ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 研修生バトル大会が終了した次の日、シンヤはリュウガとポケモンバトルをするため、リコたちと一緒にオレンジアカデミーに向かっていた。


第72話『ライバルバトル!シンヤVSリュウガ!』

 

 パルデア地方・テーブルシティ

 

 シンヤ「///」

 

 リコ「///」

 

 ロイ「ねぇドット。シンヤとリコ、なんで顔を合わせようとしないの?」

 

 ドット「あ〜〜、昨日の夜、ちょっとな」

 

 ロイ「?」

 

 昨日の夜、ロイはシンヤたちより先に眠っていたから何も知らないが、シンヤはお風呂から出てきたリコの裸を見てしまったのだ。そのため、シンヤもリコもお互い気まずくなり、顔を合わせようとしなかった。

 

 シンヤ「リコ、ホントすまん。その…」

 

 リコ「も、もういいよ///ワザとじゃないんだし///」

 

 昨日リコがお風呂から出た後、シンヤはちゃんとリコに謝り、リコはワザとじゃないからと許してくれた。まぁ、シンヤはリコがお風呂に入っていると知らなかったから、本当にワザとではないのだが」

 

 ミコ「…スケベ」

 

 シンヤ「なっ⁉︎」

 

 ミコ「ドスケベ」

 

 シンヤ「なんでそこまで言われなきゃならねぇんだ!」

 

 ミコ「鼻血出してたくせに」

 

 シンヤ(ぐぬぬぬぬぬっ、いつかお前が俺と同じ立場になった時、倍にして返してやるからな!)

 

 ミコに言いたい放題言われてムカついているシンヤだったが、正論を言われているため反論もできず、いつかミコの弱みを握った時、仕返しをしてやろうと心に誓ったのだった。

 

 オレンジアカデミー・エントランスホール

 

 リュウガ「おっ、やっときたか」

 

 シンヤ「あ、リュウガ」

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 シンヤ『お前、ホントに大丈夫なのか?』

 

 リュウガ『ああ、問題ねぇよ』

 

 シンヤ『イベルタルは奪われてないんだろうな?』

 

 リュウガ『ああ。ゲーチスたちと戦ったあと、昨日ナナカマドの爺さんの所に送ったよ』

 

 シンヤ『そうか。ならいい』

 

 リュウガ『昨日エリアゼロであったこと全部、オモダカさんやクラベル校長に話しといたし、今日のバトルを3対3にしてくれるように言っといたから』

 

 シンヤ『バトルのルールも説明したか?』

 

 リュウガ『もちろん』

 

 シンヤ(イベルタルを奪われてないと嘘をついてるかと思ったけど。怪我はしてないようだし、コイツの顔を見れば、それが嘘じゃないことが分かるな)

 

 ミコ「2人とも、なに小声でコソコソ話してるの?」

 

 シンヤ「い、いや」

 

 リュウガ「別になにも…」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「?」」」

 

 オレンジアカデミーのエントランスホールにやってくると、受付の所にリュウガがいるのを見たシンヤはリュウガの元に向かい、リコたちに聞こえないよう小声でリュウガと話をした後、リュウガが怪我をしていないか確認した。

 

 クラベル「おや、皆さんお揃いでしたか」

 

 ロイ「あっ、校長先生」

 

 フリード「よっ、3人ともお疲れさん」

 

 ドット「フリード」

 

 フリード「リコ、ロイ、ドット、テラスタル研修、合格おめでとう」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「ありがとう」」」

 

 オモダカ「お待たせしました」

 

 スグリ「シンヤ」

 

 ゼイユ「おはよ」

 

 シンヤ「スグリ、ゼイユ、おはよう」

 

 ピカチュウ「ピィカッピカ」

 

 シンヤとリュウガが話をしていると、そこに、クラベル、フリード、オモダカ、スグリとゼイユの兄弟がやってくる。

 

 オモダカ「リュウガさん、これを」

 

 スッ(テラスタルオーブを渡す)

 

 リュウガ「ありがとうございます」

 

 オモダカ「シンヤさんとリュウガさんのバトルを見る方たちは、これで全員ですね」

 

 ロイ「あれ?ネモやペパーは?」

 

 ドット「ボタンもいないし」

 

 オモダカ「ペパーさんは、オーリム博士とフトゥー博士のお見舞いに。ネモさんは生徒会のお仕事で。ボタンさんは、ポケモンリーグのエンジニアとしてのお仕事です」

 

 シンヤ「確か、母さんも仕事があるって言ってたな」

 

 ミコ「てことは、ヴィヴィアンさんとルッカさんとアレックスさん、ペパーとネモとボタンを除く人たちが、シンヤとリュウガのバトルを観戦するわけね」

 

 オモダカ「そうなりますね。それでは、ポケモンリーグの会場に行きましょう」

 

 オモダカはリュウガにテラスタルオーブを渡すと、シンヤとリュウガのバトルを見る全員が集まったかを確認し、シンヤたちを連れてポケモンリーグの会場に向かった。

 

 パルデア地方・ポケモンリーグの観客席

 

 リコ「うわぁ〜〜!」

 

 ロイ「すご〜〜い!」

 

 ドット「これがポケモンリーグの会場か!」

 

 ミコ「リコたちって、ポケモンリーグの会場を見るのは初めて?」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「うん!」」」

 

 ゼイユ「へぇ〜、ブルーベリー学園とは違うのね」

 

 リコ「ブルーベリー学園にも、ポケモンリーグの会場ってあるの?」

 

 ゼイユ「こんなに立派なものじゃないけど、似たようなものがあるかな」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 ポケモンリーグの会場にやってくると、リコたちは初めて見るポケモンリーグの会場の広さに驚き、観客席に座って辺りを見回していた。

 

 ピカチュウ「ピィーカ…」

 

 リコ「ピカチュウ、今日も一緒に見学だね」

 

 ニャローテ「ニャッァ」

 

 ピカチュウ「ピィーカ( 。`・н・´。 )」

 

 ピカチュウはリュウガとのバトルに出るつもりだったが、今回は試したいポケモンがいるからとシンヤに言われたので、シンヤはピカチュウをリコに預けたのだが、ピカチュウはすっかりご機嫌斜めになり、膨れっ面になっていた。そして、この会場でポケモンバトルをするシンヤとリュウガは、バトルフィールドのトレーナーゾーンに立っていた。

 

 バトルフィールド

 

 シンヤ「懐かしいな。お前とこうしてバトルするのも」

 

 リュウガ「お前と最後にバトルしたのは、お前がポケモンWCSに参加する前だからな」

 

 スチャ(それぞれモンスターボールを取り出す)

 

 オモダカ「ではこれより、シンヤさんとリュウガさんのポケモンバトルを始めます。使用ポケモンはお互いに三体!どちらかのポケモン全てを戦闘不能にした方が勝者となります!尚、このバトルのルールは勝ち抜き戦とし、《メガシンカ》《Zワザ》《テラスタル》の使用が認められます!」

 

 

 リコ「勝ち抜き戦?」

 

 ミコ「ポケモンを交代させることができる技を使うのはアリだけど、ポケモンを自由に入れ替えできないポケモンバトルってこと」

 

 ロイ「えっ?ただポケモンを交代できなくなるだけ?」

 

 フリード「ロイ、よく考えてみろ。交代できないってことは、フィールドに出たポケモンは倒れるまでバトルしなきゃいけないってことだ。連続でバトルすれば疲労だって溜まるし、タイプの相性で不利なポケモンとバトルすることになる」

 

 ロイ「あっ、そっか」

 

 アチゲータ「アチアチ」

 

 ミコ「あの2人がやるバトルはいつも勝ち抜き戦なんだ。入れ替えアリのルールじゃ、タイプの相性が有利なポケモンに交代し続けるから、入れ替え戦なしの勝ち抜き戦にしようって」

 

 ドット「なるほど」

 

 ウェルカモ「ウェール」

 

 フリード「じゃあ、このバトルの鍵になるのは」

 

 ミコ「はい。2人が最初に出すポケモン。そして、どっちが先に相手のポケモンを倒すかで決まるでしょう。それに、お互い《メガシンカ》《Zワザ》《テラスタル》を使うことができるから、とんでもないバトルになりますよ」

 

 

 バトルフィールド

 

 リュウガ「この時を待ってたぜ」

 

 シンヤ「俺もだ。やっとお前とバトルできる」

 

 オモダカ「それでは、両者ポケモンを!」

 

 シンヤ・リュウガ「「いっけぇ〜!」」

 

 ポーーン

 

 色違いブリジュラス「ブリジュラァァーーーッ!」

 

