ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
シンヤのディアルガからの証言により、ルシアスの六英雄がエンテイでなくウガツホムラだということがわかったので、パラドックスポケモンであるウガツホムラがいる可能性が高い《エリアゼロ》に行くため、シンヤたちライジングボルテッカーズはパルデア地方にやってきた。そして、パルデア地方のチャンピオンでもあり、リーグ委員長でもある《オモダカ》に連絡を取ると、テーブルシティの南東にあるポケモンリーグの建物の中にやってきたの……だが
パルデアポケモンリーグ・面接室
チリ「本日は、ポケモンリーグまで何をしに来られたんですか?」
リコ(なぜか私たちは、前と雰囲気が違うチリさんに…面接を受けています)
エリアゼロに行く許可をオモダカに貰うため、シンヤ、リコ、ロイ、ドット、リュウガ、ミコ、フリードの7人は、ポケモンリーグの建物の中へとやってきた。そこで、フリードを除くシンヤたちは面接室にある椅子に座っていて、パルデア四天王の《チリ》に面接を受けていた。チリの右側には、シンヤとドットの友達の《ボタン》が立っていて、フリードはシンヤたちを見守るように後ろに立っていた。
ボソッ(小声で話す)
リコ『ねぇシンヤ。チリさん、前に会った時と感じが違いすぎるんだけど…』
リコたちの知っているチリは、気さくでフレンドリーな感じだった。しかし、今のチリは眼鏡をかけていて、真面目な面接官という雰囲気を漂わせているので、まるで別人のように見えていた。
シンヤ『ああ。これはチリさんの《面接テスト》なんだよ』
リコ『面接テスト?』
シンヤ『チリさんは面接官をやると、雰囲気がガラリと変わるんだ。簡単に言えば、ドットがぐるみんをやる時に雰囲気が変わるのと同じだな』
リコ『そう…なんだ』
チリ「シンヤ!リコ!面接中にお喋りはしないように」
シンヤ「あっ…」
リコ「す、すいません!」
チリ「では、さっきの質問にお答えください」
リコ「あ、はい!私たち、オモダカさんにお願いしたいことがあって!」
ロイ「僕たち、もう一度《エリアゼロ》に行きたいんです!」
チリ「…エリアゼロに…」
リコとロイは緊張しながらも、ここに来た理由を面接官であるチリに説明した。すると、その場に静寂が流れ始める。…しかし、しばらくすると…
チリ「…な〜んてな!」
リコ・ロイ・ドット・リュウガ・ミコ「「「「「……えっ?」」」」」
カチャ(チリがメガネを外す)
チリ「みんな久しぶりやんな!元気やったか?」
リコ「えっと…」
ロイ「あの…」
シンヤ「チリさんがコガネ弁を使うってことは、面接テストが終わったってことだ」
リコ「えっ?そうなの?」
チリ「ウチも堅っ苦しいのは苦手なんやけど、これも四天王の仕事やからな。みんな、堪忍な」
リコ・ロイ・ドット(((…ホッε-(-。-))))
リコ(よかった。前に会った時のチリさんだ)
チリの口調が標準語からコガネ弁に戻ると、緊張の糸が切れたリコたちは息を吐きながら胸を撫で下ろした。
シンヤ「ってか、何でボタンがここに?」
ボタン「ドットやシンヤが来るって聞いたから、2人に会いにきた」
シンヤ「そうだったのか」
ボタン「2人とも、元気だった?」
シンヤ「ああ」
ドット「うん」
ボタン「そっか、よかった」
チリ「ほな、これからチリちゃんがトップのいる部屋に案内するから、みんなでいこか」
面接テストが終了すると、チリはシンヤたちをオモダカがいる部屋に案内した。オモダカがいる部屋には、チリと同じパルデア四天王のポピー、ハッサク、アオキの3人と、テラスタルオーブの生みの親でもある、オーリム博士とフトゥー博士の夫婦がいて、部屋の真ん中にある席には、パルデア地方で一番の実力を持つオモダカが座っていた。
オーリム博士「シンヤくん」
フトゥー博士「久しぶりだね!」
シンヤ「お久しぶりです。お二人とも、もう体は大丈夫なんですか?」
オーリム博士「ああ。君のおかげで、日常生活を送れるほどに回復したよ」
シンヤ「それは良かった。…あれ?今日はペパーは一緒じゃないんですね?」
フトゥー博士「ペパーも君に会いたがっていたんだが。どうやら、卒業に必要な単位が足りないようでね。今はオレンジアカデミーで勉強してるよ」
オーリム博士とフトゥー博士の2人と会うのは、エリアゼロから帰ってきたあと、オレンジアカデミーの校長室で別れたとき以来なので、2人がちゃんと元気になったのか気になっていたシンヤは、今の2人の元気な姿を見て、ペパーと家族3人で仲良く暮らしているのだとわかると、心の底からとても安心した。
オモダカ「皆さん、お久しぶりですね」
シンヤ「はい」
リコ「あの、オモダカさん…」
オモダカ「リコさん、先ほどシンヤさんから大体の話は聞きましたから、皆さんがここに来た理由はわかっています。皆さんは、もう一度《エリアゼロ》に行きたいそうですね?」
フリード「ええ。以前オモダカさんには話しましたが。我々ライジングボルテッカーズは、ポケモンたちの楽園と呼ばれる《ラクア》を目指して旅をしています。しかし、そのラクアに行くには、《ルシアスの六英雄》というポケモンたちに会わなければならないんです」
シンヤ「今まで旅をしてきた俺たちは、六英雄の黒いレックウザ、オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラス、バサギリに会って、黒いレックウザを除くオリーヴァたちには、一緒に来てもらえることになったんです。そして、この前ジョウト地方にエンテイを捜しに行った時、ルシアスの六英雄の1体が、俺が以前エリアゼロでゲットした《ウガツホムラ》だということがわかったんです」
オモダカ「?エンテイを捜しにジョウト地方に行ったというのは、一体どういうことですか?それに、ウガツホムラが六英雄の1体とわかったというのは?」
シンヤ「えっと、実はリコの祖母のダイアナさんから、ルシアスの六英雄のポケモンが、黒いレックウザ、オリーヴァ、ガラルファイヤー、ラプラス、バサギリ。そして、エンテイだと教えてもらったんです。だから俺たちは、ルシアスの六英雄の1体がエンテイだと思っていて、キタカミの里を出発したあと、まだ出会っていない六英雄のエンテイを捜そうと決めて、冒険の旅に出発しました。その冒険の途中に、エンテイがジョウト地方のアサギシティにいるという情報を手に入れたので、俺たちはエンテイに会うためにジョウト地方に向かったんです。そのあと、なんとかエンテイに会うことはできたんですが…」
リコ「そのエンテイは、パゴゴと共鳴しなかったので、六英雄のエンテイじゃないことがわかったんです」
シンヤ「そしてそのあと、ある人物からの情報で、ルシアスの六英雄がエンテイではなく、ウガツホムラだということを俺たちは知ったんです。ウガツホムラはパラドックスポケモンだから、生息している場所はエリアゼロ以外あり得ません。だから、もう一度エリアゼロに行くために、オモダカさんの許可が欲しいんです」
オモダカ「なるほど。それで皆さんは、私を訪ねてきたのですね。…皆さんに見ていただきたいものがあります」
オモダカは席に置いてあるリモコンを手に取ると、広間の後ろに取り付けられている大型テレビをつけた。すると、テレビに夜のエリアゼロの景色が映し出された。
シンヤ「これは?」
フトゥー博士「これは、エリアゼロを観測しているカメラだよ」
オーリム博士「我々はこれを使って、エリアゼロにいるポケモンたちが外界に出てきそうになっているかを調べているんだ」
シンヤ「そうなんですか。…でも、これがどうかしたんですか?」
フトゥー博士「これは、数日前のエリアゼロの様子なんだが、もう少し見ていればわかるさ」
フトゥー博士がそう言うと、シンヤたちは黙ってテレビを見ていた。するとその直後に、エリアゼロに設置されているカメラの前を1体のポケモンが横切った。
