ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 パルデア最高峰に向かう途中、ナッペ山でアメジオと出会ったシンヤは、以前アメジオとバトルする約束をしたため、アメジオと1対1のポケモンバトルを始めた。しかし、そこにスピネルとゲーチスとダークトリニティが現れたことで、シンヤとアメジオのバトルは中断となってしまう。その後、スピネルが永遠のめぐみを使ってブラッキーとサザンドラを凶暴化させたが、テラパゴスの力により、ブラッキーとサザンドラは鎮静化された。テラパゴスが気を失ったあと、シンヤたちは逃げたスピネルから、ブラッキーとサザンドラに何をしたのかを聞き出すため、洞窟の中に逃げたスピネルを追ったが、スピネルの策略によって、シンヤたちは洞窟の中に閉じ込められてしまう。そして、洞窟の中で意識を失ったテラパゴスは目を覚ますと、アメジオに対して再び吠え始めた。


第69話『シンヤとリコとアメジオ。洞窟の中で』

 

 洞窟の中

 

 テラパゴス「パーゴ!」

 

 リコ「テラパゴス…」

 

 シンヤ「…」

 

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 

 キズナゲッコウガ「コウガッ…」

 

 アメジオ「…フゥー…ハァ〜」

 

 スタッスタッ(テラパゴスの前に歩いて行く)

 

 アメジオ「敵である俺の言葉は信じられないかもしれないが。今はお前たちに何もしない。信じろ」

 

 テラパゴス「パーゴ…」

 

 アメジオは息を吐くと、自分を威嚇しているテラパゴスの前に歩いて行き、今は何もしないから、自分を信じるように言った。アメジオのその言葉を聞くと、テラパゴスは吠えるのをやめておとなしくなった。

 

 アメジオ「どうやら、危害を加えるつもりがないことが伝わったらしいな」

 

 シンヤ「…ゲッコウガ、お前も元の状態に戻れ」

 

 キズナゲッコウガ「コウガッ?」

 

 シンヤ「もうソウブレイズとのポケモンバトルは終わったんだ。それに、アメジオも戦う気はないようだしな」

 

 キズナゲッコウガ「コウガッ…」

 

 シンヤ「とりあえず、今はお互いに休戦ということでいいんだろ?」

 

 アメジオ「…こんな状態でバトルしても、互いに意味がないことくらい、お前も分かっているだろ?」

 

 シンヤ「こんなところでバトルしたら、バトルの衝撃で岩が崩れて、全員が生き埋めになりかねないからな」

 

 アメジオ「そういうことだ」

 

 ゲッコウガはアメジオたちを警戒していたが、さすがに状況が状況なだけに、アメジオはここでテラパゴスを捕まえることはしないようだ。そして、シンヤがゲッコウガに元の姿に戻るように言うと、ゲッコウガは元の姿に戻った。

 

 シンヤ「…リコ、俺は他の出口を捜すから、お前はテラパゴスを見ててやれ。

 

 リコ「えっ?…なら、私も出口を探すよ」

 

 シンヤ「いや、お前は休んでていい。体力を温存しておくのに越したことはないからな。それに、テラパゴスはさっき力を使ったばっかだから、お前がちゃんと見ててやれ」

 

 リコ「…うん。分かった」

 

 ゲッコウガと同じように、リコもアメジオたちを警戒していたが、シンヤに今は大丈夫だと言われ、他の出口を探すからテラパゴスを見るように言われたので、リコはその場に座りみ、シンヤとアメジオは他に出口がないかを調べるため、洞窟の中を歩き回る。

 

 山小屋の前

 

 オニゴーリ「オーニッ!」

 

 キョジオーン「ジオーン!」

 

 ロイ「僕たち急いでるんだ!そこをどいてよ!」

 

 サンゴ「誰がお前らの言うことなんか聞くかよ〜」

 

 オニキス「先に進みたければ、力ずくで俺たちをどけてみろ」

 

 ロイ「なんだと!」

 

 ドット「落ち着け、ロイ」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ウェルカモ「ウェール!」

 

 シンヤたちが洞窟の中に閉じ込められている頃、ロイとドットはサンゴとオニキスにいく手を阻まれ、シンヤとリコを捜しに行くことができなくなっていた。

 

 ドット「正直にコイツらの相手をする必要はない。ホゲータとウェルカモの連携攻撃で隙を作って、その隙にシンヤとリコを捜しに行こう」

 

 ロイ「分かった。ホゲータ!「かえんほうしゃ!」」

 

 ドット「ウェルカモ!「アクアブレイク!」」

 

 ホゲータ「ホォォォゲェェ〜〜‼︎」

 

 ウェルカモ「ウェェェ、ルーーッ‼︎」

 

 オニキス「キョジオーン!「ストーンエッジ!」」

 

 キョジオーン「ジィィオーーンッ!」

 

 ドドドドッ!

 

 ホゲータ「ホンゲェ⁉︎」

 

 ウェルカモ「ウェール⁉︎」

 

 サンゴとオニキスの隙を作り、急いでシンヤとリコを捜しに行く作戦をドットが立てると、ホゲータは「かえんほうしゃ」をオニゴーリに放ち、ウェルカモは「アクアブレイク」を発動してキョジオーンを攻撃した。しかし、キョジオーンが「ストーンエッジ」を発動すると、キョジオーンが立っている場所の地面から刃のように尖った岩がホゲータとウェルカモに向かって飛び出し、そのままホゲータとウェルカモにダメージを与えた。

 

 オニキス「俺たちを出し抜くつもりだったようだが、お前たちの思い通りにはさせん」

 

 ロイ・ドット「「クッ!」」

 

 サンゴ「オニゴーリ、「ふぶき!」」

 

 オニゴーリ「ゴォォリィーーッ!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ⁉︎」

 

 ウェルカモ「ウェェルッ⁉︎」

 

 オニキス「キョジオーン、「しおづけ!」」

 

 キョジオーン「ジィィオォォーン!」

 

 バァァァァン!

 

 ホゲータ「ホゲ⁉︎」

 

 ロイ「ホゲータ!」

 

 ホゲータとウェルカモが連携攻撃をした時、ロイとドットは一緒に走り、サンゴとオニキスの正面を走り抜けようとした。しかし、キョジオーンが「ストーンエッジ」を発動し、ホゲータとウェルカモがダメージを受けると、ロイとドットは足を止めてしまう。そこに畳み掛けるように、オニゴーリが「ふぶき」を放ってホゲータとウェルカモを攻撃し、キョジオーンが「しおづけ」を噴射してきた。ウェルカモは「ふぶき」のダメージを受けたが、何とか「しおづけ」の攻撃をかわした。だが、ホゲータは「ふぶき」を喰らったあとに「しおづけ」の攻撃まで喰らってしまい、体に塩の結晶が付いてしまう。

 

 オニキス「1匹は逃したか」

 

 サンゴ「オニゴーリ「アイススピナー!」」

 

 オニゴーリ「ゴーーリィ!」

 

 バァァァァン!

