鉄血のオルフェンズ 悪魔とニュータイプ   作:ボートマン

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第9話

食堂で食事をとろうとした矢先に艦内に警報が響きだした。

 

「やれやれ、一息つかせてくれないのかね」

 

席を立つとレオンは一目散に格納庫へ向かう。

 

「おやっさん!」

 

「おお!レオンか!」

 

「火星を出てから一息つく暇がないな」

 

「まったくだ。けど、この警報はギャラルホルンじゃなくてマルバみたいだそうだ」

 

「マルバ?おいおい、あのおっさんどうやって宇宙に出たんだ?」

 

「知らねえよ。それでお前はどうするんだ?」

 

「自分の機体の方を見るよ。オルガがどう対応するかはわからんが、いつでも出れるようにしとかないとな。そっちはバルバドスを先にお願い」

 

「だったら頼むぜ。タカキ、ライド、ヤマギ、急ぐぞ!」

 

「「「はい!!」」」

 

年少組の3人は元気よく返事し、レオンも整備に加わるのであった。

 

量産型νガンダムの整備を行う前に隣の白い機体を見る。

 

クランクが使用していたグレイズを整備した“グレイズ改”。

 

本来は鉄華団の運勢資金の足しにするために用意していた機体だが、もしもの時は戦闘に使用するために整備されている。

 

そして、コックピットに入って機体の状況を確認する。

 

「システムに問題はない。さて、向こうはっと」

 

艦橋に通信を繋げると、モニターにフミタンの顔が映し出される。

 

「フミタンさん、状況は?」

 

『敵は“タービンズ”、テイワズ直参の組織です』

 

「そっか……オルガに変わってくれるか?」

 

『少々お待ちください』

 

しばらくするとモニターにオルガが映し出される。

 

『教官、聞いてると思うが』

 

「敵はテイワズの所属する直参組織、タービンズだろ。まさかのタイミングだが、風向きがいい感じに向いてきたな」

 

『ああ。ここで鉄華団の力を奴らに見せつけて、上手く交渉を有利にして見せる』

 

一度交渉は決裂してしまったが、オルガは鉄華団の力をタービンズに見せつけて再度交渉する考えだ。

 

「だったら策は既にあるんだな?」

 

『ああ。といっても結構無茶することになるがな』

 

「はぁ………俺としては大将が危険なことしてほしくないが、やるからにはしくじるなよ?」

 

画面のオルガは当たり前だと言わんばかりにニヤリと笑っていた。

 

『そっちこそ、やられたりしないでくれよ』

 

「はっ……舐めるなよ。MSはどうにか抑えてみせる」

 

互いに笑みを浮かべ、レオンは通信を切って気合を入れる。

 

そして、イサリビが180度回頭する頃にはバルバトスとグレイズ改に三日月と昭弘が搭乗していた。

 

「状況は?」

 

『目標からMSの出撃を確認しました。数は2機です』

 

フミタンからの報告にレオンは相手の出方を考える。

 

「出てきたのは2機か。もし、奇襲があると考えればあと1機か2機いてもおかしくないな」

 

機体を起動して武装を確認する。

 

といっても変わらず120mmライフルとバトルアックスだけだ。

 

武装の確認を終えると、三日月と昭弘に通信を開く。

 

「二人共、敵はおそらくこちらより格上だ。けど、無理に戦う必要はない」

 

『わかってる。オルガ達が上手くいくまで時間を稼げばいいんでしょ?』

 

「そうだ。けど、向こうの戦力が今出ている2機だけとは限らない。おそらくもう1機か2機いる可能性がある」

 

といってもあくまでレオン個人の予想であるが、予備戦力がいると考えている。

 

「それと昭弘は今回が初の戦闘だ。無理せず俺の援護を頼むが、もしもの時は昭弘の判断で動いていい」

 

『了解だ』

 

二人に指示を出し終えると、最初にグレイズ改が発進される。

 

その後に量産型νガンダムはアームによって移動させられ、カタパルトへと固定させられる。

 

開いている発進口から広大な宇宙が見える。

 

『カタパルト、スタンバイ。いつでもどうぞ』

 

「量産型νガンダム、発進する!」

 

