ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
パルデア地方を出発してから数日後、ブレイブアサギ号はキタカミの里に到着した。久しぶりにキタカミの里に来たので、シンヤはオーガポンをモンスターボールから出し、一緒にキタカミの里に行くことにした。キタカミの里にはブレイブアサギ号を停泊させられる場所がないため、ブレイブアサギ号を里から少し離れた森の中に停泊させると、シンヤたちはバスに乗ってキタカミの里に向かった。
キタカミの里・スイリョクタウン・夕方
シンヤ「…あれ?」
ピカチュウ「ピィカッ…」
オーガポン「ぽにおっ?」
リコ「人が全然いないね」
ニャローテ「ニャァァッ…」
バスに乗って《スイリョクタウン》へとやってきたシンヤたちは、ブルーベリー学園の教師であるブライアがどこにいるのか聞くため、里の人たちに聞き込みをしようとした……のだが、スイリョクタウンにはひとっこひとりいなかったのだ。
フリード「シンヤ、ミコ。キタカミの里って、こんなに人がいないのか?」
シンヤ「いや、俺が前にここに来た時は、そこら辺に人がたくさんいたぜ」
ミコ「シンヤの言う通りです。私が前に来た時も、人はたくさんいましたし」
リコ「何かあったのかな?」
「おや?もしかして、オーガポン様?」
オーガポン「ぽにっ?」
フリード「ん?オーガポン…」
ロイ「様?」
以前キタカミの里に来たことがあったシンヤとミコは、キタカミの里の周りに自分たち以外の人がいないことを不思議がっていた。するとどこかから、オーガポンのことをオーガポン様という声が聞こえてきたので、シンヤたちは声が聞こえてきた方を向くと、そこには白髪のお婆さんが立っていた。
シンヤ「あっ、お婆さん!」
ピカチュウ「ピィカッ!」
おばあさん「おや、シンヤ君にピカチュウ。久しぶりだね。オーガポン様もお元気そうで」
オーガポン「ぽにおっ!」
フリード「シンヤの知り合いか?」
シンヤ「そこの駄菓子屋をやってるお婆さんだよ。そうだ。お婆さん、聞きたいことがあるんですけど」
駄菓子屋のおばあさん「ん?なんだい?」
シンヤ「実は、俺たち人を探してるんです。《ブライア》さんっていって、この人なんですけど」
スッ(スマホロトムに写っているブライアの写真を見せる)
駄菓子屋のおばあさん「ん〜、ここでは見かけなかったね」
シンヤ「そうですか。もう一つ聞きたいんですけど、里のみんなはどこにいるんですか?いつもなら人が沢山いるはずなのに、辺りに人が全然いないんですけど?」
駄菓子屋のおばあさん「今日は、キタカミの里の《収穫祭》でね。みんな《キタカミセンター》に行ってるわ」
シンヤ「収穫祭?」
駄菓子屋のおばあさん「キタカミの里では、りんごが有名なのは知ってるわよね?」
シンヤ「もちろん」
駄菓子屋のおばあさん「そのりんごの豊作を願ってのお祭りが、今《キタカミセンター》でやってるの」
リコ・ロイ・ドット「「「お祭り!(✨∇✨)」」」
シンヤ(すごい食いつきだな)
てっきり、キタカミの里で何か事件でも起きたかと心配したが、自分の取り越し苦労だとわかるとシンヤはホッとした。そして、駄菓子屋のお婆さんからキタカミセンターでお祭りがやってると聞くと、リコとロイとドットは目を輝かせていた。それは、フリードたち大人組も同じだった。
フリード「よぉーし!じゃあ早速、祭りが開かれてるキタカミセンターに行って、みんなで聞き込みだ!」
シンヤ以外の全員「「「おおっ‼︎」」」
パンパン(手を叩く音)
シンヤ「はいストップ」
フリード「ん?どうしたシンヤ?」
シンヤ「祭りに行く前に、全員じんべえに着替えた方がいい」
リュウガ「じんべえに着替えるって、服を着替える必要があるのか?」
シンヤ「別に着替えなくてもいいんだけど、この里の風習みたいなものだし。祭りに行くならじんべえに着替えた方がいいだろう」
オリオ「けど私たち、じんべえなんて持ってないよ」
シンヤ「それは大丈夫。そこの《公民館》の中に、村の施設を管理してる《管理人》さんがいるから、じんべえを貸してくれるように俺が話をつけてくるよ。みんなはここで待っててくれ」
そして数分後、管理人さんに話をつけてきたシンヤが戻ってくると、人数分のじんべえを貸してもらえることになったので、シンヤ、リコ、ロイ、ドット、リュウガ、ミコの6人は《うぐいす》という緑のじんべえに、オリオとモリーは《こんじょう》という青のじんべえに、そして、フリード、マードック、ランドウは《しらうめねず》という白のじんべえに着替えた。
キタカミセンター
シンヤ「着いたぜ。ここが《キタカミセンター》だ」
ピカチュウ「ピィカッチュ!」
シンヤ以外の全員「「「おおおっ‼︎」」」
全員がじんべえに着替えると、リコたちはシンヤに案内されて、収穫祭が開かれているキタカミセンターにやってきた。シンヤたちがキタカミセンターに着く頃にはもう夜になっていて、お祭り会場はたくさんの人で賑わっていた。会場にはたくさんの屋台が並んでおり、お祭りの時に太鼓を叩く櫓では、ゴリランダーが切り株ドラムを竹笛のリズムと共に木の枝のスティックでリズムよく叩いていた。
ドット「うわぁ〜!」
リコ「すっごく…」
ロイ「楽しそう!」
リコ・ロイ・ドットの3人は、駄菓子屋のお婆さんからお祭りが開かれてると聞いた時から嬉しそうな顔をしていたので、キタカミセンターで開かれてるお祭りを見たことで、更に気分が上がったようだ。
