ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 ハデスを捜しながら旅を続けていたリュウセイは、黒いレックウザを連れて冒険をしているルシアスと、未来からやってきたというアリアと出会い、ルシアスがラクアを目指して旅をしていることや、ハデスがアリアと同じように未来からきたことを知った。その後、ルシアスから一緒にラクアに行こうと誘われたリュウセイは、ルシアスとアリアと共に、ラクアを目指す冒険に出発するのだった。


第83話『託された未来、この世界の輝き(後編)』

 

 港町

 

 リュウセイ「はぁ〜、疲れた」

 

 アリア「ずっと歩きっぱなしだったもんね」

 

 アリアのピカチュウ「ピィカッ」

 

 ルシアス「そうだな。ラクアの情報を集めるのは、少し休憩してからにしよう」

 

 リュウセイ「ああ、わかっ…」

 

 ドンッ!

 

 リュウセイ「いてっ⁉︎」

 

 ???「あっ、ごめんなさい!」

 

 「見つけたぞ!」

 「もう逃がさねぇ!」

 

 ???「ぁ、本当にごめんなさい!じゃあ!」ダッ!

 

 それぞれの目的を叶えるためにラクアを目指しているリュウセイたちは、とある港町に立ち寄ると、どこかで少し休憩しようとした。…その時、リュウセイの後ろから帽子を被った女性が走ってきて、女性はそのままリュウセイの背中にぶつかってしまう。すると女性の後ろから、デルビルとオラチフとポチエナを連れた3人の男が走ってきたので、それに気づいた女性はリュウセイに謝ると、男たちから逃げるために路地裏の方に走って行った。

 

 男1「そっちに行ったぞ!」

 男3「絶対に逃すな!」

 

 リュウセイ「な、なんだ?」

 

 アリア「もしかしてあの人、今の人たちに追われてるのかな?」

 

 ルシアス「みたいだな。…アリア、リュウセイ」

 

 アリア「ええ」

 リュウセイ「わかってる」

 

 路地裏

 

 帽子を被った女性「ハァハァハァ」

 

 男1「そのポケモンを渡せ!」

 

 帽子を被った女性「もぉ、しつこいわね!」

 

 

 帽子を被った女性は路地裏に入ると、路地裏にある細道をうまく使い、自分を追ってくる3人の男から逃げ回っていた。どうやら男たちの狙いは、女性が両手に抱えているポケモンのようで、そのポケモンは布で包んで隠されているからよく見えないが、布が少しズレると、八面体が3つ連なったようなものが見えた。

 

 男2「お前はそっちに行け!」

 男3「ああ!」

 

 帽子を被った女性は路地裏を走り回り、後ろから追ってくる男たちを撒こうとしたが、ポチエナを連れた男に先回りされて前の道を塞がれてしまい、男たちに挟み撃ちにされてしまう。

 

 男1「もう逃げ道はねぇぞ!」

 男2「さあ、おとなしくそいつを渡しな!」

 

 「パゴォォ…」

 

 帽子を被った女性「あなたたちなんかに、絶対パゴゴは渡さない!」

 

 男3「そうか、だったら力ずくで奪うまでよ!」

 

 バッ(飛び降りる)

 

 シュタッ(地面に着地する)

 

 ゲッコウガ「コウガッ!」

 

 帽子を被った女性「えっ?」

 

 男1・2・3「「「ッ⁉︎」」」

 

 スッ(姿を現す)

 

 リュウセイ「大の男が3人がかりで女性を襲うなんて、お前ら恥ずかしくないのか?」

 

 ルシアス「それに、人のポケモンをとるのは泥棒だぞ」

 

 男1「あ゙ぁっ?」

 男3「なんだテメェら?」

 

 スッ(アリアが帽子を被った女性の前に現れる)

 

 帽子を被った女性「ッ!」

 アリア「もう大丈夫ですよ」

 

 帽子を被った女性が抱えているポケモンを3人の男が奪うとした瞬間、男たちの目の前にリュウセイのゲッコウガが現れると、男たちの後ろに建っている建物の屋根からリュウセイとルシアスが姿を見せ、男たちがリュウセイとルシアスに気を取られている間に、アリアが帽子を被った女性の近くにやってきた。

 

 男2「いつの間に⁉︎」

 男3「なんなんだ、お前ら⁉︎」

 

 リュウセイ「俺たちは、ただの通りすがりのポケモントレーナーだ」

 

 男2「はっ⁉︎」

 男3「馬鹿にしてんのか!」

 男1「関係ねぇ奴らが首突っ込んでくんじゃねぇ!」

 

 リュウセイ「人のポケモンを奪おうとしてる奴らが、偉そうなことをほざくなよ」

 

 男1「んだと!」

 

 バッ(飛び降りる)

 ダンッ!(アリアの目の前に飛び降りる)

 

 リュウセイ「怪我をしたくなかったら、とっととこの場から消えろ」

 

 男3「それはこっちのセリフだ!」

 男2「やるなら相手になるぞ!」

 

 スチャ(ボールを取り出す)

 

 ルシアス「そうか、じゃあこっちも!」

 リュウセイ「遠慮なくやらせてもらうぜ!」

 

 ポーーン

 

 黒いレックウザ「ガァァァァァァッ‼︎」

 ディアルガ「ディアァァァァッ‼︎」

 

 

 男1「な、なんだよ、このポケモン⁉︎」

 男2「こんなのに勝てる訳ねぇ!」

 

 リュウセイ「どうする?やるか?」

 

 ディアルガ・黒いレックウザ「「グオオオオッ‼︎」」

 

 男1・2・3「「「うわぁぁぁ〜〜‼︎」」」

 

 帽子を被った女性「レックウザとディアルガ。ホウエンとヒスイの伝説のポケモン…」

 

 ディアルガと黒いレックウザが現れると、さっきまで威勢が良かった3人の男はたじろぎ始め、ディアルガと黒いレックウザが咆哮を上げた瞬間、男たちは尻尾を巻いて逃げ出してしまった。

 

 リュウセイ「ったく、ディアルガを出すと、すぐ逃げたり降参する奴ばかりでつまらねぇよ」

 

 ルシアス「いいじゃないか。怪我人を出すよりマシだろ?」

 

 帽子を被った女性「ぁ…」

 

 アリア「あの、大丈夫ですか?」

 

 帽子を被った女性を「え?…う、うん」

 

 モゴモゴッ(布からポケモンが顔を出す)

 

 帽子を被った女性は、リュウセイのディアルガとルシアスのレックウザを見ると呆気に取られていたが、アリアに声をかけられたことで我に帰った。すると、布に包まれているポケモンが急にジタバタしだし、全身が宝石のような姿をしたポケモンが布の中から出てきた。

 

 テラパゴス「パゴッ?」

 

 ルシアス「ん?…おぉっ!《テラパゴス》じゃないか!」

 

 帽子を被った女性「テラ…あなた、パゴゴの事を知ってるの?」

 

 ルシアス「本物を見たのは初めてだ!」

 

 リュウセイ「テラパゴスって…」

 

 アリア「前に、ルシアスが話してくれたポケモンだよね?」

 

 ルシアス「ああ!ヘザーという学者が本に書き記したポケモンだ!いったい、どこでテラパゴスをゲットしたんだ?」

 

 帽子を被った女性「パルデア地方の大穴を旅した時に出会って、そのまま懐かれちゃったの」

 

 ルシアス「そうだったのか」

 

 パッ(飛び降りる)

 

 テラパゴス「パァーゴォw!」

 ディアルガ「ディアァァァッw」

 黒いレックウザ「グォォォッw」

 ゲッコウガ「コウガッw」

 

 テラパゴスは帽子を被った女性の手から飛び降りると、ディアルガとレックウザとゲッコウガの前に歩いていき、ディアルガたちに話しかけた。すると、ディアルガたちは嬉しそうな顔をして、テラパゴスと楽しそうにお喋りを始めた。

 

 リュウセイ「俺のディアルガとルシアスのレックウザを見れば、初対面の人間やポケモンは必ず怖がるのに」

 

 ルシアス「ああ。ディアルガとレックウザにビビらないヤツは初めてだな」

 

 アリア「テラパゴスが人懐っこいのかもね」

 

 帽子を被った女性「…あ、さっきは危ないところを助けてくれて、本当にありがとう」

 

 リュウセイ「大したことはしてねぇよ」

 アリア「うん」

 ルシアス「君、名前は?」

 

 スッ(帽子を取る)

 

 リスタル「私は《リスタル》。あの子はパゴゴ。私の相棒なの」

 

 ルシアス「俺はルシアスだ」

 リュウセイ「俺はリュウセイ」

 アリア「アリアよ。よろしくね、リスタル」

 

 リスタル「うん!」

 

 それが、ルシアス、リュウセイ、アリアとの出会いだった。出会ってからそんなに時間は経ってないけど、私たち4人はすぐに打ち解けた。そしてその日の夜、私たちは街から少し離れた所でキャンプをすることにして、そこでリュウセイの過去や、アリアが未来からこの世界にやってきたことを聞いて、ルシアスと一緒にラクアを目指して冒険している事を聞いた。3人の話を聞いた私は、ルシアスたちと旅がしたいと思って、一緒に冒険をさせてほしいと頼んだ。3人は快く私を受け入れてくれて、私たちは4人でラクアを目指しながら世界中を冒険した。ルシアスはその冒険のなかで、オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラス、バサギリ、エンテイと出会い、彼らを仲間にした。リュウセイは、ディアルガと同じように時を操る力を持っていて、その力で、冒険をしている途中に出会った人やポケモンたちの怪我を治していた。アリアは機械にすごく強かったから、冒険の役に立つ道具を幾つも作ってくれて、いつも私たちをサポートをしてくれた。4人での冒険はとても楽しくて、本当に毎日が幸せだった。そして、4人で冒険をしてからしばらく経った頃、私たちのラクアを目指す冒険に、もう1人の仲間が加わった。

 

 

 とある街のカフェ

 

 店主「ラクア?おとぎ話に出てくる、あのラクアか?」

 

 ルシアス「あぁ、何か知ってる事があれば教えてほしい」

 

 店の客1「おにいさーん」

 ルシアス「うん?」

 

 店の客1「本当にラクアがあるなんて思ってるの?」

 ルシアス「もちろん」

 

 店の客たち「「「ハハハハッw!」」」

 

 リュウセイ「ん?」

 リスタル「何でいきなり笑い出したの?」

 アリア「さあ?」

 

 店の客2「ウソでしょうw」

 店の客3「本当にラクアがあるなんて思ってるのかよw」

 

 リスタル「何がおかしいの? (╬ `^´)」

 アリア「ちょ、ちょっと、リスタルΣ(゚д゚)」

 リュウセイ「落ち着けって」

 

 リスタル「ルシアスが馬鹿にされてるのに、2人は怒らないの?」

 

 リュウセイ「っても、俺もルシアスに会うまでは、ラクアはただのおとぎ話だと思ってたし」

 

 リスタル「でも、ルシアスを笑ったりはしなかったでしょ?」

 

 リュウセイ「そりゃあ、何を信じるかは一人一人の自由だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カチャ(カップを置く)

 

 ???「その通りだ」

 

 リュウセイ・ルシアス「「ん?」」

 

 アリア・リスタル「「えっ?」」

 

 ラクアを目指して旅をしている私たちは、ラクアの情報を少しでも手に入れようと、いろんな人にラクアのことを聞いて回った。だけど、どの人にラクアのことを聞いても、ラクアはただのおとぎ話だの、あるわけないって答える人ばかりで、私たちを馬鹿にする人ばかりだった。…でも、偶然入ったカフェに、私たちの言葉を真剣に聞いてくれた1人の男がいた。男は手に持っていたカップを皿に置いて静かに立ち上がると、私たちを笑っていた人たちの前に歩いていき、左手に持っていた巻紙を広げた。

 

 ???「私がこれまでに調べたラクアに関する記録、及び、伝承から導き出される検証データと、いくつもの仮説をまとめたものだ。人のことを笑う前に、まずは己の知見を広めたまえ」

 

 店の客「「「ぅ……」」」

 

 リュウセイ「へぇ〜」

 アリア「あの人、すごい…」

 

 

 店の外

 

 リスタル「さっきはありがとう。おかげで胸がスッとしたわw」

 

 ???「礼を言われるようなことではない。人のことを笑う彼らに、自分の愚かしさを思い知らせただけだ」

 

 ルシアス「さっき見せてくれた紙は、ラクアに関する記録だと言ってたけど。もしかして、君もラクアを目指しているのか?」

 

 ???「ああ。ラクアは、ポケモンたちの楽園と称される場所であり、幻の楽園とも呼ばれている。恐らくその地には、我々人間の想像を超えた何かが眠っていると、私はそう考えている。だからこそ、私はラクアを目指して旅をしている」

 

 ルシアス「なら、俺たちと一緒に行かないか?」

 

 ???「君たちと?」

 

 ルシアス「ああ。俺たちの力を合わせれば、きっとラクアに辿り着けるはずだ。リュウセイ、アリア、リスタル、いいだろう?」

 

 リスタル「もちろん!」

 

 アリア「うん。リュウセイは?」

 

 リュウセイ「お前らがいいなら、俺は別にいいぜ」

 

 ???「…フッw、では、今日からよろしく頼む」

 

 ルシアス「よし、決まりだ」

 アリア「あなたの名前は?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギベオン「《ギベオン》だ」

 

 リュウセイ「ギベオンか」

 

 ルシアス「ギベオン、今日からよろしく頼む」

 

 ギベオン「ああ」

 

 これが、5人目の仲間の《ギベオン》との出会いだった。白いジガルデを相棒にしているギベオンは、私たちと出会う前からラクアを目指して冒険していて、ポケモンバトルの実力は、ルシアスやリュウセイに拮抗するほどだった。彼は物事を効率的に考えるタイプで、直感的なルシアスやリュウセイとは違うけど、3人はどこか似ていて、お互いの実力を認め合っていた。それから私たちは、ラクアを目指す冒険の途中、様々な地方を冒険した。

 

 森の中

 

 アリア・リスタル「「えっ?」」

 

 リュウセイ・ギベオン「「「「チーム名を作りたい?」」」

 

 ルシアス「ああ」

 

 ラクアへの手がかりを見つけるため、森の中にある遺跡にやってきたリュウセイたちだったが、ラクアに関する手がかりがなかったため、森を出て次の街に向かおうとした時、突然ルシアスがチーム名を作りたいと言い出した。

 

 リュウセイ「なんでチーム名が必要なんだ?」

 

 ルシアス「俺たちが一緒に冒険をするようになってから、もう半年は経つだろう?だから、チームの名前を作って、俺たちの絆を深めたいと思ったんだ」

 

 リュウセイ「なるほどな。…っで、どういうチーム名にするんだ?」

 

 ルシアス「実は、もう名前は決めてあるんだ」

 

 リュウセイ「え?」

 アリア「どんなチーム名なの?」

 

 ルシアス「…《エクスプローラーズ》ってチーム名なんだが、どうだろう?」

 

 リュウセイ「エクスプローラーズ?」

 

 ギベオン「"探求する者たち"という意味だ」

 

 リュウセイ「へぇ〜、そんな意味があるのか」

 

 リスタル「いいじゃん」

 アリア「うん。私たちにぴったりだと思う」

 

 ルシアス「決まりだな」

 

