アルビノ少女の異世界旅行記 ~私の旅は平穏無事にといかない~   作:影薄燕

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コンセプトは「元気だけど残念なアルビノの女の子が異世界で活躍」。
それではどうぞ。


第1章:レーヴァテイン王国(前編)
プロローグ


 

 

 

 人混みを歩き、周囲から向けられる視線にため息が出る。

 

「はぁ~~~……自由になれる翼が欲しいなー」

 

 私はいつもの(・・・・)ことで辟易した気持ちになった。

 

 

 

 『アルビノ』

 先天的にメラ……なんちゃらが欠損してることで生まれてくる個体。

 ようは身体の色素に関係する成分が不足しているせいで、髪どころか眉毛や肌まで白くて、目も赤くなるというもの。

 

 私――永瀬雪菜(ながせゆきな)は、それだった。

 

 目立った。日本人は基本的に黒髪黒目で多少色の違う人がいても茶色でしょ? しかも大多数は染めているかカラコンか。

 そんな中で私だけ真っ白。目立たないはずないね。

 

 一歩外に出りゃあ、注目のマト。用事があって遠出すればさらに注目されまくる。居心地悪いったらありゃしない。

 

 そして今日はその用事のある遠出の日。

 

 はあ~。鬱陶しい……

 今も誰かから見られているのが分かる。全員が悪意を持っているわけじゃないだろうけど、他人からの視線に敏感だからウンザリっす。

 大半の人は良いのよ。モラルの問題であまりジロジロ見ないようにしているし。ただ、たまーにモラルとかマナーって言葉を母ちゃんのお腹に置いてきたんだろうなってバカに絡まれる時もある。てかさっき絡まれた。キレて股間に蹴り入れたけどな!

 

 そんな私も今年で14歳。

 当然小学校に通っていたし、現在進行形で中学校にも通っている。総合的な成績は平均よりちょい上ぐらいかなー。

 ただし、14年間生きてきて友達の人数なんと驚きの0人! ……そう、驚きの0人! 大事なことなので2回言いました!

 

 ま、驚くことでもないか。

 周りの奴ら、みんな遠巻きに私のこと避けてるし。幼い頃からそんなんだから、私自身関わろうと思わなかったしね。

 両親は何だかんだで普通に育ててもらっているから感謝してるけど、腫れ物を触るような態度だから心の底から好きになったことない。中途半端な態度だからこっちも接し方が分からない。同じ家に住んでいる他人な気がしてならない。

 

 ぶっちゃけ根暗な性格になってもおかしくない環境だったけどさ、近所の古本屋の爺さんのお陰で変に捻じ曲がった性格にならずにすんだ。何十年も前に病気で死んだ娘さんに似てるんだと。暇な時間帯は古本屋で過ごしていたから、両親より爺さんの方が家族みたいに思えた。私のために人気のライトノベル――ラノベ買ってくれて、ドハマりしてそれを読んだよ。

 

 その影響か自分で言うのもなんだけど残念な中身になった。

 

「結果としては良かったのかもなー」

 

 普通の女の子だったら鬱になるかも知れないじゃん。

 だから女の子らしくないって他人から言われる今の自分は好きだ。

 

 そんな私は興が乗った時にしていることがある。

 参拝だ。

 

「5円玉チャリーンってね」

 

 目に付いた小さな神社。そこの賽銭箱にお金を投げ入れる、

 神頼みとか半信半疑だけど、ほんの些細なことでも環境が変わってくれないかなーと願いを言うようにしていた。もうそろそろ神様に捧げたお金も500円になるし、切っ掛けだけでも欲しいところ。

 周りに人がいないことを確認して手をパンパン!と。

 

 

「どこの何の神様かはこの際置いておいて、5円玉を対価に私をファンタジーな異世界へGOしてくだせえ!!」

 

 

 頼むよ異世界の神様! 日本の神社とかで祀られている神とか100回近く金やってるのに一向に切っ掛けをくれないんだよ!

 私に自由をー! ラノベの主人公みたいにー!

