テブリムは「ぶんまわす」を発動し、頭から垂れ下がったおさげのような房が黒くなっていった。すると、ハルクジラは「アクアブレイク」を発動し、体全体に水を纏うと、「ぶんまわす」を発動したテブリムとぶつかり合った。テブリムとハルクジラは、お互いに暫くの間は技をぶつけ合っていたが、グルーシャが「アイススピナー」の指示を出すと、ハルクジラは体に纏った水を凍らせ、そのまま「ぶんまわす」を発動しているテブリムに突っ込んできて、テブリムを吹き飛ばした。
リコ「テブリム!」
テブリム「テッ…ブッ」
リコ「ありがとうテブリム、ボールに戻って休んで」
シュルルーン
リコ「お願いニャローテ!」シュン(モンスターボールを投げる)
ポーーン
ニャローテ「ニャッァ!」
ハルクジラに吹き飛ばされたテブリムが戦闘不能になると、リコはテブリムにお礼を言い、テブリムを休ませるためにボールに戻し、最後のポケモンであるニャローテを繰り出した。
グルーシャ「…もう後がないね」
リコ(シンヤから聞いてたけど、グルーシャさんのハルクジラは守りが堅すぎる。普通に攻撃してもダメージを与えられないし)
グルーシャ「つららばり!」
ハルクジラ「ハアァァーールゥーーッ‼︎」(ハルクジラが口を大きく開ける)
リコ(はっ!「避けてニャローテ!」
ニャローテ「ニャッァ!」バッ
ハルクジラの守りが堅いため、普通に攻撃しても大きなダメージを与えられないと考えたリコは、どうやってハルクジラを攻撃すればいいかを考えていた。すると、グルーシャがハルクジラに「つららばり」の指示を出し、ハルクジラが口を大きく開けた時、リコはなにかを思いついたようで、ニャローテに攻撃をかわす指示を出した。
グルーシャ「逃げても無駄だよ。ハルクジラ、もう一度「つららばり!」」
ハルクジラ「ハアァァーールゥーーッ‼︎」(ハルクジラが口を大きく開ける)
リコ「今だ!ニャローテ、ハルクジラの口の中に向かって「マジカルリーフ!」」
ニャローテ「ニャァーーッ!」
バァァァン!
ハルクジラ「ハァァァ⁉︎」
リコ「よしっ!」
グルーシャ「へぇ」
シンヤ「ほぅ、考えたなリコ」
ドット「うん。体はどれだけ鍛えられても、口の中までは鍛えられないからな」
ハルクジラの体を覆う筋肉は堅すぎるため、普通に攻撃しても大したダメージを与えられない。しかし、さっきハルクジラが口を開けて「つららばり」を発射した時、リコはハルクジラの口の中に攻撃しようと思いつき、ニャローテに「マジカルリーフ」を指示し、ハルクジラの口の中に攻撃することに成功した。そしてリコの狙い通り、口の中に「マジカルリーフ」を喰らったハルクジラはもがいていて、その場に座り込んだ。
グルーシャ「ハルクジラ、戻って」
シュルルーン
グルーシャ「少しはやるね。…いけ《チルタリス》!」
ポーーン
チルタリス「チッルゥゥ〜!」
シンヤ「やはり最後はチルタリスか」
ピカチュウ「ピィカ」
グルーシャは、ハルクジラの口の中に攻撃するというリコの発想に少しだけ驚いたが、すぐに冷静さを取り戻すと、ハルクジラをボールに戻し、ハミングポケモンの《チルタリス》を繰り出した。
ドット「まずいな。チルタリスはドラゴン・ひこうタイプだから、くさタイプの攻撃がほとんど効かない」
リコ(確かに、チルタリスとニャローテの相性は悪い。…でも、私は今まで、たくさんの強いトレーナーやポケモンとバトルしてきた。だから、今度も一生懸命バトルをするだけ)「ニャローテ、頑張ろうね!」
ニャローテ「ニャッァ!」
チルタリスとニャローテのタイプ相性は悪いが、リコは自分が旅を始めてから、バトルしてきたトレーナーやポケモンの事を思い出すと、グルーシャに勝つために気合を入れ直した。
リコ「でんこうせっか!」
ニャローテ「ニャッ、ニャッ、ニャッ!」
グルーシャ「チルタリス、上昇!」
チルタリス「チルゥゥ!」
グルーシャ「ムーンフォース!」
チルタリス「チルゥゥ〜〜、チルッ!」
リコ「マジカルリーフ!」
ニャローテ「ニャッァァーーッ!」
バァァァァン
