ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 逃げたモモワロウの後を追いかけてきたシンヤたちは、ともっこを祀る墓があった《ともっこプラザ》という所にやってきた。しかしそこには、イイネイヌ、マシマシラ、キチギチスの3体もいて、シンヤたちがイイネイヌたちと対面すると、シンヤのモンスターボールからオーガポンが現れた。


第85話『因縁の対決!オーガポンvsモモワロウ‼︎』

 

 オーガポン「ぽにおーーっ‼︎」

 

 イイネイヌ「ヌゥッ…」

 マシマシラ「マシィィ…」

 キチキギス「キチッ…」

 

 モモワロウ「モモワッ…」

 

 イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体は、大声で叫んだオーガポンを見ると、分かりやすい様子で動揺しており、オーガポンとは初対面のはずのモモワロウまで動揺していた。

 

 オーガポン「がおうっ‼︎」

 

 シンヤ(オーガポンのこの様子。やはり、俺の推理は大アタリだったようだな)

 

 イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体がオーガポンに動揺するのは分かる。しかし、モモワロウがオーガポンに動揺する理由などない。それなのに、オーガポンを見て動揺しているということは、やはりモモワロウは、4体目のともっこなのだとシンヤは確信した。

 

 リザードン「リザァァァッ!」

 ウィンディ「ウィィーーンッ!」

 アーケオス「アァーーケッ!」

 ボーマンダ「ボォォォーマァァッ!」

 

 シンヤ「ん?」

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 

 フリード「おーーい!」

 ダイアナ「やっと見つけたよ」

 シンイチ「こんな所にいたのか」

 N「…」

 

 リコ「フリード!?おばあちゃん!?」

 シンヤ「父さんにNまで!?」

 

 オーガポンがモモワロウたちと対峙し、一触即発の雰囲気を漂わせていると、ライドポケモンに乗ったフリードたちがともっこプラザにやってきた。

 

 シンヤ「何でここに来たんだ?」

 リコ「ロイたちはどうしたの?」

 

 フリード「後ろを見てみろ!」

 キャプテンピカチュウ「ピィカッ!」

 

 シンヤ「えっ?後ろ?…げっ!?」

 リコ「嘘!?」

 スグリ「わやじゃ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゼイユ・スグリの祖父・スグリの祖母「「「キビキビーー‼︎」」」

 

 リュウガ・ミコ・ロイ・ドット・マードック・オリオ・モリー「「「「「「「キビキビーー‼︎」」」」」」」

 

 シンヤ「はぁ〜、マジで勘弁してくれ…」

 

 切羽詰まった様子のフリードとキャップに後ろを見るように言われたので、シンヤとリコとスグリは後ろを振り向いた。するとそこには、同じポケモンが大量発生しているかのように、キビキビーーと踊りながら踊っているリュウガたちが集まってきた。

 

 リコ「何でロイたちがここに!?」

 

 ダイアナ「アンタたちがその子を追って行った後、大勢のキタカミの里の人たちがいきなり現れてね。そしたら、さっきまでおとなしかったロイたちが急に踊り出して、私たちを襲ってきたんだ」

 

 シンイチ「それで、さっきお前のピカチュウがみんなに電撃を浴びせたように、フリードさんのピカチュウがみんなに電撃を浴びせたんだ。そしたら、キタカミの里の人たちは動かなくなったけど、ミコちゃんたちは、電気に強い抗体が体の中にできたみたいで、全然効果がなくてな。本気でみんなを攻撃する訳にもいかないから、一旦船に戻ろうと思って、お前たちを捜しにきたんだ」

 

 リコ「そうだったんですか」

 

 シンヤ「だけど、みんなをこのままにしておけないし、船まで逃げ切れたとしても、船まで来られたら終わりだぞ」

 

 フリード「ああ。ドットやオリオがいないんじゃ、船は飛べないしな」

 

 シンヤ「ここは逃げるより、どうにかしてみんなを元に戻す方法を考えないと」

 

 リコ「でも、一体どうやったらみんなを元に戻せるの?」

 

 スグリ「…あいつを倒せば、モモワロウを倒せれば、みんなを元に戻せないかな?」

 

 シンヤ「ッ!そうか!それだよスグリ!」

 スグリ「えっ?」

 

 シンヤ「みんなを操ってるのは、あのモモワロウなんだ!だったら、操ってる本人を倒しさえすれば、みんなを元に戻せるかもしれない!」

 

 モモワロウを倒すことができたとしても、みんなが元に戻る保証はない。しかし、この騒ぎの元凶であるモモワロウを倒さない限り、被害者は増え続ける一方なので、シンヤはモモワロウたちとバトルすることに決める。

 

 シンヤ「リコ!お前はニャローテとテブリムを出して、俺を手伝ってくれ」

 

 リコ「えっ?…う、うん!ニャローテ!テブリム!出てきて!」

 

 ポーーン

 

 ニャローテ「ニャァァロッ‼︎」

 テブリム「テブリッ‼︎」

 

 シンヤ「ダイアナさんやフリードたちは、操られているみんなの相手を頼みます!」

 

 スグリ「うん!」

 シンイチ「OK」

 ダイアナ「分かったよ」

 フリード「ったく、後でちゃんと事情を話せよ」

 

 スチャ(Nがボールを取り出す)

 

 N「レシラム!力を貸してくれ」

 

 ポーーン

 

 レシラム「クォォーーンッ!」

 

 シンイチ「なっ!?」

 スグリ「わやじゃ!?」

 ダイアナ「ほおぅ、こいつは頼もしい味方だね」

 

 シンヤ「あっちはレシラムがいるからなんとかなるだろう。リコ、モモワロウとともっこは、俺たちで片付けるぞ」

 

 リコ「うん!必ずみんなを助け出そう!」

 

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 オーガポン「ぽにおっ!」

 ニャローテ「ニャァァッ!」

 テブリム「テブリッ!」

 

 シンヤ「リコ、俺がモモワロウとキチキギスの相手をするから、お前はイイネイヌとマシマシラの相手を頼む」

 

 リコ「分かった!」

 

 モモワロウ「モモワァーーイ!」

 イイネイヌ「ヌンダッフル!」

 マシマシラ「マシマシッ!」

 キチキギス「キィチチッ!」

 

 イイネイヌたちのレベルを考えれば、リコとタッグを組むより、フリードかNにタッグを組んでもらった方がいいのだが、操られているリュウガやミコと互角に戦えるのは、シンヤとNとフリードの3人しかいない。それになにより、シンヤのポケモンであるオーガポンが、モモワロウたちとバトルしたがっている。そうなると、シンヤがモモワロウたちと戦うしかないので、Nとフリードはリュウガとミコの相手をすることになるだろう。それに、リコとは以前タッグを組んでバトルしたことがあるので、この場にいる誰よりも連携が取りやすいし、フリードたちの実力を考えれば、少なくとも数十分は時間を稼いでおいてもらえるので、その間にモモワロウたちを倒そうとシンヤは考えた。

 

 イイネイヌ「ヌンダッ‼︎」

 

 リコ「テブリム!イイネイヌに『ねんりき!』」

 テブリム「テブッ!テェェブリィィィッ‼︎」

 

 ドォォォンッ‼︎

 

 イイネイヌ「ヌンダッフッ!?」

 

 「かみくだく」を発動したイイネイヌがテブリムに向かってくると、テブリムは口を開けて突進してきたイイネイヌに「ねんりき」を発動し、イイネイヌを宙に浮かせて振り回すと、最後にイイネイヌを思いっきり地面に叩きつけた。

 

 マシマシラ「マァァシッ‼︎」

 

 イイネイヌが倒れると、今度は「どくづき」を発動したマシマシラがニャローテに向かってきた。

 

 リコ「ニャローテ!『ふいうち!』」

 ニャローテ「ニャァァァロォォォッ‼︎」

 

 シュッ(蕾を投げる)

 パシッ(マシマシラを捕まえる)

 

 マシマシラ「マシッ!?」

 ニャローテ「ニャァァァ、ロォォォーーッ‼︎」

 

 バァァァァンッ!

