いらっしゃいまほ。
アスタルテになったオリ主でございます。
今日はですねぇ、あれからどうなったのかを説明しようと思います。(特徴的なイントネーション)
あの後急いで出口まで戻ったのですが、気絶したアレクシア王女と悪魔憑きの子が居ました。とりあえず二人を運び、その後にやってきたアイリスおおy……王女に気絶していたアレクシアと、虫の息のゼノンを任せて私は帰りました。
それから数週間。
誘拐事件の真犯人はゼノンということになったらしく、虫の息だった彼は牢屋にぶちこまれたらしい。
まぁ、アレでも教団にツテはあるのでそのうち出てきそうだけども。
あと助けた悪魔憑きの子は私が一旦保護するという形になり、今は助手が看病している。
ホントは私が看病しても良かったんだけどね。
その関係かアレクシアとゼノンとの婚約が破綻し、シド・カゲノーとアレクシア王女との交際も終わったらしい。
なんかお互い未練無くスッパリ別れたらしく、聞くところによると婚約を無くすための偽装交際だったので、これが無くなった今、交際する必要も無くなったとか。
私にはどうでもいい話だけど。
とまあ、これが後日談というか後処理なのですが、気になることが二つあるのです。
一つは、助手の手首。
まぁ何をしたか分かるし、アイリス王女から色々と状況は聞きました。
「アレ」を使ったことに関してはみっちりお説教するつもりだけど、それ以外に大事に至ってないからまぁ、許容範囲。
……というかあくまで私が理論的に可能だって言っただけで、実際出来るかどうかまだ不明だったんだけど、いつの間にか成功させてたみたい。
んでもう一つが……。
「……彼女の特訓カリキュラムの修正を検討」
「へぇ、助手さんの特訓も先生が行っているんですね……ッ」
——『
これがもう一つの問題です。何か心境の変化でもあったのか、戦い方を教授させろと言ってきた。面倒くさいので断ろうとしたら、私の秘密をみんなにバラすぞと脅してきたので仕方なく教えています。
「肯定。剣術以外の基礎体力、魔力操作に関してはこちらが担当しています」
まぁ、ほぼさっきのようなメニューと、ちょっとした持久力強化のための運動やらやらせて、あとは魔力操作の特訓してるだけなんだけどね。
まぁその話は置いておいて……何でかのアレクシア=ミドガル第二王女が、一介の医師の元でこんなことをしているのか。こうなった経緯について説明しよう。
事の発端は1週間前に遡る。
アレクシアの衰弱した身体への定期検査も終わりを迎えた時、彼女から稽古をして欲しいと申し付けられたのだ。
まぁ会話の中で「凡人の剣」だの「天才の剣」だの言っていたので、私は心の底からどうでもいいと言っちゃったんです。それから色々と話していたら、こうなりました。
「——10分経ちました。次は魔力操作に移ります」
「ちょっと、先生……。もう少し、休ませてよ……」
「提案を却下」
「……鬼だわ、アンタ」
……とまぁ、こんなこと言われてますが、この子真面目にこなしてます。
とりあえずこの子に必要なのは、体を作る基盤を盤石なものにすること。
焦って先に進むより、まずは己の身体作りを行い、技術はその後に鍛える。
「……本当にこんなことで、強くなれるんですか……?」
切らした息を整えてから、ゆっくりと立ち上がって私に問うアレクシア王女。
「……それは貴方の意欲による、としか回答出来ないと返答。ゼノンとの戦闘にて使用した技は賞賛に値しますが、荒削りなのと、それを完璧にするための魔力操作と肉体が追い付いていない。根本なことを言えば『自分に合わない技を出したがための非効率さが目立つ』というものがありますが、今の貴方に必要なのは力の出し方と持続力。
よって、まずはあの状態を最低でも10分は維持できるように鍛錬を行います」
「10分って……魔力が枯渇どころか、死んじゃうわよ……」
「そのための持続力の強化と回答。10分は今現在のアレクシアの目標とし、それが達成された時に持続時間を伸ばす方針にします」
その為には、あの状態を維持し、どう改善するべきかを指摘し、改善し、それを何度も繰り返して、無意識下で行えるようになるまで身体に叩き込まなきゃならない。
「先ずは自分の限界の模索。その後に許容量の拡張と、魔力操作の向上を行います。なので、先ずは貴女がどの程度まであの時の状態を維持できるかを測ります」
「……分かったわよ。やればいいんでしょ。けど、あまり期待はしないでちょうだいね」
少しバツの悪そうな顔をしつつ、アレクシアは剣を構える。そして、ゼノンと対峙したあの時の再現を行った。
——彼女の修行は、まだ始まったばかりだ。
視点無し
シャドウガーデン内部。