リュウガ「祭りなんて久しぶりにきたな」
ミコ「うん。昔は3人で、よく《フタバ祭り》に行ってたよね」
シンヤ「ああ」
リコ「フタバ祭りって何?」
シンヤ「年に一度、俺たちが住んでる《フタバタウン》で開かれる祭りのことだよ。いろんなイベントやポケモンバトルの大会が開催されて、結構盛り上がるんだよね」
リコ「へぇ〜」
リュウガ「おっ、よく見れば、《オクタン焼き》の屋台があるじゃん!」
シンヤ「あまいミツを混ぜたマルマイン型の《ベビーカステラ》に、チルタリス型の《わたあめ》まであるぞ!」
ミコ「アンタたち、食うことばっかりね」
リュウガ「だってさ、昼を食べてから何も食べてないんだぜ」
ロイ「うん。少しお腹すいてきたね」
シンヤ「だろう。ブライア先生のことを聞くのは、腹ごしらえ…ん?」
リコ「どうしたの?シンヤ」
シンヤ「あのフルーツ飴の屋台の前にいるのって…もしかして」
ブレイブアサギ号で昼を食べてから何も食べていないので、ブライア先生のことを聞く前に、食べ物の屋台でなにかを買って食べようとしていたが、シンヤは何を食べようかと悩んでいた。すると、フルーツ飴の屋台の前に、オリオとモリーと同じ、青のじんべえを着ている1人の女の子を発見し、その女の子の横には、お茶を飲むときに使う茶碗が浮いていた。
フルーツ飴の屋台の前
ゼイユ「ん?」
ヤバソチャ「ソチャ?」
シンヤ「やっぱり、ゼイユとヤバソチャだったか」
ピカチュウ「ピィカッ!」
オーガポン「ぽにおっ!」
ゼイユ「シンヤ!ピカチュウ!オーガポン!」
ヤバソチャ「ソチャ!」
フルーツ飴の屋台の前に立っていた女の子の正体は、以前オレンジアカデミーに留学してきた《ブルーベリー学園》の生徒であり、シンヤの友達でもある《ゼイユ》だった。そして、ゼイユの横に浮いていた茶碗の正体は、《ヤバソチャ》というゼイユのポケモンだった。
シンヤ「どうしてお前がここに?スグリと一緒にブルーベリー学園に戻ったんじゃ?」
ゼイユ「スグは学園に戻ったけど、あたしは休学して里帰りしてるの。ちょうどこの季節は収穫祭だから、お祭りに出たかったし」
シンヤ「そうだったのか」
フリード「おっ、ヤバソチャじゃないか!」
リコ「ゼイユ。久しぶり」
ゼイユ「リコ、久しぶり。それに…フリード、だっけ?」
フリード「覚えててくれたか。そのヤバソチャ、お前のポケモンか?」
ゼイユ「そうだけど」
フリード「良ければ、そのヤバソチャを観察させてくれ」
ゼイユ「ヤバソチャを?」
シンヤ「フリードがポケモン博士なのは知ってるだろ?フリードは珍しいポケモンを見ると、そのポケモンを観察したがるんだよ」
フリード「少しだけでいい。頼む」
ゼイユ「う〜ん、どうしようかしらね?」
シンヤ「一緒にエリアゼロに行った仲なんだし、ケチケチしないで見せてやれよ」
ゼイユ「…まぁ、シンヤがそこまで言うなら」
フリード「ホントか!」
ゼイユ「でも、ただ見せるのはつまらないし。あたしに勝ったら、ヤバソチャを見せてあげてもいいわ」
フリード「勝つって?何でだ?」
ゼイユ「そうね、あれで勝負しない?」
スッ(射的の屋台の店を指差す)
フリード「射的か。いいぜ、その勝負乗った!」
ゼイユ「あたしを相手にどこまでやれるかしら?」
フリード「いざ!」
ゼイユ「勝負よ!」
キタカミセンターに来た目的は、ブライア先生の情報を集めるためだというのに、フリードはヤバソチャを見せてもらうため、ゼイユと射的勝負をしに行ってしまう。
リコ「行っちゃった」
ドット「あれ、絶対祭りで遊びたいだけだろ」
マードック「かもな」
シンヤ「……あっ、ゼイユからブライア先生のことを聞けばよかった」
リュウガ「ん?ゼイユとブライア先生が何か関係あるのか?」
シンヤ「ブライア先生はブルーベリー学園の教師だから、ブルーベリー学園の生徒であるゼイユなら、今ブライア先生がどこにいるのか知ってるかもしれないだろ?」
ミコ「だったら、フリードさんとの勝負が終わった後で、ブライア先生がどこにいるか聞けば?」
マードック「そうだな。せっかくじんべえに着替えたんだ、俺たちも祭りを楽しもう」
リコ・ロイ・ドット「「「うん!」」」
フリードとの勝負が終わったあと、ゼイユからブライア先生がどこにいるの聞けばいいということで、それまでは、シンヤたちもお祭りを楽しむことにした。
パクっ(オクタン焼きを食べる)
シンヤ「美味い!やっぱオクタン焼きサイコー!」
ピカチュウ「ピィーカッ!」
オーガポン「ぽにっ!」
リコ「オクタン焼きって初めて食べたけど、美味しい!」
ニャローテ「ニャァッ!」
リュウガ「マルマイン型のベビーカステラもいける!」
ミコ「チルタリス型のわたあめも美味しい!」
マードックたちと別れたあと、シンヤたちは食べ物屋の屋台を見て回り、オクタン焼きやマルマイン型のベビーカステラなどを人数分買うと、他の屋台を見ながら食べ歩きをしていた。
オーガポン「ぽにおっ!」
シンヤ「久しぶりの祭りが楽しいのか?オーガポン」
オーガポン「ぽにおっ!」
シンヤ「そうか。…懐かしいよな。お前と出会ってからまだそんなに経ってないのに、昔のことのように感じるよ」
ミコ「シンヤとオーガポンって、ここで出会ったんだ」
シンヤ「ああ」
ドット「…あれ?ロイはどこに行ったんだ?」
リュウガ「えっ?…あれ?おい、いつの間にかロイとアチゲータがいなくなってるぞ」
シンヤ「どうせ食べ物屋の屋台にでも行ってるんだろ。ロイとアチゲータ食いしん坊だし」