 リュウセイ「エクスプローラーズか。…いいな。なんか、俺も自分のポケモンで、そういうチーム名が欲しくなってきたな」

 

 リスタル「ポケモンのチーム名ってこと?」

 

 リュウセイ「ああ。カッコイイ名前のチーム名をつけたいな」

 

 ギベオン「リュウセイ。君の考えるチーム名は子供っぽくなるからやめたほうがいい。君と一緒に笑われるポケモンたちが気の毒だ」

 

 リュウセイ「んだと!」

 リスタル「確かに…」

 アリア「ギベオンの言う通りかも…」

 

 リュウセイ「っておい!リスタルもアリアもギベオンの味方かよ!」

 

 ルシアス「まあまあ。リュウセイ、君のポケモンのチーム名なんだが、六竜っていうのはどうだ?」

 

 リュウセイ「六竜?」

 

 ルシアス「リュウセイのポケモンたちは、ゲッコウガを除くと、残り全部がドラゴンタイプだろ?だから六竜」

 

 リュウセイ「六竜か。……ニッw、気に入った。もらうぜ、そのチーム名」

 

 リスタル「かっこいいじゃん」

 アリア「リュウセイにぴったりかも」

 ギベオン「そうだな」

 

 ルシアス「ああ。みんな、ラクアを目指す冒険はまだまだ続くけど、俺たち5人が力を合わせれば、きっとラクアに辿り着けるはずだ。俺たち5人で必ず行こう、ラクアに‼︎」

 

 リュウセイ「おう!」

 アリア「ええ!」

 リスタル「うん!」

 ギベオン「ああ!」

 

 トンッ(拳をぶつけ合う)

 

 

 現代・てらす池

 

 リスタル「こうして、私たちはエクスプローラーズを結成し、ポケモンたちの力を借りて、ラクアを目指す冒険を続けた。そして、長い冒険の果てに、私たちはラクアに辿り着いたの」

 

 ロイ「すごい!」

 ドット「じゃあ、みんなラクアに行けたんだ」

 

 リスタル「……」

 リコ「リスタルさん?」

 

 リスタル「…ラクアに辿り着けたのは、私とルシアスと、ギベオンの3人だけなの」

 

 全員「「「えっ⁉︎」」」

 

 リスタルの話を聞いていたシンヤたちは、リュウセイ、ルシアス、アリア、リスタル、ギベオンの5人が、誰1人欠けることなくラクアに辿り着いたと思っていた。しかし、リスタルの口から明かされたのは、自分とルシアスとギベオンの3人だけがラクアに辿り着いたということだった。

 

 ミコ「ちょ、ちょっと待ってください」

 

 リュウガ「リュウセイとアリアはどうしたんですか?リスタルさんたちと一緒に、ラクアに行かなかったんですか?」

 

 リスタル「…ラクアを目指して冒険している途中、偶然立ち寄った街で、アリアのお腹の中に、リュウセイの子供がいることがわかったの」

 

 全員「「「ぁ…」」」

 

 モリー「そう…だったんだ」

 

 リュウガ「じゃあ、リュウセイがラクアを目指す冒険から抜けたのは、アリアのそばにいるためか」

 

 リスタル「…」

 ディアルガ『…』

 

 冒険の途中に子供ができたのなら、安全を考えて旅から外れるのが当然と言える。一緒に旅をしている相手との間にできた子供なら、アリアの夫であるリュウセイが旅から外れたのは、妊娠したアリアのそばにいるためだろうとリュウガは思った。それはシンヤたちも同じ考えだったが、リュウガがそう言うと、リスタルとディアルガは俯いてしまい、その場に妙な空気が流れ始めた。

 

 リュウガ「ぇ?…俺、何か変な事を言ったか?」

 

 リスタル「…アリアが冒険から外れたのは、お腹に赤ちゃんがいたからだけど、リュウセイは違うの」

 

 シンヤ「えっ!?」

 リコ「それって、どういうことですか?」

 

 リスタル「…」

 ディアルガ『そこから先は、私が話そう』

 

 リスタル「ディアルガ…」

 

 ディアルガ『ここまで話したら、もう後には引き返せないだろう』

 

 リスタル「そうね」

 

 ディアルガ『シンヤ、シンイチ、よく聞け』

 

 シンヤ・シンイチ「「ぁ…」」

 

 ディアルガ『お前たちの先祖のリュウセイは、ルシアスたちを…この世界の未来を守るために、自分の命を犠牲にしたんだ』

 

 シンヤ「なっ!?」

 シンイチ「それって、どういう意味だ?」

 

 ディアルガ『……』

 

 

 100年前・とある街

 

 リスタル「アリア!次はあっちに行ってみましょう!」

 アリア「うん!」

 

 ラクアを目指す旅の途中、リュウセイたちは大きな街にやってきた。もちろんその街でも、リュウセイたちはラクアのことを聞いて回った。しかし、ギベオンと出会った時と同じように、ラクアなんてあるわけない、あんなおとぎ話を本気にしてるのかと笑ってくる人たちばかりだったので、リスタルがひどく怒ってしまった。するとルシアスが、ラクアの情報集めは自分とリュウセイとギベオンの3人がするから、アリアと一緒に気分転換をしてくるといいとリスタルに言ってくれたので、リスタルとアリアは2人っきりで街を回ることにした。それから2人は、街にあるブティックの中に入ったり、カフェでお茶を飲んだりして楽しんでいた。しかし、もうそろそろ日が沈む時間になるので、アリアとリスタルはカフェでお茶を飲んだ後、ラクアの情報を集めているルシアスたちと合流しようとした。

 

 リスタル「…ねぇアリア。あなた、これからどうするの?」

 

 アリア「え?どうするって?」

 

 リスタル「今あなたは、リュウセイと付き合ってるでしょ?」

 

 アリア「えっ!?///…う、うん…」

 

 リスタル「あなたは、ずっと未来に帰る方法を探していた。それは今も変わってないんでしょ?だから、もし未来に帰る方法が見つかったら…その…リュウセイや私たちとは…もう…」

 

 リュウセイたちと旅をしている間も、アリアは未来に帰る方法を探していたのだが、ギベオンが仲間に加わってからしばらくたった頃、リュウセイとアリアは付き合い始めていた。この事はルシアスたちも知っているが、アリアが未来に帰る方法を見つけた時、リュウセイと別れることになるのはもちろん、ルシアスたちともお別れすることになる。そうなれば、アリアがリュウセイたちに会うことは二度とないだろう。そう考えると、リスタルはとても堪らない気持ちになっていた。

 

 アリア「…その事なんだけど、私、未来に帰らなくてもいいかなって、そう思ってるんだ」

 

 リスタル「えっ?」

 

 アリア「最初は、たとえどんなことがあっても未来に帰るんだって、そう思ってた。でも、リュウセイやルシアスと出会って旅をしてる時に、もっとこの世界を旅したいって思ったの。それから、リスタルやギベオンと出会って、みんなと一緒にいたいって思えるようになった。もちろん、未来に帰りたくないって言ったら嘘になる。でもそれ以上に、私はリュウセイと、みんなと一緒にこの世界で生きていきたいの。だから、たとえ未来に帰る方法が見つかっても、私はこの世界に残るよ」

 

 リスタル「…そっかw」

 

 リスタルとアリアは、女同士で年が近いこともあり、すごく気が合う友達同士だった。しかし、アリアは未来の世界から来たため、いつかお別れしなければならない時がくるとリスタルは思っていた。しかし、アリアはリュウセイたちと冒険をしているうちに、この世界に残りたいと強く思うようになり、リュウセイと恋人同士になった時、アリアはこの世界で生きていこうと決めていたのだ。

 

 アリア「それに、この世界に残る理由がもう一つできたから」

 

 スッ(右手でお腹に触る)

 

 リスタル「えっ!?…まさか!」

 

 アリア「うん。昨日の朝に吐き気があったから、もしかしたらって思って、昨日、病院に行ってきたの。そしたら、先生から二ヶ月だって言われたんだ」

 

 リスタル「わぁw!おめでとう!アリア!」

 アリア「うん、ありがとう」

 

 リスタル「そっか、アリアがお母さんになって、リュウセイがお父さんになるんだ。早くこの事をリュウセイに教えてあげないとね」

 

 アリアとリュウセイに子供ができたことを知ると、リスタルは自分のことのように喜び、一刻も早く、アリアが妊娠したことをリュウセイたちに伝えたがっていた。…しかし、ここでリスタルはあることに気がつく。

 

 リスタル「あっ。でも、お腹に赤ちゃんがいるってことは…」

 

 アリア「ええ。赤ちゃんができた以上、私は冒険を続けられないから、ラクアを目指す私の冒険はここまで。…それに…」

 

 リスタル「うん。アリアが妊娠したことをリュウセイが知ったら、アリアのそばにいるって言うと思う。だから、リュウセイも旅から外れることになるわよね」

 

 アリア「うん。…リスタル、ごめんね」

 

 リスタル「ううん、私たちのことは気にしないで。それに、きっとルシアスやギベオンも、おめでとうって祝福してくれるわよ」

 

 ワーワー!

 

 リスタル・アリア「「ん?」」

 

 アリアとリスタルがルシアスたちを捜していると、街のバトルフィールドから賑やかな声が聞こえてきたので、それが気になった2人はバトルフィールドに向かった。

 

 街のバトルフィールド

 

 ドサイドン「ドサァァァッ…」

 ドサイドンのトレーナー「クッ」

 

 リュウセイ「フッ」

 ゲッコウガ「コウガッ」

 

 観客席

 

 アリア「ええっ!?」

 リスタル「何でリュウセイがバトルしてるの!?」

 

 ルシアス「おっ、アリア、リスタル」

 ギベオン「君たちも来たのか?」

 

 アリア「ルシアス!ギベオン!」

 リスタル「2人とも、どうしてここに?」

 

 ルシアス「街でラクアの情報を集めてたら、リュウセイがポケモンバトルを挑まれて、後はこの通りさ」

 

 アリア「そうなんだ」

 

 リスタル「リュウセイはゲッコウガでバトルしてるんだ」

 

 ギベオン「ああ。もしかしたら、アレが見られるかもしれない」

 

 

 リュウセイ「いくぞ、ゲッコウガ!」

 ゲッコウガ「コウガッ!」

 

 リュウセイ・ゲッコウガ「「うぉぉぉぉぉぉ‼︎」」

 

 ゴゴゴゴゴゴゴッ!(激流が発生する)

 

 バッシャーーーーーン!(激流が弾け飛ぶ)

 

 ドサイドンとのバトルの途中、リュウセイとゲッコウガの動きがシンクロし、2人が同時に雄叫びを上げた瞬間、突然ゲッコウガの足元から激流が発生すると、ゲッコウガは激流に身を包み込んだ。そして、激流に身を包み込んだゲッコウガはその中で姿を変え始め、激流の水が弾け飛ぶと、弾けた水はゲッコウガの背中に集まって巨大な水の手裏剣を形成し、ゲッコウガは背中に巨大な水の手裏剣を身につけていた。

 

 「な、何だあれ!?」

 「ゲッコウガの姿が変わったぞ⁉︎」

 

 突然リュウセイのゲッコウガの姿が不思議な姿のゲッコウガになると、ルシアスたち以外の全員は、初めて見るゲッコウガの不思議な姿に目が釘付けになっていた。

 

 リュウセイ「ゲッコウガ!『みずしゅりけん!』」

 キズナゲッコウガ「コォォォウッ、ガァァァァッ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 ドサイドン「ドサァァァッ⁉︎」

 

 バタンッ!

 

 ドサイドン「ドッ…サァァ…(@_@)」

 

 ドサイドンのトレーナー「ドサイドン!」

 

 リュウセイ「よし!俺たちの勝ちだ!」

 キズナゲッコウガ「コォォォウガッ!」

 

 ルシアス「やっぱりすごいな。リュウセイのゲッコウガは」

 

 ギベオン「ああ。しかし、何故ゲッコウガがあんな姿になるのか、私たちと同じ人間のリュウセイが、どうしてポケモンと似たような力を持っているのか、実に興味深い」

 

 

 以前ハデスとバトルした時、リュウセイのゲッコウガに不思議な現象が起き、ゲッコウガは不思議な姿に変わった。あの時リュウセイは、ゲッコウガに何が起きたのかわからなかったが、しばらくしてわかったのが、ゲッコウガと自分の気持ちが重なった時だけ、ゲッコウガが不思議な姿に変わるということだった。そして、ギベオンが仲間に加わってしばらく経った頃、アリアが野生のポケモンに襲われて大きな怪我をしてしまったことがあった。そのポケモンとのバトルの時、ゲッコウガが不思議な姿に変わったところをルシアスたちは見たことがあった。そして、アリアを襲ったポケモンとゲッコウガのバトルが終わった後、リュウセイが時を操る力を使ってアリアの怪我を治したことがあった。それを見たルシアスたちは当然驚き、何故ゲッコウガが不思議な姿になるのか、どうしてリュウセイにポケモンと似たような力があるのか、ルシアスたちはその事にすごく興味を持っていた。

 

 

 リュウセイ「ルシアス、ギベオン。見てた…あっ」

 アリア「おめでとう、リュウセイ」

 リスタル「すごいバトルだったじゃない」

 リュウセイ「アリア、リスタル」

 

 ドサイドンを使うトレーナーとのバトルが終わると、リュウセイはルシアスとギベオンのいる所に戻った。2人のそばにはアリアとリスタルもいたので、これで全員集合ということになり、リュウセイたちはこれからのことを話し合うため、今日泊まるホテルにみんなで向かった。

 

 ホテル・ロビー

 

 アリア「じゃあ、ラクアの情報は手に入らなかったんだ」

 

 ギベオン「ああ」

 ルシアス「だから、明日この街を出ようと思う」

 

 リュウセイ「さっきたくさんの食料を買い込んでおいたから、いつでも出発する準備ができてるからな」

 

 アリア「…」チラッ(リスタルを見る)

 

 リスタル「…」コクッ

 

 アリア「リュウセイ、ルシアス、ギベオン」

 

 リュウセイ・ルシアス・ギベオン「「「ん?」」」

 

 アリア「…さっきリスタルには話したんだけど、あなたたちにも話しておきたいことがあるの」

 

 ルシアス「え?」

 ギベオン「話しておきたいこと?」

 リュウセイ「何だよ?急に改まって?」

 

 リスタル「リュウセイ、ルシアス、ギベオン。アリアの話を最後まで聞いててあげて」

 

 リュウセイ・ルシアス・ギベオン「「「?」」」

 

 リュウセイたちと合流する前に、アリアから妊娠していることを聞いたリスタルは知っていることだが、リュウセイ、ルシアス、ギベオンの3人は、アリアのお腹の中に赤ちゃんがいることを知らないため、今アリアが冒険できる状態じゃないということを知らない。だからアリアは、これから自分が妊娠していることを3人に話し、今後のことを話し合うつもりでいた。

 

 アリア「…実はね…私…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「グォォォォォォォォォッ‼︎」

 

 全員「「「ッ!」」」

 

 リスタル「何⁉︎今の鳴き声⁉︎」

 ギベオン「外から聞こえてきたようだが…」

 アリア「今の鳴き声、もしかして!」

 

 リュウセイ「ッ!」ダッ!

