多分誤字脱字今までで一番多そう
「やった!勝った!!」
カタカタヘルメット団の前哨基地とされる廃墟にて黒見セリカは歓喜の声を上げていた。
これまで散々襲撃を受けていたカタカタヘルメット団を一掃し、アビドス高等学校周辺から叩き出したのだ。
ぴょんぴょんと跳ね飛びながら喜びを露わにするセリカの後ろで砂狼シロコも「むふー」と満足気な笑顔を浮かべている。
そんな2人をにこやかに眺めつつ先生は今回の作戦の立役者に声をかける。
“やったねホシノ。君の読み通りだよ”
先生の隣に立っている小鳥遊ホシノから「んー?」と気の抜けたような声が帰ってくる。
疑問に思い隣の様子を伺うとホシノは気怠い雰囲気を醸しつつ、なにやら思案しているような表情が見えた。
“どうしたの?”
「んー、いやぁなんでもないよー。ただアイツらの中に1人だけ妙に強そうな子がいたなぁって思ってね」
「確かにそうですね。最後に逃げた子、他の子と比べて手際が良かったですね☆」
ホシノの言葉に先生を挟んで右隣にいる十六夜ノノミが同意する。
アビドス廃校対策委員会のメンバーが高校襲撃から返す刀でヘルメット団前哨基地に反攻作戦を実施し成功した。基地内にいたほぼ全てのヘルメット団員を撃破したが中には逃走した団員もいる。その中でも特に対策委員会にとって印象に残っていた者がいた。
「ああ、ホントなんなのよアイツ!いきなりテクニカルで私たちの横に突っ込んできたと思ったらちょこまかと撃っては逃げて繰り返して鬱陶しかったし!」
「ん、さっきも良いところで取り逃した。次は逃さない」
先ほどの歓喜の表情とは一変して顔を真っ赤にしながら地団駄を踏むセリカとマフラーで口元を覆い隠しつつ表情を引き締めるシロコ。
二人はアビドス高校前の銃撃戦にて最前線でホシノとノノミが暴れるその後続で戦闘支援を続けていたが突如現れたM2ブローニングを取り付けた即製戦闘車両の襲撃を受けて分断された。
慌てて合流しようとタクティカルに火力を集中しようとするとその機動力で離脱され、ならばと強引に合流しようとするとM2ブローニングと運転席と助手席からの銃撃で足止めを食う。
重火力のノノミのミニガンで斉射しようにも前面のヘルメット団の猛攻とタクティカルからの火力支援の挟み撃ちで迂闊に身動きが取れずに手をこまねいていた。
そして動けないところを狙い撃つRPG-7。万事休すと思われたが
「んー、ここはおじさんに任せてもらおうか」
最前線でヘルメット団員の攻勢を引き付けていたホシノが呟いたと同時に視界からその姿が消える。
ほぼ同じ瞬間にタクティカルがアクセル音をけたたましく鳴らしながらハンドルを急激に切りセリカとシロコから大幅に距離を開けた。
そこからは轟音を上げながら離れゆくトラック、そしてそれに猛追するピンクの髪の何かにその場にいるほぼ全員の意識が向いていた。
ほぼ、全員である。
“シロコ、チャンスだよ”
先生の声でハッとシロコが先生の指差した方向に向き直る。そこにはRPGを構えた状態でありながら頭は爆走するタクティカルに向けているヘルメット団員がいる。
そしてシロコによるドローン攻撃によりRPGが誘爆を起こし、あっという間にヘルメット団の指揮が崩れて決着となった。
その後ホシノがなぜか先ほど暴れまくっていたタクティカルに乗ってアビドス高校に帰還し、そのままの勢いで前哨基地へと雪崩れ込んだ。
その場でもやたら爆発物や廃墟特有の環境を利用し建物損壊を誘発して上手いこと逃げられたヘルメット団員をアビドス対策委員会の面々は今思い出していた。
たかが一人のヘルメット団員にいいようにしてやられたことを思い出し、セリカとシロコは眉間に皺を寄せている。
そんな2人をまあまあと宥めながら先生はホシノに向き直った。
“いずれにせよヘルメット団はこれでしばらくは動けないね。とりあえずアビドス高校に戻ろっか”
「…そうだね。戻ろっかー」
うへーと気の抜けた声を出してホシノが車両を用意する。すでに荷台にあるM2は撤去されている。運転席に先生が助手席にシロコが乗り込みそれ以外のメンバーが荷台に乗り込む。
そのまま即製戦闘車両もとい、軽トラックはアビドス高校へと消えていった。
(アイツは本当にヘルメット団だったのか…それとも…)
荷台でノノミの膝を枕にしながらホシノは思案に暮れていた。
▼
「なるほど、それは大変でしたね」
『マジで大変でしたよ。しばらくは彼女たちに近づきたくないですね』