イサリビから量産型νガンダムが射出され、遅れてガンダムバルバトスも射出される。

 

そして、合流した3機が進んでいると、レーダーがピンク色と青色のMSを確認する。

 

敵のMSはグレイズとは違い、テイワズで独自に開発されたとみられるMS。

 

互いにライフルを撃ち回避する攻防が続いたとき、イサリビが敵MSから攻撃を受けていると通信が入ってきた。

 

「っち!やっぱり別のMSがいたか!」

 

『そっちは俺が行くよ。教官と昭弘はここをお願い』

 

『ああ!ここは任せろ!』

 

「そっちも気をつけてな!」

 

バルバトスは機体を反転イサリビへと向かい、そうはさせまいとピンク色のMSは追撃しようとする。

 

「させるか!」

 

ピンク色のMSへライフルを撃って追撃を阻止する。

 

『やるね!』

 

「動きからわかるけど、ただ者じゃないな」

 

『どうやら、あんたが一番強そうだね』

 

「悪いが付き合ってもらうぜ」

 

『残念だけど、すでに旦那がいるからお断りだよ』

 

ピンク色のMSを抑えながら昭弘の方を見る。

 

あちらも青色のMSに翻弄されながらも果敢に食らいつこうとしている。

 

「っと、弾切れか。なら!」

 

ライフルを放り投げてバトルアックスを構えて接近戦を仕掛ける。

 

接近する量産型νガンダムに、ピンク色のMSはライフルを撃って迎撃する。

 

「これくら、い!」

 

回避しながら接近すると、ライフルをバトルアックスで弾き飛ばす。

 

『いい動きをする!』

 

「そっちこそ!」

 

ライフルを弾き飛ばされたピンク色のMSは片刃式ブレードを取り出す。

 

そして、今度はピンク色のMSが接近戦を仕掛けてきた。

 

片刃式ブレードをバトルアックスで受け止めながらイサリビの方を見る。

 

イサリビは煙幕を張った後に敵艦とすれ違っていた。

 

どうやらあれがオルガの策らしい。

 

敵艦はイサリビの後を追い、どんどんこちらとの距離が離れていた。

 

『姐さん、船と離れすぎています』

 

『どうやら、上手く船から離されたね。追うよ、アジー』

 

「そうはさせねえよ!」

 

船を追おうと機体を反転させたピンク色のMSを逃がすまいと、量産型νガンダムは組み付く。

 

『っち!離れな!』

 

片刃式ブレードを持つ腕は抑えたものの、もう片方の腕で何度も殴られる。

 

「悪いがいやでも付き合ってもらう!」

 

機体の損傷は覚悟しているレオンは是が非でも離そうとしない。

 

『姐さん!こいつ!』

 

そこへ青色のMSが救援に入ろうとライフルを量産型νガンダムへ向ける。

 

『させるかぁぁぁ!!』

 

ライフルを撃とうとした青色のMSにボロボロのグレイズ改が背後からしがみつく。

 

『俺はここをあいつに任されたんだ!だからいかせねえ!』

 

昭弘の強い思いが通信から聞こえる。

 

レオンも同じ気持ちでピンク色のMSを抑える。

 

『ああもう!しつこい男は嫌われるよ!』

 

ピンク色のMSのパイロットの苛立った声が聞こえ、どうにか振りほどこうとして機体から軋む音が聞こえる。

 

『教官!昭弘!もういい!話はついたから戦闘をやめてくれ!』

 

そこへ突然オルガから戦闘中止の通信が入ってきた。

 

「どうやら、ここまでみたいだ」

 

『そうみたいだね』

 

ピンク色の機体を放す。

 

ピンク色のMSは青色のMSと合流し、量産型νガンダムはボロボロのグレイズ改に近づく。

 

「おつかれ、昭弘」

 

『はぁ……はぁ……やった、のか?』

 

「ああ。初めての戦闘でよくやったな、動けるか?」

 

『ああ、これぐらい……大丈夫だ……』

 

息も絶え絶えの様子の昭弘。

 

初めての戦闘をどうにか乗り越えたことに、レオンは嬉しく思いながら共にイサリビに帰投するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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