さて、魔術試験が始まったが・・・内容は簡単だと思っている。何せ20m先の窓にぶつけるだけだからな。まぁ火魔術を収束させて当てれば良いか。
まぁ魔術には詠唱というものが存在するがこれはどれだけ短いのかが重要視されていたりする。例えば三小節の威力50よりも一小節の威力30の方が重宝される。なぜなら後者の方が効率いいからだ。これが三小節威力150とかだと長さは目を瞑る事が多いがそれは威力が高いからだな。俺か?俺はクソ長いぞ
「次、リィン・アインシュベルク」
Side:魔術教師(名無し)
さて、次は先程やらかしたリィンとやらか、賄賂を渡されて低評価にするように言われているがどれほどか見てやろう。
「火魔術、収束、形状・槍=投擲→的・威力=20」
なんだ!?この式は!八小節は長すぎる!この長さがデフォルトならどれだけ強いのだ!?
目の前に作られているのは槍の形をした火魔術・・・付与魔法は技術体系として存在するが武器の形そのものは使いづらいが故に弱いはず・・・
「発射」
その槍はとても速い・・・同年代だと最速・・・いや、八小節ということを鑑みたら冒険者のC・・・Bにも引けを取らないぞ・・・!?だが威力だ。威力が低かったら意味がないからな。着弾した時の煙が晴れるが・・・貫通している・・・だと!?今回は威力200を超えなければ壊れないんだぞ!?8で威力最低200・・・同年代だと一小節で20〜30だから8小説だと160〜240・・・いや、その分のロスを考えると140〜200・・・なるほど、こちらの方が効率的だな・・・
「そこまで!」
これは学長に進言しておくか・・・?まぁ賄賂を渡されたがこれほど強いなら低評価出来るわけないからな。低評価した事で私の評価が下がるのは避けたい。それよりも賄賂を渡してきたあの坊主の評価を下げる方が良いだろうな。
Side:リィン
ふむ、あえて八小節にした事で魔術の方向性を決めて放ったのが功を奏したようだな。それにあの試験官はまともな人間だったようだ。この魔術の凄さが分かっている。まぁ・・・俺の本気はこんなところではないがな
試験官が的を再生させている・・・なるほど、岩魔術と空間魔術の併用か。・・・使えるな。
「次!アイラ・ドゥルグベルク!」
ドゥルグベルクだと!?公爵家ではないか・・・同年代だったとはな
彼女は狙いを付けて・・・さぁ、見せてくれ。貴族の魔術とやらをな
「炎よ!敵を貫け!」
掌から炎が出て・・・無駄な部分が多いな。直線で狙えば良いものを・・・まぁ直線だと避けやすいと言うデメリットはあるがその分早く相手に当たる。どっちを取るかは人それぞれだがあれは無駄な部分が多すぎる。威力も先ほどの俺とさほど変わらん。しかし魔術効率は俺の方が良いな。向こうが二小節で着弾まで5秒、俺が八小節で着弾まで2秒。向こうは詠唱に1.5秒程か?俺は5秒程か。6.5秒と7秒で0.5秒向こうのほうが速いが・・・向こうは20mで5秒。俺は2秒。つまり1秒で向こうは4m、俺は10m進む。遠距離になればなるほど俺の方が効率が良くなるんだよな。さらに隠し詠唱で貫通も付けているから避ける必要が存在しない。まぁこれに気がつくかはあの試験官次第だろうな。
あとは・・・何があったか・・・あぁ、確かもう一個魔術試験があったな。確か最速で魔術を放つとか言う無駄な試験・・・実際早く打たなければいけないほど追い詰められたら接近戦した方が強いからな。
これは流すか・・・威力最低で貫通力高め、その分細くなるが・・・これは楽なんだよな
「次!リィン・アインシュベルク!」
はぁ・・・こんなん何の意味があるんだろうな
「発射」
師範曰く「レーザービーム」の元らしい。師範のレーザービームは龍すらも断ち切るからな。俺にそんなことはできない。せいぜいマッドボアを断ち切る程度だ。
さぁ、合格発表がその場であるというのは楽で良いな。その間に少しばかりの休憩があるのもまた緊張感が増してピリついている・・・それもまた良い
「少し良いかしら?」
