ポケットモンスターSV 新たな物語の始まり 作:通りすがりのポケモントレーナー
パルデア地方にやってきたシンヤたちは、パルデアで一番の実力を持つオモダカに連絡を取ると、エリアゼロに立ち入る許可をもらうため、パルデアポケモンリーグの建物の中にやってきた。そこでシンヤたちは、エリアゼロに行きたい理由をオモダカに話し、エリアゼロに入らせてほしいと頼んだ。シンヤたちの話を聞いたオモダカは、シンヤとリュウガとフリードと、今パルデアに向かっているブライアの4人だけなら、エリアゼロに入っていいと言ってきた。オモダカのその言葉に、リコたちも一緒でなければ意味がないとシンヤが言うと、オモダカはシンヤに条件付きのポケモンバトルを提案してきた。もしシンヤがそのバトルに勝利すれば、リコたちがエリアゼロに入ることを認めるとオモダカが言ってきたので、シンヤはオモダカと3対3のポケモンバトルをすることになった。そのバトルにシンヤが勝利したことでリコたちもエリアゼロに行けるようになると、シンヤたちは準備を済ませてゼロゲートに行き、ゼロゲートの中にある緑色の床パネルを使って第1観測ユニットに向かうと、第1観測ユニットで待っているブライアと合流した。
エリアゼロ・第1観測ユニット
ブライア「やぁみんな。キタカミの里で会ったとき以来だな」
フリード「ブライア先生」
シンヤ「お久しぶりです」
ブライア「みんな元気そうでなによりだ。…ところで、後ろにいる2人は?」
シンヤ「あ、そっか。ブライア先生もリュウガたちも、お互いに会うのは初めてですよね。紹介します。俺の幼馴染の…」
リュウガ「初めまして、リュウガです」
ミコ「ミコです」
ブライア「そうか。君たちがスグリくんの言っていた、リュウガくんとミコくんだね。改めて、ブルーベリー学園で教師をしているブライアだ。よろしく」
シンヤ「ん?ブライア先生、今スグリはブルーベリー学園にいるんですか?」
ブライア「ああ。この前キタカミの里から戻ってきた時に会ってね。その時に、キタカミの里で君たちと会ったことや、リュウガくんとミコくんのことを聞いたんだ」
シンヤ「スグリ、元気にしてましたか?」
ブライア「ああ。よく友達とポケモンバトルをしているよ。前に見た時と違って、とても楽しそうにポケモンバトルをしていた。強くなったら、また君とバトルするんだって張り切っていたよ」
シンヤ「そうですかw」
モモワロウがキタカミの里で起こした事件が解決したあと、スグリはブルーベリー学園に戻って頑張ると言っていたが、スグリの性格を考えると、学園生活をうまくやれているか心配だったのだが、スグリが楽しそうにポケモンバトルをするようになったとブライアから聞くと、シンヤは少し嬉しくなった。
フリード「ブライア先生、オーリム博士とフトゥー博士たちから聞いてるとは思うんですけど…」
ブライア「ああ。さっき2人から、君たちがこのエリアゼロに来た理由を聞いたよ。では、ウガツホムラが発見された観測所に行こうか」
シンヤたちは第1観測ユニットから出ると、ウガツホムラがカメラに映った観測所を目指して歩いていった。すると、リコのリュックの中に入っているテラパゴスが外に出たがっていたので、リコはリュックからテラパゴスを出して一緒に歩くことにした。
テラパゴス「パァァゴォォッw!」
リコ「フフフッw。パゴゴ、とても嬉しそう」
シンヤ「このエリアゼロは、パゴゴの故郷だもんな」
ピカチュウ「ピィカッ!」
リコ「うん。……」
シンヤ「ん?どうした?」
リコ「…シンヤ、ありがとう」
シンヤ「えっ?何が?」
突然リコにお礼を言われると、頭の上にクエスチョンマークが浮かんだシンヤは、リコがお礼を言ってきた意味を聞いた。
リコ「だって、シンヤがオモダカさんに勝ってくれたから、私たちはエリアゼロに入れるようになったわけだし」
シンヤ「なんだ、そんなことかよ」
リコ「そんなことって…」
もしオモダカとのバトルに負ければ、シンヤはテラスタルオーブを失っていたのだから、『そんなこと』という言葉で片付けられるはずもなかった。
シンヤ「俺からすればそんなことだぞ。第一、リコは俺が負けると思ってたのか?」
リコ「シンヤが勝つって信じてたけど、万が一ってこともあるでしょ」
シンヤ「まぁ確かに、今回のバトルはギリギリの勝利だったな」
リコ「やっぱり危なかったんじゃん!」
シンヤ「それより、どこに六英雄のウガツホムラがいるかわからないんだから、しっかり探さないと」
シンヤのその言葉に、リコは話を逸らさないでと言いたくなったが、シンヤがオモダカに勝利しなければウガツホムラを探しにエリアゼロに来られなかったので、リコは何も言わずに黙ることにした。