安谷から通信が途絶えて数時間後、無事アビドス高校メンバーの追跡を振り切ったとの連絡が入った。なんとか逃げ切った後は現在はアビドス市街地に隠れて潜んでいるらしい。
「アビドス高校と先生の実力はこれで分かりました。ここからはあくまで監視に留めてください」
『もちろんです。命令でももう一度はやり合いたくないですよ』
安谷からの定時連絡が終わり、通信が切れる。
小さくため息を吐いた後、手元の資料を手繰り寄せる。そこには先ほどの便利屋68による工場爆破の報告書が上がっていた。
概要としては次長の報告通り、便利屋68は武器工場より依頼を受けていたが料金をあらゆる理由をつけられ踏み倒され、それを理由に爆破したらしい。なまじ武器工場なだけあり弾薬庫にも引火して工事丸ごと吹き飛ぶという大惨事を起こしていたが。
ただ、その爆破された武器工場を調査したことにより判明したことがある。以前、ゲヘナ自治区の廃墟でヘルメット団を制圧した際に見つかったものと同等の銃火器が発見されたとの報告だ。
今のところ手がかりが0だったが思わぬところから発覚したものだ。これを機に武器工場を持つ企業には立ち入り調査を行い、一気に検挙する予定である。便利屋68も思わぬ活躍をするものだ。
さて、ここでひとまず便利屋68をおさらいしよう。
彼女たちはゲヘナ出身の独立企業である。仕事内容は金さえ支払えば大抵のことは何でもやる何でも屋だ。
そう、
今現在便利屋68は大口契約と思われる武器工場を爆破した。それは支払いの不履行によるものであり、そうなると彼女たちの資金は現在余裕がないものと考えられる。それ即ち、今すぐ新たな仕事を受けねばなるまい。
そして現在、武力を必要としている勢力がある。
その勢力は、目下頼りにしていた傭兵がたった一日で戦況逆転し半壊の憂き目に遭っている。企業から支援を陰ながら行なっていたが一気に戦況が覆ったこの状況で、企業が傍観に徹するとは考えにくい。なにか手を打ってくるはずだ。
そう、たとえば…金を支払えば大抵の仕事は請け負うブラックマーケットでも有数の武力を持つ何でも屋、とか。
「次長、カイザー周辺に便利屋68の情報とウワサを流してください」
「はい」
「秘書官、便利屋68に特定回線で依頼の連絡を。内容はアビドス高校に対する調査と今後接触しに来るであろうカイザーに対するできる範囲での内偵とカイザーからの支援物資の横流しで。ひとまず、即金で50ほど私の口座から入れておきます。」
「りょ、了解です」
カイザーに便利屋を雇わせ、便利屋には内側からカイザーの情報を集めさせる。ヘルメット団の背後にカイザーがいるのはもう分かりきっていることだ。
防衛室長として、各学園の防衛に関する事情は分かっているつもりだ。特にアビドスは借金が約9億円ほど存在し、日々の学園生活が圧迫されていることなど容易に想像できる。
ただでさえ膨大な借金に加え、不可思議に襲いかかるヘルメット団。関連を見出さない方が難しいだろう。
だが、今は具体的な方法がない。ゆえに、使える手段は使っていこう。
「そういえば、便利屋68はゲヘナ生でしたね」
確かに便利屋68はお金で動くし戦闘力は高い。とても使い勝手の良い組織ではあると思う。だが、扱いやすいわけでない。下手を打つとかの武器工場のように更地にされかねないのだ。
であるならば、保険を打っておかねばなるまい。
スマホを取り出してとある番号を入力する。
4コールほど呼び出し音が鳴り通話が始まる。電話先はどうやら戦闘中だったのかところどころで銃撃音が遠くから聞こえた。
『どうしたの防衛室長』
「ええ、少々耳寄りな情報があるのですよ、空崎風紀委員長」
ゲヘナ風紀委員会の委員会、空崎ヒナ。自由とか混沌を愛するゲヘナ学園で有数の実力者であり、規律の鬼である風紀委員会の長である。
「耳寄りな情報なのですが、どうやら便利屋68が次はアビドスで何やら企んでいるとの噂が流れてきましてね」
使えるものは何でも使おう。
眠りながら書いてたから整合性あわないかも
後日一から書き直すかもしれないのでご了承下さい
今後のお好みのストーリー展開は?(あくまで参考)
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原作ルート路線(メインストリート追従)
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オリジナル路線(イベストみたいな感じ)