リコ「そうかもw」
屋台の裏
ロイ「あれ?こっちからいい匂いがしたと思ったのに、匂いがなくなっちゃった」
アチゲータ「アチゲェ…」
ロイがいなくなったことにシンヤたちが気づいた頃、ロイとアチゲータはシンヤの思った通り食べ物屋の屋台に来ていた。すると、屋台の裏側からいい匂いがしてきたので、ロイとアチゲータは屋台の裏側に歩いて行ってしまう。しかし、いい匂いが途中でしなくなってしまったので、ロイとアチゲータはシンヤたちのいる所に戻ろうしたのだが、目の前にポツンと立っている小さな屋台を発見すると、その屋台に二つのボタンとアンテナが付いている、小さな機械が置かれていることに気づいた。
ロイ「何だろ?これ?」
アチゲータ「ゲアッ?」
「それが何なのか気になるか?少年」
ロイ「えっ?誰ですか?」
ロイとアチゲータが屋台に置かれている機械を見ていると、機械が置かれている屋台の裏から髭を生やしたおじさんが出てきた。
おじさん「俺はこの屋台の店主だ」
ロイ「あ、お店の人だったんだ。あの…これは何ですか?」
おじさん「これはな……あ〜、何だろうな〜」
ロイ「え?おじさんのお店に置いてあるのに、分からないんですか?」
おじさん「いや〜、実はこれ、落ちてたのを拾ったものなんだけど、絶対に面白いものなんだよ!これは子供たちが喜ぶおもちゃなんだって、俺の勘がそう叫んでるんだ!せっかくの祭りだ。大好きなキタカミの里に住んでる者として、子供たちに喜んでほしいと思うだろ?けど、これがどうやったら動くのか分からなくてな」
ロイ「でもこれって、ボタンを押すところしかないから、このボタンを押せば」
アチゲータ「アギャア?」
ポチッ(ロイとアチゲータが同時にボタンを押す)
ピピピピ…ピ
おじさん「おおっ!」
ロイ「動いた!」
アチゲータ「アチッ!」
ピカァァァン!(ロイとホゲータが光に包まれる)
機械についている赤のボタンをロイが、青のボタンをアチゲータが押すと、突然機械が光だし、ロイとアチゲータは光に包まれてしまう。
おじさん「きたきた!こりゃあ、なにか面白えことが起こり……何も起こらねえな!」
ロイ「アゲアゲアゲッ!」
アチゲータ『あはははっ!』
……
ロイ「アゲッ?」
アチゲータ『あれ?』
機械が放った光が消えると、ロイたちは閉じていた目を開けたが、特に何も変わってはいなかった。そのことにおじさんが苛立って大きな声を出すと、ロイとアチゲータは笑い出したが、2人すぐに何かがおかしいことに気づいた。
ロイ「アチゲェ〜」
アチゲータ『なんで僕が目の前に?…これってもしかして、僕とアチゲータが……入れ替わってるぅぅぅ〜⁉︎』
おじさん「えっ⁉︎何がどうなってるんだ⁉︎少年の中にアチゲータが入って、アチゲータの中には少年が入ったってことか?」
アチゲータ(中身ロイ)「そ、そうみたい」
にわかには信じられないことだが、どうやら、おじさんが拾った機械のボタンを同時に押したことで、ロイとアチゲータの中身が入れ替わってしまい、ロイはアチゲータに、アチゲータはロイになってしまったようだ。
おじさん「こりゃあ、まずいことになったぞ」
アチゲータ(中身ロイ)「えっ?どういうこと?」
おじさん「だってよ。この機械、ポケモンと入れ替われるすげえ代物だろ。そんなもん持ってるなんて知られたら、俺はこの里にいられなくなる。頼む少年!このことは誰にも言わないでくれ!」
アチゲータ(中身ロイ)「は、はい!とにかく、ボタンを押して元に戻らないと。確か、さっき僕は赤いボタンを押して、アチゲータが青いボタンを押したから、僕が青いボタンを押して、アチゲータが赤いボタンを押せば元に戻れるかも。アチゲータ」
ロイ(中身アチゲータ)「あちっ」コクッ
ポチッ(ロイとアチゲータが同時にボタンを押す)
………
アチゲータ(中身ロイ)「あれ?動かない。何で⁉︎」
ロイとアチゲータは、機械のボタンを押した時に互いの体が入れ替わったので、さっき押したボタンとは違うボタンを押して元に戻ろうとした。しかし、何度ボタンを押しても機械は起動しなかった。
おじさん「もしかして、電池切れか⁉︎」
ロイ(中身アチゲータ)「アチッ?」
くんくんっ(匂いを嗅ぐ)
ロイ(中身アチゲータ)「アッチ!アチアチィ〜〜!」ダッ
おじさん「おい、どこ行くんだ!」
アチゲータ(中身ロイ)「おじさん、僕がアチゲータを追いかけるよ」
おじさん「えっ?」
アチゲータ(中身ロイ)「だからおじさんは、機械を直しておいて」
おじさん「わ、分かった。けど絶対に、君とアチゲータが入れ替わったことがバレないように頼むぞ!」
アチゲータ(中身ロイ)「任せてください。絶対にバレないようにします」
ロイと入れ替わったアチゲータが、どこからか漂ってきたいい匂いを嗅ぐと、匂いがしてきた方に飛び出してしまったので、アチゲータと入れ替わったロイは、走ってアチゲータの跡を追いかけようとした。しかし、ロイはアチゲータになっているため、いつものように立って走ることができなかった。そこでロイは、アチゲータが四つん這いになって歩いているように自分も四つん這いになると、いつもアチゲータが見ている景色を体感しながら、走ってアチゲータの跡を追いかけた。
ヨーヨー釣りの屋台
シュッ(ウェルカモがヨーヨーを釣り上げる)
ドット「よし!ヨーヨーゲット!」
ウェルカモ「ウェー!」
テラパゴス「パァーゴ!」
リコ「テラパゴスもヨーヨー釣りをやりたいの?」
ニャローテ「ニャァッ」