 トドロクツキ「ドォーーーークゥッ!」

 

 オモダカがバトルのルールを説明すると、シンヤとリュウガは構えていたモンスターボールを宙に投げ、それぞれのポケモンを繰り出した。シンヤのモンスターボールから出てきたのは《ブリジュラス》というポケモンで、ロボット怪獣の風貌をしている姿のポケモンだった。そして、リュウガが投げたモンスターボールから出てきたのは、姿がボーマンダに似ている、パラドックスポケモンの《トドロクツキ》だった。

 

 フリード「あれは、ブリジュラス!」

 

 クラベル「ブリジュラス?」

 

 フリード「最近発見された、ガラル地方に生息する《ジュラルドン》の進化形です。俺も見るのは初めてですが」

 

 

 シンヤ「ニッ。実は昨日、ジュラルドンが進化するために必要な道具を《ツバタ》さんから貰ってさ。ナナカマド博士からジュラルドンを送ってもらって、昨日の夜に進化させたんだ。リコたちもその場に居たし」

 

 フリード「えっ?そうなのか?」

 

 ロイ「うん」

 

 リコ「ジュラルドンがブリジュラスに進化するところを、シンヤに見せてもらったの」

 

 ドット「進化の瞬間もバッチリ動画に撮ったし」

 

 

 リュウガ「ほ〜ぅ。じゃあ、これがブリジュラスの初バトルって訳か」

 

 シンヤ「それはお互い様だろ?」

 

 リュウガ「まあな。俺のトドロクツキもこれが初バトルになる」

 

 

 ブリジュラスはジュラルドンの時、何度もしたことはある。しかし、ブリジュラスになってバトルするのはこれが初だ。リュウガのゲットしたトドロクツキも、リュウガの手持ちになってからはこれが初のバトル。つまり、これが互いの初陣ということになる。

 

 

 オモダカ「では、バトル、スタート!」

 

 シンヤ「ブリジュラス!「ステルスロック!」」

 

 ブリジュラス「ジュラァァーーーッ‼︎」

 

 オモダカの合図でポケモンバトルが始まると、ブリジュラスは「ステルスロック」を発動し、バトルフィールドの空中には無数の岩が浮かび上がった。

 

 リュウガ「トドロクツキ!「にほんばれ!」」

 

 トドロクツキ「ドォーーーークゥゥッ‼︎」

 

 ブリジュラスが「ステルスロック」を使ったあと、トドロクツキは「にほんばれ」を発動した。すると、天候は「にほんばれ」状態になり、太陽の日差しがより強くなると、トドロクツキの特性《こだいかっせい》が発動し、トドロクツキの特攻が上がった。

 

 

 ロイ「あれ?「ステルスロック」って攻撃技じゃないの?」

 

 フリード「ステルスロックは、交代で出てきたポケモンにダメージを与える技だから、フィールドに出てるポケモンに効果はないんだ」

 

 ドット「でも、このバトルって勝ち抜き戦だから、「ステルスロック」はあまり意味がないんじゃ?」

 

 ミコ「ううん。「ステルスロック」は、出てきたポケモンのタイプによって与えるダメージが違うの。はがねタイプやいわタイプならダメージは少ないけど、ほのおタイプやひこうタイプのなら与えられるダメージは大きい。恐らくこの「ステルスロック」の狙いは、リュウガがこれから出すポケモンの牽制と、シンヤがこれから出すポケモンを有利に戦わせるためのもの。そして、リュウガが「にほんばれ」を使ったのは、トドロクツキの「こだいかっせい」を発動させるためのもの」

 

 フリード「まずは互いに足場作りってことか…」

 

 

 シンヤ「ラスターカノン!」

 

 ブリジュラス「ジュラァァーーッ‼︎」

 

 リュウガ「ドラゴンクロー!」

 

 トドロクツキ「ドォォーークッ!」

 

 バァァァァン!

 

 シンヤ「ブリジュラス!「エレクトロビーム!」」

 

 ブリジュラス「ブリッ、ジュラァァーーーッ‼︎」

 

 リュウガ「トドロクツキ!「かえんほうしゃ!」」

 

 トドロクツキ「ドオォォーーーークゥゥッ‼︎」

 

 ブリジュラスが「ラスターカノン」を放つと、トドロクツキは右手で「ドラゴンクロー」を発動し、右手を振り下ろして「ラスターカノン」をガードした。「ラスターカノン」が防がれると、シンヤはブリジュラスに「エレクトロビーム」という技を指示した。すると、ブリジュラスは上体を吊り橋のように伸ばして四つん這いになり、口元に電気を集め始めた。ブリジュラスが電気を集めていると、トドロクツキは口から「かえんほうしゃ」を放って先にブリジュラスを攻撃してきた。「かえんほうしゃ」は「にほんばれ」の効果でパワーアップし、トドロクツキの特性《こだいかっせい》の効果も合わさっているので物凄い威力になっていた。「かえんほうしゃ」が迫ってくると、電気を集め終わったブリジュラスは高圧の電気を発射した。「エレクトロビーム」と「かえんほうしゃ」がぶつかり合うと大爆発が起こり、互いの技は相殺されてしまう、

 

 シンヤ「威力は…」

 

 リュウガ「互角か…『スケイルショット』!」

 

 トドロクツキ「ドォォーーーークゥッ‼︎」

 

 シンヤ「ブリジュラス!そのまま受けろ!」

 

 ブリジュラス「ジュラァァ!」

 

 リュウガ「何⁉︎」

 

 バァン、バァン、バァン!

 

 ブリジュラス「ジュラァァ…」

 

 トドロクツキが自分の体から複数の鱗を撃ち出すと、シンヤはブリジュラスに、そのままトドロクツキの攻撃を受けるように言った。本来ならかわせと指示を出すはずなのに、何故トドロクツキの攻撃を受けさせたのか、リュウガにはシンヤの意図が分からなかった。

 

 シンヤ(……フッ)

 

 ブリジュラス「ブリジュラァァーーッ!」

 

 リュウガ「なんだ、何かの能力が上がったのか⁉︎…まさか、ブリジュラスの特性って…」

 

 シンヤ「お前のご明察通り。俺のブリジュラスの特性は《じきゅうりょく》だ」

 

 

 観客席

 

 リコ「じきゅうりょく?」

 

 ロイ「それってどんな特性なの?」

 

 フリード「じきゅうりょくは、相手からダメージを受けた時に発動する特性で、ポケモンの防御力を上げる特性なんだ」

 

 ミコ「さっきシンヤがブリジュラスにワザと「スケイルショット」を受けさせたのは、じきゅうりょくで防御力を上げるためだったのね」

 

 

 リュウガ「…ブリジュラスのじきゅうりょくを発動するのが、お前の狙いだったのか?」

 

 シンヤ「ああ。「スケイルショット」は連続で攻撃する技だが、威力がめちゃくちゃ低いからな。威力が低い「スケイルショット」が何発当たっても、ブリジュラスには大したダメージにならない。オマケに「スケイルショット」が当たった分だけじきゅうりょくが発動するから、ブリジュラスの防御力はかなり上がる」

 

 リュウガ「なるほどな。…だが、「スケイルショット」の効果でトドロクツキのスピードは上がっている。なにもそっちだけが有利になった訳じゃないぜ」

 

 シンヤ「フッ。ブリジュラス!「りゅうせいぐん!」」

 

 ブリジュラス「ブリィィーージュラァァーーーッ‼︎」

 

 リュウガ「「あくのはどう」でガードしろ!」

 

 トドロクツキ「ドォーーークゥッ‼︎」

 

 

 ブリジュラスが身体中のエネルギーを口に集め始めてパワーを溜めると、溜めたエネルギーを空に放って「りゅうせいぐん」を発動した。トドロクツキは降ってきた流星を「あくのはどう」を放って粉砕するが、「エレクトロビーム」の効果で特攻が上がっているブリジュラスの「りゅうせいぐん」を防ぐことができず、トドロクツキは「りゅうせいぐん」のダメージを受けてしまう。

 

 リュウガ「トドロクツキ!…しゃあねぇ、こうなったら!」

 

 スッ(ZパワーリングとZクリスタルを取り出す)

 

 シンヤ「あっ、それは!」

 

 スチャ(Zパワーリングを左手に付ける)

 

 カチャ(ZクリスタルをZパワーリングに装着する)

 

 このままではトドロクツキがやられると考えたリュウガは、ポケットからある物を取り出した。それは、トレーナーの気力と体力を使ってポケモンがZパワーを放てるようにする、《Zパワーリング》と呼ばれる不思議な腕輪と、ポケモンがZワザを使用するために必要なアイテムの《Zクリスタル》だった。