フリード「おーーい!」
リュウガ「早く来いよー!」
シンヤ「あっ!」
リコ「みんな、もうあんな先に進んでる!」
ミコ「2人とも!イチャイチャしてないで早く来なさい!」
シンヤ「イチャイチャしてねぇよ!」
リコ「///」
最後尾にいたシンヤとリコが話をしていると、自分たち以外のみんながどんどん先に進んでいることに気づいたので、シンヤとリコはリュウガたちの元に急いだ。すると、後ろの岩陰からシンヤたちを監視しているオニキスたちが、それぞれのパートナーポケモンと共に出てきた。
エクスプローラーズside
オニキス「奴ら、俺たちにつけられていることに気づいてないのか?」
キョジオーン「ジオッ」
カガリ(リーダーマツブサの言ってた通り、ホントにいた)
バクーダ「バァァァクッ」
コンッ(石がテラスタル結晶に当たる音)
オニキス・カガリ「「ん?」」
サンゴ「アハハッw、おもろい音w!」
オニゴーリ「オニオニッw」
オニキスとカガリがシンヤたちを監視していると、監視の任務に退屈しているサンゴは近くに落ちている小石を手に取り、それを目の前のテラスタル結晶に当てて遊んでいた。
コンッコンッコンッ!(石が何度もテラスタル結晶に当たる音)
サンゴ「アハハッw!」
投げた小石がテラスタル結晶に当たるたびに音が鳴るので、それを面白いと思ったサンゴは大きな石をぶつけたらどうなるのか試したくなり、自分の隣にある大きな岩を持ち上げると、それをテラスタル結晶に当てようとした。
オニキス「やめろサンゴ!」
ガーーーーーーンッ‼︎
大きな石をテラスタル結晶にぶつければ、ぶつかった音でシンヤたちを監視している自分たちの存在が気づかれる恐れがあるので、オニキスは急いでサンゴを止めようとしたが、オニキスが止めるより先に、サンゴは手に持った大きな石をテラスタル結晶に投げてしまう。そして、大きな石がテラスタル結晶にぶつかると、その衝撃でエリアゼロに大きな音が鳴り響いた。すると、その音を少し離れた所で聞き取ったシンヤとリコが足を止めた。
シンヤとリコside
シンヤ「ん?」
ピカチュウ「ピィカッ?」
リコ「何だろう?今の音?」
テラパゴス「パゴッ?」
シンヤ「テラスタル結晶に何かがぶつかったんだろう。じゃなきゃ、今みたいな音は出ないからな」
リコ「そっか」
本当は、サンゴがテラスタル結晶に大きな石をぶつけたことで発生した音なのだが、シンヤとリコは特に気にしていないようで、フリードたちに追いつくために再び歩き始めた。……すると
ロイ「うわぁぁぁ〜〜っ!?」
アチゲータ「アチゲェェ〜〜ッ!?」
リコ「えっ⁉︎」
テラパゴス「パゴッ⁉︎」
シンヤ「ロイ!アチゲータ!」
ピカチュウ「ピィカッ⁉︎」
シンヤとリコが歩いていると、前方から先に歩いていたロイとアチゲータが走ってきたのだが、ロイとアチゲータの後ろには、姿がレアコイルに酷似しているポケモンがいて、そのポケモンがロイとアチゲータを追いかけていた。
???「プルルルッ‼︎」
リコ「あれって、レアコイル⁉︎」
シンヤ「いや、あれは《スナノケガワ》っていうパラドックスポケモンだ」
リコ「あれもパラドックスポケモンなの⁉︎」
以前エリアゼロに来た時はスナノケガワと遭遇しなかったので、初めて見るスナノケガワを見たリコは、レアコイルにそっくりだなと思っていた。
ロイ「シンヤァァァ!リコォォォ!そこどいて!」
アチゲータ「アチゲェェ〜〜ッ!」
スナノケガワ「ケガァァァッ‼︎」
スナノケガワに追いかけられているロイがそう叫ぶと、シンヤとリコは急いで岩の壁がある左側に移動した。すると、ロイとアチゲータとスナノケガワは、そのままシンヤのリコの前を通り過ぎてしまう。
リコ「ど、どうしよう⁉︎」
シンヤ「どうしようって、追うしかないだろ!」
ピカチュウ「ピィカッ!」コクッ
エリアゼロは危険に満ちている場所でもあり、ここに住んでいるパラドックスポケモンたちは危険性が高い。もし襲われて怪我でもしたら、ペパーのマフィティフやオーリム博士とフトゥー博士のようになりかねないため、シンヤはリコと一緒にロイたちの後を追いかけ始めた。
エクスプローラーズside
サンゴ「ホントにアイツらはこっちに行ったのかよ?」
オニキス「途中に曲がり道がなかったから、奴らが進むとしたらこの道しかない」
シンヤとリコが歩いてきた道を戻ってロイたちを追っていると、後ろからシンヤたちを監視しているオニキスたちが歩いてきた。
サンゴ「しっかりアイツらを監視しとけば見失わなかったのに」
オニキス「お前が遊んでいるせいで奴らを見失ったんだ」
サンゴ「はあ〜〜⁉︎お前のせいだろ!」
オニキス「お前のせいだ」
うわぁぁぁ〜〜っ!?
アチゲェェ〜〜ッ!?
