ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 てらす池でブライア先生に出会ったシンヤたちは、ブライア先生からテラパゴスに関する情報をもらい、一度ブレイブアサギ号に戻った。その後、ドットとスイリョクタウンにやってきたシンヤは、以前このキタカミの里で出会ったポケモンカメラマンの《サザレ》と再会し、バサギリの手がかりに関する写真を見せてもらった。


第77話『Nとの再会!バサギリを探せ!』

 

 キタカミの里・公民館の前

 

 

 スッ(写真をシンヤたちに見せる)

 

 シンヤ「ッ!」

 

 

 ドット「こ、これって!」

 

 リュウガ「マジかよ⁉︎」

 

 サザレがシンヤたちに見せた一枚の写真。その写真を見たシンヤたちは、驚きの声を上げた。その写真に写っていたのは、ルシアスの六英雄の一体でもある《バサギリ》だったからだ。

 

 リュウセイ「間違いない。バサギリだ」

 

 シンヤ「しかも、以前フリードに見せてもらった、ぼやけた写真に写っているバサギリじゃなく、ハッキリと姿が写っている写真だ」

 

 リコ「これが、バサギリ…」

 

 シンヤ「…サザレさん。この写真をどこで撮ったんですか?」

 

 サザレ「《天狗山》だよ」

 

 シンヤ「天狗山。あそこにバサギリが」

 

 リコ「シンヤ、天狗山ってどんなところなの?」

 

 シンヤ「ここから少し歩いた場所にある山だよ。…よし!一度ブレイブアサギ号に戻って、フリードたちにこの事を話してから天狗山に行こう。サザレさん、後でバサギリのいる場所に案内してくれますか?」

 

 サザレ「もちろんいいよ」

 

 こうしてシンヤたちは、サザレを連れてブレイブアサギ号に戻ると、サザレが撮ったバサギリの写真を船にいるフリードたちに見せ、写真に写っているバサギリが六英雄のバサギリがどうかを確かめるため、シンヤたちは天狗山に向かうことになった。

 

 シンヤたちが天狗山に向かう準備をしている頃、エクスプローラーズのアジトでは…

 

 エクスプローラーズのアジト・研究室

 

 ダークトリニティ1「ゲーチス様、あの方のいる場所が分かりました!」

 

 ゲーチス「どこにいるのです?」

 

 ダークトリニティ2「キタカミの里という場所です」

 

 ダークトリニティ3「しかも、そこにはシンヤたちもいます!」

 

 ゲーチス「そうですか。すぐに向かってください。目的は分かっていますね?」

 

 ダークトリニティ1・2・3「「「ハッ!」」」

 

 

 バッ(部屋から消える)

 

 

 スッ(ゲーチスの後ろから現れる)

 

 

 ???「ゲーチスさん、私もキタカミの里に行ってもいいですか?」

 

 ゲーチス「それは構いませんが。何故?」

 

 ???「少し気になることがあって、《シンヤ》というトレーナーを一目見ておきたいのです」

 

 ゲーチス「彼を見るためですか。…いいですよ。あなたにはカオスオーブを開発してもらいましたし、そのカオスオーブの改良も終わりましたからね」

 

 ???「ありがとうございます。では」

 

 スタッスタッ(扉に歩いて行く)

 

 ウィーン(扉が開く)

 

 ゲーチス「…スピネルさん、いるのでしょう?」

 

 スッ(スピネルが現れる)

 

 スピネル「私がここにいることに気づいていたのですか?」

 

 ゲーチス「私は人の気配に敏感でしてね。それより、あの人は何者なんですか?」

 

 スピネル「私たちも詳しくは知りませんが、ギベオン様とは昔からの知り合いだとか」

 

 ゲーチス「ほぅ」

 

 天狗山

 

 フリード「まさか、シンヤの知り合いがバサギリの情報を持ってくるとはな。流石に驚いたぜ」

 

 シンヤ「俺もサザレさんからバサギリの写真を見せてもらった時は驚いたよ」

 

 ドット「ハァ、ハァ、ハァ、また山登りをすることになるなんて」

 

 ウェルカモ「ウェール」

 

 リュウガ「口を動かしてると、余計に早くバテちまうぞ!」

 

 ミコ「ドットは少し体力をつけないとね」

 

 天狗山にやってきたメンバーは、シンヤ、リコ、ロイ、ドット、リュウガ、ミコ、フリードになり、残りのメンバーは、いつも通り船で留守番になった。そして、天狗山にやってきたシンヤたちは、坂道を歩いて進んでいたが…やはりと言うべきか、ドットはスタミナが不足しているため、みんなより早く息切れを起こしていた。坂道を少し歩き続けると、小川がある場所にやってきたシンヤたちは、小川の近くに倒れている木に腰をかけて、サザレが撮ったバサギリの写真をもう一度見せてもらった。

 

 シンヤ「サザレさんが撮りたいポケモンって、バサギリのことだったんですね」

 

 サザレ「うん。もう一度バサギリに会って、今度はちゃんとした写真を撮りたいんだ」

 

 シンヤ「なるほど。ところでサザレさん、この写真はいつ撮ったんですか?」

 

 サザレ「えっ?…う〜ん…」

 

 シンヤ「えっ?俺、何か変なことを聞きましたか?」

 

 サザレ「いや、そうじゃないんだ。実は、その時の記憶が曖昧なんだよね」

 

 シンヤ「?」

 

 サザレ「私がポケモンの写真を撮りに、この天狗山にやってきた時、気がついたら、霧が立ち込めてる深い森の中にいてね。そのまま森を歩いてたら、いきなり目の前にバサギリが現れて、夢中でシャッターを切ったんだ。そしたら、大きな斧を振り翳して襲ってきたんだけど、斧を振り下ろされる前になんとか逃げ出して、必死に走って逃げてたら、いつの間にか麓まで辿り着いてたんだ。だから、どこどう走って逃げてきたのか覚えてないんだよね」

 

 フリード「なぜ記憶が曖昧なんだ?」

 

 サザレ「それが、天狗山を登ってきた時の記憶はあるんだけど、そこから先は、夢を見てるみたいな感じになっちゃって」

 

 リュウガ「じゃあ、バサギリがこの天狗山のどこかにいるということまでは…」

 

 サザレ「私にも分からないかな」

 

 シンヤ「そうですか…」

 

 サザレからの情報で、この天狗山のどこかにバサギリがいるということは分かったが、バサギリのいる正確な場所はサザレにも分からないようだ。

 

 フリード「よし!休憩は終わりにして、そろそろ出発しよう」

 

 ロイ「みんな!早く行こう!」

 

 ドット「そんなに急がなくてもいいだろ」

 

 サザレ「元気だね、ロイ君」

 

 フリード「元気が取り柄みたいなヤツだからな」

 