リコ「あっ!」
ドット「これって!」
シンヤ「ああ、間違いない」
テレビに映っている映像が夜のエリアゼロの景色だったこともあって、カメラを横切ったポケモンの顔はよく見えなかったが、後ろ姿が少しだけカメラに映っていた。その後ろ姿は、以前シンヤがゲットしたウガツホムラと全く同じだった。
リコ「ウガツホムラ」
フトゥー博士「やはり、君たちもそう思うかい?」
シンヤ「ええ。この後ろ姿は、間違いなくウガツホムラでしょう。そして、おそらくこのウガツホムラこそ…」
オーリム博士「ああ。君たちの探している六英雄の1体だろうね」
フリード「オモダカさん。このウガツホムラがルシアスの六英雄かを調べるために、エリアゼロに入る許可をください」
リコ・ロイ・ドット「「「お願いします!」」」
オモダカ「…いいでしょう。シンヤさんとリュウガさん。そしてフリード博士は、今オレンジアカデミーに向かっている《ブライア》先生と共に、エリアゼロへの立ち入りを許可をします」
リコ「えっ?」
ロイ「あの、僕たちはダメなんですか?」
ドット「前は、エリアゼロに入ることを許してもらえましたよね?」
オモダカ「あの時は、私や校長も一緒だったから、特別にエリアゼロに行くことを許可しましたが、本来エリアゼロは、オーリム博士やフトゥー博士、フリード博士のようなポケモン博士と、シンヤさんやリュウガさんのような実力を持つ者しか入ることは許されないのです。それに、エリアゼロにいるポケモンたちの危険性は、以前あなたたちもその目で見たはずです」
リコ・ロイ・ドット「「「っ…」」」
オーリム博士「それに、私とフトゥーやペパーのマフィティフが、エリアゼロでどんな目にあったか、それは君たちも知ってるはずだ」
以前エリアゼロに行った時、オーリム博士とフトゥー博士は冷凍保存状態で、生死の狭間を彷徨っていた。そして、ペパーのマフィティフは、歩いたり目を開くことさえままならないほどに衰弱しきっていた。その理由は、パラドックスポケモンの攻撃を受けたことが大きな原因だった。
オモダカ「エリアゼロに行けば、誰もがそうなる可能性があります。だからこそ、まだトレーナーとしての経験が低いあなた方をエリアゼロに行かせるわけにはいかないのです」
ハッサク「今回、ブライア先生がエリアゼロに立ち入る許可を許されたのも、長年の研究成果を踏まえて、特例として許されたのです」
リコ「待ってください!確かに、私やロイやドットは、まだトレーナーとしては未熟かもしれません。でも、私たちもエリアゼロに行きたいんです!パゴゴをラクアに連れて行くためにも!」
ロイ「お願いします!」
ドット「シンヤたちと一緒に、エリアゼロに行かせてください!」
シンヤ「オモダカさん、俺からもお願いします。リコたちをエリアゼロに入らせてやってください」
オモダカ「シンヤさん」
シンヤ「確かに、俺たちに比べればリコたちの実力はまだまだです。しかし、前にリコたちはオレンジアカデミーの危機を救ったし、伝説のポケモンでもあるエンテイを相手に互角の勝負をしました。それだけでも、十分エリアゼロに入る資格はあると思います。それに、俺とリュウガとフリードだけエリアゼロに行っても意味がないんです」
六英雄のウガツホムラに会うなら、テラパゴスを一緒に連れていき、六英雄のウガツホムラから力をもらう必要があるため、テラパゴスがいなければ、シンヤたちがエリアゼロに行く意味がなかった。
テラパゴスだけ連れて行けばいいという考え方もあるかもしれないが、もうテラパゴスはリコのポケモンなのだから、テラパゴスのトレーナーであるリコが一緒に行くのは当然と言えるだろう。それになにより、同じライジングボルテッカーズのメンバーとしてずっと旅をしてきたのだから、リコたちと一緒にエリアゼロに行きたいと、シンヤはそう思っていた。
オモダカ「……わかりました。シンヤさんがそこまで言うなら、リコさんたちがエリアゼロに入ることを許可します」
リコ「っ!」
シンヤ「本当ですか!」
オモダカ「ええ。シンヤさんには、以前エリアゼロに行く時に同行してもらいましたし、パルデアの危機を2回も救ってもらいましたからね」
リコ「わぁw!」
ロイ「ありがとうございま…」
オモダカ「ただし!これから私の出す2つの条件を呑んだシンヤさんが、私とのポケモンバトルに勝てたらの話です」
リコ「えっ?」
シンヤ「2つの条件?」
オモダカ「ええ。その条件を呑んだシンヤさんが、私とのポケモンバトルに見事勝利することが出来れば、リコさんたちがエリアゼロに入ることを許可します」
シンヤ「…わかりました」
リコ「えっ?シンヤ?」
シンヤ「オモダカさんとは前に戦ってるんだ、何も問題はない」
ロイ「あっ、そういえば、僕が初めてパルデアに来た時、シンヤがオモダカさんに勝ったことがあるってネモが言ってたよね?」
リコ「あっ、そういえば…」
そう。以前シンヤはパルデア地方を冒険した時、このポケモンリーグでオモダカとバトルして、手持ちポケモンを1体も失わずに勝利している。そのため、オモダカが使う全てのポケモンはわかっているし、手の内も知り尽くしているから、圧倒的にシンヤの方が有利だった。問題は、オモダカの出す2つの条件がどんなものかということだ。
シンヤ「オモダカさん、バトルのルールと、2つの条件がどんな内容なのかを教えてください」
オモダカ「バトルのルールは3対3で、使用アイテムは《テラスタル》のみとします。そして、私の出す1つ目の条件は、シンヤさんが私とのポケモンバトルで使う3体のポケモンのうちの2体を、図鑑番号906から983の中で選ぶというものです」
図鑑番号906はニャオハで、983はドドゲザンだから、その間にいるポケモンたちは、全てパルデア地方に生息するポケモンたちしかいない。つまり、シンヤはオモダカとのバトルで、パルデア地方に生息するポケモンを2体手持ちに加えなければならないということだ。
前にオモダカとバトルした時、シンヤはピカチュウ以外、全てパルデアのポケモンを使っていたから、図鑑番号906から983の中で選ぶというのは別に問題はなかった。ただ、パルデアでゲットしたポケモンたちは、ピカチュウやエンペルトたちに比べるとレベルが少し低いので、オモダカが自分とバトルした時からレベルアップしていることを考えると、パルデアでゲットしたポケモンを使ってバトルすることに少し不安があった。
オモダカ「残りの1体は、ディアルガやミライドンなどの伝説や幻のポケモンでなければ、好きなポケモンを選んでもらって構いません」
シンヤ「…最後の条件は?」
オモダカ「2つ目の条件は、シンヤさんのポケモンが1体でも戦闘不能になれば、私の勝ちでバトルを終了し、シンヤさんの持つ《テラスタルオーブ》を回収させていただきます」
シンヤ「っ!」
リコ「シンヤのテラスタルオーブを⁉︎」
チリ「トップ⁉︎」
ハッサク「それはちょっとやりすぎでは⁉︎」
メガシンカやZワザが使えないのはまだいいが、バトルで使うポケモンのうちの2体を図鑑番号906から983の中で選ばなければならない。正直、これだけでもかなりキツイのに、1体でもポケモンが倒れればシンヤの負けになると言うのだから、2つ目に出された条件はかなり厳しかった。なにより、もしこのバトルでオモダカに負けたら、シンヤはテラスタルオーブを失うことになる。それは、確実に今後のエクスプローラーズとの戦いに響くだろう。
オモダカ「パルデアの危機を2回も救ったあなたには、テラスタルオーブを持つ資格があります。しかし、あなたの持つテラスタルオーブは、あくまで校長が差し上げたもので、正式に与えられたものではありません。だからこそ、あなたが本当にテラスタルオーブを持つに相応しいか、私はそれをこの目で確かめたいのです。もちろん、このバトルを受ける受けないは、あなたの自由ですよ」
シンヤ「…」
リコ「シンヤ…」
