若オジとユメパイセンどんなんだろうなぁ…wktk
「つ、疲れた…」
連邦生徒会防衛室の室長室にて不知火カヤは机に突っ伏してため息を吐く。
ここしばらく通常業務に加えエデン条約の根回しや先生の活躍の監視などでいつも以上に頭を使うことが多く疲労度はピークに達していた。
「し、室長…次はこちらの決裁を」
申し訳なさそうに秘書官が書類を手渡してきたのでそれを受け取りながら眺める。
差出人は体育室長、内容は『晄輪大祭の毎年開催の嘆願』…ってこれウチの案件じゃないでしょ。「突き返してください」と秘書官に指示し深く椅子に座り直す。
最近何故かウチの部署とは関係ない書類が紛れ込んでる気がするが理由を考えるのも疲れるので放置とする。
そう、ここ最近は色々なことがあり過ぎた。
脳を休めるために目を閉じると、これまであった色々な事情が脳内に蘇ってきた。
▼
○月○日
安谷『室長!便利屋68がアビドスと接触しました!』
カヤ「早速ですね。さて、どんな風に対応するのか」
安谷『すごい数の傭兵が集まってきてます!』
カヤ「……便利屋って資金に余裕ありましたっけ?」
次長「調べましたが以前の臨時報酬以外特別な収入は無さそうですね」
カヤ「んー、まぁ大軍に兵法なしといいますし一先ず様子見ですかね」
〜1時間後〜
安谷『あ、傭兵たちが急遽撤退しました。便利屋も慌てて逃走してます』
カヤ「」
次長「」
○月△日
カヤ「アビドスがブラックマーケットに…?」
次長「何か手がかりを掴んだのでしょうか?」
カヤ「いずれにせよ安谷の報告を待つしかないですね…とりあえず休憩にコーヒーでもいただきますか。次長も如何です?」
次長「御相伴に預かります」
〜30分後〜
カヤ「はい?ブラックマーケットにトリニティ生徒が?」
次長「室長、目撃証言からティーパーティの例の方と親しい生徒と合致する点が多いのですが」
カヤ「……戒厳令を敷きます。この時期にイレギュラーがあってはなりません。何かあったら即座に私に連絡するように」
安谷『か、かしこまりました!!』
〜更に30分〜
カヤ「んー、ブルーマウンテンはやはりいいですね(ズズッ)」
次長「私はキリマンジャロ派です(ゴクゴク)」
秘書(いいなぁ、私も飲みたいなぁ。はやく書類作業終わらせなきゃ)
安谷『室長ォ!ア、アビドスの連中が例のトリニティ生を引き連れて…銀行強盗してます!!!』
2人「「ブフウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッッ!!!!」」
秘書「ああ!せっかく書き上げた書類がぁぁあああ!!」
○月⬜︎日
カヤ「いやぁ、ここのところ色々あり過ぎて心落ち着く暇がありませんね」
次長「それには同意しますがはやく書類終わらせてくださいまだ未決裁の書類がこれだけあるのに(クドクド)」
カヤ「(´・ω・`)」
秘書(室長今日もかわいそかわいい…)
安谷『し、室長…』
カヤ「…………スー、フゥ-、さて今日は一体何がありましたか?」
安谷『あ、ありのまま今起こった事をお話しします』
カヤ「アッ(察し)」
安谷『いきなりアビドスにあるラーメン屋が吹き飛んだと思ったら唐突に便利屋68と先生率いるアビドス生達が交戦開始し、決着が着こうかと思った瞬間にどこからかゲヘナの風紀委員会が現れ一触即発な状態に…。何が起こったのか分からないと思いますが私もわかr』
カヤ「言ってる場合ですか!ああもうまさか本当にやらかすとは!どうせいつもの横乳行政官の独断専行でしょう?!当たってますね!?そうであれば空崎委員長に緊急連絡するので次長は私が指定するポイントにSRTのヘリを用意してください」
次長「はあ、今日も事務作業は進みそうにありませんね」
安谷『ああ!風紀委員会とアビドスが交戦状態に!!あの数では流石に…』
カヤ「ああああああああ!!もう!!FOX小隊は大至急現場急行し秘密裏に風紀委員会の妨害活動をせよ!ただし絶対アビドスにバレないよう装備に気をつけるように」
ユキノ「了解」
○月⭐︎日
カヤ「さて今日もドンパチやってますかね」
次長「室長、なにもそんなにヤケにならずとも」
