ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり   作:通りすがりのポケモントレーナー

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 元ライジングボルテッカーズのメンバーであり、ポケモンジャーナリストの《ソーダヨ》から、ジョウト地方の《アサギシティ》でエンテイを目撃した人がいるという情報を手に入れたシンヤたちは、エンテイを見つけるためにアサギシティにやってきた。


第87話『知られざる、ランドウの過去!』

 

 ジョウト地方・アサギシティ

 

 リュウガ「久しぶりに来たぜ!ジョウト地方に!」

 

 シンヤ「朝から元気だな、お前は」

 ピカチュウ「ピッカッ」

 

 

 ブレイブアサギ号がアサギシティの港に到着すると、船を降りたシンヤたちは、誰がエンテイの情報を集めるのか、誰がブレイブアサギ号に残るのかを決めようとしたのだが、船に残るのはマードックとNに決まった。

 

 

 なぜこの2人に決まったのかというと、せっかくアサギシティに来たのだから、アサギシティに伝わるちらし寿司作りに挑戦するとマードックが言い出したので、夜ご飯のちらし寿司を作るためにマードックは船に残ったのだ。Nが船に残ることになった理由は、船にいるポケモンたちともっと話したいからということだった。Nがブレイブアサギ号に乗ってからまだそんなに日は経ってないが、Nはポケモンと話せるため、ブレイブアサギ号に乗っているパモたちとすぐに仲良くなり、最近はよく一緒にいることが多くなった。だから、マードックとNの2人が留守番をすることになり、2人以外のメンバー全員がエンテイの情報を集めることになったのだ。

 

 

 アサギシティ・港

 

 

 フリード「よし、これからエンテイの情報を少しでも集めるぞ!」

 

 フリード以外の全員「「「おおっ!」」」

 

 シンヤ「じゃあ俺は、これから《ミカン》さんの所に行ってエンテイのことを聞いてくるよ」

 

 ロイ「ミカンさんって誰?」

 

 シンヤ「はがねタイプの使い手で、このアサギシティのジムリーダーだよ」

 

 

 シンヤはジョウト地方を旅した時に、この街のジムリーダーであるミカンとジム戦をして、6個目のジムバッジとなる《スチールバッジ》をゲットしたのでミカンとは顔見知りなのだ。それに、エンテイがこのアサギシティで目撃されたとソーダヨから聞いた時、このアサギシティのジムリーダーでもあるミカンならエンテイが目撃された場所を知っているのではないかと思ったので、アサギシティに来たらすぐにミカンの元に行こうとシンヤは考えていたのだ。…しかし、ここで一つの問題が起こる。

 

 

 リコ「そのミカンさんって、女の人だよね?(T_T)」

 

 

 リコはミカンと会ったことはないが、ミカンという名前から、ミカンが女性だと察したようだ。

 

 

 シンヤ「ぅっ、そうだけど…リコ、頼むから、俺の知り合いの女性と会った時や、知り合いの女の人の名前を出した時に、そういう疑いの目を向けるのはやめてくれ」

 

 

 いつものことだが、リコはシンヤの知り合いの女性の存在を知るたびに、シンヤとその女性の関係を疑ってヤキモチを焼くところがある。それだけなら別にいいのだが、その度に鋭い目をしたリコに睨まれるため、シンヤは背筋が凍る思いをしていた。

 

 

 ミコ「でもシンヤ、今のはミカンさんの名前を出したアンタが悪いわよ」

 

 シンヤ「いや、ミカンさんはこの街のジムリーダーだから、この街については誰よりも詳しいはずだろ?だったら、このアサギシティのどこかで目撃されたエンテイの情報を持っててもおかしくないって思っただけだよ」

 

 ミコ「…まぁ、そう言われてみれば、確かにそうよね」

 

 シンヤ「そ、そうだろ」

 

 

 別に言い訳しているつもりはないが、シンヤは最もらしいことを言ってリコとミコを納得させようとしていた。

 

 

 ミコ「だったら、私とリュウガがミカンさんにエンテイのことを聞いてくるわ。それだったら、アンタが行く必要がないし、リコも文句ないでしょ?」

 

 リコ「えっ?…う、うん」

 

 シンヤ「まぁ、リコに変な疑いをかけられたくないし、それで納得してくれるなら」

 

 

 今ここで自分が行くと言い出せば、せっかく収まったリコの怒りをぶり返しかねないので、シンヤは空気を読んで黙っていた。…まぁ、ただエンテイのことを聞くだけだから、誰がミカンの所に行っても変わらないのだが。

 

 

 しかし、せっかくジョウト地方に来たので、ミカンに挨拶をしておきたかったと、シンヤは心の中でそう囁いた。

 

 

 ランドウ「あの子がエンテイの居場所を知っておればいいがの」

 

 シンヤ「あの子?じっちゃん、ミカンさんのことを知ってるか?」

 

 ランドウ「ああ、お主たちには話しておらんかったな。ワシはこの街の出身なんじゃよ」

 

 シンヤ・リコ・リュウガ・ミコ・ロイ・ドット「「「「「「ええっ!?」」」」」」

 

 シンヤ「じっちゃんって、ジョウト地方の出身だったのか⁉︎」

 

 ランドウ「そうじゃよ」

 

 リコ「あっ、そういえば、ランドウのじっちゃんの船って、アサギ号って名前だったよね?もしかして…」

 

 ランドウ「アサギシティのアサギから取ったのじゃよ」

 

 リコ「やっぱり」

 

 

 以前フリードがライジングボルテッカーズを結成した話をしてくれた時、ランドウの船の名前がアサギ号ということを知ったが、まさかそれがランドウの故郷のアサギシティから取ったものだとは気づかなかったので、ランドウがジョウト地方の出身者だったことも含めて、フリードたち大人を除いたシンヤたちは、その意外な二つの事実に思わず面食らってしまう。

 

 

 リュウガ「じゃあランドウのじっちゃんは、ミカンさんとは昔からの知り合いなのか?」

 

 ランドウ「ああ、よぉーく知っとるよ。ジムリーダーになる前のあの子が、かなりのお転婆娘だったということまでな」

 

 シンヤ「お転婆娘!?あの清楚なミカンさんが!?」

 

 ランドウ「今のあの子の見た目からは想像できんかもしれんが、小さい頃のあの子は、清楚という言葉とはかけ離れておったのじゃよ」

 

 シンヤ「そ、そうなんだ…」

 

 

