ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
カントー地方を出発してからここまで長かったが、飛行船ブレイブアサギ号は、ようやく目的地のパルデア地方に到着した。
展望室
ホゲータ「ホゲ〜!」
ロイ「見えてきた!」
ドットの部屋
ドット「着いたんだ。パルデアに」
クワッス「クワァァッ!」
ドット「何だよ?朝からうるさいぞ」
クワッス「クワッ!クワクワ!」
ビシッ(ぐるみんの着ぐるみを指差す)
ドット「ん?着ぐるみが臭いって?」
スンスンッ(着ぐるみの匂いを嗅ぐ)
ドット「うわっ!?後で洗濯しよう!」
ブレイブアサギ号・ランドウの釣り場
リコ「離れたのは少しだけなのに、なんか懐かしいな」
シンヤ「その気持ちわかるよ。俺も久しぶりにシンオウ地方に戻ると、そういう気持ちになるからな」
ピカチュウ「ピッカッ」
ニャオハ「ニャオハ」
リコ「…ねぇシンヤ、一緒に家まで来てくれる?」
シンヤ「もちろんだ。リコをちゃんと家まで送り届けないとな」
リコ「…うん」
シンヤ「リコ?どうした?」
リコ「え⁉︎…ううん、何でもない」
シンヤ(…ああ、なるほどな)
久しぶりに故郷のパルデア地方に帰ってきたというのに、リコは嬉しくなさそうな顔をしていた。それもそのはずだった。リコがパルデア地方に帰ってきたのは、リコの母親がフリードたちライジングボルテッカーズにリコを守ってくれるように依頼し、リコの実家であるパルデア地方まで送り届けるというもの。つまり、リコが家に到着すれば、リコはフリードたちやシンヤとお別れということになる。だからリコは、さっきから嬉しくない顔をしていたのだ。
ミーティングルーム
フリード「さて、これからの予定だが」
マードック「とりあえず、俺は食料の買い出しをしてくる」
モリー「その間にフリードとシンヤは、リコを実家に送ると」
オリオ「寂しくなるね」
モリー「元々そういう依頼だったからね」
オリオ「…フリード、シンヤ、リコを頼むよ」
フリード「おう」
シンヤ「うん」
ブレイブアサギ号・廊下
リコ(そっか……やっぱりそうだよね。シンヤはフリードたちと一緒に旅を続ける。私は家に帰るから、これで私の旅は…終わり…なんだ)
荷物をまとめ終えたリコは、シンヤたちのいるミーティングルームの扉の前にやってくると、廊下でシンヤたちの話を立ち聞きしていた。そして、シンヤとフリードが廊下に出てくると、一緒に船の甲板に向かった。
ブレイブアサギ号・甲板
フリード「リコ、忘れ物はないな?」
リコ「…うん」
シンヤ「…」
フリードがリコに忘れ物がないかを確認すると、シンヤたちはスロープを降りてリコの家に向かおうとしたのだが、そこにロイとホゲータが走ってきた。
ロイ「ねぇねぇ、僕も一緒に行きたい!パルデアを見てみたいんだ!」
ホゲータ「ホンゲホンゲッ!」
フリード「俺とシンヤは遊びに行くわけじゃないぞ」
ロイ「え〜っ!リコの家も見てみたいし」
ホゲータ「ホゲホゲ」
リコ「うん。少しくらいなら案内するよ!」
フリード「それじゃあ、ホントに少しだけだぞ」
ロイ「やった!パルデアを観光するぞ!」
こうして、ロイもリコの家に向かうことになり、リコの家に行く前に、シンヤたちはパルデア地方を観光することにした。まずシンヤたちが最初に向かったのは、パルデア地方の南部に位置する大きな街であり、最大の都市でもある《テーブルシティ》だった。
パルデア地方・テーブルシティ
リコ「あれが《オレンジアカデミー》だよ」
ロイ「うわぁ…でっけぇ!」
テーブルシティにやってくると、リコとロイはテーブルシティの奥に建てられている《オレンジアカデミー》の前に向かった。その建物の付近には、下のズボンがオレンジ色の学生服を着た人たちが大勢いた。
シンヤ(オレンジアカデミーか。…3人とも、元気にしてるかな?)
