ウィクトーリアって意外と良識とかあるんだなって感じました。
助手視点
陽が落ち、月が夜の空を登らんとする時刻。彼女──ミリアは裏路地を探索していた。
「……ここも収穫なし、と。」
アレクシア王女と共に、最近噂になっている人斬りの調査をすることとなった。本来なら騎士団の仕事なのだが、腕利きの騎士団の数人も被害に遭っているとの報告もあった。
「……そしてシャドウガーデンと名乗る存在、か」
ため息を吐きつつ、裏路地を進んで行く。
──シャドウガーデン。その名を聞いて思い出すのは、あの事件で出くわしたエルフ。
仮面と羽織っていたローブのフードで素顔ははっきりと見えなかったが、金色の髪と、仮面越しから見えた碧眼。
そして何より、ただ立っていただけなのに隙の無かった佇まい。
あの時もし戦いになっていたら、万全な状態なのを差し引いても勝てる見込みが薄かった。
「……あれほどの存在が、わざわざ意味もなく辻斬りを行うのものなのだろうか……」
なんて考えていた時だった。
何処かで大きな魔力の流れがあったのか、それを感じ取った。
「!!今のは……」
その魔力を感じ取った私は、即座にその場を後にして発生源へと足早に向かうのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
アレクシア視点
「諦めなさい。貴方に勝ち目は無いわ」
目の前の黒尽くめの剣士に私はそう告げる。
黒い外套は切り裂かれ、血痕が石畳を染めている。もう一押しあれば、私が彼を斬ることは容易いだろう。
「なぜ罪もない人を殺めるの?これが貴方たちの戦いなの?」
「我らは『シャドウガーデン』……」
「さっきからそればっかり。それが貴方の組織の意思なの?」
「我らは『シャドウガーデン』……」
……先ほどから同じことを機械のように繰り返すだけ。そして、そう呟きながら、相手は攻撃を放たんとする。
無論、アスタルテ先生との特訓をこなした私とって、そんな攻撃は届かない。攻撃に合わせてカウンターの如くこちらも剣を振るい、相手の剣を弾き飛ばした。
「──終わりよ」
とどめと言わんばかりに次の攻撃に入ろうとした時だった。
「……ッ!」
突如背後から繰り出された斬撃を、私は咄嗟に転がって避けた。
更なる追撃を防ぎながら、相手の腹部を蹴り飛ばして距離を取った。
「参ったわね……」
同じ黒い外套の魔剣士が新たに2人。
形勢逆転。数の利によって、こちらが不利に回った。更に、最初の男が剣を拾ったことで更に状況は悪化する。
これで相手は3人。いずれもアスタルテ先生やアイツほどではないが実力者だ。
「か弱い乙女に3対1だなんて酷いわ」
会話に付き合ってくれることを心の中で祈りつつ、剣を構えながら牽制する。
「そうだ。1対1を3回やりましょうよ。ダメ?」
立ち位置をずらしながら、背後を取られないように動く。
「ほら後ろを見て、お月様があんなに綺麗」
背後に回ろうとする男を視線だけで牽制する。剣を細やかに動かし、互い探り合う。その最中、私はチラリと、ある人物の特徴的な青髪が目に入る。
「あら見ないの?連れないわね。でも、斬るなら早くしたほうがいいわ」
悟られないよう、牽制しつつこちらに引き付ける。後は……
「──怖い怖い、私の先生が直ぐそこに来ているもの」
──その人物が懐に入るのを待つだけ。
「──
その呟きと共に、背後に回らんとしていた男が、腹部に爆弾でも食らったかのように吹き飛ばされる。
その光景に、他の2人の男は呆気に取られ、大きく隙が出来た。
『死ね』
その隙を逃さず、心の中で嗤う。
黒い外套を斬り、鮮血が舞う。しかし、まだ浅かった。
そして、隙を晒したのは自分でもあり、もう1人の男が私に攻撃を仕掛けた。
──その攻撃は届くことなく、アスタルテ先生が背後から先の技を放ち、その衝撃でまた吹き飛ばされる。
「……油断大敵、と忠告」
「ご忠告どうも──」