 ルシアス「リュウセイ!」

 

 自分のお腹の中にリュウセイの赤ちゃんがいることをアリアが話そうとした瞬間、アリアの言葉を遮るように、ホテルの外から何かの大きな鳴き声が聞こえてきた。鳴き声を聞いたリュウセイはまさかと思い、外から聞こえてきた鳴き声の正体を確かめようとした。そして、ホテルの外に出たリュウセイが見たのは、リュウセイが予想した通りのポケモンだった。

 

 

 街の上空

 

 赤いムゲンダイナ「ガァァァァァァッ‼︎」

 

 

 ホテルの外

 

 リュウセイ「ムゲンダイナ!」

 ルシアス「リュウセイ!ぁ!」

 

 ギベオン「何だ、あのポケモンは⁉︎」

 アリア「ムゲンダイナ…」

 リスタル「あれが⁉︎」

 

 リュウセイが外に出てくると、それに続いてルシアスたちも外にやってきた。そして、街の上空を飛んでいる赤いムゲンダイナの姿を確認すると、初めてムゲンダイナを見たルシアスたちは、禍々しい姿のムゲンダイナに威圧感を感じ始めていた。

 

 赤いムゲンダイナ「…」

 

 チラッ(赤いムゲンダイナがリュウセイを見る)

 

 リュウセイ「ッ!」

 

 赤いムゲンダイナ「グォォォォッ‼︎」

 

 リュウセイたちがムゲンダイナを見ていると、ムゲンダイナは自分を見ているリュウセイの姿に気づいた。すると、リュウセイはムゲンダイナが攻撃してくるかと思ったので、みんなを守るために咄嗟にボールを構えた。しかし、ムゲンダイナは咆哮を上げながら上空を旋回すると、街から離れた所にある山の方に飛んで行ってしまった。

 

 リュウセイ「ッ!待て!」ダッ!

 アリア「ぁ!リュウセイ!」

 

 ズンッ

 

 アリア「ッ⁉︎ぅっ…」

 

 ドンッ(突然その場に座り込む)

 

 ルシアス「ぁ⁉︎アリア!」

 ギベオン「大丈夫か?」

 アリア「う、うん」

 

 リスタル「アリア、無理をしちゃダメ」

 アリア「リスタル」

 

 リスタル「あなたが無理をして、もしお腹の中の子に何かあったら…」

 

 ルシアス「えっ?」

 ギベオン「お腹の子?…まさか!」

 

 リスタル「…うん。アリアのお腹の中には、リュウセイの子供がいるの」

 

 ルシアス・ギベオン「「ッ⁉︎」」

 

 ギベオン「…そう、だったのか」

 ルシアス「……」

 

 ポンッ(ルシアスがアリアの肩に手を置く)

 

 ルシアス「アリア。リュウセイは俺が連れ戻すから、君はギベオンとリスタルと一緒にこの街に残ってくれ」

 

 アリア「えっ?」

 

 ルシアス「君のお腹の中には、君とリュウセイの子供がいるんだ。子供のためにも、君はここに居てくれ」

 

 アリア「ぁ…うん!」

 

 ルシアス「ギベオン、リスタル。アリアを頼む」

 ギベオン「…わかった」

 リスタル「ルシアス、気をつけてね」

 ルシアス「ああ」

 

 ポーーン

 

 黒いレックウザ「グオオオッ‼︎」

 

 アリアのお腹の中に赤ちゃんがいるとわかった以上、アリアを一緒に連れていくわけにはいかないので、ルシアスはギベオンとリスタルにアリアのことを任せると、ボールから出した黒いレックウザの背に乗り、急いでリュウセイの後を追っていった。

 

 街から離れた山の中

 

 リュウセイ「ミライドン、急いでくれ!」

 ミライドン(ライドフォルム)「アギャアア!」

 

 ルシアスがリュウセイの後を追っている頃、リュウセイはライドフォルムのミライドンに乗って山頂を目指していた。

 

 リュウセイ「赤いムゲンダイナが現れたってことは、ハデスがこの近くにいるということになる。このチャンスを逃すわけにはいかない!絶対に奴を見つけ出す!」

 

 リュウセイは元々、ハデスを追うために旅をしていた。その途中、偶然ルシアスやアリアと出会い、ラクアを目指して一緒に旅をすることになった。それからしばらくして、リスタルとギベオンが仲間に加わり、5人で楽しくラクアを目指す冒険をしていた。その頃には、リュウセイもハデスのことを忘れかけていたが、赤いムゲンダイナを見た途端、竜の民が住んでいる町で起こったことがフラッシュバックし、ハデスに対する怒りが込み上げてきたのだ。

 

 山頂

 

 リュウセイ「ッ!」

 

 ハデス「久しぶりだな。リュウセイ」

 リュウセイ「ハデス!」

 

 山を登ってしばらくすると、リュウセイは山頂に辿り着いた。そして山の山頂には、かつてダークストーンとライトストーンを手に入れるためだけに、多くの竜の民の命を奪ったハデスがいた。

 

 ミライドン「アギャアア‼︎」

 ハデス「?何故お前が、ミライドンと一緒にいる?」

 

 リュウセイ「一緒に冒険をしている途中、アリアから託された」

 

 ハデス「!…ほぅ〜、お前、アリアと一緒に旅をしているのか?」

 

 リュウセイ「ああ。アリアからいろいろ聞いたよ。お前とアリアが未来から来た科学者ってことを。そして、その赤いムゲンダイナをお前が作ったことも、なにもかも全部な」

 

 ハデス「フッw、そうか。アリアからそこまで聞いたか」

 

 スチャ(ボールを構える)

 

 リュウセイ「ディアルガ!ゼクロム!エンテイ!ライコウ!コライドン!力を貸してくれ!」

 

 ポーーン

 

 ディアルガ「ディアァァァァッ‼︎」

 ゼクロム「グオオオオオッ‼︎」

 ウガツホムラ「ガァァァァッ‼︎」

 タケルライコ「タァァァケッ‼︎」

 コライドン・かんぜんけいたい「コラァァァイッ‼︎」

 

 ハデス「ほぅ〜、コライドンまでいるのか」

 

 リュウセイ「お前を倒すために、俺は冒険の旅に出発し、仲間を少しずつ増やしていった。そして、旅をして出会った、この六体のドラゴンタイプのポケモンたち、六竜でお前を倒す!」

 

 ハデス「六竜ね…」

 

 スッ(ボール取り出す)

 

 ポーーン

 

 レジアイス「レェェェ〜〜ジアッ‼︎」

 ダークライ「ダァァァァッ‼︎」

 

 ハデス「ならばお前を倒した後、俺の野望を実現させるために、お前の持っているライトストーンと、そのゼクロムを貰うとしよう」

 

 シンヤ「そんなことはさせない!」

 

 バァァァァァン!

 

 友の仇であるハデスと対面すると、リュウセイはボールからポケモンたちを出し、ハデスがボールからレジアイスとダークライを繰り出すと、2人はポケモンバトルを始めた。数ではリュウセイのポケモンが有利だったが、ハデスのダークライとレジアイスはリュウセイのポケモンたちに負けないほどの力を持っていて、2人のポケモンの技がぶつかり合うたび、凄まじいほどの衝撃波や爆風が起きたが、それでも2人のバトルは止まることなく、山の地形を変えるほどの激戦が続いた。

 

 山の上空

 

 ルシアス「リュウセイ〜!どこだ!?」

 黒いレックウザ「グォォォォ!」

 

 リュウセイとハデスがバトルを始めた頃、相棒のレックウザに乗ってリュウセイを捜しにきたルシアスは、大きな声でリュウセイの名を必死に呼んでいた。

 

 ルシアス「リュウセイ、いったいどこにいるんだ?」

 

 ドォォォォォォォォンッ‼︎

 

 黒いレックウザ「グオオッ!」

 

 ルシアス「あそこか!」

 

 ルシアスがリュウセイを捜していると、少し離れた所から謎の爆発音が聞こえてきた。もしかしたらその爆発音は、リュウセイのポケモンが放った技で起こったものかもしれないと思い、ルシアスは音が聞こえてきた方に向かうようレックウザに指示を出した。

 

 

 ドオオオーーーン!

 

 リュウセイ「クッ⁉︎」

 

 ハデス「フフフッ、どうした?もう終わりか?」

 

 リュウセイ「何故だ?何故、これほどの力があるのに…お前は…こんなことを?」

 

 ハデス「さっきも言ったはずだ。全ては俺の野望を実現させるため、ゼクロムとレシラムを手に入れる為だと」

 

 リュウセイ「ッ!……その為だけに、そんなくだらない野望の為に、ゼクロムとレシラムを手に入れる為だけに、ギンガたちを!」

 

 ハデス「それがなんだというんだ?」

 

 ギリッ(歯ぎしり)

 

 スッ(ボールを構える)

 

 リュウセイ「頼む!《パルキア》!」

 

 ポーーン

 

 パルキア「パァァーールルルッ‼︎」

 

 ハデス「パルキア⁉︎六竜の他に、そんなポケモンをゲットしていたのか⁉︎」

 

 リュウセイ「以前ルシアスと別行動をとっている時にゲットしたんだ。そして、俺の《六竜》は《七竜》に変わったんだ!」

 

 ハデス「七竜か。…まさか、神と呼ばれしポケモンを2体もゲットしているとは。流石に《時の英雄》と呼ばれるだけはあるな」

 

 リュウセイ「絶対にお前をここで倒して見せる!アイツらのためにも!」

 

 ハデス「やれるものならやってみろ!やれ!ムゲンダイナ!」

 赤いムゲンダイナ「グォォォォォォッ‼︎」

 

 2人のバトルが始まってからしばらくすると、リュウセイのディアルガとゼクロム以外のポケモンが倒れ、ハデスのレジアイスとダークライも倒れた。これでシンヤに残ったポケモンは、ディアルガとゼクロム。ハデスはムゲンダイナだけになった。しかし、コライドンとミライドンは、ライドフォルムになれば手持ちポケモンとして扱わないとアリアに聞いていたので、リュウセイはライドフォルムになったコライドンとミライドンを含めた全てのポケモンをボールに戻すと、一気に勝負をつけるためにパルキアを繰り出した。しかし、ディアルガとパルキアとゼクロムが力を合わせて戦っても、ハデスのムゲンダイナを倒せずにいた。

 

 ハデス「ムゲンダイナ!ゼクロムに『ダイマックスほう!』」

 赤いムゲンダイナ「ガァァァァァァーーーッ‼︎」

 

 ドォォォォォォォン!

 

 ゼクロム「グオオオオッ⁉︎」

 

 リュウセイ「ゼクロム!」

 

 ハデスがムゲンダイナに「ダイマックスほう」という技を指示すると、ムゲンダイナは胸部にあるコアにエネルギーを集め始めた。そして、エネルギーを溜め終わったムゲンダイナがゼクロムに「ダイマックスほう」を放つと、ゼクロムは大ダメージを受けて地面に落ちてしまう。すると次の瞬間、突然ゼクロムの体が光り輝き、ゼクロムはダークストーンの姿になってしまう。

 

 リュウセイ「ぁ、ゼクロムが…」

 

 スッ(ハデスがダークストーンを拾う)

 

 ハデス「次は、お前のリュックの中に入っているライトストーンを貰おうか」

 

 リュウセイ「クッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ルシアス「リュウセイ!」

 黒いレックウザ「ガァァァァァッ‼︎」

 

 リュウセイ「ッ⁉︎ルシアス⁉︎」

 ハデス「ん?誰だアイツ?」

 

 ダークストーンになったゼクロムがハデスに奪われたことで、バトルの状況はかなり厳しくなってしまった。しかし、リュウセイはまだ諦めておらず、この状況を逆転する方法を考えていた。するとその時、空の上からレックウザに乗ったルシアスが現れた。

 

 バッ(レックウザから飛び降りる)

 

 ルシアス「リュウセイ、無事か?」

 リュウセイ「ルシアス。…ッ、なんでここに来た!」

 

 ルシアス「1人で戦おうとしてる仲間を放っておけるわけがないだろ!」

 

 リュウセイ「ッ⁉︎」

 

 ルシアス「…ん?」

 パルキア「…」

 

 ルシアス「このパルキアは、君がヒスイ地方に行った時にゲットしたのか?」

 

 リュウセイ「えっ?…あ、ああ」

 

 ハデス「何だお前は?俺とコイツの勝負の邪魔をするなよ」

 

 ルシアス「ッ…お前が、リュウセイの言っていたハデスという男か?」

 

 ハデス「だとしたらなんだ?」

 

 ルシアス「今すぐこんなことはやめろ!」

 ハデス「は?いきなり何を言ってんだ?」

 

 ルシアス「お前は科学者だろ!何故こんなことをする!」

 

 ハデス「…そうか、お前もアリアの知り合いというわけか」

 

 ルシアス「ああ。俺はルシアス!リュウセイとアリアの仲間だ!」

 

 ハデス「仲間ね……いいだろう。お前たちを潰す前に、俺の目的を教えてやるよ」

 

 リュウセイ「お前の目的だと?」

 

 ハデス「ああ。お前たちも知っての通り、俺は科学者だ。だが俺は、ある組織に属していた科学者でね」

 

 ルシアス「ある組織だと?」

 

 ハデス「ああ。いろんなポケモンを実験材料に使って、最強のポケモンを作り出し、そのポケモンの力で世界征服を企んでいた組織さ」

 

 リュウセイ「じゃあお前も、世界征服を企んでいるということか?」

 

 ハデス「いや、俺は今、DPPプロジェクトを進めてる最中でな」

 

 ルシアス「DPPプロジェクト?」

 

 ハデス「そう。通称《ダークポケモンプロジェクト》といって、ポケモンの心を完全に消し、戦うだけの戦闘マシーンとして改造するというものだ」

 

 ルシアス「ッ!」

 リュウセイ「ポケモンの心を消すだと!」

 

 ハデス「ああ。心が消えたポケモンは《ダークポケモン》という別の存在になり、完全に戦うだけの戦闘マシーンになるだろう。俺が組織に属していたのも、アリアと同じ会社で働いていたのも、その目的を達成させるためのデータを集めるためであり、最強のダークポケモンを作るためなのだからな」

 

 リュウセイ「ポケモンを実験材料に使う組織と、人工的にポケモンを作る会社で得たデータを元に、最強のダークポケモンを作るということか?」

 

 ハデス「その通りだ。最も、前に属していた組織は、ムゲンダイナを作った後にぶっ潰してやったがな」

 

 ルシアス「何!?」

 リュウセイ「自分の組織を潰しただと!?」

 

 ハデス「どうしても欲しいデータがあってな。なかなか譲ってくれないから、組織を潰して手に入れたんだよ」

 

 ルシアス「なんてヤツだ…」

 

 リュウセイ「…お前がゼクロムとレシラムを狙っている理由は?」

 

 ハデス「お前たちも知ってるとは思うが、伝説のポケモンは、他のポケモンと違って能力が非常に高い。それに、伝説のポケモンの力は、この世の法則を無視するだけの力がある。そんなポケモンをたくさん集めて実験道具にすれば、俺の目的は早く達成できるだろう。だからこそ、ゼクロムとレシラムは必要不可欠なんだ。いや、ゼクロムとレシラムだけではない。お前たちの持つディアルガとレックウザもいい実験材料になるだろう。俺が最強のダークポケモンを作るためのな」

 

 ルシアス「ッ!」

 リュウセイ「やはりお前は、ただのクズだな」

 

 ハデス「じゃあ、今からそのクズにやられるお前は、クズ以下ということだな」

 

 リュウセイ「負けねぇよ!お前みたいなゲスな奴にはな!」

 

 スッ(だいこんごうだまとだいしらたまを取り出す)

 

 ルシアス「それは!」

 

 ハデス「ディアルガとパルキアを本来の姿に戻す宝玉か」

 

 リュウセイ「長老から聞いた昔話が本当なら、これを使えば、ディアルガとパルキアはパワーアップする。そうすれば、お前のムゲンダイナだってきっと倒せるはずだ。ディアルガ!パルキア!いくぞ!」

 

 ディアルガ「ディァァァァッ‼︎」

 パルキア「パァァーールルルッ‼︎」

 

 ビュン(2つの宝玉をディアルガとパルキアに向かって投げる!)