リコ「あっちにお店がたくさんあるよ!」
ロイ「行きたい!」
それからシンヤたちは、テーブルシティを観光しながらいろんなお店の中に入ると、売られている品物を見ながら食べ歩きをして楽しんでいた。
ベンチ
ロイ「リコ、パルデアっていいとこだね。シンヤもそう思うでしょ?」
シンヤ「ああ。俺は一ヶ月前にパルデア地方を冒険したけど、パルデア地方には他の地方に絶対ないものがあるから、とても楽しいよ」
ピカチュウ「ピッカッ!」
リコ(私には、どれも普段と何も変わらない、普通の景色だったんだけど。シンヤとロイの喜んでる姿を見てたら、なんか嬉しくなるな)
ピッ
フリード「やっぱ出ないな」
シンヤ「誰に連絡してんの?」
フリード「リコのお母さんにだけど、電話に出ないんだ」
リコ「多分、お母さんは仕事かな?お父さんは家にいると思うけど」
シンヤ「じゃあ、先にリコを家に送り届けようぜ」
フリード「そうだな。リコのお父さんも心配してるはずだ」
シンヤ「だな。リコ、ロイ、行こうぜ!」
ロイ「うん!」
ホゲータ「ホゲ!」
リコ「う、うん…」
ニャオハ「ニャオハ!」
リコ(そうだ。ライジングボルテッカーズの目的は、私を助けてここまで送ること。お母さんも、そのつもりで依頼した。家に着いたら、シンヤとお別れをして、私の旅は…終わっちゃう)
ブレイブアサギ号・甲板
バサッ(ぐるみんの着ぐるみを干す)
ドット「これでよし」
クワッス「クワクワ…クワッス」
ドット「アイツ、このまま家に帰るのかな?」
みんなが街に買い物に行ってる間、ドットはぐるみんの着ぐるみを洗濯すると、着ぐるみを外に干していた。着ぐるみを干し終えたドットは、リコが家に帰るのか、このまま船に残って旅を続けるのかを考えていた。なぜドットがそのことを知っているかというと、船のメンバーからメールで知らされていたからだ。
ブェックション(くしゃみ)
ドットがリコのことを考えていると、展望室からくしゃみをする声が聞こえてきた。中に入って見ると、そこには横になっているランドウの姿があった。
ドット「じっちゃん、ここにいたんだ」
ランドウ「…ノックが聞こえても、返事をしないのなら、留守と同じ。気になるのなら伝えねば、気にしないのと同じ」
テーブルシティ・商店街
オリオ「いいのあった?」
モリー「あぁ。でも、やっぱり一緒に行ったほうがよかったかな?」
オリオ「だって、ぞろぞろ行くほうが印象悪いって、モリーが言ったんじゃん」
モリー「そうだけどさ…」
オリオ「もしかして、リコが帰っちゃうのが寂しいの?」
モリー「え?」
オリオ「そんな顔してるよ」
モリー「…まぁ、寂しいとは思うよ」
オリオたちがテーブルシティで買い物をしている頃、シンヤたちはリコの家を目指して歩いていた。
リコ(どうしよう。私、どうしたいんだろう。わからない)…「ねぇシンヤ」
シンヤ「ん?どうした?」
リコ「…ううん。ごめん、何でもない」
シンヤ「…リコ、後でちゃんと話をしようか」
リコ「え?」
フリード「おっ!あれがリコの家だな」
ロイ「でかっ!すごいなリコんち!」
リコはシンヤに何かを言おうとしたが、途中で言うのをやめてしまうと、リコが何を言いたいのかわかっているシンヤは、後でちゃんと話をしようとリコに伝えた。そして、シンヤたちが階段を登っていくと、リコの家の目の前に到着した。家には庭があり、大きな木と、数本のオレンジの果実の実った木が立ち並んでいた。シンヤたちがリコの家の敷地内に入ると、リコの家の玄関のドアの下から1体のポケモンが飛び出してきて、そのままリコに向かって走ってきた。
???「ワン!ワン!」
リコ「《パピモッチ》!ただいま!」
パピモッチ「ワンワン!」
ロイ「リコ、このポケモンは?」
リコ「パピモッチっていって、お父さんのポケモンなの。くすぐったい」
パピモッチはリコの周りをぐるぐる回ると、突然リコに抱き着き、頬をリコに擦りつけて甘えていた。久々にリコに会えたことで、パピモッチはとても喜んでいるようだ。
ロイ「パピモッチか」
スッ(スマホロトムを取り出す)
パピモッチ こいぬポケモン フェアリータイプ
しっとりスベスベの触り心地。吐息に含まれる酵母で、周りのものを発酵させる。
ニャオハ「…」
フリードとロイがパピモッチとリコに注目し、微笑ましい視線を向ける中、ニャオハは複雑な顔をしながらリコを見つめていた。それに気づいたシンヤは…
シンヤ(なるほどな。ニャオハってポケモンは、そういうポケモンだったな。リコだけじゃなく、ニャオハも少し問題があるな)
その後、パピモッチがホゲータに抱きつくと、ホゲータはパピモッチの酵母を浴びたせいで発酵してしまう。すると、ホゲータがボールのように膨らみ始め、ロイの足元の前でコロコロ揺れ始めた。
ロイ「ホゲータ、どうしたの?」
シンヤ「パピモッチの酵母を浴びて発酵したんだ」
ロイ「マジか!」
???「リコ?」
ホゲータが発酵したことにロイが驚いていると、リコの家の中からシンヤたちを見ている眼鏡をかけた男性が声をかけてきた。
リコ「ぁっ、た、ただいま、お父さん」
眼鏡をかけた男性はリコの父だった。リコが外にいることに気づいたリコの父は慌てて玄関に移動すると、扉を開けて満面の笑みを浮かべながら飛び出してきた。
リコの父「お、お…おかえり!リコ!」
リコ「お父さん!エプロンに絵の具がついてる!」
リコの父「あぁっ!そうだな。すま…ん?あぁ…どうも。リコがお世話になりました」
フリード「初めまして、フリードです」
シンヤ(この人が、リコのお父さんか)