 

 マシマシラ「マァァァシッ!?」

 

 マシマシラが毒に染まった右手をニャローテに突き刺そうとしてくると、ニャローテは胸の蕾を手に取り、それをマシマシラの右手に向かって投げ飛ばした。すると、蕾はマシマシラの右手に絡まり、マシマシラがそれに狼狽えていると、ニャローテはマシマシラを空中に放り投げた。そして、ニャローテは上空にジャンプすると、身動きが取れないマシマシラに強烈な蹴りをお見舞いした。

 

 キチキギス「キィィチッ‼︎」

 

 シンヤ「ピカチュウ!キチキギスに『10まんボルト!』」

 

 ピカチュウ「ピィカッ、チュゥゥゥッ‼︎」

 

 キチキギス「キィィィチッ!?」

 

 キチキギスは「つばさでうつ」を発動すると、ピカチュウに向かって真正面から突っ込んできた。しかし、そんな単調的な攻撃がシンヤとピカチュウに通じるわけもなく、ピカチュウの発動した「10まんボルト」を喰らったキチキギスは、イイネイヌとマシマシラが倒れている所に落ちていった。

 

 イイネイヌ「ヌンダッフ…」

 マシマシラ「マシッ…」

 キチキギス「キィチッ…」

 

 リコ「あっ」

 シンヤ「墓から復活しただけあって、流石にタフだな」

 

 効果抜群の技を喰らって倒れた、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体は、まだまだ戦えるという顔をしながら立ち上がると、再びピカチュウたちに向かってこようとした。

 

 スッ(Zパワーリングを取り出す)

 

 シンヤ「悪いが、お前たちとのバトルはこれで終わりにさせてもらう。ピカチュウ!」

 

 ビュン!(帽子を投げる)

 

 シンヤはズボンの右ポケットから、ピカチュウと同じギザギザの尻尾の形をしたクリスタルが嵌め込まれている《Zパワーリング》を取り出すと、それを左手首に装着した。そして、ジャケットの懐に手を入れると、リコのヘアピンと同じ形と色をした模様がついてる帽子を取り出し、それをピカチュウに向かって投げた。

 

 ピカチュウ「ピッカァッ!」

 

 シンヤが投げた帽子をピカチュウがタイミングよくジャンプして頭に被ると、シンヤは左手を前に向けて構えた。

 

 シンヤ「行くぜピカチュウ!俺とお前の全力技‼︎」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 シンヤがZパワーリングを構えると、Zパワーリングに嵌められている《サトピカZ》が輝きを放った。そして、シンヤが腕をクロスした後、ピカチュウとシンヤは右手でグータッチをした。そしてその後、シンヤは左手で、ピカチュウが尻尾でハイタッチをして、最後にシンヤとピカチュウがお互いに右手の拳を前に突き出すと、シンヤの纏っていたZパワーがピカチュウに流れていき、ピカチュウは体内でZパワーを高め始める。

 

 シンヤ「10まんボルトよりもデッカい100まんボルト‼︎」

 

 ピカチュウ「ピカッピィカッ!」

 

 シンヤ「いや、もっともっとデッカい!俺たちの超全力‼︎」

 

 ピカチュウ「ピカッビィカッ‼︎」

 

 シンヤ「ピカチュウ!《1000まんボルト》‼︎」

 ピカチュウ「ピッカァァッ‼︎」

 

 シンヤとピカチュウがZワザの1000まんボルトを発動させると、ともっこプラザの上空に黒い雨雲が発生した。そして、そこから雷が落ちてくると、ピカチュウは空に高くジャンプをして、背後から七色の巨大な電気玉を発生させた。

 

 ピカチュウ「ピッカッ!ピカピカピカピカピカ、ピッカビッカァァァーーーーッ‼︎」

 

 ビリビリビリッ‼︎ドッガァァァーーーン‼︎

 

 イイネイヌ「ヌンダッーーフッ!?」

 マシマシラ「マァァァーーシッ!?」

 キチキギス「キィィーーチッ!?」

 

 シンヤとピカチュウの全力のZ技である《1000まんボルト》が、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体に直撃すると、強烈な電撃を喰らった3体の周りで大爆発が発生した。そして、爆風で起きた煙が晴れると、シンヤたちの目の前には、目を回して倒れているイイネイヌたちがいた。

 

 イイネイヌ「ヌゥゥ…(@_@)」

 マシマシラ「マシィィィ…(@_@)」

 キチキギス「キチィィ…(@_@)」

 

 シンヤ「よし!」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リコ「…ねぇシンヤ」

 シンヤ「ん?」

 

 リコ「ずっと気になってたんだけど、シンヤのZパワーリングに付いてるクリスタルって、一体どこで手に入れたの?」

 

 シンヤ「《サトピカZ》のことか?これは、《アローラ地方》にある、ピカチュウの谷って所にいるピカチュウから貰ったんだ」

 

 リコ「野生のピカチュウから貰ったの?」

 シンヤ「ああ」

 

 リコ「そんなことってあるんだ…」

 

 シンヤ「ポケモンから物を貰うなんてよくあることさ。…さて、あと残っているのは…」

 

 チラッ(モモワロウを見る)

 

 モモワロウ「モモッ⁉︎」

 

 イイネイヌたちが倒れたのを確認すると、シンヤはモモワロウに視線を向けた。すると、モモワロウは辺りをキョロキョロと見回して、自分を助けてくれる者がいないか確認するが、周りに味方がいないことを悟ると、オーガポンたちの目の前に飛んできた。

 

 オーガポン「がお゛ぼう゛っ‼︎」

 

 シンヤ(こんなに怒ってるオーガポンの反応を見ると、よほどモモワロウが気に入らないことがわかるな)

 

 リコ「テブリム!『ねんりき!』」

 テブリム「テェェブッ…」

 

 モモワロウ「モモ、ワァーーイ!」

 

 ドォォォン!

 

 テブリム「テブリッ!?」

 リコ「あっ!テブリム!」

 

 テブリムが「ねんりき」を発動してモモワロウの動きを抑えようとすると、モモワロウが殻の中から飛び出し、テブリムに「どくどく」を発射した。

 

 テブリム「テェェブリッ…(@_@)」

 リコ「えっ?何でテブリムが混乱してるの?」

 

 シンヤ「…」

 

 「どくどく」は、相手をもうどく状態にして体力を奪うだけの技の筈。なのに、「どくどく」を喰らったテブリムが混乱状態になったので、シンヤは奇妙な違和感を覚えた。

 

 シンヤ(もしかして、モモワロウの特性は、どく状態になったポケモンを混乱状態にさせる特性なのか?だとしたら、リュウガやゼイユがあんな踊りをしていたのにも納得できるけど…)

 

 モモワロウ「モモワァーーイ‼︎」

 

 シンヤ(とりあえず、それは後で考えるか)…「リコ!一旦テブリムをボールに戻せ!」

 

 リコ「う、うん!」

 

 シュルルーン

 

 シンヤ「オーガポン、行くぞ!」

 

 オーガポン「ぽにおっ!」ダッ

 

 モモワロウ「モモワァーーイ‼︎」

 

 オーガポンは、羽織っている半纏の中から蔦を巻きつけた棍棒を取り出すと、モモワロウに向かってダッシュした。すると、モモワロウは殻の中から姿を現し、二つに割れた殻の中からマゼンタ色の2つの突起がある毒の鎖を出すと、それを振り回してオーガポンを攻撃してきた。しかし、オーガポンは素早い身のこなしで、モモワロウの攻撃を次々と避けていった。

 

 シンヤ「オーガポン!『ツタこんぼう!』」

 

 オーガポン「ぽにっ!ぽにおーーっ‼︎」

 

 モモワロウ「モモワァーーイ‼︎(涙)」

 

 リコ「えっ?モモワロウ、急に泣きだしちゃったけど?」

 

 シンヤ「ああ、あれは『うそなき』って技だ。けど、それをオーガポンにしたのは失敗だったな」

 

 リコ「えっ?」

 

 オーガポン「ぽにおーーーっ‼︎」

 

 ドォォォォン‼︎

 

 モモワロウ「モワァーーイ!?」

 

 オーガポンが棍棒を持って突撃してくると、モモワロウを両目から涙を流して「うそなき」をした。しかし、モモワロウの「うそなき」はオーガポンに通用せず、オーガポンは振り上げた棍棒を思いっきりモモワロウに振り下ろしてダメージを与えた。