 ミコ「リコ、行こう」

 

 リコ「うん」

 

 シンヤ「さて、先を急ぐか」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 リュウガ「…シンヤ、ちょっと話がある」

 

 シンヤ「?」

 

 木に座って少し休んでいたシンヤたちは、バサギリを見つけるため、再び天狗山を登って先に進み始めた。ロイはアチゲータと元気よく先頭を歩き、リコたちもロイの後に続いて歩いていたが、リュウガがシンヤに話があると言うと、シンヤとリュウガはリコたちから少し離れた後ろの方で話をすることにした。

 

 リュウガ「サザレさんってさ……俺たちがヒスイ地方に行った時に出会った、《コンゴウ団》の《セキ》さんの子孫なんじゃないか?」

 

 シンヤ「ッ…俺も初めてサザレさんに会った時に、お前と同じことを思った。サザレさん、セキさんに顔がそっくりだし、髪の色までそっくりだからな」

 

 リュウガ「もしかして、セキさんの奥さんって、《カイ》さんだったりして」

 

 シンヤ「まさか。あの二人、すごく仲が悪かった…」

 

 リコ「カイさんて誰?」

 

 シンヤ・リュウガ「「ッ⁉︎」」

 

 ミコ「2人でなにをコソコソ話してるの?」

 

 シンヤ「な、なんでお前らがここにいるんだ⁉︎」

 

 リュウガ「俺たちの前を歩いてたんじゃないのか?」

 

 ミコ「アンタらが後ろの方でコソコソ話してたから、会話の内容が気になって後ろまで来たのよ。それより、カイさんて誰なの?」

 

 リュウガ「この人だよ」

 

 スッ(スマホロトムを見せる)

 

 リコ「あっ」

 

 ミコ「これって」

 

 シンヤとリュウガは、以前ヒスイ地方に行った時に、コンゴウ団という集団と出会ったことがあり、そのコンゴウ団の長を務めていた《セキ》という人物の顔や髪の色が、サザレとよく似ているため、シンヤとリュウガは、もしかしたらサザレは、セキの子孫ではないかと思い、セキの妻は、カイという人物かもしれないと話していると、シンヤとリュウガの会話に、リコとミコが入ってきて、カイとは誰かとミコが聞いてきたので、リュウガはスマホロトムを取り出し、スマホロトムに写っている写真をリコとミコに見せた。その写真には、顔や髪の色がサザレに似ていて、青色のジャケットのような着物を着ている青年と、白を基調とした露出度の高い服を着ている可愛い女の子がシンヤとリュウガと一緒に写っていた。

 

 ミコ「誰なの?この二人?」

 

 シンヤ「男の人はセキさんっていって、俺とリュウガがヒスイ地方に行った時に出会った、コンゴウ団ていう集団の長をしている人だよ」

 

 ミコ「サザレさんにそっくり。もしかしてサザレさんって、この人の子孫なのかな?」

 

 シンヤ・リュウガ((やっぱそう思うよな))

 

 シンヤとリュウガも初めてサザレを見た時に思ったことだが、スマホロトムに写っているセキの顔を見たミコは、シンヤとリュウガが思ったように、サザレはセキの子孫だと思ったようだ。

 

 リコ「……女の人は誰なの?(T_T)」

 

 シンヤ「リコ。ゼイユやタロさん、フウロさんやカミツレさんの時もそうだし、サザレさんの時もそうだけど。俺が年上の女性と知り合いって分かった時に、怖い顔して俺を見ないでくれ」

 

 リコ「こ、怖い顔」

 

 ミコ(リコって、清楚な感じだと思ってたけど、意外に独占欲が強いんだ)

 

 いつものことだが、リコは年上の女性がシンヤの知り合いだと知ると、シンヤとその女性の関係を疑うところがある。それは、シンヤへの愛の重さや深さがあってのことだが、疑われているシンヤの気持ちは複雑になるだろう。

 

 リュウガ「リコ。一応シンヤのために弁明するけど。カイさんは、シンジュ団っていう集団をまとめている人ってだけだぞ」

 

 リコ「シンジュ団?」

 

 ミコ「コンゴウ団にシンジュ団。…なんか、こんごうだまとしらたまから名前を取った集団みたいね」

 

 シンヤ「ああ。コンゴウ団はディアルガを、シンジュ団はパルキアを信仰してたからな」

 

 ミコ「団の名前の由来はやっぱりそこか」

 

 シンヤ「だろうな。それに、コンゴウ団とシンジュ団のみんなは、ディアルガとパルキアのことを《シンオウさま》って言ってたからな」

 

 ミコ「ッ、じゃあ、ヒスイ地方がシンオウ地方って名前になったのは、コンゴウ団とシンジュ団が、ディアルガとパルキアのことをシンオウさまって言ってたのが原因なの⁉︎」

 

 シンヤ「それは俺たちにも分かんないけど」

 

 フリード「お〜〜い!何してんだよお前ら!早くこい!」

 

 フリードにそう言われたシンヤたちは、ここに来た目的を思い出すと、一旦ヒスイ地方での話を切り上げ、先を進んでいたフリードたちの後を追いかけ、バサギリを捜すために森の中を歩き始めた。

 

 岩場

 

 フリード「みんな、周りをよく見ながら進んでくれ。手がかりがどこにあるか分からないからな!」

 

 ロイ「うん!」

 

 アチゲータ「アゲ…アゲ…」

 

 グゥゥゥゥ~〜(腹の虫が鳴る)

 

 アチゲータ「アゲゲ〜……ゲアッ!」

 

 森の中を抜けると、岩がたくさんある場所にやってきたシンヤたちは、どこにバサギリの手がかりがあるか分からないため、周りを見ながら道を進んでいた。道を進んでいる途中、アチゲータはお腹が減ったみたいで、腹の虫を鳴らしながら歩いていた。すると、アチゲータは目の前に落ちているオボンの実を見つけたので、それを取ろうと近づいた。

 

 ドドッ(足元が陥没する)

 

 アチゲータ「ゲアゲッ⁉︎」

 

 ロイ「アチゲータ!」

 

 リュウガ「何してんだよ」

 

 アチゲータが目の前に落ちているオボンの実を取ろうと近づいた瞬間、突然アチゲータの足元が陥没し、アチゲータの下半身が地面に埋まってしまう。

 

 グラッ(地面が崩れる)

 

 ロイ・リュウガ「「うわっ⁉︎」」

 

 アチゲータ「ゲアーッ⁉︎」

 

 シンヤ「あっ!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リコ「ロイ!アチゲータ!リュウガ!」

 

 地面に埋まってしまったアチゲータを助けようと、ロイとリュウガはアチゲータの近くに駆け寄った。するとその時、ロイとリュウガとアチゲータがいる場所が崩れてしまい、3人はそのまま割れ目のある穴の中に落ちてしまった。