オーガポン「ぽにおっ!」
シンヤ「オーガポンもヨーヨー釣りをやりたいのか?」
ピカチュウ「ピィカッ」
ロイがアチゲータの跡を追いかけている頃、シンヤたちはヨーヨー釣りをして楽しんでいた。
シンヤ「さて、ヨーヨー釣りの次は何をやろうか?」
リュウガ「輪投げはどうだ?」
シンヤ「いいね。じゃあ早速、輪投げの屋台に行こうぜ」
ミコ「ねぇ。輪投げの屋台に行く前に、ロイとアチゲータを探した方がよくない?」
シンヤ「ああ、そうか。祭りに夢中になりすぎて、アイツらのことを忘れてた」
ロイ(中身アチゲータ)「アチアチ」
シンヤ「あっ、ロイ」
ピカチュウ「ピィカッ!」
ヨーヨー釣りが終わったあと、シンヤたちは輪投げの屋台に行こうとしたが、いなくなったロイとアチゲータがなかなか戻ってこないので、ロイとアチゲータを探しに行こうとした。すると、ちょうどシンヤたちのいる屋台の裏から、中身がロイと入れ替わったアチゲータが出てきた。
リュウガ「お前、今までどこに行ってたんだ?」
ロイ(中身アチゲータ)「チィゲェ〜」
ミコ「?何が違うの?」
ロイ(中身アチゲータ)「アチアチ?」
リコ「ロイ、どうしたの?」
ロイ(中身アチゲータ)「アーチッ」
ドット「ロイ、なんか変だぞ?」
ロイ(中身アチゲータ)「チィゲ〜〜」
リュウガは、ロイに今までどこに行ってたんだと聞くが、今リコたちの目の前にいるロイは、中身がロイと入れ替わったアチゲータなので、リュウガたちに事情を説明することが出来なかった。オマケに、リコたちはロイとアチゲータが入れ替わっている事実を知らないため、ロイと入れ替わったアチゲータと会話が噛み合わないことに違和感を覚えた。
シンヤ「…ロイのこの喋り方、まるでアチゲータにそっくりだな」
リコ・ドット・リュウガ・ミコ「「「「あっ!」」」」
リコ「そう言われてみれば!」
ドット「喋り方がアチゲータにそっくりだ!」
アチゲータ(中身ロイ)「おぉーい!アチゲータ!」
ロイ(中身アチゲータ)「アチッ!」
シンヤ・リコ・ドット・リュウガ・ミコ「「「「「えっ?」」」」」
アチゲータ(中身ロイ)「見つかってよかった…あっ!」
パッ(手で口を押さえる)
シンヤたちがロイと入れ替わったアチゲータと話をしていると、アチゲータと中身が入れ替わったロイが喋りながらやってきた。アチゲータになっているロイは、シンヤたちがいることに気づくとすぐに両手で口を押さえたが、既に手遅れだった。
リュウガ「お、おい…」
ミコ「今…」
ドット「ア、アチゲータが…」
リコ「喋った…よね?」
シンヤ「…もしかして。ロイとアチゲータが入れ替わったのか?」
リコ「えっ⁉︎それってどういうこと?」
シンヤ「リコたちには信じられないことかもしれないけど。2人の中身が入れ替わって、ロイがアチゲータに、アチゲータがロイになってるんだよ。そうなんだろ?2人とも?」
アチゲータ(中身ロイ)「…はい」コクッ
ロイ(中身アチゲータ)「アッチッ!」コクッ
リコ・ドット・リュウガ・ミコ「「「「えぇ〜〜〜〜っ⁉︎」」」」
常識的に考えれば、人間とポケモンが入れ替わるなどありえないことだが、ロイの喋り方や、アチゲータが喋っているところを見る限り、ロイとアチゲータの中身が入れ替わってしまっているというのは真実だと、リコたちは受け入れた。リコ、ドット、リュウガ、ミコの4人は、ロイとアチゲータが入れ替わっているということに驚いていたが、シンヤはそこまで驚きはしなかった。その理由は、カントー地方のハナダシティ北にある岬の小屋に住んでいる《マサキ》という人物と出会った時、マサキはポケモン転送装置の操作を誤り、ポケモンと合体した姿になっているからだった。更に言わせてもらえば、ホウエン地方にある《デボンコーポレーション》という会社が、ポケモンになれる機械を作っているということもあるので、ロイとアチゲータが入れ替わっているという事実を、シンヤはすぐに受け入れることができたのだ。ただ、人間とポケモンが入れ替わるというケースはシンヤも初めてなので、アチゲータと中身が入れ替わってるロイから、何故アチゲータと入れ替わってしまったのかその理由を聞いた。
ドット「なるほど。その機械のせいで、ロイとアチゲータは入れ替わったってことか」
リコ「不思議なこともあるんだね」
アチゲータ(中身ロイ)「屋台のおじさんのためにも、このことはバレないようにしたかったんだけど」
ドット「まあ、僕たちが知っちゃったことはしょうがないとして、これ以上は他の誰にもバレないように気をつけよう」
ミコ「そうだね」
リュウガ「なぁ、ロイとアチゲータを入れ替えた機械を持ってる、そのおっさんのいる所に行ってみようぜ。もしかしたら、もう機械が直ってるかもしない」
シンヤ「そうだな」
マードック「おっ、みんなここにいたのか!」
ロイとアチゲータが入れ替わったことをシンヤたちは知ってしまったが、他の人にバレなかったことをラッキーだと考え、ロイとアチゲータを入れ替えた機械を持ってるおじさんの所に行こうとすると、シンヤたちのいる所にマードックがやってきた。
マードック「祭りは楽しんでるか?なんか欲しいもんあったら奢るぞ」
シンヤ・リコ・ドット・リュウガ・ミコ・ロイ「「「「「えっ!」」」」」
アチゲータ(中身ロイ)「やった〜!」
マードック「えっ⁉︎今、アチゲータが喋らなかったか?」
アチゲータ(中身ロイ)(はっ!)
シンヤ・リコ・ドット・リュウガ・ミコ(((((やばっ!)))))