 

 シンヤ「《Zパワーリング》に、《ホノオZ》!」

 

 リュウガ「ヘヘッ、前にアローラ地方を冒険した時に、《ククイ博士》から貰ったんだ」

 

 シンヤ「マジかよ。…なら」

 

 スッ(ZパワーリングとZクリスタルを取り出す)

 

 スチャ(Zパワーリングを左手に付ける)

 

 カチャ(ZクリスタルをZパワーリングに装着する)

 

 シンヤ「ヘッ」

 

 リュウガ「お前のは《ドラゴンZ》か」

 

 リュウガが左手にZパワーリングを装着し、Zパワーリングの窪みにホノオZを嵌めると、シンヤもポケットからZパワーリングを取り出し、それを左手に装着すると、ポケットから取り出したドラゴンZをZパワーリングの窪みに嵌めた。

 

 観客席

 

 リコ「あれって!」

 

 ロイ「Zパワーリングに、Zクリスタルだ!」

 

 クラベル「ほほぅ。あれが、アローラ地方に伝わるZパワーリングと、Zクリスタルですか」

 

 ミコ「…このバトル、とんでもないことになるわね。みんな、衝撃に備えた方がいいわよ」

 

 観客席にいる全員「「「えっ?」」」

 

 

 

 リュウガ「いくぜシンヤ!」

 

 シンヤ「おう!」

 

 シンヤとリュウガが互いに腕をクロスさせると、二つのZクリスタルから輝きが放たれ、シンヤがブリジュラスに動きを合わせると、両手を前方に突き出し、左手だけを斜め上にあげた。すると、ブリジュラスはZパワーを体に纏った。リュウガもトドロクツキに動きを合わせ、炎が燃え上がる動きをすると、左手を右腕に添え、そのまま左手を前に伸ばした。すると、リュウガの気力や体力がZパワーに変わってトドロクツキに送られ、トドロクツキはZパワーを体に纏うと、トドロクツキの目の前に巨大な炎の玉が出現した。

 

 リコ「な、何アレ⁉︎」

 

 ゼイユ「スゴ…」

 

 スグリ「わやじゃ…」

 

 

 バトルフィールド

 

 リュウガ「《ダイナミックフルフレイム》‼︎」

 

 シンヤ「《アルティメットドラゴンバーン》‼︎」

 

 トドロクツキ「ドオォォーーーーークゥゥッ‼︎」

 

 ブリジュラス「ブリジュラァァーーーーーーッ‼︎」

 

 

 ドォォォォォォォォォォン‼︎

 

 

 観客席にいる全員「「「うわぁぁぁぁぁぁ⁉︎」」」

 

 シンヤとリュウガが互いにZワザを叫ぶと、トドロクツキは炎の玉をブリジュラスに向かって撃ち飛ばし、ブリジュラスは集めたエネルギーをトドロクツキに向かって撃ち出した。お互いがぶつけ合ったZワザは物凄い威力だったので、ポケモンリーグの会場全体に衝撃波が響き渡り、バトルフィールドでは大爆発が起こって煙が舞っていた。

 

 ブリジュラス「…」

 

 トドロクツキ「…」

 

 

 バタンッ

 

 

 トドロクツキ「ドォー…ク…」(目がぐるぐる)

 

 オモダカ「トドロクツキ、戦闘不能!ブリジュラスの勝ち!」

 

 シンヤ「よっしゃあ!」

 

 ブリジュラス「ジュラァァーーッ!」

 

 バトルフィールドに広がっていた煙が晴れていき、ブリジュラスとトドロクツキの姿が見えてくると、2人は互いに相手を見ていた。しかし、しばらくするとトドロクツキの体がぐらつき、トドロクツキはそのまま地面に倒れてしまう。バトルの審判であるオモダカがトドロクツキを見ると、トドロクツキが目を回して戦闘不能になっているのを確認したのでブリジュラスの勝ちを宣言した。そして、ここで「にほんばれ」の効果も終わってしまう。

 

 リュウガ「戻れ、トドロクツキ」

 

 シュルルーン

 

 リュウガ「ご苦労だった。ゆっくり休め」

 

 観客席

 

 ロイ「まずはシンヤが勝ったね」

 

 ミコ「ブリジュラスはあまりダメージを受けなかったから、リュウガのZワザでは勝ちきれなかったみたいね」

 

 ドット「トドロクツキは「りゅうせいぐん」のダメージを受けてたし、そこに畳みかけるように、ドラゴンタイプのZワザを喰らったんだもんな」

 

 フリード「だが、バトルは始まったばかりだ」

 リコ「…」

 

 

 バトルフィールド

 

 

 リュウガ「ゲットしたばかりとはいえ、こんなにあっさりやられるとはな」

 

 シンヤ「ブリジュラスはジュラルドンの時から何度もバトルしてるんだから、場数の違いだろ」

 

 リュウガ「ま、そりゃあそうだわな。じゃあ次だ!」

 

 

 ポーーン

 

 

 ギャラドス「ギャアァァァァァァッ!」

 

 ドォォォォン!(ステルスロックのダメージ)

 

 ギャラドス「ギャアァァァァッ⁉︎」

 

 Zワザ対決はブリジュラスの勝ちで終わったが、リュウガはトドロクツキをモンスターボールに戻すと、今度はギャラドスを繰り出した。すると、バトルフィールドに浮いていた岩がギャラドスに襲い掛かり、ギャラドスはダメージを負ってしまう。

 

 

 リコ「あっ!」

 

 フリード「「ステルスロック」の効果だな」

 

 ミコ「ギャラドスはみず・ひこうタイプだから、「ステルスロック」のダメージがかなり高いはずよ」

 

 

 バトルフィールド

 

 

 シンヤ「ブリジュラス!「エレクトロビーム!」」

 

 ブリジュラス「ジュラァァー…」

 

 

 リュウガ「させるかよ!「じしん!」」

 

 ギャラドス「ギャアァァラァァッ!」

 

 ドォォォォォォン

 

 ブリジュラス「ジュララッ⁉︎」

 

 このバトルのルールは勝ち抜き戦のため、シンヤはブリジュラスを交代させることができない。よってこのまま、ブリジュラスとギャラドスのバトルが始まる。ブリジュラスが「エレクトロビーム」を発射しようとすると、ギャラドスは尻尾を地面に叩きつけて「じしん」を発動させた。すると、バトルフィールド全体が揺れ、ブリジュラスは体勢を崩して倒れてしまう。

 

 リュウガ「ギャラドス!尻尾を使って「ステルスロック」をたたき落とせ!」

 

 ギャラドス「ギャアァァァァッ!」

 

 ドォーーン、ドォーーン!

 

 ブリジュラス「ジュラァァッ⁉︎」

 

 ブリジュラスが体勢を崩すと、ギャラドスは尻尾を使って、フィールドに浮いている全ての岩をブリジュラス目掛けて叩き落とし、ブリジュラスにダメージを与えた。

 

 リュウガ「よし。こおりのキバ!」

 

 ギャラドス「ギャアァァァァッ!」

 

 ガキンッ!

 

 ブリジュラス「ジュラァァーーッ⁉︎」

 

 ギャラドスは「こおりのキバ」を発動すると、素早くブリジュラスの元に移動し、そのままブリジュラスに噛みついた。ギャラドスに噛みつかれたブリジュラスの体はだんだん凍っていき、そのまま地面に倒れてしまう。

 

 

 ブリジュラス「ブリ…ジュラァ…」(目がぐるぐる)

 

 オモダカ「ブリジュラス、戦闘不能!ギャラドスの勝ち!」

 

 リュウガ「よくやったぞ。ギャラドス」

 

 ギャラドス「ギャアァァァァァァッ!」

 

 観客席

 

 ゼイユ「嘘!じきゅうりょくで防御力が上がってるブリジュラスが、「ハイドロポンプ」と「こおりのキバ」を喰らっただけで戦闘不能⁉︎」

 

 フリード「いや。恐らくブリジュラスには、さっきの《ダイナミックフルフレイム》のダメージが残っていたんだろう」

 

 バトルフィールド

 

 シンヤ「戻れブリジュラス」

 

 シュルルーン

 

 シンヤ「お疲れさん。ゆっくり休め」

 

 リュウガ「どうやら、ご自慢のじきゅうりょくも、Zワザには効果がなかったみたいだな」

 

 シンヤ「だが、ブリジュラスの使った「ステルスロック」の効果はまだ続く。さぁ、次はお前の番だ。頼むぞ、《ハッサム》!」

 

 ポーーン

 

 ハッサム「ハァァァサムッ!」

 