 

 穴の中

 

 リュウガ「いってて」

 

 ロイ「アチゲータ、リュウガ、大丈夫?」

 

 リュウガ「一応」

 

 アチゲータ「ゲアッ」

 

 ドット「3人とも、大丈夫か⁉︎」

 

 ロイ「うん!」

 

 シンヤ「そこから登ってこれるか?」

 

 ロイ「やってみるよ!」

 

 穴に落ちてしまったリュウガとロイとアチゲータだったが、3人とも大きな怪我はしていないようなので、崖を登って穴から脱出しようとした。しかし、運動神経が良いロイが何度崖を登っても滑り落ちてしまうため、何か別の方法で3人を助け出そうと、シンヤたちは知恵を出し合っていた。

 

 ヒュゥゥ(風が吹いてくる音)

 

 ロイ「ん?」

 

 リュウガ「風?」

 

 穴から脱出する方法を考えていると、ロイは風が吹いてくる音を聞き取り、後ろを振り向いた。そこには、かなり奥まで続いている洞窟があった。

 

 ミコ「2人とも、どうしたの?」

 

 ロイ「この穴の中に洞窟があって、そこから風が吹いてきてる!もしかしたら、どこかに出られるかもしれないから、僕たちはこっちを進んでみるよ!」

 

 フリード「わかった!何かあったら、すぐにスマホロトムで知らせろ!」

 

 ロイ「うん!リュウガ、アチゲータ、行こう」

 

 リュウガ「ああ」

 

 アチゲータ「ゲアッ!」

 

 落ちた穴の中に洞窟があるのを発見したリュウガとロイは、そこから風が吹いてきてるので、洞窟を進めば脱出できると思い、アチゲータと一緒に洞窟の中を歩いて行き、シンヤたちは再び丘を登り始めた。

 

 洞窟の中・リュウガの視点

 

 ロイ「風はこっちから吹いてきたから、道はあってるはずだよね?」

 

 リュウガ「多分な」

 

 アチゲータ「アチアチッ」

 

 洞窟の中を進んでいたリュウガとロイは、アチゲータと一緒に風が吹いてくる方に向かって洞窟の中を進んでいた。

 

 ロイ「何だろう、あれ?」

 

 リュウガ「ん?」

 

 メレシー「メレッ?」

 

 しばらく洞窟の中を歩き続けていると、ロイは前方で何か光っているものを発見した。その光っているもの正体は、ほうせきポケモンの《メレシー》だった。

 

 ロイ「わぁ、初めて見るポケモンだ!」

 

 リュウガ「コイツはメレシーだ」

 

 ロイ「メレシーっていうんだ」

 

 オンバットたち「「「オンオンッ!」」」

 

 ロイ「あっ、あのポケモンも初めて見る!」

 アチゲータ「アゲゲッ!」

 

 リュウガ「あれはオンバットだ」

 

 ロイ「洞窟の中にもたくさんのポケモンがいるんだね」

 

 アチゲータ「アチアチ」

 

 初めて見るメレシーをロイとアチゲータがしばらく見ていると、洞窟の奥からオンバットの群れが翼を羽ばたかせて飛んできた。そのオンバットたちが通り過ぎると、リュウガたちは再び洞窟を歩き始めた。

 

 シンヤたちの視点

 

 リコ「3人とも、大丈夫かな?」

 

 シンヤ「リュウガが一緒なんだし、大丈夫だろ」

 

 ピカチュウ「ピーカッピカ」

 

 「ガルルルルッ」

 

 ピカチュウ・キャップ「「ピカッ!」」

 

 シンヤ「何だ?この唸り声は?」

 

 天狗山の上を目指して坂道を歩いていると、ピカチュウとキャップが前方から何者かの気配を感じ取ったので、全員動きを止めた。すると、前の方から何かの唸り声が聞こえてきたので、シンヤたちが上の方を確認すると、唸り声の主が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘルガー「ガルゥゥゥッ!」

 

 デルビルの群れ「「「デルビィッ!」」」

 

 

 シンヤ「ヘルガーにデルビル!」

 

 ピカチュウ「ピィーカッ!」

 

 シンヤたちの目の前に現れた唸り声の主の正体は、ダークポケモンの《ヘルガー》だった。そのヘルガーの周りには、ヘルガーの進化前であるデルビルがたくさんいて、シンヤたちの目の前に現れたヘルガーの仲間と思われる、他のヘルガーまで現れ、シンヤたちを逃がさないように周りを囲んでいた。

 

 ヘルガー「ガーーッ!」

 

 シンヤ「どうやら、簡単にここを通してくれそうにないな」

 

 フリード「よし、俺がヘルガーたちを引きつける。その隙に、リコたちは森の中に逃げ込め」

 

 シンヤ「フリード、俺も残るぜ」

 

 フリード「いや、ここは俺だけで十分だ。それに、この天狗山に詳しいお前が一緒なら、バサギリを見つけられる可能性は高い。だから、お前もリコたちと一緒に行ってくれ」

 

 シンヤ「分かった。ピカチュウ!「10まんボルト!」」

 

 ピカチュウ「ピッカッアア、チューウ!」

 

 バァァァァン!

 

 ヘルガーの群れ「「「ヘルッ⁉︎」」」

 

 デルビルの群れ「「「デビッ⁉︎」」」

 

 ヘルガーとデルビルの群れに囲まれたシンヤたちだったが、ヘルガーとデルビルの相手は自分がするから先に行けとフリードに言われたので、シンヤはピカチュウに「10まんボルト」の指示を出し、ピカチュウの放った電撃でヘルガーたちが怯んだ隙に、フリードの以外のメンバーは、一斉に走って森の中に入ろうとした。

 

 デルビルの群れ「「「デルビィ‼︎」」」

 

 リコ「ニャローテ!「マジカルリーフ!」」

 

 ニャローテ「ニャァァァァロォッ‼︎」

 

 バァァァァン!

 

 デルビル「「「デルビッ⁉︎」」」

 

 リコとニャローテが森の中に向かって走っていると、リコの後ろにデルビルの群れが迫ってきたので、ニャローテはリコを守るために「マジカルリーフ」をデルビルの群れに放った。

 

 ヘルガー「ヘルッ!」

 

 リコ「あっ!」

 

 ニャローテ「ニャァッ!」

 

 シンヤ「ピカチュウ!「アイアンテール!」」

 

 ピカチュウ「チューーウ、ピッカッ‼︎」

 

 バァァァァン!