このバトルを受けなれば、シンヤはテラスタルオーブを失わずに済む。しかし、それは同時に、リコやテラパゴスがエリアゼロに行けないということになるため、ウガツホムラに会うことができず、ラクアに行くこともできないということになる。つまり、シンヤの判断次第でどうなるかが決まるということだ。
シンヤ「……フッw、いいですよ。その条件を呑んだバトルを受けます」
リコ「っ!シンヤ!」
エリアゼロに行くには、バトルでオモダカを倒すという道しか残っていないので、シンヤはリコたちと一緒にエリアゼロに行くために、道なき道を切り開こうとしていた。
シンヤ「パゴゴをラクアに連れて行くためには、あのウガツホムラに会うしかないんだ。だったら、オモダカさんとのバトルに勝つ以外の道はないだろ」
リコ「それは…そうだけど…」
普通の3対3のバトルなら、シンヤが勝つということをリコは疑わなかっただろう。しかし、オモダカが出した2つの条件があまりに厳しいことや、負ければシンヤがテラスタルオーブを失うということもあって、リコは不安でたまらななかった。
シンヤ「フッw、絶対に勝つから安心しろ。オモダカさん、このバトルに俺が勝ったら、リコたちはエリアゼロに入っていいし、俺がテラスタルオーブを持つことを認めてくれるんですよね?」
オモダカ「ええ、お約束します」
シンヤ「決まりですね。リコ、あとで面白いものを見せてやるから、オモダカさんとのバトルの時に、ニャローテをボールから出しといてくれ」
リコ「えっ?ニャローテを?」
シンヤ「ああ」
こうして、リコたちがエリアゼロに入る許可を得るために、シンヤはオモダカとポケモンバトルをすることになった。しかし、今シンヤの手持ちには、図鑑番号906から983までのポケモンがいないので、先にリコたちにバトルフィールドに行ってもらうと、シンヤはナナカマド博士に連絡して、図鑑番号906から983の中で選んだ2体のポケモンを送ってもらうと、屋上にあるバトルフィールドに向かった。屋上では、バトルの審判を行うハッサク以外の全員が観客席に座っていて、リコはシンヤに言われた通り、ニャローテをモンスターボールから出していて、シンヤとバトルするオモダカはトレーナーゾーンに立っていた。そして、屋上にやってきたシンヤがトレーナーゾーンに立つと、バトルの審判であるハッサクがルール説明を行った。
パルデアポケモンリーグ・屋上のバトルフィールド
ハッサク「ではこれより!トップチャンピオン"オモダカ"と、挑戦者"シンヤ"によるポケモンバトルを始めます。使用ポケモン互いに3体、交代は自由、使用アイテムは《テラスタル》のみとなります。尚、このバトルにおいて、シンヤくんのポケモンが1体でも戦闘不能になった瞬間、そこでシンヤくんの敗北となります。いいですね?」
シンヤ「はい!」
ハッサク「では、お互いに1体目のポケモンをフィールドへ!」
スチャ(互いにボールを構える)
シンヤ「速攻で決めるぜ!いけ!ゲッコウガ!」
ポーーン‼︎
ゲッコウガ「コォォォウガッ‼︎」
観客席
ドット「シンヤの一番手はゲッコウガか…」
リュウガ「いいチョイスだ。《キズナ現象》はオモダカさんの出した条件には引っかからないからな」
チリ「ん?キズナ現象?」
ポピー「それって何ですの?」
リコ「あっ、えっと…」
ドット「それは…」
ミコ「バトルが始まればわかりますよ」
オモダカ「そのゲッコウガは、あの不思議な姿になるゲッコウガですか?」
シンヤ「ええ。俺はこのゲッコウガしか持っていませんから。…もしかして、こいつをバトルに使うのはダメでしたか?」
オモダカ「いえ、構いませんよ。私もそのゲッコウガとはバトルしたいと思っていたので。では、私もポケモンを出しましょう。キラフロル!」
ポーーン‼︎
キラフロル「フゥゥゥゥッ‼︎」
シンヤ「っ!キラフロル⁉︎」
リコ「あのポケモンは」スッ(スマホロトムを取り出す)
キラフロル こうせきポケモン いわ・どくタイプ
危険を察知すると、結晶の花びらを開いて、円錐形の体からビームを発射する。
リコ「キラフロルっていうんだ」
リュウガ「あれ?確かあのポケモン、前にエリアゼロで見たような?」
オモダカ「ええ。この《キラフロル》は、エリアゼロに生息しているポケモンですよ。前にエリアゼロに行った時、あなたたちは見ているはずです」
ドット「そういえば、洞窟を歩いた時に、あのポケモンを何度か見たような」
アオキ「…妙ですね」
チリ「せやな」
ロイ「えっ?何がですか?」
チリ「あのキラフロルは、代表のエースポケモンなんや。なのに、そのエースをこんな早くに出すなんて、なんか嫌な予感がするわ」
アオキ「もしかして、代表はアレを狙っているのでは?」
チリ「あぁ〜、アレか…」
ポピー「アレですの」
フリード「アレって?」
チリ「バトルを見とったらわかる」
シンヤ(いきなりキラフロルを出すということは、おそらくオモダカさんは、キラフロルのアレを狙っているな)
ハッサク「2人とも、準備はいいですね?」
シンヤ「はい!」
オモダカ「こちらも」
ハッサク「では、バトル、スタートです!」
オモダカ「キラフロル!『マジカルシャイン』!」
キラフロル「フロォォォォッ‼︎」
シンヤ「かわして『みずしゅりけん』!」
ゲッコウガ「コォォォウ、ガッ‼︎」
オモダカ「『ニードルガード』!」
キラフロル「ラァァァフッ‼︎」
シンヤとオモダカのバトルが始まると、キラフロルは「マジカルシャイン」を放って攻撃してきた。すると、ゲッコウガはジャンプして攻撃をかわし、両手で作った水の手裏剣をキラフロルに投げ飛ばした。しかし、ゲッコウガの投げ飛ばした「みずしゅりけん」は、キラフロルの発動した「ニードルガード」によって防がれてしまう。
オモダカ「キラフロル、『ひかりのかべ』!」
キラフロル「キラァァァァァッ‼︎」
シンヤ「っ!ここで『ひかりのかべ』か」
ゲッコウガ「コウガッ…」
キラフロルは「ひかりのかべ」を発動すると、特殊技の威力を下げる四角いエネルギーの壁を作り出した。
ミコ「これでしばらくの間、特殊技によるダメージは減らされる」
リュウガ「『ひかりのかべ』を破るには、『かわらわり』を覚えてるポケモンが必要。それがなければ物理的で対抗するしかないが…」
シンヤ(どうしても物理技を使わせて、キラフロルにダメージを与えろってことか…)
オモダカ「フッw」
シンヤ(後々のバトルを考えれば、ゲッコウガは無傷で温存しておきたい。オモダカさんのペースになるのは癪だけど…ここは…)…「ゲッコウガ、戻れ」
シュルルーーン
スチャ(シンヤがモンスターボールを取り出す)
チラッ(シンヤがリコとニャローテを見る)
リコ「えっ?」
ニャローテ「ニャァァァッ?」
シンヤ「リコ!ニャローテ!よく見とけよ!頼むぜ!」
ポーーン‼︎
マスカーニャ「マァァァァニャッ‼︎」
リコ「…ええ〜〜っ⁉︎」
ニャローテ「ニャァァァァッ⁉︎」
リュウガ「ん?あのポケモン、なんかニャローテに似てるな」
フリード「そりゃあそうだろ。シンヤが出したあのポケモンは、ニャローテの進化形なんだから」
そう。シンヤがゲッコウガとの交代で出したポケモンは、リコの相棒ポケモンであるニャローテの進化形、マジシャンポケモンの《マスカーニャ》だった。
リコ「シンヤ、マスカーニャを持ってたんだ。…ちょっと嬉しい」
ニャローテ「ニャァァロッ」
シンヤがマスカーニャを出すと、いずれ自分のニャローテがマスカーニャに進化した時、シンヤとお揃いになるのだと思うと、リコはすごく嬉しそうな顔をしていた。
ドット「でも、キラフロルはどくタイプを持ってるから、マスカーニャとは相性が悪いはず。なのに、なんでシンヤはマスカーニャを出したんだろう?」
リュウガ「アイツのことだ。何か考えがあるんだろう」
ハッサク「代表、ポケモンの交代は?」
オモダカ「私はこのままキラフロルで」
ハッサク「わかりました。では、バトルを続行します」
シンヤ「マスカーニャ!『トリプルアクセル』!」