オニキス・サンゴ「「ん?」」
監視していたシンヤたちを見失うと、オニキスとサンゴはどっちのせいでシンヤたちを見失ったのかで口喧嘩を始めた。すると、前方から誰かの叫び声が聞こえてきたので、オニキスとサンゴは喧嘩をやめて前方を確認した。
ロイ「うわぁぁぁ〜〜っ!?」
アチゲータ「アチゲェェ〜〜ッ!?」
スナノケガワ「プルルルッ‼︎」
サンゴ「あっ!アイツ、ライジングボルテッカーズの…」
オニキス「まずい!隠れるぞ!」
オニキスとサンゴが聞き取った叫び声の正体は、スナノケガワに追いかけられているロイとアチゲータの叫び声だった。どうしてロイとアチゲータが追われているのかわからないが、このままではロイとアチゲータに見つかってしまうので、オニキスたちは近くにある大きな岩の後ろに移動して姿を隠した。すると、オニキスたちが隠れた大きな岩の前をロイたちが通っていき、ロイたちが通って少しすると、ロイたちを追ってきたシンヤとリコが走ってきて、オニキスたちが隠れている大きな岩の前を走っていった。
オニキス「なんとか気づかれずに済んだな」
サンゴ「あっちの方が面白そうじゃん。ちょっと行ってくるぜ〜!」
オニキス「待てサンゴ!勝手な行動は…」
身勝手に行動するサンゴを一人にすれば、シンヤたちと接触する可能性があるので、オニキスはシンヤたちを追おうとするサンゴを止めようとするが、サンゴが自分のオニゴーリの頭の上にジャンプすると、サンゴを乗せたオニゴーリはシンヤたちが走っていった方に飛んで行ってしまった。
オニキス「まったくアイツは、いつもいつも勝手な行動を…はぁ〜〜」
オニキスはサンゴと行動を共にして任務に出かけることが多いため、こういうことはよくあるとわかっているのだが、勝手な行動をするサンゴにはいつもいつも振り回されるので、オニキスはサンゴの自由すぎる性格に頭を悩ませていた。…すると、オニキスはあることに気がつく。
オニキス「ん?カガリはどこに行った?」
キョジオーン「ジオッ?」
シンヤとリコside
シンヤ「ロイ〜!アチゲータ〜!」
リコ「どこにいるの〜!」
ピカチュウ「ピィカッピカァァ〜〜ッ!」
スナノケガワに追いかけられていたロイとアチゲータを追ってきたシンヤたちだったが、追っている途中でロイとアチゲータを見失ってしまったため、大きな声を出してロイとアチゲータを呼んでいた。
シンヤ「アイツらどこに行ったんだ?」
リコ「どうしよう?フリードたちともはぐれちゃったし」
シンヤ「ここの道は全て把握してるから、フリードたちとはすぐに合流できる。それに、どうやら助っ人が来てくれたようだ」
シンヤがそう言って前を見ると、リコは後ろを振り向いた。すると、前方からクレセリアに乗っているリュウガとミコがやってきた。どうやら、後ろを歩いていたシンヤたちがいないことに気づいて、ここまで迎えに来てくれたようだ。リュウガとミコが目の前にやってくると、シンヤは2人にロイを見失ったことを説明した。
リュウガ「なるほど。つまりお前らは、ロイを見失ったのをいいことに、2人でイチャつきまくっていたと」
リコ「イチャついてません!///」
リュウガは冗談のつもりで言ったのだが、リコは顔を真っ赤にして必死に否定した。
シンヤ「ホント、リコって面白いよなw」
リコ「シンヤも否定してよ!」
シンヤ「このバカの言うことにいちいち付き合ってたら日が暮れるよ」
リュウガ「バカとはなんだバカとは‼︎(╬ `^´)」
シンヤ「相変わらずノリがいいなw」
ミコ「3人とも、バカやってないでロイを捜しに行くわよ」
シンヤ「いや、俺はお客さんの相手をするよ」
ミコ「えっ?」
リュウガ「お客さん?」
シンヤ「そろそろ出てきたらどうだ?そこに隠れてるのはわかってるぞ」
???「…」
スッ(テラスタル結晶の後ろから現れる)
シンヤ「っ!アンタは!」
さっきまで笑いながらリコとリュウガを揶揄っていたシンヤの顔が真面目な顔つきに変わり、シンヤが目の前の大きなテラスタル結晶に話しかけると、テラスタル結晶の後ろから、紫色の髪と目をした可愛いらしい女性が出てきた。その女性は、黄色い角が左右に付いているフードを頭に被っていて、顔以外の上半身を赤いアンダースーツで覆っており、下はタイトスカートと赤いブーツを履いていた。
カガリ「フフッw」
シンヤ「っ、《カガリ》!」
カガリ「ァハハハッ♪僕の名前、覚えててくれたんだ」
リコ(な、なに…この人…)
シンヤ「忘れたくても忘れられねぇよ」
リコ(えっ⁉︎それ、どういう意味⁉︎)
目の前に現れたカガリを見たリコは、シンヤに対するカガリの喋り方と態度を見て、カガリがシンヤに特別な思いを抱いているのではないかと考え始めた。そして、ゼイユやサザレのような親しい間柄で話す口調ではないが、カガリに対するシンヤの言葉と態度で、シンヤとカガリは何か特別な関係なのではないかと疑い始めた。
シンヤ「あ〜、リコ。一応、念のために言っとくけど、俺とカガリはお前が思っているような関係ではないからな」
リコ「えっ?」
今まで自分の知り合いの女性が現れたあと、リコが機嫌を悪くしたり妬くパターンが多かったので、今回もリコがそうなるのではないかと思ったシンヤは、すぐにリコの顔を覗いたのだが、リコが今までと違う反応をしているため、リコが何を考えているかわからなかった。しかし、カガリとの関係を疑っているのは間違いないだろうと思ったので、誤解を解くためにカガリとの関係を説明しようとしたのだが、シンヤが口を開くより早くカガリが口を開いた。
カガリ「キミにあったら、したいと思ってたんだ」
リコ「したい?」
シンヤ「?何をしたい?」
カガリ「キミと……エンゲイジしたい」
リュウガ「エ…」
ミコ「エンゲイジ⁉︎」
カガリ「キミを…アナライズしたい。ウフフフッ♪」
リュウガ(…これは)
ミコ(修羅場になる予感ね…)
リコ(エンゲイジ?アナライズ?どういう意味なんだろ?)
カガリが『エンゲイジ』と『アナライズ』という言葉を口にすると、その言葉の意味を知っているリュウガとミコは慌て始め、意味を知らないリコはスマホロトムを取り出し、エンゲイジとアナライズの意味を調べ始めた。
リコ(えっと、アナライズの意味は、『分析する』、『解析する』、『分解する』という意味。エンゲイジは……えっ?)