淡々と私を注意するアスタルテ先生。
残るはトドメを刺し損ねた最後の一人。
「……」
戦力的に不利と悟ったのか、逃走を図る黒い外套の男。だが、予期せぬ相手が更に現れる。
「──」
同じく黒い外套に身を包んだ女性が現れ、逃げた相手を容赦なく屠った。
「新手……ではなさそうね」
黒いローブに身を包み、仮面を付けていて素顔は分からないが、背丈と内に秘めた魔力から見るに、相当の剣士だと感じとった。何より、さっきあの男を屠った一撃は、私でも目視できなかった。
「……シャドウガーデン」
アスタルテ先生がそう呟く。そこで納得した。コイツが、本当の『シャドウガーデン』だと。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
アスタルテ視点
どうも、何か巻き込まれたアスタルテです。
アレクシアの気配があったので様子を見に来たら、人のことを怖い先生だとか言ってました。悲しい。
とはいえ襲い掛かってきた黒い奴らは無力化したんだけど、なんか新しいやつが来た。
「先程斬り捨てた者も『シャドウガーデン』と自称していました。簡潔に問います。これは『シャドウ』の意思ですか?」
斬り捨てたやつを見据えて、私は一歩だけ前に出る。一人なら大したことないんだけど、アレクシアを守りながら戦うってなるとかなり難しくなってくる。……さて、どう出るか。
「……貴女になら話しても大丈夫でしょう。『いいえ』、と答えておきます」
……ふむ、やはりシャドウの仕業ではないのか。
「そう。けど、それを『はいそうですか』なんて言って信じると思う?シャドウガーデンさん?」
アレクシアが剣を構えたまま警戒している。適度に相手を煽りつつも、一切目を離さずに捉えている。
それに対して相手はそれを意に介さず、淡々と告げる。
「──ご自由に。それと、この男達は貰っていきます。貴重な情報源ですので」
近くで伸びている男の一人を雑に掴んで運ばんとする。
「ちょっと、待ちなさい!」
「
去っていく本物のシャドウガーデンの一人を追おうとするアレクシアを制止する。
「それにMs.アレクシア。貴女も理解はしているはずです。『相手はかなりの手練れ』だと」
その言葉に、アレクシアは言葉を詰まらせる。
……やれやれ、せっかく甘い物を買ったのに酷く疲れたよ。帰ったら一つ食べるか。
──そこで私は忘れていたことがあった。
「……購入品の
あの戦いでチョコやらクッキーやら、どっかにやってしまった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
視点無し
とある廃墟。
甲冑に身を包んだ痩剣士と、赤いバンダナが特徴的な男性──ネームレスチルドレンの一人、レックスと……一分の教団の構成員が集まっていた。
「……やはり、あの程度では話にならんか」
「あっけなくやられちまったらしいな。応援に来た奴らも大半な」
痩剣士の呟きに、レックスは軽口で答える。
「で?どうすんだアイツ。真正面からやり合ったらオレでも難しいんだが……」
笑みを消し、真剣な眼差しで痩剣士を見る。
「問題ない。多少誤差はあるが、計画に変更はない。計画の始動と同時に、最優先で奴を無力化してもらう」
その視線に対して意に介さず、淡々と話す。
「悪いが、相手が相手なんでな。手加減せず殺しちまうぜぇ?」
「構わん。最悪死体でも、持ち帰れば手柄にはなる」
その言葉に、レックスはニヤリと笑みをこぼしたのだった。
章ごとに幕間と本編分けてるけど、分けない方がいいかな。(さっき確認したら言ってることがおかしかったのでアンケート訂正)
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分けずに投稿しまくれ
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ソノーマーマーデイーイー