 ブリジュラスをモンスターボールに戻したあと、次にシンヤが選んだポケモンは、はさみポケモンの《ハッサム》だった。

 

 シンヤ「早速だけど。ハッサム、飛ばすぜ!」

 

 ハッサム「ハァァァァサッ!」

 

 カチャ(Zパワーリングを外す)

 

 スッ(ポケットからメガリングを取り出す)

 

 スッ(左手にメガリングをかける)

 

 リュウガ「ほ〜う。なら俺もそうするか」

 

 カチャ(Zパワーリングを外す)

 

 スッ(ポケットからメガリングを取り出す)

 

 スッ(左手にメガリングをかける)

 

 シンヤはハッサムを繰り出すと、左手に嵌めたZパワーリングを外し、ポケットから《メガリング》を取り出して左手にかけた。そしてリュウガも、左手に嵌めたZパワーリングを外すと、それをポケットにしまい、代わりにポケットからキーストーンが嵌めこまれているリング、メガリングを取り出して左手にかけた。

 

 

 スグリ「あっ」

 

 ドット「互いにメガリングをかけた」

 

 ロイ「ってことは!」

 

 フリード「次はメガシンカ対決だな」

 

 クラベル「ほほぅ。あれがキーストーンですか」

 

 リコ「…」

 

 

 シンヤとリュウガのバトルを見ていたリコたちは、シンヤとリュウガが互いにメガリングを左手にかけたことで、次に2人が何をしようとしているか分かっているようだ。

 

 

 シンヤ・リュウガ「「進化を超えろ!メガシンカ‼︎」」

 

 

 シンヤとリュウガは、同時に右手でキーストーンに触れた。すると、シンヤとリュウガの持っているキーストーンと、ハッサムとギャラドスの持っているメガストーン、《ハッサムナイト》と《ギャラドスナイト》が輝き、4つの石から光の糸が出現した。シンヤの持っているキーストーンがハッサムナイトに、リュウガの持っているキーストーンがギャラドスナイトに結びつくと、ハッサムとギャラドスは虹色の光に身を包み込まれて姿を変え始めた。

 

 

 メガハッサム「ハァァァサァァーーームッ‼︎」

 

 メガギャラドス「ギャァァァァラァァァッ‼︎」

 

 

 メガシンカしたハッサムの姿は、各部に黒鉄の装甲が追加され、両手のハサミは鋭いトゲが付いたホッチキスの様な形へと変化し、両足は真っ直ぐ伸びてヒーローの様な容姿をしていた。

 

 そして、ギャラドスは東洋龍のような長いフォルムから一転して胴体が一気に太くなり、背中には2枚の大きな背びれが突出していて、頭部の角、ヒレ、ヒゲは長く伸びており、威圧感をより際立たせる姿になった。

 

 観客席

 

 スグリ「わやじゃ…」

 

 ロイ「おおおおおおおおっ✨カッコいい!✨」

 

 ミコ「メガハッサムに、メガギャラドス」

 

 クラベル「Zワザに続いて、メガシンカまで見られるとは」

 

 リコ「シンヤのポケモンって、ラティオスやリザードンだけがメガシンカする訳じゃないんだ」

 

 ミコ「うん。リザードンやハッサムもメガシンカするけど。確か、ガブリアスやエルレイド、ジュカインやバシャーモもメガストーンを持ってるから、メガシンカできるよ」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 

 バトルフィールド

 

 

 リュウガ「ギャラドス!「ハイドロポンプ!」」

 

 メガギャラドス「ギャァァラァァァッ‼︎」

 

 シンヤ「ハッサム!「シザークロス!」」

 

 メガハッサム「ハァァァァサムッ‼︎」

 

 

 ザァァァァァン!

 

 

 メガギャラドス「ギャァァァァァッ⁉︎」

 

 ギャラドスはハッサムに狙いを定めて「ハイドロポンプ」を撃ち込んできたが、ハッサムは両手をクロスして「シザークロス」を発動すると、「ハイドロポンプ」を切り裂き、そのままギャラドスを攻撃してダメージを与えた。

 

 ドット「あれ?ギャラドスはみず・ひこうタイプだから、むしタイプの技はあまり効果がない筈なのに」

 

 フリード「ギャラドスはメガシンカすると、みず・ひこうタイプから、みず・あくタイプに変わるんだ」

 

 ロイ「えっ!そうなの!」

 

 ドット「なるほど。だから、あくタイプに効果抜群の「シザークロス」を喰らった時、あんなに苦しそうだったんだ」

 

 ミコ「オマケに「ステルスロック」のダメージもあるから、このままじゃ、ギャラドスがやられるのは時間の問題ね」

 

 バトルフィールド

 

 リュウガ「なら、とっととカタをつけなきゃな。ギャラドス!「こおりのキバ!」」

 

 メガギャラドス「ギャァァァァァッ‼︎」

 

 

 シンヤ「上昇してかわせ!」

 

 メガハッサム「ハァァァァサァッ!」

 

 シンヤ「バレットパンチ!」

 

 メガハッサム「ハァァァァサムッ!」

 

 リュウガ「フッ、「かえんほうしゃ!」」

 

 シンヤ「何⁉︎」

 

 メガギャラドス「ギャァァラァァァッ‼︎」

 

 

 バァァァァァァン!

 

 

 メガハッサム「ハァァァァァサァァ⁉︎」

 

 ギャラドスが「こおりのキバ」を発動してハッサムに接近してくると、ハッサムは背中の羽を羽ばたかせ、空に移動して「こおりのキバ」をかわした。そして、そのまま「バレットパンチ」を発動すると、上空からギャラドスを攻撃しようとした。しかし、ギャラドスはハッサムに効果抜群の「かえんほうしゃ」を放ち、ハッサムはギャラドスの攻撃を受けてしまう。

 

 シンヤ「ハッサム、大丈夫か?」

 

 メガハッサム「ハァァ、サァァ…」

 

 シンヤ「…これはやばいな」

 

 観客席

 

 ロイ「ギャラドスって、「かえんほうしゃ」が使えるんだ…」

 

 アチゲータ「アチアチ」

 

 ミコ「まずいわね。今ので完全に、バトルの主導権はリュウガが握ったことになる」

 

 ドット「どういうこと?」

 

 ミコ「今の「かえんほうしゃ」は、シンヤには予想外の一手だったのよ。ギャラドスは「ステルスロック」と「シザークロス」のダメージがあったから、次の一撃が命中すれば確実にギャラドスが倒せるとシンヤは思った。だから、ギャラドスが「こおりのキバ」を発動して接近してきた時、上空から攻撃しようと考えた。そうすればギャラドスは、「ハイドロポンプ」を発動しようとしたけど、落下速度を加えたハッサムの攻撃力を考えれば、「ハイドロポンプ」を粉砕し、そのままギャラドスを倒すつもりだった」

 

 フリード「けど、ギャラドスが「ハイドロポンプ」じゃなく、「かえんほうしゃ」を使ったから」

 

 ミコ「はい。完全に計算を狂わされたと思いますよ」

 

 ゼイユ「でも、なんで最初から「かえんほうしゃ」を使わなかったの?最初から「かえんほうしゃ」を使ってれば、「シザークロス」のダメージは受けなくて済んだかもしれないのに?」

 

 ミコ「恐らくリュウガは、「かえんほうしゃ」を使うタイミングを待ってたんだと思う。もしギャラドスが「かえんほうしゃ」を使えるって分かってたら、シンヤは「かえんほうしゃ」を警戒したバトルをしたと思うし、なにより、ハッサムはむし・ひこうタイプだから、効果抜群の「かえんほうしゃ」が命中すれば、それだけで戦闘不能になる可能性もある」

 

 フリード「なるほどな。その一撃を決めるために、ずっと「かえんほうしゃ」を温存してたってわけか…」

 

 リコ「2人とも、すごい」

 

 ロイ「うん。僕とリコが昨日したバトルとは、レベルが違いすぎる」

 

 ミコ「フフッ。その違いは、2人が相手の戦術を見抜くバトルをしてるからだよ」

 

 リコ「戦術を…」

 ロイ「見抜く?」

 

 ミコ「相手が次にどんな技を使うか、どんなタイプのポケモンで来るのか、ポケモンを交代させるか、さっきリュウガがやったように、ギリギリまで技を温存しておくとか。そういう、相手の動きや考えを見抜きながら、後々の事を考えるバトルかな?」

 

 リコ「なるほど」

 

 ロイ「あの2人、そんなにすごいバトルをしてるんだ」

 

 