シンヤ「き、気のせいだよ。ポケモンが喋る訳ないし。なっ、アチゲータ?」
アチゲータ(中身ロイ)「アゲ、アーゲー!」
マードック「そ、そうか」
ドット「それよりマードック!奢ってくれるって本当?」
マードック「あ、ああ。今の俺は、なんでも奢っちゃうおじさんだ!」
シンヤ「ちょ、ちょっと待っててくれ」
サッ(円を作る)
ボソッ(小声で話す)
シンヤ『ロイ、気をつけろよ。いきなりバレるとこだったぞ』
アチゲータ(中身ロイ)『ご、ごめん』
ドット『それよりどうする?』
ミコ『ロイになってるアチゲータはともかく、アチゲータになってるロイがなにも喋らなきゃ、バレることはないと思うけど』
リュウガ『少しリスクは上がるが、奢ってもらえるのはかなりでかいぞ』
アチゲータ(中身ロイ)『お祭りも楽しみたい』
シンヤ『なら、何か一つパッと奢ってもらって、ロイの言ってたおじさんの所にサッと行くぞ』
リコ『うん』
マードック「どうしたんだ?」
ドット「な、何でもないよ。なんでも奢っちゃうおじさん、お願いします!」
マードック「よし、何が食べたい?」
リュウガ「ん〜と、オクタン焼き、ベビーカステラ、わたあめ、かき氷、牛串、焼きとうもろこし、たません、串カツ、チョコバナナは食ったし、あと他に食べてないのは…」
シンヤ「そんだけ食えば十分だろ!」
ミコ「いつの間にそんなに食べてたの⁉︎」
リュウガ「お前らがヨーヨー釣りをやってる間に」
ドット「たった数十分でそこまで⁉︎」
リコ「リュウガ、すごく食べるんだね」
リュウガ「昼からなにも食べてないからな」
シンヤ「いやいや、普通はそこまで食えないから」
ロイ(中身アチゲータ)「アッゲッ!」
(屋台を指を差す)
マードックから何を奢ってもらうかシンヤたちが迷っていると、ロイと入れ替わったアチゲータが、ある屋台を指差した。
シンヤ「ん?…りんご飴か」
オーガポン「ぽにおっ!」
シンヤ「ああ、そう言えばオーガポン、りんご飴好きだもんな」
オーガポン「ぽにっぽにっ!」
ロイと入れ替わったアチゲータが指を差したのは、りんご飴の屋台だった。リュウガはまだりんご飴を食べていないし、オーガポンはりんご飴が好きなので、シンヤたちはマードックからりんご飴を奢ってもらうことにした。
リンゴ飴の屋台の前
シンヤ(そういや、初めてこのキタカミセンターに来た時、スグリにりんご飴を奢ってもらったけ)
マードックにりんご飴を奢ってもらうと、シンヤは初めてここに来た時のことを思い出し、スグリにりんご飴を奢ってもらった時のことを思い出していた。
パリッ(りんご飴を食べる)
オーガポン「ぽにおっ!」
シンヤ「美味いか?オーガポン」
オーガポン「ぽにおっ!」
リコ「うん。美味しい」
ドット「うまっ」
パリッ(りんご飴を食べる)
シンヤ「うん。やっぱりキタカミの里で売ってるりんご飴は、新鮮なりんごを使ってるから美味い」
リュウガ「フタバ祭りで売ってるりんご飴を食ったことあるけど、こんなに美味いりんご飴は初めて食べるな」
ミコ「うん。これ美味しい」
アチゲータ〈中身ロイ〉(へぇ〜、じゃあ僕も)
ボォォォォ(口から火を吹く)
マードック「ああっ!」
ジュゥゥゥ(飴が溶けてりんごが焼ける音)
リコ「りんご飴が焼けちゃった」
シンヤたちは売られているりんご飴を手に取ると、早速りんご飴を食べ始めた。シンヤはここのりんご飴を食べたことがあるが、やはりキタカミの里はりんごが有名なだけあり、それを使って作るりんご飴は、外側は飴でコーティングされてパリパリしており、中のりんごはシャキシャキとした歯ごたえが抜群で絶品だった。ロイも早速りんご飴を食べようとしたが、あやまって口から炎を吹き出してしまい、手に持っているりんご飴を焼いてしまう。
マードック「アチゲータの炎で飴がキャラメリゼされ、中のりんごも良い焼き加減に。こ、これは、ベイクドアップルキャンディー!」
ドット「何それ?」
マードック「焼いたりんご飴の名前だ。いいと思わないか?」
リコ「う、うん。いいんじゃないかな」
シンヤ「おい、そろそろ行くぞ」
リコ「行くって、どこに?」
シンヤ「ロイの言ってたおじさんのいる所にだよ」
リコ「あっ、そうだった」
りんご飴の美味しさに夢中になって忘れていたが、マードックに何か奢ってもらえば、すぐにロイの言っていたおじさんのいる所に行くことを思い出し、リコたちはりんご飴を奢ってもらったお礼をマードックに言うと、すぐにその場を離れた。
シンヤ「…えっと。モリー、この行列は?」
マードックたちと別れたシンヤたちは、ロイとアチゲータが出会ったおじさんの所に向かっている途中にモリーと出会ったのだが、モリーの後ろにはたくさんの人が椅子に座って並んでいた。
モリー「この子たち全員、履いてた下駄で指を擦って怪我しちゃったみたいでね。応急手当てをしてるんだ」
シンヤ「なるほど」
ドット「ロイとアチゲータのことがバレる可能性があるから、なるべく寄り道は避けたいけど」
リコ「でも…」
シンヤ「このまま無視して素通りできないよな」
コクッ(全員が頷く)
ミコ「あの、私たち手伝います」
モリー「ありがとう、助かる」
マードックの時と同じように、ロイとアチゲータが入れ替わったことをバレるリスクがあったが、このまま無視して行く訳にもいかないので、シンヤたちはモリーの仕事を手伝うことに。
モリー「はい。これで終わり」
「ありがとうございます。うわっ!」
ロイ(中身アチゲータ)「アチッ!」
「えっ?」
最初にモリーの治療を受けていた女の子の治療が終わると、女の子は椅子から立ち上がった。しかし、女の子はバランスを崩して後ろに倒れそうになってしまう。すると、ロイと入れ替わってるアチゲータが咄嗟に女の子の体を支えると、女の子が倒れるのを防いだ。
ロイ(中身アチゲータ)「ゲタゲタ」
「あっ、下駄を履くのね」
スッ(下駄を履く)
「ありがとう///」
ドット「バレてないっぽいけど、何かおかしな雰囲気になってるな」
シンヤ(ロイに恋愛フラグが立ったか。…中身はアチゲータだけど)
それから数分後、怪我をした人たち全員の治療が終わったので、シンヤたちはおじさんのいる店に向かった。
シンヤ「ロイ、おじさんのいる屋台ってどこだ?」
アチゲータ(中身ロイ)「えっと…」
ロイ(中身アチゲータ)「アッチ!」
(前を指を差す)
シンヤ「ん?あっち?…あれって、オリオか?」