アレックス「リコの父の《アレックス》です。娘をここまで送り届けてくださって、ありがとうございます。…ところで、君たちは?」
ロイ「僕たちは、リコの友達です。僕はロイ。こいつはホゲータ」
ホゲータ「ホンゲ!」
シンヤ「俺はシンヤといいます。こいつはピカチュウ」
ピカチュウ「ピッカッ!」
アレックス「ん?もしかして、君がリコの言っていたシンヤくんかい?」
シンヤ「え?言っていたというのは?」
リコ「えっと、セキエイ学園の近くの湖で、シンヤに色々アドバイスをしてもらったこととか、エクスプローラーズから私を守ってくれたことを、お父さんとお母さんに伝えておいたんだ」
シンヤ「ああ、そうだったんだ」
アレックス「リコから君の話はよく聞いているよ。リコを守りながらここまで連れてきてくれて、本当にありがとう」
シンヤ「いえ、そんな大したことはしてないので」
アレックス「さぁ、長旅でお疲れでしょう。家の中へどうぞ」
アレックスに案内され、シンヤたちはリコの家の中に入った。するとロイは、玄関の近くにポケモンの絵が飾られていることに気づいた。
ロイ「ウインディ!こっちはギャロップ!」
シンヤ「この絵って、アレックスさんが描いたんですか?」
アレックス「ああ。私は絵描きの仕事をしていてね。ポケモンの絵本なんかも描いているんだ」
ロイ「ポケモンの絵本!もっと見てみたい!」
アレックス「それなら、そこの書斎にたくさんあるから、好きなだけ読んでいいよ」
ロイ「本当!行こうホゲータ!」
ホゲータ「ホンゲッ!」
アレックスがポケモンの絵本を描いていると知ると、ロイはアレックスに本を読みたいと言いだし、本なら書斎にたくさんあるから読んでいいとアレックスに言われると、ロイはホゲータと一緒に書斎に入って行った。
パピモッチ「ワンワンw(^-^ )」
ニャオハ「…( T_T)」
さっきリコと再会してから、パピモッチがリコのそばを離れずに甘えていると、ニャオハはジト目でパピモッチを見ていた。
リコ「お母さんは?」
アレックス「課外授業で、今日は帰れないそうだ」
リコ「課外授業か。…お母さんも大変だ」
アレックス「リコ?」
リコ「じゃあ、私は部屋に荷物を置いてくる。シンヤとフリードは、お父さんとゆっくりしてて」
シンヤ(リコもニャオハも…)
アレックス「シンヤくん、後で2人で話せないかな?君に聞きたいことがあるんだ」
シンヤ「え?…はい、わかりました」
リコの部屋の前
リコ「あれ?ニャオハ?パピモッチ、ニャオハ知らない?」
パピモッチ「ワン?」
久しぶりに自分の部屋の前にやってくると、さっきまで自分の近くにいたニャオハがいないことに気付いたリコは、自分の部屋に入って荷物を置くと、窓を開けてニャオハを呼んだ。すると、家の屋根に登っていたニャオハの影を見つける。
リビング
アレックス「フリードさん、コーヒーいかがです?シンヤくんも?」
フリード「あぁ…はい、ありがとうございます」
シンヤ「はい、いただきます」
アレックス「私のお気に入りの豆があるんですよ。…しまった、豆がない」
シンヤ「でしたら、おかまいなく」
リコが自分の部屋に向かった後、シンヤとフリードはアレックスにリビングに案内されると、リビングのソファーに座っていた。
屋根の上
リコ「ニャオハ、どこ行くの?」
ニャオハ「ニャオハ」プイッ
リコは自分の部屋の窓から屋根の上に降りると、屋根の上にいるニャオハを連れ戻そうとするが、ニャオハはリコを無視して地面へと降りて行ったので、リコはニャオハの後を追って地面に降りて行くと、走ってニャオハの後を追いかけた。すると、リコはリビングの窓が開いていることに気づき、窓からシンヤとフリードとアレックスの話し声が聞こえてきたので、窓の近くで3人の話を立ち聞きしていた。
アレックスの仕事場
アレックス「作業を続けますが、楽にしてくれて構いません。明日が締め切りで」
フリード「おかまいなく」
アレックス「リコ、船ではどんな感じでしたか?」
フリード「とても楽しそうでしたよ。なっ、シンヤ」
シンヤ「ええ。船のポケモンたちとも、仲良く遊んでました」
アレックス「そうですか。…実は、ちょっと心配だったんです。セキエイ学園での寮生活が、1人でうまくやっていけるかどうか」
家の外
リコ(お父さん、そんなふうに思ってたんだ)
アレックス「少し遠いですが。この家からでも、セキエイ学園に通えることはできると思うんです」
シンヤ「この前、リコのルームメイトと少し話をしましたけど、とても仲が良さそうでしたよ。それに、学校での生活のことが気になるなら、リコに直接聞いてみたらいいんじゃないです…」
ガタンッ(頭を窓にぶつける)
リコ「痛っ!」
シンヤ・フリード・アレックス「「「ん?」」」
リコ「っ!ニャオハ?ニャオハ?どこ?」
シンヤがアレックスに、『リコのセキエイ学園での生活が気になるなら、直接リコに聞けばいいんじゃないですか』と言おうとした時、外から話を聞いていたリコが窓に頭をぶつけたので、シンヤたちの視線は外にいるリコに向かった。するとリコは、話を立ち聞きしていたのを誤魔化すようにニャオハの名を呼ぶと、シンヤたちのいるリビングに入ってきた。
リコ「お父さん、ニャオハを見なかった?」
アレックス「リコ、どうして窓から?」
リコ「えっと…急にニャオハがいなくなちゃったから、ニャオハを捜してたんだけど…」
シンヤ「…もしかして、今の話を聞いてたのか?」
リコ「ぁ…」
アレックス「リコ?」
リコ「ごめん、ニャオハを捜してるの!」ダッ!