 

 ヘルガー「ヘルッ⁉︎」

 

 シンヤ「リコ、こっちだ!」

 

 リコ「うん!」

 

 ニャローテの「マジカルリーフ」によってデルビルの群れが倒れると、倒れたデルビルの群れの後ろから一匹のヘルガーがリコとニャローテに迫ってきて、そのまま二人に飛びかかってきた。すると、ピカチュウは「アイアンテール」を発動し、尻尾をヘルガーに振り下ろしてリコとニャローテを守り、シンヤとピカチュウは、リコとニャローテに一緒に森の中に入って行った。

 

 森の中・ミコたちside

 

 ドット「ハァ、ハァ」

 

 ミコ「ここまで来れば、ヘルガーたちも追って来ないでしょ」

 

 サザレ「でも、シンヤ君たちと逸れちゃったし、フリード博士も大丈夫かな?」

 

 ミコ「大丈夫ですよ。シンヤはバトルが強い方だし、フリード博士もバトルの腕は高いみたいですから」

 

 サザレ「ならいいんだけど」

 

 ヘルガーとデルビルの群れから逃げてきたミコたちは、森の中に入る途中でシンヤとリコと逸れてしまい、シンヤたちのいる場所とは違う森の中にやってきた。サザレはシンヤたちの心配をしていたが、シンヤたちは強いですからとミコに言われると、その言葉に安心した。

 

 サザレ「……あれ?」

 

 ミコ「どうかしました?」

 

 サザレ「ここ…前に来たことあるかも」

 

 ミコ「えっ?」

 

 ドット「それってもしかして、バサギリを見た時のことですか?」

 

 サザレ「そう。確か、この森にやってきた時、そのまま森の中を真っ直ぐ歩いてたら…」

 

 ザザッ(木の後ろから現れる)

 

 ドット・サザレ「「あっ」」

 

 ミコ「このポケモンは!」

 

 どうやらサザレは、以前バサギリに出会った時、偶然ここにやってきたことがあるようで、近くにあった大木の方に歩いて行き、大木の目の前で足を止めると、記憶の糸を辿り、この森の中を歩いていた時のことを思い出そうとしていた。するとその時、サザレの目の前に、大木の後ろに隠れていたポケモンが出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オーロット「ロォォォォトッ‼︎」

 

 ミコ「オーロット!」

 

 ドット「これがオーロット」スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 オーロット ろうぼくポケモン くさ・ゴーストタイプ。

 

 森を荒らすものを霧の中に閉じ込めると言われている。森で暮らすポケモンたちや、自分が認めた相手にはとても優しい。

 

 サザレ「オーロット。…ッ!そうだ、思い出した!」

 

 ミコ・ドット「「えっ?」」

 

 サザレ「以前ポケモンの写真を撮りにこの森にやってきた時、私とガーディは、あのオーロットの「あやしいひかり」を見て、混乱が解けるまで森の中を歩いてたんだ!」

 

 ミコ・ドット「「ええっ⁉︎」」

 

 オーロット「オォォーーロォォッ‼︎」

 

 ドット「って、驚いてる場合じゃないか」

 

 ミコ「こうなったら」

 

 サザレ「オーロットとバトルするしかないね!」

 

 スチャ(ミコがモンスターボールを構える)

 

 ミコ「出てきて、《マニューラ》!」

 

 ポーーン‼︎

 

 マニューラ「マッニュゥゥッ!」

 

 いきなり現れたオーロットが襲ってきたので、ミコがモンスターボールからマニューラを出すと、ミコ、ドット、サザレの三人は、協力してオーロットにバトルを挑んだ。

 

 サザレ「ガーディ!「ひのこ!」」

 

 ガーディ(ヒスイの姿)「ガウウッ!」

 

 ドット「ウェルカモ!「みずでっぽう!」」

 

 ウェルカモ「ウェーールッ!」

 

 ミコ「マニューラ!「こおりのつぶて!」」

 

 マニューラ「マッァァァッ、ニュゥゥーーッ!」

 

 オーロット「ロォォォォオッ‼︎」

 

 ピカァァァ(オーロットの目が光る)

 

 サザレ「オーロットの「あやしいひかり!」」

 

 ミコ「みんな!目を閉じて!」

 

 ガーディとウェルカモとマニューラが技を放とうとすると、オーロットは目を光らせて「あやしいひかり」を発動させた。ミコたちは咄嗟に目を閉じてオーロットの目を見ないようにしたが、このままではオーロットに勝つことはできないため、ドットは作戦を立て始めた。

 

 ドット「ミコ、サザレさん。僕が合図したら、マニューラはこおりタイプの技で、ガーディはほのおタイプの技でオーロットに攻撃してくれ」

 

 サザレ「でも、オーロットを攻撃しようとしたら「あやしいひかり」が…」

 

 ドット「大丈夫。作戦があるから」

 

 ミコ「分かった」

 

 サザレ「オーケー!」

 

 オーロットの「あやしいひかり」に対抗する作戦をドットが思いついたようなので、ミコとサザレはドットの作戦に乗ることにして、ドットからの合図がきたら、マニューラとガーディに指示が出せるように準備した。

 

 オーロット「ロォォォォオッ‼︎」

 

 ピカァァァ(オーロットの目が光る)

 

 ドット「ウェルカモ!「みずでっぽう!」」

 

 ウェルカモ「ウェーールッ!」

 

 バッ(オーロットがウェルカモの攻撃をかわす)

 

 ドット「2人とも、今だ!」

 

 ミコ「マニューラ!「こおりのつぶて!」」

 

 サザレ「ガーディ!「ひのこ!」」

 

 マニューラ「マッァァァ、ニュゥゥーッ‼︎」

 

 ガーディ(ヒスイの姿)「ガァァァッ‼︎」

 

 ドォォォォォォォン‼︎

 

 オーロット「ロットッ⁉︎」

 

 オーロットが「あやしいひかり」を発動した瞬間、ウェルカモは「みずでっぽう」を放った。オーロットはウェルカモの攻撃をかわすために、発動していた「あやしいひかり」を止めてウェルカモの「みずでっぽう」をかわしたが、ドットの合図で、マニューラとガーディはオーロットが「あやしいひかり」を発動していない隙を狙い、オーロットに効果抜群のこおりタイプとほのおタイプの技を命中させ、オーロットに大ダメージを与えた。

 

 サザレ「おぉ〜!」

 

 ミコ「やった!」

 

 ドット「決めるぞウェルカモ!「みずでっぽう!」」

 

 ウェルカモ「ウェーールゥーーッ!」

 

 ドット「えっ?ウェルカモ?」

 

 マニューラとガーディの攻撃でオーロットが怯むと、ドットはウェルカモの「みずでっぽう」でオーロットを倒そうとした。しかし、ウェルカモは「みずでっぽう」を発射しようとせず、両手の翼を横に広げてパワーを集め始めた。そして、両手の翼を勢いよくオーロットに振り下ろすと、ウェルカモの翼から刃のようなものが飛び出し、その攻撃がオーロットに直撃すると、オーロットは森の中に逃げて行った。

 