アナライズの意味は、何かを詳しく調べて、その構造や要素、関係性を明らかにするという意味だが、エンゲイジには色々な意味がある。主な意味としては、『従事する』、『関わる』、『約束する』などがあるが、その他の中の一つに、リコにとって見逃すことのできないワードが出てきた。
リコ(こ、こ、こ…婚約する⁉︎)
そう。エンゲイジには『婚約する』という意味もあるのだ。それを知ったリコは…
カガリ『キミと結婚したい』
…と、さっきカガリがシンヤにそう言ったのだと思った。
リコ「ダメェェェ〜〜〜〜〜ッ‼︎」
シンヤ・カガリ「「えっ?」」
リコ「シンヤは私の彼氏なんですから、あなたと結婚なんかしません!」
カガリ「ん?結婚?キミ、何言ってるの?僕は彼とエンゲイジしたいだけなんだけど」
リコ「だから!シンヤは私の彼氏なんです!あなたと結婚なんてできるわけないでしょう!」
カガリ「?」
シンヤ「…」
さっきからリコが何を言ってるのかさっぱりわからないカガリは、頭を右に傾ける。すると、シンヤは咄嗟にスマホロトムを取り出し、スマホロトムの録画機能を起動した。なぜ録画を始めたのかシンヤにもわからないが、面白いものが撮れるからそうしろと自分の勘がそう叫んでいるように聞こえたので、シンヤは録画モードになったスマホロトムをリコの方に向けて動画を撮り始めた。
リコ「あなたがシンヤとどういう関係か知りませんが、今シンヤは私と付き合ってるんです!それに……私はシンヤに裸を見られたんです!だから………シンヤには絶対に責任を取ってもらって、私と結婚してもらうんです‼︎///」
リュウガ「っ⁉︎」
カガリ「?裸を見られた?」
リュウガ「…シンヤ、お前…いつ大人の階段を登…」
シンヤ「ちがぁぁぁうっ‼︎誤解だぁぁぁっ‼︎」
シンヤがリコの裸を見たと知ると、リュウガが変な勘違いをし出したので、シンヤは必死に誤解を解こうとするが、リュウガは構わずに話を続ける。
リュウガ「いや、お前とリコは付き合ってるんだから、別にそういうことをしても…」
シンヤ「違う‼︎リコが風呂から出てきた時に、偶然そこに俺がいて、それでリコの裸を見ちゃっただけで、事故みたいなもので…」
ミコ「よっぽど刺激が強かったみたいで、シンヤったら鼻血を出してたのよw」
リュウガ「へぇ〜〜w」( ≖ᴗ≖)ニヤニヤ
シンヤ(ムカつく顔だな)…「ここはいいから、お前らはさっさとロイを捜してこい‼︎」
シンヤにそう言われると、リュウガとミコはクレセリアの背に乗った。ここに残ればもっと面白いものが見られると思ったので、リュウガとミコとしてはこの場に残りたかったのだが、ロイにもしものことがあったら取り返しがつかないので、2人は急いでロイを捜しに向かった。
シンヤ「はぁ〜、やっと行ったか…」
ピカチュウ「ピィカッ」
リュウガとミコがいなくなるとホッとしたシンヤは、リコとカガリの方に顔を向けるが、リコはカガリにマシンガントークを続けていた。
シンヤ(ここまで熱くなるリコは珍しいな…)
リコと出会ってから今日までずっと一緒に旅をしてきたが、彼女がこんなに感情をむき出しにしながら誰かに物を言うところを1回も見たことがなかったので、シンヤはリコにもあんな一面があるだなと、意外そうな顔をしてリコを見ていた。しかし、そろそろリコのマシンガントークが鬱陶しくなってきたのか、カガリの顔つきが変わり始める。
カガリ「さっきからうるさいね、キミ」
リコ「誰のせいだと思ってるんですか!」
カガリ「……泣かすッ!」
ポーーン‼︎
キュウコン「コォォォォォン‼︎」
シンヤ「っ!キュウコン!」
カガリ「決めた。キミを泣かすッ!」
マシンガントークを続けて自分の話を聞く気がないリコに、ついにカガリがキレてしまい、モンスターボールからきつねポケモンの《キュウコン》を繰り出した。
カガリ「キミもポケモンを出しなよ」
リコ「ポケモンバトルなら受けて立ちます!ニャローテ、お願い!」
ポーーン‼︎
ニャローテ「ニャァァァッ!」
カガリ「ほのおタイプにくさタイプをぶつけるなんて…キミってバカ?」
リコ「バカな人にバカって言われたくありません!」
シンヤ(おいおい…)
自分とカガリの関係を説明すれば、リコの怒りも静まるとは思うが、女同士の口喧嘩に入るのはやめた方がいいと前にシンイチに言われたことがあるのと、あそこまで声を荒げて売り言葉に買い言葉をしているリコを止める勇気はさすがのシンヤにもないので、2人のバトルが終わるまで待つことにした。
しかし、今シンヤたちがいる場所はとても狭くてポケモンバトルをするには不向きなため、シンヤはリコとカガリを連れてある場所にやってきた。そこは、野生のポケモンが1体もいない広い場所だったので、バトルするには打ってつけだった。リコとカガリは互いに距離を取ると、鋭い目をバチバチさせながら互いを睨みつけていた。そして、それはニャローテとキュウコンも同じだった。
リコ・カガリ「「…」」
ニャローテ・キュウコン「「…」」
カガリ「使用ポケモンは1体でいい?」
リコ「はい」
カガリ「じゃあ始めようか。キュウコン!『かえんほうしゃ』!」
キュウコン「コォォォォンッ‼︎」
リコ「ニャローテ!『マジカルリーフ』!」
ニャローテ「ニャァァァァロォォォッ‼︎」
ニャローテとキュウコンは挨拶代わりに、互いに得意な技を撃ち出した。ニャローテが蕾から放った大量の葉とキュウコンが口から放った炎がぶつかり合うと、しばらく2人の技の押し合いが続いたが、相性のいい「かえんほうしゃ」が「マジカルリーフ」を打ち消し、そのままニャローテへと向かって飛んできた。
リコ「『でんこうせっか』でかわして!」
ニャローテ「ニャァァッ!」
ニャローテは「でんこうせっか」を発動すると、キュウコンの放った「かえんほうしゃ」が素早くかわし、キュウコンに向かって走っていった。
カガリ「こっちも『でんこうせっか』!」
キュウコン「コォォォンッ‼︎」
ドォォォォンッ‼︎
ニャローテ「ニャァァァッ⁉︎」
リコ「ニャローテ!」
キュウコンはニャローテと同じように「でんこうせっか」を発動すると、スピードを上げて素早く移動し、正面から向かってくるニャローテの攻撃を素早くかわした。そして、ニャローテの後ろに素早く回り込むと、そこからニャローテに突撃してダメージを与える。
シンヤ(やはり強いな)
実を言うと、シンヤは以前カガリとポケモンバトルを何度もしたことがあるため、トレーナーとしてのカガリの実力を知っているのだ。カガリの実力は、はっきり言ってフリードやアメジオより上なので、リコが相手をするには厳しい相手だった。
リコ(この人…強い!)
