鉄血のオルフェンズ 悪魔とニュータイプ   作:ボートマン

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第7話

オルガとビスケットとの三人会議を終えた翌日。

 

着々と準備を進める中、クリュセの雑貨店で働く少女“アトラ・ミクスタ”が雇ってほしいと懇願してきた。

 

オルガとレオンはアトラが鉄華団で働きたい動機を察して、アトラを雇うことを了承する。

 

そして、クランクも鉄華団で雇うことも団員達に発表する。

 

案の定、ユージンが猛反対してきたが、レオンが責任を持つと説得したお陰で渋々ながらも了承した。

 

そうして鉄幹団は遂に地球に向けて出発する。

 

宇宙港ではクランクやデクスターに残留する子供達に見送られ、地球へ向かう面々を乗せたシャトルが発射する。

 

シャトルは予定通り火星を飛び出して、低軌道ステーションにむかう。

 

『暇だね、教官』

 

「確かに暇だ。けど、暇なほうがいいんだけどな」

 

ある場所でレオンは退屈を紛らわすために三日月と話していた。

 

といっても三日月はあまり話すほうではないため、レオンの話に三日月が相槌を打つだけだった。

 

「………はぁ。三日月、どうやら暇ではなくなりそうだ」

 

『そうなんだ』

 

外から感じる敵意にレオンは溜息を吐く。

 

『三日月行くよ!教官もお願いします!』

 

「了解。おっぱじめるぞ!」

 

レオンは量産型νガンダムの傍に置いてある発煙弾を作動させ、貨物室内を白煙で満たす。

 

それと同時に貨物室のハッチが開き始める。

 

『先に行くよ』

 

三日月のバルバトスが滑空砲の砲口をグレイズのコックピットに突きつけて引き金を引いた。

 

「よっと」

 

一撃でコックピットを破壊されたグレイズから伸びているワイヤーを量産型νガンダムがバトルアックスで切断する。

 

そして、戦闘不能のグレイズを貨物室に押し込む。

 

「よし、まずは一つだな。それじゃこいつらを引きつけるぞ」

 

『わかった。援護よろしく』

 

バルバドスが敵部隊に突撃し、量産型νガンダムは120mmライフルを敵部隊に向けて牽制射撃する。

 

バルバトスのスピードに敵部隊が翻弄される中、量産型νガンダムはライフルでバルバトスが動きやすように牽制する。

 

「ん、三日月。オルガ達はイサリビと合流できたみたいだ」

 

オルガ達の方を見れば、トドの裏切りを見越してイサリビに先に乗り込んでもらっていた昭弘達のお陰で無事に合流出来ていた。

 

『そっか。あとはこいつらを倒すだけだね』

 

「そうだな。さっさと片付けってっと」

 

バトルアックスを持ってバルバトスに近接戦を仕掛けてきた指揮官用と思われるのグレイズ。

 

その動きを妨害するようにライフルで狙い撃つ。

 

狙撃が命中してひるんだグレイズに、バルバトスはバトルアックスをグレイズのコックピットに叩きつける。

 

「ナイスだ三日月」

 

『ん。教官のお陰だよ』

 

指揮官機が墜とされたことで敵部隊は狼狽え始める。

 

その隙を三日月は見逃すことはなく、次々とグレイズを墜とし始めていく。

 

「お~お~。……これ俺いるか?」

 

念のためにライフルを撃って援護するが、レオンはあまり援護なくても問題なさそうに思ってしまった。

 

「ん?三日月、敵の増援だ」

 

『え?増えたの?』

 

「みたいだ」

 

現れたのは紫色のグレイズのカスタム機“シュヴァルベ・グレイズ”だ。

 

『ふん、コーラルめ。我々を出し抜こうとしてこの様か』

 

ガエリオ・ボードウィンは無様にやられたコーラルに侮蔑の言葉を吐き捨てながら、バルバトスと量産型νガンダムを見下ろす。

 