 ドット「い、今の技って?」

 

 サザレ「今のは「エアカッター」だよ」

 

 ドット「「エアカッター」ウェルカモ、新しい技を覚えたのか!」

 

 ウェルカモ「ウェールッ!」

 

 ドット「あっ、もしかして。マニューラが両手に力を集めて「こおりのつぶて」を発動したのを見て、それを取り入れたのか?」

 

 ウェルカモ「ウェールッ」コクッ

 

 ミコ「すごいね。そんな方法で新しい技を覚えるなんて。この子バトルの才能があるよ!」

 

 マニューラ「マッニュゥッ!」

 

 オーロットに襲われ、一時はどうなるかと思われたが、ミコたち3人は協力してオーロットを撃退し、再び天狗山を登り始めた。

 

 

 森の中・シンヤたちside

 

 リコ「ハァ、ハァ」

 

 シンヤ「リコ、大丈夫か?」

 

 リコ「うん、さっきはありがとう」

 

 シンヤ「ああ。けど、ミコたちと逸れちゃったな」

 

 リコ「大丈夫。スマホロトムでドットに連絡するよ」

 

 ピカチュウ「ピィーカッ!」

 

 ニャローテ「ニャッロォッ!」 

 

 シンヤ「ん?」

 

 リコ「どうしたの?ニャローテ」

 

 森の中に逃げる途中でドットたちと逸れてしまったため、リコがスマホロトムでドットに連絡しようとすると、ピカチュウとニャローテが鳴き声を上げたので、シンヤとリコがピカチュウとニャローテの近くに寄ると、ニャローテは目の前に立っている木を指差した。ニャローテが指差した木をよく見ると、その木には、大きな斧で切りつけた跡が残っていた。

 

 リコ「なんだろ、この傷」

 

 シンヤ「まるで、大きな斧で切りつけたみたいな…」

 

 シンヤ・リコ「「あっ!」」

 

 シンヤとリコは、木につけられている切り傷のような跡を見ると、サザレから見せてもらったバサギリの写真を思い出し、この傷は、バサギリが両腕の斧で切ったものではないと考えた。

 

 リコ「もしかしてこれ、バサギリがつけた傷かな?」

 

 シンヤ「その可能性は高いな。もしかしたら、他の木にもバサギリがつけた傷があるかもしれない。それを辿っていけば、バサギリが見つけられる可能性がある。リコ、もっと奥に行ってみよう」

 

 リコ「うん!」

 

 洞窟の中

 

 ロイ「ハァ、ハァ、ハァ…」

 

 アチゲータ「アゲッ、アゲッ」

 

 グゥゥゥゥ~〜(ロイとアチゲータの腹の虫が鳴る)

 

 ロイ「お腹空いた」

 

 アチゲータ「アゲゲ〜」

 

 リュウガ「って言っても、俺は食べ物を持ってきてないからな。どっかに木の実でもあれば……ん?」

 

 (川の水が流れる音)

 

 坂道を登り続け、この洞窟の中をずっと歩き続けていたため、ロイとアチゲータはお腹が空いてしまう。しかし、リュウガもロイも食べるものを持ってきてないため、ロイとアチゲータは空腹を我慢して洞窟を歩き続けた。すると、洞窟の奥から川の水が流れる音を聞いたリュウガは、洞窟の奥に走って行った。そこには洞窟の中を流れる川があり、その川にはたくさんのオボンの実が流れていた。

 

 リュウガ「ラッキー!オボンの実がこんなに流れてる!」

 

 スッ(流れているオボンの実を取る)

 

 リュウガ「ほら」

 

 スッ(オボンの実をロイとアチゲータに渡す)

 

 ロイ「ありがとう!」

 

 アチゲータ「アチアチッ!」

 

 リュウガは川の上を流れているオボンの実を2つ取ると、それをロイとアチゲータに渡し、ロイとアチゲータはオボンの実を食べ始めた。

 

 リュウガ「木の実が流れているってことは、川の水が流れてくる場所を辿れば、きっとそこに出口があるはずだ。行くぞ」

 

 ロイ「うん!」

 

 アチゲータ「アチゲェ!」

 

 ロイとアチゲータがオボンの実を食べると、リュウガたちは川の水が流れてくる方に向かって歩き始めた。そして、しばらく洞窟の中を歩き続けると、リュウガたちはようやく外に出ることができた。しかし、周りは崖ばかりで、洞窟の中を歩き回ったおかげで体力もないので、リュウガはモンスターボールからトドロクツキを出すと、リュウガとロイとアチゲータはトドロクツキの背中に乗ると、そのまま崖の上まで運んでもらった。

 

 フリードside

 

 フリード「リザードン!「エアスラッシュ!」キャップ!「かみなりパンチ!」」

 

 リザードン「リィィザァァーッ!」

 

 キャプテンピカチュウ「カ〜チュ〜ッ!」

 

 ドォォォォォォン!

 

 ヘルガーの群れ「「「ヘルッ⁉︎」」」

 

 デルビルの群れ「「「デビッ⁉︎」」」

 

 シンヤたちが先に進んでいる頃、ヘルガーとデルビルの群れと戦っていたフリードは、キャップとリザードンの力を借りて、ヘルガーたちを追い払うことができた。

 

 フリード「ようやく退散してくれたな」

 

 キャプテンピカチュウ「 ピカチュー」

 

 フリード「リザードン、このままリコたちを探しに行くから、背中に乗せてくれ」

 

 リザードン「ザァァァァッ!」

 

 

 ビュゥゥゥッ(3体のポケモンが通り過ぎる音)

 

 

 フリード「な、何だあれ⁉︎」

 

 キャプテンピカチュウ「ピィカチュッ⁉︎」

 

 リザードン「ザァァァッ…」

 

 

 ヘルガーたちを追い払うと、空の上からリコたちを探そうと、フリードがリザードンに乗ろうとしたその時、フリードたちのいる場所の上空を、三体のポケモンがすごい速さで通り過ぎていった。しかも、三体のポケモンが飛んでいった方角は、シンヤたちのいる方角だった。

 

 フリード「キャップ、リザードン、急ぐぞ!」

 

 キャプテンピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リザードン「ザァァァッ!」

 

 

 森の中・シンヤとリコside

 

 リコ「あった!シンヤ、ここにもあったよ!」

 

 シンヤ「これで三つ目の傷跡だな。しかも、この木につけられた傷は、まだ新しい」

 

 リコ「てことは、この近くにバサギリがいるってことだよね?」

 

 バサギリを見つけるため、シンヤとリコは森の中を歩き続け、バサギリが両手の斧で切りつけた木をどんどん発見していき、傷をつけてからそんなに時間が経ってない木を見つけたので、バサギリはこの近くにいると思っていた。

 

 リコ「……ねぇシンヤ」

 