 リコもロイも、何度もシンヤのバトルするところを見てきたから、シンヤの実力は分かっている筈だった。しかし、これほど戦略が深いバトルをするシンヤを見たことがないため、改めてシンヤの凄さを思い知らされた。そして、そんなシンヤと互角に戦っているリュウガを見ると、シンヤがリュウガの挑戦を受けた理由がよく分かったのだ。

 

 

 リュウガ「ギャラドスもハッサムも、互いに体力が限界のはずだ」

 

 シンヤ「ああ。恐らく次の一撃で勝負が決まるな」

 

 リュウガ「フッ。「こおりのキバ!」」

 

 メガギャラドス「ギャァァァァァッ‼︎」

 

 シンヤ「ハッサム、上昇してかわせ!」

 

 メガハッサム「ハァァァァサァッ!」

 

 リュウガ「ッ」

 

 バトルを見ている全員「「「えっ!」」」

 

 

 ギャラドスが再び「こおりのキバ」を発動してハッサムに接近してくると、ハッサムは背中の羽を羽ばたかせ、空に移動して「こおりのキバ」をかわした。それではさっきの二の舞になるはずだが、バトルを見ているリコたちも、シンヤとバトルしているリュウガも、シンヤが何を考えているか分からなかった。

 

 

 リュウガ「ギャラドス!「かえんほうしゃ!」

 

 メガギャラドス「ギャァァラァァァッ‼︎」

 

 シンヤ「ハッサム!「ダブルウイング!」」

 

 メガハッサム「ハァァァーーサムッ‼︎」

 

 

 バァァァァァン!

 

 

 メガギャラドス「ギャァァァァァッ⁉︎」

 

 ギャラドスが「かえんほうしゃ」を放ってくると、ハッサムは両手で「ダブルウイング」を発動し、右手を振り下ろして「かえんほうしゃ」を止めると、そのまま「かえんほうしゃ」を放っているギャラドスに接近し、左手を振り下ろしてギャラドスの頭に叩きつけた。

 

 

 リュウガ「クッ!「こおりのキバ!」」

 

 ガキィーーーン

 

 メガハッサム「ハァァァァサァァ⁉︎」

 

 シンヤ「ハッサム!「バレットパンチ!」」

 

 メガハッサム「ハァァァーーサァァーームッ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 メガギャラドス「ギャァァァァァッ⁉︎」

 

 

 至近距離で「ダブルウイング」を喰らったギャラドスは、最後の力を振り絞って「こおりのキバ」を発動し、ハッサムの体に噛みついた。ギャラドスに噛みつかれたハッサムの体はどんどん凍っていったが、ハッサムもギャラドスと同じように最後の力を振り絞ると、右手で「バレットパンチ」を発動し、右手を勢いよく振り下ろしてギャラドスにダメージを与えた。すると、ギャラドスは噛みついていたハッサムの体を離し、そのまま地面に倒れてしまう。

 

 ギャラドス「ギャァァ…ァァ…」(目がぐるぐる)

 

 リュウガ「ギャラドス!」

 

 オモダカ「ギャラドス、戦闘不…」

 

 バタンッ

 

 ハッサム「ハァァ…サァァ…」(目がぐるぐる)

 

 シンヤ「ハッサム…」

 

 オモダカ「ギャラドス、ハッサム、共に戦闘不能!」

 

 地面に倒れたギャラドスは目を回していて、メガシンカが解除されてしまう。これは、ギャラドスが戦闘不能になったことを意味するので、オモダカはギャラドスの負けを宣言しようとした。しかしその時、フィールドに立っていたハッサムも地面に倒れてしまい、メガシンカが解除されてしまう。すると、オモダカは改めて、ギャラドスとハッサムの戦闘不能を宣言した。

 

 シンヤ「戻れハッサム」

 

 シュルルーン

 

 シンヤ「よく戦ってくれたな」

 

 リュウガ「戻れギャラドス」

 

 シュルルーン

 

 リュウガ「ご苦労さん。ゆっくり休んでくれ」

 

 観客席

 

 フリード「ダブルノックダウンか…」

 

 ドット「これで、互いに残ってるポケモンは1体ずつ」

 

 ロイ「次が最後の勝負だね」

 

 リコ「うん」

 

 ピカチュウ「…」

 ニャローテ「…」

 アチゲータ「…」

 ウェルカモ「…」

 

 

 スチャ(モンスターボールを取り出す)

 

 

 リュウガ「まさか、「かえんほうしゃ」に対抗するための秘策が、「ダブルウイング」だったとはな」

 

 シンヤ「「シザークロス」はむしタイプ。「バレットパンチ」ははがねタイプ。どちらも「かえんほうしゃ」には弱い。だけど、「ダブルウイング」はひこうタイプの技、「かえんほうしゃ」には最も有効な技だ。それに、ギャラドスはメガシンカしてひこうタイプがなくなってるからな」

 

 リュウガ「「ダブルウイング」だったら、「かえんほうしゃ」を破る自信があったてことか?」

 

 シンヤ「いや、お前はなんのリスクも負わずに勝てる相手じゃないから、少し賭けでもあったよ」

 

 リュウガ「そうか」

 

 スッ(モンスターボールを構える)

 

 リュウガ「じゃあ始めようか。最後の勝負を!」

 

 ポーーン

 

 リュウガは倒れたギャラドスをボールに戻すと、モンスターボールを構えて、最後のポケモンを繰り出した。リュウガが投げたモンスターボールから出てきたポケモンは、頭に金色の兜を被ったような顔をしていて、体はムカデじみた六本脚の生えた太い脚で、背中にはボロボロの黒い影のような翼があり、翼には赤いトゲが3本ずつ付いているポケモンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギラティナ「ギラァァァァァァァッ‼︎」

 

 シンヤ「なっ⁉︎」

 

 

 観客席

 

 

 ピカチュウ「ピィーカ⁉︎」

 ニャローテ「ニャァァーロォッ⁉︎」

 アチゲータ「アチゲェ⁉︎」

 ウェルカモ「ウェール⁉︎」

 

 ミコ「《ギラティナ》!」

 

 ロイ「えっ⁉︎」

 

 ドット「あれが⁉︎」

 

 リコ「ギラティナって、確か…」

 

 ミコ「そう。シンヤがゲットしたディアルガとパルキアと同じ、シンオウ地方の伝説のポケモン」

 

 リコ「ぁ…」スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 ギラティナ はんこつ ゴースト・ドラゴンタイプ。

 

 常識の通用しないこの世界の裏側にあると言われている、破れた世界に生息する。

 

 リコ「破れた世界…」

 

 フリード「まさか、ディアルガやパルキアに続いて、ギラティナまで見られるとはな」

 

 ゼイユ「凄すぎでしょ…」

 

 スグリ「わやじゃ…」

 

 クラベル・オモダカ「「ぁ…」」

 

 バトルフィールド

 

 リュウガ「お前とバトルするために、シンオウ地方に戻った時にゲットしたんだ」

 

 リュウガが最後に出したポケモンは、シンヤのゲットしている神と呼ばれしポケモン、ディアルガとパルキアと対となる存在であり、シンオウ地方の伝説のポケモンギラティナだった。ディアルガとパルキアは神々しさがあったが、ギラティナの見た目は神々しいと言うより、禍々しさが強調されている姿のため、ギラティナを見たリコたちは、ギラティナの放つプレッシャーに呑まれそうになってしまう。

 

 シンヤ「……」

 

 リュウガ「ん?どうした?」

 

 観客席

 

 リコ「シンヤ?」

 

 ドット「…もしかして、ギラティナを見て、戦意喪失したんじゃ?」

 

 ロイ「えっ?まさか」

 

 ドット「だって、ギラティナってさ、たった一体でディアルガとパルキアに勝てる程のポケモンなんでしょ?」

 

 ミコ「うん。本にはそう書いてあったけど」

 

 

 

 

 プッ

 

 シンヤ「はははははははっ!」

 

 リュウガ「……は?」

 

 

 

 ロイ「え?」

 

 リコ「シ、シンヤ?」

 

 ドット「なんで笑ってんの?」

 

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 ニャローテ「ニャァ?」

 アチゲータ「アチゲェ?」

 ウェルカモ「ウェール?」

 

 

 ギラティナがバトルフィールドに現れると、シンヤは顔を下に向けていた。その様子を見ていたリコたちは、シンヤが戦意を喪失したのかと心配していたが、しばらくすると、突然シンヤは顔を上にあげて大声で笑い始めてしまう。

 

 シンヤ「悪い悪い。嬉しい誤算だと思ってな」

 

 リュウガ「?」

 

 シンヤ「俺もお前も、互いにどんなポケモンをゲットしてるのかは、よくバトルしてるから知ってるよな」

 