 自分はジムリーダーのミカンしか知らないが、ランドウは小さい頃のミカンを知っているのだから、おそらくランドウの言っていることは本当なのだろうと、シンヤは心の中でそう思うのだった。

 

 

 フリード「じゃあ、リュウガとミコはアサギジムに行って、じっちゃんは、リコやシンヤたちと一緒に行ってくれ。俺とオリオとモリーは、他の場所でエンテイの情報を集めるから」

 

 ランドウ「うむ」

 

 リュウガ「じゃあ、またあとでな」

 

 シンヤ「ああ」

 

 

 フリードがオリオとモリーを連れてエンテイの情報を集めに向かうと、リュウガとミコはアサギジムに向かったので、シンヤたちはエンテイの情報を集めるためにアサギシティの街中に向かった。

 

 

 アサギシティ・街中

 

 

 シンヤ「前に来た時とあまり変わってないな」

 ピカチュウ「ピィカッ」

 

 

 フリードやリュウガたちと別れたあと、シンヤたちはランドウに案内されて、アサギシティの街中にやってきた。街には人やポケモンがたくさんいて、みんな楽しそうにしていた。

 

 

 ロイ「ねぇじっちゃん、アサギシティの名物って何?」

 

 ドット「ロイ、ここに来たのはエンテイの情報を集めるためなんだぞ」

 

 シンヤ「まぁいいじゃねえか。初めて訪れた場所で、そこの名物料理を食べるのも旅の醍醐味だし、せっかくわざわざアサギシティに来たんだから、エンテイの情報を集める前に少し観光していこうぜ」

 

 ロイ「やった〜!」

 

 ランドウ「そういえば、その角を曲がった所に、おいしいかき氷屋さんがあったはずじゃ」

 

 ロイ「かき氷!」ダッ!

 

 ドット「あっ、ロイ!」

 

 シンヤ「ロイもアチゲータに負けないほどの食いしん坊だからな」

 

 リコ「アハハッ…」

 

 

 食べ物のこととなると、ロイもアチゲータ並みに食い意地が張るところがあるので、さすがアチゲータのトレーナーと言わざるを得ないと、シンヤとリコはそう思うのだった。

 

 

 シンヤ「あっ…」

 ドット「これは…」

 

 

 シンヤたちが道を曲がると、先にかき氷屋さんに向かったロイがお店の前で立ち尽くしていたので、シンヤたちはロイが見ているお店の前にやってきた。そこにあったのはかき氷屋さんではなく、スマホロトムを販売しているお店だった。

 

 

 シンヤ「どうやら、かき氷屋さんはスマホロトムショップになっちまったみたいだな」

 

 ロイ「そんな〜」

 

 ランドウ「そうじゃ。確かこの先に、おいしいお団子のお店があったはずじゃ」

 

 

 ・・・

 

 

 ランドウ「…」

 

 リコ「駐車場になってるね…」

 

 

 かき氷を食べられなかったシンヤたちは、ランドウの言うおいしいお団子のある店に向かったが、そこにあったのは駐車場で、ランドウの言うお団子のお店はなかった。

 

 

 ランドウ「ここら辺は随分と変わってしまったのう。おっ、空き地だった場所にパン屋さんができておる。あそこはコインランドリーだったのに、ミルクスタンドになっておるな!」

 

 シンヤ「故郷が自分のいた頃と違ってたから、少し悲しんでるかと思ったけど…」

 

 リコ「うん。じっちゃん、なんか楽しそうだね」

 

 

 それからシンヤたちは、ランドウと一緒にアサギシティの色んな所を見て回り、立ち寄った全ての場所でエンテイのことを聞いたが、誰もエンテイを見た人はいなかった。ただ、この街の出身であるランドウは、自分が住んでいた頃にはなかった色んな建物やお店を見て回ることができたので、とても嬉しそうだった。

 

 

 アサギシティ・浜辺

 

 

 シンヤ「1人ぐらい、エンテイを見た人がいると思ったんだけどな…」

 

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 

 

 かなり長く街中を歩き回って疲れたので、シンヤたちは海岸の近くにやってくると、そこに座って少し休憩をしていた。

 

 

 ランドウ「そう慌てることもない。このアサギシティのどこかにエンテイがいるというのは確かなんじゃから、ゆっくり情報を集めよう」

 

 シンヤ「そりゃあそうだけど、のんびりしてたら、他のヤツにエンテイをゲットされるかもしれないし」

 

 リコ「確かに…」

 

 

 ソーダヨが教えてくれた情報によれば、このアサギシティでエンテイを見たという目撃者の話を聞きつけて、エンテイをゲットしようとしているトレーナーたちが、各地方から続々とこのアサギシティに集まってきているらしい。エンテイは伝説のポケモンだから、仲間にしたいという気持ちはわかる。しかし、シンヤたちがエンテイを探すのは、エンテイがルシアスの六英雄だからという理由がある。だから、誰よりも早くエンテイに会う必要があるのだ。

 

 

 ランドウ「果報はカビゴンと寝て待てと言うじゃろ。…街は随分と変わってしまったが、ここから見る海の景色は変わっておらんのう」

 

 リコ「どうしてじっちゃんは、この街を出たの?」

 

 ランドウ「まだ見たことのない世界を見るため、会ったことのないポケモンに会うためじゃよ」

 

 リコ「えっ?」

 

 ランドウ「この海の先には、ワシが見たことのない世界や、ワシの知らないポケモンがいる。そう思ったら、世界を冒険をしてみたくなっての」

 

 リコ「そうだったんだ」

 

 ランドウ「お主たちもそうじゃろ?」

 

 リコ「うん!」

 シンヤ「ああ」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 この世界には、まだまだ誰も行ったことのない世界や、まだまだたくさんのポケモンがいる。それを見たいというランドウの気持ちは、リコやシンヤも同じ気持ちだ。だからこそ、ポケモントレーナーは幾つになってもこの世界を冒険するのだ。

 

 

 ドット「ねぇ、あの人にエンテイのことを聞いてみない?」

 

 シンヤ「えっ?」

 

 

 自分たちが座っている場所の目の前に船着場があるのを見つけたドットは、そこで船を掃除をしている1人のお爺さんを見つけたので、そのお爺さんからエンテイのことを聞いてみないかと提案した。

 

 

 シンヤ「そうだな。せっかくだから聞いてみるか」

 

 

 ほとんどの人にエンテイのことを聞いて回ったが、誰もエンテイの情報を持っていなかったのであまり期待はできないが、どこからエンテイの情報を手に入れられるかわからないので、シンヤたちはお爺さんからエンテイのことを聞くことにした。

 

 

 アサギシティ・船着場

 

 

 ロイ「あの、すみませ〜ん!」

 

 お爺さん「あ〜〜、いかん!もう始まる時間じゃ〜!」ダッ!