 

「……やっぱ無理か」

 

 ……うん。ちょっと悪ふざけが過ぎた。反省反省。

 さーて帰りますかー、と顔を上げた時だった。

 

 

 ――その願い、叶えよう……

 

 

 そんな声が、どこからか聞こえた。

 

 ……ん?

 ……んんん?

 あっれー? 幻聴かなー?

 なんか変に神様っぽい声が聞こえた気が――

 

 そこで私の意識はいったん途切れる。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「やあ、初めまして。神様だよ」

 

 そんなことを眼鏡をかけたスーツ姿の男性が言っている。

 おまわりさーん、目の前に頭おかしい人がいまーす。

 

「さすがにそれは失礼過ぎないかな?」

 

 自分で自分のこと神様だっていう人は信用できない。世の中の常識っす。信仰しても空を飛べるわけないって分かってんだよ!

 

「地球のエセ宗教と一緒にしないで貰いたいな……」

 

 ……あれ? そういえば、ここどこ!? 何か身体の感覚が無いんですけど!? 視点も変えられない! 考えることできるだけだ!

 

「今は魂だけの状態だからね」

 

 あ、そっすか。どうも、ご丁寧に教えていただいて。

 …………じゃ、ねーーーよ!!

 誰やねんアンタ!

 

「だから神様だって言ってるだろ?」

 

 だから自分で自分のこと神様だって言う奴のことなんて信用ならないって言ってんだろうが! あ、違った。思ってんだろうが!

 

「その思ってることを理解できるという点は神としての証拠にならないかい? というよりも、いい加減話を進めたいんだが?」

 

 なるほど。アンタの正体はともかく、勝手に私の思考を読み取っていると。

 やだー。プライバシーの侵害じゃないですかー。おーいポリスメーン、早くこの神様(笑)をとっ捕まえてくださーい。

 善良な一般ピーポーな女子中学生が丸裸の状態にされてまーす。

 

「君は本当に面白いな。思ってた以上に当たりかもしれない。じゃあ勝手に話を進めさせてもらうよ。このままじゃラチがあかないからね」

 

 目の前の不審者が、何か勝手に納得してる件。

 

「私は世界を管理してる神々の中の1柱だ。この場所は魂や肉体の情報を保管する部屋だと思ってほしい。端的に言えば、異世界に行きたいと願った君の望みを叶えるための措置として今この状況になっている。ここまではいいね?」

 

 よくありません。情報量多すぎっす。

 

「最近神たちの間では地球人を異世界に転生、もしくは転移させるのが流行っていてね。基本的に1つの世界に1人の元地球人ってルールがあるけど。それで私も異世界転移の形でブームに乗ろうと思った。もう分かるだろ? それで私に選ばれたのが君だ」

 

 マジか。本当に異世界転生・転移って存在していたんだ。

 チャンスをものにするとか参拝の効果あったのか。私ったら一生分の運を使い果たしたんじゃ?と思うけど、そもそもなぜ私。

 

「誰にするかを考えた結果、第1条件に候補者の世界に対しての執着度が薄いこと。2つ目に異世界、もしくは全く環境が違う場所での新たな生活を心の奥底で望んでいる人だけに限定することにした」

 

 あー、確かにその条件なら私に当てはまるわ。

 古本屋の爺さん以外会いたい人なんていないし、ラノベ読んだ影響で剣と魔法の異世界とかメッチャ興味あるし。

 

「この2つの条件だけだとまだまだ候補者が多すぎるから、3つ目の条件は早い者勝ちということにした。3つ目の条件、それは……1番最初に神様にゆかりのある場所でおもしろいことを願った未成年の者さ」

 

 ……それ私のことかーーー!?

 おもしろいってか、めちゃくちゃ変なこと願いましたけどね!

 

「ああ、そうだよ」

 

 軽すぎじゃね!?

 

「私なんて軽くないさ。同じ神でものすごく軽いのなんか、『ただブームに乗るだけじゃ面白くないから、異世界の人間を地球に転生しちゃうZE!』って言っていたんだ。もしかするとすでに日本辺りに転生しているかもね」

 

 なんちゅー迷惑な神だ。

 悲報。地球がファンタジーに侵食されるかもです。

 

 はあ、もういいけどさ。結局私に何させたいの? 珍獣みたいな扱いされていたのと、中身が残念なの以外は普通レベルだよ?