シンヤ「ハァ、やっぱりか」
フリード・アレックス「「ん?」」
フリード「シンヤ、どういう意味だ?」
シンヤ「え?何が?」
アレックス「さっき君が言った、『やっぱり』という言葉の意味だよ」
シンヤ「ああ、それはですね…」
リコ「ニャオハ、見つけた!」
リコの様子を見たシンヤがやっぱりと言って1人で納得していると、フリードとアレックスは、シンヤの言ったやっぱりといった言葉の意味がわからず、シンヤにその意味を聞いた。すると、リコがリビングでニャオハを見つけたらしいので、シンヤたちはすぐにリビングに移動した。
リビング
ニャオハ「…」
リコ「ニャオハ、家に来てから変だよ?」
アレックス「言うことを聞いてくれないのかい?」
リコ「いつもはもっと、いい子だもん…」
シンヤ「…リコ」
リコ「え?なに?」
シンヤ「さっきここに来る前に、後で話そうかって言ったことを覚えてるか?」
リコ「え?…う、うん。覚えてるよ」
シンヤ「そのことでちょっと話があるんだが、それはニャオハの件を終わらせてからにしよう」
リコ「えっ?ニャオハの?」
シンヤ「ああ。どうして急にニャオハの態度が冷たくなったのか、その理由を教えるよ」
リコ「え?シンヤにはわかるの?ニャオハの様子が変になった理由が?」
シンヤ「ああ。ニャオハってポケモンはな、自分のトレーナーが他のポケモンと仲良くしているのを見ると、ヤキモチを焼くんだ」
リコ「ヤキモチ…」
シンヤ「さっき、リコがパピモッチと仲良さそうにしてた時にニャオハの顔を見たんだけど、とても不機嫌そうな顔をしてたんだよ」
リコ「そっか…それでニャオハの様子がおかしかったんだ」
シンヤ「ああ、それがニャオハってポケモンなんだ」
リコ「…ニャオハ…ごめんね。私、自分の気持ちにいっぱいいっぱいで、ニャオハの気持ちに気づいてあげられなくて」
ニャオハ「……ニャオハッ!」
リコ「ニャオハ!」
ニャオハ「ニャァァァッ!」
リコはシンヤから、ニャオハの様子が変だった理由を教えてもらうと、ニャオハの気持ちに気付かなかったことを謝った。すると、食器棚の上にいたニャオハが笑顔になって降りてきたので、リコは目の前に降りてきたニャオハを思いっきり抱きしめた。
シンヤ「さて、今度はお前の番だな」
リコ「え?」
シンヤ「さっきはニャオハを捜してるって言って誤魔化したけど。お前、本当は俺たちと一緒に旅を続けたいんだろ?」
リコ「っ⁉︎どうしてそのことを⁉︎」
シンヤ「久しぶりに自分の家に帰ってきたっていうのに、お前が全然嬉しそうな顔をしてなかったら、それを見てすぐにピンときたんだよ。家に着いたら、俺やフリードたちとお別れになって、自分の旅は終わってしまう。だから、さっきここにくる前に俺に何かを聞こうと悩んでいた。そして家に到着した後、外から俺たちの話を聞いていて、アレックスさんの気持ちを聞いたから、俺たちと旅を続けたいってアレックスさんに言い出せずに戸惑っている。そんなところだろ?」
リコ「…」
アレックス「リコ、シンヤくんの言っていることは本当なのかい?」
リコ「…うん」
シンヤ「…リコ、どうして俺が、お前と一緒にここまで冒険をしてきたかわかるか?」
リコ「え?…えっと、私が一緒に来てほしいって頼んだから?」
シンヤ「もちろんそれもあるが、ちゃんと自分で決めたことでもある。リコに頼まれたからってだけじゃない」
リコ「…」
シンヤ「リコ、ちゃんとアレックスさんと向き合え。そして、自分の気持ちも正直にちゃんと伝えろ。ロイだって、自分のお爺さんに気持ちを伝えたから、それを認めてもらえて冒険の旅に出られたんだ」
リコ「シンヤ……うん、ありがとう。…お父さん、話があるの。さっきは逃げちゃったけど、ちゃんと聞いてほしい」
アレックス「…わかったよ。とりあえず座ろう」
さっきはアレックスから逃げてしまったが、シンヤに自分の気持ちを伝えろと後押しされると、リコはアレックスに自分の気持ちを正直に伝えようとした。
リコ「まずはごめんなさい。さっきは逃げちゃって。私、全然知らなかった。お父さんが私のことを、あんなに心配してたなんて」
アレックス「いや、リコが謝ることじゃない。ただ…」
リコ「お父さん、聞いて!」
アレックス「ん?」
リコ「私ね、最初は不安だった。パルデア地方を出て、セキエイ学園に行った時、お父さんが言ってたように、何をしたらいいのか、どうしたらいいのか。…でも、ニャオハと出会って、シンヤと出会って、フリードやライジングボルテッカーズのみんな、ロイと出会えて、みんなと一緒に飛行船で生活して、冒険してわかってきたんだ。昔、おばあちゃんが言っていたことの意味が」
リコの回想
リコの祖母『怖いのは最初の一歩だけ。踏み出せば見たことのない景色が広がっていて、怖かったことなんて忘れてしまうのさ。ポケモンが一緒なら大丈夫』