安谷『なにやら鉄道から先は徒歩でアビドス砂漠を横断しているようです』
カヤ「砂漠を?……ッ?!まさかカイザーのあの施設を…!?SRT出動用意!場合によっては突入を許す」
次長「し、室長?どうしたのですか急に」
安谷『こちら0。砂嵐が酷く追跡困難。指示を請う』
ユキノ「室長、残念ながら目標は現在砂嵐が酷くヘリコプターでは近づけない。即応は不可能だ」
カヤ「……やむを得ないですね。『0』の撤退を許可、指定の位置にて監視を継続。SRTは引き続き待機」
〜数時間後〜
安谷『室長、アビドスが駅前まで帰還しました!全員揃ってます。ただ、なにか浮かない表情なのが気になりますが…』
カヤ「……わかりました。無事を確認できたのであれば大丈夫です。安谷も今日は疲れたでしょう。ゆっくり休んでください」
安谷『?? 分かりました。監視は継続しますが一足先に拠点に戻ります』
カヤ「……」
次長「カイザーと接触したのでしょうか」
カヤ「でしょうね。あまり良い結果ではなかったでしょうが」
次長「9億円の借金ですか。どんな暴利を吹っ掛ければそんな額になるのやら。うちの財務室長に消費生活センター案件でタレコミします?あの方義理堅いですし動いてくださるかもしれませんし」
カヤ「カイザーはそういうところで隙を見せませんよ。その辺は確実に書類で残しているでしょう。…それに、彼女にはカイザーの相手は荷が重過ぎます」
次長「?」
カヤ「おっと、書類がまだ残ってますね。さっさと終わらせましょう」
▼
「いや、ここ数日でいろいろあり過ぎでしょ」
目を開くとあたりは既に暗くなっていた。
気づけば自身の肩に毛布がかけられており、机のはじに「無理しないでくださいね」と次長の丸文字のメモ紙が置かれていた。
安谷からの最新報告とハイネの嘆願書が届いたのが日没前だったので推定で3時間は経過しているだろう。
軽く背伸びをすると身体中からポキポキと関節が鳴る。今日はほぼ椅子に座りっぱなしだったからか体が凝っている気がしてならない。
気分転換にコーヒーを淹れようと席を立つと、スマートフォンから着信音が鳴り響く。相手は『0』。どうやら安谷からの報告のようだ。
「はい。どうしました?」
通話ボタンを押し安谷からの報告を待つが、何故か向こうから反応がない。
普段であれば彼女はいの一番に『室長』と声をかけてくるはずである。ということは…
「……電話の持ち主は無事なのですか」
『……うへぇ、すぐ気づくとはこわいねぇ』
安谷の声ではない。軽薄そうな間延びした少女の声が聞こえてくる。
なぜ、彼女の声が聞こえるのだろう。いや、何となく想像はつく。何せ、彼女はかの前々防衛室長…連邦生徒会の最終兵器と呼ばれた宇賀ナツメ先輩をして『キヴォトスで一番強えかもしれねえ』と言わしめた存在なのだから。
「はじめまして、でよろしいのでしょうかね。小鳥遊ホシノさん」
『すぐこっちの名前を看破してくるってますます怖いね『K』さん』
電話越しなのにピリリと背筋に何か寒気がよぎるのを感じる。
これから交わす一言一言が、今後を左右する何かを決定づけるような、異様なプレッシャーが防衛室を包み込んだ気がした。
「改めて伺いますが、この電話の持ち主は無事なのですか」
『んー、心配ないよー。ちょっと電話貸してもらってるだけだからさ』
電話越しに『うう…』とくぐもった声が聞こえる。どうやら強襲されたか何かして電話を奪われたのか。
一先ず無事そうであることに一安心する。
『それよりこっちも質問があるんだけどさ?』
「はい?」
『コソコソとずっと監視し続けてさ……何のつもり?』
急激に部屋の温度が下がったかのような感覚が体を襲う。
口調はそれほど変わった気がしないのに、電話越しなのにそこまで殺気を伝えてくるとは。
「おやおや、監視とは手厳しい。私たちはただキヴォトスのイレギュラーを観測していたに過ぎませんよ」
『イレギュラー?』
「あなた達もご存知でしょう?先生ですよ。わたしはただ単に彼がどのような影響を周りに及ぼすか気になるだけです」
『そのためなら他校に武装組織を押し付けるのもやむを得ないと?』