 

 

 シンヤたちは船着場にやってくると、エンテイのことを聞くためにお爺さんに声をかけた。しかし、お爺さんはロイに声をかけられたことに気づかず、全速力で建物の中に走って行ってしまう。

 

 

 シンヤ「…えっ?」

 

 リコ「どうしたんだろう?」

 

 

 咄嗟のことだったので、シンヤたちは頭の理解が追いつかず、我に返るまでその場に立ち尽くしていた。すると、シンヤたちの近くに1体のポケモンが歩いてきた。

 

 

 ウパー「ウパッウパッ」

 

 シンヤ「ぉっ、ウパーだ」

 

 ドット「さっきのお爺さんのポケモンかな?」

 

 リコ「あれ?前にパルデアで見たウパーと姿が違う」

 

 シンヤ「そっか、リコはパルデアの姿のウパーは見たことあるけど、普通のウパーを見るのは初めてだったな」

 

 リコ「普通のウパー?」

 

 シンヤ「そっ。六英雄のオリーヴァに会う前に俺たちが出会ったウパーは、パルデア地方の環境に適応して《リージョンフォーム》となったパルデアの姿のウパーなんだ。だけど、このウパーは普通の姿のウパーだから、パルデアの姿のウパーとはまた違うポケモンなんだ」

 

 リコ「そうなんだ」

 

 シンヤ「ちなみに、パルデアの姿のウパーが進化すると、前にリコが戦ったチリさんのドオーに進化して、このウパーが進化すると、ランドウのじっちゃんが持ってるヌオーに進化するんだ」

 

 リコ「へぇ〜、同じポケモンなのに、リージョンフォームになるだけで進化するポケモンが違うんだ」

 

 シンヤ「それがポケモンの奥深さの一つだ」

 

 

 きゃぁぁぁぁっ‼︎(悲鳴)

 

 

 シンヤ・リコ・ロイ・ドット「「「「えっ!?」」」」

 

 ピカチュウ「ピカッ!?」

 

 リコ「い、今の、女の人の声だよね!?」

 ロイ「な、何かあったのかな!?」

 ドット「ど、どうしよう!?」

 

 シンヤ「行くっきゃねぇだろ!」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 シンヤがリコに目の前のウパーとパルデアの姿のウパーの違いを教えていると、お爺さんが入って行った建物の中から女性の大きな叫び声が聞こえてきたので、なにか事件が起きたのかと思ったシンヤは、ピカチュウと一緒に建物の中に入って行った。それに続いて、リコたちも建物の中に入っていた。そこでシンヤたちが見たのは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 TV『な、何かいるわ‼︎』

 

 

 シンヤ「…はっ?」

 ピカチュウ「ピィカッ?」

 リコ「えっ?」

 

 お爺さん「おおっ、ちょうど始まったとこじゃたか」

 

 シンヤ・リコ・ロイ・ドット「「「「だぁっ⁉︎」」」」(シンヤたちがコケる)

 

 ピカチュウ「ピィカッ⁉︎」

 

 シンヤ「テレビかよ‼︎」

 ドット「紛らわしいな…」

 

 

 どうやら、さっきシンヤたちが聞いた女性の叫び声の正体は、お爺さんが見ているテレビの中の俳優の声だったようだ。今テレビのシーンは、二人組の男女が浜辺に敷いてあるビーチマットの上で休憩をしていると、海の中にいる何かが水飛沫を上げながら浜辺に向かって接近しているところで、それに気づいた女性が慌てた様子で横にいる男性を呼んでいるシーンだった。

 

 

 女性の叫び声が聞こえてきた時はなにか事件が起きたかと思ったので、さっき聞いた女性の叫び声がテレビに出ている俳優の声だとわかると、リコたちは内心ホッとしていた。

 

 

 シンヤ「しかし、これは何の映画なんだ?」

 

 お爺さん「ん?アンタ、《ギンジロウ》の映画を知らんのか?」

 

 シンヤ「ギンジロウ?」

 リコ「誰なんですか?」

 

 お爺さん「ギンジロウはな、このアサギシティで生まれたスーパースターなんじゃよ。ほれ、ちょうどギンジロウが出てくるシーンじゃ!」

 

 

 お爺さんがそう言ってテレビを指差すと、海に身を潜めて浜辺にいる二人の男女に接近していた何かが、大きな口を開けて海の中から姿を現した。

 

 

 サメハダー『サァァァメッ‼︎』

 

 

 海の中から現れたのは、きょうぼうポケモンの《サメハダー》だった。海の中から飛び出てきたサメハダーが浜辺にいる二人の男女に襲い掛かろうとしたその時、白いスーツを着て髭を生やしている一人の男がビッグウェーブサーフィンをしながら登場した。

 

 

 ギンジロウ『ギンギラギンギン!ギンジロウ!』

 

 シンヤ(あれ?この人って…)

 

 チラッ(ランドウを見る)

 

 ランドウ「ん?」

 

 お爺さん「これはな、ギンジロウの記念すべき1作目の作品、《海の男ギンジロウVSサメハダー!》なんじゃ!」

 

 シンヤ「VSサメハダーって…」

 

 リコ「もしかして、これってサメハダーと戦う映画なんですか⁉︎」

 

 お爺さん「あぁ、昔はこの近くに映画の撮影所があって、そこで数々の映画が作られてな。その中でも一番人気があったのが、ギンジロウの《VSサメハダー》シリーズなんじゃよ!」

 

 ランドウ「懐かしいの〜」

 

 リコ「えっ?じっちゃん、この映画を知ってるの?」

 

 ランドウ「ああ。この映画は、まだワシが若い頃に上映されたものなんじゃよ」

 

 ロイ「そうなんだ」

 

 

 この映画は、まだシンヤたちが生まれる前にできたものだから、シンヤたちのような若い世代には知られていないかもしれないが、お爺さんやランドウのような世代の人々が若かった頃には、とても人気があった作品だったらしい。

 

 

 お爺さんの話では、《海の男ギンジロウVSサメハダー!》から続いて、《海の男ギンジロウVSサメハダー2》、《海の男ギンジロウVSサメハダー3》というのが映画化されたらしく、路線変更した数々の《VSサメハダー》シリーズが世に生み出されたようだ。しかし、《死霊の大運動会VSサメハダー》を最後に、ギンジロウは銀幕から姿を消したそうだ。