カガリ「どうしたの?あれだけ偉そうなことを言っておいて、キミの実力ってその程度?」
リコ「まだまだこれからです!ニャローテ!『でんこうせっか』!」
ニャローテ「ニャァァァッ!」
カガリ「キュウコン!こっちもでんこう…」
リコ「『ふいうち』!」
ニャローテ「ニャァァァロォォォッ‼︎」
ニャローテは胸の蕾を手に取ると、それを「でんこうせっか」を発動しようとしているキュウコンに向かって投げた。すると、キュウコンがパニックになって隙ができたので、ニャローテはその隙に強烈な蹴りをキュウコンに食らわせた。
リコ「よし!」
ニャローテ「ニャァァァッ‼︎」
カガリ「ふぅ〜ん、思ってたよりやるね。キュウコン!『だいもんじ』!」
キュウコン「コォォォォォォンッ‼︎」
カガリ「『でんこうせっか』!」
キュウコンは口からオレンジ色の大の字の炎を発射すると、「でんこうせっか」を発動し、ニャローテに放った「だいもんじ」に向かって走り出すと、そのまま炎の中にジャンプして「だいもんじ」と合体した。
リコ「な、何アレ⁉︎」
ニャローテ「ニャァァァッ⁉︎」
キュウコンが自分の放った技と合体して攻撃をするというトリッキーな戦法を使ってきたので、リコとニャローテは一瞬動揺するが、すぐに我に返ったリコはニャローテに技の指示を出した。
リコ「ニャローテ!『でんこうせっか』でかわして!」
ニャローテ「ニャァァッ…」
ドォォォォン‼︎
ニャローテ「ニャァァァッ⁉︎」
リコ「ニャローテ!」
リコに指示をされたニャローテは、「でんこうせっか」を発動してキュウコンの攻撃を避けようとしたが、「だいもんじ」と合体して突撃してくるキュウコンのスピードがあまりに早かったため、ニャローテは「だいもんじ」をかわすことができずに大ダメージを受けてしまう。
ニャローテ「ニャァァッ…」
リコ「ニャローテ、大丈夫?」
ニャローテ「ニャァァァッ」
ニャローテはリコに返事をすると、なんとか立ち上がった。しかし、ほのおタイプの技の中でも威力の高い「だいもんじ」をまともに受けてしまい、さっきのキュウコンの「でんこうせっか」のダメージを足せば、ニャローテの体力は限界に近いだろう。
カガリ「へぇ〜、今の攻撃に耐えられるんだ。でも、今ので勝負は決まったね」
リコ「まだバトルは終わってません!」
状況はニャローテの方が圧倒的に不利だが、リコにはカガリに逆転できる秘策があった。それは、ニャローテの特性の《しんりょく》と、テラスタルオーブによる《テラスタル》だった。
御三家のくさタイプだけが持つ特性の“しんりょく”は、くさタイプのポケモンの体力が少なくなった時に発動する特性だ。今ニャローテの体からは、緑色のオーラが溢れている。これは、ニャローテの特性“しんりょく”が発動していることを意味している。そして、テラスタルオーブでニャローテをテラスタルさせれば、ニャローテはくさテラスタイプになるので、くさタイプの技を使えば威力は大幅に上がる。それに“しんりょく”の効果を足せば、ニャローテの放つくさタイプの技は桁外れの威力になるだろう。
スチャ(リコがテラスタルオーブを取り出す)
リコ(やるしかない…)
リコはキュウコンを倒す方法をいろいろと考えたが、やはりどう考えてもこの方法でしかキュウコンを倒せそうにないので、取り出したテラスタルオーブをニャローテに投げようとした。…するとその時…
ロトロトロト…ロトロトロト…(スマホロトムに着信が入る)
カガリ「あっ、僕のスマホロトムだ」
ピッ(電話に出る)
オニキス『お前‼︎今どこにいる⁉︎』
リコ「っ!この声って…」
シンヤ(オニキス…)
カガリに電話をかけてきた人物は、さっきまでカガリと一緒に行動していたオニキスだった。カガリが電話に出た途端、オニキスが怒鳴り声でカガリに話しかけたので、離れているシンヤとリコにまでオニキスの声が聞こえてきた。
カガリ「なんだ、キミか…」
オニキス『なんだじゃない!今どこにいる?』
カガリ「…わかんない」
オニキス『っ!早く合流しろ‼︎奴らに気づ…』
カガリ「はいはい、今から合流するよ」
ピッ(カガリが電話を切る)
シンヤ「ぁっ」
カガリ「バトルはここまでだね」
リコ「えっ?」
カガリ「キュウコン、戻って」
シュルルーーン
カガリとしては、リコと決着をつけたかったのだが、オニキスと合流した時にガミガミ言われるのも嫌なので、カガリはリコとのバトルを切り上げてキュウコンをモンスターボールの中に戻すと、モンスターボールからオオスバメを出した。
カガリ「まあまあ楽しいバトルだったよ。でも…」
チラッ(シンヤを見る)
カガリ「できれば今度は、キミとエンゲイジしたいなぁッ♪」
シンヤ「ぅっ…」
リコ「えっ?今度はシンヤとエンゲイジ?どういうこと?」…(…って、そんなことより)…「私とのバトルから逃げるんですか!」
カガリ「キミから逃げる?キミ、何か勘違いしてない?あのままバトルを続けてたら、負けてたのはキミの方だよ」
リコ「な、何言ってるんですか!まだ勝負は…」
シンヤ「カガリの言う通りだ」
リコ「えっ?シンヤ?」
シンヤ「あのままバトルを続けてたら、負けていたのはお前の方だ」