マスカーニャ「マァァァァ、ニャァァァァッ‼︎」
バン!バン!バァァァァン‼︎
シンヤが「トリプルアクセル」というこおりタイプの技を指示すると、マスカーニャは両足に冷気を纏った。そして、キラフロルに向かってジャンプすると、冷気を纏った足でキラフロルに3回連続でキックをした。「トリプルアクセル」は、外れるまで最大3回連続で攻撃することができ、当たるたびに威力が上がる技なので、3回攻撃が当たったことにより、いわタイプのキラフロルに大ダメージを与えることができた。……しかし、マスカーニャがキラフロルに物理技でダメージを与えた瞬間、キラフロルの特性が発動した。
キラフロル「フゥゥゥゥッ!」
シュバババッ!(キラフロルの体から飛び出る)
オモダカ(フッw)
シンヤ(やはり、オモダカさんの狙いはこれか)
フリード「なっ!」
リコ「何アレ⁉︎」
マスカーニャの攻撃がキラフロルに命中した瞬間、キラフロルの体から無数のどくびしが飛び出し、マスカーニャの足元や周りに飛び散った。
リュウガ「あれは…」
ミコ「もしかして、『どくびし』?」
チリ「せや。あれはキラフロルの特性“どくげしょう”」
ドット「どくげしょう?」
アオキ「相手の物理攻撃でダメージを受けた時、相手フィールド全体に『どくびし』を放つ特性です」
ポピー「これで、これからシンヤさんが交代して出したポケモンは、確実に毒状態になりますの」
チリ「ただの毒状態やない。マスカーニャの『トリプルアクセル』の攻撃がキラフロルに3回当たったから、どくげしょうが2回発動しとる。ということは、『どくびし』を2回使ったのと同じで、これからシンヤが交代して出したポケモンは《猛毒状態》になるんや」
ドット「もしかして、さっき『ひかりのかべ』を使ったり、マスカーニャの『トリプルアクセル』を『ニードルガード』で防がなかったのは!」
チリ「せや。トップはシンヤに物理技を使わせるために、特殊技のダメージを減らせる『ひかりのかべ』を発動した。そして、シンヤはトップの読み通り、物理攻撃を使うマスカーニャを出して、キラフロルに大ダメージを与えられる『トリプルアクセル』を使って攻撃してきた。それを『ニードルガード』で防ぐこともできたけど、キラフロルのどくげしょうを発動させるために、トップは敢えて『ニードルガード』を発動せず、物理技の『トリプルアクセル』のダメージを受けたんや」
ポピー「でも、前にシンヤさんは代表とバトルしたことがあるから、キラフロルの特性は理解しているはずですの。なのに、どうして物理技で攻撃したんですの?」
リュウガ「おそらく、ゲッコウガの体力を少しでも残しておくためだな」
ロイ「ゲッコウガの体力を?」
リュウガ「キラフロルの『ひかりのかべ』によって、特殊技のダメージはしばらく下がる。シンヤのゲッコウガは特殊技しか覚えてないから、あまりキラフロルにダメージを与えられない。それに、あのキラフロルは『ニードルガード』を使えるから、物理技を使おうが特殊技を使おうが、確実にゲッコウガの攻撃は防がれる。そんなことをされれば、ゲッコウガのスタミナは確実になくなっていき、後半が不利になる。それを避けるために、シンヤはゲッコウガを戻してマスカーニャに交代させたんだ」
リコ「でも、マスカーニャの攻撃に『ニードルガード』を使われたら、マスカーニャの攻撃だって防がれるんじゃないかな?」
ドット「そうだよ。さっきはどくげしょうを発動させるために、ワザと『トリプルアクセル』を喰らったけど、次からは確実に『ニードルガード』で攻撃を防いでくるはずだよ」
リュウガ「そんなことはシンヤもわかってるはずだ。けど、あのマスカーニャには『ニードルガード』を破る何かがあるんだろう。でなきゃ、どくタイプにくさタイプをぶつけるなんてバカなことはしねぇよ」
シンヤ「一気にカタをつける。マスカーニャ!もう一度『トリプルアクセル』!」
マスカーニャ「マァァァァニャァァッ‼︎」
オモダカ「『ニードルガード』!」
キラフロル「フゥゥゥゥゥッ‼︎」
シンヤ「マスカーニャ!ツタを投げてキラフロルを捕まえろ!」
マスカーニャ「マァァァニャァッ!」
パシッ(ツタを巻きつけてキラフロルを捕まえる)
キラフロル「ラフッ⁉︎」
足に冷気を纏ったマスカーニャが攻撃してきた瞬間、キラフロルは「ニードルガード」を発動し、マスカーニャの攻撃を防御しようとした。するとマスカーニャは、ワイヤーのように細長いツタを投げてキラフロルをぐるぐる巻きにして身動きを取れなくすると、キラフロルは「ニードルガード」を発動することができなくなった。
シンヤ「今だ!」
マスカーニャ「ニャァァァァァッ‼︎」
バン!バン!バァァァァン‼︎
キラフロル「フゥゥゥゥゥッ⁉︎」
マスカーニャがキラフロルの体を巻きつけているツタを引っ張ると、キラフロルはマスカーニャの元に引っ張られていき、「ニードルガード」を発動できないキラフロルにマスカーニャが再び3回連続でキックすると、キラフロルは大ダメージを受けた。
リュウガ(なるほど。マスカーニャのツタ投げは技じゃないから、『ニードルガード』を使っても防ぐことはできない。シンヤのヤツ、マスカーニャに交代した時から、これでキラフロルを倒すつもりだったな)
シンヤ「これで最後だ!マスカーニャ!トリック…」
オモダカ「キラフロル!『おきみやげ』!」
シンヤ「なっ!『おきみやげ』⁉︎」
キラフロル「フゥゥゥゥゥッ‼︎」
シンヤがマスカーニャに技を指示するより早く、オモダカがキラフロルに「おきみやげ」という技を指示した。すると、キラフロルは体を高速で回転させ、体を巻きつけているツタを切り落とすと、マスカーニャに向かって突っ込んできた。しかし、その攻撃でマスカーニャはダメージを受けず、キラフロルは戦闘不能になってしまった。
キラフロル「フゥゥ…ゥゥッ…(@_@)」
リコ「えっ?どうしてキラフロルが戦闘不能になったの?」
リュウガ「『おきみやげ』の効果だ」
ロイ「『おきみやげ』の?」
ミコ「『おきみやげ』の効果は、自分がひんしになる代わりに、相手の攻撃と特攻を2段階下げる技なの」
リュウガ「まさか、それをエースポケモンに覚えさせていて、こんなタイミングで使ってくるとはな」
ドット「けど、オモダカさんはエースのキラフロルを失ったんだから、シンヤの方が圧倒的に有利になったはずだよ」
エースポケモンは、トレーナーの精神的かなめと言っていい存在。そのエースポケモンを早く失うだけで、トレーナーの受ける精神的ダメージをあまりに大きい。心理的な余裕の差は勝負において大きな力の差を生むので、それだけで勝負が決まってしまうと言ってもいいだろう。
リュウガ「確かにそうだが、その割には、まだまだ余裕って顔をしてるぜ、オモダカさん」
リコ・ロイ・ドット「「「えっ?」」」
チラッ(3人がオモダカを見る)
オモダカ「フッw、キラフロル、戻ってください」
シュルルーーン
オモダカ「ご苦労様でした。まさか、あのような方法で『ニードルガード』を破るとは、さすがの私もそこまでは読めませんでしたよ」
シンヤ「それは俺も同じですよ。まさか、オモダカさんのキラフロルが『おきみやげ』を覚えてるなんて、さすがに予想できませんでした」
シンヤとオモダカは前にここでバトルした時、互いにマスカーニャとキラフロルと戦ったことはあるが、以前マスカーニャはツタを使うバトルはしなかったし、キラフロルも「おきみやげ」を使うことはなかったため、最後の攻撃は互いに不意をついた一手だった。…しかし、キラフロルの「おきみやげ」によって、マスカーニャは攻撃と特攻を2段階も下げられてしまったため、かなりキツイ状況になってしまっただろう。
シンヤ「けど、エースであるキラフロルを失ったのは、オモダカさんにとってかなり痛いはずです。俺にはまだ、無傷のマスカーニャとゲッコウガ。それに、もう1体のポケモンが残っている。これなら、何の問題なくオモダカさんと戦えますよ」