「……今回の事件は『彼女』が解決した、ということにするわ」
シャドウガーデン。陰に潜み、陰を狩る謎の組織。その中でも七陰と呼ばれる7人のトップが、現在とある場所にて会議を行なっている。
「……申し訳ありません、アルファ様。私の失態です」
銀髪のエルフ——ベータが、アルファと呼ばれた金色の髪のエルフに頭を下げて謝罪する。
「構わないわ。今回は結果的にこちらの有利な方へ動いてくれたもの」
アルファがベータを嗜めると、ダークブラウンの髪と瞳のエルフ——ガンマが続けて答えた。
「そうですね。今回は教団がこうも早く彼女に接触したのは想定外でしたわ」
「みんな臆病なのです!あんな奴ボコボコにして言うこと聞かせればいいのです!!」
黒髪の獣人——デルタが落ち着きなく騒ぐ。
「ダメよデルタ。下手に『彼女』を刺激すれば、貴女を含めて、人員を無意味に死なせてしまう。それだけはダメよ」
「デルタはあんな奴に負けない!」
ガルルと唸るデルタ。それを……
「——デルタ」
その一言で黙らせるアルファ。
「ひゃう!?ごめんなさいアルファ様……」
「相手が未知数である以上、私たちが下手に触れるべきではないわ。……ベータ、貴女の意見を聞かせてもらえる?彼女はこちらに協力的なのかしら?」
ベータに意見を求めるアルファ。
「……少なくとも、こちらに敵意を持つ可能性は低いと思われます。今回こちらの作戦に介入したのは、教団の半ば強行的な接触が原因によるものなので、こちらへの敵意は無いかと」
その言葉に、「……そう」と呟いてから、アルファは一息付く。
「——彼女についてはニューに任せるわ。全員、それで構わないわね?」
その言葉に、デルタを除いた全員が頷く。
「……報告を続けましょうか」
アルファがベータに報告を続けるように促す。
「はい。ゼータですが、目標を発見。接近して調査に移るとのことです」
「吉報を待ちましょう」
「イータからの研究報告はこちらに」
アルファが資料に目を通し、「順調のようね」と一言呟く。
「最後に、喫緊の問題が」
「——これね」
アルファが一枚の紙をシャドウガーデンの彼女らに見せる。そこにはこう書かれていた。
〝シャドウガーデンが死の裁きを!〟
「——我らの名を語る愚か者どもが」
ツインテールの水色髪のエルフ——イプシロンが、少し殺意のこもる声で呟く。
「巧妙に痕跡を隠しているようですが、我々から逃れることは不可能ですわ」
ガンマもイプシロンほどではないが、その目には怒りが込み上げている。
「……まずは情報を集めましょう。出所と目撃情報を隈無く探しなさい」
「「「はい」」」
アルファの言葉に、全員が答えたのだった。
とある牢屋。
かつてのハンサムな見た目は見る影もなく、ボロ雑巾のように牢に放り込まれている男——ゼノン・グリフィは、あれからずっと震えていた。
「何なんだ、アレは……。化け物だ……。俺たちが敵うわけがない……!」
目を閉じても、あの光景が脳裏に焼き付いて離れない。白い巨人に、その中から冷たく見下ろす青い髪の少女。そして——その一撃を。
「あんな芸当を誰ができるというんだ……!あれを誰が倒せるっていうんだ……!」
「——やれやれ、アレほど気を付けろと警告してやったと言うのに」
ゼノンのいる牢屋に、誰かが佇んでいる。
「!?だ、誰だ!」
「随分なご挨拶じゃないか、剣術指南役のゼノン君。いや、今は『元』だったかね」
振り返って姿を確認すると、そこには痩けた剣士が佇んでいた。
「あ、アンタは……!何故ここに……」
「何故、と聞きいたところで——貴様が知る必要はないだろう」
痩剣士は剣を抜くと、牢屋を開けて、ゼノンの元へ一歩足を進める。
「ま、まさか……!俺を……」
「君が彼女に勝てるなら、ラウンズの地位が与えられても良いと思ったが……負けた上にサンプルも失くした。その上、彼女に我々の存在を仄めかしてしまった。誰がどう見ても、大きな失態だ」
また一歩、ゼノンに近付く。
「ま、待ってくれ!次こそは成功させる!アイツを倒すことに協力するし、ラウンズの地位でなくてもいい!だから……」
「君は何か勘違いをしているようだが——次なんてないのだよ、ゼノン・グリフィ」
その言葉と共に、牢屋の中で鮮血が飛び散ったのだった。
感想、要望お待ちしております。
章ごとに幕間と本編分けてるけど、分けない方がいいかな。(さっき確認したら言ってることがおかしかったのでアンケート訂正)
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分けずに投稿しまくれ
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ソノーマーマーデイーイー