おや、俺に話しかけてくるのはアイラ・ドゥルグベルク公爵家三女ではないか
「えぇ、一体この私に何の用事で?」
彼女はムスッとした顔で(まぁまだ六歳だし年相応とも言えるか)
「貴方の魔術、一体誰に習ったのかしら?あんな魔術式の形態聞いたことがないのだけれど」
あれは・・・俺の魔術の師範の形態だからなぁ・・・一度それで命を狙われてるらしいから詳しくは伏せて話すか
「私の師範が使っている魔術形態ですね。他の形態に触れたことのないので・・・まさかここまで低レベルだとは思いませんでした」
ぶっちゃけて言おう。早く打つなら必要なのは威力ではなく貫通力だ。威力が強かったら自爆する可能性があるが貫通式だとそんなことはない
「低レベル・・・?このドゥルグベルク家の炎魔術に対して低レベルですって・・・!?」
「だってそうでしょう?威力は強いですが無駄な部分も多いですし何より式自体に無駄が多過ぎます。あんなん使うのなら弓に付与魔法使った方が強いですよ?」
「貴方こそ最初の試験八小節だったじゃない!それこそ無駄よ!」
「・・・アレは手を抜いてましたので。なにせ最短で放つなら魔術よりも武器で攻撃した方が楽なもので最短魔術なんて使わないんですよ。威力重視かつ入試的にはアレが最善でした」
「あれが手を抜いていた!?あの魔力消費量で手を抜いていたは虚言でしょう!?現に貴方の魔力量もう僅かしかないじゃない!」
それはそうなんだよなぁ・・・魔力隠蔽で使う魔力多いからなぁ・・・
「・・・それでも今この場で全員を相手に魔術のみで勝てる確信はありますよ?2次試験で見せた魔術は効率がいいもので」
「・・・確かにそうね。アレは私くらいしかこの場の人だと対処出来ない・・・」
おっ、案外まともだった・・・これは大誤算。高飛車?だと案外認めないって聞いたことあるからなぁ
「試験結果を発表するぞー」
おっ来たきた
「と言ってもめんどくさいから特待生だけ口頭、あとは廊下の掲示を見てくれ」
なるほど、効率的だな
「特待生は3人だ。リィン・アインシュベルク、アイラ・ドゥルグベルク、シィナ・メフティナだ」
ほう、メフティナ家も居たのか。あそこは錬金術が強いと聞いたことがあるが・・・特待生とは・・・
「へぇ、試験官も教師陣もまともだったわね」
隣のドゥルグベルクもほっとしている・・・?何故だ?
「おかしいだろ!」
お?誰だ?
「何故あんな無名の男爵家の三男が特待生で侯爵家長男のこの俺が特待生ではないのだ!」
そんな性格をしているからではないか?家柄で特待生が決まるわけではないだろ。それに運営的にもお前は特待生にはしないさ
「あら、まるで彼が特待生になれなくて当然みたいな顔してるわね?」
「それはそうだろう。運営的にもな。良いか?金はあるところから取った方が良いんだ。もし、万が一、奥が一俺とあやつの点数が同じだとしよう。あり得ないことだがな。そしたら俺から金を取るよりもふんだんに取れるのは侯爵家の方だ。俺は無名の男爵家だからな」
おっと口調が戻ってしまったか・・・
「ま、それはそうね。それに私も彼は嫌いだし」
「それには同意だ。初対面だがあやつは嫌いにしかなれない」
「あら、人を見る目はあるのね。なら私はどう写っているかしら?」
ふむ・・・
「自信家、しかし上には上がいることが分かっている。聞き分けはよく納得したことは嫌いな相手が言った事でも納得できる器量の良さはある。問題点として初手は相手を見下す癖があるな。まぁ公爵家と言うことを考えれば納得か。表では強気に振る舞っても裏では本音が出るタイプだな?若干の指の震えがあるぞ。・・・と、こんな感じかな」
「へ、へぇ・・・初対面のはずなんだけどよくそこまで見るわね?」
「師範の教えだ。人を一瞬で見る癖を付けろとな。交流する必要があるかどうかが見極められるようになるからお勧めだぞ」
「何なのよ貴方の師範とやらは・・・」
まぁ、特待生で合格できたのは幸いだが・・・本家が接触する可能性があるのか・・・それは避けたいな。すぐにどこかに逃げるか。学園寮に入れば問題あるまい