リコが「でんこうせっか」の指示を出すと、ニャローテはフィールドを駆け抜け、チルタリスに接近して行った。しかし、チルタリスは空に飛び上がってニャローテの攻撃を避けると、上空で「ムーンフォース」を発動し、ニャローテを攻撃してきた。すると、ニャローテは「マジカルリーフ」をつぼみから放ち、「ムーンフォース」を粉砕した。
グルーシャ「やるね。…けど、どれだけもつかな。連続で「かえんほうしゃ!」」
チルタリス「チルゥゥ〜〜!」
リコ「ニャローテ避けて!」
ニャローテ「ニャッ!」バッ
リコ(このままじゃ、いつかニャローテに攻撃が当たっちゃう。…でも、飛んでるチルタリスに、どうやって攻撃したら…そうだ!)…「ニャローテ、つぼみをチルタリスの足に引っかけて!」
ニャローテ「ニャッァ!」
シュッ(つぼみをチルタリスに投げつける)
バシッ(つぼみをチルタリスの足に引っかける)
リコ「よしっ!ニャローテ!そのまま「アクロバット!」」
ニャローテ「ニャッァ!」
ダァン!
チルタリス「チルッ⁉︎」
チルタリスが連続で「かえんほうしゃ」を放ってくると、ニャローテは「かえんほうしゃ」を避け続けた。しかし、いつかチルタリスの攻撃がニャローテに当たると考えたリコは、飛んでいるチルタリスに攻撃を当てるため、つぼみでチルタリスの足を引っかける指示をニャローテに出した。すると、ニャローテはチルタリスに向かって走り出し、チルタリスが「かえんほうしゃ」を放とうと息を吸い込んだ隙を狙って、つぼみをチルタリスの足に向かって投げると、つぼみをチルタリスの足に引っかけることに成功し、チルタリスを地面に蹴り飛ばした。
ドット「決まった!」
ロイ「やった!」
シンヤ「ああ。上手く流れを引き寄せたな」
ピカチュウ「ピィカ!」
リコ「今だ。ニャローテ!満開に輝いて!」
チルタリスが地面に落ちると、リコは勝負を決めようと、テラスタルオーブを構えた。すると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが満タンになると、リコはニャローテに向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはニャローテの頭上でエネルギーを解放すると、ニャローテは無数の結晶石に身を包み込んだ。そして、結晶石が弾け飛んだ時、そこには全身がクリスタル化し、頭に花束を模した王冠を被るニャローテがいた。
(くさテラスタイプ)ニャローテ「ニャァァーーーッ!」
グルーシャ「ここでテラスタルか……勝負と雪山は似てるんだ」
スッ(テラスタルオーブを取り出す)
シンヤ「グルーシャさんもテラスタルか!」
グルーシャ「あっという間に、人生のコースを狂わせる」
リコがニャローテをテラスタルすると、グルーシャはテラスタルオーブをポケットから取り出した。そして、グルーシャがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーがチャージされていき、エネルギーが満タンになると、グルーシャはチルタリスに向かって、テラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはチルタリスの頭上で溜め込んだエネルギーを解放すると、チルタリスは無数の結晶石に身を包み込まれた。そして、結晶石が弾け飛ぶと、そこには全身がクリスタル化して、頭部に雪の結晶の王冠を被るチルタリスがいた。
(こおりテラスタイプ)チルタリス「チルゥゥーーー‼︎」
ロイ「グルーシャさんもテラスタルした!」
ドット「…いや、チルタリスがテラスタルしたのは、リコにとってチャンスかもしれない」
ロイ「えっ?どうして?」
シンヤ「チルタリスはドラゴン・ひこうタイプだから、くさタイプの技をあまり効果がない。だが、チルタリスはテラスタルしてこおりタイプになっている。こおりタイプの技がニャローテと相性は悪いのは変わらないが、ニャローテのくさタイプの技は、こおりタイプに効果は普通なんだ」
ドット「そう。チルタリスがテラスタルしたことで、タイプ相性が変わったから、ニャローテの攻撃が効くようになるんだ」