シンヤたちがロイの言っていたおじさんの店を探している途中、ロイと入れ替わっているアチゲータが目の前を指差した。アチゲータが指を差したのは、《キタカミそば》という焼きそばを売っている屋台で、その屋台にはたくさんの人が並んでおり、先頭にはオリオが立っていた。シンヤたちはオリオに気づかれないうちにその場を離れようとしたが、なにやらオリオが困った顔をしているので、オリオの元に向かった。
焼きそばの屋台の前
オリオ「う〜ん、ダメだ。どうやっても火力が上がらないみたい」
眼鏡をかけたおじさん「そうか。今日は店じまいだな」
リコ「ちょっと待ってください!」
オリオ「ん?あんたたち」
シンヤ「オリオ、ここで何してたんだ?」
オリオ「実は、ここの焼きそばの屋台のコンロが壊れちゃったから、焼きそばが作れなくなちゃってね」
ドット「それでオリオが修理してたって訳か」
シンヤ「でも、オリオの腕ならコンロを直すなんて簡単なことだろ?」
オリオ「それが、コンロを直すのに必要な部品がなくてね」
眼鏡をかけたおじさん「せめて、今ここに並んでるお客さんの分だけでも作りたかったんだが」
シンヤ「あの〜、火が必要なら、リザードンの「かえんほうしゃ」をコンロの代わりにして、焼きそばを作るっていうのはダメですか?」
眼鏡をかけたおじさん「おっ!それはありがたい!ぜひ頼むよ!」
シンヤ「じゃあ早速。リザードン、出てこい!」
ポーーン
リザードン「リザァァァァッ!」
シンヤはリザードンをボールから出すと、リザードンに仰向けになってもらい、焼きそばの屋台で働いているカイリキーには、取っ手のある鉄板を持って店から出てきてもらった。そして、リザードンがカイリキーの持っている鉄板に向かって「かえんほうしゃ」を放つと、鉄板がいい感じに温まり、眼鏡をかけたおじさんは早速焼きそばを作り始め、出来上がった焼きそばをシンヤとリュウガが容器に入れると、リコとミコは焼きそばをお客さんたちに配り始めた。
リコ「お待たせしました!」
ミコ「はい。焼きそば二つです」
リュウガ「追加が出来たぞ」
シンヤ「リザードン。大変だけど頑張ってくれ」
リザードン「ザァァッ!」
ツンツン(シンヤの背中をつつく)
シンヤ「ん?」
アチゲータ(中身ロイ)「シンヤ。僕も焼きそばを作るのを手伝う」
シンヤ「え?けどお前、さっきりんご飴を食べようとした時に火を吹いてたけど、大丈夫なのか?」
アチゲータ(中身ロイ)「うん。炎をコントロールできれば、僕にも出来そうだから」
シンヤ「…分かった。じゃあ頼む」
アチゲータ(中身ロイ)「うん!」
みんなが頑張って働いているのを見ていたロイは、焼きそばを作るのを手伝うと言い出し、シンヤのリザードンを手伝おうと鉄板に「かえんほうしゃ」を放とうとするが、やはり力のコントロールが難しいのか、炎を吹き出すことが出来なかった。
アチゲータ(中身ロイ)「うーん、どうやったら炎が出るんだろう?」
ロイ(中身アチゲータ)「アーゲアゲ、アッゲ!」
アチゲータ(中身ロイ)「あっ、そうか!」
ロイ(中身アチゲータ)「アーゲ、アーゲゲ、アゲアゲ、ゲー」
ロイ・アチゲータ「「アーゲ、アーゲゲ、アゲアゲ、ゲー、「アーゲ、アーゲゲ、アゲアゲ、ゲー、アゲ、アゲ、アゲ、アゲッ、アー」」
ボォォォォォォォ‼︎(火を吹く)
リコ「すごい!」
ドット「体が入れ替わっても、ロイとアチゲータのコンビネーションは変わってない」
アチゲータと入れ替わっているロイが炎を出せずに困っていると、ロイと入れ替わっているアチゲータは歌を歌い始めた。すると、ロイはアチゲータの意図を理解し、アチゲータと一緒にリズムに合わせて歌い始めた。すると、口から炎を吹き出せるようになり、最後のお客さんの分まで焼きそばを作ることができた。
おじさん「いやぁ!君たちのおかげで助かったよ!これ、良ければ貰ってくれ。君たちの分だ」
スッ(焼きそばが入ってる袋)
ミコ「ありがとうございます」
オリオ「じゃあみんな、またあとでね!」
リコ「うん!」
シンヤ「ふぅ〜、リザードンもお疲れ」
リザードン「ザァァ〜〜」
おじさん「おぉ!いたいた!少年、アチゲータ、なんとか機械が直ったぞ!」
アチゲータ(中身ロイ)「あっ、おじさん!」
ロイ(中身アチゲータ)「アチ!」
シンヤ「あの人か、ロイの言ってたおじさんって?」
アチゲータ(中身ロイ)「うん」
眼鏡をかけたおじさんから、手伝ってもらったお礼にと焼きそばを貰うと、オリオは自分の分の焼きそばを持ってどこかに行ってしまう。すると、ロイとアチゲータが入れ替わる原因を作ったおじさんがやってきた。どうやら、ロイとアチゲータの中身を入れ替えた機械が直ったようだ。
屋台の裏
アチゲータ(中身ロイ)「いくよ、アチゲータ」
ロイ(中身アチゲータ)「アチッ」コクッ
ポチッ(ロイとアチゲータが同時にボタンを押す)
ピピピピ…ピ
ピカァァァン!(ロイとホゲータが光に包まれる)
シンヤたちはおじさんの跡について行き、ロイとアチゲータが入れ替わった場所にやってきた。おじさんはロイとアチゲータに、2人の中身を入れ替えた機械を渡すと、ロイと入れ替わったアチゲータは赤いボタンを、アチゲータと入れ替わったロイは青いボタンを押した。すると、さっきと同じように機械が光だし、ロイとアチゲータは光に包まれてしまう。
おじさん「どうだ?元に戻ったか?」
ロイ「アチゲータ」
アチゲータ「アチゲータ」
おじさん「いや、どっち⁉︎」
ロイ「僕です!元に戻りました!」
リコ・ドット「「よかった〜!」」
ロイが普通に喋っているところを見ると、どうやらロイとアチゲータは互いに自分の体に戻れたようだ。
ドット「あの、おじさん!」
おじさん「ん?何だ?」
リコ「私たちもポケモンと入れ替わってみたいです!」
おじさん「えっ⁉︎」
ドット「少しでいいから、その機械を使わせて!」
おじさん「…まあ、内緒で一回だけなら」
リコ・ドット「「やった〜!」」
リコ「リュウガとミコは?」
リュウガ「俺はパス」
ミコ「私も」
ポケモンと入れ替われることがとても魅力的に感じたのか、リコとドットはおじさんに機械を貸してほしいと頼み、おじさんは一回だけならいいと言ってくれたので、リコはおじさんから機械を借りた。
リコ「じゃあニャローテ、せ〜ので」
ニャローテ「ニャァッ」
ポチッ(リコとニャローテが同時にボタンを押す)
リコ「…あれ?動かない」
おじさん「えっ?ちょっと貸してみろ」
バチバチ!