 

 リコ「えっ?『うそなき』が通用してない。っていうか、今のオーガポンの攻撃の威力、少し上がってたような?」

 

 シンヤ「ああ。オーガポンの特性は《まけんき》だからな」

 

 リコ「まけんき?」

 

 シンヤ「相手に能力を下げられると、自分の攻撃が2段階上がる特性だ。オーガポンは攻撃が高いポケモンだから、まけんきの特性と相性がいいんだ」

 

 リコ「そ、そうなんだ。…けど、『うそなき』とはいえ、泣いてるモモワロウを、オーガポン、なんの躊躇なく殴り飛ばしたよね?」

 

 シンヤ「ああ。よっぽどモモワロウが嫌いなんだな…」

 

 モモワロウ「モモワァーーイ‼︎」

 

 シンヤ「おっ」

 オーガポン「ぽにっ?」

 

 オーガポンに殴り飛ばされたことで怒ったのか、突然モモワロウが大声を上げた。すると、突然モモワロウの体が光り輝き、浮遊しているモモワロウの下から無数の結晶石が出現すると、モモワロウは結晶石に身を包み込まれた。そして、モモワロウを包んでいた結晶石が弾け飛ぶと、そこには全身がクリスタル化し、ドクロの形をした王冠を頭に被るモモワロウが現れた。

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モモワーーーイッ‼︎」

 

 シンヤ「なっ!?」

 リコ「嘘!?」

 ピカチュウ「ピィカッ!?」

 オーガポン「ぽにっ!?」

 

 シンヤ「テラスタルしやがった!」

 

 モモワロウが独りでにテラスタルすると、その様子を見ていたシンヤとリコは、モモワロウがテラスタルしたことに驚いていた。しかし、以前ブライア先生に会いに鬼が山を登った時、野生のオトシドリがテラスタルしたところをシンヤは見たことがあるので、リコほど驚いてはいなかった。

 

 シンヤ「そっちがテラスタルするなら…」

 

 スチャ(テラスタルオーブを取り出す)

 

 シンヤ「こっちもテラスタルだ!」

 

 テラスタルにはテラスタルで対抗するため、シンヤはジャケットからテラスタルオーブを取り出した。

 

 シンヤ「いくぜ!」

 

 シンヤが取り出したテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが集まり始め、テラスタルオーブのエネルギーが満タンになると、シンヤはオーガポンの頭上にテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブがオーガポンの頭上でエネルギーを解放すると、オーガポンは結晶石に身を包み込んだ。そして、数秒後に結晶石が弾け飛ぶと、オーガポンが顔に被っている《みどりのめん》が、オーガポンの足だけを見えるように巨大化して宙に浮いていて、オーガポンと一緒にクリスタル化していた。

 

 (みどりのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおーーーーっ‼︎」

 

 リコ「あれ?前にスグリとのバトルで見たテラスタルと違う」

 

 シンヤ「ああ。あれは、かまどのめんを被ったオーガポンがテラスタルした姿だからな。このみどりのめんを被った状態でテラスタルしたオーガポンこそ、オーガポンの真の姿なんだ」

 

 (みどりのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおっ‼︎」

 

 シンヤ「みどりのめんを被ったオーガポンがテラスタルすれば、素早さが上がる。そこにオーガポンの元々の素早さをプラスすれば、オーガポンを捕えることはまず不可能だ。いけオーガポン!」

 

 (みどりのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおーーっ!」

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モワァーーイッ‼︎」

 

 テラスタルしたモモワロウの殻が再び二つに割れると、二つの殻の中から毒の鎖が出てきた。そして、モモワロウが毒の鎖を振り回して攻撃してきたので、ピカチュウ、ニャローテ、オーガポンの3人は、素早い身のこなしで攻撃をかわすと、そのままモモワロウに接近した。

 

 シンヤ「「ピカチュウ!『10まんボルト!』、オーガポンは『ツタこんぼう!』」

 

 リコ「ニャローテ!『アクロバット!』」

 

 ピカチュウ「ピィカッ、チュゥゥゥッ‼︎」

 (みどりのめんテラスタル)オーガポン「ぽにおーーっ!」

 ニャローテ「ニャァァッ、ロォォォッ‼︎」

 

 ドォォォォォン‼︎

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モモワァーーイッ!?」

 

 シンヤ「よし!」

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モワイッ、モモワァーーイッ‼︎」

 

 ピカァァァァン

 

 リコ「えっ!?」

 シンヤ「これは!」

 

 ピカチュウとニャローテとオーガポンの連携攻撃がモモワロウに命中すると、モモワロウは地面に倒れた。しかし、すぐに起き上がったモモワロウは宙に浮遊すると、突然大きな声を上げた。すると、モモワロウの体が輝き出し、ピカチュウたちが与えたダメージを回復した。

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モモワァーーイッ‼︎」

 

 シンヤ「あのモモワロウ、『じこさいせい』が使えるのか!?」

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モワィ、モモワーーイッ‼︎」

 

 バァァァァァァン!

 

 ピカチュウ「ピィカッ!?」

 ニャローテ「ニャァァッ!?」

 

 シンヤ「ピカチュウ!」

 リコ「ニャローテ!」

 

 『じこさいせい』を発動して体力を回復したモモワロウは、殻から出した毒の鎖を振り回してピカチュウたちを攻撃してきた。オーガポンはその攻撃を避けることができたが、ピカチュウとニャローテには毒の鎖が当たってしまった。すると、ピカチュウはどく状態になってしまい、ニャローテはどく状態にこそならなかったが、立ち上がれないほどの大ダメージを受けてしまう。

 

 ピカチュウ「ピィカッ…チュ…(@_@)」

 

 リコ「あれ?ピカチュウが混乱してる」

 

 シンヤ「なるほどな。やはりモモワロウの特性は、どく状態になったポケモンを混乱状態にするんだ。そう考えれば、モモワロウが発射した餅を食べた後のみんなの様子も納得がいく」

 

 リコ「だから、さっき『どくどく』を喰らったテブリムは混乱してたんだ!」

 

 シンヤ「ああ。『どくどく』は、相手をもうどく状態にするだけで、それ以外の効果はない。なのに、モモワロウの『どくどく』を喰らったテブリムは混乱していた。となれば、モモワロウの特性が、どく状態になったポケモンを混乱させるというものだというのが答えになる」

 

 リコ「なるほど…」

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モモワーーイッ‼︎」

 

 シンヤ「カラクリさえ分かれば、勝利の方程式はすぐに出来上がるぜ!オーガポン!『つるぎのまい!』」

 

 (碧の仮面テラスタル)オーガポン「ぽにっ!ぽにおーーっ!」

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モワィ!モモワーーイッ‼︎」

 

 シンヤ「いけオーガポン!トドメの『ツタこんぼう!』」

 

 (みどりのめんテラスタル)オーガポン「ぽにっ!ぽにおーーーっ!」

 

 バァァァァァァンッ‼︎

 

 (どくテラスタイプ)モモワロウ「モモワーーイッ!?」

 

 オーガポンは『つるぎのまい』を発動して攻撃を2段階上げると、モモワロウに向かって突撃した。すると、モモワロウはオーガポン返り討ちにしようとして、殻から出した毒の鎖を振り回して攻撃してきた。しかし、碧の仮面を被ってテラスタルしたオーガポンはスピードが上がっているため、モモワロウの攻撃は一回も当たらなかった。そして、オーガポンはモモワロウの真正面にやってくると、振り上げた棍棒を思いっきり振り下ろしてモモワロウをぶっ飛ばした。

 

 モモワロウ「モモ…ワィ…(@_@)」

 

 シンヤ「よし!」

 リコ「やったぁ!オーガポンが勝った!」

 ニャローテ「ニャァァッ!」

 

 オーガポンにぶっ飛ばされたモモワロウは、回転しながら近くに立っている木に叩きつけられると、そのまま地面に落ちてきて目を回していた。すると、モモワロウのテラスタル化も解除され、リュウガやロイたちの体から紫の靄が消えると、リュウガたちは元の状態に戻った。

 