 

 ピカァァァァァン!

 

 リュウセイは長老から聞いた昔話を思い出すと、リュックの中から“だいこんごうだま”と“だいしらたま”を取り出し、それをディアルガとパルキアに向かって投げた。すると、ディアルガとパルキアの体が光り輝き、ディアルガとパルキアは光の中で姿を変え始めた。

 

 ディアルガ(オリジンフォルム)「ディアァァァーーーッ‼︎」

 

 パルキア(オリジンフォルム)「パァァァーールルルッ‼︎」

 

 ハデス「ッ!」

 

 ルシアス「ぁ…」

 

 リュウセイ「これが、ディアルガとパルキアの真の姿……ディアルガ!『ときのほうこう!』パルキア!『あくうせつだん!』」

 

 ディアルガ(オリジンフォルム)「ディアァァァーーーッ‼︎」

 

 パルキア(オリジンフォルム)「パァァァーーールルルッ‼︎」

 

 ドォォォォォォォォン‼︎

 

 赤いムゲンダイナ「ガァァァァァァァァ!?」

 

 ドォォォォォォォンッ‼︎

 

 ディアルガとパルキアがオリジンフォルムになると、リュウセイはディアルガとパルキアの最強専用技である、「ときのほうこう」と「あくうせつだん」を指示した。そして、力を溜めたディアルガとパルキアがムゲンダイナに技を放つと、ムゲンダイナは咆哮を上げながら地面に墜落した。

 

 ルシアス「…すごい」

 

 リュウセイ「…長老。あなたが俺に託してくれた宝が、みんなの仇を討ちましたよ」

 

 ハデス「まさか、俺の作ったムゲンダイナが倒されるとは…」

 

 リュウセイ「…あとは」

 

 キッ(ハデスを見る)

 

 リュウセイ「お前だけだな」

 ルシアス「ッ、リュウセイ!」

 

 リュウセイ「わかってるよ。コイツは殺さず、街にいる警察に引き渡すさ。お前との約束だからな」

 

 ルシアス「リュウセイw」

 

 ハデス「……フッw」

 

 リュウセイ・ルシアス「「?」」

 

 リュウセイ「何がおかしい?」

 

 スチャ(ボールを取り出す)

 

 ハデス「ムゲンダイナ、戻れ」

 

 シュルルーン

 

 ハデス「ムゲンダイナが倒されるとは思っていなかったが……よかったよ。もしもの時のために、保険をかけておいて」

 

 リュウセイ「なに?」

 

 スッ(ある物を取り出す)

 

 リュウセイ「それは…」

 ルシアス「未来のモンスターボール!」

 

 ハデスは倒れたムゲンダイナをボールにすると、懐からある物を取り出した。それは、以前リュウセイとルシアスがアリアから見せてもらった、未来のモンスターボールと形が似ているボールで、アリアが見せてくれたボールと違い、上の部分が黒くなっていた。

 

 ハデス「これは、俺が作った時空ホールを作るための装置さ」

 

 リュウセイ・ルシアス「「時空ホール?」」

 

 ハデス「これを起動すれば、好きな時に未来や過去に移動するワームホールを作ることができる。まあ簡単に言えば、これさえあれば、好きな時に未来や過去に行けるという優れものということだ」

 

 ルシアス「なっ!?」

 

 リュウセイ「好きな時に、未来にも過去にも行けるだと!?」

 

 ハデス「タイムマシンが壊れた時のための保険として作っておいたんだが、まさかこんなにも早く使うことになるとはな」

 

 リュウセイ「それを使って何をするつもりだ?」

 

 ハデス「とりあえず、ダークストーンは手に入った。しかし、お前に計画を邪魔をされたのは計算外だった。だから俺は、これから過去に行ってお前を消すことにするよ」

 

 リュウセイ・ルシアス「「!?」」

 

 ルシアス「過去に行って、リュウセイを消すだと!?」

 

 ハデス「そうすればタイムパラドックスが起き、お前が俺に邪魔をされるという歴史自体がなくなる。そうなれば、ライトストーンも簡単に手に入れることができるうえに、俺の目的を達成することができるからな」

 

 リュウセイ「させるか!ゲッコウガ!『みずしゅりけん!』」

 

 ポーーン

 

 ゲッコウガ「コォウガッ!コォォウッガァァァッ‼︎」

 

 バァァァァァン!

 

 ハデス「うわっ!?」

 

 ハデスが装置を起動させて時空ホールを作ろうとした瞬間、リュウセイはゲッコウガをボールから出して「みずしゅりけん」を指示した。ゲッコウガが両手に作り出した水の手裏剣をハデスに向かって投げ飛ばすと、水の手裏剣はハデスの持っている装置に命中し、ハデスは手に持っている装置とダークストーンを落としてしまう。

 

 ボンッ(装置が壊れる)

 

 ハデス「あっ!……貴様ァァァ!よくも!」

 

 リュウセイ「お前は絶対に逃がさん!必ずこの場で捕まえる!」

 

 ハデス「……フッ、フフフw、こうなったら、お前たちも道連れにしてやる!」

 

 ポーーン

 

 赤いムゲンダイナ「グォォォォォォォッ‼︎」

 

 ルシアス「ッ、ムゲンダイナ!」

 

 リュウセイ「もうムゲンダイナには、ディアルガたちと戦う力は残されていないはずだ!」

 

 ハデス「フッw、このムゲンダイナの体の中には、ブラックホールを生み出す装置が取り付けてあるんだよ!」

 

 ルシアス「なっ!?」

 リュウセイ「ブラックホールだと!?」

 

 ハデス「装置を起動させてムゲンダイナが爆発すれば、この辺りにブラックホールが発生し、後には何も残らなくなるだろう」

 

 ルシアス「なに!?」

 

 リュウセイ「そんなことをしたら、お前まで消えちまうんだぞ!」

 

 ハデス「さっきお前が壊した時空ホールを開く装置は、未来にしかない機材を使って作った物でね。この時代ではどうやって作れない物なんだよ。つまり、もう俺はこの時代でしか生きられないということになる。だが、このままお前に捕まるぐらいなら、俺は死を選ぶぜ。ムゲンダイナ!やれ!」

 

 カチッ(ムゲンダイナのボールのスイッチを強く押す)

 

 赤いムゲンダイナ「ガァァァァァァァァッ‼︎」

 

 ピカァァァァァン!

 

 ドォォォォォォォン‼︎

 

 ハデスがムゲンダイナの入っていたボールのボタンを強く押すと、それがトリガーとなり、ムゲンダイナは咆哮を上げながら空に向かって飛び始めた。そして、ムゲンダイナの胸のコアが強く光り始めた次の瞬間、ムゲンダイナが山の上空で大爆発した。すると、そこから黒い球体が出現し、リュウセイたちはその球体に吸い込まれそうになってしまう。

 

 ゴォォォォォォォォッ‼︎

 

 シュン(ダークストーンが吸い込まれる)

 

 リュウセイ「ダークストーンが!」

 

 ルシアス「うわっ!?」

 

 リュウセイ「この球体そのものが、ブラックホールってことか!?」

 

 ハデス「この球体は少しずつ大きくなっていく。あと数分もすれば、あの街を飲み込む大きさになるだろう」

 

 リュウセイ「なに!?」

 

 ハデス「フッ」

 

 フワッ(ハデスの体が浮かび上がる)

 

 リュウセイ「ぁ!」

 ハデス「先に地獄で待ってるぜ」

 

 シュン(ブラックホールの中に消える)

 

 ハデスはそう言い残すと、なんの抵抗もせずに、自らブラックホールの中に吸い込まれて姿を消してしまう。リュウセイやルシアスは、目の前にある球体をどうにかできないかと思い、ディアルガたちに目の前の球体を攻撃するよう指示を出したが、ディアルガたちの技は球体の中に吸い込まれてしまい、もはやどうすることもできない状態だった。

 

 フワッ(リュウセイのリュックが浮かび上がる)

 

 リュウセイ「あっ!」

 

 ガシッ(リュックを掴む)

 

 シュン(リュックの中のライトストーンが出てきて吸い込まれる)

 

 リュウセイ「ライトストーンまで!」

 

 ゴォォォォォォォォッ‼︎

 

 リュウセイ「うわぁぁぁぁ!?」

 

 ダークストーンに続き、ライトストーンまでブラックホールに吸い込まれてしまったが、目の前にあるブラックホールはドンドン大きくなっていき、この場にいるリュウセイたちを飲み込むほどになっていた。

 

 ルシアス「このままじゃ、この場にいる俺たちまで飲み込まれてしまう!そればかりか、街にいるリスタルたちまで!」

 

 リュウセイ「……フッw」

 ルシアス「リュウセイ?」

 

 カチャ(ベルトを外す)

 

 リュウセイ「ルシアス!」

 ルシアス「えっ?」

 

 ビュン!(ベルトとリュックをルシアスに投げる)

 

 パシッ(ベルトとリュックを受け取る)

 

 ルシアス「リュウセイ!?」

 

 ダッ!

 

 ルシアス「リュウセイ!何をする気だ!」

 

 リュウセイ「この球体を消すんだ!」

 

 ルシアス「えっ!?」

 

 ゲッコウガ「コウガッ!」ダッ

 

 リュウセイ「ゲッコウガ⁉︎」

 ゲッコウガ「コウガッ!」コクッ

 リュウセイ「……フッw、わかったよ」

 

 リュウセイはボールが取り付けられているベルトを外し、ベルトとリュックを近くにいるルシアスに投げ飛ばすと、目の前にある球体に向かって走り出した。すると、リュウセイが今からやろうとしていることを察したゲッコウガも、リュウセイと一緒に目の前の球体に向かって走り出した。

 

 リュウセイ「ディアルガ!パルキア!お前たちの力でこの球体を包み込んで、俺たちもバリアに包み込んでくれ!」

 

 ディアルガ(オリジンフォルム)「ディアァァァーーーッ‼︎」

 

 パルキア(オリジンフォルム)「パァァァーーールルルッ‼︎」

 

 リュウセイとゲッコウガがその場からジャンプした瞬間、ディアルガとパルキアは体から特殊なバリアを作り出した。そして、パルキアの作ったバリアが黒い球体を包み込むと、ディアルガの作ったバリアがリュウセイとゲッコウガを包み込み、ディアルガの作ったバリアがパルキアの作ったバリアと重なり、二重のバリアを作り出した。

 

 ルシアス「リュウセイ!」

 リュウセイ「…ルシアス、ここでお別れだ」

 

 ルシアス「ッ!」

 

 リュウセイ「ディアルガとパルキアの力で、なんとかこれを抑え込むことはできたが、この球体の力は強すぎて、いつまでも抑え込むことができない。だから、この球体が完全に消えるその時まで、これを俺ごと別の次元に消しさる!」

 

 ルシアス「ッ!だったら君まで消える必要はないはずだ!」

 

 リュウセイ「コイツを別次元に送った後、もしディアルガとパルキアの作ったバリアが壊れれば、その瞬間、時間と空間は崩壊し、この世界は滅んでしまう。だけど、俺の時を操る力なら、ディアルガとパルキアが作り出したバリアを維持できる。だからこそ、バリアを維持するための人柱が必要なんだ」

 

 ルシアス「そんなことをしたら、君が!」

 

 リュウセイ「お前たちの未来が守れるなら、俺は喜んでこの命をかけるぜ」

 

 ルシアス「やめるんだリュウセイ!何か別の方法を考えるんだ!君がいなくなったら、アリアは!」

 

 リュウセイ「ルシアス!」

 ルシアス「ッ!」

 

 リュウセイ「俺は、ハデスを倒すために旅をしていた。その途中、お前やアリアと出会って、一緒にラクアを目指すことになった。俺も最初は、誰もが言う通りラクアの存在を信じてなかった。けど、お前の真っ直ぐな目を見た時、本当にラクアがあるかもしれないと思った。だから俺は、お前とラクアを目指すことにした。そして、お前とアリアと3人で冒険をしている時、リスタルやギベオンと出会い、2人が仲間になって5人で旅をするようになってから、俺は毎日が本当に楽しかったんだ。ルシアス。お前たちのおかげで、俺はここまで強くなれたんだ。本当にありがとう」

 

 ルシアス「ぁっ…ッ…リュウセイィィ!(涙)」

 

 リュウセイ「お前たちと出会えて本当によかった!ありがとな!…レックウザ!」

 

 黒いレックウザ「グオッ⁉︎」

 

 リュウセイ「レックウザ。ルシアスを…エクスプローラーズのメンバーを、必ずラクアに連れていけ!」

 

 黒いレックウザ「グオオオッ…(涙)」

 

 リュウセイ「ゲッコウガ、お前を巻き込んで悪いな」

 ゲッコウガ「コウガッ」フルフルッ(首を振る)

 

 リュウセイ「フッw、ルシアス!先にラクアに行ってろ!俺も必ずラクアに行く!」

 

 ルシアス「リュウセイ!(涙)」

 

 リュウセイ「安心しろ。俺たちは死ぬわけじゃない。ちょっと寄り道をしてくるだけだ。それに、たとえ俺がいなくなっても、いつか俺の意思を受け継ぐ者が絶対に現れる!未来を信じろ!ルシアス!」

 

 ルシアス「ぁっ…」

 

 パァァァァァァァァァァァ‼︎

 

 ルシアス「うわぁぁぁぁ!?」

 黒いレックウザ「グオオオオオッ!?」

 

 ディアルガとパルキアに力を貸してもらったリュウセイは、自らの命を犠牲に、黒い球体を自分ごと別の次元に消し去り、ルシアスやアリアたちの未来を守った。そして、リュウセイとゲッコウガと黒い球体を包み込んだバリアが消えた後、ルシアスは周りを確認したが、周りには自分と黒いレックウザと、リュウセイのディアルガとパルキアの姿しかなかった。

 

 ルシアス「クッ…」

 

 ドサッ(膝をつく)

 

 ルシアス「リュウセイ。………リュウセイィィィ‼︎(涙)」

 

 現代・てらす池

 

 

 ディアルガ『これが、ハデスと戦ったリュウセイの最後だ』

 

 全員「「「ッ…」」」

 

 リュウガ「じゃあリュウセイは、自分に子供ができたことも知らないってことか…」

 

 ディアルガ『ああ』

 

 マードック「マジかよ…」

 オリオ「そんなことって…」

 リコ「…」チラッ(シンヤを見る)

 シンヤ「…」

 

 リュウセイとハデスの戦い。そして、誰もが予想できるはずもないリュウセイの最後をディアルガから聞くと、全員が通夜状態になってしまい、その場にいる全員の視線が、リュウセイの子孫であるシンヤとシンイチに集まっていた。