 シンヤ「ん?どうした?」

 

 リコ「バサギリは、私たちを自分のいるところに案内してくれてるのかな?」

 

 シンヤ「…何故そう思う?」

 

 リコ「だって、これじゃあ自分の居場所を教えてるようなものでしょ」

 

 シンヤ「なるほど。けどサザレさんは、バサギリに襲われたって言ってたぜ。わざわざ自分の居場所を教えるようなポケモンが、相手を襲うなんてことをするか?」

 

 リコ「…もしかしてバサギリは、これ以上自分に近づくなって、私たちに警告してるのかな?」

 

 シンヤ「警告か。…その可能性もあるかもな。これまで出会ってきたルシアスの六英雄は、最初がいい印象じゃなかったからな」

 

 シンヤにそう言われると、リコはルシアスの六英雄である、オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラスと出会った時のことを思い出していた。シンヤの言う通り、彼らに出会った時は自分たちが襲われたことばかりだったので、お世辞にも彼らの第一印象はいいとは言えなかった。

 

 リコ「あ、そうだ!」

 

 ポーーン

 

 テブリム「テブリィ!」

 

 シンヤ「なるほど、テブリムか」

 

 リコ「シンヤ、私がテブリムを出した意味が分かるの?」

 

 シンヤ「当然。テブリムを出したのは、まだテブリムがミブリムだった頃、ガラルファイヤーの強い怒りに反応していたことがあったから、もしバサギリがあの時のガラルファイヤーと同じ気持ちなら、バサギリの強い気持ちを感じ取れるかもしれないからだろ?」

 

 リコ(すごい、流石シンヤです)…「テブリム、この天狗山から何か感じ取れる?怒りとか憎しみとか恐怖とか」

 

 テブリム「テブリィ!」

 

 バサギリが木につけた傷を見たリコは、テブリムをモンスターボールから出すと、バサギリが以前のガラルファイヤーのように、強い怒りを放っているのではないかと考え、この天狗山から、怒りや憎しみの気持ちを感じ取れるか聞いた。すると、ミブリムは目を閉じ、この天狗山のどこかにいるバサギリの気持ちを感じ取り始め、シンヤたちはテブリムを黙って見ていた。それからしばらくすると、テブリムはリラックスしているような顔になった。テブリムがこういう顔をしているということは、バサギリは怒りや憎しみの気持ちを放っていないということだ。

 

 リコ「テブリムがこんなにリラックスしてるってことは、バサギリの心は穏やかってことかな?」

 

 シンヤ「それはバサギリに会った後で確かめればいいさ」

 

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 バッ(2人の前に何かが出てくる)

 

 シンヤ「ん?」

 

 ピカチュウ「ピカッ!」

 

 ゾロアーク「アークッ!」

 

 ゾロア「ゾロッ!」

 

 シンヤ「ッ!あの時のゾロアとゾロアーク!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 テブリムのおかげで、バサギリはガラルファイヤーとは違い、怒りや憎しみの気持ちを放っていないということが分かると、シンヤとリコは再び森の中を進もうとした。すると、リコたちの目の前に、以前シンヤが地獄谷で出会ったゾロアとゾロアークが現れた。

 

 シンヤ「……やっぱりそうだったのか」

 

 リコ「シンヤ?」

 

 目の前に現れたゾロアとゾロアークを見ると、やはりこのゾロアとゾロアークは、自分の思った通りの人物のポケモンであると、シンヤはそう強く確信した。

 

 シンヤ「そこにいるんだろ?隠れてないで出てこいよ」

 

 リコ「えっ?」

 

 スタッスタッ(木の後ろから出てくる)

 

 リコ「ッ!」

 

 シンヤが右にある大きな木に向かって声をかけると、その木の後ろから、白黒の帽子を被った長い緑髪の青年が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 N「久しぶりだね。シンヤ、ピカチュウ」

 

 

 シンヤ「まさか、ここでお前と会うとはな。N」

 

 ピカチュウ「ピィカピカッ!」

 

 リコ(この人が、N⁉︎なんか、想像してたイメージと違う!)

 

 イッシュ地方で別れてから互いに一度も会うことなく、久しぶりにキタカミの里で再会したシンヤとN。地獄谷でゾロアとゾロアークを見た時、そのゾロアとゾロアークがNのポケモンではないかとシンヤは思っていたが、やはり自分の勘は間違っていなかったとシンヤは思った。

 

 N「いろいろ話したいことがあるんだけど、それは後にしよう。僕についてきてくれ」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 N「バサギリのいる所に案内するよ」

 

 シンヤ・リコ「「ッ⁉︎」」

 

 シンヤ「お前、何でバサギリのことを!」

 

 N「それは後で話すよ。とりあえず来てくれ。彼も君たちに会いたがっている」

 

 シンヤ「…リコ、行こう」

 

 リコ「え?」

 

 シンヤ「大丈夫。コイツは嘘をつくやつじゃない」

 

 リコ「……分かった」

 

 シンヤはNといろいろ話したいことがあったが、目の前に現れたNは、バサギリの所に案内するから、自分についてきてくれと言い出した。何故Nがバサギリのことを知っているのか分からないが、Nが嘘をつくような人物ではないと分かっているので、シンヤはリコを説得すると、Nの後について行くことにした。

 

 

 森の中・ミコたちside

 

 サザレ「オーロットは追っ払えたけど、ここから先はどう進めばいいのか、私にも分からないんだよね」

 

 ミコ「適当に進む訳にもいかないし」

 

 ドット「…サザレさん。もう一度バサギリの写真を見せてもらえますか?ちょっと気になることがあって」

 

 サザレ「え?うん、別にいいけど」

 

 オーロットを撃退できたのはいいが、バサギリの情報を手に入れることもできず、ここからどう進めばいいか分からないため、ミコたちはどうすればいいのか考えていた。すると、ドットはサザレからバサギリがドアップで写っている写真を預かり、その写真を自分のスマホロトムで撮影すると、スマホロトムを拡大させた。

 

 ドット「2人とも、この写真の上のところを見て」

 

 サザレ「上って」

 

 ミコ「ただの葉っぱじゃない」

 

 ドット「確かにそうだけど。この特徴的な形の葉っぱはこの辺りじゃ見かけなかった。てことは、この葉っぱがある場所を探せば、バサギリを見つけられるかも。それにほら、写真の右下に、ダグトリオの形をした岩がある」

 

 サザレ「ホントだ」

 

 ミコ「ちょっと待って、その植物がある場所を探すから」

 

 ピッピッ(スマホロトムをタッチする音)

 

 ミコ「……あった!植物分布は湿地帯って書いてある」

 

 ドット「なら、池や沼の近くだ!すぐにみんなに連絡して、このことを報告しよう!」

 

 サザレ「…フフッ、君たちはすごいね」

 