オモダカ「確かに、こんなにも早くキラフロルを失ったのは、私にとってかなりのダメージです。…しかし…」
チラッ(フトゥー博士を見る)
フトゥー博士「フッw」コクッ
オモダカ「フッw」
スチャ(オモダカがあるボールを取り出す)
シンヤ「ぁっ!そのボール!」
オモダカはフトゥー博士の方を見ると、懐に手を突っ込んであるボールを取り出した。それを見ると、この場にいるフトゥー博士以外の全員が、オモダカが取り出したボールに注目した。
フリード「ぁっ!」
リコ「あのボールって!」
リュウガ「野生のポケモンに当たれば、伝説や幻のポケモンだろうが一発でゲットすることができる、最強にして究極のボール…」
スチャ(マスターボール)
シンヤ「《マスターボール》!」
そう。オモダカが懐から取り出したのは、以前エリアゼロに行った時、そこで出会ったオーリムAIとフトゥーAIが持っていた、モンスターボール中でも究極の性能を有するボールと言われるマスターボールだった。
しかし、オモダカの持っているポケモンの中にはマスターボールに入っているポケモンはいないはずなので、なぜオモダカがマスターボールを持っているのか、それがシンヤにはわからなかった。…いや、シンヤだけではない。オモダカがマスターボールを持っていることに驚いているのは、観客席にいるパルデア四天王のチリたちや、審判をしているハッサクも同じだった。
オモダカ「このボールは、このバトルのために、私がフトゥー博士から借りたものです」
シンヤ「フトゥー博士から?」
オモダカ「ええ。そして、このボールの中にいるポケモンは、あなたたちがエリアゼロで出会っているポケモンですよ」
シンヤ「エリアゼロで出会ったポケモンで、マスターボールに入っているポケモン。……まさか!」
オモダカ「フッw」
ブンッ!(モンスターボールを宙に投げる)
ポーーン‼︎
テツノイワオ「イワァァァーーオッ‼︎」
ピカチュウ「ピィカッ⁉︎」
シンヤ「やはり!」
フリード「なっ!」
チリ「なんや⁉︎あのポケモン⁉︎」
ポピー「あんなポケモン、初めて見るですの⁉︎」
ドット「あのポケモンって!」
リコ「エリアゼロに行った時にシンヤが戦った…」
リュウガ「テツノイワオ!」
オモダカが繰り出してきた2体目のポケモン。それは、以前シンヤがゼロラボで戦ったポケモンであり、オーリム博士とフトゥー博士の2人が作ったタイムマシンで未来の世界からやってきた、パラドックスポケモンポケモンの《テツノイワオ》だった。
シンヤ「なるほど。キラフロルが倒れても余裕だったのは、テツノイワオが残っていたからだったんですね」
オモダカ「テツノイワオの強さは、あなたも十分ご存知でしょう」
テツノイワオの強さは、言われるまでもなく、ゼロラボで戦ったシンヤが一番わかっている。その強さは、伝説のポケモンの力と同等だろう。しかし、テツノイワオを倒さなければ、リコたちはエリアゼロに行けないうえに、シンヤはテラスタルオーブを失うのだから、絶対に負けるわけにはいかない。
オモダカ「どうしました?エリアゼロであれだけ活躍したあなたなら、この程度のことはなんともないでしょう?」
シンヤ「こうなったらやるきゃねぇ!マスカーニャ!『はたきおとす』!」
マスカーニャ「ニャァァァァッ‼︎」
オモダカ「『パワフルエッジ』!」
テツノイワオ「イワァァァァァッ‼︎」
バァァァァァァン‼︎
マスカーニャ「ニャァァァッ⁉︎」
シンヤ「マスカーニャ!」
マスカーニャは右手にエネルギーを集めて「はたきおとす」を発動すると、右手をテツノイワオに向かって振り下ろした。すると、テツノイワオは左右の突き出ている角にエネルギーを集め、エネルギーが溜まると、オレンジ色に発光している左右の角をマスカーニャの右手に向かって突き出した。2人のパワーは互角かと思われたが、マスカーニャはキラフロルの「おきみやげ」によって攻撃を2段階下げられているので、徐々に後ろに押され始めると、そのままテツノイワオに吹き飛ばされてダメージを受けてしまう。
シンヤ「マスカーニャ、戻れ」
シュルルーーン
リコ「マスカーニャを戻しちゃった」
ニャローテ「ニャァァァッ」
リュウガ「だがこれでいい。今のマスカーニャのパワーじゃ、テツノイワオに対抗できないからな」
ミコ「それに、能力が下がったポケモンは、一度ボールに戻れば元に戻るからね」
ロイ「えっ?じゃあなんで…あっ」
リュウガ「そう。フィールドには、キラフロルが撒いた『どくびし』がある。それがあるから、シンヤは無闇にポケモンをポケモンを交代させなかったんだ。けど、さっきの『パワフルエッジ』を食らったことで、マスカーニャはかなりのダメージを受けたはずだ」
シンヤが交代して出したポケモンは、2回発動した『どくびし』の効果を受けて猛毒状態になってしまう。それに加えて、ポケモンが1体でも倒れれば負けになるのだから、一瞬の判断が勝ち負けを大きく変えてしまうため、ミスは一切許されなかった。そのため、シンヤは慎重にバトルをしているのだ。
スチャ(シンヤがモンスターボールを取り出す)
シンヤ「こうも早くお前の出番が来るとはな。頼むぜ!」
ポーーン‼︎
色違いソウブレイズ「ブレイズッ!」
リコ・ロイ「「……ええ〜〜〜っ‼︎」」
ドット「あのポケモンって!」
フリード「《ソウブレイズ》!」
リュウガ「へぇ〜、かっこいいポケモン持ってんじゃん」
シンヤがマスカーニャとの交代で出したポケモンは、リコたちがよく知っている人物…そう。エクスプローラーズの幹部である《アメジオ》のパートナーポケモンの《ソウブレイズ》、しかも色違いのソウブレイズだった。ソウブレイズがフィールドに出てくると、キラフロルが撒いたどくびしの効果により、ソウブレイズは猛毒状態になった。
リコ「な、なんで、シンヤがソウブレイズを…」
チリ「なんや?ソウブレイズがどうかしたか?」
リコ「あ、えっと、どうしてシンヤがソウブレイズを持ってるのかなって…」
チリ「そりゃあ、シンヤがパルデアでゲットしたからやろ?」
チリの的確な正論を聞いたリコは、心の中で『ですよね』と思いながら納得した。
チリ「リコ、一体どうしたんや?」
リコ「あ、その…」
フリード「知り合いがソウブレイズを使ってるから、シンヤがソウブレイズを出したことに驚いたんですよ」
チリ「なんやそんなことか。別に珍しいことはないやろ。同じポケモンを使うトレーナーなんて何人もおるで。リコのニャローテだって進化すればマスカーニャになるんやから、シンヤとお揃いになるやろ?それと同じや」
リコ「あっ…そっか」
ドット「そう言われてみれば、シンヤもフリードと同じように、ピカチュウとリザードンを持ってるよね」
フリード「確かにw」
チリの言葉を聞いたリコたちは、自分たちがつまらないことに動揺していたことに気づくと、シンヤとオモダカのバトルに目を向けた。
オモダカ「テツノイワオ!『じしん』です!」
テツノイワオ「イワァァァァ…」
シンヤ「ソウブレイズ!『ゴーストダイブ』!」
色違いソウブレイズ「ブレイズッ‼︎」
テツノイワオは「じしん」を発動させようと、振り上げた両足を思いっきり地面に叩きつけようとした。しかし、ソウブレイズがそれより早く自身の影の中に沈んで姿を隠すと、テツノイワオの「じしん」攻撃を回避した。そして、テツノイワオの後ろから姿を現したソウブレイズは、両手の剣を振り下ろしてテツノイワオを斬りつけた。
オモダカ「そのソウブレイズ、前にバトルした時よりも素早い攻撃をするようになりましたね」
シンヤ「まだまだこんなもんじゃありませんよ。『つるぎのまい』!」
色違いソウブレイズ「ブレイズッ!」
ソウブレイズは腕をクロスすると、自分の攻撃を2段階上げた。テツノイワオはソウブレイズに有効ないわタイプを持っているし、ソウブレイズは猛毒状態のため、こうしてる間も確実に体力を奪われている。そのため、シンヤはすぐに勝負を決めようとしていた。