 

 シンイチ「…そうか」

 

 シンヤ「そんなことが…」…(俺が今まで見たビジョンは、リュウセイとルシアスの旅の思い出と、リュウセイとハデスが戦っている場面だったのか)

 

 ディアルガ『いきなりこんなことを言われて、お前たちにはショックかもしれんが…』

 

 シンヤ「…たとえどんな結末になっても、俺は最後まで話を聞くと言ったんだ。…それに、やっと知りたかった真実を知れたんだ。だから俺は大丈夫だ。父さんもそうだろ?」

 

 シンイチ「フッw、ああ」

 

 シンヤとシンイチが笑ってそう答えると、それを聞いたみんなは笑顔になった。しかし、ディアルガの話を聞いていたドットは一つ気になることがあったので、それをシンヤに聞いてみることにした。

 

 ドット「あのさ、シンヤ」

 

 シンヤ「ん?どうした?」

 ドット「その、ハデスのことなんだけど…」

  

 シンヤ「ああ、それは俺も気になってた。けど、それは後で話そう」

 

 ドット「う、うん」

 

 シンヤ「ディアルガ、さっきの話の続きを話してくれ」

 ディアルガ『ああ』

 

 ディアルガの話してくれた通りなら、ブラックホールに飲み込まれたハデスは、リュウセイと同じ運命を辿ったということになる。しかし、以前ハデスはこのキタカミの里にやってきて、シンヤたちの目の前に現れた。つまりこれは、ブラックホールに飲み込まれたハデスが生きていたということになる。何故ブラックホールに飲み込まれたハデスが生きているのか、その理由はシンヤも気になっているが、とりあえず、それは後で話すことにして、その後ルシアスたちがどうしたのか気になるので、先にそれをディアルガとリスタルに聞くことにした。

 

 100年前・ホテルの部屋

 

 アリア「…ぇ?」

 リスタル「嘘!?」

 ギベオン「ルシアス、それは本当なのか!?」

 

 ルシアス「…ああ」

 

 ポタッ(涙が溢れる)

 

 アリア「リュウセイ…」

 

 リュウセイが消えた後、ルシアスはアリアたちが待っているホテルに戻り、そこでリュウセイの最後をアリアたちに伝えた。その事をルシアスから聞いたアリアが泣き崩れてしまったので、リスタルはアリアに付き添うことにして、ルシアスとギベオンは今後の事を話し合うため、アリアとリスタルがいる部屋を後にした。

 

 

 ホテルの外

 

 ルシアス「…」

 ギベオン「ルシアス、君も少し休め」

 

 ルシアス「いや、俺は大丈夫だ」

 ギベオン「…」

 

 リュウセイの恋人でもあるアリアが辛いのは当然だが、ルシアスやギベオンにとってもリュウセイは大切な存在であり、一緒に冒険をする仲間だった。その仲間がいきなりいなくなってしまったのだから、その事実を受け止められず、ルシアスたちは悲しみにくれていた。

 

 リスタル「ルシアス、ギベオン」

 ルシアス「リスタル」

 ギベオン「アリアは?」

 リスタル「…すぐに眠ったわ」

 

 ギベオン「そうか」

 リスタル「きっと、泣き疲れたんだと思う」

 

 ギベオン「…ルシアス、これからどうする?」

 ルシアス「えっ?」

 

 ギベオン「ラクアを目指す冒険のことだ」

 

 リスタル「ッ!ギベオン!今はラクアを目指すどころじゃないでしょ!リュウセイがいなくなったのよ!アリアのお腹の中には赤ちゃんだっているし、今アリアがどれだけ辛いのか、少しは考えてあげてよ!」

 

 ギベオン「わかっているさ!しかし、リュウセイを失って辛いのは、私も同じ気持ちだ!」

 

 リスタル「だったら!」

 

 ポーーン

 

 ルシアス・ギベオン・リスタル「「「えっ?」」」

 

 ディアルガ「ディァァァァッ‼︎」

 

 リスタルがやってくると、ギベオンはルシアスに、ラクアを目指す今後の旅をどうするか聞いた。すると、ギベオンの無神経な発言にリスタルが怒ってしまい、リスタルとギベオンは口論を始めてしまう。するとその時、リュウセイのディアルガがボールの中から1人でに現れた。

 

 ルシアス「ディアルガ…」

 

 『ボールの中から、お前のたちの話は聞かせてもらった』

 

 ルシアス・ギベオン・リスタル「「「えっ?」」」

 

 リスタル「今、誰か喋った?」

 ルシアス「いや」

 

 ギベオン「この近くには、私たち以外、誰もいないはずだ」

 

 ルシアス「……まさか!」

 

 突然どこからか、自分たちに喋ってきた謎の声が聞こえてきたので、ルシアスたちは驚いた。周りをよく確認しても、この場には自分たち以外の人間やポケモンもいなかったため、誰が自分たちに話しかけてきたのか、それがルシアスたちにはわからなかった。だがしばらくすると、ルシアスは自分たちに話しかけてきた人物に気づいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディアルガ『フッw、やっと気づいたか』

 

 ルシアス「やはり、君の声だったのか。ディアルガ」

 

 リスタル「ええ〜〜っ!?今のって、リュウセイのディアルガの声だったの!?」

 

 ギベオン「もしかして 今のはディアルガの《テレパシー》か?」

 

 リスタル「テレパシー?」

 

 ギベオン「ああ。ポケモンの中には、テレパシーという不思議な能力を持つ個体がいて、そのテレパシーを使えるポケモンは、我々人間と同じ言葉を喋ることができると聞いたことがある」

 

 ルシアス「でもリュウセイからは、ディアルガがテレパシーを使えるなんて聞いたことがないが…」

 

 ディアルガ『当然だ。私がテレパシーを使えることは、誰にも話すなとヤツに言っておいたからな』

 

 リスタル「そう、なんだ」

 

 ディアルガ『そんなことより、リュウセイからお前たちに伝言がある』

 

 ルシアス・リスタル・ギベオン「「「ッ!」」」

 

 ルシアス「リュウセイから!?」

 

 ディアルガ『ああ。もし自分に何かあった時に、お前たちに伝言を伝えてほしいと頼まれてな』

 

 ギベオン「ッ、リュウセイの伝言とは?」

 

 ディアルガ『リュウセイのリュックの中に、一枚の封筒が入っている。その封筒の中には、リュウセイがヒスイ地方で書いていた手紙が入っていて、お前たちに残したメッセージが書いてある』

 

 ルシアス・リスタル・ギベオン「「「ッ!」」」

 

 ディアルガ『では、確かに伝えたぞ』

 

 シュルルーン

 

 ディアルガはそう言い残すと、自らボールの中に戻っていった。その後ルシアスたちは、ディアルガの言っていることが本当かどうか確かめようとしたが、それはアリアが起きてきた時に確かめることにして、ルシアスたちも今日は休むことにした。

 

 そして次の日の朝。アリアが起きてくると、ルシアスたちはディアルガが教えてくれたことをアリアに話し、一緒にリュウセイのリュックの中を調べた。するとそこには、ディアルガが言っていた通り、一枚の封筒が入っていた。

 

 ホテルの部屋

 

 アリア「じゃあ、開けるね」

 ルシアス「ああ」

 リスタル「ええ」

 ギベオン「うむ」

 

 スッ(封筒に入っている手紙を出す)

 

 『ルシアス、アリア、リスタル、そしてギベオンへ。この手紙をお前たちが読んでるってことは、ディアルガから全てを聞いていて、俺はすでに死んでいると思う。手紙を書くなんてガラじゃないし、なんか、遺書みたいになっちまって悪いんだけど。お前たち一人一人に伝えたいことがあるから、最後まで読んでほしい。

 

 ルシアス。俺がハデスを追っている時、最初に会ったのはお前だったな。お前がラクアを目指してるって聞いた時は驚いたけど、お前との出会いがなければ、俺はここまで強くなることはなかった。本当に世話になった。

 

 

 リスタル。お前がいなかったら、きっと俺は、アリアと付き合っていなかった。お前は、アリアが俺のことを好きだと知ってから、よく俺とアリアを2人っきりにして気を使ってくれてたよな。お前の優しい気遣いには、俺とアリアも、ルシアスもギベオンも救われてた。本当にありがとう。

 

 

 ギベオン。お前はいつも俺が何か言うたびに、よく嫌味ばかり言ってきたよな。お前に嫌味を言われるたび、俺はお前にムカついてたぜ。…けど、お前が仲間に加わってから、旅がスムーズに進むようになったし、お前がよく話してくれた、人間とポケモンの未来をよくしたいって話はすごく感動したんだ。そんなすごいことを考えられるお前なら、人間とポケモンの未来をよくすることができると思う。だから頑張れよ。

 

 そして、最後にアリアへ。

 

 アリア。お前は未来からきた人間なのに、俺と一緒になる道を選んでくれた。なのに俺は、まだハデスを倒すことばかり考えてる。本当なら、そんなことを考えず、ずっとお前の隣にいるべきなのに。勝手な夫で本当に済まない。もし俺がいなくなったら、きっとお前は悲しむだろう。けど、たとえ俺がいなくなっても、お前には強く生きていってほしいと、幸せになってほしいと願う。

 

 

 ルシアス、リスタル、ギベオン。勝手を言うことになるけど、俺にもしものことがあったら、アリアのことをよろしく頼む。

 

 

 それと、“だいこんごうだま”と“だいしらたま”と“ライトストーン”のことなんだが、俺にもしものことがあった場合、“だいこんごうだま”と“だいしらたま”は、パルデアの大穴の最深部に封印しておいてほしい。あそこなら滅多に人が来ないから、隠し場所としては最適だからな。

 

 ライトストーンは、できれば俺の手で長老に返したいんだが、死んだら返すこともできないから、お前たちが竜の民が暮らしている街に寄って、ライトストーンを長老に渡してほしい。

 

 そして最後に、お前たちにはちゃんとこう言っておくよ。本当にありがとう。お前たちと出会ったことも、お前たちとの思い出も、俺は絶対に忘れない。お前たちとの冒険は、俺にとって最高の宝物だ!』

 

 

 ポタッ(涙が溢れる)

 

 ルシアス「…リュウセイ(涙)」

 リスタル「…リュウセイらしい手紙だね(涙)」

 ギベオン「…ああ(涙)」

 

 アリア「……リュウセイ。私、私たちも、絶対にあなたのことを忘れないからね(涙)」

 

 リュウセイが残してくれた手紙を読み終わると、ルシアスたちはしばらく涙を流していたが、このまま泣いていてはダメだと思い、少しずつ前に進むことにした。そして、これからどうするかみんなで話し合った結果、ルシアス、ギベオン、リスタルの3人は、アリアが無事に子供を出産するまでの間、ラクアを目指す旅は中断することにしようとしたのだが、自分はもう大丈夫だからとアリアが言うので、ルシアス、リスタル、ギベオンの3人は、再びラクアを目指す冒険に出発しようとした。

 

 分かれ道

 

 アリア「じゃあ、私はこっちだから」

 ルシアス「ああ。ディアルガ、アリアのことを頼む」

 ディアルガ『わかっている』

 

 ギベオン「元気でな」

 アリア「ええ」

 

 リスタル「アリア、元気な子供を産んでね」

 

 アリア「うん。みんな、また会える日を楽しみにしてるね」

 

 ルシアス「ああ」

 ギベオン「うん」

 リスタル「アリア、またね」

 

 アリア「うん!」

 

 こうして、アリアとルシアスたちは再会の約束を交わし、アリアを乗せたディアルガが見えなくなるまで見送ったルシアスたちは、再びラクアを目指す冒険の旅に出発した。その途中、ルシアスたちはパルデア地方を訪れ、パルデアの大穴の最深部に向かうと、リュウセイとの約束通り、そこにだいこんごうだまとだいしらたまを封印した。

 

 そしてアリアは、リュウセイの忘れ形見でもある子供を産むため、ディアルガと深い関わりがあるヒスイ地方に向かい、そこで《ソラ》というシンイチの祖父になる子を産み、そのままソラと一緒にヒスイ地方に住むことになるのだった。

 

 現代・てらす池

 

 リスタル「アリアたちと別れた後、私たちはラクアを目指す冒険を再開した。でも、あれからアリアと会うことはなかったから、アリアが無事に子供を出産して元気に暮らしているか、それがずっと心残りだったの。…だから、アリアが無事に子供を産んだことをディアルガから聞けた時は、本当にホッとしたわ」

 

 ディアルガ『…お前たちがアリアの事を気にしていたように、お前たちがラクアに辿り着いたのか、アリアもその事をずっと気にしていたぞ』

 

 リスタル「そうだったの。…最後にもう一度だけ、アリアに会いたかったな」

 

 リコ「リスタルさん…」

 

 シンヤ「…そうか。だからこの二つが、ゼロの大空洞にあったのか」

 

 スッ(リュックの中から“だいこんごうだま”と“だいしらたま”を取り出す)

 

 リスタル「ッ!どうしてあなたが、その二つの宝玉を持ってるの!?」

 

 シンヤ「えっと、話せば長くなるんですけど。俺の友達の両親がパルデアの大穴の最深部に行った時に見つけたらしくて、いろいろあって貰うことになったというか…」

 

 リスタル「そう。…でもそれは、リュウセイの子孫のあなたが持つべき物…いえ、やっと本来のあるべき場所に戻ったと言うべきね」

 

 ディアルガ『そうだな。シンヤ。それはもうお前の物なのだから、大事に持っておけ』

 

 シンヤ「ああ。…ディアルガ」

 

 ディアルガ『ん?』

 

 シンヤ「お前がアリアと一緒にヒスイ地方に行ったのは、今のお前の話を聞いていてわかったけど、パルキアとかミライドンとか、他のリュウセイのポケモンはどうしたんだ?」

 

 ディアルガ『他のリュウセイのポケモンたちも、私たちと一緒にヒスイ地方に行ったよ。もし自分がいなくなったら、代わりにアリアを支えてほしいとリュウセイに頼まれていたからな』

 

 シンヤ「そうか…」

 リコ「…シンヤ」

 

 シンヤ「ああ、わかってる。リスタルさん、話の続きを聞かせてください」

 

 リスタル「ええ」

 

 アリアと別れてからしばらく経った頃、ついにルシアスたちは、幻の楽園と呼ばれるラクアに辿り着いた。それは、リュウセイやアリアとの約束を果たした瞬間でもあった。しかし、まさかラクアであんな悲劇が起きるなど、この時のルシアスたちは思いもしなかっただろう。

 

 

 ラクア

 

 ルシアス「ここが…」

 リスタル「幻の楽園…」

 ギベオン「ラクア」

 

 ルシアス、リスタル、ギベオンの3人は、ついにポケモンたちの楽園と呼ばれる《ラクア》へ辿り着いた。ラクアにはたくさんのポケモンが住み着いていて、みんな楽しく暮らしていた。その中には、ホウエン地方の伝説のポケモンでもある《ラティアス》と《ラティオス》に、イッシュ地方の伝説のポケモン《テラキオン》もいて、カントー地方の伝説の鳥ポケモンと呼ばれる3体、《フリーザー》と《サンダー》と《ファイヤー》がラクアの空の上を飛んでいた。

 

 リスタル「私たち、本当に辿り着いたんだね。ラクアに」

 