リコの回想が終わる。
リコ「おばあちゃんの言う通りだった。ポケモンがいれば大丈夫!私、ニャオハとシンヤ、それにフリードたちと冒険を続けたい!お父さん、お願い!」
アレックス「…そうか、わかった。リコの冒険への憧れは、おばあちゃん譲りだな」
リコ「じゃあ!」
アレックス「ああ、冒険に行っておいで。お父さんもお母さんも、リコが帰ってくるのを待っているよ。ニャオハも、リコをよろしくね」
リコ「ありがとう!」
ニャオハ「ニャオハ!」
アレックス「フリードさん、それにシンヤくんも、リコのこと、よろしくお願いします」
フリード「ええ、責任を持って預かります」
シンヤ「はい。よかったな、リコ」
リコ「うん!ありがとう!シンヤのおかげだよ!」
シンヤ「俺はリコとニャオハの悩みを解決しただけだよ」
ボソッ(小声で囁く)
フリード『よかったな』
リコがアレックスに自分の気持ちを正直に打ち明けると、アレックスから冒険に行っておいでと言われたので、リコはすごく喜んでいた。
ブレイブアサギ号
バサッ(着ぐるみを太陽に向ける)
ドット「太陽のいい匂いがする!」
クワッス「クワァァァッ!」
ぐるみん『よっ〜す、ポケモントレーナーのみんな!ぐる〜びんしてる?みんなも知っての通り、ポケモンの性格は個体によって様々!ポケモンの種類によって傾向はあるけど、穏やかなオコリザルもいれば、わんぱくなヤドンもいる。性格が違えば、得意なバトルスタイルも変わる。性格によって進化する姿が違うポケモンもいるんだって!みんなも自分のパートナーポケモンをしっかり観察して、ポケモンの個性を引き出そうぜ!』
クワッス『クワッス!』
リコ「あっ、そうだ。ぐるみんの動画も終わったから、お父さんがないって言ってたコーヒー豆を買ってくるよ。ニャオハに迷惑かけちゃったから、抹茶ケーキも買ってきたいし」
ニャオハ「ニャァァッ〜」
シンヤ「じゃあ俺も行くよ。リコを1人で行かせるのは危ないし」
フリード「だったら俺が行こう。シンヤには、リコの悩みを解決してもらったしな」
そう言うと、リコとフリードはテーブルシティに行ってしまった。その間、ピカチュウとパピモッチは戯れて遊んでいたのだが…
アレックス「…さて、シンヤくん。リコとフリードさんがテーブルシティに行ってしまったから、ちょうど2人で話しができるね」
シンヤ「そう……ですね」
リコとフリードはテーブルシティに行ってしまい、ロイはアレックスの書斎にいる。意図せぬこととはいえ、シンヤと二人きりになったのはちょうどよかったと、アレックスはそう思っていた。
シンヤ「…」
アレックス「…」
シンヤとアレックスはソファーに向かい合う形で座っていたが、さっきからお互いに黙った状態が数分間も続いていた。しかし、いつまでもこのままというわけにもいかないので、シンヤから会話を切り出した。
シンヤ「それで、アレックスさんの話しというのは?」
アレックス「その前に、もう一度きちんとお礼を言わせてくれ。リコがお世話になったこと、リコをここまで守ってくれたこと、そして、リコの悩みを解決してくれて、本当にありがとう」
シンヤ「いえ、それはいいんです。俺はただ、自分の本当の気持ちをアレックスさんに伝えた方がいいと、リコにそう言っただけですから」
アレックス「…さっきシンヤくんは、やっぱりっと言っていたね。もしかして、リコが旅を続けたいと思っていることに最初から気づいていたのかい?」
シンヤ「ええ。今日の朝からリコの様子がおかしかったから、なんとなく気づいてました」
アレックス「そうか…私は気づかなかったよ。リコが旅を続けたいと悩んでいたことに」
シンヤ「そうなんですか?リコは顔に態度が出やすいから、以外とわかりやすいと思いますけど。…もしかして、それが話したかったことですか?」
アレックス「いや、それとは別のことだ。さっき、君がここに来た時にも言ったとは思うけど、リコから君のことは聞いていたんだ」
シンヤ「ええ、さっき聞きました」
アレックス「…実はリコから、君と《交際》していることを聞いていてね」
シンヤ「えぇっ⁉︎リコから聞いたんですか?」
アレックス「電話でだけどね。リコから君に告白して、一度ここに帰ってきたら、ちゃんと君を紹介したいと言われたよ」
シンヤ「ああ…そうだったんですか」
アレックス「それと、失礼だとは思ったんだが、君のことを調べさせてもらったんだ」
シンヤ「え?調べたって言うのは?」
アレックス「リコから君と交際をしたと電話をもらった日に、ネットで君のことを調べたんだ。君のことをネットで調べたら、君の経歴が載っていてね。それを見た時は驚いたよ。各地方のポケモンリーグ優勝に加えて、今年のポケモンWCSの優勝者だったなんて。そんなすごい経歴を持ってるなんて、リコの送ってきたメールには書いてなかったから。勝手に君のことを調べて、すまないとは思っている」