 ゼイユ「キビ…キ…ビ……あれ?…スグ!シンヤ!?リコ!?何でアンタたちが一緒なの!?」

 

 スグリの祖父「確かワシら、キタカミセンターに居たと思うんじゃが…」

 

 スグリの祖母「どうしてともっこプラザに?」

 

 スグリ「ねーちゃん!じーちゃん!ばーちゃん!元に戻ったんだ!」

 

 シンヤ「とりあえず、一件落着だな」

 リコ「うん」

 

 マードック「キビ……ん?」

 オリオ「私たち、何で所にいるんだろ?」

 モリー「さぁ?」

 

 リュウガ「確か俺たち、モモワロウが発射した餅を食べた後に…あれ?その後どうしたんだっけ?」

 

 ミコ「思い出せない…」

 

 ロイ「僕とドットは、駄菓子屋に置いてあった餅を食べた後…あれ?」

 

 ドット「そこから先が思い出せない」

 

 フリード「お前ら、元に戻ったのか?」

 モリー「えっ?元に戻ったって?」

 

 ダイアナ「何も覚えてないのかい?」

 モリー「?何をですか?」

 

 シンイチ「どうやら、何も覚えてないみたいだな」

 N「そのようですね」

 

 どうやらリュウガたちは、モモワロウが作った紫色の餅を食べた後からのことを何も覚えていないようなので、スグリとゼイユの祖父と祖母がスイリョクタウンに戻ると、シンヤたちはモモワロウが現れてからの顛末を細かく説明した。

 

 リュウガ「じゃあ俺たちは、モモワロウに操られていて、ゼイユと同じ踊りを踊ってたのか!?」

 

 シンヤ「ああ」

 

 オリオ「フリード、本当なの?」

 フリード「お前ら、本当に覚えてないのか?」

 

 マードック「ああ。餅を食べてからの記憶がないんだ」

 シンヤ「これを見たら思い出すんじゃないか?」

 

 スッ(スマホロトムを取り出す)

 

 シンヤはそう言いながらスマホロトムを取り出すと、さっき録画しておいた動画をみんなに見せ始めた。その動画とは、みんながキビキビーーと言いながら踊っている動画だった。

 

 リュウガ・ミコ・ロイ・ドット・マードック・オリオ・モリー『『『『『『『キビキビーー‼︎』』』』』』』

 

 リュウガ「なっ!?」

 ミコ「ちょっ!?」

 ロイ「ええっ!?」

 ドット「なぁっ!?」

 

 マードック「ま、まじかよ…」

 

 オリオ「嘘でしょ!?私たち、こんな恥ずかしいことしてたの!?」

 

 モリー「シンヤ!何でこんな動画があるの!?」

 

 シンヤ「そりゃあ、さっきモモワロウとバトルする前に撮っておいたからに決まってるじゃん」

 

 リュウガ「何でこんなのを撮った!?」

 

 シンヤ「いやぁ〜、決定的瞬間だったものでw。それに、こんな踊りをしてるみんなの姿なんて滅多に見られないからなw」

 

 リコ「いつの間にそんな動画を撮ってたの?」

 シンヤ「フッw、俺は決定的瞬間を逃さないのさ」

 

 ミコ「その動画をすぐに消しなさい‼︎///」

 

 シンヤ「や〜だよ。散々俺を揶揄った罰だ。当分はこれで楽しませてもらうぜ」

 

 ミコ「アンタ性格悪いわよ!」

 

 シンヤ「何とでも言え。あっ、ネットに配信するってのもアリだな」

 

 ミコ「そんなことしたら、本気でぶっ飛ばすわよ‼︎」

 リコ「シンヤ、みんな嫌がってるんだし、その動画を消した方がいいよ」

 

 シンヤ「リコ、本当にこの動画を消していいのか?」

 リコ「えっ?どういうこと?」

 

 シンヤ「考えてみろ。この踊りをドットがしているということは、ぐるみんがこの踊りをしていると言ってもいいんだぞ」

 

 リコ「えっ?ぐるみんが?」

 

 シンヤ「そうだ。想像してみろ。この踊りをぐるみんがしているところを」

 

 リコ「えっ?ぐるみんが…」

 

 ぽわわーん(想像する)

 

 ぐるみん『キビキビーー‼︎』

 

 リコ「…か、可愛いかも」

 ドット「リコを操作するな!」

 

 リコ「シンヤ、その動画、後で私のスマホロトムに送って」

 

 ドット「リコォォォ‼︎」

 

 リコ「じょ、冗談だよ…」

 ミコ「リコ、それは冗談に聞こえないから」

 

 シンヤ「まぁ、動画を消す消さないは、後で決めるとして…」

 

 あんな踊りをしている所を見られるのがよほど恥ずかしいのか、リュウガたちは動画を消すようシンヤに強く言ってきた。しかし、今は動画を消すことより先に、片付けておかなければいけないことが一つある。

 

 モモワロウ「モモワイッ…」

 イイネイヌ「ヌゥゥッ…」

 マシマシラ「マシィィィッ…」

 キチキギス「キチィィッ…」

 

 シンヤ「モモワロウとともっこたちをどうするか、みんなで話し合わないとな」

 

 本来であれば、紫色の餅を作り、それをキタカミの里にいる人たちやリュウガたちに食べさせたモモワロウだけが罪に問われるが、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体は、モモワロウと協力してキタカミの里をパニックに陥れたので、モモワロウと同じような罪に問われるだろう。

 

 それに、あれだけの騒ぎを起こしたのだから、もうするなよという言葉をかけて逃すわけにはいかないので、シンヤのポケモンたちがモモワロウたちを囲んでどこにも逃げられないようにしていると、シンヤたちはモモワロウたちをどうするか話し合っていた。

 

 シンヤ「なぁリュウガ、ナナカマド博士から調査してほしいって頼まれたポケモンってさ、やっぱり…」

 

 リュウガ「ああ、このモモワロウのことだ」

 シンヤ(だよね〜)

 

 リコ「えっ!?ナナカマド博士から調べてほしいって頼まれたポケモンって、モモワロウのことだったの!?」

 

 ミコ「うん。博士が手に入れた情報で、モモワロウがこのキタカミの里にいるって分かってね」

 

 リコ「そうだったんだ…」

 

 シンヤ「モモワロウの詳しい情報はないのか?」

 

 リュウガ「爺さんのとこにモモワロウを送れば、タイプや技や特性ぐらいなら分かると思うけど」

 

 シンヤ「そうか…」

 

 シンヤの思った通り、ナナカマド博士がリュウガに調査をお願いしたポケモンは、このモモワロウだった。しかし、あんな騒ぎを起こしたポケモンをゲットして、そのままナナカマド博士に送れば、その後どうなるのかが簡単に予想できてしまうため、シンヤとリュウガとミコの3人は、いくらナナカマドの博士の頼みとはいえ、モモワロウをゲットするべきか悩んでいた。

 

 ゼイユ「アンタ!よくもこの私を操ってくれたわね!」

 モモワロウ「モモッ…」

 

 オーガポン「ぽにおぉぉっ!」

 モモワロウ「モワィ!?」

 

 シンヤ「ッ!オーガポン!ストップ!」

 

 ゼイユとオーガポンがモモワロウに詰め寄ると、モモワロウは本当に泣きそうな顔をしてしまう。しかし、オーガポンはそんなことなどお構いなしに、取り出した棍棒でモモワロウを殴ろうとした。すると、シンヤは慌ててオーガポンとモモワロウの間に入った。

 

 シンヤ「オーガポン、それはやりすぎだ。もう勝負はついたんだから、棍棒はしまうんだ」

 

 オーガポン「ぽ、ぽにおっ…」

 

 モモワロウ「…モモヮァーーィ」

 

 シンヤにそう言われると、オーガポンは棍棒を羽織っている半纏の中にしまった。すると、モモワロウがシンヤと同じ目線にまで浮かび上がり、そのままシンヤに近づいてきた。

 

 オーガポン「ぽにおっ!」

 シンヤ「待てオーガポン」

 

 オーガポン「ぽにっ?」

 

 モモワロウがシンヤの近くにやってくると、モモワロウが何かするつもりだと思ったオーガポンは、シンヤを守ろうと棍棒を取り出した。しかし、シンヤに待てと言われて止められると、オーガポンはその場から動かずジッとしていた。