リコ「っ!」
シンヤにお前が負けていたと言われると、リコは少しショックを受けたが、シンヤに自分が勝つことのできた可能性を伝えようとした。
リコ「私にはまだ…」
シンヤ「ニャローテの“しんりょく”と“テラスタル”の力を足しても、絶対にお前が負けてた」
リコ「っ!」
シンヤに自分が言おうとしていたことを先に言われたので、リコは言葉を詰まらせて黙ってしまう。
どうしてリコがカガリに勝てないとシンヤは思ったのか、その理由は2つあった。
その理由の1つ目は、ニャローテとキュウコンのタイプ相性だ。確かに、“しんりょく”とくさテラスタイプの力を足したニャローテのくさタイプの技は強力だ。それが一撃でも当たれば、致命傷になると言ってもいい。しかし、いくらパワーアップした技でも、ほのおタイプのポケモンにくさタイプの技はあまり効かないので、万が一キュウコンに技が当たったとしても、あまり大きなダメージを与えられないだろう。
そしてもう1つ目は、キュウコンとニャローテの体力の差だった。カガリのキュウコンはほとんど無傷で体力もかなり残っているが、ニャローテの体力はもうほとんど残っていない。それにカガリのキュウコンは、フリードのリザードンやアメジオのソウズレイズを遥かに凌ぐレベルだ。そんなポケモンを相手にニャローテがこれ以上バトルするのは、はっきり言って無理があった。
シンヤ「リコ。お前の気持ちはわからんでもない。けど、俺たちがここに来た目的を忘れるな」
リコ「っ……ごめん」
ここに来た目的は、このエリアゼロのどこかにいるウガツホムラに会って、ルシアスとの約束を果たすために、一緒にラクアに行こうと伝えるため。カガリが現れたことでその目的を見失っていたリコは、頭を冷やして冷静さを取り戻していった。すると、シンヤはリコにカガリとの関係を伝えた。
シンヤ「リコ、今のうちに言っておくが、カガリはマツブサの部下だぞ」
リコ「えっ⁉︎マツブサって、ロイと出会った島でシンヤがバトルした、あの眼鏡をかけてた男の人だよね?」
シンヤ「ああ。カガリは元マグマ団の一人で、マグマ団の幹部をやってたんだ」
リコ「えぇ〜〜っ⁉︎」
そう。カガリは、マツブサが率いていた元マグマ団の幹部なのだ。つまり、シンヤとカガリは敵対関係であって、リコが思っていたような関係ではないのだ。
リコ「でも、マグマ団の人たちはホウエン地方で全員逮捕されたって、シンヤそう言ってなかった?」
シンヤ「確かに、マツブサと殆どのマグマ団のしたっぱたちは逮捕されたが、中には逮捕を免れた奴らもいるんだ」
リコ「じゃあ、あの人がその一人ってこと?」
シンヤ「ああ。それに、さっきアイツが言ってたアナライズの意味は、交戦をしたいってことなんだ。つまり、アイツは俺とポケモンバトルをしたいって言ってたんだよ」
リコ「それでさっき、今度はキミとアナライズしたいって…」
シンヤ「そういうことだ」
リコ「…じゃ、じゃあ……全部、私の勘違いだったってこと?」
シンヤ「そ〜、なるかな…」
シンヤからカガリとの関係を説明されたリコは、自分が勝手に勘違いして暴走していたことに気づくと、羞恥心から顔や耳を真っ赤にしていき、両手で顔を覆って俯いてしまう。
シンヤ「これを聞いて安心したか?」
リコ「う、うん///………あっ、カガリさん!」
カガリ「ん?」
リコ「私の勝手な勘違いで、あなたに酷いことを言ってしまいました。ごめんなさい‼︎」
ペコッ(リコが勢いよく頭を下げる)
カガリ「えっ?」
カガリは敵ではあるが、自分の勝手な勘違いでカガリに酷い言葉をかけてしまったのは事実なので、リコは頭を下げてカガリに謝罪した。
カガリ「…キミ……変わってるね」
それはお前の方だろうとカガリにツッコミたくなったシンヤだったが、今は黙ってカガリの話を聞いていた。
カガリ「もし僕に悪いと思ってるのなら、今日のことは、僕たちだけの秘密にしてくれないかな?」
リコ「えっ?」
シンヤ「それは、俺たちを監視しているのを知ってて黙ってろってことか?」
リコ「えっ⁉︎」
シンヤ「さっきアンタに電話してきた相手はオニキスだろ?ってことは、ダークトリニティと同じように、アンタもエクスプローラーズと関わってるんじゃないのか?ダークトリニティはゲーチスの部下みたいなもんだから、マツブサの部下であるアンタがエクスプローラーズにいても不思議じゃない。そして、そのアンタがここにいるってことは、何かの目的があって来たか、あるいは、俺たちを監視するために来たのか、そのどっちかしかないからな」
カガリ「悪いけど、その質問には答えられないよ」
シンヤ「…まあいい。さっきリコが迷惑をかけたからな。俺たちがエリアゼロにいる間、絶対に邪魔をしないと約束するなら、今日のことは見なかったことにしてやる」
カガリ「交渉成立だね」
シンヤ「ただし、お前らが邪魔をしてきたら、俺は問答無用でお前らを排除するぜ」
本来なら、この場でカガリを捕らえて、エクスプローラーズの目的を吐かせる方が正しいのだが、カガリがここにいることを考えれば、他のエクスプローラーズのメンバーも来てる可能性がある。なにより、リコの安全を考慮しなければならないので、向こうから危害を加えるつもりがなければ、シンヤは手を出さないでおこうと思った。