そして、ここでキラフロルの使った「ひかりのかべ」の効果が消えて、特殊技の威力は下がらなくなった。
オモダカ「テツノイワオ、『パワフルエッジ』です!」
シンヤ「もう一度『つるぎのまい』だ!」
色違いソウブレイズ「ブレイズッ!」
「パワフルエッジ」を発動したテツノイワオが正面から突撃してくると、ソウブレイズはもう一度「つるぎのまい」を発動し、角を突き出して突進してきたテツノイワオの攻撃を腕をクロスして受け止めた。
シンヤ「一気に勝負を決めるぞ!『むねんのつるぎ』!」
色違いソウブレイズ「ブゥゥゥレェェェェイッ‼︎」
腕をクロスしてテツノイワオの攻撃を防いでいたソウブレイズは、両手の剣に紫色の炎を纏わせると、クロスしている両手を前に勢いよく突き出し、テツノイワオを後ろに押し返した。すると、ソウブレイズは勢いよく前に走り出し、紫色の炎を纏っている両手の剣でテツノイワオを連続で斬りつけてダメージを与えていき、「むねんのつるぎ」の追加効果で体力を回復していった。そして、ソウブレイズが両手の剣をテツノイワオの背中に思いっきり振り下ろすと、テツノイワオをその場に倒れた。
オモダカ「ここまでですね。ならば、『エレキフィールド』!」
テツノイワオ「イワァァァァオッ‼︎」
あと少しでテツノイワオが戦闘不能になることを悟ったオモダカは、テツノイワオに「エレキフィールド」を指示した。テツノイワオが最後の力を振り絞って「エレキフィールド」を発動すると、バトルフィールドや周りが黄色に変わり、バトルフィールドに電気が駆け巡り始めた。すると、その直後にテツノイワオが目を回して倒れてしまう。
テツノイワオ「イワァ…ァ…(@_@)」
シンヤ「よし!」
色違いソウブレイズ「ブレイズッ!」
シュルルーーン
オモダカ「ご苦労様でした。テツノイワオを倒すとは、さすがですね」
シンヤ「前にエリアゼロで戦ってますから、テツノイワオの攻撃パターンが読めてただけですよ」
シンヤはそう言うが、使い手が変わればポケモンの攻撃パターンなど100%変わる。それでも勝利できたのは、シンヤの実力と言っていいだろう。
ロイ「やった!」
ミコ「これで残りは1体!」
ドット「それさえ倒せばシンヤの勝ちだ!」
オモダカ「やはり、あなたは一筋縄ではいきませんね」
スチャ(オモダカがマスターボールを取り出す)
シンヤ「っ!またマスターボールか!」
オモダカ「では、最後のバトルを始めましょう!」
ポーーン‼︎
テツノカシラ「カァァァァシラッ‼︎」
シンヤ「テツノカシラ!」
ピカチュウ「ピィカッ!」
オモダカが繰り出した最後のポケモンは、テツノイワオと同じパラドックスポケモンの《テツノカシラ》だった。テツノカシラがフィールドに出てくると、テツノイワオが発動した「エレキフィールド」の効果でテツノカシラの特性《クォークチャージ》が発動し、テツノカシラの一番高い能力が上がった。
オモダカ「さぁ、あなたはどのポケモンで戦いますか?」
シンヤ「…」
オモダカがマスターボールを構えた時、コライドンやミライドンが出てくると思っていたが、出てきたのがテツノイワオとテツノカシラだったので、シンヤは少しホッとしていた。しかし、テツノカシラもパラドックスポケモンの中では最強クラスと言っていいため、油断はできなかった。
ソウブレイズは猛毒状態でダメージを受けてはいるが、「むねんのつるぎ」によって体力を回復しているうえに、2回発動した「つるぎのまい」の効果で攻撃を4段階上げている。それに、テツノカシラとはタイプ相性がいいため、このまま戦うこともできるが…
シンヤ(さっきのテツノイワオとのバトルで、ソウブレイズはかなり疲労しているはずだ。それに、テツノカシラは特殊攻撃を得意とするから、ソウブレイズの《くだけるよろい》は発動しない。…となると…やっぱりここは…)…「戻れソウブレイズ」
シュルルーーン
スチャ(ゲッコウガの入っているモンスターボールを取り出す)
シンヤ「これが最後の勝負だ!頼むぜ、ゲッコウガ!」
ポーーン‼︎
ゲッコウガ「コォォォウガッ‼︎」
シンヤはソウブレイズをボールに戻すと、再びゲッコウガを繰り出した。ゲッコウガがフィールドに出てくると、どくびしの効果が発動し、ゲッコウガは猛毒状態になってしまう。
ロイ「出た!シンヤのゲッコウガだ!」
ドット「これに勝てば、僕たちはエリアゼロに行けるんだ」
リコ(シンヤ、ゲッコウガ、お願い、勝って‼︎)
シンヤ「ゲッコウガ!最初から全力でいくぞ!」
ゲッコウガ「コォォォウガッ!」コクッ
シンヤ「いくぞゲッコウガ!」
ゲッコウガ「コォォォウガッ!」
シンヤ「俺たちは、もっと強く!うぉぉぉぉぉぉ‼︎」
ゲッコウガ「コォォォォォウガッ‼︎」
シンヤ・ゲッコウガ「『うぉぉぉぉぉぉ‼︎』」
ゴゴゴゴゴゴゴッ!(激流が発生する)
バッシャーーーーーン!(激流が弾け飛ぶ)
シンヤとゲッコウガの動きがシンクロし、2人が同時に雄叫びを上げた瞬間、ゲッコウガの足元から激流が発生し、ゲッコウガは激流に身を包み込んだ。激流に身を包み込んだゲッコウガは、激流の中で姿を変え始め、ゲッコウガの姿が変わると激流の水が弾け飛んだ。すると、弾けた水はゲッコウガの背中に集まって巨大な水の手裏剣を形成し、ゲッコウガは背中に巨大な水の手裏剣を身につけた。
キズナゲッコウガ「コォォォォウガッ‼︎」
チリ「な、なんやアレ⁉︎」
ポピー「凄いですの⁉︎」
アオキ「あれは一体?」
フリード「あれは、シンヤとゲッコウガの絆によって起きる不思議な現象、《キズナ現象》です。そして、キズナ現象によって姿を変えたあのゲッコウガは《キズナゲッコウガ》といいます。
アオキ「キズナ現象…」
チリ「シンヤとゲッコウガ、そんな隠し玉を持っとったんか!」
ポピー「凄いですの‼︎」
シンヤとゲッコウガが起こすキズナ現象を初めて見たパルデア四天王たちは、初めてキズナ現象を見た時のリコたちと同じようなリアクションをしていた。やはり、それだけキズナ現象が珍しいということだろう。
オモダカ「待っていましたよ、キズナゲッコウガ。テツノカシラ、『タキオンカッター』!」
テツノカシラ「カァァァァァッ‼︎」
シンヤ「ゲッコウガ!『あくのはどう』!」
キズナゲッコウガ「コォォォウ、ガァァァァッ‼︎」
テツノカシラが角から粒子の刃を連続で飛ばして攻撃してくると、ゲッコウガは黒と紫の光線を発射した。両者の技がフィールドの真ん中でぶつかると、爆発が起きて互いの攻撃が相殺された。
オモダカ「『エアスラッシュ』!」
テツノカシラ「カァァァァァァシッ‼︎」
シンヤ「『みずしゅりけん』刀バージョンだ!」
キズナゲッコウガ「コォォォォウガァァァァッ‼︎」
「エアスラッシュ」を発動したテツノカシラが角を降って空気の刃を飛ばしてくると、ゲッコウガは両手に水の手裏剣を作り出し、それを一つに合わせて一本の刀を作ると、水の刀で空気の刃を次々と切り裂いた。
オモダカ「面白い技の使い方をしますね」
シンヤ「これを完成させるのは苦労しましたよ」
ドクンッ!(痛みが走る)
シンヤ(ッ!猛毒状態のダメージか。ゲッコウガ。今お前は、こんなダメージを受けているんだな)
ゲッコウガがキズナゲッコウガになったことで、シンヤとキズナゲッコウガは五感の全てを共有していて、シンヤはキズナゲッコウガの視線でバトルを見ることができている。しかし、シンヤはその代償として、キズナゲッコウガがダメージを受けると、キズナゲッコウガが受けたダメージを一緒に受けることになる。そして、今キズナゲッコウガが猛毒のダメージを受けたことで、シンヤはキズナゲッコウガが受けた猛毒のダメージを体感した。
パチパチッ(オモダカが拍手をする)
シンヤ「え?」
オモダカ「シンヤさん、やはりあなたは素晴らしい。だからこそ、私は本気であなたを倒します」
スチャ(オモダカがテラスタルオーブを取り出す)
シンヤ(ここで来るか!)