ドォーーン!
おじさん「うわっ⁉︎」
シンヤ「…ぶっ壊れたな」
リュウガ「だな」
ミコ「うん」
おじさん「マジか⁉︎」
おじさんから機械を借りると、リコとニャローテは同時にボタンを押した。しかし、何度ボタンを押しても機械が動かなかったため、おじさんは機械を調べるためにリコから機械を預かった。すると、いきなりおじさんが手に持っている機械がショートすると、そのまま爆発を起こして壊れてしまう。
ドット「ん?裏に何か書いてある。…シンク……ロマシンって書いてある?」
おじさん「ロマシン?それって、この機会の持ち主の名前か?」
シンヤ「違いますよ。これは《シンクロマシン》です」
全員「「「シンクロマシン?」」」
リコ「シンヤ。この機械のこと知ってるの?」
ガサゴソ(リュックの中を漁る)
シンヤ「ほら」
全員「「「あっ!」」」
ロイとアチゲータの中身を入れ替えた機械の名前をシンヤが口に出すと、リコはシンヤにこの機械が何なのか知っているかと聞いた。すると、シンヤは持ってきていたリュックの中を漁り始め、リュックの中からある物を取り出した。それは、シンヤがシンクロマシンと言った機械と同じものだった。
リコ「何でシンヤがその機械を持ってるの?」
シンヤ「《シアノ》校長から貰ったんだ」
ドット「シアノって、前にオレンジアカデミーに来た、ブルーベリー学園の校長?」
シンヤ「ああ。このシンクロマシンは、ポケモンとシンクロできる機械らしい。スグリとのバトルが終わったあと、いいバトルを見せてくれたお礼にって、説明書とセットでシアノ校長がくれたんだ。全然興味がなかったから説明書も見てなかったけど、まさかポケモンと入れ替われる機械だったとはね」
リュウガ「へぇ〜、いい物もらったじゃん」
シンヤ「だな」
リコ「シンヤ!それ使わせて!」
シンヤ「えっ?」
ドット「頼む!」
シンヤ「あ、ああ、別にいいよ」
ポチッ(リコとニャローテが同時にボタンを押す)
ピピピピ…ピ
ピカァァァン!(リコとニャローテが光に包まれる)
シンヤ「どうだ?」
ニャローテ(中身リコ)「うわぁ〜〜!すごい!私ニャローテになってる!」
リコ(中身ニャローテ)「ニャァッ」
どうやら、シンヤがシアノから貰ったシンクロマシンも、ロイとアチゲータが入れ替わった機械と同じ物のようで、ボタンを押したリコとニャローテは中身が入れ替わったようだ。
シンヤ「……」
ニャローテ(中身リコ)「ん?シンヤ、どうしたの?」
シンヤ「いや、なんか、ニャローテと入れ替わったリコって、妖艶って感じで、色気があるなって」
ニャローテ(中身リコ)「えっ?」
リコがニャローテと入れ替わったことに感激していると、突然シンヤが、ニャローテと入れ替わったリコが色っぽいなどと言い出しので、リコは自分と入れ替わったニャローテを見た。
リコ(中身ニャローテ)「ニャァァ〜ロォッ」
ニャローテ(中身リコ)「ちょ⁉︎///ニャローテ!私の顔で、そんな顔しないで!///」
リコと入れ替わったニャローテは、右手を猫手にすると、猫手にした右手を顎の下にもってきて、右目を細くし、左目だけ閉じてウインクをしている顔をすると、普段リコが絶対見せないような色気が出てる顔をした。
シンヤ「へぇ〜、リコって八重歯あったんだ」
ニャローテ(中身リコ)「恥ずかしいから口の中を見ないで!///」
シンヤ「やっぱり、ニャローテと入れ替わったリコって大人っぽいな。それに色っぽいし」
リコ「シンヤァァ〜〜!///」
シンヤ「冗談だよ」
カシャ(スマホロトムで写真を撮る)
ニャローテ(中身リコ)「ちょ⁉︎シンヤ!///なんで写真を撮ったの⁉︎///」
シンヤ「だって、こんな顔をしてるリコを撮るチャンスなんて2度とないかもしれないだろ。せっかくだから、何枚か写真を撮っとこうと思ってさ」
ニャローテ(中身リコ)「消して‼︎///すぐに消して‼︎」
シンヤ「絶対ダメ。こんなレアな顔をしてるリコの写真を消すなんてもったいない」
ニャローテ(中身リコ)「消さないと顔を引っ掻くからね!私、今ニャローテなんだよ!」
シンヤ「へぇ〜、お前に俺を引っ掻けるのか?」
ニャローテ(中身リコ)「⁉︎///だったらスマホロトムを奪い取るから!」
ニャローテと入れ替わったリコは、スマホロトムを奪い取ろうとシンヤに飛びかかったが、慣れない体のせいか簡単に避けられてしまい、シンヤに捕まって抱きしめられてしまう。
シンヤ「捕まえたと」
ニャローテ(中身リコ)「うぅ〜〜、お願いだから写真を消して」
シンヤ「分かった分かった。じゃあ、俺の頼みを一つ聞いてくれ」
ニャローテ(中身リコ)「えっ?」
シンヤはニャローテを離すと、そのまま動かないようニャローテと入れ替わったリコに伝えた。すると、シンヤは右手でニャローテと入れ替わったリコの顎を撫で始めた。
ニャローテ(中身リコ)(これ…ダメ…気持ち良すぎて…何も考えられなくなる///)
シンヤに顎を撫でられると、リコはなんとも言えない快楽に溺れてしまい、シンヤに骨抜きにされてだらしない顔をしていた。