 

 

 お爺さん「突然のギンさんの引退には、本当に悲しんだ。もう、ギンさんのVSサメハダーシリーズを見られなくなってしまったんじゃからの。ワシは《ヌオー》を相棒にしているギンさんに憧れとってな、それでウパーを相棒に選び、いつかギンさんがこのアサギシティに戻ってくるまで、この海を守ることに決めたんじゃ」

 

 シンヤ「へぇ〜、ギンジロウさん、ヌオーとサメハダーのトレーナーなのか」

 

 チラッ(ランドウを見る)

 

 ランドウ「ん?」

 

 

 ギンジロウがヌオーとサメハダーをゲットしていて、ランドウもヌオーとサメハダーをゲットしている。なにより、ギンジロウとランドウの髪型が似ていることから、ギンジロウの正体はランドウなのではないかとシンヤは思い始めた。すると、映画のポスターが貼ってあるファイルを捲っているドットがあることに気づく。

 

 

 ドット「あれ?」

 リコ「どうしたの?」

 

 ドット「いや、この映画のポスターには全部サメハダーが写ってるけど、ヌオーが写ってる写真が1枚もないって思って」

 

 お爺さん「よう気づいたな。確かに、ヌオーはどのVSサメハダーシリーズの映画には出ておらん。しかし、VSサメハダーの映画には、ヌオーの存在は絶対に欠かせないんじゃ。なぁ…えっと…」

 

 

 お爺さんはランドウの名前を言おうとしたが、ランドウの名前を知らないため言葉を詰まらせてしまう。

 

 

 ランドウ「挨拶が遅れて申し訳ない。ワシはランドウじゃ」

 

 シンヤ「俺はシンヤです」

 リコ「私はリコです」

 ロイ「僕はロイ!」

 ドット「ドット」

 

 マモル「ワシは、この海を守っとる、釣り船屋の店長の《マモル》じゃ。よろしくな」

 

 

 シンヤたちとマモルが互いに自己紹介すると、マモルはシンヤたちを連れて船着場にやってきた。すると、VSサメハダーの映画にヌオーの存在が欠かせない理由をシンヤたちに話し始めた。

 

 

 アサギシティ・船着場

 

 

 マモル「ギンさんは、よくここでVSサメハダーシリーズの撮影をしとった。じゃが、毎回いい波が来るわけじゃないから、その時はヌオーが『なみのり』を使ってギンさんを支えてくれたんじゃ」

 

 シンヤ「そうか。ヌオーは『なみのり』が使えるから、いつでも好きな時に波を発生させることができる」

 

 マモル「そういうことじゃ」

 

 ロイ「やっぱり!ギンジロウさんが《マイティG》なんだ!」

 

 ロイ以外の全員「「「えっ?」」」

 

 

 スマホロトムを見ていたロイが大きな声でそう言うと、みんなの視線がロイに集まる。

 

 

 リコ「ロイ、ギンジロウさんがマイティGってどういうこと?」

 

 ロイ「ほら、これを見てよ。前にマイティGとイルカマンに会った時に撮った時の写真。マイティGのしてるポーズとギンジロウさんのしてるポーズ、そっくりでしょ!」

 

 

 ロイはそう言いながら、前にハッコウシティ近くの海に遊びにきた時に撮った、イルカマンやマイティGが一緒に写っている写真をリコたちに見せた。

 

 

 ドット「ホントだ!」

 

 リコ「マイティGさん、若い頃に役者をやってたんだ!」

 

 マモル「う〜ん……いや、これはギンさんやないな」

 

 ロイ「えっ?絶対ギンさんですよ!ギンギラギンしてるじゃないですか!」

 

 マモル「全然ギンギラギンしとらん!それに、永遠のスーパーヒーローギンジロウはな、年なんか取らんのじゃ!」

 

 

 マモルがそう言うと、どんな人間でも生きてる限り年は取るでしょうとシンヤは言いたくなったが、憧れの人が年を取る現実を見たくないマモルのために口をチャックした。

 

 

 ロイ「よく見てください!」

 

 マモル「フンッ」プイッ(マモルが顔をそらす)

 

 

 ギンジロウがマイティGだとマモルが認めないので、ロイはスマホロトムをタブレットタイプに拡大させると、写真に写っているマイティGをマモルに見せようとした。しかし、マモルが顔をスマホロトムからそらすので、ロイはもう一度スマホロトムをマモルに見せようとした。すると、マモルはその度に顔をそらし、ロイが何度もスマホロトムをマモルに見せようとしているので、端から見ているにはなかなか面白い光景になっていた。

 

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 シンヤ『じっちゃん』

 ランドウ『ん?なんじゃ?』

 

 シンヤ『マモルさんに、じっちゃんがギンジロウってことと、マイティGってことを言わなくていいのか?あの人、じっちゃんのファンなのに』

 

 ランドウ『やはり気づいておったか。彼がファンなのは、ギンジロウの時のワシじゃ。しかし、ワシはもうギンジロウではない。それに、彼の憧れがこんな爺さんになっとると知れば、大切なファンを悲しませることになる。じゃからシンヤよ。このことは、お前さんの胸の中にしまっといてくれんか?』

 

 シンヤ『じっちゃんがそれでいいなら、俺は別にいいよ。俺がどうこう言う問題でもないし』

 

 ランドウ『すまんな』

 

 シンヤ『しかし、じっちゃんの過去には驚かされるよ。映画の役者に、マイティG、それに船の操縦士としての腕』

 

 ランドウ『ほっほっw』

 

 シンヤ『どうしてじっちゃんが船を持ってたのか、その理由がずっと気になってたんだけど、役者をやってたなら、船を買える金があるのも当然だな』

 

 ランドウ『もう昔のことじゃよ』

 

 

 出会った時から、ランドウが只者ではないとシンヤは思っていたが、誰もが想像できるはずもないランドウのスペシャルな過去を聞くと、シンヤも驚きを隠せなかった。……それから数分間、ロイはマモルに何度もマイティGが写っている写真を見せようとしたが、顔を横にそらすマモルと違ってずっと動き続けていたため、マモルより先に体力が無くなって息切れを起こすと、ギンジロウがマイティGだと納得させることを諦めた。

 

 

 マモル「今日はいい天気じゃのう!そうじゃ!せっかくだから、ワシの船で《聖地》に行かんか?」

 

 リコ「聖地?」

 

 シンヤ「映画の撮影が行われた場所のことだよ。そこを訪れることを『聖地巡礼』というから、聖地に行くってことなんだ」

 