 

 シンヤ「モモワロウ、どうした?」

 モモワロウ「モワィ、モモ、モモワァーーイ!」

 

 N「えっ?」

 

 シンヤ「ん?…ああ、そっか。お前はポケモンの言葉が分かるから、モモワロウが何を言ってるのか分かるよな?」

 

 N「ああ」

 リコ「Nさん、モモワロウは何て言ってるんですか?」

 

 N「…シンヤと一緒に居たいと言っている」

 リコ「……えっ?」

 

 リュウガ「シンヤと一緒に居たいって…」

 ミコ「それって…」

 

 ダイアナ「シンヤにゲットしてほしいということだろうね」

 

 シンヤ「えっ?」

 モモワロウ「モモワーーイ!」

 

 ダイアナ・N以外の全員「「「ええ〜〜〜っ!?」」」

 

 Nがモモワロウの言葉を通訳し、モモワロウがシンヤに何と言ったのか説明すると、シンヤたちは驚きの声を上げた。

 

 シンヤ「俺と一緒に居たいって、何で?」

 

 リコ「もしかして、さっきオーガポンから助けてもらったから、シンヤを気に入ったんじゃないかな?」

 

 シンヤ「ええっ!?そんなことで?」

 リュウガ「お前って、ホント変なのに好かれるよな」

 

 ミコ「それで、どうするの?モモワロウをゲットするの?」

 

 シンヤ「いや、ゲットするなら、お前かリュウガの方がいいだろ。俺がモモワロウをゲットしようとしたら…」

 

 チラッ(オーガポンを見る)

 

 オーガポン「ぽにっ?」

 

 いつものシンヤなら、新種のポケモンであるモモワロウをゲットしたいと言い出しただろう。しかし、人を操るという不思議な能力を持っていることに加えて、さっきモモワロウがしたことを考えると、シンヤはモモワロウをゲットする気にはなれなかった。

 

 シンヤ「…なぁモモワロウ、何でお前は、イイネイヌたちと一緒に、オーガポンの仮面を奪おうとしたんだ?」

 

 モモワロウ「モモ?」

 

 フリード(仮面を奪おうとした?)

 

 シンヤ「お前はイイネイヌたちと行動を共にしていた。ということは、やっぱりお前もともっこの一体ってことだし、前にスグリのお祖父さんが話してくれた、オーガポンの過去にも関係あるってことだろう?」

 

 モモワロウ「モワィ…」

 

 モモワロウに対するオーガポンの反応を見た限り、モモワロウもイイネイヌたちともっこのように、オーガポンと何らかの繋がりがあると、シンヤはそう考えていた、しかし、スグリの祖父から聞いた話でシンヤが知っているのは、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体が、今オーガポンが顔に被っているみどりのめん以外の3つの面を奪い、後にオーガポンに倒されたというところまでなので、モモワロウとオーガポンの関係を詳しく知らないのだ。

 

 シンヤ「理由を話さないって言うなら、お前の処分は、キタカミの里にいる人たちに決めてもらうことにするよ」

 

 モモワロウ「…モワィ」

 シンヤ「えっ?」

 

 モモワロウ「モワイ、モモワーーイ」

 

 シンヤ「…N、悪いんだけど、モモワロウの言葉を通訳してもらっていいか?」

 

 N「ああ。モモワロウは、じぃじとばぁばに喜んでもらうためだと言っているよ」

 

 シンヤ「じぃじとばぁば?」

 リュウガ「誰だそれ?」

 

 フリード「…なぁシンヤ」

 シンヤ「ん?」

 

 フリード「モモワロウやイイネイヌたちが、一緒にオーガポンの仮面を奪おうとしたってどういうことだ?」

 

 シンヤ「ああ、そのことか」

 

 シンヤは、リコたちがパルデア地方でテラスタル研修を受けている時に、このキタカミの里で古くから伝わっている昔話、鬼にまつわる伝承の話をリコだけに話したことがあった。だから、リコはオーガポンとともっこの関係や、オーガポンがこのキタカミの里でどんな目に遭ったのかを知っている。しかしフリードたちは、オーガポンの過去を何にも知らないので、シンヤはフリードたちに、オーガポンがともっこたちにどういう目に遭わされたのかを説明した。

 

 フリード「…そうだったのか」

 オリオ「酷い話だね」

 

 ロイ「オーガポンに、そんなに辛い過去があったんだ…」

 

 シンヤ「ああ。しかし、モモワロウの言うじぃじとばぁばって誰なんだろ?」

 

 リュウガ「ディアルガに頼んでどうにかできないのか?」

 

 シンヤ「ディアルガに?」

 

 リュウガ「ディアルガは時を操るポケモンだろ。その力で過去に行って、モモワロウの過去を見てくるとか?」

 

 シンヤ「ああ!そっか!その手があった!」

 リコ「えっ?あの、過去に行くってどういうこと?」

 

 ミコ「ディアルガの時を操る力を使えばね、過去や未来にも行くことができるの」

 

 リコ「えぇっ!?」

 ロイ「そんなことができるの!?」

 シンヤ「それが、時を司るディアルガの力だからな」

 

 リュウガ「だけど、間違ってもモモワロウたちに手を出すなよ。タイムパラドックスが起きるからな」

 

 シンヤ「わ、分かってるよ…」

 

 ディアルガの力を使って過去に行くことは出来るが、そこで過去を変えたりでもしたら、タイムパラドックスが発生し、未来が大きく変わってめちゃくちゃになってしまう可能性があるので、リュウガはシンヤに、過去に行っても何もするなと釘を刺した。

 

 ポーーン

 

 ディアルガ「ディアァァッ‼︎」

 

 シンヤ「おっ、ディアルガ」

 

 シンヤがディアルガをボールから出そうとすると、シンヤのベルトに付いているスーパーボールが勝手に開き、中からディアルガが現れた。

 

 ディアルガ『お前たちの話、ボールの中から聞かせてもらった』

 

 ゼイユ「えっ!?」

 

 スグリ「今の声って…もしかして、ディアルガの声!?」

 

 リュウガ「ああ。シンヤのディアルガは、人と話せるテレパシーっていう能力を持っているんだ」

 

 ゼイユ「嘘!?」

 スグリ「わやじゃ…」

 

 シンヤ「なら話が早いな。じゃあ早速…」

 

 ディアルガ『いや、過去に行かなくても、モモワロウの過去を知ることは出来る』

 

 シンヤ「えっ?そんなことが出来るのか?」

 ディアルガ『ああ』

 

 リュウガ「でも、過去に行かずに、どうやってモモワロウの過去を知るんだ?」

 

 ディアルガ『知るというより、見ると言う方が正しいな』

 

 シンヤ「?どういうことだ?」

 

 ディアルガ『簡単に言えば、モモワロウの記憶の中を見るんだ』

 

 N以外の全員「「「ええっ!?」」」

 

 オリオ「記憶の中を見るって…」

 モリー「そんなことが出来るの?」

 

 ディアルガ『時を操ることが出来たリュウセイの血筋でもあるシンヤなら、私の力を使って、モモワロウの記憶の中を見せることが出来る』

 

 シンヤ「害とかないんだろうな?」

 ディアルガ『問題ない』

 

 シンヤ「…どうすれば、モモワロウの記憶を見られる?」

 

 ディアルガ『簡単なことだ。まずモモワロウを、私が時の力を混ぜて作ったバリアの中に包み込む。あとは、お前がそのバリアに手をかざせば、私がお前をモモワロウの記憶の中に直接送り込んでやる』

 

 シンヤ「それって、めちゃくちゃ危なくないか?」

 

 ディアルガ『お前の意識だけを送るんだ。肉体はここに残る』

 

 フリード「つまり、幽体離脱みたいなものか?」

 

 ディアルガ『まぁ、そんなものだな。意識だけを送るから、体も透明になるし、一切怪我などしないから安心しろ』

 

 シンヤ「なら、早く始めようぜ」

 

 オーガポンとモモワロウに何があったか知ることが出来るなら、わざわざ過去に行く必要はないし、過去に行ってタイムパラドックスなどが起きる問題を考えると、モモワロウの記憶の中に直接意識を送ってもらう方が安全なため、シンヤは早速モモワロウの記憶の中に向かう準備をした。

 

 シンヤ「じゃあ、少しモモワロウの記憶の中に行ってくるから、俺の体を頼むな」

 

 リコ「う、うん…」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 シンヤ「ディアルガ、始めてくれ」

 ディアルガ『よし、じゃあいくぞ』

 

 ピカァァァァァン!