 ルシアス「ああ。伝説のポケモンたちが、あんなに安らいで暮らしているんだ。ここはまさに、ポケモンたちの楽園と呼ぶにふさわしいところだ」

 

 リスタル「うん。…」

 ルシアス「ん?リスタル、どうしたんだ?」

 

 リスタル「…できれば、リュウセイとアリアと一緒に来たかったなって」

 

 ルシアス「ぁ。…そうだな」

 

 ギベオン「…」

 

 リスタル「ギベオン?」

 

 ルシアス「さっきからずっと黙っているけど、どうしたんだ?」

 

 ギベオン「いや、少しおかしいと思ってな」

 

 リスタル「えっ?」

 ルシアス「おかしい?」

 

 ギベオン「確かに、ポケモンたちがここまで穏やかに暮らしている光景は素晴らしい。しかし、これと似たような光景なら、私たちは旅の途中にいくつも見てきた。だが、何故これほどまでに豊穣な環境が、このラクアに育まれているのか。きっとその答えが、ラクアが楽園と呼ばれる理由と関係があるはずだ」

 

 ルシアス「だったら、もっと奥に行ってみよう」

 

 リスタル・ギベオン「「うん」」

 

 ルシアス、リスタル、ギベオンの3人は、森の中を歩いて進み、ラクアの奥深くを目指していた。森の中を進んでいるうちに、ルシアスたちはあることに気づいた。それは、周りの樹木の違いだった。森の中に入った時にルシアスたちが見た樹木は、今ルシアスたちが見ている樹木と違って、枯れている様子はなかった。しかし、森の奥深くを歩いていると、周りは枯れている樹木でいっぱいだったのだ。

 

 

 森の中

 

 リスタル「この辺りだけ、随分と樹木が枯れてるね」

 

 ルシアス「ラクアの植物は、場所によって栄養が偏ってるのか?」

 

 ギベオン「いや、どの樹木にも、一度は大きく育った痕跡がある。だとすれば、この辺りも緑豊かな場所だったはずだ。なのに突然、樹木が急速に枯れ果てたために、こうなったと考えるべきだろう」

 

 ルシアス「このラクアに、何かあるということなのか?」

 

 それからルシアスたちは、森の中を歩いてラクアの奥深くへと進んだ。しばらくは緑豊かな景色が続いたが、そこからさらに奥へと進んでいくと、緑豊かな景色から一転し、辺りの樹木が完全に枯れ果てている所にやってきた。その道を歩き続けると、やがてルシアスたちは、大きなクレーターがある場所に辿り着いた。クレーターがある中央には、ピンク色の結晶石が大量に地面に突き刺さっており、結晶石の周りには、結晶石から出たと思われるモヤが漂っていた。

 

 ルシアス「なんだこれは?」

 リスタル「何かの結晶石?」

 

 テラパゴス「パァーゴッ!」

 リスタル「パゴゴ、どうしたの?これが嫌なの?」

 

 目の前の結晶石を見た途端、急にテラパゴスが唸り声を出したので、リスタルは心配そうな顔をしてテラパゴスを見ていた。すると、ギベオンは結晶石の前に歩いていき、近くに落ちている結晶石のカケラを拾うと、結晶石の分析を始めた。

 

 ギベオン「凄まじいエネルギー量の結晶石だ。このような結晶石は、私も初めて見る」

 

 ルシアス「そうか、森の中で枯れていた樹木や、この辺りの植物が枯れている原因は、この結晶石が植物の成長を促していたからか」

 

 リスタル「じゃあ、ラクアが豊かなのは、これのおかげってこと?」

 

 ルシアス「いや…これの"せい"ともいえる。…リスタル、ギベオン。ここを出よう」

 

 ギベオン「ッ!」

 リスタル「ルシアス?」

 

 ルシアス「この結晶石には、明らかに自然の摂理を超えたエネルギーがある。人間がそんなものに触れてはいけない。このままラクアを去ろう」

 

 ギベオン「これを見なかったことにすると?」

 

 ルシアス「ギベオン、君なら理解できるはずだ。ここに長くいれば、俺たちもポケモンたちも、どんな影響を受けるかわからない。いったんベースキャンプに戻ろう。後のことは、そこでゆっくり話し合えばいい」

 

 リスタル「…そうね、いったん戻りましょう」

 

 ピンク色の結晶石を見たルシアスは、この辺りの植物が枯れている原因が目の前にある結晶石だと気づくと、人間が自然の摂理を超えたものに触れるのは危険だと考え、リスタルとギベオンにラクアを去ろうと提案した。リスタルはルシアスの意見に従ってくれたが、ギベオンはルシアスの意見に賛成できず、その場に立ち尽くしていた。

 

 ギベオン「……」

 

 

 ベースキャンプ

 

 リスタル「ギベオン、大丈夫かしら?何か考え込んでいた様子だったけど…」

 

 ルシアス「少し考える時間が必要だと思う。でも、きっと彼なら理解してくれるさ」

 

 リスタル「そうね。……アリア、今頃どうしてるのかな?」

 

 ルシアス「やっぱり、アリアの様子が気になるか?」

 

 リスタル「…うん」

 

 ルシアス「…リスタル。俺はここを出た後、アリアのいるヒスイ地方に行って、リュウセイを助ける方法がないかを考えようと思う」

 

 リスタル「えっ?リュウセイを?」

 

 ルシアス「ああ。彼のおかげで、俺たちはラクアに辿り着くことができた。だからこそ、今度は俺たちがリュウセイを助けるべきだと思うんだ」

 

 リスタル「ルシアス……うん!」

 

 どうやってリュウセイを助けられるかはわからないが、目的だったラクアに辿り着いたため、ルシアスは次の目的として、異次元に消えてしまったリュウセイを助けることに決めたようだ。その意見にはリスタルも賛成なようで、ヒスイ地方にいるアリアと再会するのを楽しみにしている様子だった。

 

 ドォォォォォォォォォォォォンッ‼︎

 

 ルシアス・リスタル「「!?」」

 

 テラパゴス「パゴッ!?」

 

 リスタル「今のは!?」

 

 ルシアス「結晶石があった場所からだ!レックウザ!」

 

 スチャ(ボールを取り出す)

 

 ポーーン

 

 黒いレックウザ「グオオオッ!」

 

 リスタル「パゴゴ、私たちも行くよ!」

 テラパゴス「パーゴォ!」

 

 ルシアスとリスタルが話をしていると、ピンク色の結晶石を見つけた場所から謎の爆発音が聞こえてきたので、ルシアスはボールから出したレックウザの背に乗ると、先に結晶石のある場所に向かって行き、リスタルもルシアスの後を追った。そして、後からやってきたリスタルが見たのは、ギベオンが相棒のジガルデと一緒に結晶石を掘り起こそうとしているのを、ルシアスが止めようとしている場面だった。

 

 ピンク色の結晶石のある場所

 

 ルシアス「ギベオン!何故こんなことを!」

 

 ギベオン「この結晶石の謎を解明し、私たち人間の手で扱えるようにするためだ」

 

 ルシアス「やめるんだ!その結晶石は、俺たち人間が扱えるものじゃない!」

 

 ギベオン「ならば、リュウセイの力はどう説明する?」

 

 ルシアス「ッ!」

 リスタル「リュウセイの、力?」

 

 ギベオン「お前たちも近くで見てきたはずだ!リュウセイの《時を操る力》を!あれこそ、まさに人間の想像を超えた力だ!この結晶石には、リュウセイの時を操る力、いや、それ以上の力があるかもしれない。その謎が解明できれば、誰もがリュウセイと同じ力を手に入れることができるかもしれないのだぞ!」

 

 ルシアス「それは違う!リュウセイの力は、誰もが簡単に手に入れるようなものじゃない!人智を超えたその結晶石の力を使おうとすれば、俺たち人間やポケモンたち。いや、世界の全てが滅んでしまうかもしれないんだぞ!」

 

 ギベオン「わからないのかルシアス!この人智を超えたエネルギーこそが、永遠への可能性なのだ!ジガルデよ!これをもっと掘り起こせ!」

 

 白いジガルデ「ジィガァァァッ‼︎」

 

 ドォォォォォォンッ‼︎

 

 ギベオンはルシアスの警告を無視し、ジガルデに結晶石を掘り起こすように指示を出すと、ジガルデは結晶石の近くの地面を攻撃した。すると、結晶石からピンク色の煙が勢いよく噴出し、ラクア全体に広がり始めた。その瞬間、森の植物や樹木は急速に成長し、すぐに枯れ果ててしまった。しかも、煙の影響は森だけではなく、そこに住むポケモンたちにも影響を与え始め、煙を浴びたポケモンたちは苦しそうにうめき声を上げると、突然凶暴化してルシアスたちに襲いかかってきた。すると、レックウザ、テラパゴス、ジガルデは、自分のトレーナーであるルシアスたちを守るために、凶暴化したポケモンたちを攻撃して動きを止めた。

 

 リスタル「何なの…この結晶石?」

 

 ルシアス「このまま煙が広がれば、ラクアだけじゃなく、世界中を覆い尽くすかもしれない!」

 

 リスタル「そんなことになったら…」

 

 ルシアス「世界が滅んでしまう」

 

 黒いレックウザ「グォォォォ〜〜〜〜〜‼︎」

 

 ポーーン

 

 オリーヴァ「リィィヴァァッ!」

 

 ガラルファイヤー「ガァァァァァッ!」

 

 ラプラス「プラァァァッ!」

 

 バサギリ「ギィィリィッ!

 

 エンテイ「エェェンティィィィ!」

 

 ルシアス「お前たち…」

 

 結晶石から溢れた煙によって、ラクアの植物は枯れ始め、ポケモンたちは凶暴化してしまった。もしこの煙が世界中に広がり、今と同じようなことが起きれば、ルシアスの言う通り世界は滅びるだろう。しかし、ルシアスは自分を守ってくれたリュウセイのために、世界を終わらせたくないと思った。その時、黒いレックウザが雄叫び上げると、それに呼応するかのように、オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラス、バサギリ、エンテイがボールの中から現れ、ガラルファイヤーがルシアスに近づくと、二人はお互いの額を重ねた。

 

 ガラルファイヤー「ガァァッ」

 

 ルシアス「ファイヤー。…ラクアは必ず、俺たちが」

 

 グッ(拳を握る)

 

 ルシアス「いくぞみんな‼︎」

 

 オリーヴァ「リィィヴァァッ‼︎」

 

 ガラルファイヤー「ガァァァァァッ‼︎」

 

 ラプラス「プラァァァッ‼︎」

 

 バサギリ「ギィィリィッ‼︎」

 

 エンテイ「エェェンティィィィ‼︎」

 

 ルシアスの指示を受けると、六英雄のポケモンたちは結晶石に攻撃を始めた。しかし、六英雄たちの力を合わせた攻撃でも結晶石を破壊することができず、結晶石はどんどん巨大化していった。

 

 ルシアス「クッ」

 リスタル「レックウザの攻撃でも壊れないなんて…」

 

 ギベオン「素晴らしい!まさに無限のエネルギーだ!」

 

 白いジガルデ「……ジィガァァッ」

 

 ギベオン「どうした?ジガルデ!」

 

 六英雄たちの攻撃でも、目の前の結晶石には傷一つつけられなかったので、ルシアスはどうすれば結晶石が破壊できるかを考えた。その時、ルシアスと六英雄たちを見ていたギベオンのジガルデが結晶石の前に移動すると、自分の体から突然セルを分離し始めた。ジガルデが分離したセルが次々と結晶石に張り付いていくと、やがてジガルデは、50%フォルムと呼ばれる姿から、10%フォルムという犬型の姿になってしまった。どうしてジガルデがこんな事をしたのかわからないが、ジガルデの大量のセルが結晶石に張り付くと、結晶石の暴走がおさまったのだ。

 

 ギベオン「ジガルデ!何のつもりだ!お前も私を裏切るのか!」

 

 リスタル「止まったの?」

 ルシアス「いや…」

 

 ドォォォォォォォォォォンッ‼︎

 

 ドドッ(足元が陥没する)

 

 ギベオン「うっ…うわぁぁ〜〜‼︎」

 

 ルシアス・リスタル「「ギベオン‼︎」」

 

 ジガルデのお陰で、最初は結晶石の暴走が止まったかに思えた。しかし、ジガルデの力をもってしても、結晶石のエネルギーを抑え込むことはできず、溜まったエネルギーは一気に空へと噴き出した。すると、ルシアスたちのいる地面に亀裂が入り、ギベオンが割れ目の中に落ちていってしまった。ギベオンが落ちたあとも亀裂はどんどん広がり、このままではラクアが崩壊してしまう可能性があった。

 

 リスタル「このままじゃ、ラクアが…」

 

 ルシアス「俺は最後まで諦めない!」

 

 リスタル「ッ…ルシアス」

 

 ルシアス「リュウセイがここにいたら、きっとそう言うはずだ」

 

 リスタル「ぁっ…」

 

 ルシアス「だから俺は、最後まで絶対に諦めない!絶対にラクアを守って見せる!」

 

 黒いレックウザ「グォォォォ〜〜〜〜〜‼︎」

 オリーヴァ「リィィヴァァッ‼︎」

 ガラルファイヤー「ガァァァァァッ‼︎」

 ラプラス「プラァァァッ‼︎」

 バサギリ「ギィィリィッ‼︎」

 エンテイ「エェェンティィィィ‼︎」

 

 リスタル「ルシアスは、最後まで諦めていない。私だって、守りたい!ラクアを!」

 

 テラパゴス(テラスタルフォルム)「パァァーーーゴッ!」

 

 世界が崩壊するという絶望的な状況の中にいても、ルシアスは絶対に諦めようとしなかった。それは、ルシアスたちの未来を守るために、自分の命を犠牲にしたリュウセイが教えてくれたことでもあったからだ。ルシアスの言葉を聞いたリスタルも、ルシアスと同じようにラクアを守りたいと強く願った。すると、テラパゴスは結晶石から溢れ出た煙を自らの体内に取り込み、新たな姿へと変化した。そして、六英雄のポケモンたちを自らが作り出した光の球体に包み込むと、煙が噴き出している上空にまで一緒に飛んで行き、そこから特殊なバリアを展開すると、結晶石と煙をバリアの中に閉じ込めた。……しかし、バリアの中にはルシアスの姿もあった。

 

 ルシアス「みんな…ありがとう。ここは俺に任せてくれ。俺は死なない。約束だ。ラクアとともに生きて、必ずもう一度、お前たちと…」

 

 リスタル「ルシアス、だめよ!あなたまでいなくなるなんて!」

 

 ルシアス「リスタル。ここはもうすぐ爆発してしまう。その前に逃げてくれ」

 

 リスタル「そんなの嫌よ!あなたが残るなら、私も一緒に!」

 

 ルシアス「俺は未来を信じてる」

 

 リスタル「えっ?」

 

 ルシアス「リュウセイが最後に言っていた言葉だ。たとえ俺がいなくなっても、いつか俺の意思を受け継ぐ者が絶対に現れる。未来を信じろ、ルシアス、と。だから俺も信じたい。俺とリュウセイの意思を受け継ぐ者が現れる、その日が来るのを。だからリスタル、俺たちの未来を守ってくれ」

 

 リスタル「ぁっ…」

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 ルシアス『リュウセイ。君が俺たちを助けてくれたから、俺たちはラクアに辿り着くことができた。君がラクアに来るのを待ってるぞ。我が友よ』

