鉄血のオルフェンズ 悪魔とニュータイプ   作:ボートマン

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第2話

オルガと倉庫で話した翌日。

 

予定通りクーデリア・藍那・バーンスタインはCGSに訪れていた。

 

対応は社長である“マルバ・アーケイ”と壱番組の隊長“ハエダ・グンネル”が対応している。

 

顔合わせのためにオルガ達も参加している。

 

そんな中、レオンは壱番組の隊員達に会っていた。

 

「それで、今日の夜間警備をガキ共から代わればいいのか?」

 

「ああ、今日だけでいい。礼は弾むよ」

 

そう言いながら男達に数枚の紙幣を渡すと、隊員達はいやらしく笑いながら紙幣をズボンのポケットにしまう。

 

「いいだろう。今日だけは代わってやるが」

 

「わかっている。必ず渡した分の倍を用意する」

 

隊員達と別れた後、レオンも次の行動に移る。

 

「え~と、あ!いたいた、昭弘!シノ!」

 

「どうしたんすか教官?」

 

「実は参番組の皆にお願いしたいことがあってな」

 

ニヤリと笑いながらレオンは二人に“お願い”をする。

 

そうして日が落ちて夜になったころ、レオンは寝床としても使う倉庫の外にいた。

 

「(妙にピリピリする。やっぱり来るな)」

 

戦場で何度も感じたこの感覚。

 

敵意というべき圧がレオンはかつての世界でも感じ取ることができた。

 

そして、しばらく夜空を見上げていると一発の信号弾が上がる。

 

遅れて多数のロケット弾がCGS社屋に向かって降り注ぐ。

 

「きた!」

 

レオンはすぐさま通信機を手に取る。

 

「敵襲だ!全員迎撃用意!バリケードを盾に牽制しながら敵の正体を確認!それと弾が無くなったら逐次隊を交代して補給!とにかく生き残ることが優先だ!」

 

「「「了解!!」」」

 

通信機から少年達の返答が聞こえると、外ではMW隊が続々と格納庫から発進していく。

 

そのまま設置されたバリケードを盾にして敵に対して迎撃が始まる。

 

「ちゃんと起きててくれて助かった」

 

レオンが昭弘とシノに頼んだことは簡単なことだ。

 

「仮眠して夜更かししてもらう。うまくいってよかった」

 

流石に夜遅くまで起きるというのはできなくはないと思うが、眠気などで気づけば寝てしまうこともありうる。

 

敵襲があれば眠気も吹き飛ぶかもしれないが、出来れば万全の状態がいいのだ。

 

その為に夜間警備を壱番組に代わってもらい、参番組は仮眠をとって夜は起きて備えてもらったのだ。

 

ひとまず指示を送ったおかげで、少年達は指示通りに行動する。

 

倉庫の奥の扉を開けて中に入ると、横たわる存在に近づく。

 

「整備はしたんだ。……頼むぞ」

 

レオンは急いで乗り込み機体を起動する。

 

すると横たわる機体の目に光が灯り、コックピットのモニターは外の風景を映し出す。

 

『マジかよ……!何でギャラルホルンが!?』

 

「「っ!?」」

 

シノの言葉に少年達の息を吞む声が聞こえる。

 

だが、火星の支配者ともいえるギャラルホルンだからこそ、あれほどの絨毯爆撃を行えたのだ。

 

正直CGSの財政事情ではあれの一割もできるかどうか。

 

「狼狽えるな!ギャラルホルンが相手だろうともお前たちはここで死ぬわけにはいかないだろ!」

 

『ああ!』

 

『こんなところで死んでたまるか!』

 

レオンに活を入れられたお陰で、少年達はどうにか気合を入れなおすことができた。

 

「よし!俺も」

 

いざ動かそうとした瞬間、モニターが落ちてコックピットが真っ暗になってしまった。

 

「くそ!整備はしたのに何でこんな時に!」

 

真っ暗な中でパネルを押してどうにか動かそうとする。

 

その間にも少年達は外で戦っている。

 

「こんな所で時間を食っている暇はないんだ!」

 

レオンの意志に呼応するかのようにモニターに光が灯り始める。

 

「量産型νガンダム、出るぞ!」

 

量産型νガンダムはスラスターを噴かせ、倉庫の天井を突き破って戦場にその姿を現す。

 

「うわ!」

 

「も、MS!?」

 

突然現れたMSに少年達は驚愕していた。

 

まさか自分達の近くにMSがあるとは思わないのだから。

 

戦況はギャラルホルンに対してどうにか優勢だったが、ギャラルホルンが開発した量産型MS“グレイズ”が三機現れたようだ。

 

「皆遅れてすまない!MSは俺が引き受ける」

 

『それには教官が乗っているのか!?』

 

「そうだ、オルガ。MW隊は後退させるんだ。MWでMSを相手するのは危険すぎる」

 

『わかった。それとすまないが、ミカの準備が整うまで時間を稼いでくれ!』

 

「三日月が?ということは……了解した」

 

すでにMSへの対応策をとっていたオルガに感心しながらも、意識はこちらに向かうMSに集中する。

 

『MS……そんな情報はなかったはずなのに』

 

『オーリス!ここは慎重に』

 

『黙っていろ!指揮官は私だ!それにたかが一機だ!』

 

正体不明のMSに慎重に動くべきだと進言するクランクの言葉を遮り、隊長のオーリスは不愉快な気持ちで現れたMSを見る。

 

『奴は私が仕留める。お前たちは援護しろ!』

 

オーリスのグレイズはバトルアックスを構え、スラスターを噴かせて量産型νガンダムへ接近する。

 

「来るか。こっちの武装はあるにはあるがな」

 

現時点で量産型νガンダムの持つ武装は、右肩のビームサーベルと頭部バルカンに右前腕部のビームスプレーガン。

 

頭部バルカンはともかく二つのビーム兵器はナノラミネートアーマーと呼ばれる装甲に対して効果が薄い。

 

「今はどうこう言っても仕方ない!」

 

向かってくるグレイズは量産型νガンダムへバトルアックスを振り下ろしてきた。

 

「そんな攻撃で!」

 

バトルアックスを回避すると、そのまま頭部を連続で殴りつける。

 

殴られたグレイズは衝撃でぐらつくも、咄嗟にライフルを量産型νガンダムに向けて発砲する。

 

「なんの!」

 

レオンはスラスターを使って後ろ下がって距離をとって回避する。

 

「今度はこっちから行くぞ!」

 

グレイズに向かってとびかかる瞬間、頭部バルカンを撃ちながら接近する。

 

「そっちに行ったぞ………三日月!」

 

バルカンを回避したグレイズの先で突如地面が爆発する。

 

爆発によって土砂が舞い上がる中、そこから現れた機影はその手に持ったメイスをグレイズへと叩きつける。

 

視界が塞がれたことで見えなかったグレイズは避けれずに叩き潰されてしまった。

 

「あれが……この世界のガンダム」

 

この時、二機のガンダムが火星の大地に立ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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