シンヤ「いえ、それは別にいいんです。俺、自分のことをあんまりペラペラ喋らないから。すいません」
アレックス「いや、君が謝る必要はないよ。君の経歴には驚いたけど、私がもっと驚いたのは、リコから君に告白して、君とリコが付き合っているということなんだ。まさか、リコから男の子に告白して、恋人ができるとは思ってなかったからね」
シンヤ(俺もリコから告白された時はびっくりしましたけどね)
実際シンヤは、リコのことをただ守る対象としか見ていなかった。なのに、まさかリコから告白されるとは思っていなかったので、リコから告白された時はシンヤも驚いただろう。
シンヤ「あの、ちなみにリコのお母さんは、俺とリコが付き合ってるってことは…」
アレックス「もちろん知っているよ。当然だろう」
シンヤ「ですよね」…(そりゃ当然だよな)
アレックス「さて、他にも聞きたいことがあるんだが、いくつか質問をするから、答えてもらってもいいかな?」
シンヤ「はい。もちろんです」
アレックス「ありがとう。…では聞くけど、君はリコから告白されて交際をしているわけだが、君はリコのことをどう思っているのかな?まさか、遊びでリコと交際しているわけではないよね?」
アレックスが鋭い眼差しをシンヤに向けてそう聞くと、シンヤは背筋がビクッっとなった。しかし、アレックスがシンヤをそういう目で見るのも仕方がなかった。自分が大切に育ててきた娘であるリコが、今、自分の目の前にいる男と付き合っているのだから。
だからこそアレックスは、シンヤがリコに相応しいかどうかをこの場で見極めようとしていた。
シンヤ「…俺は最初、リコのことを恋愛対象として見ていませんでした。だけど、一緒に冒険をしているうちに、リコがすごく魅力的な女の子に見えてきたんです。リコから告白された時は、吊り橋効果で好きになったんじゃないのかって聞きました。そしたら…」
シンヤの回想
リコ『違うよ!本当にあなたが好きなの!吊り橋効果なんかじゃない!シンヤが他の子と付き合うことを考えるのも嫌なぐらい、私はシンヤが好きなの!』
シンヤの回想が終わる。
シンヤ「って言われました。そこまで言われて、気づいたらリコの告白をOKして、俺と付き合ってくれって言ってました」
アレックス「…つまり、リコに告白された時は、まだリコのことを好きではなかったと?」
シンヤ「いえ、ある時からリコのことは異性として意識してました。リコから告白された時は驚いたけど、その前からリコのことを好きになってたんだと思います」
アレックス「…」
シンヤ「リコと付き合うようになってから、俺のリコを見る目も変わっていったんです。今の俺にとって、リコは失いたくない大事な存在であり、俺が初めて好きになれた、優しくて思いやりのある女の子なんです」
アレックス「…そうか、ありがとう。そこまでリコを大事に思ってくれて、リコの父親として嬉しいよ」
シンヤ「あ、いえ、本当のことですから」
アレックス「次の質問をしてもいいかな?」
シンヤ「どうぞ」
アレックス「君がちゃんとリコを大切にしているというのはわかった。次に聞きたいのは、君の夢についてだ」
シンヤ「俺の将来の夢ってことですか?」
アレックス「ああ。リコと君の将来的なこともあるから、聞いておきたかったんだ。…君は将来、リコと結婚する気はあるんだろう?」
シンヤ「っ⁉︎…はい!もちろんです!」
アレックス「だからこそ、君の夢を聞いておきたいんだ」
シンヤ「夢ですか…」
アレックス「答えにくいかい?」
シンヤ「いえ、答えられますけど」…(リコとの将来もあるから、言っておいたほうがいいのかな?アレックスさん、本当にリコのことを大事にしてるし)
アレックスはリコのことを本当に大事にしている。それは、さっきシンヤにリコのことをどう思っているのかと聞いたことでよくわかる。それにアレックスは、シンヤにリコと結婚する気はあるのかと聞いてもいた。それは、ある意味ではシンヤとリコの関係を認めているともとれる。だからこそ、アレックスはシンヤの夢を聞いているのだ。もちろん、シンヤにも夢はあるのだが。
シンヤ(でもこれは、アレックスさんが聞きたがる答えとは違うと思うしな)
どうやらシンヤの夢は、アレックスが聞きたがっている答えとは違うものらしい。おそらくアレックスが聞きたがっているのは、将来ちゃんと自分のように手に職を持つ仕事をして、リコと結婚して生活できるような夢なのかということだろう。
シンヤ(これは金給には繋がらない夢だけど、例えどう思われても、アレックスさんに伝えとかないとな。リコだって、いずれは俺の母さんと父さんに会うことになるんだろうし。そうなったら、今の俺と同じ立場になるんだよな。……いや、母さんと父さんがリコに会えば、絶対に速攻でOKしそうだな)