 

 ウェルカモ「ウェェル⁉︎」

 

 サンゴ「やっりぃ!」

 

 オニキス「あまりやりすぎるな。すぐに倒しては時間稼ぎの意味がない」

 

 サンゴ「時間稼ぎなんてサンゴのがらじゃないんだよねー」

 

 ロイ「時間稼ぎ?」

 

 ドット「僕たちを足止めするのが目的ってことか?」

 

 ロイ「…ってことは、狙いはリコとシンヤ⁉︎」

 

 サンゴが『時間稼ぎ』という言葉を口に出すと、ロイとドットは、オニキスとサンゴがワザと自分たちを足止めし、本当の狙いはリコとシンヤだということに気づいた。

 

 ロイ「まずい、急がなきゃ!」

 

 ドット「ロイ、慌てるな」

 

 ロイ「でも、こうしている間にもシンヤとリコが!」

 

 ドット「リコが1人なら危ないけど、シンヤが一緒なら、リコは絶対に大丈夫だ」

 

 ロイ「えっ?」

 

 ドット「シンヤの強さは、一緒に旅をしてきた僕たちが十分に分かってるはずだ。六英雄のレックウザとのバトルの時や、エリアゼロでのバトルを見て、シンヤが本当はどれだけ強いかロイも見たはずだろ?」

 

 ロイ「あっ、そっか。そうだったね」

 

 ドット「まずはコイツらとのバトルに集中しよう。コイツらを倒した後で、シンヤとリコを捜しに行く」

 

 ロイ「分かった」

 

 エクスプローラーズの目的がシンヤとリコだと知ると、ロイは慌てていたが、リコがシンヤと一緒なら、リコは絶対に大丈夫だとドットは確信していた。ドットがクワッスを相棒にしてから今日まで、ドットはシンヤと一緒に冒険をし、シンヤのポケモンバトルを近くで見て、シンヤがどれだけ強いかということがよく分かっていた。だからこそ、シンヤと一緒に居るリコは、必ず無事だと強く信じていた。

 

 ドット「先にキョジオーンから倒そう」

 

 ロイ「キョジオーンから?」

 

 ドット「ああ。キョジオーンの「しおづけ」が厄介だから、力を合わせて、先にキョジオーンから倒そう」

 

 ロイ「でも、どうやって?」

 

 ドット「ウェルカモのみずタイプの技なら、キョジオーンの弱点を突ける。だからロイは、キョジオーンの気を引いてくれ。その隙に、ウェルカモの攻撃でキョジオーンを倒す」

 

 ロイ「分かった。ホゲータ!「じだんだ!」」

 

 ホゲータ「ホゲゲ、ホゲゲ、ホォォゲェェーッ!」

 

 ドットはロイに、力を合わせて先にキョジオーンを先に倒そうと提案し、ウェルカモのみずタイプの技でいわタイプのキョジオーンを倒すから、キョジオーンの気を引くように頼んだ。すると、ロイはホゲータに「じだんだ」を指示し、ホゲータは「じだんだ」を発動した。

 

 オニキス「キョジオーン!「ストーンエッジ!」」

 

 キョジオーン「ジィィィオォーーン!」

 

 ドッカァーーン!

 

 ドット「今だ!ウェルカモ!「アクアブレイク!」」

 

 ウェルカモ「ウェェェェ、ルーーウ!」

 

 ドォォォォン!

 

 キョジオーン「ジィィオッ⁉︎」

 

 ロイ・ドット「「やった!」」

 

 ホゲータが「じだんだ」を発動してキョジオーンを攻撃すると、キョジオーンは「ストーンエッジ」を発動し、ホゲータの攻撃を防御した。しかし、ホゲータの攻撃をキョジオーンが防いだことで、キョジオーンに隙ができた。ドットはその隙を見逃さず、ウェルカモに「アクアブレイク」を指示した。ウェルカモは足に水を纏うと、水を纏った足でキョジオーンを思いっきり蹴り飛ばし、キョジオーンに大ダメージを与えた。

 

 ドット「よし、あとはオニゴーリを倒せば…」

 

 オニキス「キョジオーン、「じこさいせい!」」

 

 ピカァァァン(キョジオーンの体が光る)

 

 キョジオーン「ジィィオーーン!」

 

 ドット「あのキョジオーン、「じこさいせい」が使えるのか」

 

 ロイ「せっかくウェルカモの攻撃が決まったのに…」

 

 サンゴ「アハハハ、真面目くん容赦ね〜」

 

 オニキス「これで振り出しに戻ったな」

 

 ロイ「クッ」

 

 ドット「いったいどうすれば?」

 

 ウェルカモの「アクアブレイク」が決まったことで、キョジオーンを倒したと喜んでいたロイとドットだったが、オニキスが「じこさいせい」を指示すると、キョジオーンは「じこさいせい」を発動し、自身の体力を回復させたので、バトルは仕切り直しとなった。…ロイとドットが、サンゴとオニキスとポケモンバトルをしている頃、洞窟に閉じ込められたシンヤたちは…

 

 洞窟の中

 

 ピッピッ(スマホロトムをタッチする音)

 

 シンヤ(…スマホロトムが圏外のまま。…ってことは、まだスピネルが近くにいるってことか…)

 

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 ゲッコウガ「コウガッ…」

 

 リコを休ませて他の出口を探していたシンヤだったが、どこを探しても他の出口が見つからないため、腰を下ろしてスマホロトムをタッチし、ロイとドットに連絡しようとした。しかし、まだスマホロトムが圏外のままなので、近くにスピネルがいるだろうと考えると、スマホロトムをポケットにしまう。

 

 リコ「ハァー」(手に息をかける)

 ニャローテ「ニャッァ…」

 テラパゴス「パーゴ…」

 

 リコ「へ、クシュン!」

 ニャローテ「ニャア…」

 

 リコ「大丈夫だよ。ありがとう、心配してくれて」

 

 本来、洞窟内の温度はほとんど変わらないが、シンヤたちのいる洞窟の奥は出口が塞がれて密閉されたため、どんどん気温が下がっていた。リコは手に息を吹きかけたが、あまり意味がなく、クシャミをした。

 

 シンヤ「…リザードン、出てこい」

 

 ポーーン

 

 リザードン「リザァァァ!」

 

 シンヤ「リザードン、リコたちを温めてやってくれ」

 

 リザードン「グオオオッ」

 

 リコがクシャミをすると、シンヤはベルトに付いているモンスターボールを一つ取り、それを宙に投げてリザードンを出した。そして、リザードンにリコたちを温めるように頼むと、リザードンはリコたちの近くに歩いて行き、尻尾の炎をリコたちに向けた。

 

 リコ「あったか〜い」

 ニャローテ「ニャロ〜」

 テラパゴス「パーゴ…」

 

 シンヤ「その場凌ぎみたいなものだが、今はリザードンの尻尾の炎で温まろう。体温が下がるのも防げるしな」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 ゲッコウガ「コウガッ」

 

 リコ「うん。ありがとうリザードン」

 

 ニャローテ「ニャァッ」

 

 テラパゴス「パーゴ」

 

 リザードン「リザァァァ」

 

 ソウブレイズ「…」

 

 チラッ(自分の腕を見る)

 

 スタッスタッ(アメジオのいる所に歩いて行く)

 

 アメジオ「どうした?ソウブレイズ」

 

 アメジオ「ブレイ」

 

 スッ(左手を伸ばす)

 

 アメジオ「これで温まれという事か?」

 

 ソウブレイズ「ブレイ」コクッ

 

 スッ(ソウブレイズの剣に手を向ける)

 

 アメジオ「すまない、助かる」

 

 リザードンが尻尾を向けると、リコたちはリザードンの尻尾の炎に手を向けて温まり始めた。リザードンが尻尾の炎でリコたちを温めているのを見たソウブレイズは、アメジオのいる所に歩いて行くと、自分の燃えている左手の剣を伸ばし、アメジオに温まるように言うのだった。

 

 

 シンヤ(…さっきのバトルの疲れが残ってるとはいえ、キズナゲッコウガの「みずしゅりけん」と、アメジオのソウブレイズの「サイコカッター」で岩を壊せないとなると、俺の手持ちポケモン全ての力を合わせて、岩を壊すべきか?…いや、そんなことをしたら、洞窟の岩が崩れて生き埋めになりかねない。それに、仮に上手く岩を壊して洞窟から脱出できても、ポケモンたちは技を何回も使って疲れているから、そこを狙われることも考えられる。俺たちを閉じ込めたのは、あのスピネルだからな。ここは慎重に行動しよう…)

 

 

 リザードンが尻尾の炎で自分たちを温めてくれているが、いつまでもこのままという訳にもいかないので、シンヤは洞窟から脱出する方法を色々考えていた。しかし、自分たちをこの洞窟の中に閉じ込めたのは、エクスプローラーズの中で知恵に長けていて、目的の為なら手段を選ばないスピネルなので、シンヤは慎重に事を運ぼうとした。