 リコ「なるほど」

 

 マモル「ちなみに、今から行く《うずまき島》が、ギンジロウの《VSサメハダー》シリーズの最初のロケ地でもあるんじゃ」

 

 シンヤ「えっ?うずまき島が聖地なんですか?」

 

 マモル「そうじゃよ」

 

 ロイ「僕、うずまき島に行ってみたい!」

 

 ドット「僕も!」

 

 リコ「私も!シンヤも一緒に行こうよ!」

 

 シンヤ「えっ?…あ、ああ、そうだな。じっちゃんもいいか?」

 

 ランドウ「うむ」

 

 シンヤ「じゃあマモルさん、うずまき島までお願いします」

 

 マモル「よっしゃ!なら、すぐに船を出すぞ!」

 

 

 船の上

 

 

 マモル「見えてきた!あそこがうずまき島じゃ!」

 

 ロイ「あそこが!」

 リコ「うずまき島!」

 

 

 マモルの船に乗ってから数分後、シンヤたちはうずまき島が見える近くにやってきた。うずまき島は、4つの主島と小さな島々から形を成しており、島の周辺がいつもうずしおに囲まれているため、余程うずまき島に詳しい人でもない限り、地元の人でも滅多に近づくことはなかった。しかし、マモルは何度もこの場所を訪れたことがあるようで、うずしおに巻き込まれないよう船を操縦していた。

 

 

 リコ「すごい!」

 ロイ「迫力あるな!」

 ドット「これは映えるぞ!」

 

 シンヤ「お前ら楽しそうだな」

 ピカチュウ「ピィカッチュ」

 

 

 船の目の前にうずしおがあるというのに、恐怖より好奇心が勝ったリコたちは、滅多に見ることができないうずしおを船の上から眺めて楽しんでいた。…しかし、この時シンヤたちはまだ気づいていなかった。うずまき島に向かっているマモルの船の後ろから、三つの影が追ってきているということを。

 

 

 ???「トドォォッ」

 ???「アァァメッ」

 ???「ドォォクッ」

 

 

 シンヤたちがうずまき島に向かっている頃、ブレイブアサギ号では…

 

 

 ブレイブアサギ号・船内

 

 

 マードック「シャリタツ!どこに行った〜!寿司桶を返してくれ!」

 

 

 ちらし寿司を作るための食材をキッチンに並べたマードックは、炊飯器で炊いた米を寿司桶に入れて酢飯を作ろうとしたのだが、シャリタツたちが寿司桶をおもちゃにして遊び始めてしまったので、シャリタツたちから寿司桶を取り返そうとブレイブアサギ号の中を走り回った。しかし、思った以上にシャリタツたちがすばしっこかったため、なかなか捕まえられずにいた。

 

 イワンコ「ワンワン!」

 マードック「おっ、見つけたのか!」

 

 

 イワンコが鳴き声を上げた所に向かうと、そこには寿司桶の中でグッタリしている3体のシャリタツたちがいた。しかし、3体のシャリタツたちは倒れたふりをしていただけで、自分たちを心配していたマードックたちの隙をつくと、寿司桶を転がしながら甲板にやってきた。…だが、そこでシャリタツたちにトラブルが起きる。

 

 

 ドボンッ(海に落ちる)

 

 タッタッタッ(マードックが甲板に走ってくる)

 

 マードック「シャリタツ!あれ?どこに行った?」

 

 

 寿司桶を転がしながら甲板にやってきたシャリタツたちは、そのまま海に落ちてしまった。その直後に、シャリタツたちの後を追ってきたマードックが甲板にやってきたのだが、シャリタツたちが海に落ちたことに気づかず、寿司桶の代わりに酢飯を作れる道具を探すため、イワンコと一緒にキッチンに戻って行った。

 

 

 ヌオー「ヌォォォッ…」

 

 

 マードックとシャリタツたちは気づいていなかったようだが、実はさっきから、ランドウのヌオーが船の甲板で釣りをしていて、シャリタツたちが海に落ちるところを見ていたのだ。寿司桶に入ったシャリタツたちが流れに乗ってどんどん遠くに行くのを見ていたヌオーは、さすがにこのままではまずいと判断すると、船から飛び降りてシャリタツたちを追いかけ始めた。

 

 

 うずまき島

 

 

 シンヤ「ここに来るのも久しぶりだな…」

 ピカチュウ「ピィカッ…」

 

 シンヤ「ちょうど半年前だったな、アイツとバトルしたのは…」

 

 

 マモルの船に乗ってシンヤたちがやってきたうずまき島は、4つの小島の中で何もない島で、うずまき島にやってきたリコたちが聖地巡礼をしている頃、シンヤはリコたちから少し離れた所でピカチュウと一緒に海を眺めていた。リコたちは知らないが、半年前にジョウト地方を旅していたシンヤはここに来たことがあり、ここであるポケモンと戦ったことがあるのだ。

 

 

 シンヤがそのポケモンと戦っていた時のことを考えていると、背後からシンヤの独り言を聞いていた人物がシンヤに声をかけてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 リコ「アイツって誰のこと?」

 

 シンヤ「うわっ!?」

 ピカチュウ「ピィカッ!?」

 

 リコ「そんなに驚かなくても」

 

 

 背後からシンヤに声をかけてきた人物の正体はリコだった。どうやらリコは、いつの間にかいなくなっていたシンヤを捜しにここまでやって来たようだ。

 

 

 シンヤ「リコ⁉︎いつの間にそこにいたんだ⁉︎」

 

 リコ「今だけど。それより、アイツって誰のこと?」

 

 シンヤ「あ、いや…何でもないよ」

 

 リコ「むぅ〜…」プクッ(頬を膨らませる)

 

 

 シンヤの独り言を聞いていたリコは、シンヤが何を言っていたのか聞いたが、シンヤが何も教えてくれないので左頬を膨らませて不機嫌になっていた。

 

 

 ニャローテ「ニャァァッ!」

 

 リコ「えっ?ニャローテ、どうしたの?」

 

 ニャローテ「ニャァァロォッ!」

 

 リコ「あっ!」

 

 シンヤ「あれは!」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 突然ニャローテが大きな声を出して海の方を指差すと、シンヤたちは海の方を確認した。するとそこには、寿司桶に乗ってうずしおの中を回っている3体のシャリタツがいた。しかし、シャリタツたちはうずしおの中を回っているということなど気にしておらず、どこか楽しんでいるような顔をしていた。

 

 