 

「別に。どうもしないよ」

 

 逆に困る回答だな。

 

「実際の話、何かを強要するつもりはないからね。自分のしたいように生きればいいよ。君にも分かりやすく言えばチートなんて言われる力もいくつか与えるし、立ち回り次第でいくらでも上を目指せる世界だから。いろいろと見どころもある地域だってあるはずだから、旅行気分でいればいいよ」

 

 旅行かー。それもいいかも。

 何だかんだで、そういうのに憧れがあったんだよねー。

 ……本当に私でも生きられる?

 

「余程バカなことをしなければね。そのあたりは地球でも同じでしょ?」

 

 うーーーーーん……よし!

 決めた! 異世界転移お願いします!

 

「了解した。何か聞きたいことはあるかい?」

 

 ちょー聞きたいことありますよ。

 これから私が転移する予定の世界ってどんなとこ?

 

「君が想像するような剣と魔法の世界だね。魔物がいるけど、スキルと呼ばれる力があり魔法もある。ギルドなんてのも存在するね」

 

 おお! まさしくテンプレ異世界じゃん!

 

「ほとんどの国で王が頂点に立って、貴族もいるよ」

 

 テンプレその2じゃん。ラノベ読んでたからそこらへんはすんなり理解できる。やっぱ心構えなんかも違ってくるなー。

 ありがとう古本屋の爺さん!

 

「与える特殊な能力に関して希望はあるかい?」

 

 いきなり言われても困るんだけどな……

 そんじゃ、分かりやすくて応用が利きそうなのでお願いします!

 

「了解した。せっかくだし、いろいろサービスしとくね。うん、これだけあれば十分だろう。あとは転移させるだけだ」

 

 そういや、私ってどこに転移されるわけ?

 

「比較的平和な国の王都から離れた場所をデフォで設定しているよ。……そうだな。人が住んでいる場所から少々離れたところで、なおかつ複数の人が近くにいる場所へ転移するよう設定しとくよ。君もその方がいいだろ?」

 

 確かにね。いきなり町のど真ん中に現れたら大騒ぎになる可能性だってあるし。その条件なら余計な騒ぎを起こさずに済みそう。

 

「……うん、転移の準備も整った。もういいかい?」

 

 OK。準備万端さ。

 

「それでは、君の人生が楽しいものであることを願う」

 

 そして、私の意識は薄れていき……

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 気が付けば森の中だった。

 服も持ち物もそのまま。ついでに姿も。長い髪や成長途中のバスト。そして……アルビノの特徴。全部揃ってる。

 

「ここが……異世界? てか森の中だけど」

 

 近くに人がいるんだよね。それも複数人。

 狩人や冒険者が団体でいるのかな?

 自分がどんな力を使えるか知りたいし、落ち着ける場所まで移動したいのに。

 

 すると、後ろからガサゴソと草を分けるような音が。

 

「お! ついに最初の現地人か!?」

 

 冒険者? 狩人? あ。魔物を討伐に来た騎士なんて展開も――

 

「あん? 女だぁ? どうしてこの森の中に……?」

 

「おやびん! 珍しい容姿っすよ! コイツは高く売れますぜぇ?」

 

 

 

 ――山賊だった。

 

 

 

 考えるより先に回れ右してダッシュ! 雪菜は全力で逃げた!

 

「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」

 

 確かに複数人の近くだったよ! 異世界転移後にすぐ人に会えたよ!? でも、でも、何でよりにもよってテンプレみたいな山賊と初遭遇しなきゃならねーんだよおおおおおおおおおお!!

 

「待ちやがれ! テメェらさっさと引っ捕らえろ!!」

 

「「「へい、お頭!」」」

 

 しっかりと追い掛けてくるしいいいいいいいいいいい!

 泣きたくなるよ。私が何をしたってんだ!?

 

「だから待てって言ってんだろうがクソガキィィィ!!」

 

「待てと言われて待つ人なんているわけないでしょが!! 捕まったら乱暴する気だろ! エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!!」

 

 異世界来て数秒で山賊に追い掛けられるとかラノベでも見たことねーよ!