 

 シンヤ(スマホロトムが使えれば、空間を広げられる《パルキア》をナナカマド博士から送ってもらって、この洞窟から脱出できるんだがな。…パルキアと言えば、ゲーチスのあの言葉…)

 

 ゲーチス『エリアゼロでテツノイワオとバトルした時より』

 

 ゲーチス『…見たから、とでも言っておきましょう』

 

 シンヤ(何故、奴は俺たちがエリアゼロに行ったことや、テツノイワオとバトルしたことを知っていたんだ?それに奴が言っていた、見たって言葉の意味は?)…「…あれ?ゲッコウガ、どこに行ったんだ?」

 

 リコ「えっ?…あれ?本当だ。ゲッコウガがいない」

 

 何故ゲーチスが、自分たちがエリアゼロに行ったことを知っていて、テツノイワオと呼ばれるパラドックスポケモンの事を知っているのか、シンヤはその理由がどうして気になっていた。すると、リザードンの尻尾で温まっていたゲッコウガがいない事に気づいたシンヤは、ゲッコウガを捜し始めた。

 

 ゲッコウガ「コウガッ」

 

 シンヤ「あっ、ゲッコウガ」

 

 バッ(ゲッコウガがジャンプする)

 

 ドンッ(ゲッコウガが地面に着地した音)

 

 シンヤ「何で段差の高い所に登ってたん…ん?お前、手に何持ってるんだ?」

 

 ゲッコウガ「コウガッ」

 

 スッ(手に持っている草を見せる)

 

 リコ「草?」

 

 シンヤ「そんなもの、一体どこにあった?」

 

 ゲッコウガ「コウガッ」スッ(段差が高い所を指差す)

 

 シンヤ「あんなところに草が生えてたのか。でも、その草を使って何をするつもりだ?」

 

 ゲッコウガ「コウガッ」

 

 スッ(リザードンを指差す)

 

 リザードン「グオッ?」

 

 シンヤ「…ああ、そういう事か。ナイスだゲッコウガ」

 

 ゲッコウガ「コウガッ」

 

 リコ「?」

 

 シンヤがゲッコウガを捜していると、ゲッコウガはいつの間にか段差が高い所に登っていて、そこに生えている草をたくさん引っこ抜くと、それを束にしてシンヤたちのいる所に降りてきた。シンヤは草で何をするのかとゲッコウガに聞くと、ゲッコウガはリザードンは指を差した。すると、シンヤもゲッコウガが何を考えていたのか分かったようだ。

 

 スッ(草の束を地面に置く)

 

 シンヤ「リザードン。この草に向かって火を吹いてくれ。「ひのこ」ぐらいの威力の炎でいい」

 

 リザードン「リザァァァ!」

 

 ボォォ(草に向かって火を吹く)

 

 バチバチ(草が燃える)

 

 シンヤ「よし」

 

 シンヤはゲッコウガが集めた草を地面に置くと、その草に向かって軽めの威力の炎をリザードンに吹くように頼んだ。そして、リザードンが口から「ひのこ」並の威力の炎を草に吹くと、地面に置いた草が燃え始めた。

 

 リコ「そっか。ゲッコウガが上に生えてる草を持ってきたのは、リザードンに草を燃やしてもらって、焚き火をするつもりだったからなんだ」

 

 シンヤ「ああ。ゲッコウガ、リザードン、ありがとな」

 

 ゲッコウガ「コウガッ」

 リザードン「リザァァァ」

 

 シンヤ「…そんな所に突っ立ってないで、お前もこっちに来て、一緒に温まったらどうだ?」

 

 リコ「えっ?」

 

 チラッ(リコがアメジオを見る)

 

 アメジオ「…俺に言っているのか?」

 

 シンヤ「他に立ってるヤツがいないだろ」

 

 アメジオ「…」

 

 シンヤ「ソウブレイズの剣で温まるには限界があるだろ?それに、そんなところで突っ立ってられると、かえってこっちが気になる」

 

 アメジオ「…」

 

 スタッスタッ(アメジオが歩いてくる)

 

 スッ(アメジオが目の前に腰を下ろす)

 

 ガサゴソ(シンヤがリュックの中を漁る)

 

 スッ(一口サイズのチョコを取り出す)

 

 シンヤ「ほら」

 

 スッ(チョコを前に差し出す)

 

 リコ「えっ?」

 

 アメジオが自分たちの目の前にやってきて腰を下ろすと、シンヤはリュックの中を漁り、中から一口サイズのチョコが入っている箱を取り出すと、リコとニャローテとテラパゴスの分のチョコを取り、それをリコの前に差し出した。

 

 シンヤ「さっきのゴタゴタで疲れたろ?糖分は疲労を回復させる効果があるから、チョコでも食べて少し休もう。ほら、ニャローテ用に抹茶味のチョコもある」

 

 リコ「うん。ありがとう」

 

 シンヤ「おい」

 

 アメジオ「ん?」

 

 ポイッ(2つのチョコとオボンの実を投げる)

 

 パシッ(2つチョコとオボンの実を受け取る)

 

 アメジオ「なんの真似だ?」

 

 シンヤ「チョコは疲労回復用、オボンの実はソウブレイズの体力回復にだ」

 

 アメジオ「何?」

 

 シンヤ「ゲッコウガとのバトルと、ブラッキーからの攻撃を受けているから、ソウブレイズはかなりダメージを負っていて、あまり体力が回復ができてない筈だ。体力を回復させておいてやれ」

 

 アメジオ「…俺に恩を売るつもりか?」

 

 シンヤ「そんなつもりはないから安心しろ」

 

 アメジオ「…」

 

 シンヤからチョコとオボンの実を受け取ったアメジオは、ソウブレイズにチョコとオボンの実を渡そうとしたが、両手が剣のソウブレイズではチョコの封が開けられないため、チョコの封を開けると、ソウブレイズにオボンの実とチョコを渡し、自分の分のチョコを口の中に入れた。そして、シンヤとリコとピカチュウたちも、チョコの封を開けて中のチョコを食べ始めた。チョコを食べ終わると、シンヤたちは焚き火で温まり、しばらく静寂が続いていたが、急にリコが口を開き、アメジオにある質問をした。

 

 リコ「…アメジオ、どうしてあの時、私を助けてくれたの?」

 

 アメジオ「あの時?」

 

 リコ「私たちが黒いレックウザとバトルしてて、レックウザの放った「りゅうせいぐん」が私にぶつかりそうになった時、ソウブレイズが「りゅうせいぐん」の岩を切って、私を助けてくれた時のこと。…あれは、アメジオがソウブレイズに私を助けるように指示を出したんでしょ?」

 

 アメジオ「前にも行ったはずだ。俺はお前を助けた訳じゃない」

 

 リコ「でも、私は助かった。あなたに助けてもらった」

 

 アメジオ「何が言いたい?」

 

 リコ「エクスプローラーズは、テラパゴスや黒いレックウザを狙う悪い奴。…前はそう思ってた。…けど、前にシンヤの言ってた通り、あなたは他のエクスプローラーズの人たちと、どこか違う気がするから…」

 

 アメジオ「…シンヤが言ってただと?」

 

 リコ「うん。…黒いレックウザのとのバトルの時、シンヤがあなたに、一緒に戦ってくれないかって頼んだ時、どうしてエクスプローラーズの人間であるアメジオに、一緒に戦うようにシンヤが頼んだのか、最初は分からなかった。その理由が後で気になって、家に帰る途中にシンヤに聞いたの。そしたらシンヤは、『アメジオに共闘を頼んだのは、アイツがスピネルと違って、卑怯な手を使わない真っ直ぐなヤツだから』って言ってたから」

 

 アメジオ「…」チラッ(シンヤを見る)