カガリ「そこは安心していいよ。今のところ、キミたちに危害を加えるつもりはないから」
シンヤ「そうか。……だけど以外だよ。てっきり、マグマ団を潰した俺のことを恨んでるのかと思ってたんだが」
カガリ「…最初はキミを恨んでた」
シンヤ・リコ「「っ!」」
カガリ「…僕の希望だったマグマ団を……リーダーマツブサを奪ったキミを……僕は怒ってた。……けど、それは逆恨みだって、リーダーマツブサが言ってたから、もうキミを恨んでないよ。……じゃあまたね」
カガリがそう言うと、オオスバメは両足でカガリの両肩をしっかりと掴かみ、カガリと共に空へ飛んでいった。
リコ「なんか、変わった人だったね」
シンヤ「ああ。あれで20代なんて信じられねぇよな」
リコ「えっ⁉︎あの人、20代なの⁉︎」
シンヤ「ああ、前に本人から聞いた」
リコ「てっきり、私たちより少し年上ぐらいだと思ってたんだけど…」
カガリの身長は、ちょうどシンヤと同じぐらいで、見た目や言葉使いがちょっとアレなので、リコがそう思うのも無理はなかった。
シンヤ「さて、そろそろニャローテを回復させてやらないとな」
リコ「あっ、それは私がやるよ」
シンヤ「じゃあ任せるよ。ほら、《かいふくのくすり》だ」
リコ「ありがとう」
リコはシンヤからかいふくのくすりを受け取ると、それをすぐにニャローテに使った。すると、身体中についていたニャローテの傷があっという間に消えた。しかし、スタミナは回復したわけではないので、リコはニャローテを休ませるためにモンスターボールに戻した。
リコ「それで、どうするの?あの人のこと、フリードたちに話すの?」
シンヤ「いや、約束した通り黙っておくよ。余計なことを言えば、みんなに心配をかけるだろうし」
シンヤは馬鹿正直な性格をしているので、約束をした以上、それをきちんと守るのだ。たとえ、それが敵との約束だったとしても。……まぁ、約束したのがゲーチスとかだった場合、約束を守るかは微妙だが。
リコ「あっ、私たちもロイを捜しに行かないと」
ロトン(リュウガからシンヤにメールが届く)
スッ(リュウガからのメールを開く)
シンヤ「その必要はなくなったみたいだ」
リコ「えっ?」
シンヤ「さっき、スナノケガワとバトルしてるロイを見つけて合流したから、今こっちに向かってるって」
リコ「そっか、みんな無事でよかった」
シンヤ「……それより、誰と誰が結婚するってw?」
リコ「えっ?」
シンヤ「さっきカガリにこう言ってたじゃねぇか?シンヤには絶対に責任を取ってもらって、私と結婚してもらうんですって…」
リコ「えっ⁉︎…えっと、私……!そ、そんなこと言ったかな?」
シンヤ「…これを撮っておいてよかったよ」
ピッ(スマホロトムをタッチする)
シンヤはスマホロトムをタッチすると、さっき録画した動画を再生した。
リコ『あなたがシンヤとどういう関係か知りませんが、今シンヤは私と付き合ってるんです!それに……私はシンヤに裸を見られたんです!だから、シンヤには絶対に責任を取ってもらって、私と結婚してもらうんです‼︎///』
リコ「わ゙ぁ゙〜〜〜〜〜〜〜っ⁉︎ (\\\>_<///)何でそんな動画があるの⁉︎///」
シンヤ「いやぁ〜、なんとなくいいものが撮れそうな気がしたから撮ってただけなんだけど、まさかリコからプロポーズしてくれるとはねw」
リコ「消して!お願いだからすぐに消して‼︎」
シンヤ「エリアゼロから出てきたあと、すぐにリコの家にいて、これをルッカ先生とアレックスさんに見てもらおう」
リコ「それはやめてぇぇ〜〜〜っ!(涙)」
あの場の勢いで言ってしまったとはいえ、年頃の女の子が大きな声で言っていいことではないので、リコは羞恥心から再び顔を赤くすると、涙目になった顔を両手で覆った。
リコ「もうやだぁ〜〜〜(涙)。・°°・(>_<)・°°・。」
シンヤ「……わかったわかった。すぐに消すから」
ピッ(動画を消す)
シンヤ「ほれ、消したぞ」
リコ「えっ?」
シンヤのスマホロトム「動画を消去しました」
リコ「…どうして?」
シンヤ「どうしてって、お前が泣きながら消してと頼んできたんだろう」
リコ「それはそうだけど。だって、いつものシンヤなら…」
いつものシンヤのパターンなら、このまま自分を揶揄って楽しむはずなのに、今回は素直に自分の言うことを聞いて動画を消してくれたので、リコはそれを不思議がっていた。
シンヤ「まぁ、今回はいつもみたいに妬くことはあったけど、俺を睨むことはしなかったし、お前からプロポーズの言葉も聞けたから、まぁいいかなって」
リコ「うぅ〜、お願いだから全部忘れて…///」
シンヤ「それは無理。つか、プロポーズは俺からするつもりだったのに」
リコ「えっ?」
シンヤ「いや、告白はお前からしてくれただろ?だから、もしラクアにたどり着いたら、俺からお前にプロポーズするつもりだったんだが」
リコ「っ!じ、じゃあ!ラクアに着いたらプロポーズしてよ!」
シンヤ「え?…いや、さっきお前がプロポーズしてくれたから、もう俺が言う意味が…」