 ドット「シャリタツ⁉︎」

 

 ロイ「何でうずまき島に⁉︎」

 

 シンヤ「それを考えるのはあとだ。先にシャリタツたちを助けないと!」

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 ランドウ『ワシが行ってくるから、シンヤたちはここにいてくれ』

 

 シンヤ「え…わかった。気をつけ…」

 

 

 ザバァーーンッ‼︎

 

 

 シンヤ「ッ!」

 

 

 ランドウはシャリタツたちを助けに行くために、近くの岩場に身を隠してマイティGになろうとした。するとその瞬間、近くの海の水が水柱を作るように高く噴き出し、噴き出した水の中から3体のポケモンが出てきて、そのままシンヤたちのいるうずまき島に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アメモース「アァァメッ‼︎」

 トドゼルガ「トドォォォォッ‼︎」

 ドククラゲ「ドォォォクッ‼︎」

 

 

 リコ「えっ⁉︎」

 ロイ「な、なに⁉︎」

 

 

 シンヤたちの目の前に現れた3体のポケモンたちは、めだまポケモンの《アメモース》、こおりわりポケモンの《トドゼルガ》。そして、くらげポケモンの《ドククラゲ》だった。

 

 マモル「な、なんじゃ⁉︎」

 ランドウ「あれは、ドククラゲ!」

 

 シンヤ「それに、トドゼルガにアメモースまで!」

 ピカチュウ「ピィカァァッ…」

 

 ドット「こいつら、野生のポケモンなのか?」

 

 

 トドゼルガ「トドォォォッ、ゼェェッ‼︎」

 アメモース「アァァ、メェェェェッ‼︎」

 ドククラゲ「ドォォォクゥゥゥッ‼︎」

 

 ピカチュウ「ピィカッ、チュゥゥゥッ‼︎」

 

 

 ドォォォォンッ‼︎

 

 

 いきなりトドゼルガたちが現れたことにシンヤたちが動揺していると、トドゼルガは「はかいこうせん」、アメモースは「エアスラッシュ」、ドククラゲは「ハイドロポンプ」を放ってシンヤたちを攻撃してきた。しかし、咄嗟にピカチュウが「10まんボルト」を放ってトドゼルガたちの攻撃を相殺してくれたおかげでシンヤたちは無事だった。

 

 

 シンヤ「サンキューピカチュウ!」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 シンヤ(こいつらのこの動き、明らかに野生ポケモンの動きじゃない。トレーナーによって訓練された動きだ)

 

 

 トドゼルガ「トッドォォォォッ‼︎」

 アメモース「アァァメーーッ‼︎」

 ドククラゲ「ドォォォクッ‼︎」

 

 

 シンヤ(せめて、アイツらの注意をじっちゃんからそらせれば……ぁっ!そうだ!あの手があった!)

 

 ボソッ(小声で話す)

 

 シンヤ『じっちゃん。こいつらは俺たちがなんとかするから、俺が合図したら、じっちゃんはシャリタツたちを助けに行ってくれ』

 

 ランドウ『どうする気じゃ?』

 

 シンヤ『こうするのさ!』

 

 スチャ(ボールを取り出す)

 

 シンヤ「ジュカイン、頼むぞ!」

 

 ポーーン‼︎

 

 ジュカイン「ジュゥゥゥッ!」

 

 シンヤ「リコ!ジュカインの『リーフストーム』とニャローテの『マジカルリーフ』で、アイツらの視界を遮るんだ!」

 

 リコ「えっ?…わ、わかった!」

 

 シンヤ「よし、ジュカイン!『リーフストーム』!」

 

 ジュカイン「ジュゥゥゥカァァァッ‼︎」

 

 リコ「ニャローテ!『マジカルリーフ』目隠し!」

 

 ニャローテ「ニャァァァロォォォォゥッ‼︎」

 

 

 ビュゥゥゥゥゥッ‼︎

 

 

 トドゼルガ「トドォォッ!?」

 アメモース「アァァメッ!?」

 ドククラゲ「ドォォクッ!?」

 

 

 シンヤ「よし!じっちゃん!」

 ランドウ「うむ!」

 

 

 「ヌォォォォォッ‼︎」

 

 

 ランドウ「ん?」

 シンヤ「あれは!」

 

 

 ジュカインの放った「リーフストーム」とニャローテの放った「マジカルリーフ」がトドゼルガたちを包み込むと、トドゼルガたちは視界を遮られて身動きが取れなくなった。その隙に、ランドウは近くの岩場に身を隠してマイティGにフォルムチェンジしようとしたのだが、海の方から聞き覚えのあるポケモンの鳴き声が聞こえてきたので、シンヤたちは海の方に振り向いた。

 

 

 海の上

 

 

 ヌオー「ヌォォォォォッ‼︎」

 

 

 

 

 

 リコ「あれって!」

 ロイ「じっちゃんのヌオーだ!」

 

 マモル「でも、何でヌオーがここに?」

 

 ランドウ(ヌオー、いいタイミングで来てくれた!)ダッ!

 

 

 海の方から聞こえてきた鳴き声の正体は、ブレイブアサギ号から泳いできたランドウのヌオーだった。全員の視線がこっちに向かっているヌオーに集まると、ランドウは岩場の方に走って身を隠し、服を脱いでマイティGにフォルムチェンジした。

 

 

 近くの岩場

 

 

 マイティG「マイ!マイ!マイ!マイティG!」

 

 

 ランドウはマイティGにフォルムチェンジすると、マイティGと言いながらポーズを決めた。それが終わるとダイブボールを取り出し、それを海に向かって投げて《サメハダー》を繰り出した。

 

 

 マイティG「行くぞ、サメハダー!」

 

 サメハダー「サァァメェェッ‼︎」

 

 

 ランドウはダイブボールから出したサメハダーの頭の上に乗ると、急いでシャリタツたちの救出に向かった。

 

 

 海の上

 

 

 ヌオー「ヌォォォォォッ!」

 

 

 

 

 

 リコ「もしかして、ヌオーはシャリタツたちを助けるつもりなんじゃ?」

 

 ドット「いくらじっちゃんのヌオーでも、うずしおの中からシャリタツたちを助けるのは危険だよ!」

 

 シンヤ「いや、どうやらシャリタツたちを助けるのは、ヌオーではないみたいだ」

 

 リコ・ドット「「えっ?」」

 

 シンヤ「あれを見てみろよ」

 

 