アレックス「どうかしたかい?」
シンヤ「多分、アレックスさんの求める答えとは違うかも知れませんが、構いませんか?」
アレックス「私の求める答えと違う?どういう意味かな?」
シンヤ「…アレックスさんは、《ポケモンという生き物がどうやって誕生》したか、一度でも考えたことがありますか?」
アレックス「え?……そうだな。子供の頃、少し疑問に思った程度で、深く考えはしなかったかな…」
シンヤ「俺もそうでした。疑問に思った程度で、あまり深く考えたことはありませんでした。でも、ポケモンという生き物がどう誕生したのか、俺はそれが知りたくて、その謎を追ってるんです。俺は各地方を回ってジム戦をしながら、古い遺跡なんかを見て回って、ポケモンがどうやって誕生したのかを調べたり、知り合いのポケモン博士に聞いたりしました。残念ながら、なんの進展もありませんでしたけど。でも、それをいつか解き明かすのが俺の夢なんです。ポケモンバトルも好きだから、続けてはいきますけど」
アレックス「…そうか。立派な夢を持ってるんだね。確かに、ポケモンがどうやって誕生したのか、これはまだ解き明かされていない謎だね」
実際、多くのポケモン博士や研究者たちが、ポケモンがどう誕生したのか、どこからやって来たのかを調べてはいるが、それは未だに解き明かされていない最大の謎だった。もしそれが解き明かされれば、歴史的な大発見になると言っていいだろう。
ここまでシンヤの話を聞いたアレックスは、シンヤがリコをどれだけ大切にしているのかを知り、シンヤがどんな人間なのかということを知ることができた。そして、この数分間シンヤと話したことで、シンヤに対する印象がアレックスの中で変わり始め、シンヤにならリコを任せても大丈夫だと、素直にそう思えるようになった。
アレックス(シンヤくんなら、リコを幸せにしてくれるだろう)…「シンヤ君、リコを幸せにしてあげてくれ」
シンヤ「え?…それって、つまり…」
アレックス「ああ、リコとの交際を認めるよ。リコを大事にしてあげてくれ」
シンヤ「っ!はい!ありがとうございます!」
アレックス「うん」
ガチャ(扉が開く音)
リコ「ただいま!」
シンヤがアレックスにリコとの交際を認めてもらったタイミングで、買い物を終えたリコたちがドアを開けて帰ってきた。
アレックス「リコ。おかえり」
シンヤ「買い物は終わったのか?」
リコ「うん。帰る途中でグルトンに襲われたけど、フリードのリザードンがグルトンを追い払ってくれたから。はいこれ」
スッ(コーヒー豆)
アレックス「ああ、ありがとう」
リコ「あれ?お父さん、仕事中じゃなかったの?」
アレックス「少し、シンヤくんと話をしていてね」
リコ「話?」
シンヤ「お前がここに帰ってきたら、付き合ってる俺のことをアレックスさんと自分のお母さんに紹介するとかって話を、さっきアレックスさんから聞いたんだよ」
リコ「ぁっ⁉︎ごめん!家に帰ってきたら、お父さんにそのことを言うの忘れてた!」
リコはさっきまで、旅を続けるか船を降りるかどうかでずっと悩んでいたため、家に帰ってきたら、アレックスと自分の母親に、恋人であるシンヤを紹介することをすっかり忘れていたようだ。まぁ、リコの気持ちを考えれば、それは仕方ないことだろう。
リコ「お父さん、電話でも言ったけど、私からシンヤに告白して、こ、恋人になってもらったの///」
アレックス「ああ、わかってるよ。それに、シンヤくんならリコを幸せにしてくれると思った。だから今、リコを大事にしてくれとお願いしたところだよ」
リコ「そ、そうなんだ///」
フリード(そうか。シンヤとリコは交際してたのか)
シンヤ「フリード、リコが旅を続けられるようにもなったし、俺とリコの関係も認めてもらったから、もう一つの要件も済ませよう」
フリード「もう一つの要件?なんだそれは?」
シンヤ「《黒いレックウザ》のことだよ。ドットの情報で、このパルデア地方に来てるって教えてもらったじゃん」
アレックス「黒いレックウザ?」
シンヤ「ロイが捜してて、このパルデア地方に来てるかもしれないって情報があったんです」
アレックス「黒いレックウザか。私は絵本に書いたことはあるけど、実際に見たことは…待てよ…そういえば!」
リコ「どうしたの?」
アレックス「私と同じ芸術家で、ボウルタウンにいる《コルサ》という人が、最近、珍しいポケモンを見たと言っていたんだよ」
シンヤ「あのコルサさんが!」
アレックス「えっ?コルサさんを知ってるのかい?」
シンヤ「はい。ボウルタウンのジムリーダーのコルサさんですよね?俺、一ヶ月前にパルデア地方を旅をしながらジム巡りをしましたから、その時にコルサさんに会ったんですよ」