さすがアビドス高等学校にて戦い続けるだけはあるのか、そこまで把握されてたとは。
小鳥遊ホシノの評価を上方修正しながら慎重に言葉を選ぶ。
「その件に関しては誤解があるようなので訂正と謝罪を。私たちはとある事情でカイザーに対する情報集めをしておりまして、例の不良生徒は内偵のためにこちらで用意したもので合流のために致し方なく。その点ではアビドスにご迷惑をおかけしたことを謝罪します。申し訳ございませんでした。」
『ふーん、まあ何だっていっか。今はそういう気分じゃないし。あー、とりあえず伝えたい方だけ伝えるね』
「?」
『実は私アビドス辞めることにしたんだ』
「…………は?」
『いろいろあったんだけどさぁ、これからはカイザーの傭兵として働くことになったんだよねぇ。だから君たちがどこ所属か分からないけど敵になると思うから気をつけてねというのと、私がいなくなる前に心配だから忠告を一つ。』
『あの子達に手を出すな。もし、あの子達に危害を加えるなら……地獄の底まで追いかけ回して必ずお前のヘイローを砕いてやる』
ブツと電話が切れる音が脳内で鳴り響く。
まあ、なんというか面白みの一つもないただの脅し文句だ。
正直一年生とはいえ、次期公安局のエースがバレるのは想定してなかったからこのような事態になるとは思わなかったが…そうかそうか。
ヘイローを壊す、か…。
「クッ…フフフ」
これ以上ないシンプルかつ分かりやすい警告であり、幼稚な脅し文句だ。
だがそれなのに、どうしてこうも手が震えるのだろう
どうして息が荒くなるのだろう。
どうして、心が沸るのだろう。
「危害など加えるわけがないではないですか」
そうだ。危害を加える気など毛頭ない。
だが、手を出さないわけにはいかない。
だってそうだろう。
「私は連邦生徒会防衛室長、不知火カヤですよ」
私はキヴォトスの行政を担う連邦生徒会の、防衛を司る長官だ。
このキヴォトスで、誰かが助けてと声をあげているのであれば、喜んで駆けつけよう。
例えそれが、「声を上げることができない子」であろうとも。
「ああ、首席行政官…いや、リンちゃん。至急お願いしたいことがありまして」
スマートフォンで連邦生徒会長代理の職についている七神リンに連絡を取る。
簡単に内容を伝えた後に了承を得られたため電話を切る。
「さて、次はあの方と…ああ、あの人にも声かけて、それからあっちにも連絡しておかなければ。それからあっちにも…」
次々と連絡帳を元に電話を片っ端からいれ、予定を調整する。
夜が開け、人々が動き出す前にできる限りの根回しを。
いざという時に動けるだけの人数と力を。
そしてそれを使う人が十全に活かせるだけの場面を、今から作り上げる。
今更ながら、前防衛室長に教わった根回しがこうも活きてくるのを実感して不思議と笑みが浮かび上がってくる。
悔しいが、
コソコソと動き回り、直接話すことをしなかった私ではきっと彼女を、いや
ならば、その権利を持つ人に託そうではないか。
「ええ、ではよろしくお願いします」
スマートフォンを切り、椅子に深く身を預ける。
ふと外を見ると、うっすらと地上の平行線が明るく染まっていることに気がついた。
我ながら迷惑な時間に電話してしまったことに自嘲の笑みと、この件の詫びの言葉とお礼の品を今から既に考え始めていることに苦笑する。
いずれにせよ、やれることはやった。
後は彼がうまくやってくれるだろう。
私は連邦生徒会防衛室長だ。
防衛のためなら、生徒を守るためならば、どんな手間も惜しまない。
たとえ私が、
「頼みましたよ。先生」
劇場版SEED FREEDAM 熱がまだ治らない。なんならコロナ熱も治らない(37.8)
種自由はいいぞ
今後のお好みのストーリー展開は?(あくまで参考)
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原作ルート路線(メインストリート追従)
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オリジナル路線(イベストみたいな感じ)