 リュウガ「当然」

 

 シンヤ「お前がゲットしたポケモンの中では、俺の知っている限り、イベルタルが最強と言っていい。だけど、そのイベルタルは今日のバトルに出ないと言ってたから、イベルタルレベルの大物と戦えないと思ってたんだ。…なのにお前は、その期待を良い意味で裏切ってくれた」

 

 リュウガ「……フッ。さぁ、お前もとっととポケモンを出せよ。どうせディアルガかパルキアなんだろ?」

 

 シンヤ「いや、俺が最後に出すポケモンはディアルガでもパルキアでもないし、伝説のポケモンでもない。俺が出すポケモンは、ある意味では、お前も見たことがないポケモンだ」

 

 リュウガ「ある意味ではだと?」

 

 シンヤ「フッ。出てこい!」

 

 ポーーン

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ガチグマ(アカツキ)「グワァァァァァッ‼︎」

 

 

 リュウガ「な、なんだ、そのポケモンは⁉︎」

 

 シンヤ「《ガチグマ》だよ」

 

 リュウガ「ガチグマって、俺たちがヒスイ地方で見た、あのガチグマだよな?…だけど、コイツの姿は…」

 

 シンヤがモンスターボール出したガチグマを見ると、リュウガは慌てふためいていた。かつてリュウガはシンヤとヒスイ地方に行った時、ガチグマを見たことがあったが、目の前にいるガチグマは、ところどころが自分の知っているガチグマと似たような姿をしているが、ガチグマより大きな体をして二足歩行で立っていて、左目は黒く変色し、不気味に輝く緑の黒目になっており、見るからに凶暴そうな顔をしていた。

 

 リュウガ「普通のガチグマは、でこに黄色い月の模様があるが、ソイツの模様は赤い。明らかに普通のガチグマじゃないだろ」

 

 シンヤ「ああ。確かにこのガチグマは、俺たちがヒスイ地方に行った時に見た普通のガチグマとは違う。このガチグマは《アカツキ》と呼ばれているガチグマだ」

 

 リュウガ「アカツキだと⁉︎」

 

 シンヤ「でこの赤い模様が、血が重なったように滲んだ赤い月のようだから、このガチグマは《赫月》という異名があるんだ」

 

 リュウガ「なるほど。だからアカツキのガチグマか」

 

 シンヤ「タイプは普通のガチグマと同じ、ノーマル・じめんタイプだ」

 

 リュウガ「まさか、ガチグマの進化形とか、リージョンフォームや、フォルムチェンジしたガチグマか?」

 

 シンヤ「いや、コイツはガチグマの特殊個体で、海を渡ってヒスイ地方からキタカミの里に流れつき、キタカミの里に住みついた結果、長い年月を経て、特別な能力を持つに至った姿らしい。しかも、アカツキのガチグマは、まだコイツ1匹しか発見されていないし、進化やフォルムチェンジとは違うんだ」

 

 リュウガ「…ん?なんでお前がそんなことを詳しく知ってるんだ?」

 

 シンヤ「聞いたからさ」

 

 リュウガ「聞いた?誰に?」

 

 シンヤ「俺がコイツをゲットするキッカケを作ってくれた人にだよ。その人とはキタカミの里と出会ったんだ」

 

 

 ゼイユ「それってもしかして、アンタがキタカミの里に来た時のこと?」

 

 

 シンヤ「そう。俺がオーガポンをゲットした後に出会った人で、その人からコイツの写真を撮りたいから、俺に協力してほしいって頼んできたんだ」

 

 リュウガ「写真を撮る?」

 

 シンヤ「俺に協力を頼んできた人は《カメラマン》だったんだよ」

 

 リュウガ「へぇ〜、それで?」

 

 シンヤ「キタカミの里に、《とこしえの森》っていう場所があるんだけど、霧が濃い夜に、そこでポケモンの写真を撮ってたら、目の前にいきなりコイツが現れて、その人はコイツが写ってる写真を撮ったんだ。姿は霧に隠れてハッキリ見えなかったけどな」

 

 リュウガ「なるほどな。大方その写真を見せてもらった時、写真に写ってるそのガチグマに興味が湧いて、お前はその人を手伝ったんだろ?」

 

 シンヤ「ああ。偶然にもその人は、俺やお前やミコと同じシンオウ地方の出身で、俺がポケモンWCSの優勝者だって知ってたみたいでさ」

 

 

 観客席

 

 リコ「…」

 

 ミコ「ん?リコ、どうしたの?」

 

 リコ「えっ?ううん。何でもないよ」

 

 ミコ「そう?」

 

 

 シンヤの話を黙って聞いていると、リコの第六感、親しい男性を相手に対して用いられる女の勘が発動し、シンヤに協力を頼んできたカメラマンが女性ではないかと感じ取っていた。もちろん、そのカメラマンが女性かどうかは、本人に会ったことがあるシンヤにしか分からないが、リコの心がそう強く訴えていたのだ。

 

 シンヤ「それより、そろそろギラティナを《本当の姿》にしたらどうだ?」

 

 リュウガ「?何のことだ?」

 

 シンヤ「いくら惚けても、俺に誤魔化しは通用しない。それにお前のことだ、どうせもう手に入れてるんだろ?」

 

 リュウガ「……フッ。お見通しか」

 

 リュウガはジャケットの懐に手を入れると、そこからある物を取り出した。それは、黄金のように光り輝く大きな珠だった。

 

 シンヤ「やはりな」

 

 リュウガ「破れた世界でギラティナをゲットをした時、この《だいはっきんだま》を見つけてな」

 

 

 観客席

 

 ロイ「だいはっきんだま?」

 

 ミコ「ギラティナをパワーアップさせるための宝石であり、ギラティナを本来の姿である、《オリジンフォルム》にフォルムチェンジさせるための道具よ」

 

 

 

 リュウガ「いくぜ!」

 

 ビュン‼︎(だいはっきんだまを投げる)

 

 ピカァァァァン(ギラティナの体が光る)

 

 ギラティナに持たせることで、ドラゴンとゴーストタイプの技の威力が上がる《だいはっきんだま》を取り出したリュウガは、それをギラティナに向かって投げた。すると、ギラティナの体が光り輝き、ギラティナの姿が変わり始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァァァッ‼︎」

 

 シンヤ「ほ〜ぅ。やっぱギラティナは、オリジンフォルムがカッコいいな」

 

 オリジンフォルムになったギラティナは、六本脚の生えた太い脚が無くなり、東洋竜や蛇のような外見に変わって空に浮遊していた。そして、背中の黒い影のような翼は、3対6枚に増えて触手のような形状になっており、赤いトゲは各翼の先端に移動していた。

 

 これこそがギラティナ本来の姿であり、破れた世界では常にこの姿なのだ。

 

 

 ロイ「かっこいい!✨」

 

 スグリ「わやじゃ…」

 

 フリード「すげぇ〜」

 

 クラベル「なんと」

 

 リコ「ぁ…」

 

 ドット「…」

 

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 ニャローテ「ニャァ…」

 アチゲータ「アチゲェ…」

 ウェルカモ「ウェール…」

 

 

 シンヤ「ガチグマ!「しんくうは!」」

 

 ガチグマ(アカツキ)「グマァァァァァッ‼︎」

 

 ギラティナがオリジンフォルムになると、シンヤはリュウガとのバトルを再開した。シンヤがガチグマに「しんくうは」を指示すると、ガチグマは拳を素早く振り、真空の波を飛ばしてギラティナを攻撃した。

 

 リュウガ「なっ⁉︎」

 

 フリード「「しんくうは」はかくとうタイプの技、ゴーストタイプを持つギラティナには効果がないはずだ!」

 

 

 ドォォォォォン!