 

 シンヤ「ん?俺は自分が思ってる本当のことをリコに言っただけだぞ」

 

 アメジオ「…」

 

 シンヤ「本当の悪党っていうのは、スピネルやゲーチスみたいに、目的の為なら手段を選ばず、どんな卑怯な手でも使う奴の事を言うけど、お前はそういう卑怯な手を使わず、いつも正面から来るだろう?だから俺は、レックウザとのバトルの時に、お前に共闘を持ちかけたんだ」

 

 アメジオ「…」

 

 リコ「シンヤがあなたを信じて、一緒にレックウザとバトルしてほしいって言ってた理由が、今ならよく分かる。…だから教えて。どうしてエクスプローラーズが、テラパゴスや黒いレックウザを必要としているのか」

 

 アメジオ「…」

 

 シンヤとリコの言葉を黙って聞いていたアメジオは、目を閉じてしばらく黙っていたが、閉じた目を開けると、テラパゴスや黒いレックウザを捕獲しようとしていた理由をシンヤとリコに話し始めた。

 

 アメジオ「…俺がテラパゴスや黒いレックウザを捕獲しようとしたのは、ギベオン様のためだ」

 

 リコ「ギベオン?」

 

 テラパゴス「パゴッ!」

 

 シンヤ「確かそれって、前にお前が教えてくれた、お前らエクスプローラーズのボスの名前だよな?」

 

 アメジオ「そうだ。…そしてギベオン様は、俺の“お祖父様”でもある」

 

 リコ「えっ!」

 

 シンヤ「エクスプローラーズのボスが、お前の祖父さん⁉︎」

 

 『ギベオン』。それはかつて、シンヤがアメジオとガラル鉱山で出会った時に聞いた、エクスプローラーズの首領の名だった。それがまさか、目の前にいるアメジオの祖父だとは思いもしなかったので、シンヤとリコは驚愕していた。

 

 アメジオ「エクスプローラーズを束ねる俺のお祖父様が、ラクアを目指している。テラパゴスも黒いレックウザも、ラクアに行くためには必要な存在。だから、俺はテラパゴスと黒いレックウザを手に入れ、お祖父様の願いを叶えたい」

 

 ソウブレイズ「ブレイ…」

 

 アメジオ「ソウブレイズ」

 

 アメジオがそこまで話すと、ソウブレイズはアメジオに、これ以上は何も言わない方がいいと声をかけた。

 

 シンヤ「祖父さんのために、テラパゴスとレックウザを…」

 

 リコ「そう…だったんだ」

 

 アメジオ「ただの孫で終わりたくない。俺は、ギベオン様の期待に応えたい」

 

 テラパゴスとレックウザを欲する理由を、アメジオが真剣な顔をして話しているのを見ていたシンヤは、エクスプローラーズのボスでもあり、祖父であるギベオンをどれだけアメジオが慕っているか、それは、今までのアメジオの行動を思い返せばよく分かる。テラパゴスがまだペンダントだった時、アメジオは何度も自分たちの前に現れ、黒いレックウザが現れた時も、アメジオは何度も現れた。それが全部、祖父であるギベオンの為だと聞くと、アメジオがここまで強くなれた理由が、シンヤにはよく分かっていた。誰かの為に強くなりたいというのは、決して間違いではないからだ。

 

 テラパゴス「パゴ!パゴ!パーゴ!」

 

 アメジオ・ソウブレイズ「「ッ!」」

 

 リコ「テラパゴス、大丈夫だよ」

 

 ナデナデ(テラパゴスの頭を撫でる)

 

 アメジオがテラパゴスとレックウザを必要としている理由を話すと、鞄の中にいるテラパゴスがアメジオに向かって吠え始めた。すると、リコは鞄を手に持ち、テラパゴスの頭を優しく撫でると、自分の旅の目的をアメジオに話し始めた。

 

 リコ「…ありがとう。テラパゴスとレックウザを必要としている理由を話してくれて。…私は、お婆ちゃんから受け継いだ冒険をしてる」

 

 アメジオ「ん?」

 

 リコ「お婆ちゃんがお守りにくれたペンダント。テラパゴスのために、私たちはラクアを目指してる。…テラパゴスがラクアに行きたがってるから、私はテラパゴスをラクアに連れて行くって決めたの」

 

 アメジオ「テラパゴス自身がラクアに?」

 

 リコ「うん。…アメジオとちゃんと話ができて良かった。今まで、テラパゴスを狙う悪い敵、としか思えなかったから」

 

 アメジオ「…お前のことは、テラパゴスを持つ娘としか見ていなかった。それ以外、何も知らなかった」

 

 リコ「ちゃんと話さないと、分からないことがあるのかも知れないね」

 

 アメジオ「かもしれないな」

 

 リコと出会った時のアメジオは、ペンダントを狙うエクスプローラーズの人間。アメジオにとって、リコはテラパゴスを持っている人間。最初は互いにそんな印象だった。だが、互いに心から本音で話し合ったことで、リコもアメジオも、互いの印象が変わったようだ。『話さないと分からないことがある』。それは、今のリコとアメジオの関係を物語っている。

 

 シンヤ「……なんか俺、空気みたいになってないか?」

 

 リコ「えっ?……あっ!ご、ごめんね!シンヤを忘れてた訳じゃないんだけど、アメジオとの話に夢中になってて。それで」

 

 シンヤ「いや…まあ、別にいいんだけど」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 リコとアメジオがいい雰囲気で話し合っているのは大いに結構なのだが、自分が空気みたいな扱いになっていたことに、シンヤは少し複雑な気持ちになっていた。

 

 シンヤ「アメジオ。俺からも一つ、お前に聞きたいことがある」

 

 アメジオ「何だ?」

 

 シンヤ「どうしてお前は、このナッペ山に来たんだ?」

 

 アメジオ「ここに来た理由?」

 

 シンヤ「お前が俺たちの前に現れた時、お前は驚いた顔をしてたからな。テラパゴスを捕獲するために俺たちを追っていたのなら、普通あんな顔はしないだろ。だから、お前がここにやってきた理由を聞いておきたいんだ」

 

 アメジオ「…スピネルを追っていた」

 

 シンヤ「スピネルを?」

 

 アメジオ「お前と協力して黒いレックウザとバトルした後、俺は奴の行動を密かに探っていた。そして、スピネルを監視していたジルとコニアから、奴がここに来たと聞き、奴を追ってここまで来た」

 

 シンヤ「なるほど」

  

 アメジオがナッペ山に来た理由を聞いたシンヤは、自分のにらんだ通り、さっきアメジオと会ったのは偶然ではなく、スピネルが何かを企んでいるからだと強く確信した。しかし、シンヤにはもう一つ気になることがあった。…それは、何故スピネルが、自分やリコと一緒に、アメジオをこの洞窟の中に閉じ込めたのかということだ。アメジオは正々堂々としたやり方を好むが、スピネルは狡猾な手を使う。しかし、それでもアメジオとスピネルは、同じエクスプローラーズの人間、仲間同士の筈。なのに、何故スピネルがアメジオを、自分とリコと一緒にこの洞窟の中に閉じ込めたのか、その理由がどうしてもシンヤには思いつかなかった。

 

 アメジオ「…俺も一つお前に聞きたいことがある」

 

 シンヤ「ん?何だ?」

 

 アメジオ「お前はさっき、スピネルが永遠のめぐみと呼んでいた物を出した時、何か驚いた表情をしていたが、永遠のめぐみについて、お前は何か知っているのか?」

 

 シンヤ「…永遠のめぐみが何なのかは俺も分からない。俺が知っているのは、永遠のめぐみが、“ラクリウム”と呼ばれていることだけだ」

 

 アメジオ「ッ!ラクリウムだと!」

 

 シンヤ「?何だよ?お前、ラクリウムのことを知ってるのか?」

 