 

 モモワロウ「モワィ!?」

 

 シンヤ「モモワロウ、おとなしくしてろ」

 モモワロウ「モモッ…」

 

 モモワロウの記憶の中に入る準備が出来ると、ディアルガは藍色のバリアを作り出してモモワロウを包み込み、バリアに包み込まれたモモワロウにシンヤが手をかざすと、ディアルガの胸部にある青いダイヤモンドのような宝珠が光り始めた。すると、シンヤの意識は肉体を離れ、モモワロウの記憶の中に向かった。

 

 シンヤ「…」

 リコ「…シンヤ?」

 

 ドット「動かなくなっちゃった…」

 フリード「恐らく、モモワロウの中に入ったんだ」

 

 リコ「…」

 

 

 モモワロウ記憶の中

 

 シンヤ「ここが…モモワロウの記憶の中か…」

 

 ディアルガの力を借りてモモワロウの記憶の中にやってきたシンヤは、モモワロウの記憶の中にある、オーガポンと出会った頃の記憶を探していた。

 

 シンヤ「ん?あれは何だ?」

 

 宙に浮かびながらモモワロウの記憶の中を飛んでいると、モモワロウがお爺さんとお婆さんと一緒に笑っている記憶を見つけたシンヤは、その記憶の中に飛び込んだ。そして、その記憶の中を進んでいくと、周りが草木に囲まれている小さな家を見つけた。

 

 モモワロウ「モモワァーーイ!」

 お婆さん「おやおや、今日もげんきだねぇ」

 お爺さん「そうじゃな」

 

 シンヤが家の前にやってくると、家の中からモモワロウが現れ、モモワロウに続いて、昔話に登場するような老夫婦が出てきた。

 

 シンヤ「もしかして、モモワロウの言ってたじぃじとばぁばって、この人たちのことか?」

 

 グウウウウ~〜(老夫婦の腹の虫の音)

 

 お爺さん「お腹が空いたのう…」

 

 お婆さん「まだ何も食べてないですからね」

 

 お爺さん「そうじゃ!こんな時は、この子が作ってくれたお餅を食べよう!」

 

 シンヤ「ッ!餅って、まさか…」

 

 モモワロウが作った餅と聞いたシンヤは、何か嫌な予感がするのを感じ取り、家の中に戻ったモモワロウたちの後を追うと、しばらくモモワロウたちを監視していた。

 

 パカッ(殻が割れる)

 

 モモワロウ「モモワーーイ‼︎」

 

 バババッ(餅を射出する)

 

 シンヤ「あっ!」

 

 パクッ…モグモグッ(餅を食べる)

 

 お爺さん「やっぱり、この子が作った餅は絶品じゃ!」

 お婆さん「ええ、頬が落ちるほど美味しいわ!」

 

 モモワロウは殻の中から姿を現すと、殻の中から紫色の餅を大きな皿の上にたくさん射出した。すると、老夫婦はモモワロウが射出した餅を両手でパクパク食べ始めた。

 

 シンヤ「マジかよ…」

 

 モモワロウが殻の中から射出した餅を食べればどうなるか分かっているシンヤは、餅を食べた老夫婦がどうなるかを見ていた。しかし、どれだけ経っても、老夫婦は踊り出そうとしなかった。だが、紫色の餅を食べた後の老夫婦の目が、スグリの祖父に紫色の餅を食べさせようとしていたスグリの祖母と同じだったので、シンヤは何かあるはずだと思っていた。

 

 それからシンヤがモモワロウたちの生活を観察していると、モモワロウと一緒に暮らしている老夫婦が、あれも欲しいこれも欲しいと様々な物を欲する欲深い人間になってしまい、モモワロウに物を強請るようになった。2人に愛されたいモモワロウは、老夫婦の望みを叶えるために、体の毒を丸めて作った餅をポケモンたちに食べさせて手懐けると、手懐けたポケモンたちに、2人が望んだ物を次の日に家まで届けさせた。そんな変わり映えしない生活に老夫婦が飽きてきた頃、老夫婦はどこで話を聞いて知ったのか、キタカミの里にある世にも珍しい輝くお面を欲した。モモワロウはその願いを叶えてやろうと、早速キタカミの地に向かう事にした。しかし、1人でキタカミの地に向かうのが心細いモモワロウは、毒の力で飼いならしたイイネイヌを家来にして村を出発した。

 

 しかし、家来一匹では心もとないと思ったモモワロウは、キタカミの里を目指す道中、少し先の未来が見えるマシマシラに出会うと、マシマシラを家来にしておかない手はないと考え、マシマシラを家来にした。それでも不安だったモモワロウは、魅惑のフェロモンで心を奪うキチキギスも家来に加えると、ようやく安心した。そして、キタカミの里に向かう準備が整ったモモワロウは、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの3体と共に、野を越え、山を越え、ラプラスやイダイトウに乗って海を越えると、長い旅の果てに、遂にキタカミの里に辿り着いた。もちろん、シンヤはその様子をバッチリ見ていた。

 

 シンヤ「なるほど。これがきっかけで、オーガポンとモモワロウは出会うことになるのか」

 

 これから後に起きることは、以前スグリの祖父から聞いたから知ってはいるが、今シンヤは幽体なので手出しができず、仮に手出しが出来たとしても、過去を変えればタイムパラドックスが発生するため、今のシンヤには見ていることしかできなかった。

 

 

 キタカミの里に辿り着いたモモワロウたちは、その日の夕方、祭りで賑わう群衆の中を観察していた。すると、一際輝くお面を身に着けたオーガポンと男を見つけたモモワロウは、これはチャンスだと思い、マシマシラにオーガポンと男の後をつけさせて2人の住処を見つけると、夜にお面を盗むことに決めたのだった。そして夜になると、オーガポンと男が居ぬ間に、イイネイヌとキチキギスにお面を盗みに向かわせた。イイネイヌとキチキギスがオーガポンと男の住処に入ると、大切に飾られている4つのお面を見つけたので、それを手に取ったイイネイヌとキチキギスは、早速モモワロウとマシマシラの元に戻ろうとした。…その時、オーガポンと一緒に住んでいる男が住処に帰ってきた。お面を奪おうとしているイイネイヌとキチキギスを見た男は、4つのお面を取り返そうとイイネイヌとキチキギスに飛びかかった。しかし、男の力はイイネイヌとキチキギスに及ばず、逆に2人にねじ伏せられてしまい、みどりのめんしか取り返すことができなかった。イイネイヌとキチキギスは、男が身を挺して守ったみどりのめんは諦め、残った3つのお面を拾うと、急いでモモワロウとマシマシラの元に戻った。

 

 こうして、老夫婦の望み通り、光り輝く3つのお面を手に入れたモモワロウは、これでもっと老夫婦に可愛がってもらえると無邪気に喜んでいた。……しかし、そう思っているのも束の間、大切なパートナーを奪われ、お面も盗まれたことで怒り狂ったオーガポンが、すぐそこまで迫ってきた。すると、モモワロウはすぐさま家来の三匹を前に立たせた。そして、キチキギスのフェロモンで気を引き、少し先の未来が見えるマシマシラの力で攻撃を読み、イイネイヌの剛腕でオーガポンを仕留めようとした。だが、鬼気迫るオーガポンの戦いぶりに、3匹の家来達は為す術もなく倒されてしまった。迫るオーガポンに震えているモモワロウは、すぐに自分の運命を悟った。仮面も、仲間も、幸せも、何もかも全て失ってしまったと。そして、オーガポンの『ツタこんぼう』を受けて吹き飛ばされたモモワロウは、薄れていく意識の中、最後の力を振り絞って殻に閉じこもると、森のどこかへコロコロと転がっていき、老夫婦の願いを叶えるために、いつか復活する時を待つのだった。

 

 シンヤ「…そうか。これが、スグリとゼイユのお爺さんが言っていた、オーガポンとともっこの昔話の真実だったんだ」

 

 ピカァァァン!