フリード「じゃあ、明日ボウルタウンに行ってコルサさんを訪ねよう。シンヤ、リコとロイと一緒に、明日3人でボウルタウンに行ってくれるか?俺は他に用事があってな」
シンヤ「OK…でも、そろそろ夕暮れだから、俺たちは船に戻ろう。リコはせっかく家に帰ってきたんだから、このまま家に泊まれば?明日の朝に迎えに行くからさ」
窓から外を見てみると、日は沈んで夕方になっていた。今からボウルタウンに行ったら確実に夜になるので、ボウルタウンに行ってコルサから話を聞くのは明日にしようということになり、シンヤとフリードは書斎にいるロイを呼びに行き、そのままブレイブアサギ号に戻ろうとした。すると…
リコ「あの、シンヤも泊まっていけば?」
シンヤ「え?…リコの家にか?」
リコ「うん。私もシンヤと話したいことあるし、明日テーブルシティでロイと合流した後、一緒にボウルタウンに行けばいいでしょ?」
シンヤ「俺はいいけど…アレックスさんはいいんですか?」
アレックス「ああ、是非そうしてくれ」
こうして、シンヤはリコの家に泊まることになり、フリードはロイを呼びに行った後、ブレイブアサギ号に戻って行った。
それからシンヤは、リコの家で夕食をご馳走になり、お風呂まで使わせてもらった。風呂から出ると、リコに部屋に来てと呼ばれたので、シンヤはリコの部屋に向かった。
リコの部屋
ピカチュウ・ニャオハ「「zzz〜zzz〜(ー ー;)」」
シンヤ「ピカチュウとニャオハは寝てるのか?」
リコ「うん。…シンヤ、今日は本当にありがとう。私が冒険を続けられるようになったのは、シンヤのおかげだよ。でも、どうしてわかったの。私の悩みが?」
シンヤ「朝からお前の様子がおかしかったから、すぐに船を降りるかどうかで悩んでたことがわかったんだ。それに、お前は顔に態度が出やすいからな」
リコ「そっか。…私、さっきお父さんの気持ちを聞いたけど、私のことをあんなに心配してるなんて知らなかった」
シンヤ「たけど、1番大切なのは、リコがどうしたいかだ。それに、ちゃんと自分からアレックスさんに気持ちを伝えて、アレックスさんにも旅に行っておいでって言われたんだから、もうその話はいいだろ」
リコ「…うん」
シンヤ「さっきアレックスさんの仕事場を見た時、リコが描いてある絵を見たけど、それだけで、アレックスさんがリコのことをどれだけ大事にしてるかわかるよ」
リコ「ありがとう。あの絵はね、私がセキエイ学園に入学が決まった時に、お父さんが描いてくれたんだ」
シンヤ「そっか。…さて、俺はリビングで寝るから、ピカチュウをよろしくな」
リコ「え?シンヤもここで寝ればいいでしょ。さっきシンヤがお風呂に入ってる時に、私の部屋で寝ることをお父さんに話したよ」
シンヤ「えぇっ⁉︎アレックスさんはいいって言ったのか?」
リコ「一緒のベッドで寝るのはダメって言われたけど、一緒の部屋で寝るくらいならって」
シンヤ(一緒に寝るのはいいのか?)…「じゃあ、俺はもう寝るから、おやすみ」
リコ「うん、おやすみ」
リコが部屋の電気を消すと、シンヤはリコの部屋の隅っこで横になり、アレックスが貸してくれた布団をかけた。それからしばらくすると、ベッドの中から出てきたリコがシンヤの近くに歩いてきて、しゃがんでシンヤの顔を覗き込んだ。
リコ「シンヤ、今日は本当にありがとう。あなたを好きになってよかった。これからもよろしくね」
ちゅっ(頬にキスする)
リコはシンヤの頬に軽く唇を当ててキスをすると、すぐにベッドの中に戻って行った。
リコ(…///キスしちゃった!///頬にだけど!今気づいたけど、私、大胆なことをシンヤにしちゃった///)
シンヤ(今、軽くだけど、リコに頬をキスされたような///)
リコはシンヤが寝ていたと思っていたようだが、シンヤはまだ起きていた。シンヤとリコは互いに顔を赤くしており、なかなか眠りにつけなかったので、眠気が来るのを待つことにして、互いに数十分後に眠りについた。
To be continued
次回予告
ボウルタウンのジムリーダーであるコルサが珍しいポケモンを見たとアレックスから聞いたシンヤたちは、そのポケモンが黒いレックウザか確かめるために、コルサに会いにボウルタウンに向かった。その途中、パルデア地方のチャンピオンランクのトレーナーである《ネモ》に出会い、シンヤたちはコルサと出会った。コルサと出会ったシンヤたちは、早速コルサから黒いレックウザの話しを聞こうとしたが、コルサはなにやら思い悩んでいる様子だった。
次回「ネモとコルサ!」
日曜日に投稿する予定でしたが、遅くなりました。
今週の12月14日に青の円盤が配信されたら、スカーレットとバイオレット、両方のストーリーだけクリアするつもりなので、小説の投稿が何日か遅れますのでご了承ください。緑の仮面もそうでしたが、青の円盤の配信も楽しみに待ってたんです。