 

 シュゥゥゥッ(エネルギーが集約する音)

 

 ドッカァァァァァァァァンッ‼︎

 

 テラパゴスがバリアを展開してからしばらくすると、バリアの中の結晶石が大爆発を起こし、光の球体に包み込まれていた六英雄たちも散り散りになってしまった。そして、爆発が収まった直後に、テラパゴスはペンダントの姿になってリスタルの元に落ちてきた。リスタルはそれを拾い上げると、涙を流しながら大声で泣いた。それは、もう二度とルシアスと会えないことを理解していたからだった。その辛い現実を受け止めたリスタルは、前に進むことを決意し、ペンダントとなったテラパゴスと共にラクアを去ったのだった。

 

 現代・てらす池

 

 リスタル「これが、ラクアで起こった全てよ」

 

 全員「「「ぁっ…」」」

 

 ディアルガ『…そうか』

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 ディアルガ『やはりルシアスは、ヤツの言っていた通りになったのか…』

 

 シンヤ「?」

 

 ラクアで起きた話をリスタルから聞いたシンヤたちは、まさかラクアでそんな悲劇が起こったとは思っていなかったので、リスタルになんと言っていいかわからず、みんな固まってしまう。

 

 リスタル「私はラクアを去った。お腹の中にいたこの子を守るために。全部忘れようと思った。私たちの冒険が誰かに知られたら、またラクアで悲しいことが起こると思ったから。だから、ルシアスのことも、この子に話すつもりはない」

 

 ダイアナ「…」

 リコ「リスタルさん…」

 シンヤ「…」

 

 リスタル「何も残らなくていいの。ただレイラが元気に育って、私とルシアスが生きた証が未来に残せるなら。…パゴゴ、みんな。あなたたちにもう一度出会えて、本当に嬉しかった」

 

 テラパゴス「パーゴォォ」

 

 オリーヴァ「リィヴァァッ」

 ガラルファイヤー「ガァァァッ」

 ラプラス「プラァァァッ」

 バサギリ「ギィィィリッ」

 

 リスタル「本当は、みんなを捜してあげたかったかんだけど。…あなたたちが、ルシアスのポケモンたちを見つけてくれたのよね」

 

 シンヤ「はい」

 

 リコ「みんな、ルシアスのモンスターボールを大切に持っていました」

 

 リスタル「そう。100年という時が経っても、ルシアスとの約束を守ってくれているのね。…エンテイとレックウザは?」

 

 シンヤ「エンテイはまだ見つかってなくて。レックウザは何度も会ってるんですけど、そう簡単には認めてくれなくて」

 

 リスタル「そう。…でも、きっといつか、あなたたちのことを認めてくれるはずよ」

 

 シンヤ「だといいんですけど。…リスタルさん、あなたたちはラクアに辿り着いたんですよね。だったら教えてくれませんか、ラクアがどこにあるのか」

 

 リスタル「それが、レックウザたちの力を借りて、やっとの思いで辿り着くことができたから。私にも正確な場所はわからないの。ラクアを去ったあとも、大きな船に乗せてもらったから」

 

 シンヤ「そうですか」

 フリード「俺たちも、自力で行くしかないってことか」

 

 ランドウ「じゃが、それが冒険の醍醐味というものじゃ」

 

 リスタルがラクアの場所を知っているなら、そのままブレイブアサギ号でラクアに行けると思ったが、ラクアがどこにあるのかリスタルも知らないようだ。やはりラクアに行くためには、残りの六英雄のエンテイと黒いレックウザに会うしかないということだろう。

 

 テラパゴス「パーゴォ!パーゴォ!」

 リスタル「パゴゴ、どうしたの?」

 

 ディアルガ『お前に抱っこしてほしいと言ってるぞ』

 リスタル「えっ?そうなの?パゴゴ」

 

 テラパゴス「パーゴォ!」

 

 シンヤ「でも、今リスタルさん、赤ちゃんを抱っこしてるし」

 

 リスタル「そうね。…あっ、リコ」

 リコ「はい?」

 

 リスタル「私がテラパゴスを抱っこしている間、レイラを抱っこしてくれないかしら?」

 

 リコ「えぇ〜〜っ!?私がですか!?でも私、赤ちゃんを抱っこしたことないし」

 

 リスタル「大丈夫。まだ首はすわってないけど、腕で頭をちゃんと支えてあげれば、誰にでもできるわ」

 

 リコ「で、でも…」

 

 ダイアナ「いいじゃないか。リコ、抱っこさせてもらいな」

 

 リコ「おばあちゃん」

 

 ダイアナ「今のうちに赤ちゃんの抱っこの仕方を勉強をしておけば、シンヤの赤ちゃんを産んだ後に困らなくて済むよ」

 

 リコ「ちょ、おばあちゃん!?///いきなり何を言ってるの!?///」

 

 シンヤ「///」

 

 いきなりダイアナが爆弾発言を投下すると、リコの顔色は一気に真っ赤になり、シンヤまでもが顔を赤くしていた。すると、Nとリスタル以外の全員がシンヤとリコのことをニヤニヤしながら見ていた。

 

 リスタル「シンヤの赤ちゃんってことは…もしかしてあなたたち、そういう関係なの?」

 

 リコ「え、えっと…///」

 シンヤ「…はい、俺とリコは恋人同士です」

 

 リスタル「フフッw、だったら、今のうちに赤ちゃんを抱っこしておいたら?大人になって、子供を産んだ時のために」

 

 リコ「……はい///」

 

 リコはそう言うと、リスタルからレイラを受け取り、リスタルはテラパゴスを抱っこした。

 

 テラパゴス「パーゴォw」

 

 リスタル「懐かしいな。冒険してた頃は、よくパゴゴを抱っこしてたっけ」

 

 レイラ「ぁ…ぅ…」

 リコ「うわぁ〜、赤ちゃんって意外に重い」

 

 リスタルはテラパゴスを抱っこすると、冒険していた時にテラパゴスを抱っこしていた頃のことを思い出していて、リコは自分より小さな命を抱っこしていると、体の奥から何か温かいようなものが溢れてくる気持ちでいっぱいになっていた。

 

 シンヤ「なんか、そうやって赤ちゃんを抱いてると、本当のお母さんみたいだな」

 

 リコ「えっ!?///そ、そうかな///」

 

 リュウガ「じゃあ、お父さんはお前ってことか?」

 

 シンヤ・リコ「「ッ!?///」

 

 ミコ「何言ってんのリュウガ。10年後ぐらいにそうなってるんでしょw」

 

 リュウガ「ああ、そっか。悪い悪いw」

 

 シンヤ「お前ら…」

 

 ミコ「大声を出したら、すぐに赤ちゃんが泣いちゃうよ」

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 シンヤ『このヤロ、いつか覚えてろよ』

 

 リュウガもミコも、シンヤを揶揄ういいネタを手に入れたと言わんばかりに、シンヤをおちょくって楽しんでいた。そんな2人の様子を見たシンヤは、いつか絶対に2人に仕返しをしてやると心に誓うのだった。

 

 レイラ「ぁ……ぅ」

 

 ダイアナ「…」

 リコ「おばあちゃん、どうしたの?」

 

 ダイアナ「いや、赤ちゃんを見ていたら、ルッカやリコが産まれた時のことを思い出してね。それに、まさか赤ちゃんの頃の母と会えるとは思っていなかったから、つい感傷に浸ってしまったんだ」

 

 リコ「おばあちゃん…」

 

 リスタル「…ダイアナ」

 

 ダイアナ「ん?」

 

 リスタル「あなたさえ良ければ、レイラを抱っこしてあげて」

 

 ダイアナ「えっ?…いいのかい?」

 リスタル「ええ」

 

 ダイアナ「…」

 リコ「はい、おばあちゃん」

 

 スッ(赤ちゃんを前に出す)

 

 ダイアナ「…フッw、じゃあせっかくだから、抱っこさせてもらうよ」

 

 スッ(リコから赤ん坊を受け取る)

 

 ダイアナ「懐かしいね。この子を抱っこしてると、産まれたばかりのルッカやリコを抱っこした時のことを思い出すよ」

 

 ダイアナはリコからレイラを受け取ると、不意にそんなことを呟いた。しかし、ダイアナが赤ちゃんの頃の母親を抱っこし、レイラが娘であるダイアナに抱っこされているというのは、とてもシュールな光景だった。……そしてしばらくすると、ダイアナはレイラをリコに渡した。

 

 ダイアナ「できれば今度は、あんたたちの子供を抱っこさせてほしいね」

 

 シンヤ・リコ「「!?////」」

 

 リコ「おばあちゃん⁉︎気が早すぎだよ⁉︎////」

 

 ダイアナ「何を言ってるんだい?あんたたち、18〜20歳になったら結婚するんだろ?」

 

 シンヤ「誰がそんなことを⁉︎」

 

 ダイアナ「ルッカから聞いたのさ」

 

 リコ(お母さん⁉︎///)

 

 シンヤ「確かに、できれば20で結婚したいとは言いましたけど、俺たちが18〜20歳になったら結婚するんじゃなくて、俺も今は冒険を楽しみたいから、18〜20歳になるまではリコと結婚する予定はないと、そうルッカ先生とアレックスさんに言いましたよ!」

 

 ダイアナ「そうなのかい?できれば、私が生きている間にひ孫を抱かせてほしいんだけどね」

 

 シンヤ「…じゃあせめて、俺たちが18になるまで待っててください。その時には、ひ孫も産まれてると思いますから」

 

 リコ「シンヤァァァ⁉︎///」

 

 シンヤ「冗談だよ」

 

 リスタル「フフッw」

 

 シンヤ「ん?どうかしましたか?」

 

 リスタル「ううん、嬉しいなって思ったの。リュウセイとアリアの子孫のあなたと、私とルシアスの子孫のリコが、この世界で巡り会って、恋人同士になってるってことに」

 

 リコ「リスタルさん…」

 

 ディアルガ『あれから100年という長い時が経ったが、リュウセイとルシアスの願い通り、2人の意思を受け継ぐ者が現れたからな』

 

 リスタル「ええ。リコ、シンヤ。きっとあなたたち2人が、ルシアスとリュウセイの意思を受け継ぐ者なのよ」

 

 シンヤ「俺たちが…」

 リコ「2人の意思を受け継ぐ者…」

 

 ディアルガ『ああ。お前たちがこの世界で巡り会えたのも、100年から決まっていた、運命なのかもしれんな』

 

 リコ「私とシンヤの出会いが…」

 シンヤ「俺とリコの出会いが…」

 

 シンヤ・リコ「「運命」」

 

 リュウガ「それって、2人は100年前から運命の赤い糸で繋がってたってことか?w」

 

 ボンッ!(リコの頭が爆発する音)

 

 リコ「⁉︎///」

 シンヤ「お前マジで黙れ! (╬ \\\`^´///)」

 ピカチュウ「ピィカッピィカッw」

 

 シンヤ「笑うなよピカチュウ」

 

 キラァァン(リスタルの体が光り始める)

 

 全員「「「あっ!」」」

 

 リスタル「ぁっ。……どうやら、お別れの時間みたいね」

 

 リコ「そんな…」

 シンヤ「リコ、早く赤ちゃんをリスタルさんに」

 

 リコ「あっ、うん」

 

 リスタルの体が光り始めたのを見ると、それがリスタルとの別れを意味しているものだと理解したシンヤは、リスタルに赤ちゃんを返すようリコに伝えた。そして、リスタルは抱っこしていたテラパゴスを地面に下ろすと、リコからレイラを受け取った。

 

 リスタル「リコ、ダイアナ、シンヤ、仲間の皆さん。本当にありがとう。もう一度パゴゴに会わせてくれて。ルシアスとリュウセイが守った未来に、あなたたちがいる。それが分かって嬉しかった。…リコ、パゴゴをよろしくね」

 

 リコ「え?」

 

 リスタル「今のあなたたちを見てればわかる。今のパゴゴのパートナーは、リコ、あなたよ」

 

 リコ「ッ!」

 

 リスタル「それと、シンヤ」

 

 シンヤ「はい」

 

 リスタル「これからも、リコの事をよろしくね。私たちは少しの間しか一緒にいられなかったけど。あなたはずっとリコのそばにいてあげて」

 

 シンヤ「…フッw、ええ、リコの事は任せてください!俺がこの先、命を賭けて守っていきます」

 

 リコ「///」

 

 リスタル「ありがとう。ディアルガ」

 ディアルガ『ん?』

 

 リスタル「最後に、あなたに会えてよかったわ」

 ディアルガ『…フッw、ああ。私もだ』

 

 テラパゴス「パァーゴォ!(涙)」

 

 リスタル「パゴゴ。また会えて嬉しかった。私はここで消えてしまうけど。あなたは、リコたちと一緒に前に進んで」

 

 スッ(目を閉じる)

 

 リスタル(本当にありがとう、パゴゴ、リュウセイ、アリア、ギベオン、ルシアス…(涙))

 

 シュン(消える)

 

 テラパゴス「パァァァゴォォォ‼︎パァァァゴォォォォォ‼︎(涙)」

 

 自分たちの子孫であるリコとシンヤに、ルシアスとリュウセイの願いが受け継がれていることを知ると、リスタルはとても嬉しそうな顔をしていた。そして、リコやシンヤたち、テラパゴスに別れを告げると、リスタルは光の中に消えていった。リスタルが消えると、テラパゴスは大粒の涙を流しながら大声で泣き叫んだ。それは、100年ぶりに再会できたリスタルと、再び別れることになってしまったという、テラパゴスの悲しみの声だった。そんなテラパゴスの姿を、シンヤたちはただ見ていることしかできなかった。

 

 ニャローテ「ニャァッ…」

 

 リコ「泣かないで、テラパゴス。私たちが、きっとあなたをラクアに連れて行く。あなたの願いを叶えてあげるから」

 

 テラパゴス「パーゴォ…」

 

 テラパゴスが涙を流しながら泣いていると、ニャローテとリコがテラパゴスに近づき、リコはテラパゴスをそっと抱き上げると、テラパゴスの背中の甲羅をさすり始めた。すると、テラパゴスは涙を止めて、リコに何かを伝え始めた。

 

 テラパゴス「パーゴォッ」

 

 リコ「テラパゴス?」

 

 テラパゴス「パーゴォ!パーゴォ!」

 

 リコ「どうしたの?テラパゴス」

 

 シンヤ「フッw」

 リュウガ「シンヤ?」

 

 テラパゴスはリコに何かを伝えているが、リコにはテラパゴスが何を言っているかわからなかった。しかし、シンヤにはテラパゴスが何を言っているかわかっているようで、リコとテラパゴスの元に向かって歩いて行った。

 

 シンヤ「リコ」

 

 スッ(空のモンスターボールを前に出す)

 

 リコ「えっ?」

 

 シンヤ「テラパゴスは、お前にゲットしてほしいと言ってるんだよ」

 リコ「えっ!?」

 

 シンヤ「そうなんだろ?ディアルガ、N」

 

 ディアルガ『フッw』

 N「フッw、ああ」

 

 シンヤ「テラパゴスがペンダントから目覚めた後、誰よりもテラパゴスを近くで見てきて世話をしていたのはお前だ。それに、リスタルさんも言ってたじゃねぇか。テラパゴスのパートナーはお前だって。だったら、もう答えは出てるはずだろ?」