「グレイズの高性能型か………三日月、あれ捕まえるぞ」

 

『墜とさないの?』

 

「折角の高性能機だ。手に入ればオルガ達も喜ぶはずだ」

 

『そっか。オルガが喜ぶなら手に入れないと』

 

あっさり承諾した三日月にレオンは苦笑しながら、バルバトスの動きに合わせてシュヴァルベ・グレイズに攻撃を仕掛ける。

 

『な!?こいつら戦い方を知らないのか!』

 

「おいおい、そんなアホな考えで戦場に出てんのかよ」

 

シュヴァルベ・グレイズのパイロットの声にレオンは呆れてしまう。

 

ひとたび戦場にでれば作法だなんだと言っている状況ではないのに。

 

『何!馬鹿にして!』

 

怒ったシュヴァルベ・グレイズはランスを構えて突進してきた。

 

「そんな攻撃!」

 

機動力を生かしたランスの突進攻撃。

 

当たれば危険だが、動きを読めれば回避するのは容易い。

 

「これぐらい!当たらなければどうということはない!」

 

かつての戦友が言った言葉をレオンも同じように言いながら突進を回避する。

 

そして、回避して振り返りながらバトルアックスをシュヴァルベグレイズに向けて投擲する。

 

『うお!?この野蛮人がっ!?』

 

投擲されたバトルアックスをランスで弾いたガエリオが次に見たのは、量産型νガンダムの拳だった。

 

「これが戦いというものだ!」

 

レオンはシュヴァルベグレイズの頭部目掛けて連続で殴りつける。

 

連続で殴られた震動でひるんでいる間にランスを持つ右腕を左腕で抑えて、左腕でコックピット部に手をかける。

 

「殺す気はない。早く機体から降りろ」

 

『ふざけるな!この程度!』

 

やられてたまるかとシュヴァルベ・グレイズは抵抗するが、量産型νガンダムも負けじと右腕を抑える。

 

『この火星人ごときが!』

 

「つまらんプライドは早死にするぞ」

 

コックピット部にさらに力を込め、あと少しというところで量産型νガンダムの背部に攻撃を食らう。

 

「また増援か!だが、あと少しで……」

 

撃ってきたのは青色のシュヴァルベ・グレイズだった。

 

青色のシュヴァルベ・グレイズは量産型νガンダムを引き離すため、左腕のアンカーを巻き付けてライフルを撃ちながら引っ張る。

 

「ぐぅ!まだまだ!それにこっちも1人じゃないんだ!」

 

量産型νガンダムに巻きついていたアンカーをバルバトスが駆けつけて切断する。

 

「助かった三日月!」

 

『こっちこそチョコの人を抜かしてごめん』

 

「ちょ、チョコの人?」

 

妙な呼び方をすることに困惑しながらも、レオンはついにシュヴァルベ・グレイズコックピット部を引きはがす。

 

『貴様正気か?』

 

「はっ!正気だよ!ほら、出た出た」

 

『くそ!マクギリス、すまんが頼む』

 

これ以上は危険だとコックピットからパイロットと思われる青年が出ていき、青色のシュヴァルベ・グレイズはパイロットを回収するとこの戦場から離脱し始めた。

 

そこへ丁度イサリビがこっちへ近づいてきていた。

 

「オルガ達もやるな」

 

先手をオルクス商会にとられている中、小惑星を振り子の要領で回頭してオルクス商会の強襲装甲艦に一斉射して一泡吹かせた。

 

その為にユージンがかなり無茶な真似をしていたらしい。

 

バルバドスとシュヴァルベ・グレイズを掴んだ量産型νガンダムはイサリビに掴まり、そのまま戦場から離脱するのであった。

 

なお、裏切っていたトドはシノ達によってボコボコにされ、パンツ一丁でポッドに詰めて放り出されていた。

 

 

 

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