 アメジオ「…俺のお祖父様は、ラクリウムを必要としている」

 

 シンヤ「ッ!お前の祖父さんが、ラクリウムを?」

 

 永遠のめぐみ、ラクリウム。それが何なのかは分からないが。アメジオの口から、エクスプローラーズのボスでもあり、アメジオの祖父でもあるギベオンがラクリウムを欲していることを聞くと、シンヤは驚いていた。

 

 リコ「…ねぇシンヤ、私もシンヤに聞きたいことがあるんだけど」

 

 シンヤ「ん?何?」

 

 リコ「ゲーチスって人の近くにいた、髪が白くて、黒い服を着た人たちは誰なの?」

 

 シンヤ「ああ。アイツらはダークトリニティっていう、ゲーチスの部下だ」

 

 リコ「ダークトリニティ?」

 

 シンヤ「ああ。得体の知れない気味が悪い奴らだ」

 

 ヒュゥゥ(風が吹く音)

 

 シンヤ・アメジオ「「ん?」」

 

 チラッ(2人が上を見る)

 

 リコ「2人とも、どうしたの?」

 

 シンヤ「ここから脱出する方法が見つかった」

 

 リコ「えっ?ホントに?」

 

 シンヤ「ああ」

 

 アメジオ「シンヤ、リコ、さっさとここから出るぞ」

 

 リコ「えっ?…うん!」

 

 シンヤ「フッ…ああ」

 

 シンヤとアメジオは、微かだが、この洞窟の中に、風が吹いてくる音を聞き取り、風が吹いてくる場所を探していると、2人は洞窟の天井に穴があるのを発見した。そして、アメジオがシンヤとリコの名を呼んだあと、さっさと出るぞと言うと、シンヤとリコはアメジオに返事を返し、洞窟から脱出する準備をするのだった。

 

 シンヤ「ゲッコウガ、お前の水で火を消してくれ」

 

 ゲッコウガ「コウガッ!」

 

 シュウウウ(火が消える音)

 

 リコ「でも、どうやってここから脱出するの?」

 

 シンヤ「上から脱出するんだ」

 

 リコ「上から?」

 

 アメジオ「あそこを見て見ろ」

 

 アメジオに上を見ろと言われたリコは、アメジオが指を差した所の洞窟の天井を見た。そこには、シンヤとアメジオが見つけた小さな穴があり、その穴からは、伸びた草が垂れていた。

 

 リコ「あれ?草が揺れてる」

 

 アメジオ「そうだ。恐らく草が揺れているのは、風が外から吹き込んでいるからだろう。それに、穴の間が僅かだが明るい」

 

 リコ「じゃあもしかして!」

 

 アメジオ「ああ、あそこは外に通じている可能性がある」

 

 シンヤ「俺のリザードンとお前のアーマーガアなら、一気に上まで飛んで行けるだろ?」

 

 アメジオ「確かにそうだが、穴の大きさを考えると、リザードンやアーマーガアが通れない。もう少し穴を広げておいた方がいい」

 

 シンヤ「…ピカチュウ、ゲッコウガ、穴を広げるのを手伝ってくれるか?」

 

 ピカチュウ「ピカピカチュウ!」

 

 ゲッコウガ「コウガッ!」

 

 リコ「ニャローテも力を貸して」

 

 ニャローテ「ニャーッ!」

 

 天井の穴から風が吹き込み、そこから僅かな明かりが見えたので、シンヤとアメジオは天井の穴から外に出られると考え、自分たちのひこうポケモンに乗って洞窟から脱出しようとした。しかし、リザードンやアーマーガアが通るには穴が小さすぎるため、ピカチュウたちに天井の穴を広げてもらうことにした。

 

 アメジオ「アーマーガア!」

 

 ポーーン

 

 アーマーガア「アーマー!」

 

 アメジオがアーマーガアをボールから出すと、ピカチュウとゲッコウガはリザードンに乗り、ニャローテとソウブレイズはアーマーガアに乗ると、リザードンとアーマーガアは空に飛び上がった。

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!「10まんボルト!」ゲッコウガ!「みずしゅりけん!」」

 

 ピカチュウ「ピィカッ、チューーウッ‼︎」

 

 ゲッコウガ「コォォォウ、ガーーッ‼︎」

 

 アメジオ「ソウブレイズ!「サイコカッター!」」

 

 ソウブレイズ「ブゥゥゥレエーーイ‼︎」

 

 リコ「ニャローテ!「マジカルリーフ!」」

 

 ニャローテ「ンニャァァロォォォーーッ‼︎」

 

 バァァァァン!

 

 リザードンとアーマーガアが天井の穴の近くにまで飛んで行くと、ピカチュウたちはリザードンとアーマーガアの背中から飛び上がると、技を天井に向かって放った。ピカチュウたちの合体技が天井にぶつかると、その衝撃で大きな岩が落ちてきたが、リコはテブリムをモンスターボールから出し、「ねんりき」と「ぶんまわす」を指示すると、テブリムは落ちてきた岩を「ねんりき」で浮かせたあと、「ぶんまわす」で岩を破壊した。…そして、シンヤたちが洞窟を脱出しようとしている頃、サンゴとオニキスと対峙しているロイとドットは…

 

 山小屋の前

 

 ドォーーン!

 

 ホゲータ「ホッゲェェ⁉︎」

 

 ウェルカモ「ウェーール⁉︎」

 

 ドット「ウェルカモ!」

 

 ロイ「ホゲータ、大丈夫?」

 

 サンゴ「おいおい、そんなもんかよ?」

 

 ドット「クッ。早くシンヤとリコを捜さなきゃいけないのに…」

 

 サンゴとオニキスを倒し、急いでシンヤとリコを捜しに行こうとしたロイとドットだったが、サンゴとオニキスに苦戦を強いられ、ホゲータとウェルカモは戦闘不能寸前だった。

 

 サンゴ「手応えなくてオニだる〜。もう終わらせるか」

 

 オニキス「サンゴ。俺たちの役目は、コイツらを足止めすることだ」

 

 サンゴ「もうコイツらとのバトルに飽きたちゃったし。そろそろ派手にかましてもいいだろ?オニゴーリ!」

 

 オニゴーリ「オーニッ!」

 

 サンゴ「じぃ〜ばぁ〜…」

 

 「ゴウカザル!「かえんほうしゃ!」」

 

 ゴウカザル「ウッ、キィィーーッ!」

 

 ドォォォォン!

 

 オニゴーリ「オーーーニッ⁉︎」

 

 ロイとドットのポケモンバトルに飽きたサンゴが、オニゴーリに「じばく」を指示しようとしたその時、かえんポケモンの《ゴウカザル》がいきなり雪山から飛んできて、誰かがゴウカザルに「かえんほうしゃ」を指示する声が聞こえてきた。すると、ゴウカザルは「かえんほうしゃ」をオニゴーリに放ち、「かえんほうしゃ」を喰らったオニゴーリはその場に倒れた。

 

 サンゴ「オニゴーリ!誰だ⁉︎邪魔した奴は!」

 

 スッ(雪山の上から姿を現す)

 

 ロイ「あっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 ミコ「ロイ、ドット、久しぶり」

 

 ゴウカザル「ウッキィ!」

 

 

 さっきゴウカザルに「かえんほうしゃ」の指示を出し、ロイとドットのピンチを救ったのは、以前エリアゼロに行った時に出会った、シンヤの幼馴染の《ミコ》だった。そして、オニゴーリに「かえんほうしゃ」を放ったゴウカザルは、ミコの相棒ポケモンだった。

 

 

 ドット「ミコ!どうしてここに?」

 

 ミコ「パルデア最高峰に行こうとしてたら、急にこっちから大きな音が聞こえてね。気になって来てみたら、あなたたちが居たって訳」

 

 ロイ「そうだったんだ…」

 

 ドット「でも、おかげで助かった」

 