 

 パチッ(目を開ける)

 

 シンヤ「おっ」

 リコ「あっ、シンヤ」

 

 シンヤ「リコ、ピカチュウ。…そうか。俺、戻ってきたのか」

 

 リコ「うん、大丈夫?」

 シンヤ「ああ、問題ない」

 

 リュウガ「それで、モモワロウのこと、何か分かったか?」

 

 シンヤ「ああ」

 

 モモワロウの記憶の中から自分の肉体に戻ったシンヤは、さっきモモワロウの記憶の中で見た全てのことをリコたちに説明した。

 

 リュウガ「…そうか」

 

 ミコ「モモワロウがオーガポンのお面を奪おうとしたのには、そんな理由があったんだ」

 

 シンヤ「ああ」

 

 スグリ・ゼイユ「「…」」

 

 リュウガ「…それで、モモワロウたちをどうする?」

 シンヤ「…」

 

 チラッ(モモワロウを見る)

 

 モモワロウ「モワィ?」

 

 何故オーガポンがモモワロウに声を荒げていたのか分からなかったが、モモワロウの記憶の中を見たシンヤは、オーガポンがモモワロウに怒りを露わにしている理由に納得し、モモワロウをゲットするべきか悩んだ。モモワロウがオーガポンのお面を奪おうとした理由が、一緒に暮らしていた老夫婦のためだったとしても、モモワロウのしたことが許される訳ではないし、モモワロウのしたことで、オーガポンは大切な人を失っている。だからこそ、たとえナナカマド博士からの依頼だとしても、オーガポンの気持ちを考えれば、軽はずみにモモワロウをゲットしたいなどと言い出せなかった。…しかししばらくすると、急にシンヤはモモワロウの目の前に移動した。

 

 シンヤ「…モモワロウ、一つ約束してくれるか?」

 モモワロウ「モモッ?」

 

 シンヤ「俺のポケモンになる代わりに、お前が作った紫色の餅を、勝手に人やポケモンに食べさせないって」

 

 オーガポン「ぽにっ⁉︎」

 

 シンヤ「それが約束できるなら、一緒に来ても構わないぞ」

 

 モモワロウ「モモォォッ!」

 

 リコ「シ、シンヤ!?」

 ドット「まさか、モモワロウをゲットする気!?」

 

 シンヤ「ああ、そうすることに決めた」

 

 N以外の全員「「「ええっ!?」」」

 

 リュウガ「おい、本当にいいのか?」

 

 ミコ「モモワロウがシンヤのポケモンになったら、オーガポンが…」

 

 シンヤ「だから俺がゲットするんだ」

 ミコ「えっ?」

 

 シンヤ「モモワロウを放っておけば、またさっきと同じことが起きる可能性がある。それにどの道、モモワロウをキタカミの里に残して置くわけにはいかないだろ?」

 

 リュウガ「それは、そうだけどよ…」

 

 シンヤ「それにさ、モモワロウの力は、今後エクスプローラーズと戦う時に役立つかもしれない」

 

 フリード「毒をもって毒を制すってことか?」

 シンヤ「そういうこと」

 

 オーガポン「ぽにおぉっ…」

 

 シンヤ「オーガポン。お前がモモワロウを気に入らない理由は、さっきモモワロウの記憶の中を見てきたから分かってる。だから、別にモモワロウと仲良くしろとは言わない。ただ、お前と同じようなヤツを増やさないためにも、モモワロウをゲットすることを許してくれないか?」

 

 オーガポン「…ぽにおっ」

 

 シンヤにそう言われると、オーガポンは戸惑っていた。オーガポンとしては、シンヤにモモワロウをゲットしてほしくはないのだが、シンヤの言う通り、モモワロウをキタカミの里に残しておけば、またさっきと同じことが起きかねないし、今度は取り返しがつかない事態になる可能性もある。なら、自分がモモワロウを見張っておき、モモワロウが変な気を起こすつもりだということがわかれば、シンヤに相談した後で、自分がモモワロウを倒せばいいと、オーガポンはそう考えた。

 

 オーガポン「ぽにおっ!」

 N「分かったと言っているよ」

 

 シンヤ「そうかw。オーガポン、ありがとな」

 リコ「でも、イイネイヌたちはどうするの?」

 

 シンヤ「ああ〜、俺がモモワロウをゲットするなら、ついでにゲットしようかと思ったけど、どうしよう?」

 

 リュウガ「じゃあ、イイネイヌとマシマシラは、俺がゲットしてもいいか?」

 

 シンヤ「えっ?イイネイヌとマシマシラを?」

 

 リュウガ「ちょうど、どくタイプの強いポケモンをゲットしたいと思ってたんだ。どうせそいつらも、モモワロウと同じで、キタカミの里に残して置くわけにはいかないんだろ?だったら、俺がゲットしても何の問題もないだろ?」

 

 シンヤ「それはそうだけど、キチキギスは?」

 

 ミコ「アンタとリュウガがいらないなら、私がキチキギスをゲットしてもいい?」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 ミコ「1人だけ残すなんて可哀想でしょ?だったら私がゲットする」

 

 シンヤ「…スグリ、ゼイユ、いいかな?」

 スグリ「えっ?」

 

 ゼイユ「別に私たちに許可を取らなくていいわよ。アンタたちがゲットしたいなら、モモワロウたちをゲットしたら?」

 

 シンヤ「そっか」

 リュウガ「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

 シンヤ「イイネイヌ、マシマシラ、キチキギス」

 

 イイネイヌ「ヌッ?」

 マシマシラ「マシッ?」

 キチキギス「キチッ?」

 

 シンヤ「モモワロウは俺と一緒に行くことになったけど、お前たちがリュウガとミコと一緒に行くか、それともこのキタカミの里に残るのか、それはお前たち一人一人の意思で決めろ」

 

 イイネイヌ「…」

 マシマシラ「…」

 キチキギス「…」

 

 シンヤにそう言われたイイネイヌたちは、リュウガとミコに付いて行くかどうかしばらく考えたが、このキタカミの里には自分たちの居場所がないため、自分を必要としてくれているリュウガやミコと一緒に行く方がマシだと思ったので、イイネイヌとマシマシラはリュウガの近くに、キチキギスはミコの近くにやってきた。

 

 シンヤ「決まったみたいだな」

 リュウガ「じゃ…」

 ミコ「早速…」

 

 スッ(モンスターボールを取り出す)

 

 シンヤたちはモンスターボールを取り出すと、モモワロウ、イイネイヌ、マシマシラ、キチキギスの4体に向かってモンスターボールを投げた。すると、モモワロウたちはモンスターボールに吸い込まれ、地面に落ちたボールが3回揺れると、最後にポンッという音が鳴った。

 

 シンヤ「モモワロウ…ゲット」

 

 今回は事情が事情なため、新種のポケモンであるモモワロウをゲットしても、シンヤは素直に喜べなかったようだ。

 

 フリード「さて、これでシンヤたちの目的も果たしたことになるから、明日にはキタカミの里を出て、次の冒険に出発するぞ!」

 

 スグリ「えっ?明日?」

 ゼイユ「もっといればいいのに…」

 

 シンヤ「そうしたいのは山々だけど、俺たちはラクアを目指してる途中だからな」

 

 シンヤたちがこのキタカミの里に来た目的は、ブライア先生に会うのと、ミコが見たバサギリが六英雄かどうかを確かめるためと、ナナカマド博士から頼まれたモモワロウの調査をするためだ。その目的を達成した以上、もうキタカミの里に留まる理由はないので、ブレイブアサギ号で冒険を再会するのが当然の流れになるだろう。

 

 スグリ・ゼイユ「「…」」

 

 シンヤ「そんなしょげた顔をするなよ。会おうと思えば、いつでも会えるんだから」

 

 ゼイユ「…そうね」

 スグリ「…シンヤ」

 

 シンヤ「ん?」

 

 スグリ「本当にありがとう。キタカミの里が無事だったのは、シンヤのお陰だ」

 