 ミコ「えっ?」

 

 ドット「どうして僕たちがすごいんですか?」

 

 サザレ「だって、さっきオーロットに襲われた時は、慌てず冷静に対処したり、私が撮ったバサギリの写真をよく見て、そこからバサギリがいる場所の手がかりを見つけてたからね。もしかしたら、すごい冒険をたくさんしてきたんじゃないかなって」

 

 ミコ「そうですね。私はいろんな地方を回って、たくさん冒険してきました」

 

 ドット「僕は、今までずっと部屋に篭ってたから、ミコやシンヤたちに比べれば、たくさん冒険してきた訳じゃないけど。フリードと出会って、船に乗って冒険の旅に出かけてから、リコやロイ、みんなと出会って、一緒に冒険して、友達と一緒に冒険することがこんなに楽しいんだって教えてもらったんだ」

 

 サザレ「そっか。……私ね、小さい頃は、天才カメラマン少女って言われてたんだけど、ちょっと前までスランプでさ」

 

 ドット「えっ?」

 

 サザレ「カメラのセオリーとか、審査員の受けがいいとか気にしてて、いい写真が撮れないことが続いてね。そんな時、シンヤ君と出会ったんだ」

 

 ミコ「その話、以前シンヤから聞いたんですけど、アカツキのガチグマの写真を撮りたいからって、サザレさんがシンヤに頼んだ時のことですよね?」

 

 サザレ「うん。アカツキのガチグマの写真を撮れば、スランプから立ち直れるかと思って、このキタカミの里にやってきた時、偶然シンヤ君と出会って、アカツキの写真を撮るために、シンヤ君に協力を頼んだの。アカツキのガチグマの写真は無事に撮れて、現像もできたんだけど、撮ったアカツキの姿はブレてるし、体は見切れてるし、ピントは合ってなかったから、とても人に見せられる写真じゃなかった。…でも、今まで撮ってきたポケモンの写真の中で、1番お気に入りの写真になってね。それで、その時にシンヤ君が教えてくれたんだ。好きなポケモンの写真を撮ってれば、結果なんて後でついてくるって」

 

 ドット「そうだったんだ」

 

 ミコ(アイツ、ホントどこでもフラグを立てまくるわね)

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…

 

 ドット「ん?フリードからだ」

 

 ピッ

 

 フリード『ドット!聞こえるか?』

 

 ドット「フリード。ちょうどよかった。今バサギリの手がかり…」

 

 フリード『お前ら!全員無事か⁉︎』

 

 ドット「え⁉︎えっと、シンヤとリコとは離れ離れになっちゃったから分かんないけど。何かあったの?」

 

 フリード『ヘルガーたちを追い払った後、お前らのいる方に向かって、三体のポケモンが凄いスピードで飛んで行くのを見たんだ!』

 

 ドット「三体のポケモン?そのポケモンの正体は?」

 

 フリード『それは俺にも分からない。とにかく全員、一度どこかに集まろう!』

 

 ミコ「それなら、ダグトリオの形をしてる岩の前に集まりませんか?」

 

 フリード『ダグトリオの形をしてる岩?』

 

 ミコ「さっき、サザレさんが撮ったバサギリの写真を見た時、ドットが見つけたんです。その写真をすぐに送りますから、そこで合流しましょう!」

 

 フリード『わかった!』

 

 ピッ

 

 ミコ「フリードさん。なんかめちゃくちゃ慌ててなかった?」

 

 サザレ「うん」

 

 ドット「急いでみんなに連絡しよう!」

 

 

 ダグトリオの形をしてる岩の前

 

 N「…」

 

 シンヤ「遅いな、アイツら」

 

 リコ「もうそろそろ来るんじゃない?」

 

 ドットからの連絡を受け、全員ダグトリオの形をした岩に集まることになったので、Nに案内されてバサギリのいる場所に向かっていたシンヤは、Nに事情を話すと、一緒にダグトリオの形をした岩にやってきた。しかし、周りには誰もいなかったので、シンヤたちはリュウガやドットたちが来るまで待っていた。

 

 ロイ「あっ、シンヤたちがいた!」

 

 リュウガ「ッ!アイツは」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 シンヤ「おっ、リュウガたちが来たぞ」

 

 リコ「あ、ホントだ」

 

 ドット「おぉーい!シンヤ!リコ!」

 

 リコ「ドット!サザレさん!ミコ!」

 

 サザレ「みんな無事だったみたいだね」

 

 ミコ「リコたち、先に来てたんだ。…?…その男の人は?」

 

 シンヤ「Nだよ」

 

 ロイ・ドット「「ええっ⁉︎」」

 

 ロイ「Nって…」

 

 ドット「前に、シンヤが話してくれた…」

 

 シンヤ「そのNだよ。それより、フリードは?」

 

 フリード「おぉ〜い!みんな!」

 

 シンヤたちがダグトリオの形をした岩の前に到着してからしばらくすると、リュウガとロイ、ドットとミコとサザレがシンヤたちと合流し、最後にフリードが、リザードンに乗って上空からやってきた。

 

 フリード「みんな無事だったみたいだな。ところで、そいつは?」

 

 シンヤ「Nだよ。前に話したから知ってよな?」

 

 フリード「えっ⁉︎コイツが?」

 

 シンヤ「ああ。N。この人は、今、俺が一緒に旅をしてる、ポケモン博士のフリードだ」

 

 N 「ポケモン博士…」

 

 フリード「フリードだ、よろしくな。俺の肩に乗ってるのは、俺たちの船の船長、キャプテンピカチュウだ」

 

 キャップ「ピカッ!」

 

 ロイ「ロイです。コイツはアチゲータ」

 

 アチゲータ「アチアチッ」

 

 ドット「ドットです。こっちはパートナーのウェルカモ」

 

 ウェルカモ「ウェール」

 

 サザレ「私はサザレ。ポケモンカメラマン。よろしく」

 

 ミコ「シンヤの幼馴染で、ミコって言います」

 

 リコ「リコです。こっちはパートナーのニャローテです」

 

 ニャローテ「ニャァッ!」

 

 N「僕はN。よろしく」

 

 ミコ「リュウガ。アンタもNさんに挨拶したら?」

 

 リュウガ「必要ねえよ。俺はシンヤと同じで、Nとはイッシュ地方で会ってる」

 

 ミコ「え?そうなの?」

 

 以前ゼクロムが目覚めた後、リコたちはシンヤに、ダークストーンという石の状態だったゼクロムを手に入れたキッカケをシンヤに聞いたことがあった。その時に、ゲーチスとの関係や、Nという人物の話もシンヤから聞いたことがあったため、Nのことを知ってはいたが、そのNが自分たちの目の前にいて、シンヤと一緒だったことに驚いていた。

 

 シンヤ「それよりさ。フリードが見た、三体のポケモンの正体は分からないのか?」

 

 フリード「ああ。ものすごいスピードで飛んで行ったからな」

 

 

 バッ(突然姿を現す)

 

 

 

 

 

 

 トルネロス「トルネッ!」

 ボルトロス「ボットッ!