 

 

 ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァ⁉︎」

 

 リュウガ「なっ!」

 

 観客席

 

 フリード「何⁉︎」

 

 

 本来、かくとうタイプの技はゴーストタイプに効果がない。しかし、ガチグマの放った「しんくうは」はギラティナにダメージを与えた。すると、リュウガとフリードは慌てふためいていた。

 

 シンヤ「フッ」

 

 リュウガ「…そうだよな。ゴーストタイプにかくとうタイプの技が効かないなんて、お前が知らない訳ないよな。お前が「しんくうは」を指示した時、もっと用心するべきだったぜ」

 

 シンヤ「かくとうタイプの技である「しんくうは」が、どうしてゴーストタイプのギラティナに効いたのか。それは、このアカツキのガチグマの特性の効果だからさ」

 

 リュウガ「だろうな。っで、そいつの特性は?」

 

 シンヤ「《しんがん》だ」

 

 リュウガ「しんがん?」

 

 シンヤ「ノーマルタイプとかくとうタイプの技を、ゴーストタイプに当てることができる特性だ。更に、相手の回避率の変化を無視し、命中率も下げられないという優れものだぜ」

 

 リュウガ「なるほど。それでギラティナは「しんくうは」のダメージを受けたのか。てっきりそいつの特性は、普通のガチグマと同じで、《こんじょう》か《ぼうだん》か《きんちょうかん》だと思ってたからな。だが、技を受けるカラクリが分かった以上、同じ手は2度と食わんぞ」

 

 シンヤ「フッ。そろそろお喋りはこのぐらいにして、とっとと決着をつけようぜ!」

 

 リュウガ「望むところだ!ギラティナ!「りゅうのはどう!」」

 

 ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァァァ‼︎」

 

 シンヤ「ムーンフォース!」

 

 ガチグマ(アカツキ)「ガアァァァァァッ‼︎」

 

 ドォォォォォォン!

 

 ギラティナが頬を覆う金色のアーマーを開閉すると、口から「りゅうのはどう」を放ち、ガチグマは上空に呼び出した月の光を集め始めると、ピンク色のエネルギー弾を頭上に作り出して前方に発射した。

 

 シンヤ「ガチグマ!「めいそう!」

 

 ガチグマ(アカツキ)「ガァァァァッ‼︎」

 

 リュウガ「はどうだん!」

 

 ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァァ‼︎」

 

 ドォォォォン!

 

 ガチグマ(アカツキ)「ガァァァァッ⁉︎」

 

 「ムーンフォース」と「りゅうのはどう」がぶつかり合って相殺されると、ガチグマは「めいそう」を発動し、自分の特攻と特防が1段階ずつ上げ、ギラティナはガチグマが「めいそう」を発動して動けない隙に、ガチグマに「はどうだん」を放って攻撃した。

 

 シンヤ「ゴーストタイプの技じゃ。ノーマルタイプのガチグマを攻撃しても意味がない。だから、ドラゴンタイプとかくとうの技でダメージを与える戦法か?」

 

 リュウガ「ギラティナの得意技である「かげうち」や「シャドーダイブ」が効かないんじゃ、コツコツダメージを与えていくしかないだろう?それより、そろそろお前の隠し玉を見せろよ」

 

 シンヤ「…何のことだ?」

 

 リュウガ「惚けるなよ。特殊個体のそのガチグマが《しんがん》なんて珍しい特性を持ってるんだ。だったら、そのガチグマは、何か特別な技でも覚えているんじゃないのか?」

 

 シンヤ「さぁ?それはどうかな?」

 

 リュウガ「フッ。もったいつけてくれるじゃねえか」

 

 シンヤ「ヘッ。「しんくうは!」」

 

 こんなにも心の底から楽しいと素直に思えて、身体中の血が沸騰するようなバトルをするのはシンヤもリュウガも久しぶりだった。幼馴染同士でバトルしているからということもあるが、シンヤとリュウガは一緒にシンオウ地方を冒険した後、互いにそれぞれ別の道に進んで強くなっていった。どこかで偶然出会った時はバトルして、勝ったり負けたりを繰り返していた。お互いが最高のライバルであり、負けたくないと思えるからこそ、シンヤもリュウガも勝ちを譲りたくないのだ。

 

 

 観客席

 

 ゼイユ「あの2人、なんか楽しそうね。まるで、勝ち負けなんかどっちでもいいみたい」

 

 ミコ「あの2人のバトルはいつもこうなんだよね。新しいポケモンをゲットしたら、すぐにそのポケモンを使ってバトルして、隠し玉でどんでん返しを狙うバトル」

 

 リコ「…」

 

 シンヤがリュウガと楽しんでバトルをしていると、リコは複雑そうな顔をしてシンヤを見ていた。その理由は、シンヤが自分とのバトルの時には決して見せない顔をしているからだった。

 

 

 シンヤ「ムーンフォース!」

 

 リュウガ「はどうだん!」

 

 ドォォォォン!

 

 ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァ⁉︎」

 

 ガチグマ(アカツキ)「ガァァァァッ⁉︎」

 

 リュウガ「フッ、やるな」

 

 シンヤ「そっちこそ」

 

 

 リコ(…私も、いつかシンヤをあんな顔に、私とのバトルを、心から楽しんでもらえるような顔にしてみたい)

 

 自分のポケモントレーナーとしての実力が、シンヤと天と地ほど違うことはリコも理解している。しかし、シンヤが自分とのバトルの時には見せない顔をしているのを見たリコは、自分が今よりもっと強くなってシンヤとバトルした時、リュウガと笑ってバトルしているような顔をシンヤにさせてみたいと思い始めた。

 

 

 バァァァァン!

 

 

 ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァ…ギラァァァ…」

 

 ガチグマ(アカツキ)「ガァァァ…ガァァァ…」

 

 

 ギラティナもガチグマも技を連続で放ち、その攻撃を喰らい続けていたので、お互いに体力の限界だった。

 

 

 スッ(テラスタルオーブを構える)

 

 シンヤ「そろそろ決着をつけようぜ」

 

 スッ(テラスタルオーブを構える)

 

 リュウガ「ああ」

  

 シンヤとリュウガはバトルの決着をつけようと、互いにテラスタルオーブを構えた。二つのテラスタルオーブにエネルギーが蓄積されると、シンヤとリュウガは同時にテラスタルオーブを投げた。テラスタルオーブがガチグマとギラティナの頭上でエネルギーを解放すると、2人は無数の結晶石に包み込まれ、結晶石が弾け飛んだ時、そこには全身がクリスタル化し、頭部に竜の王冠を被ったギラティナと、ダイヤモンドを模した王冠を被るガチグマがいた。

 

 (ドラゴンテラスタイプ)ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァァァァァッ‼︎」

 

 (ノーマルテラスタイプ)ガチグマ(アカツキ)「グワァァァァァァァッ‼︎」

 

 リュウガ「これで決めるぜ。「りゅうせいぐん!」」

 

 シンヤ「めいそう!」

 

 (ドラゴンテラスタイプ)ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァッ‼︎」

 

 (ノーマルテラスタイプ)ガチグマ(アカツキ)「ガアァァァァァ!」

 

 リュウガはギラティナをテラスタルすると、バトルの決着をつけるために「りゅうせいぐん」を指示した。すると、竜の王冠が光り輝き、ギラティナは口にエネルギーを集め始め、「りゅうせいぐん」を発動する準備をした。シンヤも次の一撃で勝負をつけるために、ガチグマにもう一度「めいそう」を指示すると、ガチグマは「めいそう」を発動し、自分の特攻と特防をもう1段階上げた。

 

 リュウガ「「りゅうせいぐん」発射!」

 

 (ドラゴンテラスタイプ)ギラティナ(オリジンフォルム)「ギッラァァァァァァァッ‼︎」

 

 ギラティナは「りゅうせいぐん」を発動させるため、口に集めて溜めたエネルギーを空に向かって放つと、放たれたエネルギーは空で分散し、流星となってガチグマに降り注いだ。

 

 シンヤ「ガチグマ!「ブラッドムーン!」

 

 (ノーマルテラスタイプ)ガチグマ(アカツキ)「グワァァァァァァァッ‼︎」

 

 ドォォォォォォォン‼︎

 

 (ドラゴンテラスタイプ)ギラティナ(オリジンフォルム)「ギラァァァァァッ⁉︎」

 

 シンヤがガチグマに「ブラッドムーン」という技を指示すると、ダイヤモンドを模した王冠が光り輝き、ガチグマは残された力を振り絞ると、額にある赤い月の模様からありったけの気迫を撃ち出した。ガチグマの撃ち出した気迫の威力は、降り注いできた流星全てを粉砕し、そのままギラティナにまでダメージを与える程のもの凄い威力だった。

 

 

 ドォォォォォォン!(ギラティナが地面に落ちる)

 

 「ブラッドムーン」が「りゅうせいぐん」を粉砕し、そのままギラティナにダメージを与えると大爆発が起こり、ギラティナは背を向けた状態で地面に落ちてきた。すると、地面に落ちたギラティナのテラスタル化は解除され、ガチグマのテラスタル化も解除された。

 

 

 オモダカ「ギラティナ、戦闘不能!ガチグマの勝ち!よって勝者、シンヤ!」

 

 

 ガチグマとギラティナのテラスタル対決は、ガチグマの勝ちで終わった。そして、リュウガのポケモン三体が倒れたことでシンヤの勝ちが決まり、審判であるオモダカによって、シンヤの勝ちが宣言された。

 

 