 偶然にも自分たちと同じように、パルデア最高峰に行こうとしていたミコが来てくれたおかげで、何とか窮地を脱することができたロイとドットだった。

 

 ミコ「…あれ?シンヤとリコは一緒じゃないの?」

 

 ドット「それが…」

 

 ミコ「ん?」

 

 チラッ(サンゴとオニキスを見る)

 

 サンゴ「ああん?」

 

 オニキス「…」

 

 ミコ「ああ、なるほどね。大体の状況が分かった」

 

 バッ(雪山から飛ぶ)

 

 一緒に行動しているはずのシンヤとリコがいないことをドットに聞いたミコは、サンゴとオニキスを見ると、シンヤとリコが居ない理由に気づき、ゴウカザルと一緒に雪山を飛んでロイたちの目の前にやってくると、オニキスとサンゴと対峙する。

 

 オニキス「何者だ?」

 

 ミコ「私はミコ。一応、シンヤの幼馴染」

 

 オニキス「ほぅ、奴の知り合いか」(…なるほど。できるな、この少女)

 

 サンゴ「よくも邪魔してくれたな!起きろオニゴーリ!」

 

 オニゴーリ「オーニッ!」

 

 ミコ「いくよゴウカザル!」

 

 ゴウカザル「ウッキィ!」

 

 目の前に飛んできたミコとゴウカザルを見たオニキスは、2人を一眼見ただけで、ミコの実力がシンヤと同じぐらいだと見抜き、手加減なしでバトルをしようとした。そしてサンゴは、バトルの邪魔をされたことに腹が立っているようで、狙いをロイとドットからミコに変えた。

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…ピッ

 

 オニキス「何だ?」

 

 アゲート『引き揚げろ』

 

 サンゴ「はぁ⁉︎何でだよ!ここからがいいところなんだぞ!」

 

 アゲート『もう目的は達成した。これ以上のバトルは得策ではない』

 

 オニキス「…分かった」

 

 ピッ(通話を切る)

 

 オニキス「戻れ、キョジオーン」

 

 シュルルーン

 

 ポーーン

 

 プテラ「プテーッ!」

 

 オニキス「戻るぞ、サンゴ」

 

 サンゴ「え〜!またこのパターンかよ!」

 

 ミコとサンゴとオニキスが一触即発の雰囲気になると、オニキスのスマホロトムにアゲートから連絡が入り、2人に撤退するように指示を出した。サンゴはミコとバトルをする気だったが、オニキスがキョジオーンをボールに戻してプテラを出すと、渋々アゲートの撤退命令を受け入れた。

 

 

 サンゴ「そこのお前!」

 

 ミコ「えっ?私?」

 

 サンゴ「そうだ!お前、次はオニぼこすからな!」

 

 

 サンゴはそうミコに言い残すと、オニゴーリの頭部に飛び移り、プテラがオニキスを背に乗せると、サンゴを乗せたオニゴーリと、オニキスを乗せたプテラは上空に飛び去って行った。

 

 ミコ「…ロイ、ドット、大丈夫?」

 

 ロイ「うん」

 

 ドット「ありがとう」

 

 「…アンタ強いね」

 

 「チィィル」

 

 ミコ「えっ?」

 

 ロイ「…あっ!」

 

 ドット「グルーシャさん!」

 

 グルーシャ「…」

 

 チルタリス「…」

 

 ロイとドットがミコに助けてくれたお礼を言うと、ミコとゴウカザルが現れた雪山から、ナッペ山ジムのジムリーダーである《グルーシャ》と、グルーシャのポケモンのチルタリスが現れ、グルーシャは雪山の上をスノーボードで滑り降りてくると、ミコたちの前にやってきた。

 

 ロイ「どうして、ジムリーダーのグルーシャさんがここに?」

 

 グルーシャ「ジムに《フリード》って人から連絡がきて、リコとシンヤを捜すように頼まれたんだ」

 

 ドット「フリードから?」

 

 コライドン「コラァァイ!」

 

 ミライドン「アギャアア!」

 

 ロイ「あっ!」

 

 ドット「コライドンにミライドン!」

 

 ミコ「とりあえず。話は後にして、シンヤとリコを捜しに行きましょう」

 

 グルーシャ「そうだね。急ごう」

 

 ロイ・ドット「「はい!」」

 

 コライドンとミライドンがロイたちと合流し、ロイたちと一緒にシンヤとリコを捜しに向かった頃、シンヤとリコはアメジオは、穴を広げた洞窟の天井から脱出していた。

 

 洞窟の外

 

 ドンッ(リザードンとアーマーガアが地面に降りる)

 

 リザードン「リザァァァ!」

 アーマーガア「アーマー!」

 

 

 シンヤ「サンキュー、リザードン」

 

 リコ「やっと出られた」

 

 ニャローテ「ニャァロッ」

 

 アメジオ「…一つだけ忠告しておく」

 

 シンヤ「ん?」

 

 リコ「何?」

 

 アメジオ「スピネルには気をつけろ。奴のことだ、また卑怯な手を使ってくるだろう。それに永遠のめぐみ…ラクリウムと言ったか。奴はそれを使って何かを企んでいる」

 

 シンヤ「…俺からも一つだけ忠告しておくぜ。お前の祖父さんが、何故ラクリウムを欲しているのかは分からないが、スピネルがラクリウムを使ったあと、ブラッキーとサザンドラがどうなったか、お前もその目で見たはずだ」

 

 リコ「ッ!」

 

 アメジオ「…」

 

 シンヤ「お前の祖父さんの目的は分からんが、自分の身の丈に合わない力を手に入れた結果、欲に溺れて自分を見失い、最後に後悔ばかりする人間、身を滅ぼしていった人間を、俺は何人も見てきた」

 

 アメジオ「…俺のお祖父様が、力や欲に溺れる人間だと、そう言いたいのか?」

 

 シンヤ「それは、お前の祖父さんがラクリウムを求める理由を知った後に、自分で判断するよ」

 

 スピネルの策略によって洞窟の中に閉じ込められたシンヤとリコだが、アメジオと一緒に洞窟の中に閉じ込められたことで、アメジオから色々と話を聞けたので、これでよしとするかとシンヤは思った。

 

 リコ「…あの、最後に一つだけいい?」

 

 アメジオ「何だ?」

 

 リコ「アメジオの話を聞いて、エクスプローラーズがラクアに行きたいていうのは分かった。だったら、ライジングボルテッカーズと協力して、ラクアに行くことはできないのかな?」

 

 シンヤ「ッ!」

 

 エクスプローラーズが黒いレックウザやテラパゴスを狙っている理由をアメジオから聞いたリコは、ラクアに行きたいのは自分たちも同じだから、戦わずに協力し合って、一緒にラクアに行こうと言い出した。リコのその言葉にシンヤは驚いたが、アメジオは…

 

 アメジオ「…無理だな」

 

 リコ「どうして⁉︎目的が同じなら…」

 

 アメジオ「確かに、俺たちとお前たちの目的は同じだ。だが、俺たちの道は異なるものであり、ラクアに辿り着きたい理由も全く違う。お前たちはテラパゴスのため、俺はお祖父様のためだからな」

 

 リコ「…」

 

 アメジオ「…シンヤ」

 

 シンヤ「ん?」

 

 アメジオ「今回はジャマが入ったが、いずれお前との決着もつける」

 

 シンヤ「…フッ、ああ」

 

 アメジオはリコとシンヤにそう言い残すと、シンヤたちに背を向け、ソウブレイズと前の道を歩いて行った。

 

 リコ「…やっぱり、無理なのかな?」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 リコ「エクスプローラーズが、黒いレックウザやテラパゴスを捕まえようとしている理由をアメジオから聞いて、ラクアに行きたいのが一緒なら、みんなで力を合わせて、一緒にラクアに行けると思ったんだけど…」

 