リコ「さっきのはノーカンでいいから!シンヤからプロポーズしてくれるならそうしてほしいし、私はシンヤからプロポーズの言葉が聞きたいの!」
シンヤと付き合いだしてから何日か経った日に、偶然スマホロトムで恋愛ものの映画を見たリコは、彼氏が彼女にプロポーズするシーンを見た時、それを自分とシンヤに重ねて、いつかシンヤにプロポーズしてもらいと思っていた。だからこそ、プロポーズするつもりだったとシンヤから聞いたリコは、ずっと憧れていたシチュエーションの一つを叶えるために、是が非でもシンヤにプロポーズをしてほしいのだ。
シンヤ「わかったわかった。もしラクアに行けたら、ちゃんと俺からプロポーズするよ」
リコ「約束だよ」
シンヤ「俺が自分からした約束はちゃんと守るよ。なっ、 ピカチュウ?」
ピカチュウ「ピィカッ!」
リュウガ「おーーい!」
ロイ「シンヤァァァ!リコォォォ!」
ミコ「ごめーーん!遅くなちゃった!」
リコ「あっ」
シンヤ「やっと来たか」
シンヤとリコのいる所にクレセリアに乗ったリュウガとミコとロイがやってくると、シンヤたちは急いでフリードとブライアの元に向かった。……その頃、カガリはオニキスとサンゴと合流していた。
エクスプローラーズside
オニキス「お前、今までどこにいた?」
カガリ「どこでもいいでしょ」
オニキス「まさか、奴らと接触したのではないだろうな?」
カガリ「どうだろうね?」
オニキス「俺たちと協力して任務を遂行しろと、マツブサからそう言われていることを忘れたのか」
カガリ「わかってるよ。僕にとって、リーダーマツブサの言うことは絶対だからね」
ホントのことを言うと、カガリはヘリに乗る前から、シンヤとバトルしてもいいという許しをマツブサから得ていた。マツブサが言うには、どうせ尾行をしてもシンヤに気づかれるのだから、そんなものは無駄だと言われていたのだ。
カガリ(こっちが邪魔をしなければ、彼は何もしないって言ってたし、だったら何も言わなくていいよね)
オニキス「どうした?」
カガリ「なんでもない。それより…」
サンゴ「だから歌うなって!」
???「プリィィィィッ‼︎」
カガリ「あのプリンに似てるポケモンは?」
自分たちの後ろにいるサンゴがプリンに酷似しているポケモンと言い争いをしている姿が目に映ったので、初めて見るポケモンに興味を持ったカガリは、目の前のポケモンのことをオニキスに聞いた。
オニキス「《サケブシッポ》というパラドックスポケモンだ。さっきサンゴがゲットしたらしい」
カガリ「?プリンじゃないんだ?」
オニキス「姿はプリンに似ているが、プリンとはまた別のポケモンらしい」
カガリ「リージョンフォームみたいなもの?」
オニキス「まぁ、それに近いものだろう」
サンゴ「なんでお前がこいつの名前を知ってるんだよ?」
オニキス「以前オレンジアカデミーに潜入した時、テラパゴスのデータを奪ったことがあったろ?その時に、アゲートがエリアゼロに生息しているパラドックスポケモンのデータごと手に入れていたんだ」
サンゴ「ふぅ〜ん……って、お前どこに行ってたんだよ。勝手にはぐれちゃダメだろ」
カガリ「キミがそれを言うの?」
サケブシッポ「プギィィィッ‼︎」
サンゴ「黙ってろよ、《オニプリン》!」
オニキス「オニプリン?」
サンゴ「プリンに似てるんだし、オニプリンでいいだろ?」
サケブシッポ「プリィィィッ‼︎」
サンゴ「あぁ⁉︎サンゴのつけた名前に文句があんのか!」
サケブシッポ「プリィィィィッ‼︎」
サンゴ「おぉん⁉︎やるか?やんのか?」
カガリ「ァハハハッ♪」
オニキス「何がおかしい?」
カガリ「ちょっとね」
サンゴとサケブシッポが喧嘩を始めると、それを見ていたカガリは、サンゴとサケブシッポが似ていると思いながら、マグマ団のしたっぱたちもよくこういうふうに喧嘩していたなと、懐かしい思いに浸り始めたのだった。
To be continued
次回予告
ウガツホムラを見つけるためにエリアゼロの中を進んでいると、ついにシンヤたちの目の前に、ルシアスの六英雄であるウガツホムラが現れた。そのウガツホムラに一緒にラクアに行こうとリコが伝えると、ウガツホムラは自分の古のモンスターボールを取り出し、それをリコに渡したのだが、次の瞬間、ウガツホムラはルシアスのベルトをリコから奪い、シンヤたちにバトルを挑んできた。しかし、これはウガツホムラが仲間になる条件だと気づいたシンヤたちは、ウガツホムラとバトルすることにした。
次回「エリアゼロで大バトル!2体のウガツホムラ‼︎」
アニメでは、リコたちが第1観測ユニットでブライアと合流した後、ブライアからウガツホムラのことを聞くところがありますが、ウガツホムラが既に登場しているからどう書けばいいかわからないということもあり、シンヤとブライアがスグリのことを話すということにしました。
まぁ、ただ書きやすいからそうしたってのが本音なんですが。
キャラの話す台詞はポンポンと閃くのですが、話の流れの説明を書くのがちょっと苦手なので。すいません。
カガリがマツブサの部下と知った後では、リコは嫉妬しないだろうと思ったので、カガリがマツブサの部下と知るのは後の方にしました。