 ランドロス「ランドォ!」

 

 

 ロイ「あっ!」

 ドット「なっ!」

 

 ミコ「嘘!」

 サザレ「このポケモンたちって!」

 フリード「おいおい、マジかよ」

 

 リコ「ああっ…」

 リュウガ「ッ!」

 

 シンヤ「トルネロスにボルトロス、それにランドロス!…ってことは!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 バッ(シンヤたちの目の前に現れる)

 

 

 ダークトリニティx3「「「…」」」

 

 N「ッ!ダークトリニティ…」

 

 シンヤとリュウガを除くみんながNに自己紹介をすると、シンヤは、フリードが見た三体のポケモンの正体が何なのかを聞いたが、ポケモンの正体は捉えられなかったとフリードは答えた。するとその時、突然上空から三体のポケモンの鳴き声が聞こえてきたので、シンヤたちは顔を上にあげた。そこにいたのは、イッシュ地方の伝説のポケモン、トルネロス、ボルトロス、ランドロスの三体だった。そして、トルネロスとボルトロスとランドロスの肩には、ダークトリニティが1人ずつ乗っており、ダークトリニティたちはランドロス達の肩から飛び降りると、そのままシンヤたちの目の前に降りてきた。

 

 シンヤ「そうか!フリードが見た三体のポケモンの正体は、ランドロスたちだったんだ!」

 

 スッ(シンヤがモンスターボールを構える)

 

 サザレ「誰なの、この人たち?」

 

 シンヤ「コイツらは、ダークトリニティっていう悪党で、ゲーチスってヤツの部下です」

 

 フリード「ゲーチスの⁉︎」

 

 ダークトリニティx3「「「…」」」

 

 リコ「ぁ…ぁ…ぁ…」

 

 シンヤ「リコ!」

 

 何故ダークトリニティがここに現れたのかは分からないが、シンヤはモンスターボールを構えて、いつでもバトルを始められる準備をした。しかし、ダークトリニティを見たリコは、前にナッペ山でダークトリニティの1人に殺気のこもった目を向けられて強い恐怖を感じたことがあるため、その時のことがフラッシュバックして軽い痙攣を起こすと、今にも倒れそうになっていた。

 

 スッ(シンヤがリコの体を支える)

 

 リコ「あっ、シンヤ」

 

 シンヤ「大丈夫。何があっても、俺が必ず守ってやる」

 

 リコ「ぁ///……うん!」

 

 ダークトリニティ1「勘違いするな」

 

 ダークトリニティ2「我々は今回、お前と戦う気はない」

 

 シンヤ「何⁉︎」

 

 ダークトリニティ3「我らの目的は……N様。あなたです!」

 

 シンヤ「Nだと!」

 

 N「…」

 

 ダークトリニティ3「あなたがこのキタカミの里にいるという情報を手に入れ、それをゲーチス様に知らせた後、あなたの持っているレシラムを奪ってこいと、ゲーチス様にそう命令されたのです」

 

 N「ッ!」

 

 シンヤ(キュレムは既にゼクロムを吸収してるから、Nの持ってるレシラムを手に入れても、キュレムはレシラムを吸収できないはず。なのに、何でNのレシラムを狙ってるんだ?」

 

 N「…レシラムを渡さないと言ったら?」

 

 ダークトリニティ1「あなたを傷つけたくはありませんが、我々の主はゲーチス様ですので」

 

 ダークトリニティ2「抵抗するなら、力ずくでレシラムをいただきます!」

 

 どうやら、ダークトリニティがキタカミの里にきた目的は、Nのレシラムを手に入れることだったようだ。だが、Nがレシラムを渡す気がないことを知ると、ダークトリニティは実力行使でレシラムを奪おうとした。

 

 リュウガ「おいおい、勝手にドンドン話を進めるなよ!」

 

 N「リュウガ」

 

 リュウガ「お前らにはエリアゼロでやられた借りがあるんだ。その借りを今ここで返してやる!」

 

 ダークトリニティ3「貴様になど興味はない。失せろ」

 

 ピキッ

 

 リュウガ「んだと!」

 

 シンヤ「馬鹿!安い挑発に乗るな!」

 

 

 「グォォォォォォォォォッ‼︎」

 

 

 全員「「「!?」」」

 

 シンヤ「ん?……なっ!?あれは!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ⁉︎」

 

 以前リュウガは、パルデア地方でシンヤとバトルをする前日にエリアゼロでダークトリニティに襲われたことがあったので、その時の借りを今ここで返そうとモンスターボールを構えた。しかしその時、突然どこかから大きな咆哮が聞こえてくると、シンヤたちのいる場所の上空を、体の全体が赤い異質な竜の形をしている巨大なポケモンが飛んできた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 赤いムゲンダイナ「グォォォォォォォォォッ‼︎」

 

 

 ダークトリニティx3「「「ッ⁉︎」」」

 

 N「ッ!」

 

 ロイ「なっ!」

 

 ドット「な、何アレ⁉︎」

 

 サザレ「あれって、ポケモン…だよね?」

 

 フリード「あんなポケモン見たことないぞ⁉︎」

 

 リコ「ぁ…ぁっ…」

 

 ミコ「嘘でしょ⁉︎」

 

 リュウガ「何で、コイツがここに⁉︎」

 

 シンヤ「ムゲンダイナ…」

 

 ピカチュウ「ピィカッチュ!」

 

 「フフフッ」

 

 シンヤたちの目の前に現れた、禍々しいポケモンの正体。それは、ガラル地方の伝説のポケモン《ムゲンダイナ》だった。しかも、シンヤたちの目の前に現れたムゲンダイナは、とても珍しい赤色のムゲンダイナだった。そして、そのムゲンダイナの頭の上には、ロングマントを着て、顔をフードで隠している誰かが乗っていた。

 

 シンヤ「ッ、誰だお前は!」

 

 バッ(顔を晒す)

 

 ハデス「私の名は《ハデス》。エクスプローラーズの1人」

 

 シンヤ「ハデスだと!」

 

 

 To be continued

  

 

 次回予告

 

 突如として目の前に現れたダークトリニティと、自らをエクスプローラーズの1人と名乗るハデスという謎の男とバトルするため、シンヤとリュウガはリコたちを先にバサギリの所に行かせると、キタカミの里から少し離れた場所に移動し、ハデスたちとポケモンバトルを始めた。

 

 次回「激突!シンヤ対ハデス!ディアルガVS赤いムゲンダイナ‼︎」

 





 坂野さん、76話の誤文字の報告ありがとうございます。

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