 シンヤ「…リコの言ってる事も間違いじゃないけど、アメジオの言ってる事も間違いじゃない。俺たちがラクアに行こうとしてるのはテラパゴスのためで、エクスプローラーズはアメジオの祖父さんのため。ラクアに行きたい目的が同じでも、互いにラクアに行く理由が違うからな」

 

 リコ「…」

 

 シンヤ「…けど、アイツはいいヤツだよ」

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「さっきアイツは、スピネルに気をつけろと俺たちに忠告してきた。同じエクスプローラーズで、仲間であるはずのスピネルをな」

 

 リコ「…」

 

 シンヤ「テラパゴスが欲しいなら、スピネルと協力すればいいのに、わざわざ俺たちにスピネルに気をつけろなんて、普通は言わない。…けど、正直驚いた。あれだけ酷い目に合わせられたエクスプローラーズに、協力してラクアに行けないのかって、リコがアメジオに言った時は」

 

 アメジオと初めて会った時、リコは恐怖を感じてシンヤに助けを求め、その日から今日まで、リコはエクスプローラーズに酷い目に合わせられてきた。そのリコの気持ちを考えると、エクスプローラーズに協力してラクアに行こうなどと、簡単に言えるものではない。

 

 リコ「最初は、エクスプローラーズが悪い奴って思ってたけど。エクスプローラーズの目的をアメジオから聞いて、目的が一緒なら、力を合わせて協力することが出来るんじゃないのかなって、そう思ったんだ」

 

 シンヤ「フッ。俺はリコのそういうやさしいところ、大好きだぜ」

 

 リコ「///……シンヤ、さっきはありがとう。ダークトリニティから、私を守るように立ってくれて。シンヤは、いつも私のことを大切にしてくれてるし、守ってくれるし、優しくしてくれるよね」

 

 シンヤ「当たり前だ。俺にとってお前は…失いたくない、大切な存在なんだからな」

 

 リコ「はうっ⁉︎///……シンヤ、顔が赤いよ」

 

 シンヤ「ッ⁉︎///それはリコもだろう」

 

 リコ「…フフッ。……シンヤ、さっきのアメジオとのバトルでゲッコウガをテラスタルしなかったのは、テラスタルをしなくても、強くなる方法はいくらでもあるって、私に教えてくれるためだったんだよね?」

 

 シンヤ「…ホント、リコって偶に鋭い時があるよな。…さぁ、さっさとロイたちと合流しよう」

 

 リコ「うん!」

 

 洞窟に閉じ込められたシンヤとリコは、アメジオと協力して洞窟から脱出すると、ロイとドットと合流するため、アメジオと反対の道を歩いて行ったが、その様子をナッペ山の上空から見ている、一体のポケモンがいた。

 

 ナッペ山・上空

 

 オーベム「…」

 

 

 グルーシャ「これを見ろ」

 

 (大きな岩)

 

 ロイ「岩?」

 

 ドット「岩がどうかしたんですか?」

 

 グルーシャ「違う。岩の下」

 

 ミコ「あっ、岩が動いた跡がある」

 

 シンヤとリコを捜しにきたロイたちは、チャーレムが「サイコキネシス」を使って大きな岩を動かした所にやってきた。そして、「サイコキネシス」で動かした岩の下をよく見ると、明らかに岩が動かされた跡が残っていた。

 

 ドット「もしかして、シンヤとリコは、この岩の向こうに?」

 

 ロイ「ちゃんとこの岩を見てたら、早く気づいてたのに」

 

 グルーシャ「目の前だけじゃない。大切なのは、自分の立っている足元を見ることだ」

 

 ミコ「ゴウカザル、この岩を壊してくれる?」

 

 ゴウカザル「ウッキィ!ウッ、キィィィ!」

 

 ドォォォォン!

 

 ミコ「あっ」

 

 

 

 リコ「ビックリした…あっ」

 

 ニャローテ「ニャ?」

 

 シンヤ「ミコ!ロイ!ドット!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 ロイ「リコ!シンヤ!」

 

 ドット「無事だったか!」

 

 コライドン「コラァァイ!」

 

 ミライドン「アギャアア!」

 

 シンヤ「おっ、コライドン、ミライドン。ロイたちと合流してたのか」

 

 ゴウカザルが目の前の岩を右手の拳で殴り壊すと、岩が崩れ落ちて煙が舞った。その煙が晴れると、ミコたちの目の前にはシンヤとリコたちがいて、ロイたちはシンヤたちのに近くに駆け寄り、互いの無事を確認した。

 

 ドット「無事でよかった」

 

 リコ「心配かけてごめんね。私たちは大丈夫」

 

 フリード「お〜〜〜い!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リザードン「リザァァァ!」

 

 シンヤ「んっ?…フリード!キャップまで!」

 

 シンヤたちがロイたちと合流すると、ちょうどそこに、ロイとドットから連絡をもらったフリードがリザードンに乗って、キャップと一緒にシンヤたちの元にやってきた。全員揃ったあと、シンヤたちは山小屋に向かい、薪ストーブを焚いて暖をとった。

 

 山小屋の中

 

 グルーシャ「ここで少し温まっていけばいいよ」

 

 フリード「ええ。すぐにリコたちを捜してくれて、本当にありがとうございました」ペコッ(頭を下げる)

 

 ロイ・ドット「「ありがとうございました」」ペコッ(頭を下げる)

 

 リコ「ご心配おかけしました」ペコッ(頭を下げる)

 

 グルーシャ「…無事でよかったね」

 

 ガチャ(扉を開ける)

 

 グルーシャはそうリコに言うと、山小屋の扉を開けて、そのままナッペ山ジムに戻って行った。

 

 リコ(応用テストは不合格だったけど、道は1つじゃない。いくつもあるんだ。シンヤが教えてくれたように、私が諦めなければ、きっといつか…)

 

 フリード「シンヤ、スピネルは何をしに現れた?」

 

 シンヤ「詳しいことは分からないけど、奴が何かの装置を使ってラクリウムからモヤを発生させたあと、それをブラッキーとサザンドラに浴びせたら、突然ブラッキーとサザンドラが凶暴化したんだ」

 

 フリード「ッ!ラクリウムは奴が持っていたのか!」

 

 シンヤ「ああ。恐らく、俺たちがエクシード社に行った時、奴が持ち出したんだろう」

 

 フリード「なるほど。そう考えれば、色々と辻褄が合うな」

 

 ロイ「ラクリウムって?」

 

 フリード「昔、俺が働いていた会社にあった謎の物質だ。そんな力があったとはな」

 

 リコ「ブラッキー、なんだか苦しそうだった」

 

 シンヤ「だけど、テラパゴスが大きな甲羅の姿に変わって力を放ったら、浄化でもされたようにブラッキーとサザンドラは元に戻って、ラクリウムは砕け散ったんだ」

 

 フリード「?それはどういうことだ?」

 

 テラパゴス「…」

 

 フリード「って、テラパゴスが知ってる訳ないか?」

 

 シンヤ(いや、スピネルが持っていたラクリウムを見た時、テラパゴスはラクリウムに反応していた。テラパゴスとラクリウムには、何か繋がりがあるはずだ。だけど、いったいどんな繋がりが?)