 シンヤが沖の方を指差すと、何かがすごい勢いで水飛沫を飛ばしながらこっちに近づいていた。沖との距離が遠すぎるため、何が近づいているのかはわからなかったが、少しずつ距離が縮まっていくと、水飛沫を飛ばしている者の正体が明らかになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 サメハダー「サァァメェェッ‼︎」

 

 

 

 

 

 マモル「ぁ!あのサメハダーは、もしかして!」

 

 

 水飛沫を飛ばしていた正体はサメハダーだった。そのサメハダーがどんどんこっちに近づいてくると、サメハダーの頭の上に誰かが立っていることにリコたちは気づいた。

 

 

 リコ「あの人、もしかして!」

 シンヤ「ああ!」

 ロイ「間違いないよ、あの人は!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マイティG「マイティG!」

 

 

 

 

 リコ・ロイ「「マイティG!」」

 

 マモル「あれが、マイティG⁉︎」

 

 

 サメハダーの頭の上に乗っていた人物。それは、以前ピンチになったイルカマンを救ってくれた人物であり、海の平和を守っている伝説のヒーロー《マイティG》だった。

 

 マイティG「ヌオー!『なみのり』!」

 

 ヌオー「ヌォォォォ〜〜ンッ‼︎」

 

 マイティG「サメハダー!『うずしお』!」

 

 サメハダー「サァァァメェェーーッ‼︎」

 

 

 ドォォォォンッ‼︎

 

 

 マイティGがヌオーに「なみのり」を指示すると、ヌオーは雄叫びを上げながら大波を発生させ、サメハダーがその波に乗って空高く飛び上がると、シャリタツたちが寿司桶に乗って回っているうずしおに向かって「うずしお」を放った。すると、寿司桶に乗ったシャリタツたちが空中に放り出されたので、シンヤはシャリタツたちを助けるためにリザードンをボールから出し、リザードンが寿司桶に入っているシャリタツたちを空中でキャッチすると、マイティGと一緒にシンヤたちのいる所に降りてきた。

 

 

 ロイ「マイティG、シャリタツたちを助けてくれてありがとう」

 

 マイティG「礼には及ばんよ」

 

 マモル「マイティG。もしかしてアンタ、ギンさんなのか?」

 

 マイティG「ギンさん?ワシはマイティG。海の平和を守っているヒーローじゃよ」

 

 マモル「いーや、VSサメハダーシリーズを何度も見たワシにはわかる!アンタはギンジロウや!」

 

 マイティG「うっ…」

 

 

 マイティGがなみのりをしているところをたった一度見ただけで、マイティGの正体がギンジロウだと見抜くとは、さすがギンジロウのファンなだけはあるとシンヤは思った。

 

 

 マモル「ギンジロウさん、何で役者を引退したんじゃ?」

 

 ギンジロウ「ワシはギンジロウではない。マイティGじゃ」ダッ!

 

 マモル「あっ、ギンさん!」

 

 シンヤ(マイティGになったあと、じっちゃん、腰を痛めるからな…)

 

 

 ランドウはフォルムチェンジしてマイティGになったあと、腰をすぐに痛めてしまうから、3分しかマイティGになれないのだ。そのため、マモルから質問攻めを受けているマイティG如ランドウは、マモルからの質問を切り上げると、サメハダーに乗ってすぐにその場を去って行った。

 

 

 ギンジロウはマモルにとって憧れのスターだから、色々と聞きたいことがあるのはわかるが、ランドウの正体がマイティGやギンジロウだということは絶対に秘密にしなければならないので、ランドウはここから去るしかなかったのだ。

 

 

 シンヤ(さて、後はじっちゃんが戻ってくるの待っ…)

 

 

 バァァァァァァン!

 

 

 全員「「「ぁっ!」」」

 

 

 アメモース「アァァメッ‼︎」

 トドゼルガ「トドォォォォッ‼︎」

 ドククラゲ「ドォォォクッ‼︎」

 

 

 シンヤ「やべ、こいつらがいたのを忘れてた…」

 

 

 サメハダーに乗ったランドウがその場を去ると、ジュカインの「リーフストーム」とニャローテの「マジカルリーフ」に閉じ込められたトドゼルガたちが、ジュカインとニャローテの「リーフストーム」と「マジカルリーフ」を破って外に出てきた。

 

 

 トドゼルガ「トッドォォォォッ‼︎」

 アメモース「アァァメェェッ‼︎」

 ドククラゲ「ドォォォクッ‼︎」

 

 

 シンヤ「ピカチュウ!ジュカイン!リザードン!」

 

 

 ピカチュウ「ピィカァッ!」

 ジュカイン「ジュゥゥゥッ!」

 リザードン「リザァァァッ!」

 

 

 バッ(何かが上空に現れる)

 

 

 トドゼルガたちが技を放って攻撃しようとしてくると、ピカチュウたちは迎撃体勢に入ろうとした。…するとその時、シンヤたちのいる上空に何かが現れた。

 

 

 リコ「えっ?」

 シンヤ「あれは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カイリュー「バゥゥゥーーンッ!」

 

 

 

 シンヤ「あれは、《カイリュー》⁉︎」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 リコ「カイリュー!?」

 

 ドット「何でここにカイリューが!?」

 

 

 ???「いくぞ、カイリュー!」

 

 

 シンヤ「ぁ、あの人は!」

 ピカチュウ「ピィカッ!」

 

 

 ピカチュウたちとトドゼルガたちが互いに攻撃しようとした時、シンヤたちのいる上空に、ドラゴンポケモンのカイリューが現れた。そのカイリューの背中をよく見ると、逆立った赤髪が特徴の男性が乗っていることにシンヤは気づいた。その男性は、黒・紺色の全身タイツスーツの上に、黒いマントを着けていた。

 

 

 ???「カイリュー!『はかいこうせん』!」

 

 カイリュー「バゥゥゥーーンッ‼︎」

 

 

 ドォォォォン‼︎

 

 

 トドゼルガ「トドォォォォッ!?」

 アメモース「アァァァァメッ!?」

 ドククラゲ「ドォォォォクッ!?」

 

 

 赤髪の男がカイリューに「はかいこうせん」の指示を出すと、カイリューはトドゼルガたちが技を放つより先に「はかいこうせん」を発射し、トドゼルガたちにダメージを与えて海の彼方に吹き飛ばした。

 

 

 シンヤ「相変わらずの強さだな」

 

 リコ「えっ?シンヤ、あのカイリューを知ってるの?」

 

 シンヤ「ああ、よぉーく知ってるよ」

 

 バッ(赤髪の男がカイリューから飛び降りる)

 