ロイ「ならこの勝負」
ドット「うん。まだどうなるか分からない」
シンヤ(確かにな。チルタリスがテラスタルしたのは、リコたちとってラッキーと言えるだろう。だが、タイプ相性が変わったことに、グルーシャさんが気づいていない訳がない)
リコ「決めるよニャローテ!「マジカルリーフ!」」
(くさテラスタイプ)ニャローテ「ンニャァァロォォォーーッ‼︎」
グルーシャ「相性が変わろうと、ニャローテがこおりタイプに弱いのは変わらないよ。チルタリス!「れいとうビーム!」」
(こおりテラスタイプ)チルタリス「チィィルゥゥ〜〜‼︎」
バァァァァァン‼︎
ニャローテとチルタリスはお互いにテラスタルすると、ニャローテは「マジカルリーフ」を、チルタリスは「れいとうビーム」を放った。そして、互いの最強技がバトルフィールドの中央でぶつかり合うと、しばらくは技の鍔迫り合いが続いていた。
グルーシャ「いつだって、絶望は隣り合わせ。震えながら眠って」
(こおりテラスタイプ)チルタリス「チィィルゥゥ〜〜‼︎」
グルーシャがチルタリスをテラスタルしたことで、ニャローテのくさタイプの技はチルタリスに効くようになった。しかし、チルタリスがこおりテラスタイプになったことで、こおりタイプの技である「れいとうビーム」はパワーアップしていた。ニャローテもくさテラスタイプになっているため、「マジカルリーフ」はパワーアップしていた。だが、チルタリスの「れいとうビーム」はニャローテの「マジカルリーフ」を粉砕すると、そのままニャローテを氷漬けにした。
リコ「ニャローテ!」
ニャローテ「…ニャッァ」
チルタリスの「れいとうビーム」を喰らったニャローテは、しばらくの間、氷漬けになっていた。そして、氷が割れると、ニャローテのテラスタルは解除され、ニャローテはその場に倒れてしまう。
ドット「そんな…」
ロイ「リコが、負けちゃった…」
シンヤ(俺が見た限りでは、リコはミスをしてない。…だが、グルーシャさんは、リコの戦略の上をいくバトルしていた。流石パルデア最強のジムリーダーだ)
テラスタル研修応用テスト、リコとグルーシャのバトルは、リコの負けで終わってしまった。そして、リコはニャローテとテブリムを回復させるため、ナッペ山のポケモンセンターに向かい、ニャローテたちを回復させた後、ナッペ山ジムの前にやってきた。
ドット「惜しかったな」
リコ「…うん。…ニャローテ、テブリム、ごめんね」
ロイ「…大丈夫だよ!リコは凄く頑張ってたし、最後まで一生懸命やったんだ!応用テストに勝ち負けは関係ないって、《アオキ》さん言ってたし。バトルに負けても、応用テストに合格できるかもしれないよ」
ドット「うん。バトルの結果より、内容を見てくれるかも。僕もそうだったし。なっ、シンヤ」
シンヤ「えっ?…ああ、そうだな」
リコ「…うん」
ウィーン(ナッペ山ジムの扉が開く)
グルーシャとのバトルに負けて、リコがナッペ山ジムの前で落ち込んでいると、ロイとドットは、リコに励ましの言葉を送った。確かにロイの言う通り、ドットが自分の担当ジムリーダーであるアオキと、応用テストのバトルをした後に、アオキから、『基礎テストも応用テストも、勝ち負けは関係ありません。合格、不合格は、研修生である皆さんが、我々担当ジムリーダーとバトルをして、その後で我々が判断します。バトルに負けたからといって、不合格ということはありません』、と言っていたの覚えていた。ドットの言う通り、バトルの結果を見てくれることも考えられるし、バトルに負けても、応用テストに合格する可能性もある。…そしてしばらくすると、ナッペ山ジムの扉が開き、中からグルーシャが出てきた。
グルーシャ「リコ。テラスタル研修、応用テストの結果を知らせる」
リコ「…」
グルーシャ「…不合格だ」
リコ「ッ!」
扉の中から出てきたグルーシャは、リコの目の前にやってくると、テラスタル研修応用テストの結果を、不合格とリコに言い渡した。そして、グルーシャに応用テストの結果を不合格と宣言されたリコは、その場で固まってしまう。
ロイ「そんな、リコはあんなに頑張ってたのに」