 あんのクソメガネ神、今度会ったら1発ぶん殴る! あ、ウソです。ゴメンナサイ! だからこの状況を何とかして!!

 

 

『最適化が完了しました。永瀬雪菜の能力を解放いたします』

 

 

 !? 何だ!? 急に頭に声が!

 

 

『【EXスキル:ヘルプ、SPマスター、不老】を取得しました。【固有スキル:生存本能、逃げ足、幸運(大)】を取得しました。【ユニークスキル:防御力上昇(極大)、状態異常完全耐性、闇系魔法無効】を取得しました。初回特典としてSPを30P手にしました』

 

 

 スキルって、ラノベとかでよく出るアレのこと!?

 

 

『〈スキル〉……この世界における各個人が持つ特殊能力。生まれつき持つスキルから後天的に授かるスキルまで、その種類は膨大』

 

 

 あ、ご丁寧に説明ありがとうございます。

 じゃなくて! 何なのさっきから頭の中に響くこの機械で作ったような声!? しかも記憶力普通の私が一字一句間違えずに覚えてるし!

 

 

『〈さっきから頭の中に響く声〉……【EXスキル:ヘルプ】による能力の1つ。スキル保有者の「問い」に対する「解答」を説明する際の音声。せっかくの説明を忘れないように、しっかり記憶されるおまけ付きの優しさ設定』

 

 

 ご丁寧に説明(以下略)。

 これめっちゃ便利な能力じゃね? あの神が言ってたチートってやつか! 確かにこれなら見知らぬ土地でも生きていけるかも。

 

 ……って、あれ? いつの間にか後ろから追いかけてた山賊どもがいなくなってる。よくよく思い出してみると、最適化が~とか聞こえたあたりで急に足が速くなったような? もしかして、これもスキルとやらのおかげ?

 

 ……とりあえず聞いてみるか。

 

「ヘルプ。何で山賊どもから逃げ切れたの?」

 

 

〈なぜ山賊から逃げ切れたか〉……【固有スキル:生存本能、逃げ足】の効果』

 

 

「? 【生存本能】に【逃げ足】って何さ?」

 

 

『〈固有スキル:生存本能〉……自身が危機的状況にある場合、全能力に大幅な上方補正が掛かり、危機的状況を脱するための行動を直感的に感じ取れる』

 

 

『〈固有スキル:逃げ足〉……逃げる際に限って、世界最速に』

 

 

 ……すごいスキルなんだろうけど、釈然としねえ。

 何でこんなのがあるんだって話だよ。

 

 

『〈何でこんなのがあるのか〉……神の粋な計らい』

 

 

「やかましいわ!!」

 

 神の粋な計らい、じゃねーーーよ!

 この2つのスキル付けたのがあの神なら、ぜってー悪い笑みになりながら付けてるって! あくまで勘だけど、ちょっと腹黒そうだもん!

 

「じゃあ次、【SPマスター】ってスキルの説明して」

 

 他にもいくつかあったけど、気になるのから順に。

 

 

『〈EXスキル:SPマスター〉……SPはスキルポイントの略。悪人や魔物を倒すことで増えていく。自身が保有しているSPを必要分消費して望むスキルを取得・強化できる。基本的に取得したいスキルの名前、もしくは情報が一定以上なければ取得可能リストに表示されないので注意。効果が高いスキルや特殊なスキルほど必要SPが多くなる』

 

 

 2つ目のチート来たこれ!

 この説明から察するに、この世界の人はスキルを自由に選ぶことは基本的にできないんだろうな。そんな中で私はSPとやらを消費して取得できると。

 

 さっそく使ってみよう!って思ったけど、よく考えたらこの世界のスキルのことなんてほとんど分からないという現実が。ちくせう。

 ヘルプに聞こうにも、どんな質問ならいいんだよ。落ち着ける場所ならいい質問浮かびそうだけどなー。少なくとも今は無理か。

 

 ……あ、そうでもないかも?

 1つだけ私が習得していないスキルで確実に存在するのがある。

 

 ――【闇系魔法】

 私の持つスキルの中に【闇系魔法無効】というのがあるんだから、確実にこれはあるだろう。他にも類似スキルで【炎系魔法】なんてのもあったりして?