 スタッスタッ(赤髪の男がシンヤたちの前に歩いてくる)

 

 ???「シンヤくん、ピカチュウ、久しぶりだね」

 

 ピカチュウ「ピィカッピカッ!」

 

 シンヤ「やっぱりあなたのカイリューでしたか。…《ワタル》さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ワタル「フッw」

 

 ドット「わ、ワタルだって!?」

 

 リコ「ワタル?」

 

 ロイ「ドット、あの人が誰か知ってるの?」

 

 ドット「当たり前だろ!あの人は、カントーとジョウトの新チャンピオンで、ポケモンGメンっていう組織に所属してる、ドラゴン使いのワタルさんだぞ!」

 

 リコ「ええ〜〜っ!?」

 

 ロイ「カントーとジョウトのチャンピオン!?」

 

 

 そう。シンヤたちの前に現れた人物は、カントーとジョウトの新チャンピオンであり、悪を許さぬポケモンGメンという組織に所属している、ドラゴンタイプの使い手で有名なワタルだった。

 

 

 ロイ「あ、初めまして!僕、ロイっていいます!」

 リコ「私はリコです!」

 ドット「ドットです!」

 マモル「ワシはマモルじゃ」

 

 ワタル「よろしく。俺はワタルだ」

 シンヤ「でも、どうしてワタルさんがここに?」

 

 ワタル「今、ミッションの途中でね。《アオギリ》がこの近くにいるという情報を掴んで、奴を探しに来たんだ」

 

 シンヤ「アオギリが⁉︎」

 

 ワタル「ああ。君も知っているとは思うが、ホウエン地方で暗躍していたマグマ団のリーダー《マツブサ》、イッシュ地方で暗躍していたプラズマ団のリーダー《ゲーチス》、カロス地方で暗躍していたフレア団のリーダー《フラダリ》。そして、 マツブサと同じようにホウエン地方で暗躍していたアクア団のリーダーであるアオギリが脱獄してね」

 

 シンヤ「ええ、知ってます」

 

 

 マツブサ、アオギリ、ゲーチス、フラダリとは、ロイがお爺さんと住んでいた島で再会し、エクスプローラーズの手引きで脱獄したということを聞いたので、ワタルに言われずとも知っていることだった。しかも、4人が脱獄したことはかなり大きなニュースになったので、4人のことを知らないという者は少ないだろう。あれでも、各地方の悪の組織のリーダーだったのだから。

 

 

 シンヤ「…そういえば、さっきのトドゼルガたち…」

 

 ワタル「ん?トドゼルガたちがどうかしたかい?」

 

 シンヤ「あっ、いえ…」

 

 

 アオギリがこの近くにいるとワタルから聞いたシンヤは、もしかしたら、さっきのトドゼルガたちはアオギリのポケモンではないかと思った。しかし、アオギリはトドゼルガとドククラゲとアメモースを持っていないはずだし、さっきのトドゼルガたちがアオギリのポケモンだという明確な証拠がないので、シンヤはワタルに何も言わないでおいた。

 

 

 ワタル「さて、俺はそろそろ行くよ」

 

 シンヤ「そうですか」

 

 リコ「あの、ワタルさん!」

 

 ワタル「ん?」

 

 ドット「危ないところを助けてくれて、ありがとうございました!」

 

 ワタル「…フッw、どういたしまして。じゃあシンヤくん、また」

 

 シンヤ「はい」

 

 

 ワタルはシンヤたちにそう言い残して相棒のカイリューの背中に乗ると、再びアオギリの捜索を始めるために空に飛んで行った。

 

 

 ランドウ「おおっ、みんなここにおったか」

 

 リコ「あっ、じっちゃん!」

 ロイ「どこに行ってたの?」

 ランドウ「うん?ああ、ちょっとな」

 

 シンヤ「フッw。さぁ、そろそろアサギシティに戻ろうぜ」

 

 ピカチュウ「ピッカッビカッ!」

 

 

 ワタルと入れ替わるようにランドウが戻ってくると、シンヤたちはフリードたちと合流するために、マモルの船でアサギシティに戻って行った。

 

 

 アサギシティ・船着場

 

 

 リコ「エンテイの手がかりは手に入れられなかったけど…」

 

 ロイ「マイティGにまた会えたし…」

 

 ドット「なにより、あのワタルさんに会えたんだから、それだけで十分だよ」

 

 マモル「ん?エンテイ?アンタら、エンテイを探しとったのか?」

 

 ランドウ「うむ」

 

 シンヤ「このアサギシティのどこかにいるって聞いて、街にいる人たちに聞いて回ったんですけど、誰も見た人がいなくて」

 

 マモル「エンテイなら、前に船に乗せた釣り人が見たって言うとったで」

 

 マモル以外の全員「「「えっ!?」」」

 

 ロイ「嘘⁉︎」

 ドット「本当⁉︎」

 シンヤ「どこで見たって言ってました⁉︎」

 

 マモル「確か、ここから沖合にある群島あたりだったはずじゃ」

 

 シンヤ「群島か…」

 

 リコ「早くフリードたちに報告しないとね」

 シンヤ「ああ」

 

 

 街中でエンテイのことを聞いて回っても全て空振りで終わったが、ここにきてようやくエンテイの情報を手に入れたシンヤたちは、早くフリードたちと合流してこのことを知らせようとした。

 

 

 マモル「そういえば、昨日の昼頃、《色違いのエンペルト》を連れとったトレーナーにもエンテイのことを聞かれたな」

 

 シンヤ「っ!色違いのエンペルト!」

 

 リコ「え、シンヤ?」

 

 シンヤ「あの、そのトレーナーって、左の眉に小さい切り傷がある目つきの悪い男で、髪の色が全体的に白いけど、右側だけ少し赤く染めてませんでした?」

 

 マモル「ああ、そうじゃよ」

 

 シンヤ「…そうですか」…(アイツが今ジョウト地方に…)

 

 リコ「?」

 

 

 To be continued

 

 

 次回予告

 

 

 エンテイがアサギシティ近くの群島で何度も目撃されたということを聞いたシンヤたちは、ブレイブアサギ号で群島に向かい、そこに海底火山があるのを見つけたので、火山の近くでエンテイが現れるのを待つことにした。そしてその夜、海底火山が噴火して新しい島が誕生すると、シンヤたちの探していたエンテイが現れた。しかし、エンテイが現れたその直後に、左の眉に切り傷がある白髪の男が現れた。

 

 

 次回「エンテイとゼロ!伝説大バトル‼︎」

 

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