 シンヤ「いや、俺1人で戦った訳じゃない。みんなで戦ったから、キタカミの里を守れたんだ」

 

 スグリ「そっか。…今日のシンヤを見てたら、俺、もう一度がんばってみようって思った。だから近いうちに、ブルーベリー学園に戻るよ」

 

 シンヤ「…そっか、頑張れよ」

 スグリ「うん!」

 

 ダイアナ「じゃあ、私も明日の朝に出発するよ」

 

 シンヤ「えっ?」

 リコ「おばあちゃん、一緒に来ないの?」

 

 ダイアナ「ああ、私のペンダントを巡る物語はここまで。この先は、リコとシンヤとライジングボルテッカーズのみんなに任せるよ」

 

 シンヤ「でも、あと少しでラクアに行けるんですよ?ダイアナさん、あんなにラクアに行きたがってたのに」

 

 ダイアナ「いいんだ。ルシアスとリスタルがお爺ちゃんとお婆ちゃんだって最高の話に辿り着けた。私はそれだけで満足してるからね」

 

 リコ「あの、おばあちゃんはそのこと…」

 

 ダイアナ「もちろん知らなかったよ。私の母レイラは、早くに母を亡くしたと言っていた。だから私は、てらす池でリスタルと会うまで、祖母がリスタルだってことさえ知らなかったんだ」

 

 リコ「そうだったんだ」

 

 ダイアナ「私はこれからも気の向くままに冒険を続けるけど、何かあれば、すぐにウインディと駆けつけるからね」

 

 リコ「うん!」

 

 シンイチ「じゃあ、俺も明日の朝には出発するわ」

 シンヤ「父さんも行くのか?」

 

 シンイチ「ああ。お前の顔も見れたし、久しぶりにヴィヴィアンに会いたくなったからな。当分はシンオウでのんびりするつもりだ」

 

 シンヤ「そっか。…ボーマンダ、父さんをよろしくな」

 ボーマンダ「ボォォォマッ!」

 

 シンイチ「ライジングボルテッカーズの皆さん。シンヤのこと、よろしくお願いします」

 

 フリード「はい」

 

 ドット「…ねぇ、さっきから腕と足が悲鳴を上げてるから、そろそろ船に戻りたいんだけど」

 

 ミコ「私も」

 

 どうやら、あのキビキビダンスは思ってたより腕と足にくるようで、ドットとミコは筋肉痛になり、早くブレイブアサギ号に戻って休みたがっていた。しかし、さっきからドタバタして気づかなかったが、もう午後の10時を過ぎているため、午後9時に出る最終便のバスがなくなってしまっていた。ライドポケモンに乗って船に戻ることも出来るが、シンヤたちのポケモンはさっきのバトルで疲れているので、ポケモンたちを休ませるために、シンヤたちは公民館で一泊するのだった。

 

 ブレイブアサギ号

 

 スグリ「シンヤ!ピカチュウ!みんな!元気でね!」

 シンヤ「ああ、スグリも元気でな」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 ロイ「今度会った時は、僕ともバトルしてね!」

 スグリ「うん!」

 

 次の日の朝。シンヤたちはブレイブアサギ号に戻ると、見送りにやってきてくれたスグリたちに別れの挨拶をしていた。

 

 ゼイユ「シンヤ…絶対にまた来なさいよ!」

 シンヤ「ああw。またな、ゼイユ」

 

 ゼイユ「う、うん///」

 リコ「む〜〜」

 

 ゼイユが顔を赤くしながらシンヤと話をしていると、リコは軽く左頬を膨らませながらシンヤとゼイユを見ていた。シンヤがゼイユのことを異性として意識してないことは分かっているが、今シンヤを見ているゼイユの顔を見ると、ゼイユがシンヤのことを異性として意識しているのではないかと考えさせられるので、リコは少し複雑な気持ちになっていた。

 

 ダイアナ「フフッ、アンタがそんな顔をするのを初めて見たよ」

 

 リコ「えっ?」

 

 ダイアナ「よっぽどシンヤに惚れてるんだねw」

 リコ「う、うん///」

 

 すでにリコは、依存していると言ってもいいほどシンヤに惚れこんでいるため、誰にもシンヤを渡す気などないようだ。

 

 スタッスタッ(リュウガとミコがリコの所に歩いてくる)

 

 ミコ「リコなら、もっといい人と付き合えるのに」

 

 リュウガ「ああ。シンヤじゃリコに釣り合ってないと思うぜ」

 

 リコ「…前にミコにも言われたけど、どうしてシンヤが私に釣り合ってないの?どっちかって言うと、私がシンヤに釣り合ってないんじゃ?」

 

 ミコ「何言ってるの?リコみたいな美少女と、シンヤみたいな冴えない男じゃ全然リコに釣り合ってないよ」

 

 ダイアナ「そうかい?確かにリコは可愛いけど、シンヤだっていい男じゃないか?それに、年頃の割には結構大人びてる。きっと、同年代からかなりモテてたんじゃないかい?」

 

 リュウガ「そうですね。アイツ、結構モテる方でしたよ」

 リコ「やっぱりそうなんだ」

 

 リュウガ「ああ、特に年上…」

 シンヤ「おい、いらんことをペラペラ喋るな」

 

 ミコ「何?聞いてたの?」

 

 シンヤ「俺は地獄耳なんでな。ってか、何でお前たちがここにいるんだよ?モモワロウの調査の件は、昨日ナナカマド博士に報告したんだろ?だったら、もう一緒に来なくてもいいだろ?」

 

 リュウガ「あれ?言ってなかったか?」

 シンヤ「何を?」

 

 ミコ「私とリュウガも、ラクアを目指す冒険に同行するのよ」

 

 リコ「ええっ!?」

 シンヤ「はぁ!?」

 

 リュウガ「そんな驚かなくてもいいだろ」

 シンヤ「何でお前らが一緒に来るんだよ!?」

 

 リュウガ「お前が先祖と同じ末路を辿らないように、見張っておくためだよ」

 

 シンヤ「何だよそれ。大体、フリードたちに許可を取ったのか?」

 

 ミコ「ええ。昨日寝る前に、フリードさんたちに話をつけておいたわ」

 

 リュウガ「ということだから、しばらくの間よろしくな」

 

 リコ「う、うん」

 シンヤ(マジかよ…)

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 リュウガとミコが一緒に来ることに驚いたシンヤだったが、今後のエクスプローラーズとの戦いを考えると、リュウガやミコが一緒に来てくれた方がプラスになると考えたので、まぁいっかと心の中で一人納得するのだった。

 

 シンヤ「ところでフリード、これからどうするつもりだ?」

 

 フリード「いろいろ考えたんだが、《エンテイ》を探そうと思う」

 

 シンヤ「それって、六英雄のエンテイだよな?」

 

 フリード「ああ。実は、エンテイのことを知っているヤツに心当たりがあってな」

 

 シンヤ「そうなのか?」

 フリード「ああ。さて、そろそろ出発するぞ!」

 

 ダイアナ「シンヤ、リコのこと、またよろしく頼むよ」

 シンヤ「はい!」

 

 シンイチ「リコちゃん。俺は家にいるか分からないけど、良ければ、いつかシンオウ地方に遊びに来てくれ」

 

 リコ「はい!シンイチさんもお元気で」

 

 シンヤたちライジングボルテッカーズのメンバー全員がブレイブアサギ号へ乗り込むと、飛行船のエンジンがかかり出し、ブレイブアサギ号はゆっくり空へ向かって飛び始めた。そして、シンヤたちは船の甲板に移動すると、手を振って見送りをしてくれているダイアナたちに手を振りながら、最後の六英雄のエンテイを探す冒険の旅に出発するのだった。

 

 

 To be continued

 

 次回予告

 

 最後の六英雄のエンテイを見つけるために、キタカミの里を出発したシンヤたちは、エンテイの手がかりを知っているかもしれない、元ライジングボルテッカーズのメンバーの《ソーダヨ》に会うことになったのだが、モリーはソーダヨに会うのを嫌がっていた。

 

 次回「どっちがホント?ソーナノとソーダヨ!」

 





 マシュマーさん、星9評価ありがとうございます。

 モモワロウと出会ったことで、シンヤは全てのポケモンに出会ったことになります。
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