ミコ「ねぇ。シンヤとリコって、船じゃこんな感じなの?」
ドット「うん」
リュウガ「ん?シンヤとリコって付き合ってんのか?」
ドット「そうだけど、リュウガは何も聞いてないの?」
リュウガ「ああ。ミコは知ってたのか?」
ミコ「うん。2人の距離が近かったから、前に2人に付き合ってるのって聞いたら、2人とも分かりやすいリアクションしてたから」
リュウガ「そうか…」
シンヤがニャローテと体が入れ替わっているリコの顎を撫でると、シンヤとリコは2人っきりの世界に入ってしまい、周りが甘い雰囲気で満たされていった。ドットとロイはまたかのような目でシンヤとリコを見ていたが、リュウガとミコは初めてシンヤとリコがイチャイチャするところを見たので、シンヤとリコがイチャつき終わるまでその様子を眺めていた。そして、顎を撫でて気が済んだシンヤは、さっき撮ったリコの写真を消し、リコとニャローテはシンクロマシンのボタンを押して元に戻った。シンヤはドットにもシンクロマシンを貸そうとしたが、シンヤがシンクロマシンを持ってるならまた今度でいいとドットが言うので、シンヤたちはまだまだお祭りを楽しむことにした。
スイリョクタウン
フリード「全員、祭りは楽しめたみたいだな」
ロイ「うん。いろいろあったけど、すごく楽しかったよ」
リコ「…」
シンヤ「何だ?まださっきのこと怒ってるのか?」
リコ「知らない!」
シンヤ「フフッ。フリードは?射的が終わったあと、ゼイユからヤバソチャを見せてもらえたのか?」
フリード「ああ。けどその後、型抜きにポケモン勝負を挑まれた。ま、全部俺が勝ったけどな」
シンヤ(…大人げない)
ゼイユ「見つけた!今度は輪投げで勝負よ!」
フリード「うおっ、どこから現れた⁉︎」
シンヤ「あ、そうだ。ゼイユ、聞きたいことがあるんだが」
ゼイユ「えっ、何?」
シンヤ「ブライア先生がキタカミの里にいるって聞いたんだけど、今どこにいるか知ってるか?」
ゼイユ「ブライア先生なら、今《てらす池》にいるはずだけど」
シンヤ「てらす池か」
フリード「シンヤ、てらす池のある場所を知ってるのか?」
シンヤ「前に行ったことあるからな。ほら、あの《鬼が山》って呼ばれている大きな山の頂上が、てらす池のある場所だ」
フリード「よし!ブライア先生のいる場所も分かったし、シンヤが道を知ってるなら、明日てらす池に出発だ!」
ゼイユ「ざ〜んね〜ん!てらす池に行くには許可がいるわよ」
シンヤ「えっ?でも、前に俺とお前が行った時は、許可なんかもらわなかったぞ」
ゼイユ「あの時もちゃんと許可をもらってたわよ」
シンヤ「そうなのか?誰に許可をもらえばいいんだ?」
ゼイユ「管理人さんからよ」
シンヤ「じゃあしょうがない。管理人さんから許可をもらうか」
管理人「行ってもよいぞ」
シンヤ以外の全員「「「えっ?」」」
ゼイユからの情報で、ブライア先生は《てらす池》という場所にいることが分かった。しかし、てらす池に行くには《管理人》さんからの許可がいるようなので、シンヤは公民館の中にいる管理人さんから許可をもらおうとした。すると、公民館の自動ドアが開き、中から管理人さんが出てきた。
シンヤ「管理人さん!」
ピカチュウ「ピィカッ!」
管理人「シンヤ君、ピカチュウ、久しぶりじゃな」
オーガポン「ぽにおっ!」
管理人「おおっ!オーガポン様!お久しぶりです。お祭りは楽しんでいただけましたか?」
オーガポン「ぽにっぽにっ!」
リコ「あの、てらす池に行っていいんですか?」
管理人「うむ。以前シンヤ君にはお世話になったし、娘のシズネが世話になったようだからな」
フリード「シズネ?」
タッタッ(管理人さんの後ろから歩いてくる)
ロイ「あっ!君は?」
シズネ「お姉さん、さっきはありがとうございました」
フリード「モリーの知り合いか?」
モリー「さっき私が手当てをした女の子だよ。足はどう?」
シズネ「もう大丈夫です。本当にありがとうございました」
シンヤ「ゼイユ。管理人さんからの許可をもらえたってことは、俺たちはてらす池に行ってもいいんだよな?」
ゼイユ「リコやアンタは例外としても、他のよそ者に行ってほしくはないんだけどね」
シンヤ「おいおい(-。-)…」
リコ「アハハッ…」
ゼイユ「…けど、管理人さんから許可をもらえたなら、私がどうこう言う権利はないわね」
シンヤ「フッ、素直じゃねえな」
偶然にも、モリーが治療した女の子は、シズネという管理人さんの娘だった。そしてシンヤたちは、管理人さんからてらす池に行っていい許可をもらったので、ブライア先生に会うためにてらす池を目指すのだった。
To be continued
次回予告
ブライア先生がてらす池にいるとゼイユから聞いたシンヤたちは、お祭りを楽しんだ次の日の朝、ブライア先生がいるてらす池を目指して鬼が山を登り始めた。その道中で、ドットのカヌチャンが自分好みの鉄を見つけたので、ハンマーで鉄を叩き始めた。すると、そこに野生のオトシドリが現れ、カヌチャンのハンマーづくりの妨害を始めると、カヌチャンが叩いていた鉄を持ち去ってしまう。
次回「カヌチャンの新たなハンマー!」