 

「だったら試してみようじゃない! いでよリスト!」

 

 ポーンッ!という音と共に、それは私の前に出た。

 

 

【習得可能スキルリスト】 〈所持SP:30〉

・闇系魔法LV.1 (必要SP:1)

・炎系魔法LV.1 (必要SP:1)

 

 

 キタ~~~~~!!

 目の前に浮かぶスクリーン(?)には私が望んだものが! ちゃっかり【炎系魔法】も入ってるし。ふーん、魔法はレベル制なんだ。

 所持SPと必要SPが表示されるのはいいですね~。

 

「せっかくだし、【炎系魔法 LV.1】を習得しよう!」

 

 攻撃魔法としてイメージしやすそうだしね。

 

 

『SPを1P消費して、【炎系魔法 LV.1】を取得しますか? YES/NO』

 

 

 スクリーンに新しい文字が出た。YESをポチっとな。

 

 

『【魔法スキル:炎系魔法 LV.1】を取得しました』

 

 

 ハイハイ。了解了解。もう1回リストを確認っと。

 

 

【習得可能スキルリスト】 〈所持SP:29〉

・闇系魔法 LV.1 (必要SP:1)

・炎系魔法 LV.2 (必要SP:1)

 

 

 ふむふむ。段々このシステムが分かってきたわ。せっかくだし【炎系魔法】のスキルはできるだけ上げとこ。こんな世界ならドラゴンとかいても何も不思議じゃないし。今のうちに攻撃手段は確保しとこーっと。

 

 ――で結果、SPをさらに5Pも消費して【炎系魔法 LV.6】に。1レベルごとに1PずつSPが必要となった。つまり私の残りのSPは24P。他にも使ってみたいけど今は保留だ。無計画に使って得することなんて1つも無いしね。

 

 さーて今後の予定としては、第一村人発見からいきますか。今更だけどこの世界の言葉普通に分かるし。何とかなるでしょ。

 私の見た目? さあ、何のことやら。

 まずはヘルプで人が住んでる場所を―― ? 何か後ろから音が……

 

「いたぞ! 2度と逃がすんじゃねえ!!」

 

「「「へい、お頭!」」」

 

 

 さっきの山賊どもと再会ナウ。

 

 

「ま・た・オ・マ・エ・ら・か~~~!?」

 

 しつけぇぇえええええええええええっ!! 

 もうほっといてくれよ! 私捕まえるためにずっと追いかけて来たのかよ! そんなんだから女にモテないんだよ!

 つーか、何で私にそこまでこだわるのさ!?

 

 

『〈なぜ山賊がそこまでこだわるか〉……永瀬雪奈のような特徴を持った人物はこの世界では他に存在しないため、捕まえれば高値での取引が期待できるから』

 

 

 サンキュー、【ヘルプ】!

 いや何となく分かっていたけどね。アルビノの特徴持ってるのが私だけって言うのだけが予想外! 嫌だよ、プレミアム価格が自分に付くとか!?

 

 こうなったら魔法で吹っ飛ばしてやる!

 さっき取得したばかりの【炎系魔法 LV.6】ならギリできそうな気がする。といいますか、それくらいできてもらわないと困る。

 

 イメージするのは私と同じぐらいの大きさの太陽モドキ。

 手を上に大きく広げて、そこに炎が集まるイメージ。身体の中からごっそりと何かが吸い出されてる。もしかして私の魔力みたいなものか? まあ、それはいいや。今はなぜか怯えた表情を見せる山賊共を肉でいうところのブルーにするのが先。あ、魔法が完成したっぽい。

 

 私の初魔法、いざお披露目!

 

「いっけぇえええええ! 『何か太陽みたいな玉』!!」

 

 名前? んなもん適当じゃ!

 そして私の放った魔法が山賊共に向かって飛んでいき――ありえないレベルの轟音がしたと思ったら、私の身体が宙を舞っていた。

 

 ………………え?

 




以前投稿したものから修正作業をして読みやすくしたのがコレになります。
大幅な変更点もございますのでご注意を。
一先ず一章(前編・後編)まで投稿予定。

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