 

 リコ「シンヤ」

 

 スッ(モンスターボールを受け取る)

 

 リコ「ありがとう!」

 

 テラパゴス「パーゴォッ!」

 

 リコ(リスタルさん、ルシアス、おばあちゃん、お母さん。ありがとう、私とテラパゴスを出会わせてくれて)

 

 スッ(モンスターボールをテラパゴスに向ける)

 

 テラパゴス「パァーゴォッ‼︎」

 

 リコはシンヤから空のモンスターボールを受け取ると、ボールを両手の手のひらで持ち、テラパゴスの前に向けた。するとテラパゴスは、自分からモンスターボールに向かって飛び跳ね、ボールのボタンがテラパゴスに当たるとカチッという音が鳴り、テラパゴスはモンスターボールに吸い込まれていった。そして、ボールがリコの手のひらで3回揺れると、最後にポンッという音が鳴った。これは、リコが正式にテラパゴスをゲットしたことを意味している。リコはゲットしたばかりのテラパゴスをボールから出すと、テラパゴスにこう伝えた。

 

 リコ「これからもよろしくね、パゴゴ!」

 テラパゴス「パーゴゴッ!」

 

 シンヤ「よかったな、リコ」

 リコ「うん!ありがとう!」

 

 リコがテラパゴスをゲットした後、シンヤたちはブレイブアサギ号に戻った。そしてその後、シンヤ、リコ、リュウガ、ミコ、ロイ、ドット、ダイアナ、フリード、シンイチ、Nの10人はウイングデッキに来ていて、ディアルガと対面していた。

 

 ブレイブアサギ号・ウイングデッキ

 

 シンヤ「ディアルガ。お前、最初から全部知ってたのか?」

 

 ディアルガ『何をだ?』

 

 シンヤ「だから、俺がリュウセイとアリアの子孫ってことをだよ。俺が2人の子孫だと知ってたから、俺がやりのはしらでお前をゲットした後、俺と一緒に来ることにしたのか?」

 

 ディアルガ『…何故そう思う?』

 

 シンヤ「ラクアで起こったことをリスタルさんから聞いた後、お前小声で、《やはりルシアスは、ヤツの言っていた通りになったのか》って、そう言ってたろ?」

 

 ディアルガ『ッ⁉︎』

 

 シンヤ「あの言葉の意味ってさ、リスタルさんからルシアスの最後を聞く前から、ルシアスがラクアでどうなったかを知ってたってことだよな?けどお前は、リスタルさんたちと別れた後、アリアと一緒にヒスイ地方に行ったはずだ。そのお前が、なんでルシアスの最後を知ってるのか。それは、誰かがお前に、ルシアスの最後を説明した者がいるということだろ?」

 

 ディアルガ『ッ…つまりお前は、ルシアスの最後を私に伝えた者がいて、その者が私に、お前がリュウセイとアリアの子孫だということを私に教えたと、そう言いたいのか?』

 

 シンヤ「ああ。だからお前は、俺と来ることを選んだ。違うか?」

 

 ディアルガ『…私の小声からそこまで読むとは。流石だな、シンヤ』

 

 シンヤ「じゃあ…」

 

 ディアルガ『ああ。お前の言う通り、私はルシアスの最後を、ある人物から聞いていた。そればかりか、リコがルシアスとリスタルの子孫だということも、ギベオンがアメジオの祖父だということも聞いたよ』

 

 シンヤを除く全員「「「!?」」」

 

 シンヤ「やっぱり」

 

 ディアルガ『だが、お前は一つだけ勘違いをしている』

 シンヤ「えっ?勘違い?」

 

 ディアルガ『お前がリュウセイとアリアの子孫だと私が知ったのは、お前とやりのはしらで会った次の日のことだ』

 

 シンヤ「えっ!?ってことは!」

 

 ディアルガ『ああ。お前がリュウセイの子孫だから、お前と一緒に行くことを決めたわけではない。ただ、お前と初めて会った時、リュウセイと何か似ているものを感じてな。だから私は、お前に付いていくことにしたんだ』

 

 シンヤ『じゃあ、お前が俺と一緒に来ることになったのは、ただの偶然だったってことか?』

 

 ディアルガ『ああ。私だけでなく、かつてリュウセイの七竜だったポケモンたちがお前と出会い、お前のポケモンになったことも含めてな』

 

 シンヤ以外の全員「「「?」」」

 

 ダイアナ「それは、どういうことだい?」

 

 ディアルガ『シンヤが捕まえた、私を含む全ての七竜、パルキア、コライドン、ミライドン、ゼクロム、ウガツホムラ、タケルライコは、かつてリュウセイがゲットしたポケモンたちだということだ』

 

 シンヤ以外の全員「「「えっ!?」」」

 

 シンヤ「…だろうな」

 

 ディアルガ『そのことには驚かないんだな』

 

 シンヤ「ウガツホムラとタケルライコと初めて会ったとき、お前とパルキアから顔見知りって雰囲気が漂ってたし、お前たちがテラパゴスと楽しそうに話しているのを見た時、薄々そうじゃないかって思ってたからな。だから、さっきお前とリスタルさんが知り合いだと知った時、俺のゲットした七竜は、リュウセイのポケモンだったと確信したんだよ」

 

 ディアルガがリュウセイのポケモンだったという事実だけでも驚きだと言うのに、シンヤが今までゲットした、パルキア、コライドン、ミライドン、ゼクロム、ウガツホムラ、タケルライコが、かつてリュウセイがゲットしたポケモンだと判明すると、、そのことを知っていたシンヤ以外の全員は驚いていた。しかし、リコたちが驚くのも無理はなかった。普通なら誰もが、シンヤがリュウセイと同じポケモンを偶然ゲットしてきたと考えるはずなのに、シンヤが旅をしてゲットしたパルキアたちは、正真正銘リュウセイの七竜だということが判明したのだから。

 

 N「じゃあ、もしかして僕のレシラムは、リュウセイの持っていたライトストーンから目覚めたレシラムなのかい?」

 

 ディアルガ『それは私にもわからん。リュウセイの持っていたライトストーンは、一度もレシラムにならかったからな。一つだけ確かなのは、シンヤのゲットしたゼクロムが、リュウセイの従えていたゼクロムだったということだけだ』

 

 ロイ「なんでそんなことがわかるの?」

 

 ディアルガ『シンヤがゲットしたゼクロムがナナカマド研究所に送られてきた時、もしかしたらと思い、リュウセイのことを聞いてみたからな。そしたら、ハデスと戦ったリュウセイはどうなったかと聞いてきたよ。リュウセイの最後を知ったら、少しがっかりしていたがな』

 

 ロイ「そうなんだ…」

 

 リュウガ「…あのさ、一ついいか?」

 ディアルガ『ん?なんだ?』

 

 リュウガ「リュウセイのゼクロムは、ハデスとの戦いでダークストーンになって、その後ブラックホールに吸い込まれたって言ってたよな?っで、それがどういうわけか、ブラックホールに吸い込まれたダークストーンはイッシュ地方で見つかって、最後はシンヤの手に渡った」

 

 ディアルガ『…まあ、そういうことになるな。だが、それがどうかしたのか?』

 

 リュウガ「リュウセイの七竜だったお前たちが、シンヤのポケモンになった流れを確認したかったんだよ。だって、ゼクロムを除いたディアルガたちは、アリアと一緒にヒスイ地方に行ったんだろ?だったらなんで、エリアゼロにいたウガツホムラとタケルライコや、ペパーたちと一緒に生活してたコライドンとミライドンが、どうしてパルデア地方にいたのかなって」

 

 シンヤ「あっ!」

 ドット「そう言われれば…」

 リコ「確かに!」

 

 ディアルガ『そのことか。…私たち七竜は、リュウセイとの約束通り、アリアを未来永劫に守っていこうと誓い合った。しかし、アリアは35になった時、病に侵されてな』

 

 全員「「「えっ!?」」」

 

 ディアルガ『その後、アリアは私たちに自由に生きてほしいと言って、私たちをリリースしたんだ。それからしばらくして、アリアはこの世を去り、私たちはそれぞれ別の道に進むことにした。そして、私とパルキアはヒスイ地方に残ることにして、コライドン、ミライドン、ウガツホムラ、タケルライコの4人は、リュウセイがルシアスたちに封印してほしいと頼んだ、だいこんごうだまとだいしらたまを守るために、パルデアの大穴に向かったんだ。いつか、リュウセイの意思を受け継ぐ者が現れるその日まで、2つの宝玉を守るためにな』

 

 リコ「そうだったんだ…」

 

 リュウガ「なるほど。それで、ウガツホムラとタケルライコはエリアゼロにいて、経緯はわからないが、コライドンとミライドンはペパーたちと一緒に暮らしていたのか…」

 

 シンヤ「そして、ゼロの大空洞にあった“だいこんごうだま”と“だいしらたま”を、偶然オーリム博士とフトゥー博士が見つけて、俺の手に渡ったってことか…」

 

 ディアルガ『というより、収まるべきところに収まったと言うほうが正しいだろうな』

 

 リュウガ「だいこんごうだまもだいしらたまも、元はリュウセイのものだったんだもんな。…なぁディアルガ、俺とシンヤがヒスイ地方に行った時に出会ったディアルガってさ。もしかして、お前じゃないよな?」

 

 ディアルガ『ああ。私には、お前たちとヒスイ地方で会った記憶はない』

 

 リュウガ「よかった…」

 

 ダイアナ「?」

 

 シンヤ「…ディアルガ。もう一つ聞きたいことがある」

 

 ディアルガ『ハデスの事だろ?』

 

 シンヤ「ッ…ああ。お前から聞いた話の通りなら、ハデスはブラックホールに飲み込まれたことになる。しかし、以前Nと出会った時、奴は俺たちの前に姿を現した。だとすれば、奴は生きていたということになる」

 

 ディアルガ『私も奴をここで見た時から、奴がどうやって生き延びたのか気になっていた。しかし、奴がどうやって助かったのか、それは私にもわからん』

 

 ディアルガとリスタルから話を聞いて、いろいろ謎だったことがわかったが、ブラックホールに飲み込まれたハデスが生きていた理由や、今のエクスプローラーズのボスであるギベオンが、リュウセイたちと旅をしたギベオンと同一人物かまではわからなかった。しかし、それは本人たちに会った時に直接聞けばいいと思ったシンヤは、ディアルガから気になっていたことを聞いた。

 

 シンヤ「ディアルガ。最後に聞きたいことがある」

 ディアルガ『ん?』

 

 シンヤ「お前さっき、俺がリュウセイとアリアの子孫ってことと、リコがルシアスとリスタルの子孫だってことを、ある人物から聞いたって言ってたよな?それはいったい誰なんだ?」

 

 シンヤ以外の全員「「「ッ!?」」」

 

 ディアルガ『気づいていないのか?』

 

 シンヤ「何を?」

 

 ディアルガ『自分のゲットした私たちが、かつてリュウセイのゲットしたポケモンたちだということは見抜いたのに、ルシアスの最後を私に教えてくれた人物のことは、さすがのお前にもわからないんだな』

 

 シンヤ「わかるわけないだろ。早く教えろよ」

 

 ディアルガ『それは…ラクアに着いたら話してやる』

 シンヤ「はっ!?ラクアに着いたらだと!?」

 

 ディアルガ『ああ。今はそれだけしか言えないからな』

 

 シンヤ「それじゃあ答えになってない!」

 

 ディアルガ『悪いが、これ以上は何も言えん』

 

 シンヤ「ッ、だったら…」

 

 ディアルガ『真実を知っているのは私だけだから、パルキアたちに聞こうとしても無駄だぞ』

 

 シンヤ「ッ!…ラクアに着いたら、ちゃんと話すんだな?」

 

 ディアルガ『ああ』

 

 シンヤ「…はぁ〜、わかったよ」

 

 まだディアルガから聞きたいことは山ほどある。しかし、今のディアルガに何を聞いても、恐らく何も答えてくれないだろうと思ったシンヤは、ルシアスの最後をディアルガに伝えた謎の人物の正体を知るため、ラクアに辿り着くと固く誓うのだった。…そして、ディアルガとの話が終わった後、シンヤたちはそれぞれの部屋に戻って眠りについた。

 

 

 ブレイブアサギ号・ミーティングルーム

 

 パクッ(料理を食べる)

 

 シンイチ「美味い!」

 

 マードック「よかった。おかわりもありますから、たくさん食べてください」

 

 朝になると、シンヤたちはミーティングルームに移動し、そこでマードックの作った朝食を食べながら、今後どうするかを話し合っていた。

 

 オリオ「これからどうするの?」

 フリード「残りの六英雄を探すさ」

 

 マードック「エンテイとレックウザだな」

 

 フリード「ああ。エンテイとレックウザに会わなければ、ラクアには行けないからな」

 

 ロイ「じゃあ、朝ごはんを食べたら…」

 リコ「六英雄を探しに…」

 

 リュウガ「ちょっと待った!」

 

 リコ・ロイ「「え?」」

 

 マードック「どうしたんだ?大きな声を出して?」

 

 シンヤ「六英雄を探しに行く前に、このキタカミの里で、ナナカマド博士から頼まれたポケモンを探すのを忘れてるぞ」

 

 リコ・ロイ「「あっ!」」

 

 そう。シンヤたちがこのキタカミの里に来た目的は、テラパゴスの事を知っているブライア先生に会うことと、ミコが見たと言っていたバサギリが、六英雄のバサギリかを確かめるためと、ナナカマド博士から頼まれた、このキタカミの里にいるという新種のポケモンの調査をするためだ。そのうちの二つは終わったが、まだナナカマド博士から頼まれたことが終わってないため、このまま六英雄探しには出発できないのだ。

 

 シンヤ「そう言えば、リュウガにずっと聞きそびれてたけど、ナナカマド博士から頼まれたポケモンの名前って…」

 

 ロトロトロト…ロトロトロト…ピッ

 

 シンヤ「ゼイユからだ。どうした?連絡をくれるなんて珍し…」

 

 スグリ『シンヤ!』

 シンヤ「スグリ!?」

 

 スグリ『姉ちゃんが変なんだ!急いで俺のうちに来て!」

 

 シンヤ「えっ!?」

 

 To be continued

 

 次回予告

 

 スグリから連絡を受けたシンヤは、リコたちと一緒にスグリの家にやってきた。そこでシンヤたちが見たのは、奇妙な踊りをしているゼイユの姿だった。その光景を見たシンヤたちは、ゼイユに何が起こったのかを調べるため、手分けをしてキタカミの里で調査を始めた。それからしばらくすると、リュウガやミコ、ロイやドットまでもがゼイユと同じ踊りを踊っていた。そしてその後、かつてオーガポンの仮面を奪おうとした《ともっこ》と呼ばれる三体のポケモンたちを裏から操っていた黒幕であり、オーガポンにとって因縁の相手でもあるポケモンがシンヤたちの目の前に現れた。

 

 次回「モモワロウ登場‼︎毒餅でキビキビパニック⁉︎」

 





 次のモモワロウが出る話は、原作ゲームを元にした内容になりますが、ゲームとは異なる箇所やエンディングになる予定なので、予めご了承ください。

 モモワロウの話が終わったら、アニメ通りの流れになり、当分はオリジナルの話はないですが、アニメ通りの流れで多少オリジナルを追加することもあります。
 

 
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