オモダカ「トレーナーを導く光あれ」
オモダカがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが満タンになると、オモダカはテツノカシラに向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブはテツノカシラの頭上でエネルギーを解放すると、テツノカシラは結晶石に身を包み込んだ。そして、テツノカシラを包んだ結晶石が弾け飛ぶと、そこには全身がクリスタル化し、頭に斧を模した王冠を被るテツノカシラがいた。
テツノカシラ(はがねテラスタイプ)「カァァァァァァッ‼︎」
シンヤ「はがねテラスタイプか!」
ピカチュウ「ピィカッ!」
ドット「あわわわっ…」
リュウガ「ここで《テラスタル》か」
ロイ「シンヤ!ゲッコウガ!頑張れ!」
リコ(シンヤ!)
シンヤ「……面白いw」
テツノカシラがテラスタルすると、シンヤは笑みを浮かべた。この状況なら、誰もがやばいと思うのが当然なのに、シンヤはこのバトルを心から楽しんでいるようだ。
シンヤ(やっぱり、強いトレーナーとのバトルは最高だ!だからこそ、本気で勝ちたいと思うんだ!)
スチャ(シンヤがテラスタルオーブを取り出す)
シンヤ「行くぜゲッコウガ!」
キズナゲッコウガ「コォォォウガッ‼︎」
シンヤ「可能性の更なるその先へ!」
オモダカとのバトルの決着をつけるために、シンヤはジャケットからテラスタルオーブを取り出した。シンヤがテラスタルオーブを構えると、テラスタルオーブにエネルギーが蓄積されていき、チャージが満タンになると、シンヤはキズナゲッコウガに向かってテラスタルオーブを投げ飛ばした。テラスタルオーブがキズナゲッコウガの頭上でエネルギーを解放すると、キズナゲッコウガの頭上に六角形の角に棘がついた内部が空洞のクリスタルが現れ、キズナゲッコウガの足場から無数の結晶石が出てくると、キズナゲッコウガは結晶石に身を包み込んだ。そして、キズナゲッコウガを包んだ結晶石が砕け散ると、全身がクリスタル化し、頭に噴水の王冠を被るキズナゲッコウガが現れた
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォォウガァァァァァァッ‼︎」
リコ「キズナゲッコウガが…」
ロイ「テラスタルした⁉︎」
フリード(なるほど。あれがグラードンを倒したゲッコウガか…)
オモダカ「キズナゲッコウガだけでも驚きですが、まさか、キズナゲッコウガがテラスタルするとは」
シンヤ「これは、俺とゲッコウガの絆で起きたキズナ現象と、テラスタルの力を合わせたゲッコウガの新たな姿。《キズナテラスタルゲッコウガ》です!」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォォウガッ‼︎」
オモダカ「キズナテラスタルゲッコウガ。…素晴らしいです」
キズナテラスタルゲッコウガは、キズナ現象とテラスタルの力を合わせて使っているため、その分エネルギーの消費が早いから、まだ短時間しか使えなかった。だから、シンヤはここぞという時にしか使わないようにしていたが、相手は伝説のポケモンに匹敵するパラドックスポケモンを使っているオモダカなので、出し惜しみなしでオモダカと戦おうとした。
シンヤ「ゲッコウガ!『みずしゅりけん』!」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォォウガッ‼︎」
オモダカ「『タキオンカッター』!」
テツノカシラ(はがねテラスタイプ)「カァァァァァァシッ‼︎」
キズナゲッコウガとテツノカシラはテラスタルすると、互いに得意技である「みずしゅりけん」と「タキオンカッター」を放った。どちらの技もテラスタルしたことにより威力は上がっているが、ゲッコウガはキズナ現象とテラスタルの二つの力を得ているので、ゲッコウガの放った「みずしゅりけん」が「タキオンカッター」を粉砕すると、そのままテツノカシラにダメージを与えた。
シンヤ「『あくのはどう』!」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォウガァァァァァッ‼︎」
オモダカ「『ボルトチェンジ』!」
テツノカシラ(はがねテラスタイプ)「カァァァァァァッ‼︎」
シンヤ「『みずしゅりけん』!」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォウ、ガァァァァァッ‼︎」
ゲッコウガが黒と紫の光線を発射すると、テツノカシラは電気の塊を放って「あくのはどう」を相殺しようとしたが、ゲッコウガが両手に作った「みずしゅりけん」を電気の塊に放つと、電気の塊が消し飛んで「あくのはどう」がテツノカシラに直撃した。
シンヤ「よし!」
ドクッ!(痛みが走る)
シンヤ(ッ!そろそろゲッコウガの体力も限界だな。次の一撃で決めるぜ)…「ゲッコウガ!高く飛んで『かげぶんしん』!」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォォウガッ‼︎」
再び猛毒のダメージを体感したシンヤは、ゲッコウガの体力がそろそろ限界だということに気づくと、次の一撃で勝負を決めるために、ゲッコウガに「かげぶんしん」の指示を出した。そして、ゲッコウガは空高く飛び上がると、空を埋め尽くすように「かげぶんしん」を発動して自分の分身を作り出した。
シンヤ「『みずしゅりけん』!」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォォウガッッ‼︎」
ゲッコウガは背中の水の手裏剣を掴むと、体の中にある力を全て解放した。すると、噴水の王冠が光り輝き、ゲッコウガが手に持っている水手裏剣は巨大化し、ゲッコウガがそれを空に向かって掲げると、「かげぶんしん」で作ったゲッコウガの分身が「みずしゅりけん」と1つになるように吸収されていき、巨大な水の手裏剣になった。
オモダカ「それが、あなたたちのフルパワーですか。ならば、こちらも全力で行きます。テツノカシラ!『タキオンカッター』!」
テツノカシラ(はがねテラスタイプ)「カァァァァァァァァシッ‼︎」
シンヤ「行くぜゲッコウガ!トドメの『超巨大みずしゅりけん』‼︎」
キズナテラスタルゲッコウガ(みずテラスタイプ)「コォォォォォウガァァァァァァッ‼︎」
ゲッコウガもテツノカシラも、次の一撃で勝負をつけるために、互いに最大パワーで技を放とうとした。ゲッコウガが「超巨大みずしゅりけん」を空から投げると、テツノカシラはフルパワーの「タキオンカッター」を何度も角から放った。しかし、ゲッコウガの放った「超巨大みずしゅりけん」は、テツノカシラが放った「タキオンカッター」を全て粉砕すると、そのままテツノカシラに向かって行った。「超巨大みずしゅりけん」がフィールドにぶつかると、フィールドに爆風が舞い上がった。…しばらくすると爆風が晴れていったので、全員がバトルフィールドに目を向けると、バトルフィールドの中では、テラスタル化が解除されて倒れているテツノカシラと、テラスタル化とキズナ現象は解けているが、フィールドに左膝をついて立っているゲッコウガがいた。
スッ(ハッサクが右手を上げる)
ハッサク「テツノカシラ、戦闘不能!ゲッコウガの勝ち!よって勝者、シンヤくん!」
シンヤ「ふぅ〜、今回はちょっとギリギリだったな。ゲッコウガ、お疲れさん!」
ゲッコウガ「コウガッ!」
リコ・ミコ「「やったぁぁっ!」」
ロイ・ドット「「シンヤが勝った〜!」」
フリード「すげぇ、あんな難しい条件で本当に勝ちやがったw!」
リュウガ「アイツなら、この程度のことが出来て当然だぜ」