 シンヤ(……ε-(-。-)ふぅ〜、「めいそう」を2回使ってなければ、間違いなくこっちが負けてたな)

 

 リュウガ「……ギラティナ、戻れ」

 

 シュルルーン

 

 

 リュウガ「お疲れさん。ゆっくり休んでくれ」

 

 

 チラッ(シンヤを見る)

 

 シンヤ「ん?」

 

 リュウガ「シンヤ、今日は俺の負けだ。…だが、次は俺たちが勝つぜ」

 

 シンヤ「…フッ。いや。悪いが、次に勝つものも俺たちだ」

 

 リュウガ「…フッ。お互い」

 

 シンヤ「負けず嫌いだよな」

 

 プッ

 

 シンヤ・リュウガ「「はははははははっ!」」

 

 こうして、3対3のポケモンバトルはシンヤの勝ちで終わった。2人のバトルが終わると、観客席に座っていたリコたちはシンヤの元に駆け寄り、すごいバトルだったと声をかけたあと、シンヤたちはオレンジアカデミーに戻り、シンヤとリュウガのバトルを見届けたスグリとゼイユは、ブルーベリー学園に戻っていった。

 

 オレンジアカデミー・エントランスホール

 

 クラベル「シンヤさん、リュウガさん。Zワザ、メガシンカ、そしてテラスタル。それら三つを使いこなしたバトル、とても見事でした」

 

 オモダカ「本当に素晴らしいバトルでした。あのようなバトルは、そうそう見られるものではありませんからね」

 

 シンヤ「ありがとうございます」

 

 リュウガ「あっ、そうだ。コレ、お返しします」

 

 スッ(テラスタルオーブを前に出す)

 

 オモダカ「フッ。そのテラスタルオーブは、リュウガさんに差し上げます」

 

 リュウガ「えっ!?」

 

 オモダカ「それと、これをミコさんに」

 

 スッ(テラスタルオーブを差し出す)

 

 ミコ「えっ?このテラスタルオーブを、私に?」

 

 オモダカ「えぇ。2人には、以前エリアゼロでお世話になりましたから」

 

 リュウガ「でも、俺たちテラスタル研修を受けてないし」

 

 オモダカ「リュウガさんのトレーナーとしての実力は、さっきのシンヤさんとのバトルと、エリアゼロでのバトルを拝見して、私も校長も納得しています。それにミコさんは、さっきのシンヤさんとリュウガさんのバトルを冷静に分析していましたから、トレーナーとして実力が高いことは分かります。それだけの実力があるトレーナーなら、テラスタルオーブを持つ資格は十分にあります。

 

 リュウガ・ミコ「「…」」

 

 シンヤ「貰えばいいじゃねえか。オモダカさんがいいって言ってるんだから」

 

 ミコ「…本当にいいんですか?私までテラスタルオーブを貰ちゃって?」

 

 オモダカ「はい」

 

 クラベル「どうぞ」

 

 ミコ「…」

 

 スッ(テラスタルオーブを受け取る)

 

 ミコ「大切に使わせてもらいます」

 

 リュウガ「ありがとうございます」

 

 

 シンヤとのバトルが終わったので、リュウガはオモダカから借りたテラスタルオーブを返そうとしたが、以前エリアゼロでお世話になり、さっきのシンヤとのバトルで実力が高いと認められたため、リュウガは正式にテラスタルオーブを貰えることになった。そして、ミコもトレーナーとしての実力が高いとオモダカから評価され、テラスタルオーブを貰えることになった。

 

 

 オモダカ「リコさん、ロイさん、それにドットさん。もし機会があれば、リーグの方にも挑戦してください」

 

 リコ・ロイ・ドット「「「はい!」」」

 

 フリード「リコ、ロイ、ドット、それにシンヤ。お前たちにはメールで伝えたと思うが、ブレイブアサギ号は完璧に直ってる。テラスタル研修も終了したし、シンヤとリュウガのバトルが終わったから、再びラクアを目指す冒険を始める。そのためには、残りの六英雄に会う必要があるから、ミコが《キタカミの里》で見たと言っていた《バサギリ》が、六英雄のバサギリか確かめるために、明日キタカミの里に出発するぞ」

 

 クラベル「キタカミの里?……ああーーっ!忘れていました!」

 

 シンヤ「えっ?何をですか?」

 

 クラベル「実は、シンヤさんとリコさんに、レホール先生から伝言を預かっていたのです」

 

 リコ「レホール先生から?」

 

 クラベル「はい。実は、皆さんがこれから向かおうとしているキタカミの里には、レホール先生のお知り合いでもある、《ブライア》先生という方がいらっしゃるから、それを伝えておいてほしいと」

 

 フリード「ブライア先生!」

 

 リコ「確かその人って…」

 

 シンヤ「ああ、前にガラルの古城で話したよな。テラパゴスが《パルデア地方のポケモン》だってことを、俺に教えてくれた人だって。でも、本当にブライア先生が、今キタカミの里にいるんですか?」

 

 クラベル「ええ。ブライア先生は、今キタカミの里にいると、そうレホール先生が」

 

 シンヤ「そう言えば。ブルーベリー学園の生徒が交換留学でやってきた時、ブライア先生はいなかったな」

 

 フリード「よし。じゃあキタカミの里に行ったら、バサギリを探しつつ、ブライア先生を探してテラパゴスのことを聞いてみよう」

 

 ミコ「それと、ナナカマド博士から頼まれたポケモンがキタカミの里にいるはずだから、絶対に見つけないと」

 

 シンヤ「ああ、分かってる」

 

 テラスタル研修が始まってから、今日までいろんなことがあったが。リコたちは無事に研修を終えることができ、シンヤも七竜の2体である《タケルライコ》と《ウガツホムラ》をゲットすることができたから、それぞれの目的を達成したと言えるだろう。

 

 シンヤたちがパルデア地方で過ごすのも今日が最後。いよいよ明日から、再びラクアを目指す冒険が始まる。果たして、一体どんな冒険が待っているのだろうか?

 

 …シンヤたちが次の冒険に向けて準備をしている頃、エクスプローラーズのアジトでは…

 

 

 エクスプローラーズのアジト・研究室

 

 

 フラダリ「…」

 

 ゲーチス「すいませんね。彼とのバトルで試作品のカオスオーブを使いましたが、少し改良の余地があることが分かり、カオスオーブを改良する研究を手伝ってもらって」

 

 フラダリ「イベルタルを捕獲する協力をしてもらった礼だ。もっとも、イベルタルは捕えられなかったがな」

 

 ゲーチス「せっかくアゲートさんが、リュウガがエリアゼロにいることを教えてくれたのに、隙をつかれて逃げられてしまいましたからね。…しかし、あのイベルタルに何か執着する理由があるのですか?」

 

 フラダリ「…あのイベルタルは、ある目的のために私が捕えたポケモンだった。だが、その捕えたイベルタルをリュウガが助けると、イベルタルは彼を認め、そのまま彼のポケモンになった」

 

 ゲーチス「なるほど。それで、私にイベルタルを捕獲する手伝いをしてほしいと」

 

 フラダリ「まぁ、この際イベルタルはもういい。だが…」

 

 ゲーチス「分かっています。改良が終わったカオスオーブが出来れば、それをあなたに一つ差し上げます。ダークトリニティがエリアゼロから持ってきた結晶石のカケラも残っていますから、あと六つはカオスオーブが作れますからね」

 

 ???「そのカオスオーブを開発したのは、この私だということをお忘れなく」

 

 ゲーチス「えぇ。感謝していますよ」

 

 ???「フフッ」

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 進化したブレイブアサギ号に乗って再び始まる、六英雄探しの冒険。新たなメンバーのリュウガとミコが加わったことで、みんな盛り上がっていた。進化したブレイブアサギ号の中を見て回ったあと、リコはフリードから、預けていた古のモンスターボールを返してもらう。その時、三つの古のモンスターボールから、六英雄のオリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラスが現れ、リコたちはルシアスの六英雄の3匹にバトルを挑まれ、それぞれ1対1でポケモンバトルをすることになる。

 

 

 次回…新章開幕!

 

 

 新シリーズ『ポケットモンスター新たな物語の始まり《レックウザライジング/リュウセイと七竜編》』

 

 

 次回「新たなる大空へ!発進!ブレイブアサギ号!」

 





 坂野さん、71話の誤文字の報告ありがとうございます。
 
 ちょっと思うところがあったので、71話の次回予告を変更しました。

 投稿したにも関わらず、すいません。

 これでテラスタルデビュー編は終わりです。エリアゼロ編で結構遅れてしまったので、遅れを取り戻せるよう頑張ります。
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