グルーシャ「頑張ったどうかは関係ない」
ドット「だったら、もう一度リコとバトルしてください!」
グルーシャ「真剣勝負にもう一度なんてない。何があろうと結果が全てだからね」
ロイ・ドット「「ッ!」」
シンヤ「…」
リコ(あっ)
『結果が全て』、グルーシャからその言葉を聞いたリコは、店の店主が言っていた、『グルーシャは何より結果にこだわり、自分にも相手にも厳しい男なんだ』という言葉を思い出していた。
リコ「…」
グルーシャ「勝負とはそういうものだよ。シンヤ。《ポケモンワールドチャンピオンシップス》でバトルしてきたアンタなら、それが1番分かるって筈だろ?」
シンヤ「っ…ええ。もちろん」
ロイ「そんな…」
ドット「シンヤはいいのかよ?リコが不合格になっても?」
シンヤ「いいもなにも、応用テストが合格になるか不合格になるかは、研修生の相手である担当ジムリーダーによって決められるんだ。俺がとやかく言ってもリコが合格になる訳じゃない」
ロイ・ドット「「…」」
グルーシャの言葉にシンヤが納得していると、ロイとドットは、リコが不合格になってもいいのかとシンヤに言ってきた。しかし、シンヤの言う通り、応用テストの合格、不合格は、それぞれの担当ジムリーダーによって決められるため、シンヤが文句を言っても、リコが合格になる訳ではない。ぐうの音も出ない程のシンヤの正論を聞いたロイとドットは、黙るしかなかった。
シンヤ「それに、ポケモンワールドチャンピオンシップスや、各地方を冒険して戦ってきた俺には、グルーシャさんの言っている、『真剣勝負にもう一度はなんてない。何があろうと結果が全て』という言葉の意味は、誰よりも分かる。ワールドチャンピオンシップスのトーナメントだって、負けたらそこで終わりだったからな」
リコ・ロイ・ドット「「「ッ」」」
グルーシャ「そう。真剣勝負ってそういうものだよ。負けたのに合格なんて…サムい」
リコ「ッ!……ありがとうございました」
グルーシャにそう言われたリコは、ニャローテが入っているモンスターボールを両手で強く握りしめ、体を震わせながらグルーシャに頭を下げて言葉を絞りながら、ありがとうございましたとグルーシャに言った。
グルーシャ「…それじゃ」
シンヤ「…グルーシャさん、少し良いですか?」
グルーシャがその場を立ち去ろうとした時、シンヤがグルーシャに声をかけた。
グルーシャ「何?」
シンヤ「…リコが不合格になったことに対して、俺は何も言う気はありません。…けど、応用テストの合格の条件は、研修生がジムリーダーに勝つことではないはずです」
グルーシャ「…確かにね。相手が僕じゃなければ、合格を貰えたかもしれない。けど、リコの担当ジムリーダーは僕だ」
シンヤ「…」
リコ「…」
グルーシャはシンヤにそう言うと、今度こそその場を場を立ち去った。そして、応用テストを不合格と言い渡されたリコは、歯を食いしばり、その場に立ち尽くしていた。
To be continued
次回予告
テラスタル研修、応用テストの結果を、不合格とグルーシャから言い渡されたリコは、すっかり落ち込んでいた。しかし、何を言っても、これでテラスタル研修の応用テストは終了し、リコたちのテラスタル研修も終わったのだ。そして、シンヤたちがオレンジアカデミーに戻ろうとしたら帰り道に、ロイが気分転換に、パルデア十景として知られる、ナッペ山の頂上に行こうと言い出したので、みんなでナッペ山の頂上に登ることになった。しかし、ナッペ山の近くには、スピネルを監視していたアメジオが来ていた。そして、スピネルの策略で、ロイとドットとはぐれたシンヤとリコは、アメジオと遭遇し、シンヤはアメジオとバトルすることに。
次回「キズナゲッコウガVSソウブレイズ!ナッペ山に忍び寄る影!」
白神紫音さん、14話の誤文字報告ありがとうございます。前に確認した時に消すのを忘れていました。 前に、12月28日〜1月5日の間に、ソードでポケモンを集める報告をしましたが、ソードでポケモンを集め終わったので、12月28日〜1月5日の間も、小説を書いていきます。