こうして、リコたちがエリアゼロに入る許可と、シンヤのテラスタルオーブを賭けてのバトルの結果は、シンヤの勝ちで終わった。シンヤがオモダカに勝利するとリコたちはとても喜び、シンヤの元に集まってきた。
オモダカ「シンヤさん、とても素晴らしいバトルでした。フトゥー博士も、テツノイワオとテツノカシラを貸してくださり、本当にありがとうございました」
フトゥー博士「礼には及びませんよ。こちらも貴重なデータを取ることができましたからね」
リコ「シンヤ。マスカーニャを持ってたなら、もっと早く教えてくれればよかったのに」
シンヤ「そうなんだけど。俺、くさタイプはジュカインかオーガポンしか使わないから、滅多なことじゃ、それ以外のくさタイプを手持ちに入れないんだ」
ニャローテ「ニャァァァッ!」
リコ「そうだね。シンヤのマスカーニャのバトル、もっと見たかったね」
シンヤがマスカーニャをボールに戻した時、ニャローテは残念そうな顔をしていた。ニャローテとしては、もっとシンヤのマスカーニャのバトルするところを見て、自分が進化した時の参考にしておきたかったのだろう。
ロイ「でも、今回一番びっくりしたのは、シンヤがソウブレイズを持ってたことだよ」
シンヤ「別に珍しいことはないだろ。俺、アメジオと出会う前からソウブレイズ持ってたし」
ポピー「シンヤさんのソウブレイズ、とっても強いですの。シンヤさんとバトルした時、ポピーのポケモン、シンヤさんのソウブレイズ1体にやられちゃいましたの」
ドット「ええっ⁉︎ポピーさんのポケモンを、ソウブレイズ1体で倒したの⁉︎」
シンヤ「昔の話だよ」
フリード「いや、一ヶ月前の話だろ」
シンヤ「それはともかく。オモダカさん、条件をクリアしてバトルに勝ったんですから…」
オモダカ「ええ。約束通り、リコさんたちがエリアゼロに入ることを許可します」
リコ「ありがとうございます!」
シンヤ「…そういえば、どうしてあんな条件付きのバトルを提案したんですか?オモダカさんのことだから、何か理由があるんでしょう?」
オモダカ「あなたがパルデアのポケモンを使ってどういうバトルをするか、それを見たかったのです。それに、あれほど勝利するのが難しい条件でも出さなければ、あなたの本気が見られないと思いまして」
シンヤ「じゃあ、最初からテラスタルオーブを回収する気は…」
オモダカ「ええ、ありませんでしたよ。ただ、もしあなたが負ければ、テラスタルオーブは回収させていただき、エリアゼロに入る許可も出しませんでしたがw」
シンヤ(わ、笑えねぇ…)
ポケモンバトルに一切の妥協ができず、勝利に貪欲なオモダカらしいとは思うが、二度とこんなハラハラするポケモンバトルはしたくないと、シンヤは心の中で呟いた。しかし、もしオモダカがパルデアのポケモンを使うバトルを提案しなければ、シンヤがマスカーニャやソウブレイズを持っていることがわからなかったので、リコやロイたちは良かったと思うのだった。
オモダカとのバトルが終わったあと、シンヤはゲッコウガ、マスカーニャ、ソウブレイズの3体の体力を《かいふくのくすり》使って回復させた。そして、ナナカマド博士に連絡を取り、マスカーニャとソウブレイズをナナカマド博士の元に送って手持ちポケモンを入れ替えると、リコたちと一緒に《ゼロゲート》に向かった。
ゼロゲートの前
シンヤ「またここに来るとはな」
ピカチュウ「ピィカッ」
リコ「ブライア先生は?」
フリード「第1観測ユニットで、俺たちが来るのを待ってるらしい」
シンヤ「よし、じゃあ早く行こうぜ!」
リコ「うん!」
エリアゼロにいるウガツホムラを見つけるため、ゼロゲートにやってきたシンヤたちは、ゼロゲートの中に入ると、以前エリアゼロに行った時のように、施設の中にある緑色の床パネルを使い、ブライアが待っている第1観測ユニットに向かった。
…シンヤたちが第1観測ユニットに向かっている頃、パルデアの大穴の上空に、エクスプローラーズのメンバーが乗っている一機のヘリコプターが近づいていた。ヘリコプターの中には、エクスプローラーズの幹部であるオニキスとサンゴ。そして、紫色の髪をしている謎の女性が座っていて、ライジングボルテッカーズの動向を探っていたハンベルから、スマホロトムを通して今回の作戦を伝えられていた。
ヘリコプター内
ハンベル『ライジングボルテッカーズの飛行船が、エリアゼロの近くに停まっているのを発見しました。これを見る限り、彼らがエリアゼロに向かったことは間違いないでしょう。そこで…』
オニキス「我々に奴らの動向を探れと?」
ハンベル『ええ』
サンゴ「オニだる。オレンジアカデミーの時と同じで、ま〜た見てるだけかよ」
ハンベル『はい。彼らがエリアゼロに行く目的と、成果を見極めたあと、状況を報告してください』
オニキス「もし、奴らと接触した場合は?」
シンヤたちの動向を探るのが作戦なら、オニキスとしては文句はないが、万が一シンヤたちと接触する可能性を考えて、接触した時にどう対処すればいいかをハンベルに確認した。
ハンベル『あくまでも監視をしてください』
ハンベルは、普段は前髪で隠している左目を開くと、オニキスにそう伝えた。それは、絶対にシンヤたちと接触するなという脅しをかけているように感じられる。
ハンベル『この任務は、冷静な判断力を持つオニキス様と、大胆な対応力な持つサンゴ様のお二人でなければできない任務だと、そう確信していますので』
オニキス「御意」
サンゴ「そこまで言われちゃ仕方ないなw」
???「フフフッw」
サンゴ「あぁ⁉︎何が可笑しいんだよ(╬ `^´)」
???「別にw」
サンゴ「ねぇ、何でこんな新入りと一緒に行動しなきゃダメなの?」
???「僕はリーダーマツブサから頼まれたから一緒に行くだけだよ。好きでキミたちと行動するわけじゃない」
サンゴ「んだと!新入りのくせに偉そうに!」
ハンベル『《カガリ》様。お二人と協力して任務を遂行しろと、マツブサ様からのご命令ですので、くれぐれもお願いします』
カガリ「リーダーマツブサの頼みなら仕方ないね」
サンゴたちが話をしている間に、ヘリは目的地であるパルデアの大穴の上空にやってきた。すると、オニキスたちはエリアゼロに向かうためにハッチのある場所に移動すると、それぞれのライドポケモンたちをボールから出した。
ポーーン‼︎
プテラ「プテェェェッ!」
オニゴーリ「オォォニッ!」
オオスバメ「スバァァァァッ!」
オニキスが自分のプテラの背に乗り、サンゴが自分のオニゴーリの頭の上に乗っかると、カガリがボールから出したオオスバメは、両足でカガリの両肩をしっかりと掴んだ。
オニキス「よし、行くぞ」
サンゴ「うっひょ〜!サイコーじゃん!」
カガリ「…」
3人がエリアゼロに向かう準備が終わると、ヘリのハッチが開いたので、3人はハッチから飛び降りてエリアゼロに向かった。
To be continued
次回予告
オモダカからエリアゼロに入る許可を貰ったシンヤたちは、再び《エリアゼロ》にやってくると、第1観測ユニットで待っているブライアと合流し、最後の六英雄のウガツホムラを見つけるために、ブライヤと共にエリアゼロの奥へと進んで行った。すると、サンゴ、オニキス、カガリの3人が、シンヤたちの動向を探るために後をつけてきたのだが、動向を探っている途中にシンヤに見つかったカガリは、久しぶりにバトルしようと言い出した。しかし、なぜかシンヤの代わりに、リコがカガリとバトルすることになってしまった。
次回「リコVSカガリ!エリアゼロでの戦い‼︎」
ポケモンアニメがまた1週間お休みなこともあり、番外編2は26日から書きます。カロス編の話は番外編1の後書きに書いたように、ケロマツとの出会いから、シンヤとリュウガがゼルネアスとイベルタルと出会った後、フレア団と戦う話になり、AZとフラエッテの再会する話で終わりですから、番外編1の時と違ってそんなに長くはなりません。多分ですが。