 

 アメジオから聞き出した情報で、エクスプローラーズの目的や、エクスプローラーズのボスがアメジオの祖父であることは分かったが、何故アメジオの祖父は、ブラッキーとサザンドラを凶暴化させたラクリウムを欲しているのか。そして、テラパゴスとラクリウムの関係性がいったい何なのか。この2つのことが、シンヤの頭の中に強く残った。

 

 フリード「よし、お前らの無事も確認できたし、俺はこれからみんなの所に戻って、このことをみんなに伝える。お前らは奴らの動きに注意しながら、オレンジアカデミーに戻れ」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「うん」」」

 

 シンヤ「そう言えば。何でミコがロイとドットと一緒だったんだ?」

 ミコ「ああ、パルデア最高峰に行く途中で、偶然2人と出会ったの」

 

 シンヤ「そうだったのか。…あれ?リュウガと一緒じゃなかったのか?」

 

 ミコ「リュウガなら、今エリアゼロに行ってるよ。アンタとのバトルのために、パラドックスポケモンを捕まえにね」

 

 シンヤ「おいおい!許可はどうした?エリアゼロに行くには、オモダカさんたちの許可がいるはずだ!」

 

 ミコ「大丈夫。ちゃんと許可はとったから」

 

 シンヤ「あっ…そ」

 

 ロイ「ねぇ、ミコもパルデア最高峰に行くんだよね?」

 

 ミコ「うん。ヴィヴィアンさんが、パルデア最高峰から見る景色は絶景だって教えてくれてね。折角パルデアに来たんだから、見に行こうとしてたの」

 

 ロイ「だったら一緒に行こうよ!」

 

 ミコ「えっ?」

 

 ドット「どうせ目的地は同じなんだし、一緒に行けばいいだろ?リコもいいよな?」

 

 リコ「えっ?…うん」

 

 ミコ「じゃあ折角だから、一緒に行こうかな」

 

 ロイ「やった!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 パルデア最高峰

 

 ドット「ハァ、ハァ」

 

 ロイ「着いた〜!パルデア最高峰!」

 

 ホゲータ「ホンゲェ!」

 

 ミコ「うわぁ〜〜、いい眺め」

 

 ドット「すごい。今僕たち、パルデア地方で1番高い所にいるんだ」

 

 山小屋でフリードたちと別れたあと、パルデア最高峰に向かったシンヤたちは、数時間歩き続け、ようやくパルデア最高峰に辿り着き、山頂から見える絶景の景色を一望していた。

 

 シンヤ「いい景色だろ?」

 

 ピカチュウ「ピィカ」

 

 リコ「うん」…(みんなと冒険して、色んな景色を見てきたけど…いつも、いつだって、みんなと見る景色が素敵に感じられる)

 

 ロイ「リコォ!シンヤァ!折角ここまで来たんだから、記念にみんなで写真を撮ろうよ!」

 

 リコ「うん!今行く!」

 

 ぎゅっ(シンヤの手を握る)

 

 シンヤ「ん?」

 

 リコ「一緒に行こう、シンヤ」

 

 シンヤ「…フッ、ああ」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 ロイ「ミコも一緒に撮ろうよ!」

 

 ミコ「ええ」

 

 ロイ「撮るよ〜。3・2・1!」

 

 カシャ(写真を撮る音)

 

 パルデア最高峰に来るまで色々あったが、みんなで力を合わせてここに辿り着き、ここから見る景色を見ていると、シンヤたちはさっきまでの事など忘れて、パルデア最高峰から見える絶景の景色を楽しんでいた。そして、パルデア最高峰に来た記念に写真を撮ろうとロイが言い出すと、パルデア最高峰と書いてある看板の所に全員集まり、シンヤたちは写真を撮った。

 

 

 エクスプローラーズのアジト

 

 ハンベル「お帰りなさいませ、アメジオ様」

 

 アメジオ「…」

 

 サンゴ「…」

 

 オニキス「…」

 

 スピネル「…」

 

 アゲート「…」

 

 ここは、エクスプローラーズのアジト。シンヤたちと洞窟から脱出したあと、アメジオはアジトに呼び出され、ギベオンと謁見する間にやってきた。そこには既に、自分と同じエクスプローラーズの幹部でもある、オニキス、サンゴ、スピネル、アゲートの4人と、執事のハンベルが待っていた。

 

 アメジオ「わざわざ呼び出して、いったい何のようだ?」

 

 何故自分がここに呼び出されたのか、アメジオにはその理由が全く分からず、理由をスピネルたちに聞いたが、スピネルたちは何も答えなかった。

 

 アメジオ「スピネル、貴様には聞きたい事が…」

 

 スピネル「残念ですよ」

 

 アメジオ「何?」

 

 スピネル「まさかあなたが、我々を裏切っていたとは」

 

 アメジオ「はぁ?何のことだ?」

 

 アジトに戻ったアメジオは、ナッペ山でのことをスピネルに聞こうとした。しかし、スピネルはアメジオの話を遮ると、アメジオが自分たちを裏切っていたと言い出した。

 

 ハンベル「これをご覧ください。スピネル様からのご報告です」

 

 ピッ(映像を見せる)

 

 アメジオはスピネルが何を言っているのか分からなかったが、ハンベルがある映像を見せると、アメジオは目を見開いた。ハンベルがアメジオたちに見せた映像は、ナッペ山の上空からオーベムが隠し撮りしていたもので、スピネルがシンヤたちを閉じ込めた洞窟の天井から、シンヤのリザードンとアメジオのアーマーガアが一緒に出てくる映像だった。

 

 アメジオ「くっ」

 

 アゲート「我々に黙って、敵と行動していた理由は何だ?」

 

 スピネル「それに、目の前にテラパゴスがいたにも関わらず、それを見逃すとは、あなたの行動は不可解でなりませんね」

 

 アメジオ「貴様!最初からこれが狙いだったのか!」

 

 アメジオは、シンヤたちと一緒に脱出した映像を見せられると、スピネルの目的が、洞窟に自分たちを閉じ込めるのではなく、この映像を撮ることだったと確信し、スピネルを問い詰めようとした。

 

 サンゴ「待ちなって。アメぴょん、言い訳があるなら聞いてやるけど」

 

 オニキス「俺も映像を見ただけでは信じられん」

 

 ハンベル「ええ。ですから、彼らと何があったのか、アメジオ様からご説明していただけますか?」

 

 スピネルとアゲートは、洞窟の中にアメジオを閉じ込めた時から、この映像を撮ろうとしたため、これがやらせだと分かっていたが、サンゴ、オニキス、ハンベルの3人は、映像だけではどこまでが真実か分からないため、中立の立場でアメジオから話を聞こうとした。

 

 アメジオ「これは…」

 

 ギベオン『その必要はない』

 

 アメジオが映像のことを説明しようとした時、アメジオたちが立っている目の前の壁の一部の模様が光りだし、そこからエクスプローラーズのボスのギベオンが話しかけてきた。

 

 ハンベル「ギベオン様」

 

 ギベオン『アメジオ、失望したぞ』

 

 アメジオ「待ってください!」

 

 ギベオン『お前もか…』

 

 アメジオ「ぇ?」

 

 ギベオン『お前も同じように道を誤るのか。…アメジオ、お前を全ての任務から外す』

 

 アメジオ「なっ⁉︎」

 

 ギベオン『話は終わりだ』

 

 アメジオ「お爺…」

 

 ギベオン『下がれ。お前の顔は見たくない』

 

 アメジオ「ッ!」

 

 アゲート「…」

 スピネル(…フフッ)

 

 オニキス「ッ…」

 サンゴ「ッ…」

 

 アメジオ「くっ…くぅ!」

 

 アメジオはギベオンに弁明しようとするが、ギベオンはそれを許さず、アメジオに全ての任務から外すと伝えてアメジオを突き放し、ギベオンの言葉にショックを受けたアメジオは、両手の拳を握りしめていた。

 

 

 

 

 

 To be continued

 

 次回予告

 

 応用テストを終えたリコたちがオレンジアカデミーへ戻ると、校長のクラベルから、テラスタル研修を受けている研修生同士のバトル大会があると発表され、リコたちはバトル大会に参加することになった。シンヤはリコたちの試合が始まるまで、研修生同士のバトルを観戦しようとするが、スマホロトムにゲーチスからメールが送られてきて、1番エリアに来るように書いてあるのを確認し、シンヤは1番エリアに向かった。しかし、1番エリアにスグリもやってきて、シンヤはスグリと協力してゲーチスとバトルをすることに。

 

 

 次回「オレンジアカデミーの危機‼︎シンヤ・スグリVSゲーチス!友情のバトル!」

 





 
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